台湾Gogoroが電動バイク用交換式全固体電池パックのプロトタイプ発表、容量はリチウムイオン式の1.47倍

台湾Gogoroが電動バイク用交換式全固体電池パックのプロトタイプ発表、容量はリチウムイオン式の1.47倍

Gogoro

電動スクーターの開発販売とバッテリー交換ステーションの運営している台湾のGogoroが、世界初となる電動二輪用交換式全固体電池を発表しました。現在はまだプロトタイプの段階ですが、Gogoroは「将来的に商用製品に発展させることを楽しみにしている」と述べています。

電気自動車などで使用される大容量の充電式バッテリーは、その容量の大きさからリチウムイオン電池が主流になっていますが、可燃性電解液を使用するため熱や変形などによって発火のリスクが高い問題があります。一方全固体電池は電解液ではなく固体の電解質を使用して電極間を接続するため、先に挙げたリスクが小さく、小型軽量化、高エネルギー密度化できると期待される次世代の充電池です。

Gogoroが同じ台湾のProLogium Technologyとの提携により開発したという全固体電池式(プロトタイプ)は内部にリチウムセラミックを使用したもので、Gogoroの電動スクーター用交換バッテリーパックと互換性を持たせて設計されています。そしてその容量は従来のリチウムイオン式の1.7kWhに対して2.5kWhとされ、1.47倍の容量アップを果たしています。

Gogoroは台湾だけでもすでに1万か所以上のバッテリー交換ステーションを設置しており、45万人を超える人々がサービスを利用しているとのこと。台湾の電動二輪車の95%がGogoroのバッテリー交換システムを使用しており、全体のバッテリー交換回数は累計2億6000万回を超えているとのこと。

まだ試作段階ではあるものの、台湾でこれほどに浸透したシステムで利用可能になれば、より大容量かつ安全、航続距離も伸びるであろう全固体式へのシフトはあっという間に進むものと考えられます。

またバイク向けで実用化・普及すれば、バイクよりも航続距離延長と軽量化の需要が高い電気自動車向け全固体電池の実用化にもGogoroとProLogium Technologyの技術が大きく寄与する可能性もあるかもしれません。

電気自動車向け全固体電池の実用化にはまだ数年の期間が必要と言われており、世界各国の自動車メーカーやベンチャー企業などが材料や内部構造を工夫して最適解となるもの生み出すべく開発競争を繰り広げています。

(Source:GogoroEngadget日本版より転載)

折りたたみ電動バイクのシェアリングサービスShaeroが3億円調達、2022年夏に200ステーション開設を目指す

折りたたみ電動バイクのシェアリングサービスShaeroが3億円調達、2022年夏に200ステーション開設を目指す

折りたたみ電動バイクのシェアリングサービス「Shaero」(シェアロ。Android版iOS版)を運営するシェアード・モビリティ・ネットワークスは2月21日、第三者割当増資による総額3億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は国内投資家。累計調達額は6億円となった。調達した資金により、2022年夏に200ステーション、2023年夏には600ステーション開設を目指す。

今後は、東京を中心とした関東エリアで拡大するとともに、地方都市へのシェアロの展開や、より幅広い年齢層の方が乗れる小型EVによるシェアリングサービスの開発を行っていく予定という。

Shaeroは、2021年9月にサービスを開始。2022年2月16日時点で、東京23区を中心に65ステーション設置が完了している。利用したい際には、専用アプリをダウンロードし、まずは無料の会員登録を行う(利用には原動機付自転車の運転免許証が必要)。アプリから貸出可能なバイクのある最寄りのステーションを検索してその場で予約、あとは15分以内に乗りに行けばいい。返却は、目的地周辺の返却可能なステーションを予約して、バイクを戻せば完了。起動の方法や折りたたみ方法、充電方法などの細かい手順は、アプリを見ながらワンステップずつ確認できる。

2019年7月設立のシェアード・モビリティ・ネットワークスは、環境負荷の少ない電動⾞両(EV)を⽤いて、都市部を中⼼にシェアリングサービスのネットワークを構築することで、都市部のラストワンマイルの移動⼿段として新しい選択肢を提供することを⽬的としているという。都市部の混雑する移動の緩和に加え、将来的には地方での生活の足となるような新たな交通手段として利用してもらえるよう考えているそうだ。移動手段を変化させることで、個々のライフスタイルをより自由に、環境的にもより持続可能な暮らしを実現させるとしている。

スウェーデンとケニアの企業Opibusが初の大型EVバスのテスト開始、2023年の現地展開開始を目指す

スウェーデンとケニアのEV(電気自動車)スタートアップ、Opibus(オピバス)は、初の電動バスがケニアの公道に登場し、同社の大量輸送事業への挑戦の始まりを記した。Opibusが電動乗合バスを発売する計画を初めて発表したのは、2021年のプレシリーズAラウンドで750万ドル(約8億5000万円)調達したときだった。

現在、同スタートアップは、2022年中にケニアで、2023年末までにアフリカ全土でEVバスを商業運行することを目指してパイロットテストを行っている。

Opibusは過去5年間、既存のガソリン車とディーゼル車が時代遅れにならないよう、電動式に切り替える事業を行ってきた。EVには、輸送コスト削減やゼロ炭素排出などさまざまな恩恵がある。2017年にFilip Gardler(フィリップ・ガードラー)氏、Filip Lövström(フィリップ・ラブストロム)氏、Mikael Gånge(マイケル・ゴアンゲ)氏の3人が設立したこのスタートアップは、これまでに170台の車両を電動式に改造してきた。顧客は採掘会社や旅行会社などさまざまだ。

現在、同社はEVおよび、それを支える公共充電ステーションなどのインフラストラクチャの構築へと徐々に事業転換している。Opibus電動バスの価格は、新車が10万ドル(約1143万円)、改造(パイロットプログラムで利用している)なら6万ドル(約686万円)だ。

「1年目の2022年は、ナイロビで10台のバスを商用テストする予定で、プロダクトが市場にフィットし、利用パターンに最適化されていることを確認します。そこで重要なフィードバックを得た後、必要な変更を行い、生産パートナーを全員揃えてできるだけ早く量産に入ります」とOpibusの戦略・マーケティング責任者であるAlbin Wilson(アルビン・ウィルソン)氏がTechCrunchに話した。

Opibusは電動バスと電動オートバイの製造を専門にしている(画像クレジット:Opibus)

Opibusは、同社の製品は地元で設計、製造することで市場に低価格で届けられる競合優位性があると言っている。さらに、現地生産であることは、地元市場のニーズに合わせた製品を作れることを意味している。

「私たちの戦略は、価格、耐久性に優れ、この地域で入手しやすいバスを設計、開発することです。迅速なスケールアップが可能で海外、現地両方のメーカーを活用できる製品を作っています。つまり、当社の設計はアフリカ大陸全体で容易に実現可能であり、製品は利用場面に向けて最適化され、非常に費用効率に優れています」。

現在同社は、パートナーシップを通じて他のアフリカ地域に目を向けており、大陸全体でのEV普及を推進しようとしている。

例えば2021年1月に発表されたUber(ウーバー)のOpibusとの提携では、同スタートアップが製造した電動オートバイ最大3000台を、2022年中にアフリカ諸国に展開する予定だ。

ケニアのEV市場は芽生えたばかりで、ここ数年新たなプレイヤーが惹きつけられており、2021年11月にケニアでデビューを飾ったBasiGo(バジゴー)もその1つだ。BasiGoは最近、大量輸送EVバスを2台、パイロットのために輸入しており、中国のEVメーカーBYD Automotive(比亜迪汽車)の部品を使用して電動バスを現地生産する計画だ。BasiGoのバスは25人および36人乗りで航続距離は約250 km、一方Opibusのバスは51人乗り、航続距離は120 kmとなっている。

画像クレジット:Opibus

原文へ

(文:Annie Njanja、翻訳:Nob Takahashi / facebook

CESに登場したEV充電企業は家庭での充電を高速化、V2G、コネクティビティを推進

EV充電企業各社はここ数年間、CESで自社商品を展示してきた。2022年は、利害関係、そしてオポチュニティの度合いが若干高まっている。

数年以内に数十車種もの電気乗用車や商用車が市場に投入されると予想されており、EVはメインストリームになりつつある。より大きな市場には価格がついてくる。メインストリームの消費者は、ガスの燃料補給時間に匹敵する充電時間を期待し、優れたユーザーエクスペリエンス設計には慣れている。そしておそらく、ピーク時とオフピーク時のエネルギーグリッド時間について考える必要性はなかったであろう。

2022年のCESに登場した充電企業や小規模スタートアップはこのシフトを認識しているようで、迅速性、コネクティビティ、利便性、設置の容易性、電力網との連携において向上が図られたプロダクトのピッチを行った。特筆すべき点として、この大きな顧客基盤へのリーチに注力するEV充電企業各社は、商用車の充電から家庭での充電、Vehicle-to-Grid技術から充電器の広告スペースの収益化に至るまで、あらゆるユースケースに対応できるように設計されたプロダクトを披露している。

世界のEV充電器市場は2020年の32億3000万ドル(約3721億円)から2025年には110億ドル(約1兆2671億円)近くに成長すると予測されている。業界にはまだ新規参入者のためのスペースが残されているものの、その多くはデモやニュースでCESを飾ることはなかった。CESで技術を顕示した小規模企業は、独自のソリューション、豊富なコネクティビティ、充電速度のアップグレードという点で際立っている。

Blink Charging(ブリンク・チャージング)

Blinkは2022年、4つの新しい充電プロダクトを発表した。1つはDC高速ウォールマウント充電器であり、残りの3つはレベル2充電器で、フリートおよびマルチユニット用、家庭用、広告ディスプレイの統合用にそれぞれ設計されている。すべての充電器には、4G LTEおよびWi-Fi接続に加えて、フリート管理統合、負荷共有技術、エネルギー使用管理などのスマート性能が備わっている。

Blink MQ 200、フリートEV充電ステーション用

フリート、ワークプレイス、マルチファミリー向けに特別に設計されたこの50アンペアの充電器は、プラグアンドチャージ機能が搭載されており、車両から充電ステーションへの一意かつ暗号化された情報の流れを通じて車両の識別を自動的に行う。この機能は、その名前が示すように、ドライバーがプラグインするだけで充電セッションを開始できることを意味する。

2022年の第1四半期末までに利用可能になる「MQ 200」には、複数の充電器にまたがる直接ユーティリティ通信およびローカル負荷管理のためのスマートグリッド機能が付属しており、一回線に2〜20台の充電器を設置することができ、夜間のフリート充電に理想的である。また、Blink充電器をクラウドに接続するソフトウェアであるBlink Network(Blinkネットワーク)や、CESでローンチされたBlink Fleet Management Portal(Blinkフリート管理ポータル)とも通信する。同ポータルでは、フリート管理者向けに、充電および負荷管理、充電器、車両、ドライバーを追跡するダッシュボードを提供している。

Blink HQ 200、次世代家庭用充電器

「HQ 200」はBlinkの最新の家庭用充電器で、前世代の30アンペアから50アンペアのレベル2充電器にアップグレードされた。他のEV充電企業でも見られるように、家庭での付加的な電力供給は、各社が充電時間を短縮する方法を求めて競い合う中、2022年のトレンドとなっている。

