お部屋探しプラットフォーム「カナリー」が不動産業者間流通サイト「リアプロ」と連携、タイムリーな空室情報提供を実現

不動産仲介業者の業務をデジタル化する業務効率化ソリューションと、お部屋探しプラットフォーム「カナリー」(CANARY。Android版iOS版)を開発・運営するBluAgeは1月24日、リアルネットプロが運営する不動産業者間流通サイト「リアプロ」と2021年11月から連携を開始したと発表した。

今回発表された連携後は、リアプロ管理の会員不動産管理会社は物件の空室情報を直接カナリーへ掲載することが可能になる。これにより仲介会社による入稿プロセスが省かれ、エンドユーザーに最新の空室情報をタイムリーで発信できるようになるという。カナリーにとっては、アプリ上の物件情報の鮮度と正確性を高めることで、ユーザー体験のさらなる向上、アプリダウンロード数の増加とそれに伴う反響数・成約数の上昇が期待できるとしている。

カナリーは、賃貸・売買物件を探すお部屋探しプラットフォーム。全国の賃貸マンション・アパート、新築・中古マンション・アパートの売買両方に対応している賃貸物件検索アプリとして提供しており、新規ダウンロード数は月10万件、累計ダウンロード数は100万件を達成しているという(2021年10月時点)。

また、募集終了物件や重複した情報を大きく削減した透明性と利便性の高さを特徴としており、ユーザーは最新情報を元に部屋探しが行える。不動産仲介・管理業務から部屋探し体験に至るまで、不動産業界における一気通貫したDXを推進し、「デジタルなインフラとして産業の発展に貢献する」というミッションの実現を目指している。

リアプロは、元付け情報のみを取り扱う賃貸物件情報データベースを活用し、管理会社や仲介会社の業務軽減・情報把握を可能にするシステム。賃貸管理業務用サービス「リアプロ管理」と賃貸仲介会社向けの業務用サービス「リアプロ仲介」からなる。リアプロ管理は2613店舗、リアプロ仲介は3万1766店舗(2021年10月現在)の利用があり、登録物件数は約620万戸に上るという。

リアプロ管理は、管理物件をデータベース化し、管理会社やオーナーの日常業務を効率化するというもの。「紙による入退去履歴の管理」「仲介会社との電話・FAX のやり取り」などの業務負担を削減できるほか、社内での共有、全戸登録での各種統計データ(物件情報登録はリアルネットプロが代行)、入居者管理にも利用できる。

またリアプロ仲介では、複数の管理会社やオーナーが持っている物件の空室情報をリアルタイムに把握でき、諸条件の画面上での確認により管理会社への電話・FAXによる問い合わせの手間を激減可能という。

同じ集合住宅に住む人のための超ローカルなソーシャルネットワークを構築するOneRoof

都市部の賃貸市場が回復し、人々が都市に戻ってくると、ロックダウンが開けた生活の新たな活気を受け入れようとしているコミュニティの中で、人々は再びたくさんの新たな隣人に囲まれることになる。

OneRoof(ワンルーフ)は、集合住宅用のソーシャルネットワークを構築している企業だ。郵便番号や近隣地域に基づくコミュニティを組織するNextdoor(ネクストドア)とは異なり、OneRoofは大規模な集合住宅の中に存在感を高め、近隣住民がより小さくて緊密な輪の中でお互いを知ることができるようにしたいと考えている。

「(Nextdoor)は郵便番号に基づいていますが、サンフランシスコやニューヨークのような大都市では、何万人もの人々が含まれます」と、OneRoofのCEOであるSelin Sonmez(セリン・ソンメス)氏は、TechCrunchに語った。「その時点で、人々には共通点が少なくなってしまいます。集合体が大きすぎて、もはや関連がないからです」。

共通点があるということだけでなく、人々はひと握りの隣人とコミュニケーションをとる方が、何千人もの人々とそうするよりも安心できると、ソンメス氏は述べている。

ソンメス氏と共同設立者(で夫でもある)のNikos Georgantas(ニコス・ジョルガンタス)氏は、このアプリによって、人々がビルのエレベーターや廊下で出会う人々とより気軽に話ができるようになり、新型コロナウイルス感染流行によって大都市では困難になったよく知らない者同士の関係が育まれることを期待している。

