ビールの醸造かすを生分解性フィルムに変えるMi Terroが1.7億円調達

あるやり手の起業家が、ビール醸造大手AB Inbev(ABインベブ)と家庭用品の大手Unilever(ユニリーバ)が主催する100以上のアクセラレータープログラムに参加し、あるパターンを発見した。醸造所には大量の醸造かすがあり、家庭用消費財にはプラスチック問題がある。この2つの問題の架け橋となるべく登場したのが、農業廃棄物をタンパク質に加工し、プラスチック代替品や飼料などとして利用できるようにするMi Terro(ミテロ)だ。同社は、生産規模を拡大するために150万ドル(約1億7000万円)を調達した。

Mi Terroの創業者Robert Luo(ロバート・ルオ)氏は「洗濯洗剤ポッドTide Podsを思い浮かべてみてください」と話す。「私たちの製品は、Tide Podsで使われているポリビニルアルコールに似ています。唯一Tide Podsと違うのは、マイクロプラスチックが含まれていないことです。私たちの製品は水溶性で、室温で水に分解することができます。また、生分解性を有してもいます。当社のデータでは、自然分解には1年ほどかかるとされています。工業用堆肥化施設では、180日以内に分解できます」と説明する。

ルオ氏は2018年に、中国の叔父の酪農場を訪れたことがきっかけで、会社を立ち上げた。そこでは大量の牛乳が廃棄されていた。そして、腐った牛乳をただ捨てるのではなく、何か価値のあるものを作れないか、と興味を持った。最初に開発したのは、牛乳の搾りかすを使った繊維製品だ。この繊維は10万ドル(約1100万円)分ほど売れ、今でも日本に顧客がいる。しかし、この分野ではB2Cモデルは非常に難しいことが分かった。そこで、アクセラレータに参加し、同様のプロセスで産業用途があることを発見した。

「中国のBudweiser(バドワイザー)とつながりができ、価値の低い醸造かすを大量に抱えていることを知りました。彼らは、メタンや地球温暖化の間接的な原因となる牛の飼料として処理するよりも、もっと良い利用方法を考案したいと思っていました」とルオ氏は説明する。「そこで、私たちが以前開発した方法を用いることで、農業廃棄物を堆肥化できる包装材に変える新しい解決策を導き出すことができました。そして、これが当社が2020年からやっていることです」。

AstanorがMi Terroの150万ドルラウンドのリードインベスターで、同社の価値を1000万ドル(約11億円)と評価した。Astanorは少し前に食品と農業技術を専門者とするファンドを立ち上げ自律走行トラクターマイクロプラスチックの除去植物由来の食品気候リスクの脅威分析、そして今週初めには温室用のAI技術など、さまざまな企業への投資でこの分野において急速にその名を知られるようになってきている。

Mi Terroの従業員は現在5人で、この中には中国にいる製品専門家も含まれる。同社は中国に製造拠点を設け、また米国にオフィスを設置する計画だ。今回の投資は主に生産規模の拡大に使われる予定で、ラボでのやり方に若干の変更を加えることになる。

プラスチックに代わる生分解性フィルムに入っているMi Terroのプロトタイプの洗剤ポッド(画像クレジット:Mi Terro)

「生産規模を拡大するためには、加工の方法が変わり、設備も変わってきます。そしてもう1つ、ビール醸造所から当社の施設まで醸造かすを配送するための物流コストも考慮しなければなりません」とルオ氏はいう。「そのために最適な場所を探す必要があり、生産拡大に向けてはその点も考慮しなければなりません。輸送費がかさみ過ぎないように、慎重にならざるを得ないのです」。

Mi Terroのプロセスには2つのステップがある。農業廃棄物からタンパク質、繊維、デンプンなどのポリマーを抽出し、ポリマーを分離した後、モノマーを結合して他の製造工程で使用できるポリマーにするというグラフト化で改良を行う。このようにしてできた素材は、パスタを作るのと同じように、液体のような素材をスリットから押し出し、形成できるため、現在プラスチックが使われている多くの用途に使用することができる。ストローや容器、箱などを作ることが可能だ。同社が最初に作る製品は、ビールのラベルやTide Podsなどのパッケージのようなフレキシブルフィルムだ。

「現在、顧客向けに2つのソリューションを開発しています。1つは水溶性で、水溶性が必要な用途に適しています。もう1つは耐水性です」とルオ氏は話した。

画像クレジット:Mi Terro

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

日本酒ECの酒ストリートと菊の司酒造が共同開発した醸造アルコール添加工程を体験できる酒セット販売、エシカル・スピリッツCTOの山口氏監修

日本酒ECの酒ストリートと菊の司酒造が共同開発した醸造アルコール添加工程を体験できる酒セット販売、エシカル・スピリッツCTOの山口氏監修

日本酒ECサイトなどを展開する酒ストリートは2月12日、純米酒と焼酎を自分の手でブレンドして醸造アルコール添加の日本酒を作ることができる「すごい!!アル添(あるてん)」を数量限定で販売開始したと発表した。通信販売サイト酒ストリート公式オンラインストアで購入できる。直販価格は6480円(税込・送料込)。

同製品は、創業400年を超える老舗酒蔵・菊の司酒造と共同開発したも。ブレンドの監修は、ジン製造スタートアップ「エシカル・スピリッツ」CTOとして商品開発や蒸留などの技術責任者を務める蒸留家・山口歩夢氏が行っている。

「アル添」とは、「醸造アルコール添加またはアルコール添加の日本酒」の略称。醸造アルコールとは、サトウキビなどを原料とした糖蜜から作られた蒸留酒で、「大吟醸」「吟醸」「本醸造」といった酒の香りや味わいを深め、よりよい酒質を作るためにも使われている。酒ストリートによると、アル添のお酒は「品質が低い」「増量目的」といったネガティブなイメージが深く根付いているものの、現在国内で製造されている酒の約77%、また日本酒コンテスト「全国新酒鑑評会」では出品酒の約78%・入賞酒の約91%はアル添酒という(国税庁「清酒の製造状況等について(平成30酒造年度分)」、酒類総合研究所「平成30酒造年度 全国新酒鑑評会出品酒の分析について」より算出)。