消費者は基本的な充電器を選ぶ傾向にあるとはいえ、このスマートなWi-Fi対応バージョンは、実に私たちを魅了するものである。HQ 200はBlink初のV2G(Vehicle-to-Grid)技術搭載充電器の1つであり、ピーク以外の時間帯にはEVを充電し、ピーク時にはEVのバッテリーに蓄えられたエネルギーを電力網に戻すことができる。

HQ 200はさらに、Blink Mobile App(Blinkモバイルアプリ)に接続することで、即時の充電開始、充電時間のスケジュール設定、リマインダーの設定も可能になる。2022年の第1四半期末までに利用可能になる予定である。

同時に2台充電できるDC高速ウォールマウント

50キロワットのDC高速ウォールは、壁に取り付けたり、台座に設置したりすることができ、さらに同時に2台の車を充電することが可能で、車両、小売店、街角での充電、交通量の多い場所での使用に最適なものとなっている。最大出力150アンペア、V2G技術、10インチのタッチスクリーンディスプレイ、そして時間、キロワット時、あるいはセッションごとに課金する機能を備えている。また、Blink Networkを介したリモート管理とエネルギー使用量レポートが可能となっている。メンバーカード、RFIDクレジットカード、またはモバイルアプリを持つユーザーは、RFIDリーダーを使用して充電を開始することもできる。

「DC高速充電の予算がないと感じている店舗にとって、プライスポイントも魅力的になるでしょう」とBlinkの広報担当者はTechCrunchに語っている。「現在の既存の機器は通常3万5000ドル(約400万円)からですが、DCウォール50キロワットのコストは2万ドル(約230万円)未満です」。

Vision IQ 200(ビジョンIQ 200)、広告用

このレベル2充電器には、ダイナミックデジタルメディアディスプレイ用の30インチLCDスクリーンが1つまたは2つ付属している。小売店、ホスピタリティ事業、自治体施設や交通量の多い場所に理想的なフルサービスの広告性能を備えている。不動産保有者には充電と広告収入の両方の収益分配機会が提供され、後者はサードパーティーベンダーを通じて管理される。

「Vision IQ 200」は、80アンペアのIQ 200の充電器を1つか2つ搭載しており、RFID、Apple Pay、Google Walletおよびすべての主要クレジットカードによる支払いが簡単にできる他、リモート管理やリアルタイムのエネルギー使用状況レポートなどのスマート機能も備えている。

Blinkによると、DC高速ウォールは年内に利用可能になる予定である。

E-Lift(Eリフト)

E-LiftはCESで、カスタマイズ可能な新しいポップアップ式充電ステーション「E-LIFT GS」を発表した。このオランダの会社は、近くこれを北米でローンチすることを目指している。この小さなステーションには同時充電用のプラグが最大4つ付属しており、E-LiftのSustainable and Smart Energy Management System(SENSE、持続可能でスマートなエネルギー管理システム)に接続するセンサーを装備することができる。

SENSEプラットフォームは、ユーザーのモビリティとエネルギーのニーズを管理するシステムとして機能する。同社は声明の中で、顧客は遠隔地からログインして、モビリティとエネルギー消費データのモニタリングと管理を行うことが可能で「費用対効果の高いエネルギー転換が実現し、再生可能エネルギー資源の利用によって将来を再構築しようとしている政府や企業にとって有益なものとなる」と述べている。

JuiceBar(ジュースバー)

コネチカット州を拠点とし、Made in America基準を本格的に推進しているEV充電会社JuiceBarは、CESで同社初の家庭用充電器「Cheetah(チーター)」を発表、この名称は迅速さに由来すると同社は述べている。

Cheetahは2022年中に販売される予定で、同社によると、新しい充電器と交換される古い充電器すべてに対して1000ドル(約11万4600円)ずつ支払われるという。JuiceBarは米国とカナダで数百台の商用充電器を取り扱っており、この新しい家庭用充電器も同じ市場に投入される。

Cheetahは16、32、40、48アンペア構成で、入力電圧は120、208、240ボルトとなっている。Blinkの出力を見る限り、JuiceBarは市場で最速のレベル2にはならないが、近いところにある。CheetahはBluetooth、イーサネット、Wi-Fi、クラウド接続にも対応しており、スマートグリッドの充電に役立つ。25フィート(約7.6m)のコードが付属しており、絡まないコードリトラクターもオプションで用意されている。

家庭で充電するときの安心のために、Cheetahは二重のセーフティリレーを装備している。第1のリレーが閉じてヒューズが切れた場合に、第2のリレーが回路を開閉する。JuiceBarによると、充電器の電力は、充電器のカーボンフットプリントをオフセットする、100%認証済みのカーボン削減プロジェクトによって支えられているという。同社は初年度分のカーボンオフセットを購入することになっている。購入者はその後も、週1ドル(約115円)未満の会費でカーボンオフセットを購入できる。

Cheetahは第2四半期の終わりか第3四半期の初めに消費者向けに提供されると広報担当者はTechCrunchに語っている。当初は米国やカナダにおいて、自動車ディーラー、住宅建設業者、電力会社などの第三者を通じて販売される。

Wallbox(ウォールボックス)

Wallboxは、2022年のCESで「Quasar 2(クエーサー2)」を発表した。これは電気自動車の所有者が自宅や送電網に電気自動車を充電したり、放電したりすることを可能にするだけではなく、停電時に、それが自然災害によるものであっても、自宅を送電網から隔離し、EVをバックアップ電源として使用できる機能を提供する。Wallboxによると、Quasar 2は停電中でも3日間以上家に電力を供給できるという。

Vehicle-to-Home(V2H)機能は、特に電力料金が需要に関係する州で、EV所有者が家庭のエネルギーコストを節約するのに役立つはずだと同社は述べている。ユーザーは、レートが低いときに充電セッションが実行されるようにスケジュールを設定できる。また、太陽光発電を設置しているユーザーは、使用率が低いときにEVに余剰のエネルギーを蓄えることができる。

Quasar 2は48アンペアの電力を供給し、Jaguar I-PaceやBMW i3などの急速充電車に対応するCCS互換で、Wi-Fi、Bluetooth、イーサネット、4G経由でmyWallbox app(マイWallboxアプリ)に接続する。

Wallboxは、Quasar 2の価格を明らかにしなかったが、約4000ドル(約46万円)のQuasar 1相当になると説明した。2022年末までにローンチする予定である。

Meredot(メレドット)

この市場に出回るクルマは電気自動車だけではない。マイクロモビリティのクルマにも愛が必要だ。それこそが、Meredotが電動スクーター、電動モペッド、そしてフードデリバリーロボットや車椅子などの乗り物向けに設計された初の商用ワイヤレス充電器を発表した背景にある。この充電器は、地面の上または下に設置できる物理的なパッドの形態をとっており、受信機を搭載した車両がその上に駐車したときに充電が行われる。

Meredotは、同社のワイヤレス充電器において、マイクロモビリティOEMとフリート事業者をターゲットにしている。同社は、車を充電するための斬新で手間のかからない方法を提供したいと考えている企業向けに、自社の技術を市場に出してライセンス供与する準備が整っている。特にマイクロモビリティのフリートにとって、交換可能なバッテリーを持っていたとしても、スクーターやバイクの充電は大きなコスト削減要因の1つであり、この種の技術はゲームチェンジャーになる可能性がある。

「Meredotのワイヤレス充電器は新しい分散アーキテクチャを提供し、サイトの資本効率とスケーラビリティを向上させ、エネルギーとコストを節約します」とMeredotのCEOで共同創業者のRoman Bysko(ロマン・ビスコ)氏は声明の中で述べている。「Meredotのワイヤレス充電器は、新しいマイクロモビリティ充電エクスペリエンスのインフラ基盤となり、オペレーターとライダーの双方にメリットをもたらします」。

同社によると、従来のケーブル充電システムに比べて、同じ表面で電動スクーターを50%多く充電できるため、充電サイトのコストを大幅に削減できるという。

画像クレジット:Blink Charging

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Dragonfly)

Rivianが「冒険」を求めるユーザー向け電動バイクの商標を出願

電気自動車メーカーのRivian(リビアン)は、自転車と電動バイク、およびそれらに対応する構造部品の商標を新たに出願した。この動きは、Rivianが電動バイク需要の波に乗り、電動ピックアップトラックよりも大規模な生産が安価で、ターゲットとする「冒険」を求める顧客層に沿った製品で自社のポートフォリオを多様化しようと検討していることを示すものかもしれない。

同社はTechCrunchに対し、この件に関して共有することは何もないと語った。

企業はしばしば、最終的に使用しない製品についても商標を申請することはあるが、他の自動車メーカーは、7月までの12カ月間で240%の売上成長率を記録した電動バイク業界に価値を見出し始めている。2021年、Porsche(ポルシェ)はTaycan Cross Turismoの精神を受け継いだ2つの新しい電動バイクを発売した。BMWも最近、全電動スクーター「CE 04」のように、いくつかの電動バイクやその他のマイクロモビリティの生産計画を発表している。

関連記事
ポルシェが2台の電動アシスト自転車を発表、価格は約92万〜115万円
BMWの電動スクーター「CE 04」、同社幹部はスタイルと技術が新しい顧客をもたらすと信じている

2021年12月、Rivianは株式公開時に調達した137億ドル(約1兆5700万円)の一部を使い、ジョージア州に第2工場を建設し(第1工場はイリノイ州)、生産能力を倍増してバッテリーセル(表向きは他のタイプの車両のバッテリーにも使用できるセル)を生産する計画を発表した。

Rivian Forumsが最初に明らかにした出願書類によると、Rivianは、自社の商標の使用を以下のように拡大したいと考えているようだ。

自転車;自転車構造部品;電動自転車;電動自転車構造部品;電動自転車用に特別に適合させた部品(バッテリーパック、モーターコントローラー、電動モーター、スロットルコントロール、ペダルアシストセンサー、ディスプレイコンソール、ワイヤーハーネス、スプロケット、カセット)、チェーン;自転車フレーム;自転車ペダル;自転車ホーン;自転車ブレーキ;自転車チェーン;自転車ギア;自転車ホイール;自転車シート;自転車タイヤ;自転車クランク;自転車タグ;自転車泥除け;自転車モーター;自転車サドル;自転車ポンプ;自転車ベル;自転車ハンドル;自転車トレーラー;自転車キックスタンド;自転車シートポスト;自転車カバー、自転車ホイールスポーク;自転車ホイールリム;自転車スタンド;自転車ペダルストラップ;自転車部品(ディレイラー);自転車水筒かご、自転車キャリア;自転車タイヤ用ポンプ、自転車タイヤ用インナーチューブ、自転車部品(ディスクホイール);自転車部品(ブレーキシュー)

Rivianは最近、自動車用統合テールゲート荷台システムの特許も申請した。これは基本的に、ドライバーが荷台スペースを失うことなくピックアップ車に自転車を積めるようにするテールゲート自転車用ラックのことだ。おそらく、R1Tトラック用のアクセサリーを好んで提供する同社は、ターゲットである環境意識の高い強靭な米国人冒険家向けに全体的なパッケージをデザインしたいのだろう。