このビジョンを実現するために、OneRoofは125万ドル(約1億4000万円)の小規模なシード資金調達を実施した。これはGeneral Catalyst(ジェネラル・キャタリスト)が主導し、Kleiner Perkins(クライナー・パーキンス)のディスカバリーファンド、Dream Machine(ドリーム・マシーン)、Script Capital(スクリプト・キャピタル)、Urban US(アーバンUS)が参加した。

このアプリはメッセージ機能を中心に構成されており、ユーザーはSlackのようなハブで近隣の人々とさまざまなトピックについて話し合い、興味に応じて自分のサブコミュニティを組織することができる。なお、OneRoofはビル管理者と深いパートナーシップを築くことは求めていない。過去にビル全体のメッセージボードを作ろうとした際には、ビルの管理者にグループの管理を任せたため、ほとんどが失敗したという。

画像クレジット:OneRoof

このような小規模での運営にはいくつか難しい点がある。OneRoofのモデルでは「スーパーネイバーズ」と呼ばれる人々が、自分たちの住む建物への初期導入作業の多くを担う。ユーザーが自分の住む建物をOneRoofに登録したいと思ったら、OneRoofに依頼して、同じ建物の住人の郵便受けにサービスの宣伝チラシを送ってもらうことで、このプライベートアプリに参加するための独自のコードを住民に教えることができる。また、上の写真のような、参加コードが記載されたドアノブにかける札を送ってもらうことも可能だ。ソンメス氏はこれが特に成功しているという。

このアプリは、ニューヨーク市内にある約400のビルに導入されており、近々、ボストン、マイアミ、ロサンゼルスなど、他の主要都市にも拡げることを計画している。

画像クレジット:OneRoof

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

家賃支払いを代行、借り手に支払いの柔軟性をもたらすJettyが約25億円調達

家賃を支払う際に賃借人に柔軟性を与えることを目的としたフィンテック企業であるJetty(ジェッティー)は、Citi(シティ)とFlourish Ventures(フローリッシュ・ベンチャーズ)が共同で行う資金調達ラウンドで2300万ドル(約25億3700万円)を調達した。

今回の資金調達により、Jettyの2016年の創業以来の調達額は7800万ドル(約86億500万円)となった。今回の成長ラウンドに参加した他の投資家には、Credit Ease(クレジット・イーズ)とK5が含まれる。これまでの支援者には、Farmers Insurance Group(ファーマーズ・インシュアランス・グループ)、Khosla(コスラ)、Ribbit Capital(リビット・キャピタル)などがいる。

ニューヨークを拠点とする従業員100名のこのスタートアップは、消費者がオンラインや店頭で利用する機会が増えている「今買って、後で払う」(BNPL)モデルに似たサービスを提供することで、賃借人が家賃を滞納しないようにする方法を考え出した。

簡単にいうと、借り手は家賃の支払い期限が来たら家賃を支払うことができ、その月の24日までに、一括または分割でJettyに借りたお金を返すことができるというものだ。その際、金利や遅延金は発生せず、借り手のリスクプロファイルに応じて15〜25ドル(約1650〜2750円)の月額利用料を支払うことになる。借り手が決められた期間内に返済できなかった場合、翌月の借り増しはできない仕組みになっている。

この月額料金は、家賃が期限内に支払われなかった場合に発生する可能性のある遅延金よりも「はるかに低い」と、共同創業者兼CEOのMike Rudoy(マイク・ルドイ)氏は語っている。

「平均的な賃借人の給料の約50%は家賃に充てられています。つまり、家賃は賃借人にとって最大の支出なのです。だからこそ、ペナルティを受けないように、期日までにお金を用意できるような柔軟性を提供する、何らかの金融サービス商品があると期待されているのです」と彼はいう。