今回発売のすごい!!アル添は、純米酒と焼酎を自分の手でブレンドし、酒に醸造アルコールを添加する工程を疑似的に体験できる商品。こだわりの日本酒と焼酎、それらをブレンドしたアル添のお酒を作ることで、おいしく楽しんでもらうために考案された。商品には計量ショットグラスとスポイトが付属。同梱のリーフレットには、山口歩夢氏によるブレンド解説とペアリングの提案、酒ストリートによるアル添の解説が掲載されており、手軽にアル添のブレンドを試すことができる。

日本酒ECの酒ストリートと菊の司酒造が共同開発した醸造アルコール添加工程を体験できる酒セット販売、エシカル・スピリッツCTOの山口氏監修

共同開発の菊の司酒造は、創業400年を超える岩手県盛岡市の老舗酒蔵。伝統的な製法と革新的な酒質を両立させる高い技術を持ち、国内外で多くの受賞歴を誇る。また同社はは日本酒だけでなく、自社で醸造・蒸留する焼酎「だだすこだん」を製造。その広範な知識と技術をもとにすごい!!アル添の共同開発に至った。

酒ストリートは、すごい!!アル添を通して日本酒の7割以上を占めるアル添酒のおいしさを多くの人に体験してもらいたいという。杜氏や蔵人の技術に触れ、アル添酒を身近に感じてもらうことで、アル添酒に対するイメージを変革したいという。

禁酒スタートアップの序盤戦

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター、The TechCrunch Exchangeへようこそ。

みなさんこんにちは!今日は、シンプルな料理にこだわった。私たちの持ち場の、肉とポテト、豆のプロテインとグルテンフリーのデンプン。すなわちスタートアップの活動だ。ということで今回は、私たちがとてもすばらしいと思うスタートアップのニュースをご紹介する。

個人的な話で恐縮だが、私はお酒とは複雑な事情を抱えていた。最終的には飲酒を完全に止めた。なので、先々週Reframe(リフレーム)が私の視界に入ってきたとき、私は興味を持った。

このスタートアップは、まだアルコール依存症ではないがアルコール摂取量を減らしたい、あるいは完全にやめたいと考えている人に焦点を当て、アルコール摂取量を減らすためのアプリを提供している。飲酒に限らず、あらゆる薬物中毒や依存症、その問題を解決するための市場は巨大だ。私がこのことを知っているのは、酒の量を減らしたり、完全にやめたりしようとしている多くの人たちと、話をできる機会があるからだ。パンデミックの中で状況が悪化していることも付け加えておこう。

なので、Reframeが最近急速に成長していることを知っても驚きはなかった。同社はAtlanta Venturesから140万ドル(約1億6000万円)を調達した後、Y Combinatorに参加している(2021年夏のクラスで、私はお気に入りの企業の1つとして挙げている)。アクセラレータープログラム終了後に340万ドル(約3億9000万円)を調達し、つい最近1250万ドル(約14億4000万円)のラウンドをクローズした。最後の資金調達ラウンドは、2021年末に行われ、資金調達後の評価額は1億ドル(約115億2000万円)となった。

このスタートアップは明らかに何かをつかんでいる。そして、ありがたいことに、同社はその結果を詳細に話してくれた。

同社のCEOであるVedant Pradeep(べダント・プリディープ)氏に話を聞いたところ、Reframeはこの6カ月間でARRが約79%の複利で拡大したという。また、プリディープ氏は、同社では過去12カ月間に毎週10.3%の成長が見られたという。その結果、1月28日までに計950万ドル(約10億9000万円)のARRが発生したが、先週初めにプリディープ氏がメッセージを使ってその数字を1000万ドル(約11億5000万円)に修正してきた。

さらに良いことに、認知行動療法や日記などのツールを組み合わせることで、人々の飲酒量を実際に変化させることができている。プリディープ氏によると、約88.63%のユーザーが2カ月で「飲酒目標を達成した」と報告しているという。さらにCEOは、自社のデータに基づいて、このデータは「彼らの飲酒量が50%(以上)減少したことを意味します」と付け加えた。

大したものだ。

さて、私は薬物関連の営利目的のケアには少々うるさい。そこで私は、プリディープ氏に会社の価格モデルや、Reframeに支払うだけのお金がない人たちに対する方針について話を聞いた。少なくとも私の基準では、この会社は公正なバランスをとっている。

テクノロジー界のリーダー、著名人、悪党が皆、大金を得ようと暗号資産の世界に頭から突っ込んでいるように見える今、Reframeは現実の問題を解決することもお金を稼ぐ方法の1つだということを思い出させてくれる。最近のスタートアップの価格傾向を考えると、なぜこの会社の最新の評価額にもう1つゼロが加わっていないのかが不思議だ。

そして、お酒といえば

今日のテーマであるお酒を続けよう。次はワインだ。それはすべてだ。

ワインについて学ぶ時間は決して無駄なものではない。Reframeの顧客でないのなら、ワイン通でいるのは楽しい過ごし方だ。友人と椅子を並べて、ゆっくりと頭の中に酔いを回すことが好きな人をを酔わせるのが好きな人は、カリフォルニアのしっかりしたカベルネとともにシャブリを楽しむ方法を知ることで食卓が華やぐだろう。

しかし、すべてのワインが飲むためのものではない。その中には、実際に投資に適したものがある。それこそがVinovest(ビノベスト)が、ワインの価格上昇に賭けることができるプラットフォームを開発している理由だ。最近同社は、顧客が個々のワインに投資できるサービスをリリースした。以前のVinovestは、ワイン投資のカテゴリーで、ロボアドバイザーによるサービスに力を入れていた。簡単に言えば同社は、これまで手の届かなかった高級ワインのような、代替投資の選択肢を求める人々が増えていることに賭けているのだ。

このVinovestのニュースを取り上げたのは、2021年に運用資産残高(AUM)が500%成長したことをはじめとして、何かが起きようとしているからだ。同社の勇猛果敢な広報担当者であるWilliam Ruben(ウィリアム・ルーベン)氏によれば、Vinovestは25万本以上のボトルをユーザーの名のもとに管理しており、それらは「世界各地にある特注の倉庫」に保管されているという。