関連記事:Rivianの電動ピックアップトラックR1T搭載「キッチン」も生産体制整う

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ナイジェリアのMAXがアフリカ全域への展開とEVインフラ整備へ向けて約35億円を獲得

ナイジェリアのモビリティテクノロジースタートアップ企業、Metro Africa Xpress Inc.(メトロ・アフリカ・エクスプレス、MAX)は、シリーズBで3100万ドル(約35億円)の資金を獲得し、アフリカ大陸の交通セクターの一般化に向け、さらに多くの市場に参入する予定だ。

同スタートアップはTechCrunchに対し、2022年の第1四半期末までにガーナとエジプトに、同年末までにフランス語圏、東部および南部アフリカのその他の市場に進出するために、この資金を使う予定だと語った。また、この資金は、今後2年間で10万人以上のドライバーに車両融資クレジットを拡大するためにも使用される予定だという。

MAXは、2015年にオートバイを使って顧客の注文に応えるデリバリースタートアップとしてスタートし、その後ライドヘイリングに進出、さらに車両サブスクリプションや融資サービスなど、同社の当初のサービスのデータを基に考え出したソリューションを提供している。

同社は2018年に車両融資を導入し、わずか2年余りで、所属するドライバーによる解約率が「ゼロに近い」ほどに下がったとCFOのGuy-Bertrand Njoya(ギ=ベルトラン・ノジョヤ)氏はTechCrunchに語っている。

「我々はドライバーの業務を理解するのに時間をかけました。すると、彼らのほとんどが使用する車両を所有していないことが明らかになったのです」。とノジョヤ氏は述べた。

「そして、ドライバーが抱える根本的な問題は、車両への一貫したアクセスであることが明らかになりました。そこで、大陸全体のモビリティの課題を解決するためには、まず車両へのアクセスの問題を解決しなければならないと考えたのです」と語る。

MAXは現在、電動バイクの設計と組み立てを自社で行っている(画像クレジット:MAX)

MAXの商業銀行パートナーは現在、同社が提供するデータを信用リスク評価として利用し、ドライバーに車両購入ローンを提供している。

同社は、サービスの一部として、新市場で電気自動車のインフラを構築し、同社の顧客層に電気自動車を導入することを計画している。

「これは、高性能な技術とオペレーターを導入することで、モビリティを安全で手頃な価格で利用でき、多くの人に開けた持続可能なものにするという私たちの道のりにおける新たなマイルストーンです。この投資により、大陸の何十万人ものドライバーの生活を変え、国際展開を加速し、モビリティ分野における先駆的な取り組みを継続することができます」と、MAXの共同創業者兼CEOのAdetayo Bamiduro(アデタヨ・バミドゥーロ)氏は述べている。Chinedu Azodoh(チネドゥ・アゾド)氏は、このスタートアップのもう1人の共同創業者だ。

モビリティに関する課題へのソリューションを提供することは、常に同社の事業の中心であり、次に解決したいパズルは、運営コストを削減することでドライバーの収入を拡大することだった。

創業者たちは、電気自動車の導入が自然な次のステップであることをすぐに理解し、2019年にMAXは電気モビリティへの旅をスタートさせたのだ。同社は現在、さまざまなリースや融資オプションを通じて、2輪、3輪、4輪のEVをドライバーに提供している。

「ドライバーが最も気にかけているのは、収入を増やしてまともな生活を送ることなので、これは私たちが提供したかった追加オプションです。というのも、現在、EVはガソリン車よりも費用対効果が高いからです」とノジョヤ氏はいう。

MAXは現在、電動バイクの設計と組み立てを自社で行っている。ノジョヤ氏は、電動バイクを提供するために、大手二輪車メーカーのヤマハを含むエコシステム全体のパートナーと連携していると語った。

「ドライバーのためのクルマへのアクセスや、融資へのアクセスの分野でヤマハと協働しています。私たちの仕事とパートナーシップの成功の証として、ヤマハは今日、過去数年にわたり彼らと行ってきた仕事を背景に、アフリカ向けにドライバー向け車両融資の専門組織を立ち上げました」と同氏は述べている。

今回の資金調達は、グローバルなプライベートエクイティプラットフォームであるLightrock(ライトロック)が主導したもので、アフリカのモビリティ分野では初の投資となる。UAEに拠点を置く国際的なベンチャーキャピタル、Global Ventures(グローバル・ベンチャーズ)もこのラウンドに参加し、既存の投資家であるNovastar Ventures(ノバスター・ベンチャーズ)や、フランスの開発金融機関のProparco(プロパルコ)も、Digital Africa(デジタル・アフリカ)イニシアチブを通じてこのラウンドに参加している。

ノジョヤ氏は、このスタートアップがアフリカ大陸の何百万もの交通事業者のための、車両購入と金融サービスのプラットフォームとなることを目指している、と述べている。最近、エストニアのライドヘイリング会社Bolt(ボルト)と提携し、ナイジェリアのBoltのドライバー1万人がエネルギー効率の高い車両を購入できるよう、リース・トゥ・オウン方式を導入した。

画像クレジット:MAX

原文へ

(文:Annie Njanja、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ベトナムの自動車メーカーVinFastが電動クロスオーバー2車種を皮切りに米国市場への進出を目指す

Vingroup(ビングループ)傘下のベトナムの自動車メーカーVinFast(ビンファスト)は、消費者に印象を残そうと2021年のLAオートショーに参加した数多くのニューカマーの1社であった。

同社はこのショーで全電動クロスオーバー2車種を披露した。そして自動車業界へ新規参入する多くの企業がそうであるように(VinFastの場合は米国への新規参入)、両車種ともまだ生産に入っていない。

2022年後半に米国で登場予定のこの車両の仕様について、VinFastは詳細をほとんど明らかにしていない。同ショーを訪れた人は、Typeform(タイプフォーム)を介して登録することで、このクルマをいち早く「体験」し、購入に関心があることを示すことができる。

「今すぐ人々に登録してもらいたいと思っています。そして【略】顧客がどこにいるのか、誰が興味を持っているのかを把握するために、データベースを収集し構築したいと考えています。その上で、当社が提供しようとしているプロダクトやサービスの進捗状況について、人々に継続的に最新情報を発信していく予定です」と、VinFast USのCEOを務めるVan Anh Nguyen(ヴァン・アン・グエン)氏は木曜日のTechCrunchとのインタビューで語った。

興味のある顧客は、2022年第1四半期に、デポジットを払って希望のクルマを8色のうちの1色で予約することができる(更新情報:グエン氏はデポジットは500ドル[約5万7000円]だと語っていた。広報担当者はその後、この数字は正しくなく、顧客が予約に対して支払う金額は決定していないと説明し、適切な時期が来たらすぐに発表するとしている)。

グエン氏によると、数カ月後に車が利用可能になった時点で、関心のある顧客は試乗してそのデポジットを購入に充てるかどうか判断できるようになるという。仕様や詳細の情報は乏しいものの、VinFastは米国市場への参入計画を急速に進めているようだ。

工場、本社、および60店舗

VinFastの米国での計画は、電動クロスオーバーの販売に留まらない。同社はロサンゼルスに米国本社を置くために2億ドル(約227億円)超を投資するという野心的な計画を発表した。また、2022年までに、60を超える販売拠点、多角的な展開のサービスセンター、いくつかのモバイルサービスサイトの開設を計画している、工場もリストに挙がっているが、2024年後半まで開設の予定はない。

VinFastにとっては、多額の資本とスタッフを必要とする迅速な準備段階だ。

グエン氏は、米国に滞在してまだ14カ月しか経たないが、VinFastのモデルを米国市場に投入するチームの編成に取り組んでいるという。しかし、その製造施設がどこにあるかについては明らかにすることを控えた。

また、VinFastはReuters(ロイター)に対し、同社は今後数年のうちに米国株式市場に上場する計画だと述べている。

韓国のHyundai(ヒョンデ、現代自動車)やKia(キア、起亜自動車)、日本のトヨタ、スバル、マツダなど、他のアジアの自動車メーカーが米国市場に進出している中、VinFastはベトナム企業として初めてこの試みに乗り出すことになる。BYD(ビーワイディー、比亜迪)のような中国企業は、米国市場への参入を試みたが失敗した。

VinFastはどのような企業

VinFastは、1993年にスタートしたベトナムの民間コングロマリットVingroupの一部である。Vingroupは、不動産、ホスピタリティから産業、テクノロジー、さらには教育まで、幅広い分野に事業を展開している。

その自動車部門であるVinFastは、2018年のパリモーターショーで、同社初の内燃機関搭載車を発表した。同社はその後すぐに、各種の電動スクーター、Lux SUV、そしてベトナム市場向けの自動車の販売を開始した。同社によると、1年も経たないうちに、同社の車両はベトナムで最も早く売れるクルマになったという。

そして2021年、同社はベトナムで全電動バスとさらなるスクーターの販売を開始し、先のLAオートショーでSUV2車種の覆いを取り去って、グローバル車両になると同社が述べているVinFast VFe35とVFe36を発表した。いろいろな意味で、VinFastはHyundaiグループと類似しているように見受けられる。他の主要事業の中で自動車事業が占める割合はとても小さい。

VingroupはVinAI(ビンAI)も所有している。VinFastがショーで公開した新型SUV2台の脇に置かれた小さなディスプレイによると、VinAIは独立した法人で、車載AIと思われるものに取り組んでいる。運転席でのユーザーの動きを追跡して、ユーザーが注意を払っているか、スマートフォンを見たり、眠気を催したりしていないかを判断するものだ。このシステムはまた、センサーとカメラを使って車外の歩行者やスクーターなどの障害物を特定し、衝突を回避することにも役立つ。

グローバル市場向け電動SUV2車種

どちらも電気自動車であるVinFast VFe35とVFe36は、ベトナムにあるVinFastの90%自動化された大規模製造施設で作られる予定だ。この2車種は自動車ブランドのPininfarina(ピニンファリーナ)と提携して設計された。Pininfarinaは、クラシックフェラーリや、200万ドル(約2億2600万円)の電気スポーツカーPininfarina Battista(バッティスタ)の設計で知られている。

VinFastによると、SUVは1回の充電で約300マイル(約483km)走行できるということだが、充電や容量の詳細は明らかにされていない。グエン氏は、各車種にはEcoとPlusの2つのバージョンがあると付け加えた。VFe35の航続距離は、Ecoモデルで約285マイル(約459km)、Plusモデルで約310マイル(約499km)。より大型のVFe36のEcoモデルは約310マイル、Plusは約420マイル(約676km)になると同氏は述べている。

LAオートショーのステージに登場した2台のSUVはいずれもプロトタイプである。スペックシートによると、VFe35とVFe36のプロトタイプは、402hp(約300kW)の出力と472lb-ft(約640Nm)のトルクを発揮し、さまざまなエアバッグ、バーチャルアシスタント、そして「VinFastアプリによるリモートコントロール」機能を備え、eコマースサービス、ビデオゲーム、車内オフィス、さらにはロケーションベースの行動ターゲティング広告と呼ばれるものを搭載しているようだ。