この商品は、実際のBNPLというよりも、従来のBNPLの従兄弟のようなものだと彼は語っている。

ルドイ氏は「当社が賃借人に代わって月初に家賃を全額支払うことで、不動産管理者は必要なときに必要な資金を得ることができます。賃借人は24日間、自分のニーズに合ったスケジュールで返済することができます」と説明してくれた。

Jetty Rentを立ち上げるために、同社は大手不動産投資・開発・管理会社であるCortland(コートランド)と提携し、複数の物件の居住者を対象にベータ版を提供してきた。

そして今回、一般向けに提供を開始したということだ。Jetty Rentは、同社のプラットフォームの中で最も新しい製品で「低コスト」の賃借人保険や敷金返還サービスも提供している。

「この会社のミッションは、賃貸住宅をより手頃で柔軟なものにすることです。また、当社は金融サービスのプラットフォームであり、当社が提供するすべての製品は、不動産管理者と賃借人の両方に価値を提供することを目的としています」とルドイ氏はいう。

Jettyは、今回の動きにより、Insurtech(インシュアテック)から金賃業者へと進化しているとルドイ氏はいう。同社は、Cross River Bank(クロス・リバー銀行)を通じてローンを提供している。

ルドイ氏はTechCrunchに対し「Jettyはこれまでインシュアテック企業と考えられてきましたが、私たちはこのビジネスにさらなる信用力と融資力をもたらすために取り組んでいます」と述べている。

ルドイ氏によると、同社が3つの商品すべてを不動産管理会社に提供していることが、同社の競争力の源泉になっているという。

「これは、同じ空間や問題をターゲットにしている他の金融サービス企業とは異なるものです。敷金の代替商品とフレキシブルな家賃商品の両方を同じ屋根の下に持っているのは、当社だけです。そのため、不動産管理者にとっては、統合や導入の観点からも当社を選択することが非常に容易になります。またそれは、賃借人にとっては、複数の異なるサービスを目にしなくてすむということでもあります」と彼はTechCrunchに語っている。

賃借人はすべての製品の代金を支払い、物件管理者は製品の展開におけるパートナーとなる。

現在、同社は全国で220万戸以上の賃貸住宅を運営する不動産オーナーや管理者と契約している。同社のマーケティング担当副社長のAlex Vlasto(アレックス・ブラスト)氏によると、2017年に不動産パートナーネットワークの構築を開始して以来、Jettyは契約戸数が前年比で平均193%の伸びを示しているという。Cortlandの他にも、AMLI Residential(AMLIレジデンシャル)などとも提携している。

Flourish VenturesのマネージングパートナーであるEmmalyn Shaw(エマリン・ショウ)氏は、米国人の70%以上がその日暮らしな生活をしていると指摘している。

「安定した住宅は、彼らが経済的な安定を得るための重要な要素です」と彼女はいう。

ショー氏は「単一のソリューションに留まらず、賃貸保険や敷金の代替、さらには家賃の柔軟性など、豊富で差別化された金融サービスを提供しているのはJettyだけです」と付け加えた。

「独自の消費者インサイト、差別化された価格設定、消費者のロイヤルティ向上により、Jettyは大きな競争優位性を獲得しています。さらに、Cortlandのような一流の不動産管理会社を通じた消費者へのアプローチは、他に類を見ないものです」とショー氏はメールで述べている。

最近になって、賃借人の生活を楽にするための新しい技術を考え出した他のスタートアップも資金を調達している。アパートを「インタラクティブなコミュニティ」に変えることを目指しているスタートアップSugar(シュガー)は、最近250万ドル(約2億7500万円)のシード資金を調達した。また、自動物件検査プラットフォームを構築しているスタートアップのRentCheck(レントチェック)も、先日260万ドル(約2億8600万円)のシードマネーを調達した。

