アマゾンが新型コロナによる需要増加対応で7万5000人を追加雇用

Amazonは、既に過去4週間で10万人以上を新規雇用して、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的なパンデミックによる需要増加に対応しているが、米国で7万5000人のフルタイムおよびパートタイムの従業員を追加採用する。同社は米国時間4月13日のブログ記事でこの追加雇用について公表したほか、需要の急増に対応して給与支払いの総額を5億ドル(約538億円)以上に増額することも発表した。

同社はこの雇用によって、新型コロナ・パンデミックによる経済危機のために起きている失業や一時解雇の影響を少しでも緩和できることを期待していると語った。Amazonはこの雇用枠を「状況が正常に戻り、以前の雇用者が呼び戻してくれるまで」働きたい人の選択肢として位置づけている。

同社は新規および既存従業員の「安全、給与、福祉」のための投資を引き続き強化していくと語っている。オンライン小売の巨人はこの取り組みの詳細について、配送センターおよびWhole Foods店舗における体温検査、従業員へのマスクの配布、これらの実践の日常的監視の導入などを行うという。

Amazonの施設で働く人々は、さまざまな行動を起こして、会社の作業環境に対する抗議し、健康・安全面の行動規範の改善の訴えている。いくつかの倉庫では作業者はすでに新型コロナウイルス陽性を示しており、最近CEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が配送作業員との結束を示すために訪れた施設でも感染者が出ている。

画像クレジット:Johannes EISELE / AFP / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Qualcomm、コスト削減でさらに269人を解雇

データセンター事業の低迷で、Qualcommはさらに数百人を解雇する。このニュースは最初にThe Informationが報じ、その後TechCrunchが確認した。

チップメーカーのQualcommは今回、計269人を解雇する。内訳は、データセンター事業を展開するノースカロライナのローリーで144人、そしてQualcommのホームタウンであるサンディエゴで125人だ。今回が、Qualcommが今年展開してきたコスト削減のための解雇の最新版となる。4月に同社は主にカリフォルニアで1500人超を解雇した。

このニュースは、同社がマウイで開催したイベントで2019年のロードマップーSnapdragon 855を含むーを明らかにするなど、華やかな1週間の最終段階で明らかになった。

この解雇に先立ってQualcommは、Intelとの競争で苦戦してきたデータセンター事業で241人を解雇するつもりだと6月に発表していた。しかしながら、その時点では同社はデータセンター事業から撤退することは完全否定していたーこれはTechCrunch向けの声明で繰り返していたことだ

Qualcommは特定のエリアでフルタイムの従業員と臨時雇用者をわずかに削減した」と広報はTechCrunchに対し語った。「これは我々の全従業員数においてはかなり小さなパーセンテージだが、どんな規模であれ従業員削減は対象となった人だけでなく、その家族や同僚、コミュニティにも影響することだと認識している。我々はこの影響を最小限に抑えるため、削減対象となった人にサポーティブな契約解除のパッケージを提供した」。

しかしながらノースカロライナのリサーチ・トライアングルでは従業員50人余りが最近退職したと報道されていて、Qualcommの見通しはかなりおぼろげだ。

イメージクレジット: Joan Cros/NurPhoto via Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

自閉症の人たちに彼らの適職である細かいデータ管理の仕事を提供するDaivergent

優れたスタートアップは通常、個人的な場所で生まれる。Byran DaiのDaivergentも、そうだ。

2017年12月に創業されたDaivergentは、同社の顧客である企業を自閉症スペクトラム障害の人びとに結びつけて、AIやMLにおけるデータ管理の仕事を手伝わせる。

Daiの弟のBrandonが、自閉症スペクトラム障害だ。Daiは、自分の弟などこの障害の人たちが、細部への高度な注意力を必要とする、ある種のとても複雑な仕事に向いていることを知っている。たとえばそれは、データ入力やデータの補正、製品の品質検査、データの検査、コンテンツの適正化、などの仕事だ。

誰もかれもがAIや機械学習のアルゴリズム使っている昨今では、データを組織化する(まとめる)ことが最優先事項だ。Daivergentは、同社がデータのスペシャリストたちの完璧なプールを作って、この分野のどんな仕事でも完了させることができる、と確信している。

Daivergentは、AHRCやAutism Speaksなど、さまざまな団体とパートナーして、人材を確保している。それらの人びとを篩(ふるい)にかけて、その種の仕事を最後までできる人たちを拾い上げる。そしてその人たちはDaivergentの契約職員になり、本格的な教育訓練を受け、そしていろんなプロジェクトで仕事を開始する。

同社によると、アメリカでは250万人の成人が自閉症で、Autism Speaksの報告書によると、大学教育を受けた自閉症者の失業率は85%だ。

Daivergentは、これらの人びとが労働力の一員になる方法を提供するだけでなく、団体や企業が海外の契約労働者を雇用しがちな部分で、あえてアメリカの労働者を採用する方法を提供している。

新しい仕事がDaivergentに入ってくると、同社はそのプロジェクトを小さなタスクに分割してそれらを同社の労働者に割り当てる。同社はまた、プロジェクトの全体的な複雑さを判断し、仕事の緊急性も考慮して、料金を決める。