暗号資産の急増や、デジタルコレクション購入の動きなどの中で、おそらくワイン投資は、ありふれた401(k)により多く組み込まれるようになるだろう。もしそれがうまく行けば、Vinovestの市場への賭けは、楽しみの多い果実を実らせることができるだろう。

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

【TC Tokyo 2021レポート】酔っぱらいたくない新世代に届けたい、米国の酒販D2CブランドHausの「誰のまねもしなかった」起業ヒストリー

12月2日から3日にかけてオンラインで開催されたスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2021」。2日目午後0時30分から1時00分には、D2Cブランドについてのセッションが行われた。ゲストは米国でネットを介して食前酒を販売するスタートアップ「Haus」の共同創業者兼CEOであるHelena Price Hambrecht(ヘレナ・プライス・ハンブレヒト)氏が登壇。硬直した米国酒販業界でどのように後発組として成功してきたかについて語ってくれた。モデレーターはライター / 翻訳家の大熊希美氏だ。

IT屋とワイン屋の夫婦から生まれた新しいサービスHaus

ハンブレヒト氏は、シリコンバレーでFacebook(現Meta)、Fitbit、Google、インスタグラム、Microsoft、Pinterest、Square、Twitterなどさまざまなブランドの立ち上げにPRという立場で関わってきた、いわば「IT屋」だ。

そこで新世代の消費者が、製品の原料を強く意識していること、製品の信ぴょう性、販売者の透明性を重視していることを知った。

なかでも、アルコール類への不満が多いことに気づいたハンブレヒト氏は「高カロリーで、酩酊性が強く、眠りが浅くなるうえ、二日酔いもひどい。合成原料やさまざまな添加物など、摂取を控えたいようなものを含んだ飲料しかなく、その他の選択肢がないことへの不満の声だった」という。

共同創業者は元夫のWoody Hambrecht(ウッディ・ハンブレヒト)氏。ワイン醸造農園主の三代目だ。

関連記事:酔っ払いたくないミレニアル世代は仕事の飲み会で何を飲む?

そのこともあり、アルコールにまつわる業界の態度と消費者のニーズに強い興味を持ったハンブレヒト氏は、さらにミレニアル世代やZ世代のニーズを調べ、そこでアルコール業界の真実を知ることとなる。

「米国だけでも280億ドル(約3兆1790億円)という巨大産業が硬直したまま革新的なことをしてこなかった。新しい世代は、自分たちの飲むアルコールに関して変化を求めていた」(ハンブレヒト氏)

そこで、欧州で何世紀も愛されてきた実績があり、米国内でも人気が出てきたアルコール度数が低く、たくさん飲んでも酩酊することの少ないアルコール飲料である食前酒を開発し、販売するためにHausを立ち上げたのだった。

型破りな解決策

Hausが販売する食前酒は、従来のリキュールと異なり、甘みや苦味が薄く、新鮮な天然の原料から造られる。ブドウを主原料にさまざまなハーブをブレンドした蒸留酒で、飲み口が優しいのが特徴的だ。

フレーバーは8種類あり、カンパリやアペロールといった、従来のリキュール類と異なり「グレープフルーツハラペーニョ」「レモンラベンダー」など、名前だけでどのようなフレーバーなのかをイメージしやすくなっている。

「ロックでも、ソーダ割りでも、低度数カクテルとしても飲むことができる。さらにはそのままでも洗練されたカクテルのような味わいのある飲みやすいお酒だ」とハンブレヒト氏は説明する。

販売方法は、今のところオンラインのみで、基本はサブスクリプション制。会員は、月1本、2本、6本のコースを選べ、本数によって割引を受けられる。フレーバーも自分で選択でき、一時停止も可能だ。会費、送料ともに無料。限定フレーバーやセールの案内も受け取れる。

起業するに当たり、障害となったのは「禁酒法時代から変わりのない酒販への厳しい規制と、フィジカルなものづくりに必要な費用の準備」だった。

酒類販売には厳しい規制があるため、ネットで注文があると「受注したウェブサイトでは、宅配業者を手配し、その宅配業者が注文品を買って配送する」という複雑な手を使うのが一般的であるという。

「製造業者、卸売業者、消費者が購入するための酒類販売店がある。酒類販売には、こうした重層的な制度を使うしかなかった」(ハンブレヒト氏)

しかし、Hausはオンラインで直販している「酒販業として、米国で唯一の」D2Cブランドだ。それが実現した理由を「ブドウを主原料とする低度数のアルコール飲料はネット通販が法的に可能だったから」と説明する。

オンライン直販を全米で開始するためにかなりの資金をかけたというが「史上初のD2C酒販業となれたし、目立った競合もいない」と、その成果を語る。

Hausの製品は自社製造のため、インフラ整備に莫大な費用がかかった。米国の酒造業界では、小企業が製造委託を行う仕組みがないからだ。

製造設備、包装設備、倉庫などを用意せねばならなかったが、酒販スタートアップへの出資を禁止しているファンドが多く、VCは非協力的。「シリコンバレーとファンドに知人が多かったものの、投資家のほとんどが手を出さなかった」と振り返る。

そこで取った方法が、少額でも多数の出資家を募ることだ。

10社のファンドと100人の個人投資家から450万ドル(約5億1000万円)を調達することに成功した。「面談に面談を重ね、理念に共感してくれる出資者を探した」と、ハンブレヒト氏。「初期のスタートアップは、資金調達先を絞るのが定石といわれているが、何事も固定概念に縛られてはいけない。創造的に、これまでにない解決策を探していけば、驚くような答えに巡り会えるものだ」。

「出資者を絞らなかったおかげで、その人の人格に悩まされるというよくある話とも無縁だったし、何より全員が応援してくれるようになった。資金調達の方法が増えれば監視の目はゆるくなり、起業や成長、イノベーションの機会が広がる。

