Amazonは沢山の製品を発表したが、私が欲しいのは新しいKindleだ

Amazonは今日(米国時間9月27日)、本当に沢山の新製品を発表した。それら全部を覚えてはいないけれど(おそらく魚があったような気さえするが)、一連の発表に明らかに欠けていたものがある:Kindleだ。Amazonの電子書籍リーダーは長期に渡り実績を上げていて、後継機種が出るたびに何らかの改善が施されてきた。しかし最後の大きな変更は昨年の6月のことだったし、私のお気に入りのOasisがリリースされたのは昨年4月のことだ。

通常はAmazonは、新しいKindleハードウェアを年に1回のペースで発表していて、1年の半ばごろにはしばしばスペックアップや、特定のマーケット向けの素敵な追加(例えば昨年10月の日本向けPaperwhite「マンガモデル」など)を行なってきた。しかし2017年の私たちは、Amazonのeインク製品という意味では見捨てられたままだ。一方Echoには惜しみない注目が集まり、スタイルやファッションに焦点を当てたモデルや、ベッドの脇からこちらを見ているモデルなどの、様々なバリエーションが提供されているというのに。

Amazonが今日、沢山のプロダクトを発表するイベントを開催すると聞いて、私は喜んだ。Alexaを車やトロフィーに組み込もうという大騒ぎの中に紛れて、おそらくはKindleに関する何らかの発表があるだろうと期待したのだ。新しいPaperwhiteとか、防水機能がついた奴とか、せめてページめくり速度が改善されたバージョンとか。

しかし、私たちが手に入れたものはEcho Buttonだ。さらには旧来の固定電話回線に、スマートに接続できるデバイスも手に入れた。しかしAmazonだけが提供できる、電子ペーパーの驚異を見ることはできなかったのだ。

いやまだ間に合う。ホリディショッピングにはまだ2、3ヶ月あるし、みんなKindleをプレゼントで貰いたいと思っているんだよ、Amazonさん。特にDarrellは、愛する人たちからの贈り物としてKindlesを受け取るのが大好きなんだ。Darrellのクリスマスを台無しにしないで欲しいな、Amazonさん。お願いだから。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

AmazonがKindle読書基金を設立。世界でデジタル読書を推進する

kindle-fund

AmazonはKindle Reading Fund(Kindle読書基金)と呼ばれる新しいプログラムを発表した。世界中で電子書籍がより簡単に利用できるようにすることを目的としている。同基金は様々なパートナー組織と連携して、世界中のコミュニティへ電子書籍だけではなく、沢山のKindle電子書籍リーダー、Fireタブレットの寄付を行う。学校、図書館、PTA、病院その他の非営利団体に加えて、Amazonは現在、発展途上国での読書プログラムを支援するためにWorldreaderと協業している。

Worldreaderは世界中に読書とリテラシーをもたらすことを使命としている。同組織との協業に関するAmazonのアナウンスによれば、過去6年間にわたって、Worldreaderは400万人以上の読者が本のライブラリにアクセスすることを支援してきた。

Amazonは、Worldreaderとの新たな協業関係が、Amazonから発展途上国へ数千台のKindle電子書籍リーダーを寄付することにつながると言っている。しかし、両社は以前も一緒に働いたことがある。例えばAmazonは最近、Worldreaderによるケニア国内のLEAP 2.0ライブラリパートナーシップをサポートした。これにより国内61の図書館で50万人の人たちのデジタル読書が可能になった。

Amazonはさらに、数千台のKindle電子書籍リーダーやFireタブレットを、生徒と教師へ寄付している。そしてNational PTAと協力しながら、Family Reading Experience(家族読書体験)プログラム を通して、子供たちの読書体験に親たちを巻き込んでいる。それだけでなく、シアトル地域にあるSeattle Children’s Hospital、Mary’s Place、Rainier Scholars、Well Spring Family Servicesなどのような、病院や非営利団体にも寄付してきた。

Amazonは既存の、例えば出荷倉庫の近くで行われていた学校寄付などの、様々なプログラムはこのファンドに収斂していくだろうと言っている。しかし、過去に寄付をしていたWorldreaderのような組織に対しては、現在の寄付は新しい基金の一部として扱うだけだ。

Amazonは基金に充てられる金額についての回答を拒否している。

新しいKindle基金は、こうしたこれまでの活動を正式化する以上のものである。コミュニティ内の501(c)(3)組織と学校からの寄付要求に対してもAmazonは今や開かれている。基金のウェブサイト上のフォームを通じて、組織 – 米国拠点である必要はない – が手を伸ばしサポートリクエストを送ると、10日以内にAmazonから回答を受け取ることができる。


原文へ
(翻訳:Sako)

レビュー:Koboがビッグになった―Aura One は7.8インチ画面の防水電子書籍リーダー

2016-08-18-kobo-auraone

Koboは電子書籍という比較的地味なビジネスにあってリスクを恐れない戦略で知られてきた。それだけでもこのカナダの企業の存在価値は十分にある。Koboがスクリーンサイズやデバイスの品質、機能の革新を推し進めなかったらAmazonが独占する市場にはまったくイノベーションが起きていなかっただろう。

Aura OneでKoboはAura HDにつづいて再び大胆なイノベーションを行った。7.8インチのディスプレイはAura HDの影を薄くするほど巨大だ。ただし230ドルという価格もこのサイズにふさわしい。サイズに加えていくつか歓迎すべき機能を備えているものの、電子書籍リーダー専用機としては相当の高価格だ。AmazonのKindle Voyageは30ドル安い(すくなくとも特別価格の場合)。