画像クレジット:Indysystem / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

モバイルアプリでアパートの住人を安全・効率的につなげるSugarが約2.7億円のシード資金を調達

アパートを「インタラクティブなコミュニティ」に変えることを目的とするスタートアップ企業Sugarが、250万ドル(約2億7400万円)のシード資金を調達した。

今回の資金調達には、MetaProp、Agya Ventures、Concrete Rose、Debut Capital、The Community Fund、Consonance Capital、Lightspeed Scout Fund、Jason Calacanis(ジェイソン・カラカニス)氏のLAUNCH Syndicateなど、多数の投資家が参加した。また、SquareFootのCEOであるJonathan Wasserstrum(ジョナサン・ワッサーストラム)氏、Ben Zises(ベン・ジセ)氏、Diran Otegbade(ディラン・オテグバード)氏、Oleksiy Ignatyev(オレクシー・イグナティエフ)氏、Zillowの取締役でありSequoia Scout FundのメンバーでもあるClaire Cormier Thielke(クレア・コーミエ・ティエルケ)氏などのエンジェル投資家も参加した。

ちんたいそこで彼女は、不動産投資グループや不動産管理会社と提携し、近所の人々とのつながりを絶たれて孤立していると感じているアパートや住宅地の住民のために、アプリを作った。

「ほとんどの住宅用アプリは挙動がいまいちで、今風でなく、使いづらいものばかりだ。家賃の支払い、不動産管理者との連絡、ドアの解錠など、簡単であるはずの作業が煩雑で面倒だった」とディッコ氏は語る。

CEO兼創業者のファティマ・ディッコ氏(画像クレジット:Sugar)

その上、隣人とのつながりがなく、孤立していると感じることは、居住者が出ていくことやネット上でのネガティブな評判の原因にもなり、最終的にはビルのオーナーの収入減にもつながりかねない。

そこでディッコ氏は、居住者同士がただ交流できるだけでなく、鍵なしでドアの解錠ができたり、メンテナンスの依頼、家賃の支払いなどができるアプリの開発に着手することにした。このプラットフォームは、パンデミック関連のユースケースを超えて広く成長していった。現在、このスタートアップはさまざまな規模の住宅地、不動産投資グループ、Airbnbによる賃借、ホテル、その他の種類の住宅用地といった顧客を世界中に有している。

Sugarのプロダクトは2つの要素で成り立っている。1つは居住者向けのモバイルアプリ、もう1つは建物のオーナーや管理者向けのウェブベースのダッシュボードだ。モバイルアプリは、建物のオーナーや管理者に直接販売される。不動産管理者も、管理用ダッシュボードにアクセスして、居住者のエンゲージメント指標を把握したり、ポートフォリオ内の物件のオンライン評価やレビューを確認したりすることができる。

ディッコ氏によると、今回の資金調達に先立ち、Sugarは前月比で「一貫した」成長を遂げ、ローンチからわずか4カ月で6桁のARR(年間経常収益)を達成したという。現在、SugarはEquilibrium Real Estate Investment Group、CGI Investment group、Apartment Management Consultants (AMC)などの初期顧客のポートフォリオ内にある特定の物件への展開を開始している。これらの企業は、米国22州で655件の不動産と15万部屋のドアを管理している。

また、Sugarは、7万8000戸以上の住宅を管理し、居住者のエンゲージメントを高めようとしているBozzutoなどの大手不動産管理会社と90日間のパイロット契約を結んだとディッコ氏は語っている。

ディッコ氏によると、ドアの鍵なし解錠のハードウェア製品をコミュニティ・エンゲージメント・ダッシュボードに統合できることが、Sugarの差別化のポイントだという。

「当社のコンシューマー向けアプリは引き寄せる力があり、ユーザーとオーナーにメリットがある。Sugarは、プラットフォームの利用率を高めるためには、アクセスコントロールが最も重要な機能であると考えている」と述べている。「本プロダクトはハードウェアに接続することができ、ユーザーはアプリ内からドアのロックを解除したり、デジタルキーを共有したりすることができるため、製品の導入が進み、コミュニティポータル内でのエンゲージメントが向上するだろう」。

また、建物の既存のハードウェアやソフトウェアのスタックに統合できることも大きな差別化要因であると述べている。スタンフォード・ビジネス・スクールに入学する前、ディッコ氏はProcter & Gambleでシニア・プロダクト・エンジニアとして数年間勤務していた。その時、古い問題を解決するために新しいソリューションを考案するということにワクワクしたという。