Daivergentは小額なマージンを取り、残りを労働者に渡す。

現在Daivergentには、実動労働者が25名いて、顧客のための仕事を行っている。登録労働者は150名おり、彼らは今、資格や免許を取得する段階だ。そして候補者プールには、さらに400名の自閉症者がいる。

同社は最近、アクセラレーターERAを卒業した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleがアメリカの退役軍人の就職や起業/企業を助けるための機能集合を展開

Googleは、アメリカの退役軍人が円滑に市民生活に戻れるために、彼らの職探しや起業および企業経営を助けるツールを提供しようとしている。

そのひとつが、同社のキャリア開発プログラムGrow with Googleの新しい機能だ。それは、彼らが従軍の期間に身につけたスキルを活かせる仕事を探す機能で、まずGoogleの検索で“jobs for veterans”と彼らの軍務を表すコード(military occupation code)を入力する。求人企業や求人求職サイトは、GoogleのCloud Talent Solutionという、機械学習による求職求人プラットホームを使って、自分のサイト上でその機能を有効にする(検索結果に現れるようにする)。

Googleの発表の中で、Google Cloud事業のマネージャーで、イラクとアフガニスタンで計3回も従軍した元空軍の土木技師Matthew Hudsonが、退役軍人は機会を逃しがちである、と述べている。それは、物理的にはまったく同じ仕事でも、民間世界の企業と元軍人の頭の中とでは、その理解、認識、言葉などがまったく違うからだ。だから求人側と求職側が、互いの目の前に求める技能や職種があっても、そのニーズがマッチしない。そのため退役軍人の三人に一人…年間およそ25万人発生している…は、自分の技能レベル以下の仕事しか得られていない。

企業を起こしたり経営しようとする退役軍人のためにGoogleは、Google My BusinesとGoogle Mapsとモバイルの検索に、新しい属性を加えた。Googleのデータサイエンティストで元アメリカ陸軍の二等軍曹だったSean O’Keefeが、アメリカの企業の250万社以上が、その過半数オーナーが退役軍人だ、とブログに書いている。そこでGoogleの企業一覧には、“Has Wifi”や“Family Friendly”などと並んで“Veteran-Led”(退役軍人が経営)という属性バッジがつくようになる。

またGoogleのチャリティー部門Google.orgは、慰安団体United Service Organizations(USO)に、退役軍人のための初歩的なIT教育と、その卒業者へのサポート職資格認定Google IT Support Professional Certificationを賦与するための事業をやってもらうために、250万ドルを助成する。

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UdacityとGoogleが新卒や中途転職者のための無料のキャリアコース12種を開始

さまざまなオンライン教育学習コースを提供しているUdacityが今日、Googleとの新たなパートナーシップにより、新卒や中途転職者向けの無料のキャリアコース数種発表した。無料のキャリアコースはUdacityにとっても初めてで、受講者が新しい職を得やすくすることが目的だ。それは新卒者の初めての就職と、中途転職/中途採用の両方である。

両社は3月に立ち上げた“Networking for Career Success”(キャリア成功のためのネットワークづくり)コースでこの方式を試行した。そのときは、同じくGoogleとのパートナーシップ事業コースであるデベロッパー育成奨学コースGrow with Googleの6万名の受講者を対象とし、今ではそれは今回の12種のキャリアコースのひとつになっている。

コースのテーマは多岐にわたり、履歴書のリフレッシュやカバーレターの書き方もあれば、GitHubのプロファイルの最適化、LinkedIn Networkネットワークの強化などもある。もちろん、技術者募集の面接に備える“Data Structures and Algorithms in Python”やSwift言語のコースなど技術習得のコースもある。

“次世代の人材たちは非常に多様なスキルを持った状態で労働市場に入ってくるが、しかし彼らが直面するのは多くの競合者と雇用環境の急速な変化だ”、とUdacityのキャリアコース担当VP Kathleen Mullaneyは書いている。“空いている職をめぐる競争に負けないためには、必要なすべてのリソースを確実に習得しなければならない。しかもこのようなサポートを必要としているのは、彼/彼女一人ではない。キャリアの路線変更を求めている中途転職のプロフェッショナルや、仕事に復帰したいと願っている中高齢者、そのほかさまざまなタイプの求職者たちなど、すべての人にとってこれらのコースが役に立つ”。

Udacityは前から企業とパートナーしているから、Googleと再びパートナーしても意外ではない。Google自身は、Udacityとその競合者Courseraの両方と数年前からパートナーして、キャリア指向のコースや、本格的な技術者育成コースを立ち上げている。それらは、プログラミング入門ITスキル機械学習専門コースなど、さまざまだ。

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アメリカのテクノロジー企業で給与がいちばん高い職種は何か

給与を交渉するときは、ほかの人たちがいくらもらっているか、知っていた方が良いだろう。企業の文化や給与などを比較しているComparablyによると、一般的には、上場企業の方が非上場のテクノロジー企業よりも給与は良い。そして、大きな企業ほど、小さな企業よりも給与は高い。

