人気映画やテレビ番組を活用して語学教育を行うEWAが5100万ダウンロードを達成、初の外部資金を調達

オンラインの外国語学習は、スタートアップにとって良い商機であり続けている。そのユーザーにとって魅力的な体験は、スマートフォンに費やす時間をもっと生産的なことに使いたいと思う一般消費者の関心にもマッチしている。この分野の最新の展開の1つとして、EWAという言語学習アプリがある。それは、言語の取得にメディアを利用し、映画やテレビや本などからの引用を利用して学習者を新しいボキャブラリーと発音に親しませる。このアプリはこれまでに5100万回ダウンロードされており、月間アクティブユーザーは3500万に達する。そしてこのほど、初めての外部資金として270万ドル(約3億1000万円)を調達した。

EWAは「E-vah(エヴァ)」と発音し、共同創業者でCEOのMax Korneev(マックス・コルニーフ)氏によると、2018年の創業以来ずっと自己資金だけでやってきたという。それでも現在の年商は3240万ドル(約37億4000万円)に達している。フリーミアムの部分は3日間のトライアルだが、TikTokやInstagramなどのソーシャルメディア上にそのコンテンツクリエイターとして広く展開しており、同社のポストで数百万のユーザーが非公式に言葉の勉強をしていることになる。英語学習用のEWA Englishだけでも、500万以上のフォロワーがいる。

コルニーフ氏によると、外部資金を導入する目的は、現在、同社が直面している成長の需要に応えて拡大していくこと、またエンジニアを増員して、以前より待望していたソーシャルな要素を増やすゲーム化の仕掛けと対象言語の多様化機能を開発することだ。現在、アプリは英語とスペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語のみ対応している。

シードラウンドにはDay One VenturesとElysium、それにSemrushやZynga、Nianticなどからのエンジェルや創業者、役員たちが参加した。EWAはすでにシリーズAの準備を始めており、評価額1億5000万ドル(約173億3000万円)で3000万ドル(約34億7000万円)となり、SoftBankらのVCが同社に接触している。TechCrunchは現在、SoftBankにコメントを求めている。コルニーフ氏はコメントを断った。

すでに上場しているDuolingoの本日の時価総額はおよそ34億ドル(約3928億9000万円)だったが、アプリを粘着性の高いもの、ユーザーは学習の流れを維持するために毎日ログインし、トップの位置を守ろうとするものにしてオンライン言語学習市場を席巻した。またリアルの世界で知ってるかもしれない人とアプリ上でリンクさせることで、自然な競争意識が芽生えて、このアプリでの勉強が習慣になる。

これまでのEWAのユニークなセールスポイントは、オンラインメディアの広大な世界をその目的(言葉の学習)のために利用する、その方法だ。アプリユーザーには、有名な本を読む、人気の高い映画やテレビの抜粋を見るなどの選択肢がある。有名な台詞などは、言葉の学習の良いきっかけになり、その知識をワードゲームで強化していく。

その方法は私個人的にも、おもしろいもので、私と家族がロシアから初めて米国に来たときのことを思い出させる。しかもEWAのCEOコルニーフ氏もロシア人だ。同氏によると、教材としてメディアの利用という変わった方法を選んだのは意図的だという。その方が、現代に合っているし、非常に多様な言語学習者にも伝わりやすい。

「現在の独習アプリを見てみると、リアルな教室での学習の進行をコピーしたものがとても多い。はっきりいうと、それは古いやり方だし、今ではあまり効果がありません」とコルニーフ氏は語る。彼はDuolingoが行った調査を引用して、オンラインの言語コースを終了した人は全受講者の1%未満しかいないという。「人間は、楽しいこと、おもしろいことを好みます。ユーザーに、なぜEWAを利用するのか尋ねたら、楽しいからという答えが返ってきます。私たちは、エンターテインメントと教育を結びつけているのです」。

言葉を学ぶために「地元のメディア」を利用したのは、私の家族だけではなかったようだ。コルニーフ氏がITの仕事をしながら別の言語(彼の場合は米国における英語)を学んだのも、その方法だった。

「多くのスタートアップが、痛みを解決しようとして生まれてきます。EWAの始まりもそうでした。私の場合は字幕付きの映画を見たり、言葉に関する傍注のある本を読んだりしました。他の人たちも、そうやって言葉を身につけてきました。言葉に対す自身の方法をビジネスにできないかと考えた彼はITの仕事を辞めて、共同創業者のStepan Nikitin(ステパン・ニキーチン)氏やAnton Aleshkevich(アントン・アレシュケビッチ)氏、Stas Morozov(スタス・モロゾフ)氏らとともにEWAを創業した。

EWAの社籍はシンガポールとなるが、大量のデベロッパーがロシアにいる。ロシアのスタートアップが西側の投資家から資金を調達するのは難しいため、意図的にこの形にしている。コルニーフ氏にとっては、パンデミックが幸いし、チームはリモートのワークフォースだという。同氏自身は、シンガポールとブダペストとバルセロナの3カ所を拠点としている。

画像クレジット:EWA

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Hiroshi Iwatani)

IPOは中止になったが、Babbelの語学学習サービスは急成長中

ベルリンを拠点とする語学学習サービスのBabbel(バベル)は、2021年9月下旬にフランクフルト証券取引所でIPOを行う予定だった。しかし、IPOのほんの数日前に、上場は中止された。当時、世界の株式市場を非常に神経質にした中国「恒大集団」の債務危機の状況を嫌ったためだ。新しいIPOの日付はまだ発表されていいないが、BabbelのCEOであるArne Schepker(アーネ・シェプカー)氏が私にいうように、同社は引き続き市場を観察している。

しかしIPOの中止は誰にとっても予想外だった。「取り組んでいたチームにとってはがっかりするできごとでした。長く熱心に働いていたからです。私たちは本当によくやっていました」とシェプカー氏は語った。「私たちは予定をこなし、正しい軌道に乗り、100人以上の関心の高い投資家に出会い、すばらしいフィードバックを得ていたのです、その最中に恒大集団の状況が明らかになり、IPO市場のほとんどが止まってしまいました。進むべきか、退くべきか。私たちは、その市場に参入すべきか否かという非常に意識的な決断に直面したのです」。

シェプカー氏は、Babbelが十分な資金を持っていて、銀行に十分な現金を保有していることに加え、必要ならば製品への投資や買収を続けるための他の資金調達の選択肢があることから、同社が正しい決断を下したと確信している。

画像クレジット: Babbel

同社の最も急成長しているビジネスの1つは、サービスのアプリベースの語学学習ツールを強化する「ライブ」クラスだ。2021年初めにリリースされたBabbel Live(バベル・ライブ)は、2021年の後半には上半期と比較してサブスクリプションでは300%、収益では400%増加した。数万人の学習者を抱えるBabbel Liveは、毎月1万5000のクラスを提供しているが、シェプカー氏によれば、学習者の約25%が、ライブプラットフォームを導入ポイントとしており、残りの75%がアプリから使い始めているという。

Babbel Liveと同社のB2B Babbel for Business(バベル・フォー・ビジネス)サービスは、現在、同社の収益の9%を占めている。また、ビジネス全体も好調で、11月の請求可能な売上高は2020年から30%増加して2000万ドル(約22億8000万円)を超えている。

シェプカー氏によれば、そのことと、質の高い製品で定評があることが重なり、同社は優秀な教師を採用できるのだという。「私たちはイノベーションのフロンティアを押し広げ、人間の知性と人工知能を、常に最大限に活用しようとしています。このように、私たちは完全に人間依存でもなく、完全にテクノロジー依存でもないために、それが私たちのライブ教室の教師の方々にとって魅力的なのだと思います」と彼はいう。

画像クレジット:Babbel

同社のB2B側をみてみると、Babbelは11月には5000人の新規企業学習者を登録し、現在1000社を超える企業と協力している。Babbelがこちらのビジネスを構築するのにはある程度の時間がかかっている、このビジネスは長い間ドイツでしか利用できず、最近イタリアに拡大したばかりだ。すぐに他のヨーロッパ市場、そして米国にも拡大することが計画されている。シェプカー氏は、企業の語学学習は語学学習市場全体の約3分の1を占めているため、これは同社にとってかなりの成長の機会であると述べている。

今後のことを見るなら、Babbelチームは、さまざまなプラットフォーム間でより良い統合を行う手段を具体的に検討している。これにより、Babbel Liveの教師は、例えばクラスとクラスの間で生徒がアプリで何を学んだかを確認できる。Babbelのポッドキャスト、アプリ内ゲーム、その他の導入ポイントに加えて、同社はすでに言語学習ツールの非常に豊富なエコシステムを提供している。現在の問題は、それらすべてをよりまとまりのあるプラットフォームにするにはどのようにすればよいかということだ。

「ユーザーの方々は独自の学習方法のエコシステムをつなぎ合わせる傾向がありますが、私はその状況をクリエイティブな混沌と呼んでいます。なぜなら私たちはそれを実際に行う手法を学んではいませんし、実際に統合もされていないからです」とシェプカー氏は述べている。「例えば異なる学習方法は、私が教室に足を踏み入れたときに、私がアプリで何をしていたかを知って活用することはできません。それは、学習者にとっても教師にとっても、そして語学学習会社としての私たちにとっても、エコシステムの中に見出すことができる付加価値なのです。私たちが学習者のエコシステムをまとめてあげることで、学習の旅を実際に進めて行くことができるのです」。

画像クレジット:Babbel

原文へ

(文: Frederic Lardinois、翻訳:sako)