2020年は2名だったSugarのフルタイムの社員は、現在9名となっている。今回の資金調達では、エンジニアリングとセールスの両方で重要な人材を採用する予定だ。

Agya VenturesのKunal Lunawat(クナル・ルナワット)氏は、同社がディッコ氏の「粘り強さ、推進力、優秀な人材を惹きつけ、評価する能力」に感銘を受けたと述べている。

「誰もが住宅のコミュニティについて語っているが、それを具体的に解決するプラダクトを作っている人は誰もいない」と彼は語る。「コミュニティに焦点を当てることは、Sugar社の理念の中心であり、だからこそ、世界有数の不動産管理会社の多くが彼らのソフトウェアに集まってきているのだろう」。画像クレジット:Sugar

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アルゴリズムを利用して賃貸住宅の特定や管理を支援し大家の頭痛を解消するKnox Financialが10.8億円調達

賃貸物件を所有して収入を得る方法を表す「受動的所得」という言葉は、誰もが知っているだろう。受動的に収入が得られたらいいなと思う米国人は多いが、大家になるための手続きは恐ろしいほどに厄介で複雑なものだ。

つまり、土地を売った途端に地価が上がって、売ったことを後悔する人がどれほど多いことか、という話だ。

すでに大家であっても、不動産管理の複雑さには押し潰されそうになる。

アルゴリズムを利用したプラットフォームで賃貸住宅の特定や管理を支援するボストンのスタートアップKnox Financial(ノックス・ファイナンシャル)は、1000万ドル(約10億8000万円)のシリーズA投資を調達し、目標をさらに拡大した。ボストンを拠点とするG20 Venturesがこのラウンドを主導し、Greycroft、Pillar VC、2LVC、Gaingelsなどが参加している。

この投資により、2018年創設以来のKnoxの合計調達額は1470万ドル(約16億円)となった。同社は2020年1月、Greycroft主導によるシード投資ラウンドで300万ドル(約3億2500万円)を調達している。

Knoxの共同創設者でCEOのDavid Friedman(デイビッド・フリードマン)氏は、スタートアップ初心者ではない。同氏は2004年、不動産会社や代理店のための総合マーケティングプラットフォームとオンラインマーケティングサービスBoston Logic(ボストン・ロジック)を創設している。2016年、フリードマン氏は、現在はPropertybase(プロパティーベース)と呼ばれるその会社を、非公開の価格でProvidence Equity(プロビデンス・エクイティー)に売却した。

Knoxは2019年5月にプラットフォームをローンチしている。その目標は、今住んでいる家から退去して投資不動産に変更しようと決意した住宅の所有者に「完全にお任せ」の移行を提供することだ。また、賃貸物件の管理をより簡単に効率的にする手助けもするという。

2020年初めのシード投資ラウンドでは、同社の事業はボストンに限られ、プラットフォーム上の物件は50件しかなかった。現在では7つの州に展開され「数百件」の投資不動産がプラットフォーム上にあり、1億ドル(約108億円)を超えるポートフォリオを監督している。

では、どんな仕組みなのだろうか?物件がKnoxのFrictionless Ownership Platform(フリクションレス・オーナーシップ・プラットフォーム)に登録されると、この物件の財務、税金、保険、賃貸と法務、賃借人と土地建物の管理、銀行口座管理と請求書の支払いといった処理を自動化し監督する。

Knoxではまた、その物件から長期的に得られる投資収益率を計算する、賃貸料と予測のモデルも開発した。

画像クレジット:Knox Financial

「投資家のための大幅な節約を行い、ほぼ確実にポートフォリオの収益性を高めます」とフリードマン氏はいう。「大きな家に引っ越す人がいれば、私たちはその物件を信じられないほどのROI発生器、つまり収入源に生まれ変わらせます」。

同社の収益モデルは単純だ。

「賃貸料が1ドル、このシステムを通過するごとに、私たちは10セントもらいます」とフリードマン氏はTechCrunchに話した。私たちは、顧客の状況に合わせて利益を調整します。賃貸料がまったく入らないときは、私たちも売上げはありません」。