資金基盤の大きくない非上場企業のシニアデベロッパーは1年に7万3000ドル稼ぐが、上場企業では平均約13万ドルを稼ぐ。また企業の種別にかかわらず、アーキテクトとシニアプロダクトマネージャーがいちばん稼ぎが良い。

地域別では、サンフランシスコの上場企業が15の職種すべてにわたって、給与がもっとも高い。サンフランシスコの上場企業ではアーキテクトの平均年俸18万4000ドル、これに対しロサンゼルスは15万5000ドルだ。

同じ職種における男女の給与差は、全国的に見られる(下表)。上場テクノロジー企業の男子シニアデベロッパーが平均14万4000ドルを稼ぐのに対して、同じ職種の女子は平均13万7000ドルだ。

男女格差がいちばん大きい職種は、セールスマネージャーだ。上場企業の場合、それは男子の平均14万4000ドルに対して女子は11万5000ドルだ。

Comparablyは2016年3月から2018年2月までの間に、アメリカの大から小までさまざまな規模の、上場/非上場テクノロジー企業の社員10万名あまりから、匿名で報酬データを集めた。そしてそれらを、アーキテクト、データサイエンティスト、デベロッパー、マーケティングマネージャー、オペレーションマネージャー、プロダクトマネージャーなど一般的な15の職種に分類した。

なお、非上場企業は社員への報酬を会社の株で払うことがあるが、それらはこの計算に含まれていない。ただし、ボーナスは含まれている。

Comparablyは2016年3月の創業以来、給与と報酬データを精力的に集めてきた。しかし近年では同社は、Glassdoorのような企業文化レビューツールへと進化している。Jason Nazarが創業したComparablyはこれまで、1380万ドルの資金を調達した。

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Amazonが数百名をレイオフ、人減らしというより過剰部門の調整のよう

eコマースの巨人としては珍しく、Amazonはシアトル本社などから数百名をレイオフしようとしている。Seattle Timesが、そう報じている。

同社はその直前までの8年間雇用ブームで、シアトル本社は2010年の5000人から40000人に膨れ上がり、また全国から数社の小売企業を買収してきた。

しかし記事によると、過去2年間の増員によって一部の部門は経費と人が過剰になった。最近の数か月同社は雇用を凍結して社員増を抑え、空席は昨年夏の3500名からその半分に減った。

今回のレイオフはAmazonのシアトル本社が主だが、これまで、そのほかの地域の小売子会社の一部も人減らしを行っている。たとえばラスベガスのフットウェア店Zapposは最近30名をレイオフした。そしてDiapers.comのオーナーQuidsiは昨年、250名あまりを切らざるをえなかった。

これらの動きは、Amazonが支出の抑制に向けて動いていることと、同社傘下の小売企業の一部を整理統合しようとしていることを示唆しているのかもしれない。

しかし数万人の社員を抱える企業が数百名規模の人員調整を行うことは、異例ではない。最近もっと多くの人員をレイオフした著名な大規模テクノロジー企業に比べると、かなり少ないとも言える。たとえばMicrosoftは昨年後半、数千名の社員をレイオフした…ただしその多くはアメリカ国外の社員だった。

またこのレイオフは、全世界で50万名あまりを雇用するAmazonが、さらなる人減らしや、ほかの部門や地域での雇用の鈍化を意図している兆しではない。至近の四半期決算報告によると、同社は昨年1年間で海外の社員数を66%増やしている。そして現在のシアトル本社だけを見ても、4000名あまりの求人情報がある。

本誌TechCrunchは今回の新聞報道についてまだAmazonからのコメントを得ていないが、同社のスポークスパーソンはThe Seattle Timesに対して、この異動は同社の例年の計画数値の一環であり、“人員調整は全社的に行っており、二箇所で少数の人員削減、そして他の多くの場所では積極的な雇用を行っている”、と述べている。

記事によると、すでに数名の社員がレイオフを告げられており、その実施は数週間後となる。

“調整の対象となった社員については、新たな雇用を行っている部門に役割を見つける努力をしている”、とスポークスパーソンは語っている。

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もちろん都市は、テクノロジー職の雇用を創出するために戦うべきだ

都市計画に携わる人びとに大きな影響を与えるものとして、例えばAmazonの新しい第2本社(HQ2と呼ばれる)を選ぶプロセスのようものは、それほど多くはない。同社は、5万人の雇用と50億ドルの投資を巨大な人参としてぶら下げて、北米の各都市から提案書を募った( Clickholeが親しみを込めて記事を書いている)。おそらく予想はできると思うが、Amazonは238件もの提案書を受け取り今週はその中から20件のファイナリストを選んだ

Appleも今やゲームに参加したようだ。同社も今週、(少なくとも最初は)テクニカルサポートに特化した新しい「キャンパス」を建築することを発表した。まだ提案書の募集は発表していないものの、候補地の決定は「今年の後半に発表される」と同社は述べている。