オンライン学習最大手「Chegg」が語学学習スタートアップ「Busuu」を約496億円で買収

NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場されている教育メディアラーニングプラットフォームのChegg(チェグ)は、2008年にヨーロッパで設立されたオンライン学習のスタートアップBusuu(ブスー)を約4億3600万ドル(約495億9000万円)の現金取引で買収した。

Busuuのイグジットまでの調達総額はわずか1610万ドル(約18億3000万円)で、これはヨーロッパの基準でも少額であり、これまでに160か国以上で1億2000万人以上の生徒に届けたビジネスを構築したファウンダーらの強い気概を表している。Busuuは、50万人の有償サブスクライバーに12の言語でコースを提供している。

Busuuの最新ラウンドは2020年5月27日で、GP Bullhoundおよび超富裕層から200万ドル(約2億3000万円)を調達した。それ以前の出資者には、Harold Primat、McGraw-Hill Education、PROfounders Capital、Martin Varsavsky(マーティン・バルサフスキー)およびJohann “Hansi” Hansmann(ヨハン・”ハンシ”・ハンスマン)らがいる(CrunchBaseによる)。

Cheggのプレジデント兼CEOであるDan Rosensweig(ダン・ローゼンスワイグ)氏は次のように語った。「Busuuが加わることで、Cheggは自身のビジネスを拡大するとともに、既存ユーザーにすばらしい付加価値を与えられるまたとない機会を得ました。これによって国際市場へさらに進出し、Busuuの米国市場での成長を加速することが可能になります。Busuuのチームとは長年のつきあいがあり、カルチャー的にも非常に一致しています。彼らには本格的語学学習者向けのすばらしい学習サービスを構築した実績があり、Cheggの仲間に加わってもらうことを大変喜んでいます」。

Cheggは、Busuuの2021年の通年売上を約4500万ドル(約51億2000万円)、対前年比20%増と予測している。現在170億ドル(約1兆9341億2000万円)のデジタル言語学習市場は、今後5年間で3倍に増えると予想されている、とCheggの声明に書かれている。

Busuuの共同ファウンダーであるベルンハルト・ニーズナー氏とエイドリアン・ヒッティ氏

2008年にBernhard Niesner(ベルンハルト・ニーズナー)氏とAdrian Hilti(エイドリアン・ヒッティ)氏が設立したBusuuは、英国・ロンドンおよびスペイン・マドリードにオフィスを構え、精緻化された語学学習モデルとプラットフォームのあらゆる面の改善を繰り返してきたことで、メリーランド大学の学者による研究で、Busuuのユーザーは2カ月間にわずか13時間の学習によって大学の1学期(通常90~105時間の授業)分の成果を上げたことが示されるまでになった。同社は無料および有料のサブスクリプション・サービスを1カ月、1年、および2年のコースで提供している。

Busuuは個人利用だけでなく、企業の語学訓練にも使用されている。2020年同社は、Verblingを買収した後に、ライブ言語指導サービスを加えた。

BusuuのCEO・共同ファウンダーであるベルンハルト・ニーズナー氏は次のように語った。「世界をリードするEdTech企業で、学生を第一に考えるCheggファミリーに加わることは大変光栄であり、楽しみです。このパートナーシップによって、Cheggのとてつもなく広いリーチを生かし、特に米国で当社の拡大を加速する機会が得られます。言語によって世界の全員に力を与えることが私たちのビジョンであり、当社とCheggとの新たな関係によってこのゴールがさらに早く達成されると信じています」。

画像クレジット:Busuu team London HQ

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:Nob Takahashi / facebook

記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerがアルファベット手書き機能を採用、塾や学校現場の早期英語学習を支援

記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerがアルファベット手書き機能をリリース、早期英語学習を支援モノグサは11月24日、記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」(モノグサ。Android版iOS版)において、既存のひらがな・カタカナ・漢字に加えアルファベットの手書き学習機能をリリースした。2020年度から小学校で英語教育が必修化されており、2021年度には中学校で扱う英単語数が増加したことから、重要度が高まっている早期英語学習を効果的に支援する。

Monoxerでは、塾や学校の先生が覚えてほしい内容を登録するだけで、その内容を記憶に定着するために必要な問題が自動生成される。生徒は生成されたその問題をスマートフォンやタブレットのアプリを用いて学習が行える。さらに、1人1人の習熟度・忘却度に応じてリアルタイムに問題の出題頻度や難易度が調整されるので、個人のレベルに合わせた学習が実現できるという。遠隔の状態でも生徒の学習状況や定着度を把握可能なため、通学・通塾が困難な状況においてもきめ細やかな指導を行える。

今回アルファベットが追加された「手書き機能」は、文字の評価と誤答のフィードバックに力を入れている独自性の高い機能。学習者が文字を正確に認識し、綺麗な文字を書けるようになるため手書きした文字を厳密に評価するシステムを採用している。同時に、お手本とどこが違うのかを正確に学習者へフィードバックし、正しい文字を美しく書けるようサポートする。

AIを活用して生徒の外国語学習を支援する日本でも人気のMagniLearnが約3.2億円調達

言語を学ぶのは簡単ではない。だから生徒を助けようとするスタートアップがたくさんあるのも当然だろう。個人で学習し学校のシステムとは関係のないスタートアップもあれば、学校への導入に挑戦するスタートアップもある。最近この市場に参入したのがイスラエルを拠点とするMagniLearnだ。同社はAIを活用し、生徒の学習状況に応じて1人ひとりに合うレッスンを提供する。

同社は米国時間10月19日、シードラウンドで280万ドル(約3億2000万円)を調達したと発表した。このラウンドをリードしたのはクラウドファンディングプラットフォーム「OurCrowd」のインキュベーターであるLabs/02とインドのReliance Industriesで、イスラエルのInnovation Authorityや多くの個人投資家も参加した。

MagniLearnの共同創業者でCEOのLana Tockus(ラナ・トックス)氏は「精密にパーソナライズするので、2人の生徒のレッスンが同じになることはまったくなく、生徒は可能性を存分に伸ばすことができます。当社のAIアルゴリズムがリアルタイムで動的に練習問題を作成するので、レッスンは生徒の進捗状況に応じて進化します。練習問題は生徒1人ひとりが挑戦するのにまさにぴったりのレベルで、時間を最も有効に使えます。アルゴリズムが学習者の回答を理解し、正確なフィードバックを学習者の母語で提供します」と説明する。

画像クレジット:MagniLearn

現在は日本、韓国、イスラエルでこのサービスが利用されているが、トックス氏は今回調達した資金でアジアパシフィック地域で拡大していく計画だと述べた。現時点ではMagniLearnのプロダクトは英語教育に特化している。

コロナ禍で学校のシステムはたいへんなストレスを受けたと同社はいう。しかしトックス氏は、MagniLearnが外国語教員を置き換えようとしているわけではないと述べている。「我々は1人ひとりに合わせたデータドリブンのインサイトを通じて教員と生徒が学習効率を最大化できるようにしたいと考えています。グローバルなエコノミーに参加し、収入を倍増させ、自分と家族により良い未来を約束するために英語を必要とする世界中の生徒に対して、チャンスの扉を開くことになるでしょう」(トックス氏)。

画像クレジット:Catherine Falls Commercial / Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

英語を母国語としない人がその発話能力を確立し自信を持てるようにするBoldVoice

Anada Lakra(アナダ・ラクラ)氏とIlya Usorov(イリヤ・ウソロフ)氏は米国に移住した当初、自分たちの声を伝えることに苦労した。彼らは英語を知っていたし、理解していた。しかし、話す時になると、アクセントがハードルになった。例えばウソロフ氏は、ロシア生まれの両親が自らを主張しようと奮闘し、そのことが仕事の機会を制限してしまうのを目にした。一方、エール大学に入学したばかりのラクラ氏は、自分の発言をもう一度と言われてしまうことが頻繁にあった。

「自分自身を明確に表現することができるだろうか?理解してもらえるだろうか?影響力を持てるようになるだろうか?」とラクラ氏は自問したことを振り返る。「自分のアクセントの発音により、完全な自分ではないように感じさせられました。そして私は、自分のパーソナリティをいくらか失ってしまいました」。

これは、米国に住む約6500万人の英語を母語としない人々の多くが、程度の差こそあれ経験した問題だろう。2人は、仕事や信頼、人間関係を築く上でアクセントが障害になると考え、共同創業者として協力してソリューションを構築した。

ラクラ氏とウソロフ氏はこのほど、英語の発音を洗練させるアクセントコーチングアプリ「BoldVoice」をローンチした。ニューヨークに拠点を置くこのスタートアップは、現在Y Combinatorの2021年夏バッチを通過中で、プレシードラウンドで約60万5000ドル(約6600万円)を同アクセラレーターとXFundから調達した。

ハリウッドがEdTechの要件に適合

BoldVoiceは特定のユーザーを念頭に置いている。紙の上で英語を学んだが、人との会話や交流に助けを必要としている非ネイティブの英語話者だ。

同スタートアップは、従来俳優を支援してきたハリウッドアクセントのコーチが指導する短編ビデオを使ってコンテンツを配信している。カリキュラムは3つの「P」を軸にした構成だ。「Posture(姿勢)」は、英語の「R」をスペイン語の「R」と比較しながら身体的な感覚をサポートする。「Phonology(音韻論)」は母音と子音。「Porosity(多孔度)」はアクセントの音楽性である。これまでのところ、プラットフォーム上には2人のハリウッドアクセントおよび方言コーチ、Ron Carlos(ロン・カルロス)氏とEliza Simpson(エリザ・シンプソン)氏が在籍している。