Knoxでは、今回の新しい資金でサービス対象地域を広げ、もっと多くの人たちに知ってもらおう計画している。

G20 Venturesの共同創設者でパートナーのBob Hower(ボブ・ハワー)氏は、大学を卒業して数週間後に、母親の援助でボロ家を購入したことを話してくれた。改修を終えた1週間後に、彼はその家を売りに出した。それから5カ月の間、市場が軟調になるにつれて価格を次第に下げざるを得なくなり、とうとうわずかな儲けで売却してしまった。

「あの家は、今では私が出資した数倍の値がついています」とハワー氏は振り返る。「今思うと、敗因は、そもそも家を売ろうと決めてしまったことにあります」。

その経験からハワー氏は、Knoxのビジネスモデルにある、彼がいうところの「思考の明確さ」を大切にするようになった。

「Knoxが数十年前にあれば、大学卒業後に買ったあのボロ家を、今でも持っていたはずです」と彼はいう。「Betterment(ベターメント)などの投資プラットフォームは、いくつものアドバイスと最適化のための作業を、シングルサインオンの簡単なサービスに凝縮しています。Knoxは、この手のモデルを住宅不動産投資に持ち込んだ、最初の企業なのです」。

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画像クレジット:Nanette Hoogslag / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:金井哲夫)

不動産DXのWealthParkが25億円調達、オルタナティブ投資のプラットフォーム目指す

株式や仮想通貨を運用する人にとって、アプリやウェブで資産管理をすることは、いまや常識となった。しかし現在、不動産オーナーの多くは「紙」で資産管理を行っている。この状況を変えようとするスタートアップがWealthParkだ。

2021年3月22日、WealthParkはJICベンチャー・グロース・インベストメンツから25億円を調達したと発表した。同社は、不動産オーナーと不動産管理会社をデジタルにつなぐシステム「WealthParkビジネス」を提供している。

収支報告書をワンクリックで送信

不動産管理会社は、オーナーが所有する物件の管理を委託されている。入居者からの家賃回収や部屋の修繕依頼への対応などに加えて、毎月、オーナーに収支報告を行う。いわばオーナーと管理会社は「経営パートナー」のような間柄といえる。問題は、大半の管理会社とオーナーのコミュニケーションの方法が「電話・FAX・紙」であることだ。例えば管理会社は、毎月の収支報告書を郵送してオーナーに届けている。その数が多ければ印刷代や人件費は馬鹿にならないものであり、オーナー側としても書類の保管・整理に手間がかかってしまう。

WealthParkは不動産管理会社向けのシステム「WealthParkビジネス」を提供することで、この課題の解決を目指す。同システムを利用すると、管理会社は管理物件別の賃料・共益費・駐車場代などをダッシュボードで一覧することができる。毎月の収支報告書は自動で作成され、ワンクリックでオーナーのスマホに送信可能だ。また、オーナーとシステム内のチャット機能で会話ができるため、工事の見積もり費などの確認作業がスピーディに完結できる。つまり、管理会社とオーナー双方が、従来よりシンプルかつ気軽にコミュニケーションをとれるというわけだ。

画像クレジット;WealthPark

不動産小口化商品の取り扱いも

2014年にローンチされたWealthParkビジネスは着実な成長を見せている。現在、国内大手の東急住宅リース三菱地所ハウスネットを含む80の不動産管理会社が同システムを導入しており、約1万7000人の不動産オーナーが利用する。管理戸数は10万室を超え、同社CEOの川田隆太氏は「ようやく基盤が固まってきた」と自信をのぞかせる。

WealthParkのビジネスモデルは、管理会社から毎月のサブスクリプション手数料を得るというもの。管理会社は、WealthParkビジネスを自社のコスト削減に加え、顧客である不動産オーナーへの「CRMツール」として活用できるため、顧客満足度向上の観点でも導入するメリットは大きい。

またWealthParkは今回の資金調達により、不動産小口化商品の取り扱いもスタートする。川田氏によると「不動産オーナーには、毎月数十万円から数百万円という家賃収入があります。しかし、その利息分をそのまま眠らせてしまっていることが多い」。そのようなオーナーに対して、管理会社から不動産小口化商品を提案する。オーナーはすでに現物資産(不動産)をWealthParkのシステム上で運用しているため、小口化商品も同一ダッシュボード上でシームレスに管理できるのがメリットだ。オーナーにとっては資産運用の効率化につながり、管理会社にとっては新たなビジネスチャンスになる。