市政関係者が提案書のとりまとめに忙しくしている一方で、都市思想家たちは、これらのいわゆる逆RFPに衝撃を受けている。ブルッキングス研究所で、有名なメトロポリタン政策プログラムを運営し、 NPRに対してAmazonのプロセスについて語ったAmy Liuは、「実際の日々の経済開発活動がどうあるべきかに対する、大きな混乱を招いている」と述べている。これは明らかに雇用創出ではないというのだ。

もっと不吉なことに、シアトルタイムズのスタッフコラムニスト、Danny Westneatは、AmazonのHQ2プロセスを獲得しようとする都市たちに対して「Amazonは繁栄爆弾を、あなたがたの街で爆発させようとしている」と警告している。

繁栄爆弾とは!たぶんハワイが警報を発することだろう。

しかし、これらの全ての批評家たちに欠けているのは、過去30年間に経済が劇的に変化したという視点だ。労働者や市民、都市、州、さらには国の政府ですら、誰もがより良い仕事とより良い収入を得るために競争を繰り広げている。中国が猛烈な勢いでAI人材を米国から本土に連れ帰ろうとしているのは、イリノイ州が従業員給与に対する課税戦略を狙って、Amazonに対する提案を行っていることと類似の戦略なのだ。

Amazonのプロセスへの各都市からの対応は、私が把握している限り以下のようなものだ:北米の238都市は、わずか数週間で、Amazonを自分たちの地域に呼ぶために提供できるものに関する、それぞれの提案書をまとめ上げることができた。ボストンはグリーンライン(鉄道)をSomervilleに延伸するまでに、数十年もの年月を費やしたがSomervilleに対する誘致案をまとめるために必要だったのはわずか数週間だった。

これが私が好感を持ち始めた、政府の意思決定の速さだ。

こうした政府へのアプローチ方法は、いまや物事を成し遂げる唯一の方法になり始めている。YIMBY(Yes In My Back Yard:何かの開発(主に新しい住宅)を支持する)運動が過去2年間に学んだように、サンフランシスコの1棟のアパートの承認を得るために、何百時間もの議論が必要になる可能性があるのだ。しかし、都市が雇用や投資のために競争するときには、ほとんど即座に決定を下すことができるように見える。

批評家たちはしばしば、税収の点にのみ着目するが、一方これらの経済開発提案が、他の手段では陽の光を当てることができないような、インフラストラクチャプロジェクトのライフラインであるという事実には目を向けようとしない。

GEの新しい本社に対する、ボストンの入札を考えてみよう。もちろん、 ボストンは約2500万ドルに及ぶ固定資産税の優遇を提案した。しかしGEの動きはまた、様々なインフラ整備に資金を回すための動機となった。その中には Northern Avenue橋と新しい自転車専用車線も含まれる。この橋は、ボストンの中央商業地区にアクセスする車両や歩行者にとって大切な経路となっているが、何年もの間、資金を集めることができなかった。

理想的には、政府はこうした種類のインフラプロジェクトやコミュニティの改善について、議論し、投票し、資金を提供することも可能だ。しかし現実は、逆RFPプロセスのような、時間に迫られた外圧がなければ、都市や州がこれらのプロジェクトを進展させることは、ほとんど期待できないということである。米国流民主主義の中では、議論は文字通り永遠に収束しない可能性がある。

したがって、もしあなたが市長または経済計画担当者だったなら、こうした(逆RFP)プロセスをツールとして活用して、成果をあげることができるのだ。新たな雇用と税収の魅力を利用してインフラ支出を促進し、頑固な市議会を説き伏せて再開発を行う。その「繁栄爆弾」を使って、都市景観の古い部分をアップグレードし、都市を将来に向けて準備するのだ。より健康的で、より人間的な都市が、すぐそこに待っているかもしれない。

さて、これらの逆RFPには多くの批判があり、その中には良い点を突いているものもある。例えば、構築されるインフラストラクチャーや提供されるインセンティブが、最終的にはコミュニティ内の市民ではなく、企業にとって役立つものになるという意味で、それらは非民主的なものとなる可能性もあるというものだ。

しかしAmazonやその他のハイテク企業の場合、その技術従業員たちの流動性は高く、質の良い都会的な設備を備えた街を選ぶ傾向があるため、会社だけが便益を得るということは考えにくい。もしAmazonがやってきて「税金を減額し、大量輸送手段を削減せよ」と言ったなら、彼らは雇用したいと思っていた様々な人材を取り逃すことになるだろう。言い換えれば、ここには市場としての制約があり、Amazonの都市に対する目標は、都市の住人たちと多くの点で一致しているのだ。

また別の批判は、税制上のインセンティブそのものを巡るものだ。企業が場所を移動するために、政府が補助金を与えるべきかどうかは、意味のある問いかけである。特に企業と都市がお互いを活用している場合には。だがそうであったとしても、企業への補助金は特に目新しいものではなく、彼らが煽り立てるような問題でもない。

企業への補助金を、何年にも渡って監視している非営利団体のGood Jobs Firstは、およそ400社が5000万ドル以上の補助金を受け取っていることを示すデータを所有している。実際に、こうしたプログラムは何年も継続しており、中には非常に筋の悪い事例も見かけられるものの、経済開発補助金を効果的に活用した都市の成功事例も、沢山存在している。