「俳優が新しい役のアクセントを覚えるのと同じ方法を基にこのアプリを構想しています。すぐに覚える必要があるような環境で修得する方法です」とラクラ氏。「自宅で学ぶ人に同じ統制とプロセスを提供したいと考え、音声言語と方言の訓練を受けたハリウッドアクセントのコーチや、言語学の学位を持つアドバイザーを採用しています」。

同社は短編ビデオにとどまらず、今後は製品に人工知能(AI)を組み込むことを計画している。ユーザーが音声を練習すると、BoldVoiceが音声サンプルを記録してアルゴリズムに入力し、時間の経過とともに、ユーザーの苦手な分野に合わせたエクササイズを推奨できるようになるというものだ。同社は現在、オープンソースソフトウェアを使用しているが、将来を見据えて独自のAIアルゴリズムの開発を進めている。リアルタイムのフィードバックは偉業と言えるだろう。

BoldVoiceプロダクト

サインインのプロセスはいたってシンプルだ。ユーザーは、アクセントの確実性に関する目標の設定、英語の習熟度の説明、母国語の特定の他、改善したいと思う場面(職場から社会環境まで)を指定する。また、1日10分間の発音練習をするよう求められるが、拒否することもできる。

BoldVoice(TechCrunchによるスクリーンショット)

受講者にはサブスクリプションを通じてアクセス可能なレッスンプランが提供される。料金は月額10ドル(約1100円)または年額70ドル(約7700円)で、1時間あたり200ドル(2万2000円)にもなるプライベートアクセントコーチによる個人指導よりも利用しやすいと謳われている。現在、無料の体験版は1週間の無料試用版のみとなっている。

BoldVoiceは1カ月ほど前にサービスを開始して以降、1000人のユーザーを獲得している。ユーザーの大半はインドや中国出身、あるいはスペイン語を話す人々だ。同社はこれらのコアユーザーを中心に「極めてパーソナライズされた」コンテンツの作成にフォーカスしており、それに向けて相当な仕事に取り組むことになりそうだ。インドでは、1万人以上が121の言語を使用し、憲法で22の言語が公式に認められている。

フクロウが見ている

BoldVoiceは、Edtechサブセクターにとって重要な時期に、言語学習スタートアップの混み合った市場に参入しようとしている。言語学習のユニコーン企業Duolingoが今週上場予定で、他の消費者Edtech企業に黄金の光を投じるかもしれない。同社はすでに、株式公開を控えて予想価格帯を引き上げており、自信に満ちた動きだ。BusuuやBabbelなどの企業も、言語学習の領域を切り開くことに成功している。

しかしラクラ氏は、既存の語学学習アプリがアクセント市場で勝利したとはまだ思っていない。同氏は、言語を学ぶことは語彙や文法を暗記することであり、アクセントを学ぶことは舌の訓練を通して口を鍛えることだと説明する。BoldVoiceが注力している後者は、他の企業にとってはまだ優先度が低いように思われる。

同氏の認識は正しいようだ。Duolingoは、読み書きのリテラシーに優れているが、その発音への取り組みに関する有効性の研究はまだ発表されていない。Duolingoは初期に、ユーザーが会話を練習するのを助けるチャットボットをローンチしようとした。しかしこの機能は要望が高かったものの、ユーザーの80%が使わなかったために失敗している。同社CEOのLuis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏はこの反応について、消費者に会話の練習をさせることの難しさを浮き彫りにしたものだと考えている。

Duolingoは現在、音声認識テクノロジーに関連するチームへの投資に加え、M&Aの機会も視野に入れている。BoldVoiceも同様にバイトサイズのコンテンツと上昇機運を有しており、Duolingoの動機づけのミッションに対して、自社の自信のプロダクトを持ち込むことになるかもしれない。

補完的ではあるが競争の激しい環境は別にして、BoldVoiceの前に立ちはだかる課題は、センシティブな分野で活動することにあるかもしれない。発声[発話]能力というのは、アイデンティティに欠かせない要素だ。BoldVoiceは人々を助けることと、人々を形作るものを消し去らないことのバランスを取る必要がある。

ラクラ氏は、バランスを取ることができると考えている。ユーザーに対する彼女の認識は絶えず進化し続けている。

「人前で話すときのヒントや、会議への参加方法、丁寧にフィードバックする方法などについて、さらに情報を得られたらすばらしいという意見がユーザーからすでに寄せられています」と同氏はいう。これらの要望はすべて、プロフェッショナルな英語環境でどのように文化的、言語的に英語を使用するかに関するものだ。そしてBoldVoiceは、コーチと協力して、発音を超えて、ケイデンス、プロジェクション、イントネーションに至るコンテンツを生み出そうとしている。

「私たちはBoldVoiceを、人々が適切な方法で話すのを助けるだけでなく、自分のいうことすべてに自信を持てるようにするツールにしたいと、強く思っています」。

BoldVoiceの共同創業者であるイリヤ・ウソロフ氏とアナダ・ラクラ氏。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

語学学習のDuolingoが子供向け数学アプリを開発中、CEOが明言

フクロウをモチーフにした語学アプリで知られるDuolingo(デュオリンゴ)が、新たに数学アプリを開発中であるとCEOのLuis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏が明らかした。共同創業者である同氏が先に行われたインタビューの中で、そのアプリについて言及した。同社はインタビューが行われたのと同じ日に、正式に株式市場に上場した。

インタビューの後、TechCrunchはDuolingoにアプリの詳細について問い合わせたが、同社は開発プロセスの「非常に初期の段階」であることを理由に、詳細な情報の提供を断った。だが、同社が毎年開催している無料カンファレンス「Duocon」で、ユーザーは8月末にこのアプリについて詳しく知ることができるかもしれないと述べた。5月に掲載された求人情報によると、同社は「小規模なクロスファンクショナルチーム」と一緒に新しい数学アプリを開発する数学の博士号を持つ学習科学者を募集している。

求人情報によると、このアプリは若い学習者向けのものであるようだ。採用候補者には、K-12(日本の高校3年生に相当)レベルの数学、特に3〜8年生(日本の小学3年生から中学2年生に相当)までの若い生徒を対象とした授業の経験と知識を求めていると記載されている。

Duolingoの現在のユーザーは、Duolingoが数学に参入することについて複雑な気持ちを抱いているようだ。

IPO当日のインタビューでCEOのルイス・フォン・アン氏は、ユーザーはDuolingoが数学アプリを推し進めていくのを目の当たりにするかもしれないと語った。また、今後の買収によっては、言語学習以外の分野にも拡大していくと話した。この発言は、Duolingoがまったく新しいソフトウェアやカリキュラムに大量のリソースを投入するかもしれないという懸念を解消するかもしれない。

「もし他の分野で、誰かがかなり良い仕事をしていて、我々と同じようなミッションを持ち、同じような企業文化を持っていると思われる場合、Duolingoはその会社の買収を検討するかもしれません」とフォン・アン氏はインタビューで語った。

数学に特化したEdTech企業には、Khan Academy、Brilliant.orgPhotomathNumerade、そして最近買収したSymbolabなどがある。

関連記事
数学学習アプリのPhotomathが24.3億円調達、2億2000万ダウンロード突破
EdTechのCourse Heroが数学専門の解答エンジンSymbolabを買収、他科目の買収も目指す

Duolingoにとってこの数学アプリは、同社の実験の歴史に新たな1ページを加える。同社は創業から10年間で何百ものアイデアを生み出してきたが、その成功の度合いはさまざまだった。

ここ数年は、子ども向けの読み書きアプリ「Duolingo ABC」や「Duolingo English Test」など、コアアプリ以外の製品群を開発してきた。一方で、Duolingoの失敗したアイデアの「墓場」には、撤退したマネタイズ戦略やAIを搭載したチャットボットなどがある。リーダーボードのような人気のある機能は、成功する前にくすぶってしまった。そして数学は、興味深いことに、常にフォン・アン氏の頭の片隅にあった。

Duolingo EC-1でも紹介されているが、フォン・アン氏は、同氏と共同創業者のSeverin Hacker(セベリン・ハッカー)氏が、最終的に語学に特化すると決める前に、Duolingoを数学アプリにしようと考えていたと常々言っている。

「私は数学が大好きですが、数学を学んでも、数学そのものがお金になるわけではありません」とフォン・アン氏は以前のインタビューで話している。「エンジニアになるには物理学を学びますが、そのために数学を学びます。一方、英語の知識は世界のほとんどの国で収入を増やす可能性を直接的な形で向上させます」。

あるユーザーは「数学は学ぶべき重要なスキルだ。これによって、特にアクセスが限られている人たちに、より良いリソースを提供できるかもしれない。一方で、より多くの機会に恵まれている人たちには刺激的であり、同様に魅力的なものとなるだろう」と書いている

また、Duolingoに対し、他の分野への進出を検討する前に、言語学習サービスにもっと投資するよう望む声もあった。「まだまだカバーすべき言語がある(フランス語とスペイン語を除く)のに、数学への進出を検討するのは奇妙だ」とあるユーザーは書いている。

同社が教えられるのは、欧州言語共通参照枠(CEFR)に基づく初級から中級下レベルまでの語学力のみだ。同社が5月に発表した指標によると、Duolingoのコースの約30〜40%がCEFRと整合しているという。

Duolingoの数学アプリがどのようなものか、何を提供してくれるのか、収益化されるのかどうかを想像するのは時期尚早かもしれない。いずれにせよ、このアプリはDuolingoにとって、言語以外の教育分野への初めての正式な進出となる。

同社は、製品だけでなく、この2つのテーマの間に哲学的な重なりを見つける必要がある。語学は文化的な背景やニュアンスによって恩恵を受けられるスキルであり、数学は1つの正解にたどり着くことを目標に進む。しかし、どちらの教育分野でも、几帳面な思考と、答えを導き出すために関数を応用する能力が必要だ。最終的には、どちらもDuolingoが最大の製品だと主張する、アプリを開き、画面で起こっていることに注意を払おうとする動機に依存している。