Amazonや楽天で売っていないもの

「賃貸管理業務のDX」という分野で存在感を放つWealthPark。CEOの川田氏がこのサービスを始めた理由は、以前経営したスタートアップでの「苦い経験」にある。同氏は若年層の女性向けアパレルECを4年半経営するなかで、リーマンショックや東日本大震災を経験し「資金があと3、4カ月で底をつく」という状況に陥ったことがある。株主からの資金援助はすべて断られ、自分自身の手持ち資金だけでは足らず、親・親戚・友人を回り、会社を存続させるための資金をかき集めた。その後同業大手による買収提案があり、川田氏の経営者としての最初のキャリアは幕を閉じた。

酸いも甘いも知った川田氏はこう振り返る。「前の会社の経営では、『マーケット選定の重要さ』を思い知りました。IPOを目指してあらゆる手段を講じましたが、結局はターゲットのTAM(獲得可能な最大市場規模)が小さかったので採算が合わなかった。だからこそ、次の事業はこの反省を活かそうと思ったのです」。

川田氏は、次のビジネスのマーケットを選ぶために「Amazonや楽天で売っていないもの」は何かと考えた。そのなかでも、TAMが大きく、かつDXが遅れている不動産を次のステージに選んだ。「不動産を含むオルタナティブ資産は、株や債券にはない『期中管理』が付き物です。例えば不動産であればトイレや水道の故障を直したり、アートやワインであれば適切な温度・湿度で保管したりなど、『管理の仕方』で資産の価値が大きく変わります。だからこそ、管理会社へのDXソリューションを提供することで、道が開けると考えたのです」。

川田氏は将来への想いを語る。「WealthParkは不動産に限らず、あらゆるオルタナティブ投資をサポートする存在になりたいと考えています。例えば、クリスティーズでレオナルド・ダ・ヴィンチの絵が100億円で売りに出されたとしても、今はアラブの石油王みたいな人しか買えないですよね。でもWealthParkを通して、10万人が10万円ずつ出資してオーナーになり、それをデジタルに管理できたらカッコいいじゃないですか。そんな世界をつくっていきたいと思っています」。

オルタナティブ資産とは「代替資産」を意味し、株式や債券などの「伝統的資産」の対になる存在として考えられてきた。しかし、WealthParkが推進する不動産小口化商品をはじめ、ワインやアート、金、仮想通貨、NFTなどが今後メインストリームに躍り出ることで、オルタナティブ資産がもはや「代替」ではなくなるということも、十分にありえる未来だろう。

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フリーランスの「借りられない」問題の解決目指すアプリ「smeta(スメタ)」

フリーランスは、その名のとおり「自由」に仕事をして生きていけるという魅力がある。一方で、会社員と比較すると与信審査が通りにくく、賃貸契約が難しい場合があるなど、その自由に対して支払わなければならない代償も決して小さくない。

REASEが運営するアプリsmeta(スメタ)は、このような課題の解決を目指す。スメタはフリーランスに加え、スタートアップ起業家、高齢者、外国人などに特化して与信を行い、スムーズな賃貸契約をサポートするサービスだ。

最短3日で契約が可能

REASEのCEOである中道康徳氏は「現在、日本で賃貸契約を行う際には、ほとんどのケースで賃貸保証会社による審査に通らなければなりません。その審査基準は、勤務先・勤続年数・収入がメインです。しかし、これらが安定していないフリーランスは、審査に落ちてしまいやすい」という。

smetaは、物件紹介と賃貸与信の両方の機能を兼ね備えるサービスだ。ユーザーが自分の年収を入力すると「目安家賃」が計算され、当てはまる物件が一覧表示される。その中で気になった物件があれば、本人確認書類と収入証明を提出することで、smetaから「与信枠」を得ることができる。この「与信枠」は「上限家賃」でもあり「この金額以下の賃貸物件であれば確実に入居できる=家賃保証を行う」ことを意味する。ユーザーは、上限家賃以内の賃貸物件をsmetaアプリから申し込むことで、入居審査に落ちることなく確実に契約できるようになる。

smetaの大きなメリットは「無駄な時間がなくなる」ことだろう。従来の賃貸契約では、申し込みから契約までに約2週間はかかる。しかも、賃貸保証会社による与信審査に落ちてしまうと、また振り出しに戻ってしまうというリスクもある。中道氏は「私が聞いた中で最悪のケースでは、3回連続で与信審査に落ちてしまい、最終的な賃貸契約までに約1カ月半かかったというフリーランスの方がいました」と話す。

これに対して、smetaは与信審査を最初のステップで完了するため、ユーザーは安心して申し込みを進められる。申し込みから契約まで「最短3日」程度で完結させることも可能だという。

ランサーズでの仕事内容を評価する

ここで疑問になるのは「smetaはどのような評価方法でフリーランスに与信を行っているのか」という点だろう。その答えは、申込者のランサーズなどのプラットフォーム上での業務内容を加味するというものだ。

現在、smetaはランサーズやKasookuPE-BANKをはじめとする国内フリーランス向けのプラットフォームや人材マッチングサービスなど24社と提携している。例えば、フリーランスとして活動するライターが、ランサーズ経由でsmetに賃貸契約の申し込みを行うと、ランサーズは申込者の業務内容や実績をsmetaに一部共有する。これらのデータを元に、smetaは申込者の与信枠(上限家賃)を決定するのだ。

中道氏は具体的な例を挙げる。「その申込者がランサーズ上で2万文字・10万円の仕事を受注していたとします。それを3日後に納品し、クライアントから最終的な支払いを受けている。ここからは、申込者が案件を獲得できたという営業力や、与えられたタスクを完了できる業務遂行能力、そして最終的に売上を得たという実績を確認できます。smetaでは、このような事例を多数収集して分析し『申込者が家賃を払い続けられるかどうか』という判断をしています」。

smetaでは「仕事の中身・能力」という部分まで詳細に分析することで、これまで審査に通りにくかった人たちへの与信を実現するというわけだ。この方法を実践しているのは、国内の家賃保証業界では同社が初めてという。

保証会社自らが集客することでリスクを減らす

しかし「新しい尺度」で審査をするにはリスクがつきものだろう。ましてsmetaを運営するREASEはスタートアップであり、大手の賃貸保証会社などと比較すると資本力にも欠ける。これに対して中道氏は「smeta自身がエンドユーザーを獲得して与信を行っているということが、リスクヘッジになる」という。

これはどういうことか。通常、賃貸契約を行う人は、不動産仲介業者から申し込みを行う。仲介業者の主な収益源は仲介手数料(家賃半月〜1カ月分など)であるため、顧客が支払える範囲でなるべく高い家賃の物件を契約したい、というインセンティブがある。中道氏は「商売だから当然です。しかし賃貸保証会社にしてみると、それはリスクにもなり得ます」という。

REASEは、自らのアプリsmeta経由でエンドユーザーを獲得し、上限家賃(与信)を設定する。つまり、REASE自らリスクコントロールを行うことで、ユーザーが余裕を持って支払える家賃の物件のみを案内できるため、家賃滞納や未払いなどの事態を未然に防げるのだ。

smetaは2020年の1月より本格稼働を始め、現在、そのダウンロード数は6000を超えている。不動産会社からの紹介顧客も含め、保証契約数は合計1300に及ぶという。また、REASEはPlug and Play Japanが主催するWinter/Spring 2021 Summitでは、Fintech部門の最優秀国内スタートアップに選出され、今後さらに勢いに乗りそうだ。

これまで、フリーランスとして独立すると「社会的信用度が下がる」のはなかば常識だった。これを懸念してフリーランスになるのを躊躇する人も多かったのではないだろうか。しかしsmetaの新しい評価基準により、フリーランスがさらに「自由」に生活できる日が来るのも、そう遠くないかもしれない。

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