最後に、「繁栄爆弾」の人びとがいる(別名反成長主義者としても知られている)。ビジネスを誘致する際に都市が直面する課題は、こうした人たちへの対処である。こうした人たちは新しい建築に反対し、新しい住宅に反対し、次世代の世界的都市への成長を契機を掴む代わりに、過去の「住民にやさしい」都市像に必死でしがみつこうとする。

そうした人たちに言いたいことは:では「すぐに投票しよう」だ。

これらのプロジェクトでは誰も不利益を被る必要はないし、ゼロサムである必要もない。しかし、都市はもはや、労働者や企業に場所の選択肢がなく、結果として最適ではない都市を受け入れる結果になるような行動を、この先取ることはできない。現実には、市場の働きにより、あまり野心を持たない都市は、21世紀に向けて大胆な開発を行うビジョンを持った都市の影に、隠れてしまうだろう。結局のところ、その選択肢は都市が握っているのだ。Amazonではない。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: CHRISTOPHER FURLONG/GETTY IMAGES

GithubやStack Overflowを毎日モニタして企業が求める人材を探すHireSweet

エンジニアの雇用は非常に面倒な仕事なので、最近はその面倒な部分を人工知能にやらせようとする企業がとても多い。中でもここにご紹介するフランスのHireSweetは、あなたの会社への求職など考えたこともなかった人びとの中に、候補を見つけようとする。

HireSweetはGitHubやStack Overflowなど、技術者たちが多く集まるプラットホームやコミュニティをスキャンして、求める人材を探す。同社が調べるのは、プロフィールの内容などもっぱら非定型データで、それらからデベロッパーをそのスキルやプロジェクト、適応能力などで分類する。そして毎日ユーザー企業の人事部に、選んだ候補のプロフィールを送る。

同社との会話を開始するには、まず同社サイトにあるテンプレート使ってメールを書き、それを送る。あとは、待てば海路の日和あり、毎日同社からの報告を待って、採用候補を選ぶ。

GitHub上で活動が活発なエンジニアは優秀な人が多いけど、彼らは必ずしも新しい仕事を探していない。しかしHireSweetはそこを一歩踏み込んで、ユーザー企業がそんなエンジニアを引き抜けるよう、努力する。

求職者との面接の前にGitHubのリポジトリやStack Overflowへの回答の投稿を調べる企業は多い。でも、それらの調べる作業は、その企業が自分でやろうとすると、たいへんである。

しかしHireSweetは、車輪の再発明をしているのではない。同社は、時間がかかって非効率なプロセスを自動化サービスに変える。それだけでも、良い候補が見つかる確率は高くなる。

同社は最近180万ドル(150万ユーロ)を、Global Founders Capital, Kima Ventures, Bpifrance, TheFamily, およびDavid Bizer, Yannis Yahiaoui, Yves Weisselbergerのようなエンジェルたちから調達した。

HireSweetの今の主な顧客は、Doctrine, eFounders, Deezer, Nokia Health, Sqreen, CallDeskなどだ。今はフランスの企業が多いが、ゆくゆくはアメリカおよびその他のヨーロッパ各国にも顧客を見つけたいと思っている。得られた資金は、そのため…顧客開拓…に使う予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

世界のソフトウェア技術者たちは、いま幾ら稼いでいるのか?

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ハイテク従事者のための求職プラットフォームを提供しているHiredの、データサイエンスチームが、新しい研究を発表した。そこにはサンフランシスコ在住のソフトウェア技術者の収入が、米国の他の都市や世界のそれに比べて高いにも関わらず、生活が段々苦しくなっている様子が示されている。

28,000件のインタビュー要求と、Hiredプラットフォーム上で5000社以上の企業から4万5000人の求職者に提供された仕事に基き、Hiredのデータチームはベイエリアのソフトウェア技術者の平均年収は、13万4000ドル(2月10日時点で約1500万円)であると算出した。これは国内のどのソフトウェア技術者よりも高額だ。これに続くのがシアトルで、エンジニアに対し平均で12万6000ドルを支払っている。ボストン、オースティン、ロスアンゼルス、ニューヨーク、およびワシントンD.C.を含む他のハイテクハブでは、ソフトウェア技術者たちは、平均11万ドルから12万ドルの年収を受け取っている。

しかし高額のサラリーが、「シリコンバレー」や特にサンフランシスコの、驚愕すべき額の家賃や、高騰する生活費に対して十分かと言えば早計だ。実際、HiredのリードデータサイエンティストであるJessica Kirkpatrickによれば、生活費を加味すると、今やサンフランシスコはソフトウェア技術者たちにとって、最も賃金の安い場所の1つなのである。彼女の分析によれば、オースティンの技術者の平均年収である11万ドルは、テキサスの広大な州都での使い勝手を考えると、ベイエリアの技術者に換算して19万8000ドルに相当する。同様のことはオーストラリアのメルボルンでも成り立つ。ここではソフトウェア技術者は相対的に低額の10万7000ドルを受け取っているが、サンフランシスコでの給与に換算すると15万ドルに相当する。

