次に何を作るべきか、何故それを作るのか、ProductBoardがその決定を助ける

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ProductBoardは、デジタルプロダクトマネージャーのためのサービスの提供を始めた。ユーザーリサーチの結果をより良くまとめ、どの機能の優先度が高いかを決定するための役に立つサービスだ。TechCrunch Disrupt San Franciscoで、そのお披露目が行われたこのプロダクトマネジメントプラットフォームは、ベータ期間中から既に100社以上の有料顧客によって支えられ、プロダクトロードマップの確立や、これから登場する機能に関してエンジニアリングチームとのコラボレーションが続けられて来た。

今日のプロダクトマネージャーは、次に何を作るべきかを決めるときに、様々なチャネルから入力を得ている。例えばカスタマーサポートチケット、電子メール、営業チームからの報告、あるいは直接のユーザー調査など。しかし、これらの全ての情報を首尾一貫したものとしてまとめて行こうとする際には、しばしばより汎用的ツールを使うことが多い、例えばスプレッドシート、Google Docs、ノートアプリ、あるいはwikiなどを使っていくことになる。

ProductBoardは、構築する必要のある機能の長いリストを、整理し、集約し、優先順位を付けることを狙ってデザインされている。

このサービスは、ZendeskやIntercomなどのような、プロダクトへのフィードバックが最初に集められるシステムと一緒に働く。それはまた、Webからスニペットを切り取るためのChromeの拡張機能を含んでおり、電子メールで送った情報を集めることができ、更にサードパーティ製のアプリと接続するためにZapierと連携する。

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これらの要求のフィードバックは、1つのインターフェイスに集約されて、それらがインスパイアする機能とリンクさせることができる。

このように、ProductBoardを使えば、誰がその変更を望んでいるのか、何故その機能が必要なのか、それが解決する問題は何か等々を知ることができる。また、集められた機能要求をサマリーして、その機能によって解決される問題や、それらの機能が会社にとってより大きな戦略的要素にどのように関わっているかをプロダクトマネージャーが理解しやすくするようなアルゴリズムも採用されている。

PMたちは、そうした機能要求をアプリの中で直接階層化し、手元のデータに基いてそれらの優先度を可視化することが可能である。ユーザーへの影響のスコアもまた、アプリの右側のカラムに表示されて、ビジネス上どのアイテムをどれに先立って作るべきかのランク付けを上手く行う手助けをする。

そしていよいよ機能自身を開発することになったときには、ProductBoardは、Trello、Pivotal Tracker、Atlassian JIRAといった、エンジニアリングチームが仕事を追跡するための様々なシステムと連携してくれる。データをそうしたシステムに送ることに加えて、サービスは双方向同期もサポートしているため、ProductBoardから現在の機能の開発状況を見ることもできる。

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このスタートアップのアイデアは、共同創業者でCEOであるHubert Palan自身の、プロダクトマネジメント経験に由来している。彼はチェコ工科大学でコンピューターサイエンスの修士をとり、バークレーからMBAを取得している。その後ベイエリアに移動し、BIプラットフォームであるGoodDataの6番目の従業員となった。

 GoodDataで過ごした数年のうちに、彼はPM見習いからプロダクトマネジメント担当副社長へと出世し、一方会社は6人の小さなチームから300人を超えるものとなって、VCの後ろ盾を得て1億ドルを調達した。
そこでPalanは、今日のプロダクトマネジメントに関わる痛みを個人的に経験したと語ってくれた。

 

「プロダクトに関する意思決定を行うプロダクトマネージャー、デザイナー、その他の関係者として、私たちが使ってきたものは、生産のためにデザインされたツール ‐ エンジニアリングツールなのです」とPalanは説明する。「それらはすべて、(機能の)構築を助けるためにデザインされていて … 『顧客』という概念をもっていませんし、プロダクトが解決すべき課題やニーズもなおざりにされています。ユーザーインターフェイスの中にすら存在していないのです」と彼は言った。

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これらのシステムは、単に長い機能のリストを保持してくれるだけで、何がバックログの最上部にあるべきかの優先順位を付けることには役に立たない、とPalanは付け加えた。

「そのビジネス側面に関わること – それが重要なのは誰に対してなのか、なぜそれが重要なのか、それが解くのはどの問題なのか? – こうした事に対して既存のツールは何も手助けしてくれません」とPalan。

サービスとしてのソフトウェア(SaaS)プラットフォームとして、ProductBoardは何段階かの価格プランを機能セットに基いて提供している。例えばどのインテグレーション(Pivotal Tracker、JIRA、Zapierなど)がサポートされているかなどで価格が決まる。価格は月額24ドルからで、「スタートアップ」プランは月額99ドルとなる。大企業の場合には、個別の価格設定に応じる。

サービスは先の10月に静かに公開ベータに入っていたが、今日、公式に公共デビューを果たした。

顧客として挙げられている企業には、Envoy、Avast、Shopkeep、BambooHR、 Marqeta、Sprout Social、Trifacta、StriimそしてDotMailerが含まれている。

サンフランシスコを拠点とし、共同創業者兼CTOとしてDaniel Hejlを擁するこのスタートアップ企業は、最近シード資金を転換社債の形でRockaway Capitalなどから調達している。

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(翻訳:Sako)