しかし Koboの前回の賭けは成功した。Kobo自身、Aura Oneは「万人向けの製品ではない」ことをいち早く認めている。この種のデバイス、つまり市場で最高のeリーダーに200ドル以上を支払ってもいいという消費者がターゲットだ。

スペック

  • 7.8インチ、1872 x 1404 E Inkディスプレイ
  • 8GBメモリ、 1Ghz CPU

メリット

  • 大画面
  • 夜間用淡青色照明
  • 防水

デメリット

  • 高価
    • バッテリー駆動時間がやや減少

大きいことはいいことだ P8112444

あらゆるeリーダーの画面は6インチへとなびいてきた。KoboとAmazonはともに各種の画面サイズを試してきたものの、結局は6インチが最適という結論に戻っている。このサイズは書籍の1ページを表示するのに十分大きく、読み終わった後はパンツのポケットに入れられる。

Koboは2013年に発表された6.8インチのAura HDで大画面化のパイオニアとなった。この製品はいまだにeリーダーで最大の画面だ。表示面積が広がったことでページめくりの回数は減った。また大きなフォントでの表示やPDFファイルの表示にも適するようになった。画面の小さいeリーダーでPDFを表示させようとするとピンチとスクリールでひどい苦労をすることになる。

7.8というサイズは巨大だが、使ってみると決して大き過ぎはしない。もちろんこのサイズではポケットに入れて持ち歩くのは論外だ。バスや地下鉄の中で片手で読むことはまだ可能かもしれない(これはユーザーの手の大きさにもよる)。Aura
Oneの重さは230gで6.9mmというのははKoboファミリー中でいちばん薄い。長時間の読書も苦にならない。

eリーダーのキャデラック

P8112441

Aura Oneがこれほど薄い仕上がりになったのは、側面バックライト、一枚ガラスの新しいディスプレイの貢献が大きい。周囲のベゼルはかなりのサイズで下部にKoboのロゴがあり、トップには目立たないが環境光のセンサーがある。裏側は電子書籍リーダーとしては大胆なデザインだ。側面にはテーパーがつき、わずかに凸面になっており、手のあたりが柔らかい素材で覆われている。

トップにはたいへん目立つ電源ボタンがある。物理的なボタンはこれが唯一のものだ。最近AmazonのKindle Voyageで復活したページめくりボタンは残念ながら装備されていない。下部にはmicroUSBポートがある。USB-Cが欲しかったところだが、スマートフォンでも採用しているメーカーはまだ少ないのでこれは無理なのぞみだったかもしれない。

P8112433

外部ポートがありながらAura Oneは依然として IPX8規格の防塵防水だ。これは水深2mの水中で1時間耐えられることを意味する。これは読書の可能性を大きく広げるものだ。ともあれれ読書中にデバイスを風呂の中に取り落としても壊れる心配をせずにすむ。

目にやさしい

P8112422

E Inkのディスプレイの解像度は1872 x 1404、300 ppiで、Kindle Voyageと最新のKobo Glo HDと同じだ。多くの印刷物と同程度の解像度なので文字や画像を十分鮮明に表示できる。E Inkの特性はすでによく知られるようになっているが、電力消費が最小で直射日光下でも読みやすい代わりに動作は驚くほど遅い。

通常の電子ディスプレイに比べて、このデバイスでウェブサイトを表示させると大きく見劣りする。しかし大半の消費者はeリーダーとしての機能だけを求めるはずなので欠点とはいえないだろう。

Aura OneはComfortLight Proテクノロジーを搭載しており、ベッドではバックライトの明るさをコントロールできる。電子書籍リーダーにバックライト照明が加わったのはそもそもベッドでの読書を快適にするためだったから、画面の明るさが調節できるようになったのは大きな進歩だ。

ハードウェア

P8112426

eリーダーのキャデラックのプロセッサーは1GhzのSolo Lite iMx6だ。パフォーマンスはAura HD、Kindle Voyageと同等だ。これに512MBのRAM.が組み合わされ、ページめくりのスピードをアップさせている。ただしE Inkの画面に慣れていないユーザーにはかなり遅く感じられるかもしれない。残念ながら電子書籍リーダーの表示テクノロジーはここ数世代hではさほど劇的な進歩を遂げているとは言いがたい。

逆にAura Oneのストレージに関しては問題はない。Aura HDのストレージ容量の2倍にあたる8GBとした。 この容量は拡張できないが、eブックを6000冊格納できるというのであればおそらくほとんどのユーザーにとって十分だろう。またユーザーはドラグ&ドロップでパソコンからEPUB、MOBI、PDF、CBZ、CBR(コミック用)などのファイルを直接保存することができる。このオープンさがKoboの特長のひとつだ。なお大画面化にともなってバッテリーのもちはやや減少した。

ただし価格は229ドル

P8112415

電子書籍リーダー専用機としてはやはり高価だ。KoboにはAmazonのようなアグレッシブなマーケティング能力はない。 (もっとも日本のeコマースの巨人、楽天の傘下に入ったことは助けになっているだろう)。Koboにできることは電子書籍を読むことだけなので、すでにニッチ的である電子書籍リーダーの中でもさらにニッチな製品ということになりそうだ。

しかしKoboが電子書籍リーダーという狭い世界を離れてAura Oneをデザインしたことは大いに歓迎されるべきだ。この価格ではAura Oneはeリーダーの入門機ではないかもしれないが、巨大な画面、調節できる淡青色の照明、大容量のメモリなどの特長で相当数の熱心なユーザーを見つけることができるはずだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+