VinFastは複数のパートナーと緊密に連携しているとグエン氏は話す。バッテリーの供給元については明かさなかったが「非常に有名な会社」のものだという。

バッテリーパックはベトナムのVinFastの施設で作られる。「私たちはProLogium(プロロジウム)のようなバッテリーパートナーと密接に協働しており、他の数社とも同様に協力関係を築いています」と同氏は言い添えた。「当社は、バッテリー技術に関して非常に優れた経験豊富なパートナー各社を選定しています」。

ProLogiumは、台湾を拠点とするソリッドステートバッテリーのメーカーである。

VinFastによると、両車種には標準的な先進運転支援システム、フルカラーヘッドアップディスプレイ、15.5インチのタッチスクリーンが搭載され、指をスワイプするだけでお気に入りの写真を「Zenモード」で表示できるという。

LAオートショーでは、どちらのクルマのドアも開けることはできなかった。小型のVFe35は本物の内装のように見えたが、ステアリングホイールの前にデジタルクラスタはなく、一方VFe36は内装を備えていなかった。

VinFastは、米国では電気自動車のみの販売を計画している。自動車生産への4年間という急速な道のりは、自動車業界ではほとんど聞いたことがない。車両の配送は2022年末に開始されると同社は述べている。すべてがどうなるかを見るには、来年まで待たなければならない。

画像クレジット:Abigail Bassett

原文へ

(文:Abigail Bassett、翻訳:Dragonfly)

ハーレーダビッドソンの電動バイク部門「LiveWire」がSPACで上場へ

Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)は、同社の電動バイク部門であるLiveWire(ライブワイヤー)を、AEA InvestorsとBridge Fund Managementの幹部らが出資するブランク・チェック・カンパニー(白地小切手会社)との合併を通じて上場する。

特別買収目的会社(SPAC)であるAEA-Bridges Impact Corp(ABIC)との契約では、Harley-Davidsonが大部分の所有権を維持し、LiveWireは公開市場から得られる資金を利用できるようになるとともに、台湾のオートバイメーカーKymco(キムコ)を主要パートナーとして迎える。

合併資金はABICが委託されている4億ドル、Harley-Davidsonが出資する1億ドル(約113億6000万円)、およびKymcoからの1億ドルで賄われる。

Harley-Davidsonは新合併会社の約74%を保有する。SPACの株主が17%を保有し、残りの4%をSPACのファウンダーとKymcoが保有する。合併会社の企業評価額は約17億7000万ドル(約2010億8000万円)、契約完了時の資金調達後価値は約23億1000万ドル(約2624億3000万円)。

Harleyは大きい所有権を得ることでは、LiveWireに対する十分な権力と監視能力を持つ。Harley-Davidsonの取締役会長兼社長兼CEOであるJochen Zeitz(ヨッヘン・ツァイツ)氏が新会社の会長に就任する。同氏は契約完了から最大2年間LiveWireのCEOを兼務する。Ryan Morrissey(ライアン・モリッシー)氏がLiveWireの社長に就任する。

新たな資金は、LiveWireの市場開拓戦略、新商品への投資、および世界の製造および流通機能の強化に使用される。新会社、LiveWireは子ども向け全電動バランスバイク(ペダルなし自転車)のSTACYCも取り扱う。その生産能力の一部はKymcoが提供するもので「低コスト生産を通じた主要世界市場と軽二輪およびスクーター分野への参入」を可能にすると、Harleyが投資家向けプレゼンテーションで話した。

契約完了によって、LiveWireは米国発の上場EVオートバイ会社となり、NYSE(ニューヨーク証券取引所)でティッカー・シンボルLVWで取引される。

画像クレジット:Harley-Davidson

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Bilitiの電動トゥクトゥクなら都市のラストワンマイル問題も解決

創業から1年も経っていないBiliti Electricは、米国の密集した都市で電動の三輪自動車、トゥクトゥクを、当たり前に見かけるものにしたいと考えている。

米国時間11月17日、にロサンゼルスモーターショーで記者会見に臨んだ創業者でCEOのRahul Gayam(ラフル・ガヤム)氏は、この電動で運転席にドアがないGMW Taskmanという三輪のトゥクトゥクは、アジアとヨーロッパではすでに使われていると語る。インドのGMW Electricが作っているこの車両はヨーロッパや日本などにも輸出されており、ガヤム氏によるとすでに1200万回、2000万マイル(3200km)以上の配達を行ったという。同社はこれまで1400台ほど販売している。

現在、Biliti Electricは米国市場への進出を狙っている。

北米ではこのオートショーでデビューしたこのクルマは、機能性が高い電動の配達車を目指しており、充電しやすく、小さいわりに積載量は大きい。

販売価格8000ドル(約91万2000円)のGMW Taskmanは、世界のいろいろなところで見かけるトゥクトゥクなどに似ていて、ニューヨークやロサンゼルスやサンフランシスコなどの密集した都市で苦労しているAmazonやUPS、FedExのバンやトラックの、ラストワンマイルの配達の難しさを解決する車両になるよう設計されている。

画像クレジット:Biliti Electric

同社によると、Taskmanは1回の充電で最大110マイル(約176km)走り、最大1500ポンド(約680kg)の荷重を積載できる。荷台のスペースはおよそ64.6平方フィート(約6㎡)となっている。充電は家庭用の110Vなら7時間、220Vなら3時間半だ。商用車両にそのようなダウンタイムは困るので、Bilitiは交換バッテリーパックを無料で提供している。バッテリー交換はシザーリフトを使って1分間ですむ。

同社がオプションで提供している、荷台の三面につける太陽光パネルを使うと、それはガルウイングドアのように跳ね上がって空に対して水平になり、太陽の放射を吸収してバッテリーを充電する。Bilitiによると、その場合は理想的な条件下で充電時間は3時間半から4時間だ。ガヤム氏によれば、これらの車両の多くは、太陽の直射時間の長い北回帰線と南回帰線の間の熱帯地方で使われるという。

ロサンゼルスモーターショーでのガヤム氏のコメントによると、同社が狙う顧客はAmazonやWalmartのようなeコマースやリテールの大手だ。すでに米国とEU、日本、英国、UAE、インドで、AmazonやWalmart(Flipkart)、Ikea(イケア)、Zomatoなどにより実地テストが行われているが、最初の顧客はもっと小さな企業になりそうだ。

Bilitiのウリは、顧客の規模にかかわらず、ラストマイル配送を解決することだ。ルクセンブルグに拠点を置く投資家GEM Global Yieldが最近行った4億ドル(約456億円)のPIPE投資は、目標達成に必要な資金の一部となるだろう。

いろいろな荷物の、その最後のワンマイルの配達は、世界中の密集している都市を苦しめる難題であり、交通渋滞と地球温暖化と事故の増加に大きく貢献している。小さなパッケージや品物が配達センターから個々の目的地へ向かうときは、同じ場所に向かう他の荷物と一緒に小さな車両に積まれることが多い。そしてそのラストマイルは、ロジスティクスと環境の両方にとって悪夢であり、AmazonやFedExやUPSなどの全員を困らせている。そして今ではグッズを消費者や企業に届けるために、地元の郵便局が利用されることも多い。

Bilitiの車両は、1つの答えを提供するかもしれない。しかし、限界もある。まず、このクルマの最大速度は時速24マイル(約40km)だ。用途は、パークウェイから遠い都市部に限られるだろう。途中にハイウェイがあったり、州間ハイウェイなどは当然無理だ。

ガヤム氏によると、この車両は、カリフォルニア州などでは1月から登録可能になるという。

画像クレジット:Biliti Electric

原文へ

(文:Abigail Bassett、翻訳:Hiroshi Iwatani)

BMWの電動スクーター「CE 04」、同社幹部はスタイルと技術が新しい顧客をもたらすと信じている

この2年間に奇妙なことが起こった。何年もの間、落ち込んでいたオートバイとスクーターの販売が復活したのだ。これはBMWの二輪車部門であるMotorrad(モトラッド)とその最新の電動スクーター「CE 04」にとって良い知らせだ。

ロサンゼルスオートショーに先立つイベントで披露されたこのレトロフューチャーなバイクは、二輪車ルネッサンスの波に乗ることで、電動スクーターがより広く受け入れられる先駆けとなる可能性がある。

BMW MotorradアメリカのTrudy Hardy(トゥルーディ・ハーディ)副社長は、この二輪EVが単なるクールなバイク以上の存在になると考えている。「このカテゴリーにスクーターが入ることは、交通手段における課題の解決になるという点で興味深いと、私は思います」。

2022年初頭に発売予定のCE 04は、1万1795ドル(約135万円)から。BMWのすべての製品がそうであるように、この製品もプレミアムな価格が付けられている。しかし、その機能と電動であることを考えれば、実際にはお買い得と言えるかもしれない。

このスクーターは2人乗りで、42馬力のパワーと62Nmのトルクを発揮する。容量8.9kWhのバッテリーパックは、一度の充電で130kmの距離を走行できるという。最大6.9kWのレベル2充電に対応し、1時間40分でフル充電できる。

さらに、10.25インチの大型TFTディスプレイを搭載し、BMW Motorradアプリと組み合わせれば、ターンバイターンのナビゲーション機能が利用できる他、コーナーでどれだけ体を傾けたかといったライダーのデータや、車両の一般的な情報も把握することができる。

画像クレジット:Roberto Baldwin

電動二輪車の世界では、Harley-Davidson(ハーレー・ダビッドソン)から「Livewire(ライブワイヤー)」が登場し、Zero Motorcycle(ゼロ・モーターサイクル)が繁栄を続けているが、CE 04は電動スクーターだ。

ハーディ氏は、BMWにとってこれはスマートな戦略だと確信している。「モーターサイクルなんて検討していなかったような新しい人々をブランドに引き入れ、そういう人々にこれがフレンドリーなソリューションだとわかってもらえるでしょう」。

BMWが米国市場に初めて導入した電動スクーターは「C evolution(Cエボリューション)」だった。しかし、これは実質的にはパイロットプログラムに過ぎなかった。「実際には、下調べのためのちょっとしたテストでした。これ(CE 04)は、電動車市場に本格的に参入する当社の最初の試みです」と、ハーディ氏はTechCrunchに語った。

とはいえ、米国では人々がスクーターを過小評価する傾向があることに、ハーディ氏は神経質になっている。同氏のいう新しい顧客とは、オートバイやスクーターに初めて乗る人々のことだ。現在、電動アシスト自転車に乗っていて、CE 04のような電動スクーターにステップアップするような顧客には、見た目以上にパワフルであることを理解してもらえないかもしれない。スクーターというと、パワーが足りないという先入観から避けられることも多いが、実際には電気自動車を活発に走らせる強力な電動モーターのトルクが、このスクーターにも備わっているのだ。

これは玩具のような乗り物ではない。幸いなことに、BMW Motorradのラインナップでは、アンチロックブレーキなどの安全装備が全車に標準装備されている。

二輪車が初めての人にも、経験豊富な人にも、CE 04はちょっとした新しさを提供する。コンパクトでありながら活発に走るEV二輪車は、シティコミューターの答えになるかもしない。ハーディ氏は、これを会社全体の継続的な動きの一環として捉えている。「BMWはこれまで常に性能面と技術面で知られてきた会社です。そして今、電動化の領域を四輪から二輪へ拡げようとしているのは、すばらしいことです」。米国では現在、新しいバイクやEVを購入する人が増えていることも後押しするだろう。その双方の組み合わせは、ファンキーなCE 04を勝利に導くかもしれない。