消費者向けブランドの場合、出資者、つまり利害関係のある人が多いことは、顧客になる可能性のある人が増えることを意味している。クラウドファンディングならなおさらだ。大勢から出資を受ける方法にはメリットしかない」(ハンブレヒト氏)

手を抜かないものづくりのために、かさんでしまう初期費用を無事に調達し、生産性の高いインフラを完成させた。しかも、理念に共感し、応援してくれるたくさんのファンを生み出すことにも成功したのだ。

2019年6月にローンチしてからの販売ペースについて大熊氏から尋ねられたハンブレヒト氏は「起業からの2年間で数十万本が売れた」と回答。「業界人から無謀だと思われていたし、反感を買いやすい製品だと自分では考えていたので、これほど早く全米に波及するとは予想外だった」と振り返る。

成功の秘訣は、ハンブレヒト氏が新興企業のPRを経験しており、ブランド創出に詳しかったこと、製品自体が注目を集めやすくメディアが取り上げたこと、また「なぜその製品が必要なのか」を宣伝したこと。

それまで、酩酊性と二日酔いの強いアルコール飲料しか選べず、不満をいだいていたZ世代からミレニアル世代、さらにはベビーブーマー(WWII後のベビーブーム時代に生まれた世代)までもが顧客になっているという。

パンデミックの影響を最小限に抑えられた理由とは

コロナ禍の影響については「強かった」とハンブレヒト氏。「Hausは、人とのつながりで広がっていく製品。共有したいと思うような飲み物だ。しかし、人の交流が途絶え、口コミも止まってしまった。仲間と飲んでいたのが、突如として1人きりで飲むようになり、消費も鈍った」。

しかし、追い風になったこともあるという。

「酒類のネット購入が増加傾向にあった。これはHaus創業時に意識していたこと。それを最大限に活かし、オンライン宣伝を開始。これにより、かなりの成功を収めることができた」(ハンブレヒト氏)

なお、酒類卸売業界全体では停滞が見られたが、Hausは卸との関係が薄かったため、その影響を受けることがなかったという。口コミという強力なマーケティングの有効性がなくなったときに、すぐさま変化に対応するスピーディーさも悪環境を事態を好転させられた理由の1つだろう。

顧客の課題解決を優先し誠実さを示す

現在は、配送先を米国内に限定し、かつオンラインでの直販という形をとっているHausだが、卸売や、将来的には国外への販売も視野に入れているという。

「大手の傘下に入らなければ、全国的な流通網に乗せられず、独立業者は地元のレストランにしか商品を売れない。そこで、D2Cを足がかりに、全国に顧客網を広げた。人気や需要の高さをデータで視覚化できれば、卸売進出へ有利になる。

今は、飲食店や小売店、販売店から前代未聞とも思える数の引き合いがききている。卸売のテスト販売は、まだカリフォルニアでのみ行っているが、2022年には多くの市場に本格参入する予定だ」(ハンブレヒト氏)

Hausが米国で最初で唯一の酒販のD2Cとなったことで、米国の酒販に関係した法律が変わる可能性も出てきた。というのも、重層的な流通体制や前述のような配送仲介を通したネット通販では収益性が低いからだ。D2Cの収益性を目にし、規制緩和への声が高まる可能性がある。

「ネット通販では売れない、と硬直していたのは消費者ではなく販売側」とハンブレヒト氏。「しかし現実はそうではなかった。飲食店で店外用の酒類販売も認められるようになった。厳格な規制が緩み始めた。規制緩和への明るい材料がそろってきたと考えている」。

このように、前例のない事業を展開してきたハンブレヒト氏は「顧客の価値観を最優先させる魅力的なD2Cブランドを尊敬し、さまざまな企業のロードマップを参考にしてきたが、誰の真似もしていない」と言い切る。「その企業が起業した当時の環境に合っていたから成功しただけかもしれず、再現性があるとは限らない。1つの企業だけを手本にしてもいいことがない」。

最後に、これから起業する人へ向けて次のようなメッセージで締めくくった。

「資金調達の方法は1つではない。大手ファンドやVCがだめだったからとあきらめず、個人投資家やクラウドファンディングなどさまざまな方法を探して欲しい。挑戦し続けて欲しい。

D2Cブランドの創業は、以前より難しくなっている。だからプロダクトには十分な配慮が必要だ。粗悪な原料を使わない、ズルをしない、手を抜かない、他社の真似をしない。顧客を優先させ、顧客の持つ課題を解決するように努めて欲しい。その誠実さは、消費者に伝わり、さまざまな障害を克服する助けとなるに違いない」(ハンブレヒト氏)

TechCrunch Tokyo 2021は、12月31日までアーカイブ視聴が可能だ。現在、15%オフになるプロモーションコードを配布中だが、数量限定なのでお早めに。プロモーションコード、およびチケット購入ページはこちらのイベント特設ページからアクセス可能だ。

キリンビールが仕込み・発酵工程をAIで自動計画し立案するシステムを2022年1月から本格運用、熟練技術の伝承と時間の節約

キリンビールが仕込み・発酵工程をAIで自動計画し立案するシステムを2022年1月から本格運用、熟練技術の伝承と時間の節約目指す

キリンビールは11月29日、NTTデータと共同でビール類の仕込みと発酵の工程をAIで自動的に計画し立案するシステムを開発し、試験運用を開始したことを発表した。これは「確実な熟練技術の伝承」と時間の節約を目指すもので、9つの工場で年間1000時間以上の時間創出が見込まれるという。2022年1月より同システムの本格運用を開始する予定。

ビールの製造には、仕込、発酵、貯蔵、濾過、保管の5つの工程がある。特に仕込から発酵の工程では、出荷に合わせて原材料を仕込み、どの液種をどのタンクに移すかといった計画を立てる必要がある。そこは、熟練者の知見に頼ることが多い複雑な作業であり、様々な条件を勘案しなければならないため時間もかかる。そこで、キリンビールとNTTデータは熟練者へのヒヤリングを行い、NTTデータが開発した「制約プログラミング技術」(制約を洗い出し、問題に対する制約条件を満たす答をコンピューターで効率的に見つけ出すもの)で、熟練者の知見を標準化した。