実際に、Hiredによれば、サンフランシスコ以外のマーケットの「求人候補の多く」が、移住候補者を引き寄せ雇用しているということだ。Kirkpatrickによれば、オースティンでは、求人の60%はテキサス州外の人びとによって満たされている。

(新しい都市に移住しようとする候補者たちは、多くの場合、地元の候補者たちよりも(Hiredによれば)給与が高くなるということにも留意すべきだ。特に、ヨーロッパ、カナダ、そしてアジア市場でこれは顕著で、驚くべきことに非地元候補者たちは、地元候補者たちに比べて、57%も高い収入を得ることができる場合があるのだ)。

偏見がもたらす給与差

Hiredの研究では、16の主要都市におけるデータサイエンティストやプロダクトマネージャーの給与とその時系列に沿った変遷といった、他のデータも探求されている。しかし、私たちの強い興味を惹くのは、給与や雇用慣行に対する偏見の影響に焦点を当てた、また別のセクションだ。これはHiredがおよそ1年前から、求職候補者から集め始めたボランタリーなデモグラフィックデータで、候補者の属性が求める給与と、受け取った給与にどのように影響しているかを分析したものだ。

もちろん、偏見は目新しい話ではない。実際、求人サイトであるIndeed.comによって火曜日にリリースされた調査結果によれば、ハイテク分野における米国の労働者の4分の1は、人種、性別、年齢、宗教、性的嗜好に基づく差別を感じていると述べている。女性回答者の約29%が差別を経験したと述べているが、男性回答者の場合は21%である。一方、白人従業員の22%が差別を感じているのに対し、アジア人と非白人の従業員は32%が差別されたと述べている。

Hiredの新しい調査が明らかにしたのは、偏見が日常の出来事だけでなく、給与にも反映されているということだ。そのデータによれば、例えば、黒人のソフトウェア開発者たちがエンジニアリングロールに応募して11万5000ドルを受け取るのに対して、同レベルの経験を持つ白人候補者たちの場合は12万5000ドルを受け取っている。

ラテン系とアジア系のソフトウェア技術者たちでも、平均してこの数字は白人に比べて少し低い。平均してそれぞれ12万ドル、12万2500ドルとなっている。

また若い候補者も、熟練候補者よりは低額になる傾向があるが、年齢に対する給与のピークは45歳で、その先は低下が始まっている。特に、Hiredプラットフォーム上では、25歳から30歳の求職候補者は、平均して10万2000ドルを得ることになることに対し、45歳の求職者は14万ドルを得ることになる。しかし、50歳から60歳の間の候補者の場合、給与は13万ドルへと低下する。

「その理由の一部は、(高齢の従業員は)旧式の技術に対して訓練を受け専門化しているからですが…」とKirkpatrickは語る。「しかし同じような職種を探す場合でも、この傾向は同様なのです」。45歳を超えた技術者たちは、加齢に対する対価を支払うことになる。

1つ興味深い捻れが観察されている。雇用する企業は多様性の価値に気が付つつあるようなのだ。すなわち、黒人候補者は白人候補者よりも明らかに低い給与を受けるものの、プラットフォーム上では黒人候補者の人気は高く、白人候補者よりも高い確率で雇用されるのだ。

Hiredによれば、残念ながら、ラテン系やアジア系候補に対しては、これは成り立っていない。

完全な報告はここで読むことができる。

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(翻訳:Sako)

Amazon、米国内で10万人を新規雇用へ―トランプ次期大統領、早くも功績を強調

Tech CEO's meets with President-elect Donald Trump at Trump Tower December 14, 2016 in New York . / AFP / TIMOTHY A. CLARY        (Photo credit should read TIMOTHY A. CLARY/AFP/Getty Images)

ドナルド・トランプが正式にアメリカ大統領に就任するまでまだ1週間ほど先あるが、トランプ政権は早くもアメリカ国内の雇用増加の実績を誇ろうとしている。これまでのところで目立つのはインディアナ州に所在する空調設備大手のCarrierと日本のテレコムの巨人、SoftBankの計画だ。

今回、職の創造に関するトランプ政権のヒットは意外なところからやってきた。今週、Amazonは、向こう1年半でアメリカ国内で10万人を新規雇用する計画を発表した。Amazonによれば、同社は過去5年間に15万の新たな職を作ってきたという。

たしかに巨大なスケールではあるが、さまざまな分野でのAmazonの急速な成長を考えるとある程度予想できた数字だ。プレスリリースでAmazonのCEO、ジェフ・ベゾスは新規雇用は主としてフルフィルメントセンター、ロジスティクス、クラウドテクノロジー、機械学習の分野で実現されるだろうと述べた。

トランプ・チームはこれまでAmazonに対して批判を繰り返してきたが、今回は素早く歓迎の意向を発表した。アメリカ国内における職の確保は次期大統領が選挙戦を通じて公約としていた重要項目だ。