画像クレジット:Roberto Baldwinn

原文へ

(文:Roberto Baldwin、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

電動キックスクーター独TierがNextbikeを買収、マイクロモビリティ業界統一を予見させる大型買収

ドイツ・ベルリンを拠点とするヨーロッパ最大級の電動キックスクーター運営会社Tier Mobility(ティア・モビリティー)は、ドイツの自転車シェアプラットフォームNextbike(ネクストバイク)を買収した。この動きは、TierがライバルのLime(ライム)やVoi(ボイ)などと同じく既存の市場シェアを利用する複合アプローチの採用を示唆するものだ。またこれは、将来マイクロモビリティ業界がさらに統一されることを予見させる大型買収でもある。

2020年、LimeはUber(ウーバー)のマイクロモビリティ子会社であるJump(ジャンプ)を、UberのLimeへの1億7000万ドル(約194億1000万円)の投資の一環として、Jumpが所有するすべての電動自転車、電動キックボードとともに獲得した。そして2021年11月、Limeは5億2300万ドル(約597億3000万円)を調達し、上場を控えた最後のラウンドになるだろうと語った。

TierとNextbikeは契約条件を明らかにしていないが、Tierはこの買収に、2021年10月、同社が世界で複合市場企業としての存在感を高め、戦略的投資と買収を追究するためにSoftbank Vision Fund 2のリードで実施した2億ドル(約228億4000万円)のシリーズDラウンドで得た資金を充てたかもしれない。シリーズDの前には、2021年夏の6000万ドル(約68億5000万円)の債券による調達と2020年11月にやはりSoftbankがリードした2億5000万ドル(約285億5000万円)のシリーズCを実施している。

Tierは他にe-moped(電動スクーター)の車両も所有しており、6カ国への事業拡張の一環としてロンドンとストックホルムでサービスを開始するなど、ここ数カ月間電動バイクに大きく力を入れている。最近Nextbikeは、所有する車両の半数以上が盗難と破壊の被害に遭い、ウェールズのカーディフおよびヴェール・オブ・グラモーガンの運営を中止せざるを得なかった。現在の公共バイクシェア事業を2004年から運営している同社は、破壊された車両を修理、交換する必要に迫られており、状況が改善しなければ当地での事業を恒久的に中止するかもしれない。しかしこの問題は明らかにTierの手に余っている。

ヨーロッパと中東16カ国、160以上の都市で運営しているTierは、ウェールズにはまだ進出していない。Netbikeと合わせると、Tierは400以上の都市で25万台以上の車両を展開することになる。同社の車両には自転車、電動自転車、貨物自転車、電動キックボード、電動スクーターがあり、シェア方法はフリーフロート型、ステーション型、およびハイブリッド型があると同社は言っている。

「Netbikeと同社の数百都市にわたる類を見ない経験と関係性を獲得したことは、当社がバイクシェア事業を次の段階へと進め、より多くの人たちをクルマから降ろし、最も持続可能なモビリティソリューションを提供するまたとない機会です」とTierのCEOで共同ファンダーのLawrence Leushner(ローレンス・ルーシュナー)氏が声明で語った。「2組の強力な経営チームに共通する持続可能性と都市への敬意とTierの財務基盤と資本効率に支えられ、モビリティを永遠に変えるための飽くなき合同ミッションを追究していきます」。

画像クレジット:Tier Mobility

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ウガンダで電動バイクの普及を目指す仏Zemboが豊田通商などから約3.8億円を獲得

豊田通商とCFAOグループのコーポレートベンチャーキャピタル子会社であるMobility 54 Investment SASと、DOB Equity、InfraCo Africaは、電動バイクのスタートアップZembo(ゼンボ)の事業成長を支援すべく、340万ドル(約3億8000万円)を出資した。

Zemboはウガンダで事業を展開するフランスのスタートアップで、2018年に設立された。リース・トゥー・オウン(購入選択権付き)プログラムを通じて電動バイクを販売している。また、同国でソーラー充電ステーションとバッテリー交換ステーションのネットワークを運営している。

Mobility 54は、このスタートアップがアフリカ全土で事業を拡大するために「グループ(トヨタ)の自動車事業の大陸全体での存在感を活用して支援する」と話す。加えて、Mobility 54はZemboが最も成長を期待しているバッテリーとソーラーパネルの事業を中心に、同社と新たなパートナーシップの構築を目指す。

「Mobility 54のZemboへの投資は、モビリティ産業の電動化によりアフリカのカーボンニュートラルを加速させることを目的としています。豊田通商とCFAOグループは、アフリカでの自動車販売実績を活かし、Zemboのアフリカでの事業展開に貢献します」とMobility 54は声明文で述べた。

今回調達した資金は、オートバイの台数を約2000台増やし、ウガンダの首都カンパラに60カ所以上の充電・バッテリー交換ステーションを設置するために使用される。Zemboのバイクは、1回の充電で37マイル(約60キロメートル)走行する。

Zemboの共同創業者Étienne Saint-Sernin(エチエンヌ・サン・セルニン)氏は「InfraCo Africa、DOB Equity、Mobility 54といったインパクト重視の組織と提携して、電動ボダ・ボダ(オートバイ)と充電ステーションの開発を継続できることをうれしく思います」と述べた。

「ウガンダのボダボダライダーの収入向上と大気汚染の抑制を両立させるというZemboのミッションは支援者にも共有されており、今回のパートナーシップの原動力となっています。今後も顧客にサービスを提供し、ウガンダで持続可能なモビリティを実現できることを楽しみにしています」と話した。

Zemboは、ウガンダで電動バイクを組み立て、外部の金融機関と協力して、レント・トゥー・オウンプランで販売している。同社のバッテリー・アズ・ア・サービス・モデルでは、ライダーは空になったバッテリーをフル充電されたバッテリーと有料で交換することができる。

InfraCo AfricaのCEO、Gilles Vaes(ジル・ヴェース)氏は次のように話した。「……Zemboは、電動二輪車を市場に提供してきたすばらしい実績を持っています。DOB EquityおよびMobility 54と共同で事業の拡大・発展に取り組むことで、カンパラの都市大気汚染の抑制、雇用の創出、経済発展を促進するZemboの能力を拡大することができます。このプロジェクトは、大気の質を改善し、今世紀半ばまでに二酸化炭素排出量を正味ゼロにするという世界的な取り組みにも合致するものです」。

InfraCo Africaは、6カ国の政府と国際金融公社(IFC)が出資するPrivate Infrastructure Development Group(PIDG)の一員として、インフラプロジェクトに資金と専門知識を提供しており、DOB Equityは東アフリカに関心を持つオランダの一族が出資する投資家だ。

バイクタクシーはアフリカ全土で人気があり、カンパラなどの大都市でも広く利用されている。しかし、騒音や大気汚染の大きな原因とみなされていて、こうした問題は電動化で解決できる。

Zembo Stormバイクは、よりクリーンな移動手段として電動モビリティソリューションを提供するためにアフリカ市場で台頭してきた数多くの企業の1社だ。

他のプレイヤーとしては、ケニアのOpibusがあり、2022年にはオートバイの大量生産を開始する予定だ。同社はTechCrunchとの先のインタビューで、電動移動手段の競争上の優位性として、化石燃料を使う移動手段に比べて最大60%運用コストを抑制できる点を挙げている。

また、電動化は世界が取り組んでいる気候変動問題の原因となっている二酸化炭素の排出量を削減することも期待されている。

しかし、アフリカにおける電動モビリティの普及は始まったばかりであり、チャンスはまだたっぷりある。特にインフラの整備が進めば、その可能性は大きく広がる。このギャップを埋めるために、ZemboやOpibusのような企業は独自のインフラを構築している。

画像クレジット:Zembo

原文へ

(文:Annie Njanja、翻訳:Nariko Mizoguchi

世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

White Motorcycle Concepts

英国のWhite Motorcycle Concepts(WMC)が電動バイクの世界最高速を目指して開発する「風穴バイク」こと ” WMC250EV ” が、 英ブランティングソープのテストトラックで初のテスト走行を実施しました。この走行はあくまで各部が正常に機能することを確認するためで、走ればOKレベルのものでしたが、とくにトラブルもなく、順調にメニューを消化した模様です。

既報のとおりWMC250EVの最も目をひく特徴は、前から見たときにその中心に大きな空気の抜け穴が明けていること。WMCの創設者でチーフライダーのロブ・ホワイト氏いわく、通常のバイクなら燃料タンクやエンジンその他多くのものが詰め込まれている部分を、トンネルのように空っぽにすることで「世界をリードするバイク」と比較して69%もの空気抵抗を削減、Cd値はライダーが搭乗下状態で0.118を実現しているとのことです。

世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

White Motorcycle Concepts

また最終的に250mph(約402km/h)を目指すバイクとしてのデザインをこの風穴ありきで考えることにより、バッテリーや前後輪を駆動する2基のモーター、電子機器やサスペンション、油圧ハブステアリングをすべて低い位置に搭載する格好となり、さらに風穴の効果かか、WMCによれば「速度が上がるほどより安定していく」とのこと。ちなみに、前から見ると風穴のせいで、また膝を極端に折り曲げて乗るスタイルから、ライダーが非常に高い位置に跨がっているように見えるものの、実際の着座位置は通常のバイクと高さはほとんど変わりません。説明ではヤマハYZF-R6と同じシート高だとしています。

WMC250EVの初走行は暫定的に60Vの低電圧パワートレインを搭載し、約100kW(137PS)の出力で行われましたが、来夏にボリビア・ウユニ塩原で計画する電動バイク世界最高速挑戦の本番仕様では、これに対して800Vの高電圧システムを搭載し、約2.5倍の出力を発揮するパワートレインを積み込む予定です。

  1. 世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

    White Motorcycle Concepts
  2. 世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

    White Motorcycle Concepts
  3. 世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

    White Motorcycle Concepts
  4. 世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

    White Motorcycle Concepts
  5. 世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

    White Motorcycle Concepts
  6. 世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

    White Motorcycle Concepts
  7. 世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

    White Motorcycle Concepts
  8. 世界最速を目指す「風穴付き電動バイク」WMC250EVの初テスト走行が完了、動画公開

    White Motorcycle Concepts

(Source:White Motorcycle Concepts(YouTube)。Via New AtlasEngadget日本版より転載)

スウェーデンのCakeが都市部向け電動モペッド「Makka」を発表

スウェーデンの電動バイクメーカー「Cake(ケイク)」が、最新モデル「Makka(マッカ)」を発表した。都市部での利便性を追求した超軽量の電動モペッドだ。価格は3500ドル(約38万5000円)からで、現在は米国と欧州で予約を受け付けている

Makkaは、フラッグシップモデルの高性能バイク「Kalk(カーク)」やユーティリティバイク「Ösa(オサ)」などのオフロードバイクで知られるCakeにとって、これまでの標準から一歩踏み出した製品だ。この第3のプラットフォームは、短距離の商業輸送や通勤など、シティライドに特化したCake初のモーターサイクルとなる。