キリンビールでは、すでに2020年12月から、濾過計画はAI化している。これと合わせて、創出される時間は4000時間にものぼるという。その時間は、「さらなる品質向上に向けた取り組みや、若手の育成など、人にしかできない価値創造」にあてるとしている。

サッポロビールと日本IBMがAIによる商品開発システムをテスト運用、コンセプトから味を作り出す新たなスキーム目指す

サッポロビールと日本IBMがAIによる商品開発システムをテスト運用、コンセプトから味を作り出す新たな商法開発スキーム目指す

サッポロホールディングスは11月4日、グループ企業のサッポロビール日本IBMが、コンセプトから味を作り出す新たな商法開発スキームを目指すシステムのテスト運用の実施を発表した。2022年の実装を目指すという。

これは、140年を超えるサッポロビールの歴史の中で蓄積された味に関するデータを学習したAIが、目標とする味のコンセプトと「香味プロファイル」に合致するレシピ(推奨配合骨格と推奨香料)を出力するというもの。それにより、RTD(Ready to Drink。栓を開けてすぐに飲める低アルコール飲料)開発のDXを推進し、経験と熟練技術を伝承するという、時間のかかるプロセスを改善するという狙いがある。

同システム構築では、商品開発システムのアルゴリズム作成にあたり、過去のレシピの官能評価データと、採用した香料の特徴に関する情報をAIにまず学習させたという。これに、立案した新商品コンセプトを基に香料の特徴と目標とするプロファイルを入力すると、AIが学習したデータを基に分析を行い、目標とするコンセプト・香味プロファイルに合致するレシピを出力する。

実際に、出力されたレシピで試作を行ったところ、「コンセプトに合致した良好な香味」が得られたという。そのレシピの検討時間は、従来のやり方と比較して50%以下に抑えられた。

このシステムではまた、「従来の手法では実現できなかった新規性」のあるレシピの考案も可能とのことで、つまり「人では思いつかない創造性を伴う商品レシピ」の創出も期待されるとのことだ。

風味と言語の総合変換を行う日本酒ソムリエAI「KAORIUM for Sake」を京都酒蔵館が導入

風味と言語の総合変換を行う日本酒ソムリエAI「KAORIUM for Sake」を京都酒蔵館が導入

香りを言語化するAIシステムであらゆるものに情緒的な体験価値をプラスする香りのビジネスデザイン集団SCENTMATIC(セントマティック)は、香りと言葉の相互変換を行うAIシステム「KAORIUM」(カオリウム)の技術を用いた日本酒ソムリエAI「KAORIUM for Sake」を、10月1日より、京都42酒蔵の日本酒が楽しめる居酒屋「京都酒蔵館」に関西で初めて導入した。

「KAORIUM for Sake」は、インターネット上の膨大な言語表現、ユーザーの1万件以上の感性データ、酒ソムリエ赤星慶太氏の感性を学習した、日本酒の風味を言葉で可視化するAIシステム。今まで感じ取ることが難しかった奥深い味わいが感じられる体験を提供するという。

日本酒を「すずしげ」、「ふくよか」、「あたたかみ」の3要素のバランスに加え、香りや印象、情景に喩えた表現や言葉で可視化することで、日本酒の特徴がわかりやすくなり、好みの酒が選びやすくなる。SCENTMATICによれば、「キーワードを見ながら言葉を意識して味わうことで、今まで感じることのでき なかった風味や味わいに気付くことができます」とのことだ。同時に、客がタブレットで酒の印象を表す言葉をタップれば、さらにAIの学習が進む。

「接客を頑張りたい」が人的に限界があり悩んでいたという京都酒蔵館は、「KAORIUM for Sake」の画面を見ながら酒を楽しむ客の姿を見て、客と会話ができなくとも日本酒の魅力が伝えられるようになったと話している。

ネットを介して若い世代の価値観に基づく食前酒を扱うD2C企業HausのCEOがTechCrunch Tokyoに登壇決定

12月2、3日にオンラインで開催される「TechCrunch Tokyo 2021」。本年度は、期間中、7つのテーマで国内・海外のスピーカーを招いた基調講演がおこなれる。

「D2C」をテーマにした講演では、ネットを介して食前酒を販売するスタートアップ「Haus」の共同創業者兼CEOであるHelena Price Hambrecht(ヘレナ・プライス・ハンブレヒト)氏が登壇する。

若い世代の価値観に基づいた、より良い飲み物のあり方を創造するHausは、市場で販売されている標準的な蒸留酒よりもアルコール分が少ない食前酒を販売している。酔っぱらいたくないZ世代や強制的な飲み会にうんざりしていたミレニアル世代にとって、そのアルコール度数が低さや、厳選されたブドウや生のハーブなどを蒸留して作られた最上級ブランドは非常に魅力的なものだ。

関連記事:酔っ払いたくないミレニアル世代は仕事の飲み会で何を飲む?

同社共同創業者兼CEOであるヘレナ・プライス・ハンブレヒト氏は、Haus以前はFacebook、Fitbit、Google、Instagram、Microsoft、Nike、Pinterest、Slack、Square、Twitter、Uberといったブランドの立ち上げに携わってきた。

すでに参加者チケットは発売中。参加者チケットは2日間の通し券で、他の講演はもちろん新進気鋭のスタートアップがステージ上で熱いピッチを繰り広げるピッチイベント「スタートアップバトル」もオンラインで楽しむことができる。本講演は英語でのセッションとなるが、同時翻訳、または日本語の字幕が入る。

チケット購入

現在のところ「超早割チケット」は税込2500円、2021年12月31日までアーカイブ配信も視聴できる「超早割チケット プレミアム」は税込3500円となっている。また、スタートアップ向けのチケット(バーチャルブース+チケット4枚セット)は後日販売予定だ。

オンラインでの開催で場所を問わず参加できるため、気になる基調講演を選んで視聴することもしやすいはず。奮ってご参加いただければ幸いだ。また、10月18日まで「超早割チケット」で安価で購入できるのでオススメだ。