今日(米国時間1/12)、ショーン・スパイサー次期大統領報道官はメディア向けカンファレンス・コールで次のように述べた。

今回のAmazonの発表に先立って、次期大統領はテクノロジー業界のトップ経営者グループと会談し、アメリカ国内における職の確保と増大に留意するよう要請している。次期大統領はAmazonの意思決定になんらかの役割を果たせたと考えて満足している。

スパイサーが指しているのは最近ニューヨークのトランプ・タワーで開催された会談だ。これにベゾスも出席したが、トランプは選挙戦を通じてAmazonのビジネスを批判し続けた。トランプはベゾスとAmazoはの「大型の独禁法違反」や「租税回避」を行っていると非難し、「大統領に当選したなら厳正に対処する」と脅していた。

ベゾスは(多少の皮肉も含まれていただろうが)「トランプについては様子を見る必要がある」としていた。

その後ベゾスとトランプという大富豪の間にはロマンスが芽生えたのかもしれない。ベゾスはトランプとの会談で和解的な(少なくとも希望を交えた)会話を試みたようだ。会談後、プレスに次のように語っている。

次期大統領ならびに政権移行チーム、テクノロジー業界のトップとの今日の会談はきわめて生産的なものだったと思う。次期政権がイノベーションを政策の重要な柱とするという見解に私は同感だ。イノベーションはテクノロジー産業のみならず農業、製造業、インフラその他あらゆる面でアメリカの雇用を大きく増加させるだろう。

もちろんAmazonは新規雇用の理由として同社の成長も指摘するだろうが、計画発表のタイミングはトランプ・チームにとって追い風となった。われわれはAnazonに対してスパイサー次期報道官の説明にあった「大統領が果たした役割」が実際どのようなものであったか問い合わせている。

〔日本版〕トップの写真はドナルド・トランプとテクノロジー業界のリーダーの会談を撮影したもの。テーブル正面にトランプ次期大統領、向かって左にペンス次期副大統領、Facebookのシェリル・サンドバーグ、Googleのラリー・ペイジ、テーブルの角にAmazonのジェフ・ベゾスが見える。トランプの向かって右隣は政権移行チームの重要メンバーでこの会談の人選をしたといわれるベンチャー・キャピタリストのピーター・ティール、その右がAppleのティム・クック、Oracleのサフラ・カッツ。会談にはTeslaのイーロン・マスク、Microsoftのサティヤ・ナデラ、IBMのジニ・ロメッティーらも参加している。Googleからはエリック・シュミットも出席した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

PinterestがGoogle出身のイメージサーチの専門家を、エンジニアリングヘッドとして迎えた

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Pinterestは、Googleのイメージサーチのヘッドを務めていたLi Fanを、エンジニアリングの新しいヘッドとして雇用したと発表した。

Pinterestの最も特徴的な技術は、検索によるものか従来のフィードに由来するものかに関わらず、写真内のオブジェクトを検索し、その技術を使って利用者に最も相応しいコンテンツをランク付けて表示するというものである、そうしたプロダクトを検索するユーザーは、ほぼ間違いなくそれを購入したいと考えている。それが意味することは、利用者の関心と商用プロダクトの両方に対して、提示されるプロダクトが重要だということだ。

Pinterestの商取引に対する野望が拡大するにつれ、このことはますます重要になっている。ユーザーに写真内のオブジェクトを検索する機能を提供すれば ‐ たとえユーザー自身が撮影したものであっても ‐ それは購入にとても興味のあるプロダクトへと彼らを導いてくれる。その意味で、Pinterestのビジュアルサーチ(Pinterest自身が他のものより素早く抜きん出たものになろうとしてきたもの)はマーケティング担当者にとって、ユーザーを購入の瞬間により引き寄せるために使える最高のツールの1つになりつつある。

PinterestのエンジニアリングのヘッドのLi FanPinterestのコンテンツのほとんどはビジネスから来ている、プロモーションコンテンツだったりユーザーが単にプロダクトをサービスに対してまとめて投稿したものだ。その結果、マーケティング担当者が自身のプロダクトを様々な状況 ‐ ランダムに見たり、検索したり、保存して購入したり ‐ 下でユーザーの前に提示することを助ける幅広い宣伝ツールを、Pinterestは用意している。

またPinterestは、プロダクトを宣伝するマーケティング担当者と、Pinterestユーザーの両方を対象にして、ビデオに焦点を当てた新しい一連のツールも提供し始めている。驚くことではないが、それらの製品のコアコンポーネントとして、動画内の要素に対するビジュアルサーチツールが開発され続けている、そしてビジュアルサーチの専門家でスタッフを強化し続けることが、そうした努力への鍵となるだろう。

同社のエンジニアリングの前ヘッドだったMichael Lopp(2014年6月入社)は、 今年初めの4月中旬に同社を去っている 。過去数年間で去って行ったのはLoppだけではない。同社のモバイルならびにプロダクトエンジニアリングのヘッドとして10ヶ月働いたMark Smallcombeの例もある

