KickstarterのCEOが4月に辞任

KickstarterのCEOであるAziz Hasan(アジズ・ハサン)氏は、米国時間3月21日に「Moving Forward, With Gratitude(感謝を込めて、前へ進む)」と題したブログで、クラウドファンディングプラットフォームのトップの座から退くことを発表した。3年間務めた同氏の最高経営責任者としての任期は、この4月4日が最後となる。取締役会が後任を探す間、同社のCOOであるSean Leow(ショーン・レウ)氏が暫定的にCEOを担う。

「私たちが一緒にやってきたことを、とても誇らしく思います。これほど情熱的で有能で献身的なチームを、変化と大きな節目と勝利と複雑なチャレンジの厳しい時期に率いたことは、身も縮むほど厳しく、そして得られるものの大きい体験でした」とハサン氏はいう。

CEOはその決定をFast Companyに打ち明け「個人的な反省」と、若い家族と過ごす時間を増やしたいことを動機として挙げた。ハサン氏がいうように彼の任期はこのサービスの強力な成長の時期となったが、最後の数年は相応の論争も経験した。

2020年にKickstarterのスタッフは組合結成を票決した。それをハサン氏はスタッフ宛の書簡で「本質的に敵対的である」と呼び、こう付け加えた、

その動きは会社としての私たちを反映していない。あるべき対話や決定の方法、あるいは進むべき進路を示していない。むしろ多くの点でそれは私たちを後退させるでしょう。しかも、私たちと彼らという対立ならすでにあります」。

さらに最近では、サービスをブロックチェーンへ移行する計画でクリエイターたちの反発を受けた。激しい批判の渦中で、Kickstarterは「心配にもっと応えることができるように」と、ユーザーからのフィードバックに耳を傾けることを約束した

レウ氏は声明で、ハサン氏の業績を強調している。

アジズは過去3年間、Kickstarterに対してCEOとして彼のクリエイティブな精神と体験を多く注いできました。彼の貢献に深く感謝するとともに、その後を継ぐ者として、すでに生まれている数々のクリエイティブなプロジェクトを育てていきたいと思います。クリエイティブなプロジェクトの力を固く信じる者として、私は次のリーダーを探す間、Kickstarterを正しい方向に進めることに専念したい」。

共同創業者で前CEOのPerry Chen(ペリー・チェン)氏も、同じ気持ちを述べている。

アジズ・ハサンは会社の危機的な時期にKickstarterのリーダーの座を引き受け、彼の任期全体を通じて思慮深く堅実な手腕を発揮しました。それには、クリエイティブなプロジェクトに対する歴史的で画期的な投資方式や、パンデミックの間のさまざまなチャレンジへの対応もありました。Kickstarterの未来のCEOを探す間、ショーン・レウが会社を率いてくれることは、非常な幸運である。彼はその長いKickstarterの任期において、会社の最も重要な企画のほとんどを一緒になって引っ張り、彼の深い経験と情熱を注いで、クリエイティブなプロジェクトに命を吹き込んできました」。

Kickstarterに参加する前、レウ氏はFacebookに勤務し、ソーシャルメディアアートサイトNeochaを共同設立していた。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

メタ、グローバルコミュニティ開発責任者が未成年者との性交渉ビデオに撮影され辞任

Facebook(フェイスブック)の親会社であるMeta(メタ)は、グローバルコミュニティ開発マネージャーを務めていたJeren A. Miles(ジェレン・A・マイルズ)氏が、小児性愛者を捕まえる目的で素人が行ったおとり捜査に登場する様子を撮影した動画がYouTubeで拡散され、その後Reddit(レディット)などにも転載されたことを受けて、現在は同社と雇用関係にないことをTechCrunchに確認した。

「PCI: Predator Catchers Indianapolis」というアマチュアグループがYouTubeに投稿した2時間のビデオには、マイルズ氏が性行為をしていたり、特定の性行為を認めたり、性行為を実行する意図を認めたりする様子は描かれていない。また、このビデオによる法的な影響があるとすれば、それは明らかではない。

しかし、この動画では2人の人物がマイルズ氏を尋問しており、同氏はその過程で、13歳の少年と生々しい不適切なコミュニケーションをとったことを認めている。マイルズ氏はその後、FacebookTwitter(ツイッター)などのSNSで自身のソーシャルプロファイルを削除しており、また、解雇されたのか自発的に辞職したのかは別として、この問題をめぐってFacebookでの役割を辞めるのに十分なほど、のっぴきならない不利な内容となっている。

「これらの疑惑の深刻さは決して無視できません。この人物については、当社との雇用関係は終了しています。当社はこの状況を積極的に調査しており、現時点ではこれ以上のコメントはできません」と、Metaの広報担当者であるDrew Pusateri(ドリュー・プサテリ)氏は声明で述べた。なお、プサテリ氏は声明文をTechCrunchに送る前に、通話でこの記事のニュース性について(公開する価値はないと)筆者を説得しようとし、他の報道機関がこの記事を取り上げていないことを指摘した(アドバイスに感謝する)。

データ保護やプライバシーに関する話から、問題のある製品の実行、エンゲージメント数の低下まで、Metaはここ何年も論争の波に襲われているように感じる。未成年者のセックススキャンダルでさえ、この時点では目新しいニュースではない。

世界中の何十億人もの人々が、Facebook、Instagram(インスタグラム)、Messenger(メッセンジャー)、WhatsApp(ワッツアップ)、Workplace、Oculusなどを含むMetaの製品ポートフォリオの常連ユーザーであることを考えると、これらはすべて、Metaのように大きくて露出度が高い企業であることの一部だといえるかもしれないが、いずれにしても良いことではない。

折しも、同社は元英国政治家のNick Clegg(ニック・クレッグ)氏をグローバルアフェアーズ担当社長に任命するなど、PRオフェンスの刷新を図っている。彼らには、大きな仕事が待ち構えている。

画像クレジット:Chesnot/Getty Images / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Aya Nakazato)

Udemyの幹部たちが、より良いUdemyを作るために退社した理由

Darren Shimkus(ダレン・シムカス)氏は、企業向けの学習ビジネスであるUdemy(ユーデミー)を、5年かけて年間経常収益100万ドル(約1億1500万円)から1億ドル(約115億4000万円)にまで成長させた。だがUdemyが上場する8カ月前、シムカス氏は自分の直感を確かめるためにUdemy Business(ユーデミービジネス)の社長を辞任した。

「教育業界にもたらすことができるイノベーションがあると思ったからです」と彼はいう。「しかし何を考えても、何を見てもそこにはまず自分が出てきてしまって、世界の見方も偏っていました」そこでシムカス氏は、6カ月の間、データ、人材開発、エンジニアリングの責任者たちにインタビューを行い、教育の世界で共有されている重要課題の把握につとめた。「私が気づいたのは、学習プロセスに人間的なつながりを取り戻すことがいかに重要かということでした」と彼はいう。

この結果、皮肉な話だが、シムカス氏はUdemyの元CEOであるDennis Yang(デニス・ヤン)氏とチームを組み、出身母体とはまったく異なるアプローチで、世界最大の企業向け教育会社の設立に再挑戦することになった。

米国時間2月9日、初めて公表されたModal(モーダル)は、企業が既存の従業員に新しいスキルを習得させたり、専門分野を変えたりするために利用できる、グループ型の学習プラットフォームだ。シムカス氏によれば、彼とヤン氏は、Signalfire、Norwest Venture Partners、Learn Capital、Bling Capitalなどから680万ドル(約7億8000万円)の資金を調達することに成功した。

この同社の最初の製品は、スタートアップ企業におけるデータリテラシーの向上に焦点を当てている。そこでは、教育対象の従業員を30人から40人のグループに分けて、非同期のプロジェクトやライブイベントを含む8週間の学習体験をさせる。

カリキュラムについては、Modalは大規模に公開オンライン講座を提供するやりかたではなく、専門家とともにすべての教材を社内で開発している。

「私たちは、外部講師がやってきてプラットフォーム上で何かを提供するようなモデルを採用するつもりはありません」と彼はいう。「私たちが作っているコンテンツはすべて私たちのものです」。最終的には、自然言語処理、Python、データストーリーテリングなどのスキルを教えるプラットフォームになる。

同社は、売上目標、顧客数、顧客名などの情報を開示していない。古典的な企業向けB2B販売モデルで収益を上げる。

ModalのビジョンとUdemyのミッションの重なりは、無視できない。両社とも、人材の流出や教育の遅れを危惧する企業に対し、スキルアップサービスを販売している。シムカス氏は「私たちはUdemyのような巨人の肩の上に立っているのです」と直接的な競争を否定する一方で、彼の認識している同社の人材システムがModalを「かなり有利にしている」とも認めている。

高いレベルで見れば、Modalの製品はシンプルである。スキルアップやスキル再構築をする企業向けの資金調達ラウンドが活発に行われていることを考えると、明らかに世の中では従業員に対するリフレッシュが求められている。ここではEdTechのベテランたちは、人々が情報を理解する方法の未来に向けて、非同期学習ではなく、キュレーションされたグループベース学習というコンセプトに賭けている。

Udemy出身者が、Udemyのプラットフォームからスピンアウトして、グループ型クラスのプラットフォームを構築したのは今回が初めてではない。Udemyの共同創業者であるGagan Biyani(ガガン・ビヤニ)氏は、AltMBA(アルトMBA)の共同創業者であるWes Kao(ウェス・カオ)氏と共同で開発している最新製品Maven(メイブン)のために、3000万ドル(約34億6000万円)以上の資金を調達した。シムカス氏は、Mavenはユーザー生成コンテンツに重点を置いているが、Modalは従業員やHRリーダーのために作りたいと考えているという。

また、シムカス氏とヤン氏がModalを設立した数カ月後に、Udemyは「グループベースの没入型学習体験を提供するオンラインリーダーシップ開発プラットフォーム」であるCorpU(コープ)を買収した。これまでUdemyは、グループ型クラスのプラットフォーム戦略について、詳細を明らかにしていなかった。

一方、シムカス氏は、パンデミック、分散型勤務、リモート・ラーニング、大規模辞職などの現在の状況が、自分のビジョンの進路にどのような影響を与えるかを考えている。

彼は「2年前にはこの会社を作ることはできなかったでしょう」と語る。「人生に求めていること、そして会社に期待していることに対して、人びとが新しい価値を見出したからこそ、今この会社を立ち上げることができたのです」。

画像クレジット:Utamaru Kido / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:sako)

性的コンテンツの禁止で揺れたアダルト系SNS「OnlyFans」創業者兼CEOが退任、後任は広報担当者

OnlyFans(オンリーファンズ)の創業者でCEOを務めてきたTim Stokely(ティム・ストークリー)氏が退任することになったと、Bloombergが報じている。後任には、同社の元コミュニケーションマーケティング部長だったAmi Gan(アミ・ガン)氏が就任する。この動きは、OnlyFansにとって不安定な1年の終わりに行われたものだ。同社は8月にそのプラットフォーム上で繁栄しているセックスワーカーを禁止すると発表したが、この決定は1週間後に保留にされた

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広報担当者を会社のCEOに任命することが奇妙に思えたとしても、それは当然だろう。しかし、報道によると、これはストークリー氏自身の判断だったとのこと。同氏はアドバイザーとして会社に残ることになっている。

「私たちは、このクリエイターエコノミーに対する情熱を共有しながら、机を並べて仕事をしてきました」と、新CEOのガン氏は語る。「私たちの優先事項は、世界で最も安全なソーシャルメディアプラットフォームであるために引き続き全力を注いでいくことです」。

また、ガン氏は同社のsafe-for-work(職場で閲覧しても大丈夫)なストリーミングアプリであるOFTVに投資し、クリエイター向けの新しいツールを構築していくとも述べている。ストークリー氏自身のビジネスバックグラウンドがオンラインポルノであるのに対し、ガン氏はRed Bull(レッドブル)、Quest Nutrition(クエスト・ニュートリション)などのブランドや大麻カフェで働いた経験がある。

TechCrunchはOnlyFansに、このリーダーシップの変化がプラットフォーム上のセックスワーカーに影響を与えるかどうかを尋ねたが、OnlyFansはコメントを辞退した。

OnlyFansは、NSFW(not safe for work、職場での閲覧には不適切な)クリエイターのおかげで繁栄しており、8月には2021年の売上高が、2020年の12億ドル(約1370億円)から大きく増加し、25億ドル(約2860億円)に達する見込みであると発表していた(OnlyFansはクリエイターの収益の20%を徴収する)。しかし同時に、OnlyFansは同社を10億ドル(約1140億円)規模の企業にしたセックスワーカーたちの生活を脅かすような爆弾発言をした。それは、OnlyFansがNSFWコンテンツ(つまり、露骨に性的なコンテンツ)を禁止するというものだった。それが急速に反発を招いた後、OnlyFansはこの決定を保留し、銀行プロバイダーとの問題を解決したと発表している。

それでも、セックスワーカーたちは、プラットフォームから追い出されることを懸念しているようだ。結局、OnlyFansは禁止措置を撤回するのではなく「保留」すると言っているのだ。

OnlyFansのようなプラットフォームがセックスワーカーを排除すると脅すことは、彼(女)らが生活の糧を失うことを意味するだけでなく、彼(女)らをより危険なオフラインの労働環境に追いやることにもなりかねない。

米国議会は2019年に「Safe Sex Workers Study Act(性労働者安全調査法)」を導入し「Fight Online Sex Trafficking Act(FOSTA 、インターネット上の性的人身取引対策法)」など、オンラインでのセックスワークを困難にする法律の影響を調査した。この研究では、セックスワーカーが「オンラインプラットフォームへのアクセスによってもたらされる経済的安定性」を失った後「コミュニティ組織は、セックスワーカーのホームレス化が進んでいると報告していた(いる)」ことが判明した。

OnlyFansにおける変化の可能性は、プラットフォームからプラットフォームへと移ることがどれほど大変なことかを知っているセックスワーカーにとっても恐怖である。Patreon(パトレオン)でさえ、2018年にセックスワーカーをプラットフォームから排除した。同社はポルノを決して許可しないと言っていたが、何年もの間、このガイドラインは厳格に施行されていなかったため、セックスワーカーは同プラットフォームを利用して生計を立てることができていた。

Patreonでは、少なくともクリエイターはサブスクリプション会員のメールアドレスにアクセスできるので、プラットフォームの仲介がなくてもファンベースと連絡を取ることが可能だ。しかし、OnlyFansは、Instagram(インスタグラム)やTwitter(ツイッター)と同様に、たとえ誰かにフォローされても、その人と直接コミュニケーションを取る手段がない。顧客と連絡を取る手段がなかったら、どうやって別のプラットフォームで新しいビジネスを構築すればいいのだろうか?

OnlyFansは、このリーダーシップの変化がセックスワーカーを危険に陥れると暗示してはいないが、NSFWクリエイターの信頼をすでに翻弄してきたプラットフォームにとって、これは重大な変化である。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

京都大学、iPS細胞研究所の山中伸弥所長が所長退任と発表、同研究所教授・主任研究者として基礎研究推進

京都大学がiPS細胞研究所所長の山中伸弥教授が所長退任と発表、同研究所教授・主任研究者として基礎研究推進

京都大学は12月8日、iPS細胞研究所(CiRA。サイラ)の山中伸弥所長が2022年3月31日付で所長を退任すると発表した。山中伸弥教授は、2010年の研究所設立当初より6期(12年)にわたり所長を務めており、所長退任後も京都大学に在籍。CiRA教授・主任研究者として引き続きiPS細胞研究を推進する。

山中教授は、次のようにコメントしている。

2006年にiPS細胞を発表して以来、15年間にわたり組織運営や寄付募集活動に微力を尽くしてまいりました。この数年は、研究者としての最後の期間は自身の研究に注力したいという思いが日に日に強くなっていました。先日の教授会で令和4年度からの所長として髙橋淳先生を推薦し、投票の結果、髙橋先生が選出されました。iPS細胞を用いた多くのプロジェクトが臨床試験の段階に到達しつつある中、自らも臨床試験を先導されている髙橋先生は、新所長として最適の研究者です。私は、基礎研究者として、iPS細胞や医学・生物学の発展に貢献できるよう全力を尽くします。」

また2021年12月2日に開催された教授会において、CiRAの所長候補者選考内規に従って投票を実施。髙橋淳教授が過半数の票を得て次期所長に選出された。所長任期は2022年4月1日から2024年3月31日まで。

髙橋教授はCiRA設立当初からのメンバーで、専門分野は神経再生や脳神経外科。特に長年パーキンソン病治療の研究を行っており、2018年には、京都大学医学部附属病院においてiPS細胞を用いたパーキンソン病治療の医師主導治験が開始されている。iPS細胞研究の最前線で活躍する研究者として、現在もiPS細胞技術などを用いて脳梗塞などの治療法開発を目指した研究を進めている。

画像クレジット:京都大学iPS細胞研究所

MetaのMessenger責任者が退社を表明

Facebook(フェイスブック)がコーポレートブランドを変更し「メタバース」の未来に向けて組織改編する中、著名な幹部が続けて会社を去っている。

先に、元Messenger(メッセンジャー)のボスで暗号化の現皇帝であるDavid Marcus(デビッド・マーカス)が年内に退社することを公表した。米国時間12月7日、Meta(メタ)の現Messenger責任者であるStan Chudnovsky(スタン・チュドゥノフスキー)氏が「2022年第2半期のどこかで」Metaを去るつもりであることを発表した。

チュドゥノフスキー氏は2015年初頭にMessengerのプロダクト責任者としてFacebookに入社、2018年に部門の責任者になった。Facebookに加わる前、チュドゥノフスキー氏はベンチャーキャピタルのNFXを共同設立し、2013年に自身のソフトウェアスタートアップ、IronPearl(アイアンパール)を買収したPayPalでは、グロース担当VPを務めた。

「16歳の時からノンストップで働き続けてきました。プロジェクトの合間に2週間ほど休みを取る他は常に、会社を始めるか、ベンチャーファンド(NFX)を始めるか、会社を経営するか、会社を合併させるか、会社に投資するか、会社で働くかしていました」とチュドゥノフスキー氏が自身の計画を発表するFacebook投稿で述べた。「引退するつもりはありませんが、すてきな数カ月間の休暇をとれることを楽しみにしています」。

チュドゥノフスキー氏が職を離れた後、同僚の Loredana Crisan(ロレダナ・クリサン)氏が引き継ぐ予定だ。クリサン氏は2016年にMessengerチームに加わり、それ以前はIndiegogoのデザインチームを率いていた。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

LyftのCFOを長年務めたブライアン・ロバーツ氏が退社、NFTマーケットプレイスOpenSeaのCFOに就任

Lyft(リフト)のCFOを長年務め、同社を上場させたBrian Roberts(ブライアン・ロバーツ)氏は、2014年に入社したこのライドシェア企業を退社し、NFTマーケットプレイスのOpenSea(オープンシー)で同じ役割を担うことになったと、米国時間12月6日に発表した。同氏は以前の報道をTwittert(ツイッター)への投稿で正式に認めたかたちだ。

今回のロバーツ氏の退社は、大手ハイテク企業の「伝統的な」名簿から、いわゆるWeb3.0暗号資産スタートアップに向けて、幹部やエンジニアがどれほど移行しているかを示す新たなシグナルといえる。OpenSeaは、過去2年の間に何十社ものユニコーンを生み出したベンチャーキャピタリストから再び注目されている暗号資産の分野で、急成長しているスタートアップ企業の1つだ。

OpenSeaは、活況を呈するNFT(非代替性トークン)業界の申し子のようなスタートアップだ。同社の評価額は2021年の夏に15億ドル(約1700億円)に達したが、テクノロジー系メディアのThe Information(ジ・インフォメーション)は2021年11月、OpenSeaが100億ドル(約1兆1360億円)の評価額で調達のオファーを受けたと報じている

NFTは、2021年に特に熱く盛り上がった。多くの人が、2021年はじめのブームの後には活動が鈍る冬がくると予測していたが、この代替資産クラスは、オンラインにおける会話や推測の避雷針としての役割を果たしながら、熱狂の積み上げと取り崩しを繰り返している。非常に活発な秋が過ぎた後、OpenSeaのビジネスは少し冷え込んだが、しかし同社のマーケットプレイスでは、過去30日間に24万以上の有効な暗号ウォレットアドレスで、19億ドル(約2160億円)近い取引が依然として行われている。

画像クレジット:Michio Morimoto Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターの新CEOパラグ・アグラワル氏が就任早々リストラ開始、すでに幹部2人退任

米国時間11月29日、Twitter(ツイッター)の共同創業者兼CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、その職を退いた。そして、CTOのParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏を新CEOに任命した。2011年にエンジニアとしてTwitterに入社したアグラワル氏は、The Washington Post紙が入手した社内メールによると、12月3日の時点ですでに、会社の大幅な組織変更を発表したという。TwitterはTechCrunchにもこのニュースを確認した。

この再編の一環として、これまでに2人の幹部が退任した。2019年に入社したTwitterのチーフデザインオフィサーDantley Davis(ダントリー・デイビス)氏と、2011年に入社したエンジニアリング責任者のMichael Montano(マイケル・モンターノ)氏である。

8月にニューヨーク・タイムズ紙は、デイビス氏の職場における「愛のムチ」の方針を報じ、同社関係者はこれが時に行き過ぎた可能性があると述べている。この行動パターンは「協力的で、お互いに敬意を払い、かなりクールな雰囲気を持つ文化を作る」ことを強調する、Twitterの「#LoveWhereYou Work」や「#OneTeam」のスローガンに反しているように見えた。

Twitterの広報担当者がTechCrunchに語ったところによると「ダントレー(・デイビス)の退社はあくまでも、当社の組織モデルを、1人のリードマネージャーが会社の重要な目標をサポートする構造にシフトさせることに焦点を置いたものです」とのこと。「関係者を尊重するために、この変更についてこれ以上の詳細をお伝えすることはできません」とも。

「パラグ(・アグラワルCEO)は、卓越したオペレーションとTwitterの目標達成に注力しており、今回の変更はそれを念頭に置いて行われました。製品および技術部門のチームについては、ゼネラルマネージャーモデルに移行し、会社の主要な目標をサポートする業務を1人が担当することになります。これにより、よりクロスファンクショナルな運営が可能になり、より迅速で情報に基づいた意思決定ができるようになります」と同社の広報担当者は付け加えた。

2021年初め、ドーシー氏は、Twitterと彼が共同設立したフィンテック企業Square(スクエア)のCEOを兼務していることをめぐり、株主から批判され、訴訟まで起こされた。Twitterは、これまで革新が遅れていたが、2021年に入ってからは、サブスクリプションサービス「Twitter Blue」、オーディオルーム「Spaces」「Super Follows」「Ticketed Spaces」、暗号資産での投げ銭機能などの新機能を急速に追加している。アグラワル氏は、今後もTwitterのペースを上げていくことに興味を示している。

「我々は最近、野心的な目標を達成するために戦略を更新しましたが、その戦略は大胆で正しいものだと信じています」と、11月29日にスタッフに宛てたメールに書いた後、アグラワル氏はその内容をツイートした。「しかし、私たちの重要な課題は、それをどのように実行し、結果を出すかということです。それが、お客様、株主のみなさま、そしてみなさま1人ひとりのために、Twitterを最高のものにする方法です」。

ドーシー氏が共同設立した両社にとって、この1週間は大きな変化の連続だった。彼がTwitterのCEOを退任することを発表した数日後、Squareは12月1日、Block(ブロック)にブランドを変更すると発表した。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

ツイッターのジャック・ドーシーCEOが退任

CNBCは米国時間11月29日朝、Twitter(ツイッター)のCEO、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が、Twitterでの職務から退く見込みだと報じた。その直後、ドーシー氏自身はこの噂を認め、Twitterは詳細を記したプレスリリースを発表した。ドーシー氏の後任には、2011年にエンジニアとしてTwitterに入社し、2017年からCTOを務めてきたParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏が就任する。

「会社が『創業者主導』であることの重要性についてよく耳にします」とドーシー氏はTwitterのスタッフに宛てたメールの中で書いており、それをツイートした。「結局のところ、それは非常に限定的であり、単一障害点であると考えています。私は、この会社が創業者や創設者から脱却できるように努力してきました」と述べている。

ドーシー氏は、Twitter、そして消費者と企業の両方に決済・現金管理・送金サービスを提供している金融会社Square(スクエア)の両方のCEOを務めている。

Twitterの株価は、ドーシー氏が退任する可能性があるというニュースを受けて上昇し、週明けの取引時間中に序盤の利益を手放した後、本稿執筆時点で6.1%上昇している。

Twitterによると、ドーシー氏は2022年の株主総会で任期が満了するまで同社の取締役にとどまる。ドーシー氏の退任と同時に、取締役会会長Patrick Pichette(パトリック・ピシェット)氏の後任として、Bret Taylor(ブレット・テイラー)氏が指名された。ピシェット氏は取締役会に残り、引き続き監査委員会の委員長を務める予定だ。

参考までに、Twitterの11月29日時点の価値は約400億ドル(約4兆5485億円)となっている。しかし、990億ドル(約11兆2575億円)強の公開市場価値を持つSquareの半分以下だ。

1社だけでも上場企業を運営するのは大変だ。2社を運営するのは並大抵のことではなく、簡単なことではないと思われる。Squareの株価も、11月29日の朝は若干ではあるが上昇している(CEOが時間を分散していることでTwitterは投資家の反感を買っていた)。

Salesforce(セールスフォース)の社長兼COOであるブレット・テイラー氏は、Twitterの取締役会長にも就任する。

ドーシー氏は「これは私が決めたことであり、私の責任であることをみなさんに知っていただきたいと思います」と書いている。「自分のエゴよりも会社を選んだ創業者は多くありません。これが正しい行動であったことを証明できると信じています」、

すばらしいプロダクト展開

Twitterのリーダーシップとプロダクトの方向性は長年にわたり、保守的すぎる、遅すぎる、あるいはその両方であるという批判を受けてきた。しかし、ここ数四半期はTwitterの新プロダクトやサービスの開発・出荷能力が加速していた。

Twitterの機能は、ツイートできる文字数を増やすなどの大きな変更を除いて、何年もほぼ停滞していたが、数多くの新機能を導入し、買収も行なってきた。

TwitterはSpacesでライブオーディオに参入し、Ticketed Spaces、Tip Jar、ライブストリームショッピングなどのマネタイズ機能を導入した(FacebookやInstagramなどのMetaアプリもeコマースに関してはペースを上げてきている)。最近では、よりカスタマイズ可能なユーザーエクスペリエンス(ツイートの取り消し機能など)を提供する月額2.99ドル(約340円)のサブスクサービスTwitter Blueを開始した。

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Twitterはまた、サービスにさらなる機能を追加するために買収も行なった。2021年これまでのところ、Threader(Twitter Blueのスレッド閲覧機能の開発に貢献)、Sphere(グループソーシャルメッセージングアプリ)、Breaker(Spacesの開発に貢献)などの企業を買収しており、中でも注目すべきは、ライターが自分の投稿をプロフィールに直接リンクできる便利なニュースレタープラットフォームであるRevueだ。

最後に、ドーシー氏が暗号資産に興味を持っていることは公になっている。同氏のTwitterの経歴は文字通り「#bitcoin」だけだが、同氏だけが会社の支持者ではない。Twitterは、ユーザーが自分のプロフィールにNFTを表示する方法に取り組んでおり、もっと広く言えば、Twitterは分散型ウェブプロジェクトであるBlueskyを有している。しかし、ドーシー氏の退任は、特に同社が2021年11月初めに暗号資産専門チームを構築すると発表したこともあり、Twitterの暗号資産の勢いを緩めたりはしないかもしれない。当時、同社はTechCrunchに対し、アグラワル氏は新しい暗号資産チームと協力してTwitterにおける暗号資産の将来について検討し、ブロックチェーン技術によるソーシャルメディアの分散化に向けた取り組みを支援する、と述べていた。

なお、今回のニュースに関する詳細なコメントを求めたところ、同社からすぐには回答は得られなかった

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画像クレジット:Amal KS/Hindustan Times / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルがウェアラブルのチーフ、ケヴィン・リンチ氏を自動車部門のリーダーに任命との報道

Apple(アップル)は、秘密裏に進めている自動運転車部門の開発を指揮するために、新たな幹部を任命したと報じられている。Bloombergによると同社は、今週初めにiPhoneメーカーからFordに移った役員Doug Field(ダグ・フィールド)氏が後任として、Project Titanの統括にKevin Lynch(ケヴィン・リンチ)氏を起用したという。

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初めて見る名前かもしれないが、ここ数年のAppleイベントを見ていた人は、ステージ上でリンチ氏を見たことがあるはずだ。リンチ氏は2013年にAdobeからAppleへ移籍して、同社のウェアラブル&ヘルス部門を統括し、watchOSの新しい機能が発表されるときには、紹介役を務めることが多かった。

Bloombergによるとリンチ氏は、2021年の早い時期に同事業部に参加したが、現在、その全体を統括している。同報道によると、リンチ氏の任命はAppleが、リリースすれば誰の目にも明らかな自動車そのものではなく、その走行を支えるソフトウェアに力を入れていることの表れだという。

編集部注:本稿の初出はEngadget

画像クレジット:BRITTANY HOSEA-SMALL/AFP/Getty Images

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

2021年5月に新IT規則を施行したインドのIT大臣と情報放送大臣が辞任

インドのRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)IT大臣と、Prakash Javadekar(プラカシュ・​ジャベードッカー)情報放送大臣が、現地時間7月7日に辞任し、Narendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相の内閣改造に向けて地位を明け渡した同国の大物政治家のリストに加わった。

法務大臣を兼務していたプラサッド氏と、環境・森林・気候変動大臣および重工業・公営企業大臣を兼務していたジャベードッカー氏の辞任は、2021年5月下旬に施行されたインドの新IT規則をめぐり、米国のテクノロジー企業と厳しい対話を重ねていた最中のことだった。

プラサッド氏とジャバデカール氏が新IT規則を施行したことや、米国の巨大テクノロジー企業と公の場で会談したことが、両氏の辞任につながったという証拠はない。

「すべてのソーシャルメディアは、インドで事業を行うことが歓迎されています。ラヴィ・シャンカール・プラサッドや我々の首相、誰を批判しても構いません。問題はソーシャルメディアの乱用です。彼らの中には、我々は米国の法律に制約されているという人もいます。インドで事業を行い、多くの利益を得ているのに、米国の法律に管理されるという立場を取るという。これは明らかに受け入れられません」と、プラサッド氏は先週のオンライン会議で述べていた。

インドの新IT規則は「インドのインターネットユーザーのデータプライバシーとセキュリティに影響を与えるだけでなく、国内外のデジタルメディア企業に負担の大きいコンプライアンスフレームワークを課すことで、これまでインドの経済成長に多大な貢献をしてきたテクノロジー分野にも影響を与える」と、主要なテクノロジー企業を代表する業界団体であるAsia Internet Coalition(アジア・インターネット連盟)のマネージング・ディレクターを務めるJeff Paine(ジェフ・ペイン)氏は5月に述べている。

「ユーザーのインターネット利用とオンラインプラットフォームの説明責任を維持することは重要ですが、インドにおけるオンラインプラットフォームの運営や、ひいては個人、スタートアップ企業、国内のテクノロジーエコシステムへの影響を軽減するやり方で、この規則が施行されるように、政府が業界と緊密に協力することを強く求めます」。

この日、辞任した他の閣僚には、新型コロナウイルス感染拡大への対応が批判されたHarsh Vardhan(ハーシュ・ヴァルダン)保健・家族福祉相と同氏の副官であるAshwani Chaubey(アシュワニ・チャウベイ)氏が含まれている。

「大統領は、首相の助言に従い、辞任を受け入れました【略】これは即時適用されます」と、大統領報道官のAjay Kumar Singh(エージェイ・クマール・シン)氏は声明で述べている。

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

IBM社長ジム・ホワイトハーストがわずか14カ月で退任

米国時間7月2日、IBMは、Red Hatの買収にともなって入社したJim Whitehurst(ジム・ホワイトハースト)氏が、社長就任からわずか14カ月で社長を退任するという驚きの発表を行った。

辞任の理由など、詳細は発表されていないが、声明には2018年にRed Hatの340億ドル(約3兆7740億円)の買収を成功に導いた功績と、彼がその後の両社の融合に努めたことが特記されている。「ジムはIBMの戦略の構築に力を発揮しました。また、IBMとRed Hatの協調関係を確実なものとし、弊社の技術的プラットフォームとイノベーションが顧客にもたらす価値を大きなものにしました」とある。

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ホワイトハースト氏は会長兼CEOであるArvind Krishna(アルヴィンド・クリシュナ)氏のシニアアドバイザーとして社に残るが、短期間で社長職を去る理由、および今後についての説明はない。通常、このクラスの大きな買収があると、上級役員の処遇に関する合意もあるはずだが、単純にその期限が過ぎただけなのか、ホワイトハースト氏が昇進を求めているのか、そのどちらかかもしれない。彼をクリシュナ氏の当然の後継者と見ていた者もいたが、その線で考えるとなおさらのこと、今回の異動は意外だ。

Moor Insight & Strategiesの創業者で主席アナリストのPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏は「ジムはIBMの次のCEOだと思っていたから意外だ。IBMの生え抜きであるクリシュナ氏と外部からの人材であるホワイトハースト氏のコンビも、すてきだった」と語る。

とにかく、IBMを主にハイブリッドクラウドにフォーカスした会社に変える仕事をしていた彼を失うと、クリシュナ氏のリーダーシップチームに大きな穴ができる。ホワイトハースト氏は、その深い業界知識と、Red Hat時代に培われたオープンソースコミュニティの信頼を武器として、IBMの変化を推進する絶好の位置につけていたことは間違いない。彼は、簡単に代わりを見つけられるような人物ではないし、今日の発表も後任については触れていない。

2018年にIBMがRed Hatを340億ドルで買収した際、両社には滝のように連なる一連の変化が起きた。まず、Ginni Rometty( ジニー・ロメッティ)氏がIBMのCEOを降りアルヴィンド・クリシュナ氏に代わった。同時に、Red HatのCEOだったジム・ホワイトハースト氏が社長としてIBMへ移籍し、長年の社員だったPaul Cormier(ポール・コーミエ)氏がRed HatのCEOを引き継いだ。

今日は、その他の異動も発表され、その中では長年IBMの役員だったBridget van Kralingen(ブリジット・バン・クラリンゲン)氏が退社し、グローバル市場担当上級副社長としての役を降りることになった。また、IBMのクラウドとデータプラットフォーム担当上級副社長だったRob Thomas(ロブ・トーマス)氏がバン・クラリンゲン氏の役を引き受けることになる。

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画像クレジット:Bloomberg/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

位置情報SNSのFoursquare創業者デニス・クロウリー氏が辞任

Foursquare(フォースクエア)の共同ファウンダーであるDennis Crowley(デニス・クロウリー)氏が、同社を離れることを発表した。設立後の7年間、クロウリー氏は同スタートアップの最高経営責任者を務め、2016年には執行会長職に就いた。それ以来Foursquare Labsの研究開発グループも指揮している。

今後クロウリー氏はこの会社にフルタイムで勤めることはない。取締役会には残り、Factual(ファクチュアル)のファウンダーであるGil Elbaz(ジル・エルバス)氏とともに共同議長を務める。

2009年、Foursquareは位置情報ベースのソーシャルネットワークとしてよく知られていた。ユーザーは場所にチェックインして、近況を友だちと共有した。バッジやメイヤーシップを獲得することもできた。

数年のうちに、最もアクティブなユーザーは何千回もチェックインを繰り返していた。Foursquareはお気に入りの場所の記録をつけるのに便利なアプリになった。友だちの好きな場所を知るためにも使うこともできる。

それは、同社がメインアプリを2つのアプリに分割した理由だった。Foursquare City Guide(フォースクエア・シティガイド)とSwarm(スォーム)だ。それと同時に、会社はデベロッパー向けにAPIとSDKを開発し、他社がFoursquareの位置データを利用できるようにした。

ビジネスは十分利益を上げている。同社のPilgrim SDKを使うと、デベロッパーは位置情報対応アプリを開発することができる。例えば広告主はその人のいる場所に基づいてパーソナライズされた通知を送ることができる。Foursquareはできるかぎり精度を高めることにこだわり、ある場所での入場時刻や出場時刻を記録することもある。

SDKはさまざまな可能性をもたらした。オンラインセールスにおける広告キャンペーンの効果を追跡するのは容易だが、オフラインでの関心はどうなのか?

FoursquareのSDKを使えば、広告主やブランドは広告キャンペーンが来店に影響を与えているのかどうかを知ることができる。もちろん、そのデータを他の顧客データと組み合わせることもできる。

Foursquareは位置情報に焦点を合わせた重要な広告・マーケティングプラットフォームになった。2020年に同社は1億ドル(約110億円)以上の売上を計上した。2021年にはこの数字を超える成長を期待している。

クロウリー氏は、会社を辞める理由を2つ挙げた。会社は好調であり、自分はすでに12年間同じ仕事をしてきた、と同氏はいう。

「Foursquareは自分の道を見つけただけではありません。その道をリードしてきました。かつて私は、自分のゴールは『Foursquare』という名前を『コンテキスト対応コンピューティングのイノベーション』と同義語にすることだと言ってきました。そして2021年になった現在、私たちはそれを実現するためのツールとフレームワークを作り上げました」とクロウリー氏はブログで述べている。

「それに、12年はずいぶん長い時間です。私には作りたいものがまだたくさんあります。その多くは2021年のFoursquareと必ずしも一致しません」と付け加えた。クロウリー氏は家族との時間も大切にしたいと思っている。

クロウリー氏はWeb 2.0時代の象徴的スタートアップ・ファウンダーだった。彼は何千人というユーザーを集めることに成功した。彼が会社創成期に偉大なプロダクトCEOであったことは間違いない。そして今、会社は収益「も」生んでいる。果たして彼が次に何を作るのか、今から楽しみだ。

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画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Shopifyは多くの富を生み出し、元従業員を創業者や投資家にする

Shopifyの最高技術責任者Jean-Michel Lemieux(ジャン・ミッシェル・レミュー)氏と最高人材責任者Brittany Forsyth(ブリタニー・フォーサイス)氏は2021年4月、それぞれの役割から退くことを明らかにした。最高法務責任者のJoe Frasca(ジョー・フラスカ)氏も同社を去る予定で、3氏はいずれも2021年6月で任期を終える。今後のチャプターではスタートアップへのアドバイスや投資、ローンチに関心があるようで、元Shopifyの役員や社員にも同じことをする人が増えている。

設立から15年、従業員7000人を擁し、オタワに拠点を置くShopifyのような規模の企業にとって、時価総額が1300億ドル(約14兆1350億円)というのは驚くことではない。それでも、Shopifyが生み出した莫大な富の恩恵を受けて、同社の元従業員たちは、かつてないほどのカナダの起業家エコシステムに影響力を持つことに目を向けている。

例えば、Shopifyの元最高製品責任者で、2020年10月に同社を去ったCraig Miller(クレイグ・ミラー)氏を見てみよう。同氏はすでに、フルタイムで働きながら、クリーンテクノロジーとカナダに焦点を当てたいくつかのベンチャーファンドに投資を行なってきた。現在は、資金と時間の両方を「大きな社会的影響を与えることができる」と考える個人企業に出資している。

その中には、個人事業を運営するためのツールを提供しているHousecall Proや、二酸化炭素回収を手がけるPlanetary Hydrogenのような気候変動対策に取り組むスタートアップも含まれている。

ミラー氏は、自身の時間はShopifyの元同僚を含む創業者に引きつけられていると語る。「資金調達は重要ですが、資金を投じようとする人はすでに十分すぎるほどに存在しています」と同氏はいう。そのため、同氏の持つ価値のほとんどは、スタートアップの規模を拡大する方法についてチームと話すことに注がれている。「企業を大きく成長させる方法を心得ている人、1億ドル(約109億円)から1000億ドル(約10兆8740億円)以上の企業を目にした人、そして製品を数百万人のユーザーに拡大する方法を熟知しているような人は極めて限られています」。

このような高度成長を経験した人は世界的に見てもあまり多くはないが「基本的にロールモデルが存在しない」カナダでは特にそうだと同氏は指摘する。

ミラー氏は自らを自身の置かれた環境の産物と捉えており、Shopifyが従業員を非公式ながらも積極的に教育していることを示唆している。

「私が最も好きだったことの1つは、私たちがどれだけオープンであったかでした」とミラー氏。「すべての従業員はロードマップを把握し、コードを見ることができ、データにアクセスすることができました。【略】私たちは、取締役会でのプレゼンテーションを会社全体で共有することもできました。そうすることで、すばらしい会社を作る方法に関心のある人たちがその貴重な情報を留め置くことができました」。

多くの人が知識を書き留めるペンを取り出していたようだ。Shopifyを去って自分たちのビジネスを立ち上げた人たちの中に、Michael Perry(マイケル・ペリー)氏がいる。同氏は2020年、忙しい家族をまとめるMapleというアプリを構築するためにShopifyを去った。また、Helen Tran(ヘレン・トラン)氏は2017年にShopifyを離れ、美容やパーソナルケアのブランド向けのソフトウェアを開発するJupiterを立ち上げた。Andrew Peek(アンドリュー・ピーク)氏は投資顧問会社Delphiaを設立。スタートアップAfterwordを運営するEffie Anolik(エフィー・アノリック)氏は、バーチャルとオフライン両方の追悼サービスの計画を支援している。

創業者の1人で誇り高きShopify出身者のArati Sharma(アラティ・シャルマ)氏は元製品マーケティング担当ディレクターで、Shopifyを「特別な場所」と呼び、多くの人にビジネスのスケールアップの方法や、Shopifyに特化した手法を伝授している。

Shopifyはカナダで最初にその規模を築き上げた企業であることから「この規模の企業をどのように運営すべきか」についての「固定的な考え方」がなく「過去の戦略に従う」こともなく、従業員が判断すべきことが多かったと同氏は語る。

シャルマ氏は、自身の会社Ghleeの立ち上げに照らして、経験から学べることには限界があることを認めている。Ghleeはトロントに拠点を置くスキンケアブランドで、2019年にローンチした。「Shopify社内でゼロから立ち上げる機会はありましたが、創業者の座に就くことはまったく新しいことです」と同氏は振り返った。

しかしミラー氏と同様、シャルマ氏も「文化と商業がいかに深く関わっているか」など、多くの教訓をShopifyで学んでいる。

同氏はまた「(Shopifyに)元創業者として参加していたとしても、あるいはそこで働いている間に起業家的なバグを見つけたとしても、いかに多くの従業員が自分のビジネスを運営しているかは注目に値する」と述べている。

Shopifyで働き続けながら事業を運営する人もいる。例えば、Atlee Clark(アトリー・クラーク)氏はPika Layersという子ども服の会社を設立し、フルタイムの取締役を務めている。

退職後に投資会社を設立したケースもある。元製品担当VPのAdam McNamara(アダム・マクナマラ)氏は現在、Shopifyの元同僚Joshua Tessier(ジョシュア・テシアー)氏とともに、影響力のあるエンジェルファンド、Ramen Venturesを運営している。

特に注目すべきは、シャルマ氏自身が積極的なエンジェル投資家であることだ。2021年初めにはBackbone Angelsと呼ばれる10人の投資家集団を共同で設立し「スピードに合わせて最適化し、来るべき取引に迅速に対応する」ことを目指している。

Backbone Angelsのメンバーは全員女性だ。いずれもShopifyの元従業員で、退職予定の最高人材責任者ブリタニー・フォーサイス氏も含まれている。キャップテーブル(資本政策)に参加する女性投資家や非バイナリ投資家の数を増やすことに注力しており、そうすることで取締役会の今後の見通しや企業の構築方法が変わると考えている。

Shopify(同社の株価は2020年中に急上昇したが、最近下落に転じている)の恩恵もあり、資金調達の機会には事欠くことはなさそうだ。

シャルマ氏は夫と共同で投資を始め、これまでに30あまりのスタートアップに出資しており、2021年だけで9つの投資が行われたという。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Shopifyカナダ退社

画像クレジット:Thomas Trutschel / Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)