関連記事
EdTechユニコーンDuolingoが株式公開を申請
習得したいけど勉強は嫌……外国語が苦手な日本人でもゲーム感覚で言語が学べる無料アプリDuolingo

カテゴリー:EdTech
タグ:語学学習Duolingoeラーニング数学アプリ子ども

画像クレジット:Duolingo

原文へ

(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nariko Mizoguchi

「ゲーミング英会話」運営のREEVが「フォートナイト」を海外在住講師とプレイしながら楽しく学ぶ体験会開催

「ゲーミング英会話」運営のREEVが「フォートナイト」を海外在住講師とプレイしながら楽しく学ぶ体験会開催

ゲーミング英会話」を運営するREEV(リーブ)は8月3日、セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブンカルチャーネットワークと業務提携し、オンラインゲーム「フォートナイト」をプレイしながら英語を学ぶ「ゲーミング英会話」の体験会を開催すると発表した。開催期日は、2021年8月21日と22日。開催場所は東京都豊島区の池袋コミュニティ・カレッジ。定員が上限に達した時点で締め切られる。参加費は2000円(税込)/日。申し込みは「ゲーミング英会話体験会予約フォーム」から。

「ゲーミング英会話」は、「eスポーツ×英語×プログラミング」教育によるグルーバル人材の育成を目的に開発された英語学習方式。フォートナイトを海外在住の英語講師とプレイしながら、楽しく英会話が学べる。

これからの時代を生きる子どもたちは英語力とITスキルが必須となるが、英語「を」勉強するのでは学習が継続しない。英語「で」好きなことをやることで、子どもたちは楽しみながら英語に「ハマり」、英語力が身につくとREEVは考えた。そうして生まれた「ゲーミング英会話」が、このイベントで体験できるということだ。

ゲーミング英会話体験会 in 池袋コミュニティ・カレッジ概要

  • 開催日:2021年8月21日15:30〜17:30(9階34番教室)、2021年8月22日15:00〜17:30(8階5番教室)
  • 開催時間:1組目15:30〜15:55、2組目16:00〜16:25、3組目:16:30〜16:55、4組目:17:00〜17:25
  • 開催会場:池袋コミュニティ・カレッジ(西武池袋本店別館8階と9階) 東京都豊島区南池袋1丁目28-1 西武池袋本店別館8・9階
  • 参加費:2000円(税込)/日。現金で当日支払い。クレジットカードによる事前決済希望の場合は、予約フォームの備考欄に「カード決済希望」と記入する
  • 定員:計12名(1組あたり2〜3名が定員)
  • 必要なもの
    フォートナイトができるゲーム端末(Nintendo Switchなど)、Zoomが動作する端末(スマートフォン、タブレット、ノートPCなど)、マイク付きイヤフォンまたはヘッドセット(先生との会話に必要)
  • 申し込み:「ゲーミング英会話体験会予約フォーム」より予約

関連記事
フォートナイトが「記録破りのスーパースター」が登場するゲーム内イベントを予告、日本時間8月7日〜9日開催
ファンタジーの世界でドラゴンや魔法とともに算数・語学・科学を学ぶゲーム「PowerZ」が約9.2億円調達
何度でも作り直して遊べる&プログラミングできる組み立て式ロボット「愉快なパチパチブロックキット」が8月5日発売
Apple Podcastランキング1位「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を運営するCOTENが8400万円を調達
習得したいけど勉強は嫌……外国語が苦手な日本人でもゲーム感覚で言語が学べる無料アプリDuolingo
Switchでプログラミングを学んでゲームを作れる、「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」発表
子ども向けSTEM教材開発のワンダーラボが資金調達、累計調達額3.1億円に到達

カテゴリー:EdTech
タグ:語学学習(用語)ゲーム(用語)Fortnite / フォートナイト(製品・サービス)REEV(企業)日本(国・地域)

子どもに仮想環境下での英語没入体験を提供する語学学習Novakidが38.2億円調達

もし母国語以外の言語で流暢に話せるようになりたいなら、対象言語へどっぷり浸ることが重要だ。ネイティブスピーカーに囲まれて過ごすことは、発音、文脈構築、そして何よりも自信をつける役に立つ。

しかし、もしあなたがスペインで英語を学んでいる8歳の子どもで、夏に米国への1人旅をすることは難しいとしたら?

Maxim Azarov(マキシム・アザロフ)氏が創業したNovakid(ノバキッド)は、そうした子どものための次善の選択肢になることを狙う。サンフランシスコを拠点とするこのEdTechスタートアップは、ライブ授業からゲーミフィケーションまでのさまざまなサービスを組み合わせることで、4歳から12歳までの子どもたちに仮想環境下での英語没入体験を提供する。

2020年12月に425万ドル(約4億6000万円)のシリーズAラウンドを終了したNovakidは、今回Owl VenturesとGoodwater Capitalが主導する3500万ドル(約38億2000万円)のシリーズB資金調達を行ったことを発表した。PortfoLion、LearnStart、TMT Investments、Xploration Capital、LETA Capital、BonAngelsなどの既存の投資家もこのラウンドに参加した。

スタートアップが資金調達したのは、2021年の好調なスタートに応えるためだ。同社のアクティブなクライアントベースは、前年比で350%増加し、現在5万人以上の有料生徒がいる。このお金は、より多くの生徒をそのツール環境に誘い込むために使われるだけでなく、英語を学びたい話者の人口が多い国際市場に対するNovakidの拡大を後押しするために使われる。

同社の一連のサービスは、2つの原則に基づいて構築されている。1つは、幼い学習者を英語の世界に心から没頭させること、もう1つは、実際に楽しく利用できるようにすることだ。

関連記事:子ども向け英語学習アプリのNovakidがシリーズAで約4.4億円を調達

1人のユーザーがサインアップすると、まず最初に最初の授業として、Novakidの2000人のライブチューターの1人に接続される。チューターは、学士以上の学歴を持つ英語のネイティブスピーカーで、同時にDELTA、CELTA、TESOL、TEFLなどの国際的な教育資格も持っている。

アザロフ氏は「心理学的にみても、本当に重要なことの1つは、言語を聞き始めて、そして生きている人と交流することを始めて、何かがわからないことを恐れないようにすることです」という。同社は、子どもたちが母国語を学んだときのような条件を再現したいと考えている。

授業では、チューターは英語しか話さない。生徒たちはそれをゆっくりと真似ながら、間違いも重ねつつ自信をつけていくことが期待される。ライブの動画ベースの授業はNovakidの製品の重要な部分を占めているが、アザロフ氏は、彼の会社のが提案する価値は「教師へのアクセスを提供するだけではありません」と語る。

「競合他社のほとんどは、教師をリモートでアクセスできるようにしているため、生徒は出かける必要がなく、選択肢も豊富です」と彼はいう。「しかし、業界全体や、言語学習業界にコンテンツを提供しているオックスフォード、ケンブリッジ、ピアソンのようなプレイヤーを眺めた場合、基本的に彼らの製品はひどいものなのです。本当に劣悪です」。そこで、Novakidはそのエネルギーのほとんどを、より優れたデザインを備え、ゲームも含むカリキュラムの再構築に費やしているのだ。

ゲーム化されたコンテンツは、授業の内と外の両方に存在している。授業中には、教師が生徒をVRを使ったツアーに連れて行き、有名なランドマークや美術館を巡って、語彙を練習することができる。自分のペースで進められるコンテンツの中には、2人の生徒が特定の時間内に質問に答えることで高得点を競いあう、マルチプレイヤーゲームのように見えるものもある。Novakidには、ゲームのデザインと開発に専念するチームを抱えている。

生徒たちも馴染んでいる。現在Novakidのユーザーは、全時間の3分の2をチューター相手にウェブ上で過ごし、残り3分の1は自分のペースで進められるNovakid社内で開発されたコンテンツに費やしている。同社はこの割合を逆転させたいと思っている。なぜなら文法や語彙に関する非同期コンテンツに時間を費やす生徒が増え、教師は会話や会話などのより複雑な情報のために予約されることが多くなっているからだ。

言語学習ビジネスを拡大することの難しさの一部は、ユーザーにやる気を維持してもらう必要がある点だ。ゲーミフィケーションはエンゲージメントに役立つものの、Novakidの子どもの顧客は、成人学習者と比べると、単に優先度が理由ですぐに解約する可能性がある。アザロフ氏は、子どもだけに販売することを不利な材料と見なす人もいることは知っているものの、彼自身はその特化を差別化とみなしているのだと語る。

「より集中することで、ブランド価値が向上します」と彼はいう。「子どもたちが言語を学ぶ方法は、大人が言語を学ぶ方法とは大きく異なります。そして『すべての人にすべてのこと』を行う一般的なプレイヤーが、私たちのように子どもたち相手の教育を行うことができるとは思いません」。Duolingo(デュオリンゴ)は最近、何百もの短い形式のエクササイズを備えた無料の英語リテラシーアプリDuolingo ABC(デュオリンゴABC)をリリースした。新規公開を果たしたDuolingoは強力なブランドを保持しているが、Novakidの戦略は、ライブ学習とスピーキングに関するサービスを追加することによる差別化だ。

これまでのところ、同社はその戦略が上手く行っていることを証明している。同社の2020年の収益は900万ドル(約9億8000万円)だったが、2021年には3600万ドル(約39億3000万円)から4500万ドル(約49億1000万円)の収益が見込まれている。チームの多様性に関する詳細は明らかにしなかったが、今後はかなり集中的な採用活動を開始する予定だ。アザロフ氏は、今後6カ月で現在300人の会社に200人を追加する予定だ。