「この新しい電動モペッドは、誰もが乗れる電動2輪車を作るというCakeの野心をさらに明確にするものであり、ゼロエミッションのライフスタイルに向けてインスピレーションを与えるというCakeのミッションに沿って、性能、耐久性、妥当性の限界を押し広げるものです」と、Cakeは声明で述べている。

Makkaの重量は55kg(バッテリー別)で、リアカーゴラックが標準装備されている。このラックには、マウントやサドルバッグ、チャイルドシート、さらには同乗者用シートなどを取り付けることができる。

カラーはホワイトとグレーの2色で、合法的に公道走行可能。米国では出力5馬力以下の原動機付自転車に分類され、自動車免許または二輪免許が必要となる。EUでは、モーターの速度が時速45kmを超えないため、L1e-bというカテゴリーに属し、自動車免許かモペッド(原付)免許を持っていれば公道を走ることができる。

  1. Makkawhitekidsseat

    Makka + チャイルドシート
  2. Makkabox

    Makka + 荷物収納ボックス
  3. MakkastudioALL-80

    取外し可能なバッテリー

Cakeの最新モペッドには2種類の仕様が用意されている。欧州のみで販売されるエントリーモデルの「Makka Range」は、最高速度が時速25キロメートルと低く、航続距離は60キロメートル。欧州と米国で販売される「Makka Flex」は3800ドル(約41万8000円)で、最高速度は時速45キロメートルに達するが、航続距離は50キロメートルとやや短くなる。

どちらのバイクもアルミニウム製ステップスルーフレームにフットボードを備え、14×3インチのオートバイ用タイヤ2本を装備する。Makkaシリーズにはタッチスクリーンディスプレイが搭載されており、バッテリー残量、走行速度、走行距離、ライドモード(航続距離を伸ばすモード1と、バランスのとれたモード2から選べる)、ブレーキモードの選択などの情報が表示される。

Makkaのドライブトレインの出力は3.6kW、バッテリー容量は1.5kWh。バッテリーを充電するには、バッテリーを車両に搭載したままプラグに差し込んでも可能だし、あるいはバッテリーを取り外して自宅で充電することもできる。バッテリーを80%まで充電するには2時間、100%まで充電するには3時間かかる。前後のブレーキともにハンドレバーを採用した電動二輪車用ブレーキシステムは、制動力を回生してバッテリーに蓄え、航続距離を伸ばすことができる。

オフロードバイクを都市部向けに転用することに有用性を見出しているメーカーは、Cakeだけではない。ニュージーランドの電動ユーティリティーバイクブランドであるUbco(ウブコ)は、Makkaに似た自社製モペッドの販売を米国にも拡大するために、最近1000万ドル(約11億円)の資金調達を実施した。Cakeの直近の資金調達は2019年のシリーズAで、1400万ドル(約15億4000万円)を調達している。

関連記事:電動ユーティリティバイクUBCOは持続可能性に優れるサブスクモデルで世界展開と循環型経済分野のリードを目指す
画像クレジット:Cake

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

BMWがレトロフューチャーな電動スクーター「CE 04」をついに生産開始、しかし132万円で買う人はいるのか?

BMW(ビー・エム・ダブリュー)の電動シティースクーターの話は何年も前から聞いている。電動キックスクーターのことではないので念のため。ドイツの自動車メーカーは2017年にBMW Motorrad Concept Linkという未来の高級マイクロモビリティを思わせるコンセプトバイクを発表した。2020年11月に最新のコンセプトスクーター「CE 04」を披露したBMWは、このほど本格的な生産に入った。

関連記事:BMWの未来的なコンセプトバイクをスクーターと間違えてはいけない

現地時間7月7日、同社は2022年ラインアップにCE 04が正式に加わり、第1四半期に全世界で発売する計画を発表した。かわいらしい顔立ちでレトロフューチャーな雰囲気を醸し出すこのスクーターは、70年代、80年代の人々が「未来的」乗り物はこうなると思っていたものを彷彿させる。

これはBMWにとって初の電動スクーターではない。同社は2014年にC Evolutionを発売したが、米国内ではあまりうまくいかなかった。おそらく、時代より早かったためだろう。おそらく、価格が1万3000ドル(約144万円)だったからだろう。

CE 04の価格は1万2000ドル(約133万円)から。そしてBMW Motorrad Concept Link最大のポイントは「未来の都市環境にとって何が重要かというビジョン」を提供することであり、そうすればたとえ売上が伸びなくてもBMWは気にしないだろう。しかし、BMWがガソリン車よりもずっと安いものを作るまで((Vespaなら新車が5000ドル[約55万円]以下で買える)、この自動車メーカーの新スクーターが各都市を席巻することは保証されていない。

8.9 kWhのバッテリーパックを使うことで、Evolutionの12.7 kWhパックと比べてBMWはずっと少ない台数で利益を上げられるだろう。高品質のテクノロジーと5年前と比べて安くなったバッテリーを利用できることを考えればなおさらだ。

BMW Motorradの広報担当者はTechCrunchに対しれ、CE 04はバイク市場の中価格帯の値段であり、電気自動車よりずっと安いと語った。

「一部の人にとっては、電気モビリティへのはるかにコストのかからない入り口です」と広報担当者はいう。

もちろん、熱烈なファンは飛びつくだろう。私たちが笑いの種にしないようにかなり苦労しているBMWの奇妙なプレスリリースにでてくる架空の人物のように。

早朝。町は目を覚まし始めている。ガレージへ行くまでの間に私は冷たい空気を吸った。着ているのはファッション的にも機能的にもカジュアルにカットされたパーカー。プロテクターは目立たないが安心感を与えてくれる。1日が始まる準備ができた。

ちょっと待った、まだ続きがある。

早起き鳥がさえずり、都会のジャングルが目を覚ます。町の音が高まり始める。すべてが動き始める。人々も動く、互いにそして平行に。出会いが起きる。

新しい日は何をもたらすか?川沿いの小さなバーで友達と食べるタパス?あるいは近代美術館の展示?何よりも先に、会社の予定がある。ワークショップ、ミーティング、顧客訪問。これが人生というもの。

私はスマートフォンをスクーターとペアリングし、腕をひと振りしてパーカーをアクティベートする。LEDが点灯する。私は静かだが、誰かに見てもらいたい。すべてがこんなにシンプルでスムーズ。

とうとうまた出発の時が来た。朝食の間さえも待ち遠しかった。鳥たちでさえ私に気づかない。私はほとんど音をたてることなく近所を滑走する。再び私は町の一部になる。

街との一体感

  1. P90429095_highRes

  2. P90429092_highRes

  3. P90428730_highRes

  4. P90428728_highRes

  5. P90428692_highRes

  6. P90428703_highRes

  7. P90428721_highRes

  8. P90428739_highRes

「新しいBMW CE 04は、BMW Motorradの電気モビリティ戦略の論理的かつ考え直された延長線上にあります」とBMW CE 04のプロジェクトマネージャーであるFlorian Römhild(フローリアン・レムヒッド)氏は声明で語った。「市街地はこのクルマの要素の1つです。ここが新たな基準を作る場所です。テクノロジーとビジュアルスタイルの両方で」。

ヨーロッパとアジアの市場では、CE 04は都市向けバイクとして販売されるが、そのカテゴリーがほとんど存在していない米国では、スクーターは都市通勤者にリーチしようとしている。

CE 04の最大出力は42馬力で最高速度75マイル/時(約120 km/h)なので、米国の詰まった動脈であるハイウェイを走ることができる。推定航行距離は80マイル(約128 km)で家庭用レベル2充電器または公共充電ステーションで2時間以内で充電できる。ライダーはエコモード、レインモード、ロードモードの中から効率よく走れるモードを選ぶことができる他、パワーアップしたい人のためにはダイナモックモードが、1650ドル(約18万2000円)のプレミアムパッケージの一部として用意されている。

アバンギャルドなフォームに、車両の中間部に置かれたフラットなバッテリーが実現したスムーズで低い車高という機能性が加わり、ヘルメットと充電ケーブルのためのストレージコンパートメントが乗ったまま手の届く位置にある自由なデザインだ。エネルギーをバッテリーに戻す再生式ブレーキングシステムは、市街地を走る際に数多く使われるだろう。

最近のどの車両も同じく、10.25インチのカラースクリーンがハンドルバーに設置され、ナビゲーションとスマートフォン接続を備えている。USB-C充電ポートもある。

標準カラーは「ライト・ホワイト」だが、もっとすごい「マゼラン・グレイ・メタリック・アバンギャルド」のカラーリングを望む人はアップグレードに225ドル(約2万9800円)必要だ。どちらもブライト・オレンジのアクセントが施されている。

今後の展開は?

「当社のCEOは、これは『04』であり『4』の下にも上にもスペースがあると言っています。それは当初の未来の電動スクーターのためのスペースだと申し上げておきます」と広報担当者はいう。

BMWは他に開発中のモデルや発売のタイミングについて何も口にしていないが、CE 04は、完全電動車を2025年までに約200万台、2030年までに1000万台販売するというBMWの全体計画の一部である。

「世の中の動きがあまりにも速いため、CEシリーズへの新規追加は1~2年のうちに起きるかもしれません」と広報担当者は述べた。

関連記事
BMWが同社初の完全電気駆動セダン「i4」を公開、航続距離は最長590km
BMWとフォードが出資する全固体電池デベロッパーSolid PowerがSPAC合併で上場へ
BMW i Venturesが持続可能な技術への投資を目的とした約336億円の新ファンドを発表

カテゴリー:モビリティ
タグ:BMW電動バイク

画像クレジット:BMW

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

世界最高速度の時速408キロに挑戦、英新興バイクメーカーが「風穴付き電動バイク」WMC250EVを発表

世界最高速度の時速408キロに挑戦、英新興バイクメーカーが「風穴付き電動バイク」WMC250EVを発表

White Motorcycle Concepts

英国の新興バイクメーカーWhite Motorcycle Conceptsが「初の作品」と称する電動バイク ”WMC250EV” をシルバーストーンサーキットで発表しました。このバイクは、数か月前に元GPライダーのマックス・ビアッジがVoxan Wattmanで記録した電動バイクの最高速度記録408km/hを打ち破るという大いなる野望とともに姿を現しました。

このバイクの最大の特徴は、バイクのノーズからテールまで、巨大な”風穴”が貫通しているということ。この穴 ” V-Air(特許取得済) ” が車体の発生する空気抵抗を70%も削減するうえ通常のバイクの5倍の力で前輪を地面に設置させると説明されます。この構造は内燃エンジンをフレームに固定する必要がなく、重量のあるパワートレインやバッテリーを低い位置に配置できる電動バイクだから実現できました。またライダーはバイクに跨った際、形状的に完全にバイクに一体化するようになります(一番上の写真、ライダーが乗っているのにお気づきでしょうか)。

