米裁判所が自動運転技術の元エンジニアにGoogleへ約192億円を支払うよう命じる

自動運転車のエンジニアでスタートアップの創業者でもある、Anthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドフスキ)氏は、Uber(ウーバー)とWaymo(ウェイモ)との間で争われている機密情報裁判の中心人物である。このほど同氏は、Google(グーグル)退社を巡る契約問題を収束させるために、1億7900万ドル(約192億円)を支払うよう命じられた。Reuters(ロイター通信)が 最初にこの裁判所命令を報じた

昨年12月、仲裁委員会はレヴァンドフスキ氏とLior Ron(リオール・ロン)氏が不当競争行為を犯し、競合するトラック輸送に特化した自動運転車会社であるOttoを設立するためGoogleを退社した際、同社と交わした契約に違反したという裁定を下した。2017年にUberはOttoを買収した。米国時間3月4日、サンフランシスコ郡裁判所は委員会の決定を承認した。

ロン氏は先月Googleと970万ドル(約10億4000万円)で和解している。しかしレヴァンドフスキ氏は決定に不服を申立てた。サンフランシスコ郡最高裁判所は米国時間3月4日、同氏の申立を却下して同氏に和解契約を守らせるためのGoogleの請願を許可した。

和解金は必ずしもレヴァンドフスキ氏個人が支払う必要はない。この種の義務は会社との契約あるいはその他の奇妙な法律によって、同氏の雇用主に帰せられる場合があるからだ。しかし、同氏は本日付で破産申請をしており、1億7900万ドルの負債は自身の資産額よりはるかに大きいと表明している。同氏の資産は5000万~1億ドルと推定されている。

レヴァンドフスキ氏の代理人は本件についてのコメントを拒んだ。

【編集部注】本稿にはDevin Coldeway(デビン・コールドウェイ)記者が協力した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米連邦控訴裁、トランプ大統領はTwitterで批判者をブロックできないと判示

トランプ大統領とTwitterにおける批判者の法的闘争が新たな段階に進んだ。大統領のTwitterアカウントに対して批判を投稿していたユーザーをブロックしたことについて、ニューヨークを管轄する連邦控訴裁判所は「大統領はツイートをブロックしてその相手の閲覧を遮断することはできない」と判決した。

これは「大統領の意見あるいは政策に批判的な相手を大統領がブロックすることは合衆国憲法修正第1条に違反する」とした連邦地裁の判断を維持したものだ。 

この判決でBarrington D. Parker判事は以下のように述べた。

公職にある者が公の職務に関連してソーシャルメディアのアカウントを用いて発言した場合、これに対する批判は憲法修正第1条が保障する表現の自由であるから、アカウントの所有者は何人に対してもその閲覧ないし対話を妨げる措置を取ることは許されない。

Twitterのブロック問題は2017年にトランプ大統領のツイートに対して批判的なリプライを投稿した7人がブロックされたことを不当として訴えを起こしたことに端を発している。

簡単にいえば、大統領が公にしたツイートからは何人であれ排除されてはならいというのが裁判所の見解だ。

 

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滑川海彦@Facebook

ボイスメッセージ技術侵害でFacebookがBlackBerryを逆提訴

Facebook は、インスタントメッセージアプリのボイスメッセージ技術を盗用したとしてBlackBerryを提訴した。

サンフランシスコで火曜日に提出した118ページに及ぶ告訴状で、FacebookはBlackBerry が5つの特許を侵害したと主張している。その特許とは、GPSデータのトラッキングと分析、ボイスメッセージ技術、アプリ内でのグラフィックス・ビデオ・オーディオの表示方法に関するものだ。

告訴状で、Facebookは同社のMessangerとWhataAppのメッセージアプリへの侵害が“すでに起こり、そしてダメージを引き起こし続ける”と主張している。

Facebookは考えられるダメージについての被害額は載せていないが、同様の内容で訴えられたときに出したコメントを考えると、裁判そのものはややうわべだけの様相だ。

もしこのニュースを読んでどこかで聞いたことがあるような、と思ったとしたら、それはBlackBerryが3月にFacebookに対し同じような裁判を起こしているからだ。

その際、Facebookの副法律顧問Paul Grewalは「BlackBerryの訴訟は残念ながらメッセージビジネスの最近の状況を反映している」「イノベーションの努力を放棄し、BlackBerryは今や他社のイノベーションに難をつけようとしている」と非難した。

Facebookはコメントを拒否し、BlackBerryはコメント要求にまだ応えていない。

アップデート:Facebookのコメント対応がアップデートされている

イメージクレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

生鮮食品配達のBlue Apron、IPO後の株価下落で集団訴訟の恐れ

Blue Apronには息をつく暇もないようだ。食品通販サービスを提供する同社の株価は6月下旬のIPO時点から半分近く下がり、訴訟問題にまで発展しようとしている。

現在複数の弁護士事務所が集団訴訟の準備を進めており、彼らはBlue Apronが株価に影響を及ぼす重要な情報を開示していなかったと主張しているのだ。

具体的な内容としては、顧客維持、配送遅延、広告費の削減が焦点となっている。現地の法律事務所Bragar Eagel and Squireの主張は次の通りだ。「1)Blue Apronは2017年Q2に広告費を大幅に削減し、将来的な売上・利益をないがしろにした 2)Blue Apronは食材セットまたは一部食材の配送遅延で顧客維持に難航していた 3)ニュージャージー州リンデンに新しく設立された工場の稼働状況に問題があり2017年Q2にも配送遅延が発生していた」

Bottini & Bottiniという別の法律事務所も同様の内容で訴訟手続きを行った。こちらの原告はRustem Nurlybayevとなっており、以前Alibabaを訴えたのと同じチームのようだ

先述の事務所以外にも同じ内容の申し立てをしているところがいくつかあり、Googleで検索するとかなり数のウェブサイトがヒットする

Blue Apronに近い情報筋によれば、まだ原告を募集しているものもあるという。

先述の問題に加え、Blue Apronが上場する数週間前にWhole Foodsの買収を発表したAmazonの存在も、株価の急落に大きく関係していると言われている。買収発表後、多くのメディアがAmazonの食品通販サービスへの参入可能性について報じていた。そういう意味では、IPO時に株を購入した投資家は、少なくともAmazonの動きによる株価下落の可能性については事前に把握できていた。

業績の思わしくない企業が株主から訴えられるというのは珍しいわけではない。英語では”stock-drop challenges(=株価下落に伴う困難)”という呼び名がついているくらいだ。2012年に上場したFacebookも、IPO後に連日株価が下がったことを背景に訴訟問題を抱えていた(結局その後同社の株価は爆発的に上昇した)。最近で言えば、Snapの株主も同社がSnapchatのユーザー数を偽って公表していたと訴えていた。ロサンゼルス連邦地方裁判所に訴状が提出された本件では、Snapがユーザー数を偽ったことで株価が下落したという主張のもと、賠償金とクラスアクションの認定が求められている。

「このように、株価が下がるとすぐに弁護士が出てくる」とIPO ETFを運用しているRenaissance Capital社長のKathleen Smithは語る。

さらにSmithは、このような問題を「株主による抵抗」と呼び、通常和解に至るケースが多いと話す。原告が勝訴するためには、企業が重要な情報を偽り、かつ原告がそれを信用して株式を取得したと証明しなければならず、実証が難しいことがその理由だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake