10分で食料品を配達するDijaがロンドンでダークストアを正式立ち上げ

ロンドン拠点のグローサリー配達スタートアップDija(ディジャ)が現地時間3月4日、正式に事業を開始し、2020年12月のシードファンディングで2000万ポンド(約30億円)を調達したことを認めた。TechCrunchが最初に報じたこのラウンドの一部は2020年11月にクローズした。

関連記事:超迅速に食品配達を実現する英国デリバリースタートアップDijaが21億円を調達間近か

同社を支援したのはBlossom Capital、Creandum、Index Venturesで、Dijaはどうやら立ち上げ前に資金調達できたようだ。実際、急成長中の「ダーク」グローサリーストア業界における欧州の初期リーダーになるための競争がヒートアップする中で、ロンドンのベンチャーキャピタルコミュニティの間ではDijaが再び資金調達に動いているとの噂がすでに駆け巡っていて、とある情報筋はその額が最大1億ポンド(約150億円)にのぼり得るとしている。

画像クレジット:Dija

欧州では過去数カ月、多くのスタートアップがグローサリーや他のコンビニ商品を注文から10〜15分で届けるとうたってサービスを立ち上げた。そうしたスタートアップは超ローカルの配達に特化した自前のフルフィルメントセンター、いわゆる「ダークストア」を持ち、そして独自に配達要員を採用している。このフルスタックあるいは垂直アプローチ、そしてそれがもたらす見通しは、ユニットエコノミクスを機能させるために十分なサプライチェーンとロジスティクスを効果的に生み出すはずだ。ただし、それはまだ証明されていない。

今週初め、ベルリン拠点のFlinkは株式と負債によるシードファンディングで5200万ドル(約56億円)を調達したと発表した。同社は株式と負債の割合を明らかにしなかったが、とある情報筋はおおよそ半々だと筆者に語った。

この業界では他に、ベルリンのGorillas、ロンドンのJiffyとWeezy、フランスのCajooなどが事業展開していて、いずれも生鮮食品とグローサリーにフォーカスしていると主張する。また、まだステルスモードながら、米国のユニコーンgoPuffと同様、よりマージンが大きいコンビニ商品にフォーカスしているZappもある。蛇足になるが、goPuffは欧州進出も狙っていて、ミニgoPuffとあだ名がつけられている英国のFancyの買収あるいは出資を現在協議している。

関連記事:注文から15分でグローサリーを配達するCajooがパリでサービス開始

話をDijaに戻そう。Deliverooで上級職として何年も働いたAlberto Menolascina(アルベルト・メノラシナ)氏とYusuf Saban(ユーセフ・サバン)氏によって設立されたDijaはロンドン中心部に店舗を開設し、10分でグローサリーやコンビニ商品を買い物できるとうたう。サウスケンジントン、フラム、ハックニーにハブを持ち、ロンドン中心部とゾーン2をカバーする20のハブを2021年夏までに新設する計画だと話す。各ハブは2000種の商品を扱い、これらは「希望小売価格」で販売される、としている。一律の配達料金1.99ポンド(約298円)が注文ごとに課される。

「当社が照準を絞っているのは、世界12兆ドル(約1300兆円)の産業を独占している大手スーパーマーケットチェーンです」とDijaのメノラシナ氏は筆者が競合他社について尋ねた時に語った。「そうした競合他社から当社を際立たせているのは、スピードとテクノロジーに加えて当社のチームです。私自身、そしてユーセフを含め、当社のチームは全員この成長中の破壊的な業界での経験を持っています。ユーセフはDeliverooをゼロから立ち上げて成長させました」。

メノラシナ氏は大手テイクアウトデリバリー大企業で企業戦略・開発ディレクターを務め、その前にもいくつかの役職を歴任した。同氏はまた、Instacartスタイルのグローサリーデリバリー企業Everliをイタリアで共同創業し、Just Eatでも働いた。サバン氏はDeliverooの元CEO首席補佐で、投資銀行Morgan Stanleyでも働いた。

ソフトローンチの間、Dijaの典型的な顧客はアプリを使って週に1度食品を購入した。またDijaはかなり急ぎの買い物や深夜の渇望といった他の需要にも応えてきた、とメノラシナ氏は話す。「Dijaが解決を手伝っている課題はユニバーサルで、みんなが利用できるようにDijaを設立しました。だからこそ当社は小売店の価格で商品を提供し、10分で届けます。価値と利便性を組み合わせているのです。一例として、在宅ワークやホームスクーリングで時間のやりくりを迫られている親にとってDijaはすでに大事なサービスとなっています」。

この業界に何百万ドル(数億円)という資金が注がれているにもかかわらず、筆者がプライベートで話した多くのVCは生鮮食品の近距離即配がうまく機能することについて懐疑的だ。生鮮食品は悪くなってしまうためマージンは少なく、買い物量は配達のコストをカバーするほど十分なものではない、という考えだ。

「他の企業にもあてはまるかもしれませんが、Dijaのチームのほとんどがこの業界で経験があり、購入や商品化計画からデータ、マーケティングまで取り組んでいることを正確に理解しています」とメノラシナ氏は話す。「また、当社がフルスタックモデルをとっていて他社とマージンを分け合っていないことも特筆すべきことです。買い物量の平均に関しては、顧客のニーズによって異なります。Dijaを通じて買い物すべてを行う顧客もいれば、オムツやバッテリーなど緊急の時に当社を利用する顧客もいます」。

関連記事:ローカル配送のgoPuffが同業の英Fancy買収に向け協議中

価格については、他の小売業者と同様、Dijaは卸売価格で商品を購入し、希望小売価格で販売していると話す。「今後当社は戦略的提携、サプライチェーン最適化、テクノロジーの向上などを含め、どのようにさらに売上をあげるかについて明確なロードマップを持っています」と同氏は付け加えた。

画像クレジット:Dija

一方でアプリ立ち上げに先駆けてDijaが、ポテトチップスや処方箋なしに買える医薬品などコンビニで取り扱われている商品の販売などを含め、テイクアウトマーケットプレイスDeliverooで数多くの実験を行ったこともTechCrunchは把握している。もしあなたが「Baby & Me Pharmacy」でトイレ用品を注文したり「Valentine’s Vows」でチョコレート菓子を購入したりしたことがあるなら、おそらく無意識のうちにDijaでも買い物しているはずだ。それらのブランド、そしてその他の多くのブランドもサウスケンジントンの同じ住所から配達されている。

メノラシナ氏はDeliverooでのテストを認め「ピック&パックをきちんとテストすることなく直接消費者に向き合うことは大きなリスクです」と数週間前にWhatsAppメッセージで筆者に語った。「当社は何を売るべきか、どのように補充、ピック&パック、配達するかを純粋に学ぶために自由に使えるバーチャルブランドを作りました」。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Dija食材配達配達イギリス資金調達

画像クレジット:Dija

原文へ

(文:Steve O’Hear、翻訳:Nariko Mizoguchi

注文から15分でグローサリーを配達するCajooがパリでサービス開始

730万ドル(約7億7000万円)を調達したフランスのスタートアップCajoo(カジュー)を紹介しよう。同社は現地時間2月4日、携帯電話から注文したグローサリーを15分後に受け取れるサービスをパリで立ち上げた。

「私は2020年8月中旬にBolt(ボルト)を離れ、2人の創業者と一緒に15分で配達する会社を立ち上げました」と共同創業者でCEOのHenri Capoul(ヘンリ・カプル)氏は筆者に語った。Boltでの経験のおかげで、同氏はおそらくロジスティックとマーケットプレイス大規模運営について多少は知っている。他の創業者メンバーはGuillaume Luscan(ギヨーム・ラスカン)氏とJeremy Gotteland(ジェレミー・ゴッテランド)氏だ。

Cajooは他のサービスとどう違うのだろうか。フランスにはInstacart(インスタカート)もなければ、他のグローサリー配達専門サービスもない。その代わり、多くのスーパーチェーンが配達サービスを提供している。スーパーのウェブサイトやアプリからグローサリーを注文し、翌日か2日後に配達される。

一部の小売業者はより迅速な対応を試みている。CarrefourのLivraison ExpressやMonoprixのMonoprix Plusなどだ。AmazonもAmazon Prime Nowのサブサービスを通じて一部のグローサリーを配達できる。ただ注文品を受け取るまでに30分、1時間、あるいは2時間かかる。

しかしDeliverooやUber Eats、他の同様のサービスの成功が示すように、人々はいますぐ届けてほしいのだ。ユニットエコノミクス、労働法、小型店舗や自治体への影響のために性急さは持続不可能だと筆者は考える。それでも、Cajooにとっては十分な需要があるようだ。

関連記事:マイクロモビリティで脱自動車を目指すパリ、バルセロナ、ロンドン、ミラノ

Cajooはフルスタックのアプローチで差別化を図りたいと考えている。同社は自前のマイクロフルフィルメントセンターを運営している。独自の製品棚卸表を持つ。できるだけたくさんの配達用車両を管理する。そしてもちろん顧客に直接販売する。

また、Glovo(グロボ)は顧客の地元のグローサリー店からの配達を提供している。しかし同社は数週間前にフランスから撤退した。店舗から直接購入することでは十分なマージンを生み出せなかったようだ。スペインでGlovoは自社運営するダークストアにフォーカスしている。

Cajooは、パスタやシャンプー、キャンディなど近くの店にあるようなあらゆるものを扱う。またワインやビール、スナックも注文できる。これらは儲けの多い部門であることが、Uberによる11億ドル(約1160億円)でのDrizly(ドリズリー)買収で証明されている。

関連記事:Uberがアルコール宅配サービスのDrizlyを約1150億円で買収へ、Uber Eatsの収益性アップを狙う

そしてCajooは現地時間2月4日、パリの9区とその周辺でサービスを開始した。パリ全体をカバーするのにマイクロフルフィルメントセンター10カ所が必要で、展開するのに数カ月かかると同社は考えている。

Cajooはまた、空き店舗、空きガレージ、新しいオーナー待ちの小型倉庫が数多くあるという現在の経済危機の恩恵も受けている。

「当社モデルの差異化要因は当社がマーケット価格で製品を提供するというところにあります。MonoprixやCarrefour Expressの店舗と同じ価格で、そして配達料金は2ユーロ(約250円)以下です」とカプル氏は話した。

Cajooは配達料金から売上高の大半を生み出そうとはしていない。配達料金は1回にアイテム1つだけ注文するということがないためにする、最低の設定になっている。その代わり同社は他の小売企業と同様、製品そのものからマージンを得る。

FrstとXAngeがCajooのシードラウンドをリードし、Chauffeur-Privé(のちにKaptenにブランド名を変更した)の2人の共同創業者も参加した。

筆者は配達スタッフに関する同社の計画について尋ねた。2020年Gurvan Kristanadjaja(グルヴァン・クリスタナジャジャ)氏がLibérationで報じたように、フランスではフードデリバリー企業で働く請負労働者に関して深刻な問題がある。たとえばFrichtiの配達スタッフのかなりの割合が不法移民だ。DeliverooやUber Eatsの一部の配達員は不法移民にアカウントを貸している。

Cajooは配達をさばく従業員を雇用し、彼らに電動自転車を貸与するつもりだとカプル氏は話した。しかし同社はまた請負業者やフリーランサーなどのパートナーとも協業する。

「当社はDeliverooやUber Eatsと同じスタンダードにしたくありません。適切な配達スタッフを雇用し、労働許可を持っていることを確かめることは重要なことです」と同氏は述べた。各マイクロフルフィルメントセンターにはトイレや次の注文を待機する場所も設置される。

人気が出るにつれてCajooが長期にわたって高品質を維持できるかどうかが今後重要になる。少なくとも、同社のサービスは正しい考え方で始まっている。

画像クレジット:Cajoo

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:グローサリーデリバリーCajoo資金調達パリ

画像クレジット:Cajoo

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

プラスチックを使用しない食料品宅配スタートアップZeroがLAで始動

プラスチックを使わない食料品宅配スタートアップZero(ゼロ)は、サンフランシスコのベイエリアでのみ営業を行っていたが、米国時間2月10日に予定しているロサンゼルスでの事業開始に向けて加速している。Zeroは、サプライヤーから直接買いつけた食料品や日用雑貨を、ビンや箱やその他の持続可能な容器に入れて翌日配達している。

Zeroは、Sightglass Coffee(サイトグラス・コーヒー)、Annie’s(アニーズ)、Newman’s Own(ニューマンズ・オウン)といったビッグネームのブランドと、Zume(ズーム)の共同創設者Julia Collins(ジュリア・コリンズ)氏が立ち上げたPlanet FWD(プラネット・フォワード)などの持続可能性に焦点を当てた新興ベンダーの両方と提携している。

Zeroの会員は、月25ドル(約2600円)で食料品を割り引き価格で購入でき、送料は無料となる。サブスクリプション登録をしなくても利用できるが、個々の商品の価格は少し高くなり、送料7.99ドル(約830)がかかる。

私はZeroを何度か利用したことがあるが、いずれも全体的に満足のいく体験だった。食料品の品揃えはとても良いが、トルティーヤチップスやミカンなどの特定種類の品物は置かれていなかった。しかし、大好きなキャンディのTony’s Chocolonely(トニーズチョコロンリー)はいつも購入できる。

Zeroの創設者でCEOのZuleyka Strasner(スレイカ・ストラスナー)氏によれば、品揃えはトータルで1100点を少し超える程度しかないという。

それは、食料品メーカーがZeroのパッケージに関する内部基準に合致するかどうかを確認するという地道な作業も影響している。鶏肉の場合、Zeroは精肉業者と直接協力して、堆肥になる紙を使った包装を実現させた。そこからジッパーつきの堆肥にできる袋に発展したとストラスナー氏は話す。それには大変な時間と労力とエネルギーと技術が必要だったという。

Zeroは、サプライチェーンの段階ではプラスチック容器の利用を容認しているが、決してそのまま消費者の手に渡らないようにしている。再び鶏肉を例に挙げるが、養鶏場から出荷されたニワトリは、Zeroの精肉ネットワーク内の業者に渡り、さらにパッケージ業者に引き継がれて加工される。

「そのため、養鶏場と輸送段階の一部においてプラスチックが使われることが多いのです」とストラスナー氏。「会社が大きくなるにつれて、その工程をもっともっと変えて、新しく加わる個々の製造流通業者が、もっともっと多くのプラスチックを排除できるよう、もっともっともっと関与するようになりました。利用者にプラスチックを使わずに届けられる製品の開発を養鶏場ごとに行うことから始まり、どんどん遡り、もっともっと多くのプラスチックを排除するという長い道のりに挑んでいます」。

Zeroの提携業者にすれば完全にプラスチックを使わずに事業が行えるの理想だが、「ニワトリがと畜された瞬間から利用者に届くまでの全工程がプラスチック不使用でなけばならないというルールや規制を設ける」のではなく、養鶏場にも流通業者にも、その他この事業に参加する関係者にも、できるだけ簡単に対応できるようにすることが重要だと彼女はいう。

「そのため、私たちが築こうと目指している業界にズレが生じることはありません」。

ストラスナー氏の中でZeroのアイデアが固まり始めたのは、ニカラグアのコーン島へ新婚旅行に出かけたときだった。旅行中、海岸に大量の使い捨てのプラスチックが打ち上げられているの見てショックを受けたと、彼女はTechCrunchに話した。その一方で、彼女はゼロウェイストの反プラスチック運動が育ち始めていることを知り、プラスチックを使わない方針をとった場合に何が起きるのかを想像した。プラスチックを使わない方向性を決めた彼女は、サプライチェーンや国内での食料品の包装方法について、以前よりも深く考えるようになった。

技術畑出身の彼女は、プラスチックゴミの問題にテクノロジーを役立てられないかを模索した。「今後7年から10年のうちに解決しなければならない問題です」と彼女はいう。「もう時間は限られています。それが私が取り組むべき使命なのです」。

Zeroは2018年に試験運用を開始し、2019年に公式ローンチした。Zeroの利用者は大半が登録会員となっている。全体で「何千人もの利用者」があるとストラスナー氏は話していた。

現在、ZeroがPrecursor Ventures、Backstage Capital、1984などの投資家から調達した資金の総額は470万ドル(約4億8700万円)に上る。

「私たちは、米国最大の持続可能プラットフォームを目指しており、そうなる予定です」とストラスナー氏。「なので、食料品から家庭雑貨から何でも、プラスチック不使用の製品がどうしてもほしいという方、またとにかく持続可能な製品を求める方は、Zeroを尋ねてみてください。Zeroは、単なる食料品店を超えた運動なのです」。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Zero持続可能性プラスチックデリバリー

画像クレジット:Zero Grocery

原文へ

(翻訳:金井哲夫)