世界最高速度の時速408キロに挑戦、英新興バイクメーカーが「風穴付き電動バイク」WMC250EVを発表

White Motorcycle Concepts

なかなか奇抜なバイクですが、このバイクはWRCを始めとするモータースポーツ分野で活躍してきたプロドライブでル・マン・プロトタイプカーを開発し、さらにオーストラリアV8スーパーカーシリーズ、そしてメルセデスF1チームで活躍してきた、この道25年のエンジニアWhite Motorcycle Concepts創設者のロバート・ホワイト氏が開発しました。彼は4輪レースで培ってきた速さを追求するための技術を2輪の最高速挑戦にも応用したとのこと。

電動バイクとしては後輪を駆動するのに30kWのモーターを2基搭載。さらに前輪にも20kWモーターを2基搭載して合計100kW(134ps)のAWD化。前輪にも駆動力を与えることで設置性を高める効果が得られるとのことです。その他、WMC250EVは全長2.44m、ホイールベース1,800mmのロングホイールベースを採用しています。15kWのリチウムイオンバッテリーを搭載し、部品のほとんどはカーボンまたはアルミニウム、総重量は300kg程度とのこと。

世界最高速度の時速408キロに挑戦、英新興バイクメーカーが「風穴付き電動バイク」WMC250EVを発表

White Motorcycle Concepts

ホワイト氏はWMC250EVを使い、これから1年のあいだにマックス・ビアッジとVoxan Wattmanが打ち立てた11の電動バイクによるFIM世界記録を打ち破るとしています。そしてうまく行けば、この空力技術は将来開発されるであろうブランドの市販モデルに応用されるかもしれません。

ちなみに、4輪ではかのロータスが、2000馬力の電動ハイパーカー”エヴァイヤ”でボディに大きな風抜き穴を採用しています。また徹底的に速さを追求するF1の世界では、過去に車体下部の空気を巨大なファンで吸い出して路面に吸着するブラバムBT46Bというマシンが、かのニキ・ラウダのドライブでデビューウィンを果たし、翌レースからすぐに規則違反として使用禁止にされました。

(Source:White Motorcycle ConceptsEngadget日本版より転載)

関連記事
ハーレーダビッドソンが電動バイク「LiveWire」を単独ブランドとしてスピンアウト
ベトナムの電動バイクメーカーDat Bikeが2.9億円調達、ガソリンバイクからの乗り換えを狙う
ZeroのSR/Sはスポーツバイクとツーリングバイクの一台二役をこなせる電動バイク
ガソリン、クロムメッキ、騒音、排気ガスでバイク嫌いだった人向けの電動バイクLuna
Zero Motorcyclesから最高速度200kmのフルフェアリング型スポーツEV「SR/S」が登場
テスラオーナーをターゲットにした最高速度320kmで超安全な電動バイク

カテゴリー:モビリティ
タグ:電気自動車 / EV(用語)電動バイク(用語)White Motorcycle Concepts(企業)

電動ユーティリティバイクUBCOは持続可能性に優れるサブスクモデルで世界展開と循環型経済分野のリードを目指す

電動ユーティリティーバイクのスタートアップ企業でニュージーランドを拠点とするUBCO(ウブコ)は、米国市場を中心としたグローバル展開と商用サブスクリプションサービス事業の規模拡大のために、1000万ドル(約11億円)の資金調達を行った。

UBCOの主力製品である「UBCO 2×2」は、ダートバイクのような外観でありながら、モペッドのように乗ることができる全輪駆動の電動バイクだ。農家が牧草地や農場を簡単に、安全に、すばやく移動するためのソリューションとして始まったUbco製品は、今では配達業務用途の法人顧客や、ギグエコノミーワーカー、シティライダーに使用される都市部向けバージョンを含むラインナップにまで拡大している。

2015年に創業してから、同社は2つのバージョンの電動ユーティリティバイクを製造してきた。オリジナルのオフロード車である「Work Bike(ワーク・バイク)」と、街乗り用に作られているがオフロードにも十分に対応できる新バージョンの「Adventure Bike(アドベンチャー・バイク)」だ。

UBCOは、Seven Peak Ventures(セブン・ピーク・ベンチャーズ)、Nuance Capital(ニュアンス・キャピタル)、TPK Holdings(TPKホールディングス)が主導するラウンドで新たな資金を獲得したことで、フードデリバリー、郵便サービス、ラストマイル物流など、既存の垂直市場の分野を拡大していきたいと考えている。同社はすでに、ニュージーランドとイギリスのDomino’s(ドミノ・ピザ)と提携している他、ニュージーランド・ポスト、国防軍、自然保護局、Pāmuなどの国内企業や、地元のレストランや店舗などを顧客としている。

同社共同設立者でCEOのTimothy Allan(ティモシー・アラン)氏は「当社はニュージーランドで強力なエンタープライズ市場を有しており、国際的にも強力な販売パイプラインを構築しています」と、TechCrunchに語っている。

現在、UBCOの収益の大半は一般消費者向けの直販が占めているが、同社は企業向け、特にサブスクリプションサービスを積極的に推進している。2×2は、車両と電源システム、クラウド接続、データ分析などを含むインテリジェントなプラットフォームとして構築されているため、サブスクリプションモデルは車両マネジメントシステムとの連携が可能だ。

同社はサブスクリプションによる年間経常収益の増加を推し進めることで、2020年に210万ドル(約2億3000万円)だった収益が、2021年末には840万ドル(約9億3000万円)にまで上昇すると見込んでいる。UBCOのサブスクリプションモデルは、配達用途などで複数台の車両を使用する企業向けに、1台1週間あたり75~85ニュージーランドドル(約5800〜6600円)で提供するというもので、2021年から2022年にかけて、ニュージーランド、オーストラリア、英国、欧州、米国で展開を予定している。同社の広報担当者によると、一般消費者も今後2、3カ月以内にサブスクリプションを利用できるようになるという。

アラン氏は、EV業界の未来はサブスクリプションにあると考えている。それは、収益性が高いだけでなく、環境面でも持続可能性に優れるからだ。このビジネスモデルを拡大することで、同社は循環型経済の分野をリードしていきたいと考えている。

UBCOでは、サブスクリプションモデルで運用される車両の寿命は、販売される車両の4倍になると予測しており、内燃エンジン車と比較すると二酸化炭素の排出量を80%削減できるとしている。

「サブスクリプションとは、当社で車両を所有し、そのライフサイクルを管理することを意味します」と、アラン氏はいう。「例えば、製造されてから最初は、ピザの配達で6万キロメートル、あるいは農地で3万キロメートルといった過酷な状況に使用します。そしてその後、車両をもっと低強度の用途に転用させます。さらにその後は、バッテリーを取り出して、太陽光発電の蓄電池などの用途に利用することができます」。

耐用寿命後の問題を解決することは、個人としても職業上でも困難であり、誰も正しい方法を完全には理解していないため、創造の余地があるとアラン氏は考えている。彼はリサイクルを容易にするために、車両のエンジニアリングにはボトムアップのアプローチを取っていると語る。

「例えば、バッテリーを設計するときに、難燃性の発泡体を入れるのはやめた方がいい。寿命が尽きたときに元に戻せないからです」と、アラン氏はいう。「つまり、正しいラベルを貼ることから始まり、意図を持ってエンジニアリングを行い、そのような製造上のことも想定して設計し、さらに会社の事業や商業システムが、そのコンセプトをサポートする必要があります。現在、私たちは経済性と動機が一致しており、ニュージーランドのプロダクトスチュワードシップ法にも適合しているので、優位な立場にあります」。

実務で使用される車両を使って循環型経済を実現しようとするのは、単に環境のために正しいことをするというだけではない。アラン氏はこれが最終的にはビジネス上の賢明な決断であり、それが顧客を惹きつけ、法人顧客に競争力を与えるものになると考えている。

「当社の顧客はその一翼を担うことになります」と、アラン氏は語る。「私達がそれを可能にするためには、顧客が快適に利用できるようにサブスクリプションと車両の寿命を設計しなければなりません。ほとんどの人は正しいことをしたいと思っています。私たちは、論理的に経済に適合し、大規模に行うことができ、全体的に管理できるシステムを提供することができるのです」。

関連記事
スクーターの利便性を持つ無人配達用3輪EV展開を目指すFactionが約4.7億円調達
ハーレーダビッドソンが電動バイク「LiveWire」を単独ブランドとしてスピンアウト
電動スクーターの台湾Gogoroが世界最大規模のインド二輪メーカーHero MotoCorpと提携

カテゴリー:モビリティ
タグ:UBCOサブスクリプション電動バイク循環型経済ニュージーランド持続可能性

画像クレジット:UBCO

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スクーターの利便性を持つ無人配達用3輪EV展開を目指すFactionが約4.7億円調達

Faction Technology(ファクション・テクノロジー)の創業者でCEOのAin McKendrick(アン・マッケンドリック)氏には10億ドル(約1100億円)もなかったし、無人配達に使える電気自動車(EV)を設計・製造するために通常の自動車プログラムが必要とする時間もなかった。

そこで同氏はパワースポーツに目を向けた。無人配送に使用したり、人間がレンタルして街中を移動したりするマイクロロジスティクスサービスのビジョンを実現するためだ。現在、プロトタイプを開発し、規模を拡大するという野心を持つマッケンドリック氏は、Trucks VCとFifty Yearsがリードしたシードラウンドで430万ドル(約4億7300万円)を調達した。

「私たちは同じことを何度も何度も繰り返しています」と、今はなき自動運転トラックのスタートアップStarsky Roboticsのエンジニアリング担当副社長だったマッケンドリック氏は語った。「私たちはレガシー車両を採用し続け、それを無人技術向けに改造しようとしています。同じことを何度も繰り返すのではなく、少し違う方法でやってみてはと思いました」。

2020年創業し、この冬にY Combinatorアクセラレータープログラムを卒業したFactionは、3輪オートバイのプラットフォームから始めた。同社はシャシーを一から開発しているが、マッケンドリック氏によると、自動車開発の数分の1のコストでそれを実現できるという。車両の価格は全部で約3万ドル(約330万円)で、同氏によると、回収期間は2年だという。

これらはオートバイクラスの車両だ。つまり、市街地や高速道路では合法だが、乗用車と同じ規制は適用されない。

その車両で貨物を配送できる。これは、遠隔操作で支援するリモートワーカーと自動運転との組み合わせによって実現した。約10人のチームであるFactionは、他の企業と協業して自動運転車に取り組んでいる。ただし、自動システムが故障した場合に安全機能が作動するコアプラットフォームを開発した。

「私たちが車両向けに開発したコア技術は、会社が時間とともに成長するにつれ、他の形式の車にも適用しようと考えるようになりました」とマッケンドリック氏は話、デジタル車両アーキテクチャーと遠隔操作システムがともに機能するものを開発したと付け加えた。

画像クレジット:Faction Technology

配送、またはマッケンドリック氏が呼ぶところのマイクロロジスティクスは、同社が最初に注力したところだ。だが、創業者である同氏は、3輪の車両を開発し、都市周辺の3~5マイル(約4.8〜8km)の移動や、近郊都市へのより長い距離の移動に利用したい人々に貸す機会も視野に入れている。いずれの車も、人間オペレーターバージョンのガラスキャノピー(天蓋)など、いくつかの重要な違いはあるものの、ほぼ同じだと言える。配送車両には不透明なキャノピーが付いている。