アルコールやマリファナなど検査のために「目」のスキャンデータベースを構築するEyeGage

LaVonda Brown(ラヴォンダ・ブラウン)氏はジョージア工科大学在学中にアイトラッキング(目の動きの追跡)に関心を持つようになった。「心の窓」と言われる目をスキャンすることで得られる情報に魅了され、これが2021年のDisrupt Startup Battlefieldで競っている20社のうちの1つ、EyeGage(アイゲージ)の礎となった。

TechCrunchコンペティションへのEyeGageのエントリーは、同社初のプロダクトである、運転できるほどには酔っ払っていないかどうかを確認できるアプリを立ち上げようとしている中でのものだ。アプリでは、酔っ払っている場合には「Do Not Drive(運転してはいけません)」という大きな赤い文字の警告と、UberかLyftにつながるリンクが案内される。アプリは無料で、2つの目的がある。消費者へのサービス提供、そしてEyeGageの拡大中の目のデータセットに参加してもらうというものだ。

「アプリをダウンロードし、目の写真を撮ると、アプリは消費者がライドシェアサービスを使うべきかどうかを提案します。究極的には目に基づき、運転を不可とします」とブラウン氏は説明する。「アプリは無料です。バーターのサブスクサービスと呼びましょう。アプリユーザーは当社に自身の目の写真やビデオを提供し、当社はユーザーに適切な判断をくだせるようテクノロジーへのアクセスを提供します」。

このアプリは今のところ、同社事業の中で最も目立つ要素だ。同社が行っていることのほとんどは目のデータセットの構築に向かう。同社は目のさまざまな面へのアルコールの影響の測定を始める。ここには、連邦政府が承認したテスト施設で同社が現在行っている研究も含まれる。テスト参加の申し込みにサインした人はアルコールを飲み、その間に同社は目の写真やビデオを撮り、血液サンプルも採取する。

現在いくつかの州で合法であることを考えると、次に来るのがマリファナだ。オピオイド、アンフェタミン、ベンゾジアゼピンのような他のドラッグはデータを収集するのがより難しいが、こうした物質の合法バージョンを扱っている病院やクリニックが、きちんとした同意をともなうデータ収集の良い源になるかもしれない。

労働環境が論理的な次のステップでもある、とブラウン氏は話す。法執行当局もリストに載っているが、そうした種の提携を得るにはさまざまなハードルがある。「建設や製造、輸送などリスクの高い職場をターゲットとしています。そうした産業では特にドラッグやアルコールの使用率が高くなっています」とブラウン氏はTechCrunchに語った。

また、体内の物質を検出するための緊急使用以外でのデータセットの潜在的な使い道があるかもしれない。

「目の動きのモニタリングは多くの分野で使用することができます」とブラウン氏は付け加えた。「そしてもちろん、目を見て識別することができます。脳しんとうや糖尿病など特定の病気を診断するのに使え、また異なるマーケットの分野でも使えます。目は体の中で何が起こっているのかについての情報を多く持っています。目が光にどのように反応するかをみることでカフェインを摂取したかどうかわかります。目の動きがあまりに速い場合は刺激物のようなものの摂取となります。そしてあまりにも動きが遅ければ、抑制剤のようなものの摂取が考えられます」。

EyeGageはこれまでに14万2455ドル(約1560万円)を調達した。友人や家族からの4万2455ドル(約465万円)のプレシード資金、そしてこのほどGoogle Black Founders Fundから贈られた賞金10万ドル(約1095万円)だ。

画像クレジット:EyeGage

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

Sakeistが日本酒定期便「Sakeist Box」をリニューアル、5つ星ホテルのシェフ・ソムリエによるオンラインセミナー付き

Sakeistがコンクール受賞酒も飲める日本酒定期便「Sakeist Box」をリニューアル、フランス人ソムリエのオンラインセミナー付き

世界の消費者・ソムリエ・酒蔵をつなぐ日本酒プラットフォーム「Sakeist」(サケイスト)を運営するKhariis(カリス)は8月16日、フランス人ソムリエのオンラインセミナー付き日本酒定期便「Sakeist Box」のプランを8月からリニューアルすると発表した。毎月3300円(税込・送料無料)から利用できるようになる。またサブスクリプションではなく、毎月気になるプランを購入できるというシステムとなっている。

Sakeist Boxは、フランスで開催される日本酒と焼酎のコンテスト「Kura Master」の審査員長グザヴィエ・チュイザ氏が、日本酒の魅力や料理とのペアリングなどを解説するセミナーを聞きながら日本酒が楽しめるというもの(毎回日本語の通訳あり)。同氏は、パリの5つ星ホテル「ホテル・ド・クリヨン」のシェフ・ソムリエでもある。酒蔵が減少し続ける現状に対して自分も力になりたいと思い、2017年にKura Masterを立ち上げたそうだ。

毎月、グザヴィエ氏が選んだ酒蔵から厳選された720ml入りの日本酒が、スタンダード1本プランの場合1本、スタンダード2本プランでは2本が届く。グザヴィエ氏のオンラインセミナーは、毎月最終木曜日の夜にライブ配信される。グザヴィエ氏と蔵元に対して、チャットによる質問も可能という。

プラン概要

  • スタンダード1本プラン:価格3300円(税・送料込み)。720mlの日本酒1本
  • スタンダード2本プラン:価格5900円(税・送料込み)。720mlの日本酒2本
  • プレミアムプラン:価格8100円(税・送料込み)。純米大吟醸などを含む、720mlの日本酒2本