関連記事
UberがドライバーにRosetta Stoneの語学レッスンを無料で提供へ
語学の先生はご用心、合成人間があなたの仕事を奪うかも
EdTechユニコーンDuolingoが株式公開を申請

カテゴリー:EdTech
タグ:Novakid語学学習資金調達

画像クレジット:akinbostanci / Getty Images

原文へ

(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:sako)

UberがドライバーにRosetta Stoneの語学レッスンを無料で提供へ

Uber(ウーバー)は、配車を依頼するときに顧客が時々直面する言葉の壁をなくしたいと考えている。同社はDriverアプリを通じた無料の語学レッスンを提供するためにRosetta Stone(ロゼッタストーン)と提携したとThe Vergeが報じている。UberとUber EatsのドライバーはRosetta Stoneの24言語から選んで学習するのにこの機能を使うことができる。配車に関するよくあるシナリオのためにつくられた教材も利用できる。

この語学レッスンを利用するには、ドライバーは対象の国(北米・南米の大半、英国、インド、スペイン)でゴールド、プラチナ、ダイアモンドいずれかのステータスに達している必要がある。

語学レッスンは、他のキャリアイニシアティブとともに導入される。一部の国のドライバーは求職活動に使える成績証書をリクエストできる。

Uberは語学レッスンとキャリアイニシアティブについての論拠を公にしてきた。同社のドライバーの多くは移民か(ローカルの言語に通じていないことが多い)、言語とライドシェアの仕事をチャンスを広げるための鍵としてとらえている。Uberは、同社のサービスのための運転はキャリアパス上の「一時的な立ち寄り」にすぎないかもしれないことに気づいている。一時的な立ち寄りで労働者はワンランク上のステージに進むための良いチャンスを手にする。

Uberにとっては実用的なメリットがある。同社のドライバーがより多くの言語を話すほど、そうしたドライバーは高評価のレーティングを獲得しやすくなり、取引増につながる。キャリア・インセンティブも、より多くのドライバーに、たとえ最終的にドライバー業務をあまり行わないことになったとしても、まずUberに登録しようと思わせるかもしれない。

編集部注:本記事はEngadgetに掲載されている。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:UberRosetta Stone語学学習

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

語学の先生はご用心、合成人間があなたの仕事を奪うかも

Hour Oneは、どんな言語のどんな既製テキストでもとてもリアルに話す「フォトリアル」なプレゼンターを企業が作れるスタートアップで、このほどBerlitz(ベルリッツ)と契約を結んだ。語学学習の大手であるBerlitzは、このプラットフォームを利用して、インストラクターによるサービスを強化し、何千人もの人間の教師を雇わなければ通常は不可能な方法で、オンライン語学トレーニングプログラムを成長させていく。

BerlitzのCEOであるCurt Uehlein(カート・ユーレイン)氏は、声明で次のように述べている。「Berlitzは、非常に人間中心的な経験を必要とする外国語に上達したいと真剣に願う生徒たちに最良の結果をもたらす体系的な方法論とブランドを構築してきました。デジタル体験は、教室での体験を再現する必要があります。これに成功したことで、Berlitzは新たな市場に進出し、場所や価格の壁を取り払い、生徒たちにとってより身近な存在になることができました」。

Hour OneはBerlitzのために、対面インストラクターから得られる体験を、実物そっくりのフォトリアルなキャラクターで再現することにほぼ完全に成功している。キャラクターは(筆者の印象では)表情やジェスチャーがとても自然で、最も重要なキャラクターと声の同期も完全だ。コンテンツは人間の話者がスタジオで作っているが、そろそろAIで作れるのではないだろうか。外国語を教えている先生たちは、ご用心を。

Hour OneのCEOであるOren Aharon(オレン・アハロン)氏は「他社のイノベーションは主に周辺的なものですが、Berlitzは私たちの技術を全面的に受け入れてビジネスをスケールし、新たな時代へ推し進めようとしています」。

イスラエルで誕生し、現在はニューヨークに本社を置くHour Oneは、Galaxy InteractiveとKindred VenturesとRemagine Venturesから500万ドル(約5億6000万円)を調達している。

関連記事
実在する人物のAIで合成キャラクターを作る技術のHour Oneが5億3000万円を調達
EdTechユニコーンDuolingoが株式公開を申請
習得したいけど勉強は嫌……外国語が苦手な日本人でもゲーム感覚で言語が学べる無料アプリDuolingo

カテゴリー:EdTech
タグ:Hour OneBerlitz語学学習

画像クレジット:Hour One

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)

生徒の習熟度に合わせ難易度をリアルタイム調整するAI学習システム「Monoxer」をクラーク記念国際高等学校が正式採択

モノグサは6月22日、広域通信制高校のクラーク記念国際高等学校オンライン通学型コース「CLARK SMART」において、学習プラットフォーム「Monoxer」が導入されることになったと発表した。

Monoxerは、先生が覚えて欲しい内容を登録するだけで、その内容を定着するために必要な問題を自動作成するという学習プラットフォーム。生徒がスマホやタブレットのアプリを使い学習する中で、習熟度・忘却度に応じリアルタイムで問題の出題頻度・難易度の調整を行うため、生徒それぞれのレベルにあった学習を実現できる。またこれにより生徒の学習状況・定着度が分かるため、通学・通塾が困難な状況でも、きめ細やかな遠隔指導を行えるという。

またMonoxerの学習計画機能では、学習範囲と学習期間を決めると、日時の学習量と内容が自動で設定される。学習計画に従って学習を進めれば、最終日には学習範囲すべてを記憶している状態を実現できるようになっており、定期テストや検定対策に向けてコンスタントに学習を進められるとしている。

モノグサによると、生徒本人に勉強の意思があっても、勉強をスタートする準備や方法の面倒さが原因で勉強に取り組めないという例が一定数あるという。例えばクラーク記念国際高等学校の場合、英単語の暗記について生徒本人も重要という認識はあるものの、「英単語帳を開いてもどこを見たらよいか考えなければならないし、自分が何を憶えているか、憶えられていないかもわからず、どうしても学習がすすまない」と話している例があったそうだ。

そこで、試験導入においてMonoxerで英単語を覚える方法を試したところ、生徒にとって前述のような面倒さがなくなったとしている。50点満点の英単語テストにおいて、学習者全体の平均点が24.9点上昇する結果となり、学習プロセスと成果の再現性から資格試験の取得や進学へのステップにつなげた生徒もいたそうだ。

クラーク記念国際高等学校では、まず英語からMonoxerを導入し、徐々に他科目での活用範囲を広げていく予定。英語学習については、希望進路に応じた学習に加えて、英検対策でも活用する。また、中学までの基礎知識を定着させる「学び直し」も並行して開始することで、多様な学習環境、進路方針を持つ生徒全員の個々の現況の学力にあった個別最適な取り組みも行うとしている。

関連記事
生徒の習熟度に合わせ難易度を調整するAI学習システム「Monoxer」を中国語教室「waysChinese」が本格導入
「記憶のクセ」をAIが解析し最適な問題を自動作成する「Monoxer」を大手進学塾「市進学院」のオンラインスクールが採用
学習支援SaaS「Monoxer」提供のモノグサが総額4.4億円を調達、アライアンスを推進

カテゴリー:EdTech
タグ:語学学習(用語)モノグサ(企業)Monoxer(製品・サービス)日本(国・地域)

生徒の習熟度に合わせ難易度を調整するAI学習システム「Monoxer」を中国語教室「waysChinese」が本格導入

5月24日、生徒の習熟度に合わせて学習内容をリアルタイムで調整するAI学習プラットフォームMonoxer(モノグサ)の開発提供を行うモノグサは、同プラットフォームをウェイズリンクスが運営する中国語教室wayChinese(ウェイチャイニーズ)に6月より本格導入すると発表した。

Monoxerでは、先生が教えたい内容を登録するだけで、定着度を高めるための問題が自動作成される。生徒がアプリでその問題に取り組む間、各自の習熟度や忘却度に応じてリアルタイムで問題の出題頻度や難易度が調整されるため、ひとりひとりのレベルに合った学習が行える。同時に、語学学習では見えにくいとされている習熟度が可視化されるので、リモートでもきめ細かい指導が可能。

wayChineseは、使える中国語習得をモットーに、「最適な中国語学習方法をデザインする伴走型中国語教室」として、中国語「を」学ぶのではなく、中国語「で」学ぶ方針を掲げている。同校では、総合トレーニングコースですでにMonoxerを採用しており、「レッスンをただこなすだけの教室と違い、しっかりと定着させるためのサポートとしてプロ講師とAIのハイブリッド教育システムを備えた、全国初の中国語教室」を標榜している。

具体的には、授業後の復習にMonoxerを活用し、「画像と適切な会話表現を一致させる問題や中国語のディクテーション形式の問題」を出して学習内容の定着度を高めると同時に、講師は各生徒の学習度合いや弱点を把握して授業に反映させている。生徒からは「以前よりも中国語が定着しやすくなった」と評判だという。また、Monoxerを導入してから20代を中心に新規の問い合わせが増えたとのこと。

6月からは、総合トレーニング以外のコースへも順次導入を進めてゆく。

関連記事
「記憶のクセ」をAIが解析し最適な問題を自動作成する「Monoxer」を大手進学塾「市進学院」のオンラインスクールが採用
学習支援SaaS「Monoxer」提供のモノグサが総額4.4億円を調達、アライアンスを推進
駅前留学のNOVAが記憶定着アプリ「Monoxer」を導入

カテゴリー:EdTech
タグ:AI / 人工知能(用語)ウェイズリンクス(企業)wayChinese(サービス)語学学習(用語)モノグサ(企業)Monoxer(製品・サービス)日本(国・地域)

ウェブを閲覧しながら外国語を学べるToucanが約4.9億円を追加調達

ウェブを閲覧しながら新しい言語を学ぶことができるスタートアップのToucan(トゥーキャン)が、シード資金調達で450万ドル(約4億9000万円)を追加したと発表した。

2020年秋にお伝えしたように、カリフォルニア州サンタモニカを拠点とするこのスタートアップは、ユーザーが読んでいるウェブサイトのテキストをスキャンして、選ばれた単語を学習対象の言語に翻訳するChrome拡張機能を開発した。つまり、わざわざ勉強する時間を作ったり、日常的な行動パターンを変えることなく、外国語の語彙を増やすことができるのだ。

関連記事:ウェブをブラウズしながら外国語を学習できるToucanが3億円を調達

Toucanは現在、スペイン語、韓国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、日本語の7言語に対応している。同社共同設立者でCEOを務めるTaylor Nieman(テイラー・ニーマン)氏によると、同社の月間アクティブユーザー数は約6万人で、すべて有機的に獲得したものだという。

「Toucanは表面的にはおもちゃのように見えますが、その裏には大規模なエンジニアリング技術が存在します」と、ニーマン氏は付け加えた。

例えば、このスタートアップには人間の翻訳者チームがいるが、機械学習と自然言語処理を利用して、各単語の文脈を理解し、適切な翻訳になるように努めている。ニーマン氏によると、時間の経過とともに、表示される翻訳にインテリジェントでパーソナライズされたアプローチを適用することで、翻訳をより複雑にすることができ、ユーザーの意欲を維持するという。

画像クレジット:Toucan

Toucanは無料で利用できるが、ユーザーは月額4.99ドル(約544円)を支払って、より密度の高い翻訳が提供されるToucan Premiumに加入することもできる。Toucan Premiumの加入者は、広告の表示 / 非表示を選択することも可能だ。どうやら「Own The Word広告」(その単語が翻訳されるたびにスポンサーのメッセージが表示される機能)は人気があるため、有料ユーザーの中にはこの機能を失いたくない人もいるらしい。

Toucanは今回の追加によって総額750万ドル(約8億2000万円)を調達した。この投資ラウンドは、LightShed Ventures(ライトシェド・ベンチャーズ)が主導し、新規投資家となったNext Play Ventures(ネクスト・プレイ・ベンチャーズ)、Concrete Rose Capital(コンクリート・ローズ・キャピタル)、GingerBread Capital(ジンジャーブレッド・キャピタル)、Form Capital(フォーム・キャピタル)、Goodwater Capital(グッドウォーター・キャピタル)、Hampton VC(ハンプトンVC)、Spacecadet Ventures(スペースカデット・ベンチャーズ)、GTMfund(GTMファンド)、Baron Davis Enterprises(バロン・デイビス・エンタープライゼス)、Human Ventures(ヒューマン・ベンチャーズ)が、既存の投資家であるGSV Ventures(GSVベンチャーズ)、AmplifyHer Ventures(アンプリファイハー・ベンチャーズ)、Vitalize(ヴァイタライズ)とともに参加した。

LightShed VenturesのゼネラルパートナーであるRichard Greenfield(リチャード・グリーンフィールド)氏は、声明の中で次のように述べている。「若い世代は常にネットに接続した状態で生活しているため、画面を見ている時間は世界的に増加しています。Toucanは、シンプルなブラウザの拡張機能を介して、すでに利用しているウェブサイト(まもなくアプリも)に言語学習をシームレスに統合し、画面を見ている時間を学習する時間に変えることができます」。

ニーマン氏によると、Toucanは今回の資金調達により、チームを12人から16人に拡大する予定だという。また、英語からスペイン語への翻訳だけでなく、スペイン語から英語への翻訳など、さらなる国際化も計画している。新たにSafari(サファリ)の拡張機能もリリースされる(将来的には、より多くのブラウザをサポートする予定だ)。最終的なビジョンは、Toucanが「どこにいてもレイヤー化されている」ことである。

「私たちは、ウェブ、モバイルブラウジング、人気のソーシャルアプリ、さらには物理的な世界においても、学習の拡張レイヤーになりたいと思っています」と、ニーマン氏はいう。将来は「街中で目にする地下鉄の標識を翻訳し、あらゆるところで学習のマイクロモーメントを提供する超クールなコンタクトレンズを、人々が装着しているかもしれません」と、彼女は予測する。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Toucan語学学習資金調達翻訳機械学習自然言語処理

画像クレジット:Toucan

原文へ

(文:Anthony Ha、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

語学学習の需要増を受け個人指導マーケットプレイスのPreplyが38億円調達

語学学習のための個人指導マーケットプレイスPreply(プレプリー)は、Byju’sとNewselaが出資するEdTechファンドであるOwl VenturesとFull In Partnersが共同でリードしたシリーズBラウンドで3500万ドル(約38億円)を調達した。このラウンドの1年ほど前に、Preplyは1000万ドル(約10億8800万円)のシリーズAをクローズした。Preplyの投資家にはPoint Nine Capital、Hoxton Ventures、EduCapital、All Iron、Diligent Capital、Evli Growth Partnersが含まれる。

Preplyの最近の成長、そして語学学習におけるグローバルブームが現在の投資家の関心を物語っている。

シリーズAをクローズしたとき、Preplyで予約されたレッスンは200万で、十分に吟味された個人指導教師1万人を抱えていた。その1年後、Preplyのプラットフォーム上で予約されたレッスンは1000万超となり、個人指導教師のネットワークは190カ国4万人に成長した。Preplyは2020年に米国での事業拡大を狙っていた。そして今では売上高の3分の1は米国で上げていて、顧客数で最大のマーケットとなっている。

2021年IPOする計画のDuolingoや、2019年の売上高が1億5000万ドル(約163億2000万円)を超えたBabbelのような超重量級の競合相手がいるにもかかわらず、Preplyが牽引力を手にしていることを成長は示している。CEOのKirill Bigai(キリル・ビガイ)氏は生徒と個人指導教師を結びつけるのに人工知能を活用したテクノロジーによって他社と差異化を図ることができたと話す。

Preplyのセールスポイントは、生徒の学習ニーズに最も合う教師を結びつけられることだ。マーケットプレイス内で生徒と教師を結びつける前に400超のパラーメーターを比較検討する。例えば夜に学習したいサンフランシスコにいる生徒を、その要望に答えられるタイムゾーンにいる教師と結びつけることができるとビガイ氏は話す。また、学習のために2言語を使えるバイリンガルであるなど、生徒が自身と同じようなバックグラウンドを持っている教師を探すのもサポートできる。

Preplyが競合他社と最も異なる点は、学習がどのようになされるべきかという哲学にある。学習はライブで、そしてネイティブスピーカーと行われるべきであるとPreplyは信じているが、Duolingoのような企業はゲーム化して自己主導でできると考えている。

「当社の顧客は、当社の語学学習のやり方が他の学習アプリよりもずっと効果的だと考えています」とビガイ氏は述べた。Preplyはスペイン語、英語、フランス語などに加えてアイスランド語、チベット語、カタルーニャ語といったニッチな言語も含め、計50言語をサポートしている。

これまでにないEdTechのサブセクターへの無関心と既存プレイヤーの存在にもかかわらず、パンデミック中に他の語学学習アプリも同様に成長できた。Fluent Foreverは展開する語学学習システムのために490万ドル(約5億3000万円)を調達し、別の会社Fluent Cityはサブスクサービスを立ち上げた。

関連記事:オンライン言語学習システムFluent Foreverが5.1億円調達、フラッシュカード方式で日本語など9カ国語の学習を支援

法人向けでPreplyには大きなチャンスがあるとビガイ氏は考えている。同社は2019年に、同僚やクライアントが話す言語を従業員が学習するのをサポートするためのソリューションとして世界中の事業者への販売を開始した。2021年、Preplyはものすごい数の法人顧客を持つだろうとビガイ氏は話した。

同社は個人指導教師との収益分配契約によって利益を得ている。1時間あたり15〜20ドル(約1600〜2200円)の各レッスン代の20%、最初のレッスンの全費用がリードジェネレーションの代わりにかかる。法人向けのサービスでも同じビジネスモデルだが、雇用者がコストを負担しているため従業員の利用時間には上限がある。

Preplyは教師が同プラットフォームにどれくらい利用し続けるかを示す教師の保持についての数字は明かさない(この要素は、生徒の理解や学習の継続にとって鍵となる)。トップの教師の30%が複数年同プラットフォームで教えているとビガイ氏は述べた。

同社は売上高を明らかにするのは却下したが、望めば黒字化できたかもしれないと話した。差し当たってPreplyはB2Bサービスでの成長と事業開発を優先している。

カテゴリー:EdTech
タグ:Preply資金調達語学学習

画像クレジット:Brian A Jackson / Shutterstock

原文へ

(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nariko Mizoguchi

英会話教室のイーオンが対話形式の無料英単語トレーニングが可能な「Amazon Alexa」スキル配信

英会話教室運営のイーオンが対話形式の無料英単語トレーニングが可能な「Amazon Alexa」スキル配信

英会話教室を運営するイーオンは、Amazon Alexa を活用して英単語のトレーニングが行えるAlexaスキル「イングリッシュタイム」の提供を開始しました。

イングリッシュタイムは、Alexaのマルチリンガルモードを活用することで、自宅でも対話形式で英単語を覚えることができる英会話初級者向けのコンテンツです。

具体的には、1日5分程度で繰り返し楽しめる6日分の英単語(6分野全58語)と、1日分のまとめ学習を用意し、1週間毎日学習できるとしています。

学習方法は、Alexaが挿絵の英単語を発話した後に反復する「勉強する」と、Alexaの挿絵に関する質問「What do you see?」に回答する「クイズする」の2種類を用意します。