マッケンドリック氏は、ユーザーがアプリで車を呼び出せる機能を考えている。呼び出すと、車は自身でユーザーの元に向かって運転を始める。ユーザーが中に入った後は、人間のドライバーが手動で操作する。

マッケンドリック氏の売り文句は、ユーザーはスクーターや自転車シェアが持つあらゆる利便性を享受できるが、耐候性と高速道路を走れる機能も備えているというものだ。

「つまり、たとえばサンフランシスコ市内からサンフランシスコ空港まで移動する必要がある場合、これは最適な形式の車両です。4ドアセダンや大型車を増やそうとするものではありません」。

無人配達アプリケーションでは、ユーザーはマイルごとに課金される。マッケンドリック氏は、レンタカーの料金を時間単位で請求する可能性があると語った。

同社は現在、運用する車両の規模を拡大するため、軽電気自動車メーカーとの提携に取り組んでいて、2021年後半に最初の顧客試験を発表する予定だ。マッケンドリック氏によると、目標はマイクロロジスティクスのパイロット向けに約50台の車両を配備し、第4四半期までに初期の乗車トライアルを開始することだ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Faction Technologyロボット配達EV資金調達電動バイク

画像クレジット:Faction Technology

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

電動スクーターの台湾Gogoroが世界最大規模のインド二輪メーカーHero MotoCorpと提携

Gogoro(ゴゴロ)の交換・再充電可能なバッテリーで動く電動スクーターは現在、同社のホームマーケットである台湾の月間販売の約4分の1を占めている。しかし共同創業者でCEOのHorace Luke(ホレイス・ルーク)氏が頻繁に聞かれる質問の1つが、Gogoroがいつ他国でスクーターを展開するのか、というものだ。

「私はいつも『準備してます、準備してます、準備してます』と言ってきました」とTechCrunchに語った。そしてGogoroは現地時間4月21日、世界最大の二輪車メーカーの1社で、本社を置くインドでマーケットリーダーであるHero MotoCorpとの戦略的提携を発表することでその質問に答えた。

GogoroとHero MotoCorpの提携にはインドにおけるバッテリー交換ネットワークを構築する合弁会社の設立が含まれる。Hero MotoCorpはまた、Gogoroのテクノロジーをベースとする電動二輪車をHero MotoCorpブランドで立ち上げる。これはHero MotoCorpにとって初の電動車両となる(この提携はHero Electricとではない。Hero ElectricはHero MotoCorpの創業者の親戚が運営している別会社だ)。

提携では、Hero MotoCorpの他のマーケットに拡大する前にまずインドにフォーカスする(同社は世界40マーケットで事業を展開している)。初の車両がどのようなものになるのか、立ち上げ都市、価格など詳細は今後発表されるが、ルーク氏はGogoroとMotoCorpが「かなり急速に準備中」だと述べた。

ルーク氏は戦略的提携を、エネルギー効率のい車両を生産したい企業にとってのターンキーソリューションとして、バッテリー交換とスマートモビリティプラットフォームになるというGogoroの目標の認証だと表現した。

「当社は、いつかHeroのような大手企業を誘うことができると期待してテクノロジー、能力、ビジネスモデルをデザインしました」とルーク氏は語った。

最初のGogoroスマートスクーターは2015年に立ち上げられた。以来、提携企業が電動スクーターを自前のブランドで生産できるようヤマハ、PGO、A-Motorなどのメーカーと提携を結んだが、Gogoroの海外展開はかなり遅々としたものだった。例えば韓国での納車すでに廃止となった欧州のシェアリングサービスCoupとの提携などだ。米国での初の製品展開はスクーターではなく、電動自転車Eeyoだった。

GogoroとMotoCorpは1年以上協議してきた。ルーク氏は戦略的提携を同社がこれまでに結んだ契約の中で最も重要なものの1つだとした。

「大きな変化を起こすために、我々は本当に大規模な採用を必要としています。軽量のパーソナルモビリティを発進させるために、台湾は当社にとってテクノロジーを開発して改良し、プラグをつなげて充電するのではなく交換して乗車するテクノロジーが可能であることを世界に示すための最高のパイロットマーケットでした」とルーク氏は話した。

しかしインドは明らかに、地理的、そして人口という点でも台湾よりかなり大きなマーケットだ。インド政府は補助金プログラムで電動車両を推進したいと考えており、人々にとって同国の燃料コストの高さもガソリンから電気へと切り替えるインセンティブとなっている。しかしながら、多くの消費者にとって大きな障害は「航続距離の心配」、つまり1回のフル充電でどのくらい長く走行できるかについての懸念だ。

だからこそGogoroとMotoCorpの交換ステーション合弁会社は重要だ。台湾ではGogoroは37万5000人超のライダーを抱え、バッテリー交換・充電ステーション2000カ所で1日あたり26万5000回のバッテリー交換が行われる。この割合は鍵を握るセールスポイントだ。というのも、ライダーはGogoroのスマホアプリを通じてすばやく近くの交換ステーションを探し出せる。

Gogoroのバッテリー交換ステーションの1つ

Gogoroのバッテリーと充電ステーションはGogoroのネットワーククラウドサービスにつながっていて、バッテリーの状態を監視し、いかに早くバッテリーが充電されるかを管理している。これにより、バッテリーは長持ちする。立ち上げ後の6年間でスマートバッテリーをまだ1つもリタイアさせていない、とルーク氏は話した。Gogoroネットワークのデータはまた、どこにステーションを設置すべきかも示す。インドではGogoroとMotoCorpは人口密度の高いエリアでまず事業を開始し、その需要に基づいてステーションを加える。台湾のネットワークで取ったアプローチに似ている。

インドの後、GogoroとMotoCorpは他のマーケットへの進出も計画しており、Gogoroの海外展開を一層促進する。

「この提携で本当に重要なことは、二輪マーケットにおけるMotoCorpの影響力、そして新興マーケットにおける二輪マーケットの重要性です」とルー氏は話した。

報道機関向けのリリースの中で、MotoCorpの会長兼CEOのPawan Munjal(パーワン・ムンジャル)博士は戦略的提携は研究の延長であり、開発によってすでに電動車両のポートフォリオが作られつつある、と述べた。

「二輪におけるHeroのリーダーシップ、グローバル展開、イノベーションの原動力、そして台湾と世界で過去数年にわたって展開されてきた交換ビジネスモデルにおけるGogoroのリーダーシップを持ち寄り、今日は我々の旅におけるもう1つの大きなマイルストーンです」とムンジャル氏は付け加えた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GogoroHero MotoCorp台湾インドバッテリー電動バイク

画像クレジット:Gogoro

原文へ

(文:Catherine Shu、翻訳:Nariko Mizoguchi

ベトナムの電動バイクメーカーDat Bikeが2.9億円調達、ガソリンバイクからの乗り換えを狙う

自社のバイクに乗るDat Bike創業者でCEOのソン・グエン氏

東南アジアでトップの電動バイク企業になることを目指しているベトナムのスタートアップ企業Dat Bike(ダット・バイク)が、Jungle Venturesが率いるプレシリーズAで260万ドル(約2億9000万円)の資金を調達した。Dat Bikeは、ほとんどが国産部品で構成されたベトナム製バイクで、価格と性能の両面でガソリンバイクに対抗できるのがセールスポイントだ。Jungle Venturesがモビリティ分野に投資するのは今回が初めてで、Wavemaker Partners、Hustle Fund、iSeed Venturesも参加している。

創業者であり最高経営責任者でもあるSon Nguyen(ソン・グエン)氏は、シリコンバレーでソフトウェアエンジニアとして働いていたときに、廃品を利用してバイクを作る方法を学び始めた。彼は2018年にベトナムに戻り、Dat Bikeを創業した。インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムでは、8割以上の家庭がバイクを所有しているが、そのほとんどがガソリンを燃料としている。グエン氏はTechCrunchに対して、多くの人が電動バイクに乗り換えたいと思っているが、大きな障害は性能だと語る。

グエン氏によれば、Dat Bikeは市場に出回っている多くの同じ価格帯の電動バイクに比べて、3倍の性能(5kW対1.5kW)と2倍の航続距離(100km対50km)を実現しているという。ガソリンバイクに対抗するために作られたのが、Weaver(ウィーバー)という名の同社のフラッグシップバイクだ。グエン氏によれば東南アジア諸国での重要なセールスポイントである2人乗りで、5000Wのモーターを搭載し、0から50km/hまでを3秒で加速する。Weaverは標準的なコンセントを使って約3時間でフル充電が可能で、1回の充電で最大100kmの走行が可能だ(次のモデルでは1回の充電で最大200kmの走行が可能になる)。

Dat Bikeは、2020年12月にホーチミン市に初の実店舗をオープンした。グエン氏によれば、同社は「これまでに数百台のバイクを出荷していて、まだ受注残を抱えています」という。また、ホーチミン店のオープン後、新規受注が前月比で35%増加したと付け加えた。

3990万ドン(約18万9000円)というWeaverの価格設定も、ガソリンバイクの中央値に相当するものだ。Dat Bikeは、銀行や金融機関と提携して、顧客に12カ月の無利息支払いプランを提供している。

「彼らは、ベトナムの新興中産階級を初めてデジタル金融市場に引き込むために競い合っていますので、結果的に非常に有利なレートを得ることができるのです」と彼はいう。

ベトナム政府はまだ電動バイクへの補助金は提供していないが、交通省が駐車場やバイク駐輪場に充電インフラを義務づける新しい規制を提案していることもあって、グエン氏は電気自動車の導入が進むだろうという。ベトナムで電動バイクを製造している企業には他にもVinFast(バンファスト)やPEGAなどがある。

Dat Bikeの強みの1つは、地元で調達したパーツを使って自社で開発している点だ。グエン氏は、中国やその他の国から調達するのではなく、ベトナムで製造することのメリットとして、Dat Bikeのサプライヤーのほとんどが国内にあるため物流の合理化やサプライチェーンの効率化があるという。

「バイクの輸入関税は45%、バイク部品の輸入関税は15%から30%なので、地元企業であることには税制面でも大きなメリットがあります」とグエン氏。「一方、東南アジア内の貿易には関税がかからないので、海外からの輸入バイクに比べて、東南アジアへの進出に優位性があるのです」。

Dat Bikeは、Jungle Venturesなどの投資家の協力を得て、今後2~3年の間に東南アジアでのサプライチェーンを構築し、拡大していく予定だ。

Jungle Venturesの創業パートナーであるAmit Anand(アミット・アナンド)氏は声明の中で「特に東南アジアの250億ドル(約2兆7000億円)規模のバイク産業は、電気自動車と自動化の新たな発展の恩恵を受けるための機が熟しています。私たちは、Dat Bikeがこの動きをリードし、次世代の電動バイクの外観や性能について、国内だけでなく世界的にも新たな基準を作ることができると信じています」と語る。

関連記事:電動スクーターのGogoroが電動自転車ブランドEeyoを発表、まずは米国で発売

カテゴリー:モビリティ
タグ:ベトナム東南アジア電動バイクDat Bike資金調達

原文へ

(文:Catherine Shu、翻訳:sako)