ラインアップ予定

  • 2021年8月「出羽桜酒造」(山形県):吟醸酒で有名な酒蔵。鑑評会や、IWC、Kura Masterなど世界的コンクールで多くの栄冠に輝く、名実ともに業界を代表する名門酒蔵
  • 9月「田中酒造場」(兵庫県):未来を見据えた酒造りを行っている「温故知新」の蔵。今年度のKura Masterでトップ16酒入り
  • 10月「惣誉酒造」(栃木県):先祖が滋賀県日野町から移住し、150年以上栃木県で酒造りを続けている。2001年より生酛造りを復活
  • 11月「永井酒造」(群馬県):ワインと同じように料理に合わせて各スタイルのお酒をペアリングさせる「Nagai Style」というコンセプトで酒造りに取り組む
  • 12月「中野酒造」(大分県):第2回目のKura Masterで最高のプレジデント賞とプラチナ翔のダブル受賞をするなど若手が次世代を担う蔵
  • 2022年1月「八鹿酒造」(大分県):九州に位置しながら、冬場氷点下まで下がる気候と九重連山の伏流水で作られた酒。九州では希有な辛口
  • 2月「八戸酒造」(青森県):青森の米、水、酵母を使い、なめらかな口当たりとみずみずしい甘さ、キレのある後味などを実現
  • 3月「三宅本店」(広島県):1920年、海軍の練習航海にて220日あまりの航海中、何度も赤道を通過したにも関わらず品質が劣化しなかったエピソードを持つ蔵

9月は特別に、2021年「Kura Master」上位16銘柄に選ばれた田中酒造場「Château Shirasagi 65」(名刀正宗 乙天)が、どのプランでも提供されるという。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Khariis(企業)酒 / アルコール飲料(用語)日本酒日本(国・地域)

ハイネケンがキンキンにビールを冷やしながら自走するクーラーボックスロボ「B.O.T」発表

ハイネケンがキンキンにビールを冷やしながら自走するクーラーボックスロボ「B.O.T」発表

Heineken

ビール大手ハイネケンの米国法人が、缶ビール用自走式クーラーボックス「Heineken B.O.T.」を発表しました。B.O.T.とは、Beer Outdoor Transporterの略。B.O.T.には缶のハイネケン12本を氷と共に収納でき、持ち主の後ろに付いて走行する機能を備えます。

つまりこれさえあれば、これからの季節、ビールを冷やしているクーラーボックスを駐車場からBBQをしている場所まで抱えて歩き、腰を痛めることがなくなる…というわけです。

ハイネケンは、B.O.T.にはピクサーの映画『ウォーリー』の主人公ロボットのような「チャーミングなAIパーソナリティ」を備えていると述べ、どういう仕組みか不明ながら、夏の暑さのなか人の喉の渇き具合をチェックすると主張します。要するに、目の前の人を常に監視して、後を追いかけるように作られているということのようです。

B.O.T.の外観はハイネケンカラーに彩られていることを除けば、ここ最近よくテクノロジー系ニュースで取り上げられている、食料品などの”ラストマイル”自動配送用の出前ロボットのようにも見えます。ただ、車輪で走行する以上、砂利浜や河原、段差のあるキャンプ場などでは思うように走行できないかもしれません。とすると、よく整備されたプールサイドなどでの使用になら向いていそうですが、自宅にプールがある海外ならともかく、日本ではなかなか上手く使える場所を探す方が難しそうです。

ハイネケンがキンキンにビールを冷やしながら自走するクーラーボックスロボ「B.O.T」発表

Heineken

まあ、どちらかと言えば実用性よりも見た目の面白さと、こうしたニュースで露出することによる宣伝効果のための製品といえるかもしれません。ハイネケンはB.O.Tを商品として販売する予定はなく、わずかな数を7月1日からのキャンペーンに応募、当選した人にプレゼントするとのこと。残念ながら応募対象者は米国の方々です。

(Source:HeinekenEngadget日本版より転載)

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「酒粕」廃棄素材によるクラフトジン生産や再生型蒸留所を手がけるエシカル・スピリッツが1.4億円調達

「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」をモットーに、「酒粕」廃棄素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所を運営する蒸留スタートアップ「エシカル・スピリッツ」は6月16日、第三者割当増資として1億4000万円超の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Beyond Next Ventures。

エシカル・スピリッツは2020年3月、日本酒生産工程の最後に生成され本来は廃棄される素材「酒粕」を再蒸留して、クラフトジンを生産・販売。その利益から酒米を酒粕提供元の蔵元に提供し、再度そこから日本酒を生産するという世界初の循環型「エシカル・ジン・プロジェクト」を始動した。

その第1弾のエシカル・ジン「LAST」を同社は「飲む香水」としており、至高のアロマを実現したフレーバード・ジンになっているという。LASTシリーズは生産方法のみならず、ウイスキー業界で最も権威のある品評会WWAのジン部門「World Gin Awards 2021」において、国別の最高賞や、権威ある品評会のひとつ「The Gin Masters」ではゴールドとシルバーを受賞している。なお同シリーズは公式オンラインショップでも購入できる。

また2021年1月には、エシカル生産・消費に特化した世界初の再生型蒸留所「東京リバーサイド蒸溜所」を東京蔵前に建設(7月上旬グランドオープン予定)。東京都で3カ所目となるスピリッツ製造免許を取得した企業となり、蒸留所内には自社で運営するクラフトジンに特化したバーもオープンした。

調達した資金は、新たな再生型蒸留所の建設と海外販路の拡大に主に投資する予定。また現在はベーススピリッツの蒸留をパートナー会社と連携して実施し、自社の蒸溜所でそのベーススピリッツを使用したジンを含むスピリッツを蒸留しているが、今後は「酒粕そのものをベーススピリッツに変える」最新型の設備を導入する。これにより、従来自社でベーススピリッツの生産が難しかった中小規模の酒蔵との連携が可能となり、全国1400の日本酒蔵すべての酒粕がベーススピリッツの対象となる。

他にも、国立森林総合研究所の研究成果を基にした民間事業者としては初となる、「木の酒の蒸溜所」の立ち上げ、「木のお酒『WoodSpirits』」の製品化・販売にも挑んでいる。さらに、国際的なスピリッツ市場のハブである英国に2021年中での拠点開設を目指し、その後にドイツやスペインなどへの展開も予定しているという。

エシカル・スピリッツは、「Crafting the New Luxury」(新たな嗜好価値を象る)をミッションに掲げ、世界をリードするサステイナブルなスピリッツブランドを目指すとしている。

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パリ醸造所を運営し日本酒D2Cブランドを世界展開するWAKAZEが3.3億円調達、ヨーロッパ全土展開と米国進出狙う