Fanは過去8年ほどGoogleでシニアエンジニアの役割を果たしたが、その前はBaiduの検索担当副社長だった。

ということで、最終的にこの人事は驚くようなものではないのだ。しかし興味深いのは、表向き静かな1年を過ごしてきた後で、Pinterestがとても積極的な買収と雇用に乗り出したように見えることである。同社は最近InstapaperHighlightの開発チームを獲得した、沢山のより小さな会社に関しては言うまでもない。

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(翻訳:Sako)

職場にもっと多様性を、まずは技術職から

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テクノロジー業界が性別、人種、民族や年齢において多様性を欠いているということは周知の事実だ。主要なテック業界の公開しているデータによると全従業員における女性の占める割合は25から45%でしかない。この格差は技術系の職種になるとさらに悪化する。Anita Borg Instituteの実施したTop Companies for Women Technologistsの調査によると、過去の5年間に渡り、技術系における女性の占める割合は 21%のまま全く動いていない

他の、人口構成比的に少数のグループに関しても結果は似たり寄ったりである。テクノロジー企業において、ヒスパニックの雇用は最高で11%であり、黒人に至ってはたったの2から8%だ。先ほど同様、技術職では、数値はさらに低下する。テック業界公表の雇用の多様性に関するデータによると、ヒスパニックでは2から8%、黒人では1から7%にもなる。

女性はテック業界においては、マーケティング、人事、会計や他の部門で多くの役割を果たしている。それ自体は良い傾向であるが、この業界の性格差を埋めるまでには至らない。なぜか。それはほとんどすべての企業において、最も雇用が増えているのが技術職だからだ。もし我々が今、女性が技術職を志向することに二の足を踏ませ続けるのであれば、この格差は今後どんどん開いて行くだろう。

2016年の今、全ての会社がテック企業だ

今日では、全ての会社がテクノロジー企業であり、全ての産業が生産性と革新性の向上をテクノロジーに依存している。金融機関、小売り業、メディアは技術者の採用を増やしており、多業種に渡って、非技術系の部門、例えばマーケティング、人事や会計などもどんどん専門の技術者への依存度を高めている。

テクノロジーのあらゆるビジネス領域への拡散はとどまる兆しを見せず、企業や機関の技術部門では、多様で才能あふれる人材をリクルートし、雇用、昇進させることが大変重要な意味を持つ。

また、単なる事実として、技術職は他のポジションに比べて、条件が良く給料が高い。より多くの女性および社会的に比率の低いグループの人々を技術職につけることが今ある格差を埋める上での鍵となる。

技術職における男女間の格差

なぜ技術系の従業員が特に重要なのだろうか。その点を説明するため、シリコンバレーにおいて著名なテック企業であるインテルに目を向けてみよう。インテルは今年度初旬に多様性とその受け入れに関する年次報告を公表した。

テルのアメリカ内の技術系従業員中で女性の占める割合はたったの20.1%だ。背景を説明するなら、インテルのアメリカにおける従業員のうち、何と86%が技術職である。

女性技術者をリクルートし、雇用、昇進させることは単に正しいだけでなく賢い選択だ。

インテルにおいては新規雇用の大半が技術職なので、同社はまず、技術職の均等雇用に取り組まねばならない。もしインテルの技術系従業員の男女比が同等であったなら、会社全体における性格差は今日存在しないだろう。

企業が特に技術職において雇用の多様化に取り組まない限り、組織全体に渡る男女の均等雇用などは夢物語に終わるだろう。

女性の昇進には過大な要求が立ちはだかる

女性はテクノロジーの分野で職を得るのが容易ではないが、昇進にはさらなる困難が待ち受ける。女性が上級職に昇進するためのハードルは男性の場合よりずっと高く設定されており、さらには女性は数学や科学が苦手だという考えが根強く浸透している。

その証拠に、Sequoia Capitalの投資家であるMichael Moritzのコメントを紹介しよう。この男性の意見では、もしテック業界にもっと才能のある女性がいるのであれば、そう言った人材はもう雇用されているだろうし、自分的には職場の多様性の確保だけを目的に採用基準を下げるつもりはない、ということだ。しかし、そのような採用基準とは一体なんだろうか。テックに職を求める女性はコンピュータ科学や工学の学位を持っているが、どうやらこの基準はこの男性には当てはまらないようだ。というのも、彼が持っているのは歴史の学位だったからだ。

この様な女性に対する一般的態度と、その結果テック業界で働く女性がいないことは大変嘆かわしいことだ。しかし、この様な問題があっても、女性のビジネスや社会における進出は目覚ましものがあり、その指導力は着実に高まっている。例えば、今年度のインテルのScience Talent Searchでは、最終選考に残った半分以上、さらには受賞者3人中2人が女性だった。

世界の知的資本の半分は女性であり、女性の参加により経済成長は飛躍的に増大することが可能だ。この事実を無視することは企業にとって損失だ。現代のようなペースの速い、過当競争下のグローバル市場で成功するには、企業は継続的に変革を続けなければならない。そして、多様性ほど変革を促進するものはない。女性の技術者をリクルートし、雇用、昇進させることは単に正しいだけでなく、賢明な選択なのだ。

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(翻訳:Tsubouchi)