イングリッシュタイムの監修は、子ども向け英会話教室「イーオンキッズ」の責任者である柘植睦子先生が行い、Alexaスキルストアを通じて無料で提供しています。

(Source:Source:イーオンEngadget日本版より転載)

関連記事
英語学習アプリのELSAが約15.7億円を調達、日本などのアジア諸国やラテンアメリカでの事業拡大を目指す
アマゾンが車やアプリ、ゲーム向けAlexaアシスタントを企業が独自開発するためのプロダクトを新たに提供
アマゾンがEchoデバイスを使った「ライブ翻訳」機能をローンチ
生徒同士が「つながり」を感じられるVR英語教育のImmerseが約1.6億円を調達
AI英会話アプリとオンライン英語コーチング運営のスピークバディが総額3億円を調達
好調の外国語eラーニングサービス「Duolingo」が10億円超を調達した理由

カテゴリー:EdTech
タグ:Amazon Alexa(製品・サービス)イーオン(企業)語学学習(用語)日本(国・地域)

言語学習サービス大手のBabbelがライブクラスや学習ゲームなどを追加

米国時間2月2日、ベルリンの言語学習プラットフォームBabbelは同社のコアビジネスであるアプリによる学習を大きく拡張し、ライブクラスなどの新機能を導入することを発表した。

Babbelでは、参加者を6人までに限定したクラスで会話ベースで外国語を学習できる。これまで同社が開発してきたメソッドを用い、認定した講師が担当する。Babbelのプランをすでにサブスクリプションしている場合、5クラス月額110ドル(約1万1600円)からの追加料金で利用できる。スタンドアロンで直接クラスに登録することもできる。この場合、サブスクリプション期間中は通常のBabbelアプリにもアクセスできる。

新機能はこれにとどまらず、アプリには言語学習ゲームも導入された。また学習者が新しいボキャブラリーを実際に使用できるようにするショートストーリー、異なる文化に関する楽しいトリビア、さまざまな場所や言語に関する新しい動画も加わった。

画像クレジット:Babbel

今回の大幅機能拡張は、この1年がBabbelにとって記念すべき達成の年だったことを受けてのものだ。Babbelの米国CEOのJulie Hansen(ジュリー・ハンセン)氏は取材に対して「売上は2019年に1億5000万ドル(約157億5000万円)を達成し、さらに大幅な上昇を続けています。市場全体でも成長を続けましたが、特に米国での拡大は力強く、売上、加入者数とも100%増加しました」と述べている(Babbelはまだ2020年の決算を公表していない)。ハンセン氏はまたこう述べた。

画像クレジット:Babbel

米国では語学を学ぶ理由を尋ねると、「外国旅行」という答えが一番多かったのです。3月中旬には私たちのビジネスは(パンデミックのために)ゼロになってしまうのではないかとパニック状態になりました。誰も旅行などできません。ところが実際はちょうど正反対のことが起きました。人々はサイクリングしたり、サワードーブレッドを焼いたりするのと同じように、言語学習を創造的な活動、自己改善、自分に対する価値ある投資と考えたのです。

Babbelはライブクラスをスタートさせたばかりであり、利用可能な言語の数はまだ限られている。今のところ英語話者ならスペイン語とドイツ語のクラスに、ドイツ語話者は英語とスペイン語のクラスに申し込むことができる。ただし年内に言語ペアはさらに追加される予定だ。

ハンセン氏によれば、Babbelの総合的な目標は、ビデオやポッドキャスト、今回のライブレッスンなどを通じて幅広い分野で言語学習者のニーズに応えることにあるという。「ユーザーの言語学習体験をより総合的に把握し、その観点から多数の側面でニーズを満たしていこうとしています」とハンセン氏は述べた。

またハンセン氏はライブ体験を提供することは、多くの点で品質管理にもメリットがあると指摘した。「私たちは講師の採用、訓練、評価に多大のリソースを割いてきました。新機能は教師が成功するためのツールとしても役立つでしょう。単に『そこにアプリがあるから使い方を学べ』というのでは不十分なのです。私達はすべてのレッスンのために教材と指導の要領を作成しています」という。

現在、Babbelはライブクラス向けに約100人の講師を採用しており、ベータ版のロールアウトでは特にキャンペーンを行なっていないが、すでに毎週何千人もの生徒を迎えている。Babbelの広報責任者であるChristian Hillemeyer(クリスチャン・ヒレメイヤー)氏は「2021年のライブクラスの最終目標は、毎週数百人の講師を採用し、数万人の生徒の新規参加というレベルになるでしょう」と述べた。

ライブレッスンを行う言語学習アプリは多数あるが、Babbelのような業界大手が乗り出したのはこれが最初かもしれない。追加されたのはライブクラスだけではない。Babbel は言語学習というコアビジネスを超えて、ポッドキャスト、ショートストーリー、文化トリビアをアプリに追加し、さらに重要な点だが、YouTube やその他の場所に無料で配信されるビデオやポッドキャストなどのコンテンツ制作にも力を入れている。

新機能に加えて、Babbelでは既存のレッスンの改良にも努力している。2020年は、ユーザーフィードバックに基づいてコースの内容をわかりやすく簡潔にして全レッスン時間を短縮化することに多くのリソースを費やした。また、学習者が適切なレベルでアプリの使用を開始できるようにレベル分けのプレースメントテストを改善するなど、導入フローのスムーズ化も行っている。

関連記事:ベルリン拠点のオンライン語学学習のBabbelがサブスク加入者1000万人達成と発表

カテゴリー:EdTech
タグ:Babbel語学学習オンライン学習

画像クレジット:

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:滑川海彦@Facebook

英語学習アプリのELSAが約15.7億円を調達、日本などのアジア諸国やラテンアメリカでの事業拡大を目指す

新しい言語のスピーキングを学ぶのは難しい。定期的に練習する相手がいない場合は、特にそうだ。ELSAは音声認識技術を活用して発音を良くするのに役立つアプリだ。米国時間1月31日、サンフランシスコとホーチミンに拠点を置くELSAは、VI(Vietnam Investments)グループとSIGが主導するシリーズBで1500万ドル(約15億7000万円)を調達したと発表した。これまでにも投資していたGoogle(グーグル)のAIに特化したファンドであるGradient Ventures、SOSV、Monk’s Hill Venturesのほか、Endeavor CatalystとGlobant Venturesも参加した。

調達した資金はラテンアメリカ事業の拡大と、企業や教育機関がこのアプリのサービスを従業員や学生に提供するスケーラブルなB2Bプラットフォームの構築に使われる。ELSAは2015年に設立された。社名は「English Language Speech Assistant」の頭文字をとったものだ。同社は利用者が1300万人を超えていると公表している。前回の資金調達は2019年に発表されたシリーズAで700万ドル(約7億3000万円)だった。

ELSAはラテンアメリカ以外に、2020年に需要が多かったベトナムやインド、日本にも事業を拡大しようとしている。同社は最近、IELTS試験を運営しているIDPおよびBritish Councilと提携し、IDPとBritish CouncilIがELTSの試験対策としてELSAを推奨するようになった。ELSAはIMAPやSpeak Upなどのベトナムの語学スクール、オンライン学習プラットフォームのYOLA、Kimberly ClarkやIntel、ATADといった法人顧客とも提携している。

ELSAの共同創業者でCEOのVu Van(ヴ・ヴァン)氏はTechCrunchに対し、就職に生かし収入を増やすチャンスを得るために英語のスピーキングを上達させたいと思っている人は多いと語った。ベトナムやインド、ブラジルでは英語のスピーキングが上手な人は同僚に比べ2〜3倍の給与を得られると同氏はいう。

ヴァン氏は「このような動機があるため、ベトナムやインド、ブラジルで我々に対する英語学習者の需要が高まっています。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が広がってからは、ラテンアメリカからも大きな関心が寄せられるようになりました」と付け加えた。

ELSAの英語の発音に関するフィードバック

ヴァン氏の出身国であるベトナムでは、英語学習者はオンラインやオフラインでの英語のトレーニングに可処分所得の多くを払っている。「しかし英語学習者の大半はスピーキングのスキルがなかなか上達しません。他人に通じなかったり、話す勇気がなかったりするのです」とヴァン氏はいう。ELSAは発音を学び、自信を持って英語を話せるようになるための利用しやすいリソースを提供することを目的に開発された。

英語の発音に特化したアプリには、ほかにFluentUやSay Itなどがある。ヴァン氏によれば、ELSAの強みは自社の音声認識AI技術だという。

同氏は次のように説明する。「我々のAI独自の特徴は、多くのユーザーからさまざまな発音の英語の音声データを大量に集め、このデータを使って数年にわたってAIモデルをトレーニングしてきたことです。これにより、世界中の非ネイティブの人が話す英語を高精度で認識し、理解できます。ほかの音声認識技術ではネイティブの人の英語は理解できても、非ネイティブで発音に癖のある学習者の英語はなかなか理解できません」。

ELSAでは単語ごとにフィードバックを返すだけでなく響きに関しても指摘することができ、発音を良くするための詳細な情報がユーザーに提供される。「イントネーション、リズム、流暢さといった極めて高度なスピーキングの韻律的な特徴に関して情報を提供できるので、ユーザーはもっと自然な英語を話せるようになります。これは競合他社では提供していないことです」とヴァン氏は述べた。