パリ醸造所を運営し日本酒D2Cブランドを世界展開するWAKAZEが3.3億円調達、ヨーロッパ全土展開とアメリカ進出を目指すフランス・パリ近郊でSAKE醸造所を運営するWAKAZE(ワカゼ)は6月9日、総額3億3000万円の資金調達を発表した。引受先はジャフコ グループ、ニッセイ・キャピタル、マクアケ、MAKOTOキャピタル。調達した資金により、WAKAZEのビジョンである「日本酒を世界酒に」のさらなる実現に向け、フランスで培ったブランド力を活かし、ヨーロッパ全土およびアメリカにおいても現地醸造のブランド展開を目指す。

調達した資金の用途

  • ヨーロッパ全土におけるブランド認知獲得:全世界ワイン市場規模36兆円のうち半分を占めるヨーロッパにおいて、SAKEでワイン市場の開拓を目指し、ブランド認知獲得を狙う。ポップアップストアなどでも一次認知を獲得するとともに、イギリスやドイツをはじめヨーロッパ諸国からの購入・配送をスムーズに行えるようマーケティングに力を入れる
  • アメリカにおける現地醸造およびブランド浸透:フランスで培った開発力を基に、アメリカ現地での生産を通じてWAKAZEブランドの展開を目指す
  • フランス現地の需要に応える設備増強および醸造効率向上:フランス現地でのSAKEの需要に応えるべくパリ醸造所「KURA GRAND PARIS」の醸造設備増強、テクノロジーを使った醸造効率向上に注力
  • 「商品開発力」強化を見据えた人材採用:WAKAZE顧客の高いリピート率を担う「商品開発力」を、よりグローバルで促進できるよう、造り手人材を積極的に採用および育成する
  • 新規顧客獲得の日本でのマーケティング強化:WAKAZEは、日本国内においても、SAKEが持つ多様性に溢れ奥深い「SAKEのワクワクする世界」を知っている人は少ないと感じているという。「SAKEの世界」の入り口を多くの人に届けるために、マーケティング人材を積極採用し、顧客に直接価値を届けるD2Cを強化する

2016年1月設立のWAKAZEは、「日本酒を世界酒に」をビジョンに掲げ、日本とフランスを拠点に日本酒D2Cブランドを展開するスタートアップ。この言葉には「SAKEが世界中で飲まれ、造られる世界をつくる」という想いがこめられているという。ワンルームのオフィスから出発したWAKAZEは、創業当時からワイン市場の開拓を狙い「食の都 パリでSAKEを造る」という大きな夢を掲げてきたそうだ。

2018年には、東京都世田谷区に自社醸造所「三軒茶屋醸造所」を創立し、日本酒」の概念を飛び越えた新感覚の「ボタニカルSAKE」や「どぶろく」でSAKEの新たな価値を提供。2019年11月には、フランス・パリ近郊に自社醸造所「KURA GRAND PARIS」(クラ・グラン・パリ)を創立した。フランス産原材料にこだわった「フランスならではの酒造り」で、ビジョン「日本酒を世界酒に」を体現したという。

また、2020年2月には現地での流通を始めたものの、直後にコロナ禍に見舞われ対飲食店への流通は激減。WAKAZEはデジタル戦略へ大きく舵をきった。

ブランド立ち上げから1年、オンラインにおける月商は2020年内で60倍に成長。さらにはフランス500店舗と7カ国に展開するフランス最大ワインショップ「NICOLAS」と協業し、すでに250店舗にWAKAZEのSAKEが並んでいるという。オンラインからもオフラインからも、フランスの街中でSAKEが親しまれるシーンを創出するとしている。

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WAKAZE JAPANのメンバー(三軒茶屋醸造所)

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ラグジュアリーな日本酒ブランドとして世界展開を目指す「SAKE HUNDRED」(サケハンドレッド)と、日本酒専門ウェブメディア「SAKETIMES」(サケタイムズ)を運営するClear(クリアー)は5月26日、第三者割当増資による総額12億9500万円の資金調達実施を発表した。引受先には、ジャフコ グループをリード投資家に、既存投資家である三井住友海上キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、アカツキ「Heart Driven Fund」、OPENSAUCE、その他複数の投資家が名を連ねている。

Clearは「日本酒の未来をつくる」をビジョンに、2013年に創設されたスタートアップ企業。SAKETIMESは2014年から運用を始め、現在の月間購読者は55万人。SAKE HUNDREDは2021年5月26日現在の会員登録者数が5万3109人となっている。「SAKE HUNDREDでは、ラグジュアリーシーンで愛される日本酒ブランドを確立して新たな市場をつくることを、SAKETIMESでは世界における日本酒情報のインフラとなること」を目指している。

今回調達した資金は、SAKE HUNDREDとSAKETIMESの事業を拡大し、新たなステージに引き上げることにあてられる。具体的な今後の展開は、SAKE HUNDREDの海外進出強化、SAKE HUNDREDのブランド投資、サステナビリティーの推進、グローバル展開のための人材採用、SAKETIMESの発展が揚げられている。

海外展開では、これまで香港、シンガポールを中心に行ってきたが、今後は、アメリカ、イギリス、中国、UAEに輸出エリアを拡大し、卸売販売に加えて個人販売も促進してゆく。

SAKE HNDREDのブランド投資では、直営ブティックの開業プロジェクトを推進し、「最高峰のグローバル日本酒ブランド」の味に加え、「お客様の心の充足に貢献するためのブランド体験」を提供してゆく。

SAKE HUNDREDでは、環境に配慮した酒づくりの資材の研究開発、大学や研究機関との協力で日本酒製造時の環境負荷の可視化と低減に取り組み、日本酒産業全体のサステナビリティーな発展に貢献してゆくという。そうした活動は、SAKETIMESで発信してゆくとのことだ。

Clear代表取締役、生駒龍史氏はこう話している。
「自社の売上・利益を上げることを前提に、サプライチェーン全体が潤う起点となること、Clearの事業を通じて、産業全体の未来が拓かれていくことこそが、私たちの目指す未来です」

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