関連記事:YCの支援を受けるTikTokのような英語教材ショート動画のBlaBlaが1.6億円を調達

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ELSA語学学習資金調達ベトナム

画像クレジット:ELSA

原文へ

(文:Catherine Shu、翻訳:Kaori Koyama)

YCの支援を受けるTikTokのような英語教材ショート動画のBlaBlaが1.6億円を調達

短くて、さくっと見ることができる楽しい動画が、若者が情報を受け取るための当たり前の手段として、広がり続けている。ならば英語をTikTok的な動画で学んでもいいだろう。それがAngelo Huang(アンジェロ・ホアン)氏がBlaBla(ブラブラ)を立ち上げるきっかけとなった。

台湾出身のホアン氏は、10年以上シリコンバレーで働いた後、2019年に上海に移住し、Blablaを立ち上げた。1年後、BlablaはY Combinatorの2020年夏クラスに選ばれた。その当時、米国では新型コロナウイルス(COVID-19)が流行し始め、何百万人もの人が自宅に閉じこめられ、遠隔学習への関心が復活していた。

「YCに応募するのは8回目でした」。BlaBlaの前に2つの会社を設立したホワン氏は、インタビューの中でTechCrunchにそう語った。

今週BlaBlaはAmino Capital、Starling Ventures、Y Combinator、スペインの通信大手Telefónica(テレフォニカ)のイノベーション部門であるWayra X(ワイラX)が主導するシードラウンドで154万ドル(約1億6000万円)を調達したことを発表した。最大の英語学習市場の1つである中国におけるBlaBlaの拡大に対して、Y Combinatorに特に支援してもらえたわけではないが、有名なアクセラレーターの名前は、若い会社に投資家を紹介する上で大きな助けになった、と創業者は述べている。

BlaBlaアプリは、世界中の英語学習者に合わせた短くて魅力的な動画を作成する英語のネイティブスピーカーに、時給ベースでの支払いを行う。コンテンツ制作者は、シーンを認識してタグづけできるBlaBla独自のソフトウェアや、動画に字幕を付けることができるサードパーティ製の翻訳ツールを利用している。生徒たちはサブスクリプション料金を払い、習熟度に応じてパーソナライズされたおすすめ動画を視聴することができる。彼らは、アプリに内蔵されている音声認識を使い、スピーキングコンテストやポップクイズのようなコンテンツを通して練習することができる。

BlaBlaのビデオクリエイター向けチュートリアル動画

同社の挑戦する分野は競争相手がとても多い。中国では、オンライン英語学習市場は、Tencent(テンセント)とSequoia Capital(セコイアキャピタル)が支援する、VIPKIDのような実績ある企業によって占められている。VIPKIDのマンツーマンの家庭教師モデルと比較すると、BlaBlaの開始価格は月39元(約600円)でお手頃だとホアン氏はいう。

「(メインストリームの英語学習アプリを利用している)生徒は、教師と有意義な会話ができるようになるまでには、数千元(数万円)を費やす必要があるかもしれません。私たちはその代わりに動画をリサイクルすることで、はるかに安い価格でレッスンを提供することができます」。

現在、このアプリの週間ユーザー数は約1万1000人、有料ユーザー数は300〜400人だ。全体の80〜90%が中国のユーザーで、2021年の目標は生徒数30万人に到達することだ。今回の資金調達により、BlaBlaは東南アジアとラテンアメリカでの事業拡大が可能となり、さらにWayra Xが全世界で3億4000万人のTelefónicaユーザーへの拡大に貢献できる可能性もある。またアプリはTikTokやYoutubeのようにインフルエンサーとのブランド取引を模索することになるだろう。また新資本により、BlaBlaに対して、言語学習者の興味やプロフィールに基づいてペアリングを行うなどの新機能を追加することが可能になる。

Blablaは英語を教えることだけに限定せず、他言語の教師たちを呼び込むことにも意欲を持っている。「私たちは、グローバルな知識のためのオンライン支払いプラットフォームになりたいと考えています」とホワン氏は語っている。

カテゴリー:EdTech
タグ:Blabla語学学習資金調達

画像クレジット:Blabla

原文へ

(翻訳:sako)

フラッシュカード方式で日本語他9カ国語の言語学習を助けるFluent Foreverが5.1億円を調達

オンライン言語学習システムのFluent ForeverはデンバーのベンチャーキャピタルであるStout StreetCapitalがリードしたラウンドで490万ドル(約5億1000万円)の資金を調達した。このスタートアップは新しい学習システムを開発して短期間で効率的に新しい外国語をマスターできるようにすることを狙っている。このラウンドにはThe Syndicate、LAUNCH、Mana Ventures、Noveus VC、Flight.VC、Insta VC、UpVentures、Firebrand Ventures、Cultivation Capital、Spero Ventures、LoftyVenturesが参加している。

Fluent ForeverのライバルにはDuolingoやBabbelを始めとして多数のオンライン言語学習サービスがある。Fluentが主張する特長はユーザーごとにカスタマイズされたリスニングのトレーニングが提供されることだ。またビジュアル、間隔反復法的な反復によって単語やフレーズを覚えるのを助ける。Fluentは有料サブスクリプション(14日間の無料トライアルがある)で、料金は月額10ドル(約1040円)からとなっている。長期契約すれば割引が適用される。

ファウンダーでCEOのGabriel Wyner(ガブリエル・ワイナー)氏は、語学学習のために広く利用されているフラッシュカード式暗記アプリのAnkiを使い、このアプローチによる言語学習法について本を書いた。またAnkiシステムを利用した言語学習のワークショップも開催した。しかしワイナー氏が指摘するとおり、Ankiは高度なツールであり、利用方法を学ぶためだけでも相当の時間とエネルギーが必要だ。

画像クレジット:Fluent Forever

ワイナー氏は取材に対して「大勢の人々が言語学習に失敗しています。そしてまず『うん、やり方がまずかったんだ。オーケー、ではこのオンライン学習ならどうだろう?』と考える。そしてもっと効果的にできそうなツールを発見して興奮する。ところがまた失敗するのです。その理由はテクノロジー上の問題です。そんなことで学習者がまた失敗するのを見るのは非常にいらだたしい」と述べた。

Fluent Foreverは全体的にワイナー氏のフラッシュカード方式を利用する。学習用フラッシュカードデッキをユーザーが自分の作成する。これが学習システムの中核であり、作成されたデッキはユーザーのニーズに適合した使いやすいアプリケーションとなる。

「ユーザーが望むのはボタンを1つ押すだけで学習できるツールでしょう。しかしそういう近道はありません。これに対しては断固としていわねばならない。声を大にしますが、答えはノーです。絶対にない。適切なツールはユーザー自身が構築しなければならないのです。これが私が一番強調したい点です」とワイナー氏は述べている。

ワイナー氏は言語学習に対する自分のアプローチをDuolingoと比較して「(母国語の単語と対照させる)2言語翻訳的な手法は、長期的には実際に使える言語スキルを生みません」と主張する。Duolingoのユーザー体験、ゲーム化等々の出来栄えはFluentよりもはるかに優れていることを認めるが、Fluentのシステムのほうが学習者ははるかに良い結果を得る確信している。

画像クレジット:Fluent Forever

「我々は ユーザーに『Fluentを使う理由は何ですか Duolingoなら無料なのになぜFluentにお金を払うのですか?』と尋ねることがあります。すると『このサービスはあちこち荒削りだ。いろいろ修正してほしい部分がある。しかしFluentのおかでたった2週間でスペイン語で考えることができるようになった』という答えが返ってくるのです。Fluent Foreverは現在、日本語、フランス語、ロシア語、スペイン語(メキシコ、スペイン)、イタリア語、韓国語、ドイツ語、ブラジル・ポルトガル語の9言語をサポートしています。現在、チームが取り組んでいるのはオランダ語です」とワイナー氏。

ワイナー氏が語ったところではFluentは2019年に資金調達に苦しんだ。当時Fluentの規模が横ばいだったことも一因だった。「残念ながら投資家は言語学習に非常に懐疑的です。いわゆる『セクシー』な分野ではない。言語学習サービスは好かれていません。その上、市場を支配しているように見えるDuolingoがライバルになるというのでは魅力的な投資対象ではありませんでした」という。しかし2020年に入ると新型コロナウイルス(COVID-19)によるリモートワーク化の進展以前に成長が回復し始めた。同時にFluent Foreverは著名なエンジェル投資家であるJason Calacanis(ジェイソン・カラカニス)氏のLaunch Acceleratorに参加した。

ワイナー氏のビジョンは、Fluent Foreverが言語を教える講師をライブでシステムに登場させることだった。オンライン上のライブ個別指導は以前から行われており、Preplyのようにこれに特化している会社もある。しかしFluentが目指していたのはオンライン言語学習サービスに短いライブセッションを組み込みんで、ある種のコンポーネントを作成することだった。間隔伸張反復法の手法により、ユーザーは一定時間後にまたそのセッションに戻ることができる。ライブサービスを利用するのは原則として有料のサブスクリプションユーザーであり、ライブ指導の時間を使用してそれぞれのニーズに合わせた独自の文章を作ることができる。Fluentのシステムは、この文章を多くのユーザーが共有できるコンテンツにすることができるわけだ。これがFluentの手法の大きな利点の1つだという。

関連記事:書評:『エンジェル投資家 』――Uberで場外満塁ホームランのジェイソン・カラカニスが投資の極意を説く

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Fluent Foreverm言語学習資金調達

画像クレジット:David Madison / Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook