レシピから食事プランを作成、食材を自動的に買い物かごに入れてくれるLollipop AIのオンライン食料品マーケットプレイス

今回のパンデミックによって、オンラインで食料品を購入するようになって以来、私はいつも、なぜスーパーマーケットは、手作り料理に必要なアイテムを自動的に集めてくれるような、簡単な「レシピ」機能を提供しなかったのだろうと考えていた。それは、まだ手をつけられていないチャンスのように思えた。だがそれもこれで終わりだ。

英国の新しいオンライン食料品マーケットプレイス「Lollipop AI」(ロリポップAI)は、その機能を果たすパブリックベータ版を英国時間6月29日に公開した。このマーケットプレイスは、英国の成功したスタートアップ企業であるOsper(オスパー)、Monzo(モンゾ)、Curve(カーブ)の立ち上げに参加した英国人の連続起業家によって立ち上げられた。

創業者でCEOのTom Foster-Carter(トム・フォスター-カーター)氏が思い描くのは、複数のレシピから食事プランを作成し、食材を自動的に買い物かごに入れ、残りの生活必需品を提案するというプラットフォームだ。フォスター-カーター氏によれば、Lollipopは、健康上の目標を達成したり、料理スキルを向上させたり、食品ロスを最小限に抑えたりするために役立つだろうという。システムはマーケットプレイスとして構築されており、Sainsbury’s(セインズベリー)やBBC Good Food(BBCグッドフード)をはじめとする多くのパートナーと提携し、実際のフルフィルメントは小売のパートナーが行う。ビジネスモデルとしては、小売のパートナーから少額のコミッションを受け取り、消費財ブランドのオーナーなどからの広告も許可する予定だ。

サイトは無料で利用できるが、有料プレミアムプランも予定されている。ウェイトリストに登録した最初の1万人のベータテスターには、プレミアム機能へのアクセスが「生涯にわたって」提供され、価格は通常のスーパーマーケットと同じレートで提供されると、スタートアップは述べている。

フォスター-カーター氏は、自身の子どもが生まれた後、普通のスーパーマーケットを利用するのに何時間もかかっていることに気づき、このアイデアを思いついた。彼はこのアプローチで、一般家庭では週に数時間の節約になるはずだという(彼は、毎週の買い物をした後にこのようなサイトを作らなければならなかったという事実も簡単に指摘しておこう……)。Lollipopは、80%の家庭が1週間に1時間以上の時間をかけて食事の計画を立て、オンラインで食料品を購入していると述べている。

Lollipop MealPlanner(ロリポップ・ミールプランナー)

創業チームには、共同創業者のChris Parsons(クリス・パーソンズ)氏やIb Warnerbring(Ibワーナーブリング)氏などをはじめとして、Monzo、Farmdrop(ファームドロップ)、Amazon(アマゾン)、Sainsbury’s、HelloFresh(ハローフレッシュ)の元社員たちが名を連ねている。

フォスター-カーター氏は、このアプローチのためにどれだけの資金を調達したかについては口を閉ざしているが、JamJar Investments、Speedinvest、そして「食料品 / テクノロジー界の大物たち」であるIan Marsh(HelloFreshの元英国GM)や英国内外のオンライン食料品店の元リーダーや創業者たち、さらに「スーパーエンジェル」のCharles Songhurst(チャールズ・ソングハースト)氏やEd Lando(エド・ランド)氏たちが支援するプレシードラウンドを行ったという。

特に、ダイエットをしたい人にとっては、食事の計画が簡単になり、レシピボックス(レシピ提供)のスタートアップにも影響を与える可能性がある。

Lollipopのような野望を抱いている企業は他にもある。米国のJupiter.co(ジュピター.co)は 自身を「groceries on autopilot(食料品自動操縦)」と呼び、Jow(ジョー)は「recipe-led shopping(レシピを決めてお買い物)」を提供し、Side Chef(サイドシェフ)も同様のサービスを提供。またCooklist(クックリスト)は「食事の計画と料理のサポート」を米国で展開している。

フォレスター-カーター氏はこう語る「これはマーケットプレイスなので、私たちは従来のスーパーマーケット(Sainbury’s、Tescos、Waitroseなど)や、オンライン小売店(Ocado、Amazon)、農場直送 / オーガニック(Riverford、Farmdrop)、専用目的の単一商品(Oddbox、Milk & Moreなど)、レシピボックス(Gousto、Hello Fresh、Mindful Chefなど)、そして迅速デリバリー(Gorillas、Getir、Weezyなど)と提携することができます。

これは始まりに過ぎません。すべての食品に対するニーズを1カ所でまかなえるようにするのが私たちの計画です。Deliveroo(デリバルー)やレストランキット(Dishpatchなど)も当社から注文できるように致します。食料品はパートナーから届けられ、料理をする際には、料理用のコンパニオンアプリ(2021年7月公開予定)を使うことができます。将来的には、Lollipopを通じてお料理の腕を上げることができるでしょう」。

たくさんの商品(50~100個以上)を極めてすばやく購入できる機能を実現しているプレイヤーは、Amazonも含んでほとんど存在していない。もし上手く実現できたならそれはLollipopにとって独自の強みとなるだろう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Lollipop AIイギリスレシピ食品ショッピング

画像クレジット:Lollipop AI

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(文: Mike Butcher、翻訳:sako)

HarvestXがイチゴの完全自動栽培ロボットシステムの研究開発施設「HarvestX Lab」開設

HarvestXがイチゴの完全自動栽培ロボットシステムの研究開発施設「HarvestX Lab」開設

ロボットによる受粉と収穫で植物工場での果菜類の完全自動栽培を目指す農業機器開発スタートアップHarvestX(ハーベストエックス)は6月21日、イチゴの完全自動栽培ロボットシステムの研究開発施設「HarvestX Lab」を、東京大学本郷キャンパス内のアントレプレナーラボに開設したと発表した。

イチゴ農園などとの協力で受粉と収穫のための技術の検証を続け、すでに要素技術の概念実証を完了したHarvestXは、次にロボットシステムの検証、評価項目の追加、試験サイクルを加速する目的で、年間を通じて実験が可能なこの施設を開設した。植物工場事業者と同等の栽培設備を使うことで、開発環境と運用環境を効率化し、製品の機能や品質を向上させ、2021年夏ごろ、「植物工場に特化した機能拡充に向けて」新たなロボットを発表する予定とのこと。

HarvestXは、「ロボットによる完全自動栽培で農業人材不足・食料の安定生産に貢献する」をミッションに、未踏やロボコンの出身者が集まって2020年8月に創設された。おもに「ミツバチを媒介とした虫媒受粉」という不安定で手間のかかる受粉方法に依存している果物類を、ロボットで自動化する研究を重ねている。

HarvestX Lab設立に伴い、「検出や制御システムを担う人材」の採用を進めてゆくという。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:食品(用語)植物工場(用語)東京大学(組織)農業 / アグリテック(用語)HarvestX(企業)日本(国・地域)

「酒粕」廃棄素材によるクラフトジン生産や再生型蒸留所を手がけるエシカル・スピリッツが1.4億円調達

「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」をモットーに、「酒粕」廃棄素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所を運営する蒸留スタートアップ「エシカル・スピリッツ」は6月16日、第三者割当増資として1億4000万円超の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Beyond Next Ventures。

エシカル・スピリッツは2020年3月、日本酒生産工程の最後に生成され本来は廃棄される素材「酒粕」を再蒸留して、クラフトジンを生産・販売。その利益から酒米を酒粕提供元の蔵元に提供し、再度そこから日本酒を生産するという世界初の循環型「エシカル・ジン・プロジェクト」を始動した。

その第1弾のエシカル・ジン「LAST」を同社は「飲む香水」としており、至高のアロマを実現したフレーバード・ジンになっているという。LASTシリーズは生産方法のみならず、ウイスキー業界で最も権威のある品評会WWAのジン部門「World Gin Awards 2021」において、国別の最高賞や、権威ある品評会のひとつ「The Gin Masters」ではゴールドとシルバーを受賞している。なお同シリーズは公式オンラインショップでも購入できる。

また2021年1月には、エシカル生産・消費に特化した世界初の再生型蒸留所「東京リバーサイド蒸溜所」を東京蔵前に建設(7月上旬グランドオープン予定)。東京都で3カ所目となるスピリッツ製造免許を取得した企業となり、蒸留所内には自社で運営するクラフトジンに特化したバーもオープンした。

調達した資金は、新たな再生型蒸留所の建設と海外販路の拡大に主に投資する予定。また現在はベーススピリッツの蒸留をパートナー会社と連携して実施し、自社の蒸溜所でそのベーススピリッツを使用したジンを含むスピリッツを蒸留しているが、今後は「酒粕そのものをベーススピリッツに変える」最新型の設備を導入する。これにより、従来自社でベーススピリッツの生産が難しかった中小規模の酒蔵との連携が可能となり、全国1400の日本酒蔵すべての酒粕がベーススピリッツの対象となる。

他にも、国立森林総合研究所の研究成果を基にした民間事業者としては初となる、「木の酒の蒸溜所」の立ち上げ、「木のお酒『WoodSpirits』」の製品化・販売にも挑んでいる。さらに、国際的なスピリッツ市場のハブである英国に2021年中での拠点開設を目指し、その後にドイツやスペインなどへの展開も予定しているという。

エシカル・スピリッツは、「Crafting the New Luxury」(新たな嗜好価値を象る)をミッションに掲げ、世界をリードするサステイナブルなスピリッツブランドを目指すとしている。

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キユーピーが植物由来卵、豆乳加工品ベースのスクランブルエッグ風商品HOBOTAMA(ほぼたま)を業務向け6月30日発売

キユーピーが植物由来卵、豆乳加工品ベースのスクランブルエッグ風商品「HOBOTAMA」(ほぼたま)を業務用として6月30日発売

キユーピーは6月10日、プラントベース(植物由来)フードの第1弾として、原材料の大部分を植物性由来(豆乳加工品ベース)のものから作った「HOBOTAMA」(ほぼたま)を業務用市場向けに発売すると発表した。価格はオープン価格で、発売日は6月30日。賞味期間は冷凍1年。

キユーピーが植物由来卵、豆乳加工品ベースのスクランブルエッグ風商品「HOBOTAMA」(ほぼたま)を業務用として6月30日発売

解凍した状態

HOBOTAMAは、豆乳加工品をベースに、スクランブルエッグのような見た目と食感を再現したプラントベースフード。シェフが手作りしたような半熟感を再現しており、飲食店などで提供するメニューの付加価値を高められるとしている。プレーンな味わいで、パンや野菜などと相性がよく、サンドイッチや朝食メニューなどに使用できるという。主な提案先は、飲食店(ファストフード、ホテル)、給食など。

キユーピーが植物由来卵、豆乳加工品ベースのスクランブルエッグ風商品「HOBOTAMA」(ほぼたま)を業務用として6月30日発売

モーニングベジプレート

キユーピーが植物由来卵、豆乳加工品ベースのスクランブルエッグ風商品「HOBOTAMA」(ほぼたま)を業務用として6月30日発売

ほぼたまマヨコッペ

同社は、もっとタマゴのおいしさと魅力を届けたい、1人1人の食に寄り添っていきたい、子どもたちの明るい未来を支えていきたいという想いを具現化するため、多様化する食のニーズに対応したプラントベースフードの開発に取り組み、HOBOTAMAを商品化した。アレルギーなど様々な理由で卵を食べられない方にも、寄り添うことができる商品としている。

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カテゴリー:フードテック
タグ:キユーピー(企業)食品(用語)食物アレルギー(用語)代替卵 / 植物由来卵(用語)日本(国・地域)

徳島大学発スタートアップ「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランドのクッキーを発売開始

徳島大学発スタートアップ「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランドのクッキーを発売開始フードテック領域の徳島大学スタートアップ「グリラス」は6月4日、同社ECサイト「グリラスオンライン」において、フードロスを再活用し国内で安心安全に生産された食用コオロギを用いて開発した「C. TIRA Cookie」(シートリア クッキー)と「C. TIRA Crunch」(シートリア クランチ)の発売を開始した。C.TRIA Cookieは4袋(計8枚)入りが税込価格780円、8袋(計16枚)入りが1290円。C.TRIA Crunchは税込価格980円。また、国内での食用コオロギ生産量日本一であるグリラスの強みを生かし、日本全土の多くの方に手頃な価格で試してもらうべく、初回となる同製品に限り日本国内向けの配送料を無料としている。

徳島大学発スタートアップ「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランドのクッキーを発売開始

「C. TIRA Cookie」(シートリア クッキー)

「C. TIRA Cookie」(シートリア クッキー)

「C. TIRA Crunch」(シートリア クランチ)

「C. TIRA Crunch」(シートリア クランチ)

同社によると、自社ブランド第1弾となるC.TRIA CookieおよびC.TRIA Crunchはは、まだコオロギを食べたことがない方にとっても、気軽に家族や友達、同僚とともに楽しめるよう、お菓子を選んだという。

ブランド名の「C.TRIA」(シートリア)については、「Circulated Cultured Cricket」(循環型に養殖されたコオロギ)という単語にちなみ、3つ(TRIA)のCを表すものとして名付けた。フードロスによって育てられたコオロギを介して新たなタンパク質を生み出す、循環型フードサイクルを創り出すことで、世界が直面している食料危機や環境問題に立ち向かいたいという思いを込めているそうだ。

グリラスは、徳島大学における25年を越えるコオロギ研究を基礎に、世界でもトップレベルの知見・ノウハウを活かすべく2019年5月に設立したスタートアップ。2020年5月にジェイテクトと業務提携を行い、食用コオロギを量産するシステムの開発に着手。徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、自動生産システムの導入を進めている。

また日本国内で安全・安心に生産した食用コオロギを販売することで、輸送を含めた生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留め、持続可能な社会の実現に貢献する。

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カテゴリー:フードテック
タグ:グリラス(企業)昆虫食食品(用語)徳島大学(組織)日本(国・地域)

食べチョクが給食食材と食育コンテンツを学校向けに期間限定で無償提供、学校からの公募もスタート

産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは5月28日、農林水産省の支援事業を活用し、「学校向けの食のサポート」として学校向けに給食で使う食材と食育コンテンツの無償提供を期間限定で行うと発表した。

また学校からの公募を開始しており、「学校向けの食のサポートお申し込みフォーム【食べチョク】」から応募できる。締め切りは6月9日。

今回の取り組みは、コロナ禍による売上減少・在庫過多で困っている生産者の販路拡大支援に加え、児童・生徒・学生と生産現場との接点を作ることで一次産業や食に興味を持つきっかけを提供するというもの。牛肉やお米、魚、加工品などの中から食材を提供する予定。また全国の生産者との交流機会の提供や食べチョクスタッフの出張授業を無償で行う。

応募条件は、以下に加えて「2021年7月31日までに食べチョク食材を使った給食の配給が可能であること」となっている。

下記いずれかに該当すること(公立・私立は問わない)

  • 小中学校の学校給食の配給を行っている事業者
  • 特別支援学校の幼稚部、小学部、中学部、高等部の学校給食の配給を行なっている事業者
  • 夜間において授業を行う過程をおく高等学校の夜間学校給食の配給を行なっている事業者

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タグ:食品(用語)新型コロナウイルス(用語)食べチョク日本(国・地域)

田んぼの自動抑草ロボットを開発する有機米デザインが2億円を調達し実用化を加速

田んぼの自動抑草ロボットを開発する有機米デザインが2億円を調達し実用化を加速

山形県を拠点とする「地方都市の課題を希望に変える街づくり会社」ヤマタガデザインのグループ会社、有機米デザイン(本社は東京都小金井市)は5月25日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による2億円の資金調達を行ったと発表した。引受先はTDK。この増資により資本金などの合計は、資本準備金1億3908万円を含め3億1626万円となった。

有機米デザインは、田んぼの除草の手間を最小化するための自動抑草ロボットを開発するなど、有機米栽培ノウハウの確立に向けた研究開発を行う企業。2012年、元日産自動車のエンジニア2人を中心に始まった自動抑草ロボットの開発は、ヤマガタデザインに母体が移行し、やがて実用化を促進するため、2019年にヤマガタデザインの100%出資により有機米デザインとして独立した。同時に東京農工大学との共同研究契約を締結し、2020年には11都県の農家と連携して実験を重ねた。

自動抑草ロボットは、代掻き(しろかき。田んぼに水を張り土を攪拌して平らにならす作業)の後の田んぼを自律航行して、水をかき混ぜ泥を巻き上げることで水中に差し込む光をさえぎり、水面下の雑草の成長を抑制するというもの。除草剤を使用しない米の有機栽培は、慣行農法にくらべて10アールあたりの粗収入が2倍近くになる一方で、労力が大きく増える。特に除草にかかる労働時間は5倍に上るといわれているため、自動化への期待が高まっているとのこと。これまでの実験で自動抑草効果が確認され、同社では量産化に向けたさらなる改良を加えているところだ。現在は、条件の異なる全国17都府県に75台のロボットを投入し、実証実験を行っている。

TDKとは、2019年12月から協業の可能性を検討し始め、2020年4月から実証実験などで連携してきた。今後はTDKのバッテリーマネージメント技術や量産技術などの開発面でサポートを受け、数年以内の実用化、事業化を目指すという。

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植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するDAIZは4月19日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による総額18億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、味の素、丸紅、ENEOSホールディングスなど事業会社7社との資本業務提携と、三菱UFJキャピタル、農林中央金庫、三井住友海上キャピタルなどの金融投資家9社。累計資本調達額は30億5000万円となった。植物肉スタートアップとしては国内最大の資金調達となる。

シリーズBラウンドの引受先の概要

  • 資本業務提携先(7社):味の素、丸紅、日鉄物産、兼松・兼松食品、ENEOSイノベーションパートナーズ、きちりホールディングス
  • 金融投資家(9社):MSIVC2020V投資事業有限責任組合(三井住友海上キャピタル)、
    農林中央金庫、グローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合(グローバル・ブレイン)、食の未来1号投資事業有限責任組合(kemuri ventures)、三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合(三菱UFJキャピタル、追加投資)、Golden Asia Fund Ⅱ, L.P.(Golden Asia Fund Ventures)、QB第一号投資事業有限責任組合(QBキャピタル、追加投資)、投資事業有限責任組合しんきんの翼(信金キャピタル)、KIRIN HEALTH INNOVATION FUND(グローバル・ブレイン)

シリーズBラウンドにおいて調達した資金は、ミラクルミートの生産体制の拡大と研究開発(R&D)の強化、グローバルでの事業展開、成長を支える人材採用などにあて、さらなる事業基盤の拡充を図る。生産体制の拡大として、工場の増床により2021年6月からミラクルミートは年間4000トンの生産キャパシティとなる予定という。また、DAIZは今後も積極的に大手事業会社との提携を進める予定としている。

また味の素、ニチレイフーズとは、ミラクルミートを原料とした家庭用・業務用商品の共同開発を行う。丸紅、日鉄物産、兼松・兼松食品とは、商社のネットワークを通じてミラクルミートの国内外への販路拡大を推進する。

CO2排出削減に資する事業の創出を目指すENEOSホールディングスとは、従来の食肉や脱脂大豆由来の植物肉と比べて環境負荷が小さいミラクルミートの普及を通じ、低炭素社会の実現を目指す。

DAIZは、2019年12月より本格的に植物肉「ミラクルミート」の事業を展開。この1年余りでは、大手のハンバーガーチェーンやスーパーマーケット、食品メーカー、飲食店において「ミラクルミート」の採用が進んでいる。フレッシュネスバーガーなどのハンバーガーチェーンを通じて、おいしい植物肉メニューを気軽に食べられるようになり、イオンやライフなどのスーパーマーケットでの発売やニチレイフーズブランドの商品にも導入されている。

植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」

これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、「味と食感に残る違和感」「大豆特有の青臭さや油臭さ」「肉に見劣りする機能性(栄養価)」といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていたという。

これに対してDAIZの植物肉は、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉の開発に成功している。

また、味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号)で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大。発芽大豆は、水を加えながら高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌などを行うエクストルーダー(押出成形機)にかけ、膨化成形技術により肉のような弾力・食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉(ミラクルミート)を製造しているという。

発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があるとしている。

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カテゴリー:フードテック
タグ:SDGs(用語)資金調達(用語)食品(用語)DAIZ(企業)代替肉 / 植物由来肉(用語)日本(国・地域)

6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売

6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売徳島大学発のフードテック領域スタートアップ「グリラス」は4月8日、国内で安心安全に生産した食用コオロギを用いて開発した「C.TRIA Cookie」(シートリア クッキー)と「C.TRIA Crunch」(シートリア クランチ)を発表した。C.TRIA Cookieは8枚入りが税込価格870円、16枚入りが1290円。C.TRIA Crunchは税込価格980円。同社オンラインストアにおいて、6月4日(虫の日)に発売する。

6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売

第1弾となるC.TRIA CookieおよびC.TRIA Crunchは、まだコオロギを食べたことがない方にとっても、家族や友達、同僚とともに気軽に楽しめるよう、お菓子として開発したという。また、初回となる両製品に限り日本国内向け配送料を無料としている。国内において食用コオロギ生産量日本一であるグリラスの強みを活かし、より多くの方が手頃な価格で試せるようにしたそうだ。

ブランド名の「C.TRIA」(シートリア)については、「Circulated Cultured Cricket」(循環型に養殖されたコオロギ)という単語にちなみ、3つ(TRIA)のCを表すものとして名付けた。食品ロスによって育てられたコオロギを介して新たなタンパク質を生み出す、循環型フードサイクルを創り出すことで、世界が直面している食料危機や環境問題に立ち向かいたいという思いを込めているそうだ。

6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売

グリラスは、徳島大学における25年を越えるコオロギ研究を基礎に、世界でもトップレベルのその知見・ノウハウを活かすべく2019年5月に設立したスタートアップ。2020年5月にジェイテクトと業務提携を行い、食用コオロギを量産するシステムの開発に着手。徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、自動生産システムの導入を進めている。

また日本国内で安全・安心に生産した食用コオロギを販売することで、輸送を含めた生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留め、持続可能な社会の実現に貢献する。

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「宇宙ビッグデータ米」が2021年中に販売予定、宇宙領域の天地人・農業IoTの笑農和・米卸の神明が栽培着手

「宇宙ビッグデータ米」が2021年中に販売予定、宇宙領域の天地人・農業IoTの笑農和・米卸の神明が栽培着手

JAXA認定の宇宙領域スタートアップ「天地人」は4月6日、スマート水田サービス「paditch」(パディッチ)を提供する農業ITスタートアップ笑農和(エノワ)、米卸大手の神明と協業し、「宇宙ビッグデータ米」の栽培に着手すると発表した。

現在日本の農業は、生産者の高齢化にともない農業就業人口は減少傾向にあり、今後の供給力が懸念されている。天地人と神明と笑農和の3社は、「米が足りなくなる」という共通の危機感を持っているという。そこで3社は、将来的なコメの生産増につながる農業施策として、宇宙の技術を活用した農業を確立するプロジェクト「宇宙ビッグデータ米」を立ち上げ、栽培に着手するとした。

同プロジェクトは3社の強みを活かしており、以下の特徴を備えるとしている。

  • 地球観測衛星のデータを活用した天地人の土地評価エンジン「天地人コンパス」を採用。収穫量が増える圃場(ほじょう。農産物を栽培する場所)や、よりおいしく育つ可能性のある圃場を見つける
  • スマホで水管理を自動化できるpaditchを活用し、適正な水温・水量を維持することで、よりおいしい米を多く栽培する
  • 神明の直営店「米処 穂」で販売予定

宇宙ビッグデータ米の目的のひとつは、「気候変動に対応したブランド米をつくる」ことという。そのため、同タイミング同地域で「天地人コンパス」を使い見つけた圃場にpaditchなどテクノロジーを活用する方式と、従来方式とで栽培を行い、食味や収量などの比較を行う予定としている。

また近年、地球温暖化によって「高温障害」が多発しており、米の外観品質の劣化と食味の低下が懸念されているという。この問題に関しては、圃場選びや水管理で回避できると考えており、今回の栽培方法が有効かを実証する。

天地人は、JAXA職員と農業IoT分野に知見のある開発者が設立した宇宙領域スタートアップ。天地人コンパスを使い、衛星データからビニールハウス内の作物に対する日射量を推定するプロジェクトや、キウイフルーツなどの作物の新規圃場の検討など、農業に関わるプロジェクトを実施している。

神明は、「私たちはお米を通じて、素晴らしい日本の水田、文化を守り、おいしさと幸せを創造して、人々の明るい食生活に貢献します。」の企業理念のもと、基幹事業である米穀事業に加え、無菌包装米飯・炊飯米などの加工食品の製造販売、水産品や青果流通への参入、外食事業の展開など、食に関わる多彩なビジネスを展開している。

笑農和は、「IT農業を通じて笑顔の人の和を創り社会に貢献する」を企業理念に掲げ、全国でスマート農業機器の販売と農業コンサルティングを展開。稲作工程中で最も時間と労力を使う「水管理」工程に着目し、スマホで水管理が行えるるpaditchシリーズを販売している。

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味の素が一般アスリート・部活生向け自動献立提案AIアプリ「勝ち飯AI」β版を開発、限定ユーザーテスト開始

味の素が一般アスリート・部活生向け自動献立提案AIアプリ「勝ち飯AI」β版を開発、限定ユーザーテスト開始

味の素は3月31日、アスリート向け献立提案AIアプリ「ビクトリープロジェクト管理栄養士監修 勝ち飯AI」β版を開発し、ユーザーテストを開始した。限定ユーザーテストを通してコンセプトの受容性を確認するとともに、同社では今後さらに多様な領域において生活者への価値を創出・提案する予定。

勝ち飯AIは、同社がトップアスリート向けに培ってきた栄養計算や高度なサポートの知見を、一般のアスリートにも広く提供することをコンセプトとして開発した、自動献立提案アプリ。アスリートの厳しい栄養基準を満たしつつ好きなメニューを献立に組み込むなど、食事を楽しみ、親子のコミュニケーションなどを促しながら選手の目標に向けてサポートを行う。

同アプリは、献立やレシピに関する独自テクノロジーを基盤に、栄養面でトップアスリートへの食サポート活動を実施している同社「ビクトリープロジェクト」管理栄養士監修の下、開発。ビクトリープロジェクトのサポート現場で使用される栄養計算基準をアルゴリズム化し、ユーザーがアプリ上で必要な情報を入力するとAIが栄養基準を満たす献立を提案する。

また、必要栄養価を充たす献立を提案するためのメニューデータベースには、同社運営のレシピサイト「AJINOMOTO PARK」のデータを活用。各メニューに対し、栄養情報に加えて、ジャンル・季節・調理時間など様々な情報を紐づけており、AIがユーザーに適した献立を提案するという。

具体的な使用方法として、「選手」と、食で選手をサポートする「調理する人」とがアカウント連携することで利用できるという。

「選手」は、性別・体重・体脂肪率などの基礎情報に加え、種目(瞬発系、持久系、球技系、その他)や目標(体重を減らす、体重を増やす、現状維持)を選択し登録。日々の体組成をアプリに登録し、食事記録の際に味や食べた量を5段階で評価することでどのくらいの栄養価を摂取したかが分かるとともに、AIがユーザーの好みの味や量を学習し、使えば使うほど選手に最適化された献立が提案されるようになる。

「調理する人」は、選手の目標や体組成に応じてAIが提案する献立(10日分、毎食3パターン)から調理するメニューを選ぶことが可能。その際、あらかじめ選手が食べられない食材を登録したり、選手からのリクエストメニューを表示することもできる。

味の素は2018年、「食から未来を楽しく」というミッションの下、「生活者にとってのさまざまな価値」を実現することをすべての起点とし、新たな事業を生み出す部署として生活者解析・事業創造部を創設。研究機関やパートナーとの連携、AIなどのテクノロジーやデータの活用、サービスの開発と運用、生活者やパートナーからのフィードバックを通して世の中全体で多様な生活者価値を生み出し、新たな食の楽しい未来を作り上げたいという。

同アプリ開発にあたり生活者にヒアリングやリサーチを実施した結果、食事によるパフォーマンス向上への関心が高い「一般アスリート・部活生」に、トップアスリートと同様の食サポートプログラムを提供するサービスのニーズが高いことが判明。さらに、中高部活生を子に持つ親にインタビューを行ったところ、親としても食事面からサポートすべく講習会などに参加するものの、自分の子供に置き換えた場合栄養計算や献立の組み立てなどが結局分からないといった声があったという。

また、コロナ禍において活動休止・縮小となっている部活動も多く、「これまでの『たくさん動いて、たくさん食べよう』といった指導ができなくなっている」といった声も指導者から多く聞かれたそうだ。思うように練習ができない時にどのような食事でカラダ作りをするべきかなど、食事の内容に対する関心度の高まりを感じ、アスリート・部活生や食サポートをする方々の悩みを同社の知見を活かし解決することをアプリの目標として位置付けているという。

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味の素がZ世代対象事業創出の専任組織を新設、スタートアップや大学と新たな価値共創

味の素がスタートアップや大学との価値共創に向けZ世代対象事業創出の専任組織を新設

味の素は3月31日、食品事業本部内にZ世代事業創造部を2021年4月1日付で新設すると発表した。Z世代(Gen-Z。1995~2009年生まれ)の価値観や真に求めているものを追求し、「食と健康の課題解決」のための価値提供を行う事業創出をグローバルに加速する。スタートアップや大学などと新たな価値を共創することで事業化を推進し、2021年度中にZ世代向け新製品または新サービスを上市する予定。

Z世代事業創造専任部署の設置は、食品業界では日本初という(同社調べ)。同部新設にあたり、Z世代の価値観に寄り添い、生活動線に立脚した事業検討を進めるため、新事業検討チームのリーダーに30代の若手基幹職、チームメンバーには社内公募により選出した20代の若手人材3名を起用。

これらメンバーにより、既存事業の枠組みに捉われることなく、Z世代視点・生活者視点で自由に発想し、新領域製品や新チャネルの開発、デジタル技術を活用した新ビジネスモデルなどの事業創出をスピーディーに行うことを目的とし、事業立案・事業開発・市場定着まで一貫して実施する。

また同部は、渋谷スクランブルスクエア15階の共創施設「SHIBUYA QWS」(渋谷キューズ)をベースとして活動。Z世代と繋がりの強いスポットを拠点に、スタートアップや大学などと新たな価値を共創することで事業化を推進し、2021年度中にZ世代向け新製品または新サービスを上市する予定。

同社によると、Z世代は、世界で約13億人と現在の世代別構成において大きな割合を占めているという。地球環境・社会貢献・サステナビリティ・多様性と個の尊重などに対する関心が高いことが特徴とされ、この先の時代の人々のWell-beingに向けた価値形成・波及を推進する上で象徴的な存在とした。

同社は「食と健康の課題解決企業」を目指しており、次世代の主流となるZ世代を、心と体の健康価値や社会価値向上に繋がる新たなフードスタイル・先進的な食マーケティングのビジネスモデルを築くベースとなる重要なターゲットとして位置づけているという。

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人口1万7000人の町からテクノロジーで世界展開を狙う、農業用収穫ロボット開発のAGRISTが資金調達

人口1万7000人の町からテクノロジーで世界展開を狙う、農業用収穫ロボット開発のAGRISTが資金調達

農業用自動収穫ロボットの開発を行う、宮崎県拠点のAGRISTは3月3日、第三者割当増資による資金調達を発表した。調達額は非公開。引受先は、ドーガン・ベータおよび宮崎太陽キャピタルがそれぞれ運営する投資事業組合、ENEOSイノベーションパートナーズ、宮銀ベンチャーキャピタル、ジャフコ グループおよびインキュベイトファンドがそれぞれ運営する投資事業組合。

同社は今後、ピーマンの生産地として知られる茨城県神栖市でピーマン自動収穫ロボットの実証実験を開始する。また埼玉県深谷市主催の「DEEP VALLEY Agritech Award」(ディープバレーアグリテックアワード)で最優秀賞を受賞しており、深谷市できゅうり自動収穫ロボット導入を予定。2021年春には関東にオフィスを開設し、2021年末までに合計25名のエンジニアを宮崎県と首都圏で採用予定としている。

代表取締役兼最高経営責任者の齋藤潤一氏によると、この人材募集について、外資系含め大手企業出身の方からの問い合わせもあるという。最大年収を2000万円としており、スタートアップだから給与が安い、地方企業だから安いということはなく、本気で世界を目指す人を採用したいと明かした。

テクノロジーこそが、地域・地方という壁を越えて勝負できる強みに

AGRISTは、「テクノロジーで農業課題を解決する」をミッションに掲げるスタートアップ。齋藤氏は、2017年から宮崎県新富町の農家と勉強会を開催し、その中で現場の農家からロボットの必要性、DXの必要性に関する声を聞き続けてきたという。取締役・最高技術責任者の秦裕貴氏との出会いの後2019年に試作機を開発し、地域金融機関やベンチャーキャピタルなどから資金調達を実施した。

2020年には、国のスマート農業実証実験で6台のロボットを農研機構に販売したそうだ。また、国内のビジネスプランコンテストで8つの賞を受賞。2021年からは、宮崎県から全国に販路を拡大し、地方から世界の農業課題を解決するグローバルベンチャーへと成長し、同社ビジョンである「100年先も続く持続可能な農業」を実現するという。

齋藤氏は、「人口1万7000人の町から上場企業を生み出したい」「地方を元気にしたい」と考えており、また「テクノロジーこそが地域・地方という壁を越えてオールフラットで勝負できる強みになると証明したい」と明かした。

農家の声を徹底的に聞く「アジャイル型のロボット開発」でシンプルさを追及した自動収穫ロボット

同社の農業用自動収穫ロボット「L」は、ビニールハウス内で自分の位置を把握しつつ、ワイヤーから吊り下がった状態で移動する方式を採用している(露地栽培は不可)。有線で電力を供給し、モーターにより駆動する。

地面にはレールなどを敷設する必要はなく、ワイヤーも一般的な農業資材の鋼線を利用しているという。この吊り下げ式については、世界展開を想定し国際特許(PCT国際特許)を出願しているそうだ。

また、カメラ画像からピーマンとサイズを認識し、画像データを蓄積しながら深層学習を行うようにしており、利用頻度と並行しロボットの能力が向上するという。ハウス内の現在位置を基にハウス各所の収量分布データ化も実施している。

人口1万7000人の町からテクノロジーで世界展開を狙う、農業用収穫ロボット開発のAGRISTが資金調達収穫時には、アームにより野菜(ピーマン)を収穫。アームは上下・奥行き方向に伸縮、ピーマンの茎を巻き取りながら切断する。切り取ったピーマンは、本体のリザーブタンクで一時保管し、ある程度溜まったらコンテナに放出する。収穫を行うアームのハンド部分は2段切りという手法を採用しており、こちらも国際特許を出願している。

人口1万7000人の町からテクノロジーで世界展開を狙う、農業用収穫ロボット開発のAGRISTが資金調達

農業用自動収穫ロボットは、ハウス内の20%を8時間で収穫可能で、年間累計で一般的なパート以上の収穫を実現できるという。一般的なパートと比較した場合、時間あたりの収量は落ちるものの、夜間・休日も作業可能なため、年間累計収穫量はパート水準を上回るそうだ。またこの点については、24時間対応を目指しているという。

齋藤氏によると、他にも収穫ロボットはあるものの、同社ロボットは機能性や究極のシンプルさを追求しているという。

同社は、農家のハウスを実証実験の場として借り、その隣に開発拠点を設けて、農家の声を徹底的に聞くことにこだわり続けている。顧客である農家の課題解決を目指す「顧客ドリブン」により、道具のようなシンプルさにたどり着いたそうだ。

人口1万7000人の町からテクノロジーで世界展開を狙う、農業用収穫ロボット開発のAGRISTが資金調達

軽トラ奥が開発ラボという

最初から完璧さを目指すのではなく、プロトタイプを出して農家の反応を確認し改良を繰り返すという、いわば「アジャイル型のロボット開発」を行った。

またロボットのソフトウェア面も、オープンソースソフトウェアのROS(Robot Operating System)を採用することでソフトウェア構成のシンプルさを追及しているという。

さらに「agris」(アグリス)というOSの開発も進めており、将来的には、ロボットが収集した野菜のデータを集積・活用し、病害虫の早期発見サービスなどのビジネスも手がけ、データドリブンの企業として世界展開することを考えているとした。セールスフォースなどのCRMソリューションのアグリ版といったイメージだ。

そういったテクノロジーをフル活用することで、小さな町からでもアフリカやアジアなどへの進出も狙えると考え、事業を展開しているとしていた。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:農業 / アグリテック(用語)資金調達(用語)食品(用語)日本(国・地域)

ネクストミーツの「フェイクミート」が「焼肉ライク」のデリバリー専用焼肉弁当に採用

ネクストミーツの「フェイクミート」が「焼肉ライク」のデリバリー専用焼肉弁当に採用

「焼肉のファストフード」をコンセプトにした「焼肉ライク」は1月15日、全店舗で展開中の大豆を用いた焼肉用の代替肉をデリバリー限定商品(Uber Eats、出前館、menu、wolt)としても販売すると発表した。

ソイ焼肉弁当:税込1080円(サラダはつかない)

ソイ焼肉弁当:税込1080円(サラダはつかない)

ソイ焼肉サラダ(NEXTカルビ&NEXTハラミ):税込1290円(ごはんはつかない)

ソイ焼肉サラダ(NEXTカルビ&NEXTハラミ):税込1290円(ごはんはつかない)

  • ソイ焼肉弁当:税込1080円(サラダはつかない)
  • ソイ焼肉サラダ(NEXTカルビ&NEXTハラミ):税込1290円(ごはんはつかない)
  • ソイ焼肉サラダ(NEXTカルビ):税込950円(ごはんはつかない)
  • ソイ焼肉サラダ(NEXTハラミ):税込950円(ごはんはつかない)
  • トッピングソイ焼肉カルビ50g:税込410円(サラダはつかない)

焼肉ライクは、2020年10月の渋谷宇田川町店を皮切りに、焼肉用代替肉(フェイクミート)の「NEXTカルビ」と「NEXTハラミ」を販売。想定以上の反響を受け、2020年12月から全店舗(2021年1月15日時点で国内50店舗)で展開しているという。ヴィーガンの方や健康志向の方など、多くの方から支持を得ている人気商品となっているそうだ。

これを受けて同社は、店頭やおうちでも選択肢が増えればと考え、デリバリー販売に至ったという。また、通常の焼肉弁当にトッピングで追加して、フェイクとリアルの食べ比べを楽しむこともできるとした。

なおこの焼肉用代替肉は、ネクストミーツが開発したもの。植物性タンパク質(大豆)を原料としたプラントベース食品で、一般的な焼肉と比べると脂質が半分以下で、タンパク質は約2倍になるとしている。

実施店舗

  • 東京都:赤坂見附店/田町芝浦店/渋谷宇田川町店/新宿西口店/新宿南口店/五反田西口店/上野店/神保町店/御茶ノ水店/ 飯田橋店/吉祥寺南口店/東久留米店/立川通り店/八王子楢原店
  • 千葉県:松戸南花島店/船橋ららぽーと前店
  • 神奈川県:海老名さがみ野店/横浜荏田店/平塚四之宮店/相模原若松店
  • 埼玉県:大宮東口店
  • 群馬県:前橋天川店
  • 大阪府:堺東店
  • 京都府:京都河原町蛸薬師店
  • 兵庫県:尼崎店
  • 新潟県:新潟駅前店

2019年4月設立の焼肉ライクは、「1人1台の無煙ロースター」を導入し、自分のペースに合わせて好きな部位を好きなだけ自由に楽しめる焼肉ファストフード店。「1人でも色々な部位を注文できる」「女性1人でもお店に入りやすい」「提供3分以内だから時間に余裕がなくても行ける」といった焼肉の常識を覆す、まったく新しい焼肉の楽しみ方を提供するとしている。2021年1月15日時点で、国内50店舗を展開している。

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D’Yquemが大豆ミート利用の新しい唐揚げ「KARAAGE2.0」を販売開始、3種のフレーバー用意

D'Yquemが大豆ミート利用の新しい唐揚げ「KARAAGE2.0」を販売開始、3種のフレーバー用意

D’Yquem(ディケム)は1月7日、素材に大豆ミートを活用した新しい唐揚げ「KARAAGE2.0」のβ版リリースを発表。同社オンラインショップで販売を開始した。フレーバーとして「醤油&ガーリック」「ブラックペッパー」「ゆず風味」の3種を用意しており、価格はそれぞれ税込2200円(1kg)。フレーバー3種類120gがセットになった「karaage2.0 トライヤルセット120g×3種類」は、税込1200円。

D'Yquemが大豆ミート利用の新しい唐揚げ「KARAAGE2.0」を販売開始、3種のフレーバー用意

KARAAGE2.0は、「起こせ唐揚げ革命」をコンセプトに、おいしさ・健康・環境配慮の3点をアップデートした新しい唐揚げ。原料には近年注目を集める大豆ミートを使用し、味付けには動物性調味料や白砂糖は使っていないため、ヴィーガンの方にも楽しんでいただけるとしている。

初回は、「醤油&ガーリック」「ブラックペッパー」「ゆず風味」を用意。商品注文後は冷凍状態で送付し、揚げるだけで食べられる。また、今後さらに多くのフレーバーを開発予定という。

D'Yquemが大豆ミート利用の新しい唐揚げ「KARAAGE2.0」を販売開始、3種のフレーバー用意

  • おいしさ:素材に大豆ミートを活用することで、味付けの自由度が上がり、レパートリーが広がったという。お気に入りの味を楽しんだり、今日の気分に合わせて選んだりといった楽しみ方が可能
  • 健康:大豆ミートを使うことで、これまでの唐揚げと比較して、コレステロールや脂質の摂取量を削減できるという
  • 環境配慮:動物性素材を使用しない、植物性100%のヴィーガン食品。ヴィーガン食を取り入れることで、地球温暖化や森林伐採などの環境問題に「食べる」ことでアプローチできるとしている

D'Yquemが大豆ミート利用の新しい唐揚げ「KARAAGE2.0」を販売開始、3種のフレーバー用意

KARAAGE2.0は、2020年5月に東京都中野区にて開業した、テイクアウト専門ヴィーガンレストラン「ワルンベジー」からスタート。開業当初から「食に選択肢を。」という考えを大切にしながら、ヴィーガンの方はもちろん、ヴィーガンでない方もおいしいと感じて選んでいただける料理を提供してきたという。

これまで中野区近辺でのデリバリーやテイクアウトのみでの営業しており、多くの支持を得たことから、人気のソイミートの唐揚げを改良するとともに、揚げるだけの状態で全国に届けられるよう、KARAAGE2.0を開発した。

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カリフォルニアの植物性卵スタートアップ「Eat Just」が中国のファストフードチェーンに製品を供給

サンフランシスコの食品スタートアップで鶏に由来しない卵を製造しているEat Justは、中国市場を開拓しようとしている。中国では植物性食品の需要が高まりつつあり、ここ数四半期でBeyondなど欧米のビーガン代替ブランド製品が販売されるようになっている

Eat Justは2021年1月第2週に、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンのライバルである中国ファストフードチェーンのDicosに今後製品を供給すると発表した。この合意により500店舗以上のDicosの朝食メニューにEat Justの植物由来卵が加わる。この卵は緑豆から作られており、緑豆は中国ではスープや麺、デザートの材料として長く親しまれている。

中国の大都市にあるDicosでEat Justの代替卵を使った朝食のバーガー、ベーグルサンド、洋風朝食プレートが食べられるようになる。Dicosの植物ベースのメニューには中国スタートアップのStarfieldが供給するビーガンチキンバーガー(Sixth Tone記事)がすでにあり、この代替卵によって選択肢が増える。Dicosは、すでに拠点があり中国大都市部の富裕層以外の人々に植物由来タンパク質が広まると見込まれる一線都市以外の都市にも販路を広げる。Dicosは中国国内で2600店舗を経営し、年間6億人に食事を提供している。

Eat Justのグローバルコミュニケーション担当責任者であるAndrew Noyes(アンドリュー・ノイエス)氏はTechCrunchに対し、Eat Justは2019年に中国市場に参入したばかりで現時点では中国での売上は同社の売上の5%に満たないと述べた。しかし将来的には中国での売上が半分以上になると予測している。同社の160人の従業員のうち10人が中国を拠点としている。

Eat Justのビーガン卵レシピ(画像クレジット:Eat Just)

ノイエス氏は「我々は意図的に小さく始めてゆっくり進み、市場を知っていて持続可能なビジネスをどう構築するかを理解している人材を雇ってきました。我々は下流の製造工程、販売、供給にともに取り組む最適なパートナーを見つけることにも力を注ぎ、これを継続しています」と述べた。

Eat Justはアジア子会社の設立を発表していたが、Dicosとの提携はこれに続くものだ。Eat JustはかつてはHampton Creekという社名で、創業から9年が経つ。同社はLi Ka-Shing(レイ・カーセン)氏、Peter Thiel(ピーター・ティール)氏、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏、Khosla Venturesなどの著名投資家から3億ドル(約310億円)以上を調達した。最新の評価額は12億ドル(約1240億円)だった。

Eat JustはDicosと提携する前に、アリババやJD.comなどの小売チャネルを通じてすでに中国でオンライン販売を始めていた。Eat Justの中国事業は現在、前年比で70%成長している。

中国における植物由来食品の競争は熾烈だが、Eat Justは卵に集中することで独自の立場を取っていると主張する。

ノイエス氏は主力製品のブランド名について「植物由来肉の企業はJust Eggとの組み合わせで美味しく食べられる製品を提供しています」と説明する。

「中国の消費者の間で植物由来食品の人気が高まり、持続可能な食事は中国の将来的な食品供給に関する国民的な話題の1つになっています。中国では年間およそ4350億個の卵が生産され、タンパク質の需要は増えています」とノイエス氏。

実際、Euromonitorは世界最大の肉消費国である中国の「動物肉フリー」市場について、2018年に100億ドル(約1兆300億円)であったのに対し2023年までに120億ドル(約1兆2500億円)に成長すると予測している

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画像クレジット:Eat Just

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(翻訳:Kaori Koyama)

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

コオロギ × テクノロジーに取り組むグリラスは、シリーズAにおいて、第三者割当増資による総額2.3億円の資金調達を発表した。引受先は、Beyond Next Ventures、産学連携キャピタル(AIAC)、HOXINなど。

調達した資金により、徳島県美馬市にある廃校を整備し、ジェイテクトと共同で開発を進めている食用コオロギを量産する自動生産システムの導入を進めることで、食用コオロギの量産体制の構築・強化を行う。生産された食用コオロギはパウダーなどに加工。世界で逼迫が見込まれるタンパク源を人々に届けることで、食料課題の解決に寄与する。

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

グリラスは、徳島大学における25年を越える研究を基礎として世界でもトップレベルのコオロギに関する知見やノウハウを活かすべく、晴れて2019年に設立。2020年5月にはジェイテクトと業務提携を行い、IoT技術を駆使して最適化した飼育環境において食用コオロギを量産するシステムを開発。

今回の資金調達をもとに徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、そこに自動生産システムを導入することとなった。

手作業で行っていたものを自動化することで、課題であった生産コストを最小化するとともに、日本国内で安全・安心に生産した食用コオロギを販売することにより、輸送含めた食料生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留めていくことが可能としている。

今後は、現在のパウダー製品のみならず、様々な食品へと展開するとともに、徳島大学とともにさらなる研究開発を進め、化粧品やサプリメントに加え、肥料・飼料、医薬品など、ライフスタイルを支える幅広い商品の販売を進めていく。

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生産者と消費者を直接つなぐポケットマルシェが農林中央金庫から資金調達、生産者の登録促進で連携

生産者と消費者を直接つなぐポケットマルシェが農林中央金庫から資金調達、生産者の登録促進で連携

生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ」(Android版iOS版)を運営するポケットマルシェは12月21日、シリーズBエクステンションラウンドにおいて第三者割当増資を実施したと発表した。引受先は、農林中央金庫。

同調達は、2020年8月に行った8.5億円の資金調達に続くもの。シリーズBラウンドは、合計調達額9.9億円で終了し、今回の調達により累計調達額は15.5億円となった。また、あわせて農林中金と連携し、全国の生産者にネット直販の機会を提供していく。

ポケットマルシェは、生産者が消費者に食材をインターネット上で直販できるサービスを提供しており、2020年12月時点で約3800名の生産者と約25万名の消費者が登録している。今回「強い一次産業を実現する」という想いが一致したことにより、農林中央金庫から資金調達を実施するとともに、生産者の登録促進などで連携していく。

調達した資金は、「生産者の登録促進」「生産者の販売力強化」「プロダクトの改善」に使用する予定。生産者の登録促進においては、農林中金と連携し、全国の生産者にネット直販の機会を提供する。生産者の販売力強化では、ネット直販に関する教育コンテンツを充実させ、登録生産者の販売力強化に取り組む。またプロダクトの改善では、生産者および消費者の利便性を高めるべく、UI/UXを中心にプロダクトを改善する。

生産物の価値を発信し、コミュニケーションの中でファンを獲得して安定的な販売を実現するために、インターネットを利用した直販は有効なものの、「消費者にインターネットで直販をしている農家数の割合」は、2019年時点で0.56%と極めて少ない状況にある(「農林水産省 農業構造動態調査 / 確報 平成31年農業構造動態調査結果」)。2019年の農業就業人口の平均年齢である67.0歳(「農林水産省 農業労働力に関する統計」)、2017年の漁業就業人口の平均年齢である55.6歳(「農林水産省 漁業就業動向調査」より各階層の中位数を用いた推計値。65歳以上の場合は「70」を使用)に対して、ポケットマルシェ登録生産者の平均年齢は44歳(「登録生産者数2000名の「ポケットマルシェ」が生産者を対象としたアンケート結果を発表」)という。このことから同社は、特に高齢の生産者によるネット直販実施が進んでいないことが推測されるとした。

ポケットマルシェは、農林中金の持つネットワークを活用し、全国の生産者にネット直販の機会を提供することで、一次産業の成長を促進。高齢の生産者に対するネット直販のサポートも強化していく。またすでに、大分県や鹿児島県で、農林中金と連携して生産者による新規出品を実現しているという。

大分県漁業協同組合中津支店 ひがた美人生産者部会によるブランド牡蠣の出品

大分県漁業協同組合中津支店 ひがた美人生産者部会によるブランド牡蠣の出品。ひがた美人生産者部会に所属する生産者の平均年齢は60代前半で高齢化が進んでおり、大分県漁業協同組合中津支店の職員が出品や発送をサポートしている

ポケットマルシェは、全国の農家・漁師から、直接やりとりをしながら旬の食べ物を買うことができるプラットフォーム。提供は2016年9月。約3800名の農家・漁師が登録し、約9000品の食べ物の出品と、その裏側にあるストーリーを提供。新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに消費者の食への関心が高まり、ユーザー数が約4.8倍、注文数はピーク時に約20倍となり、現在約25万名の消費者が登録、「生産者さんと繋がる食」を楽しんでいる。

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植物肉「ミラクルミート」のDAIZと丸紅が資本業務提携、米市場進出に向けマーケティング開始

植物肉「ミラクルミート」のDAIZと丸紅が資本業務提携、米市場進出に向けマーケティング開始

発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップ「DAIZ」は12月17日、丸紅と資本業務提携を行ったと発表した。同提携に合わせて、米国の植物肉市場進出に向けたマーケティングを共同で開始することに合意した。

これまで食品メーカーは、植物肉において、風味や食感に残る違和感、添加剤・マスキングの工程によるコスト増、環境負荷の高さなどの課題を抱えていたという。

丸紅のネットワークにおいても植物肉のニーズは高く、「ミラクルミート」はこれら課題を解決するものであり、美味しさ・食感など肉としての完成度の高さ、素材の良さを引き出すことで添加物不要で低コストで製造できること、環境負荷の低いサスティナブルな食品であることが評価され、今回の資本業務提携となった。

丸紅の強みとDAIZの技術力を掛け合わせ、新しい領域のビジネスの挑戦として、米国市場への進出を目指す。

DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉の開発に成功した。

DAIZは、植物肉は畜産に代わる「次世代のお肉」にあたり、温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品と位置付け。地球温暖化を防ぐため今からでもできることは、なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れることとしている。牛・豚・鶏に次ぐ、「植物肉」の普及を通じて、DAIZはサスティナブルな世界を目指すとしている。

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植物肉「ミラクルミート」のDAIZが味の素と資本業務提携、アミノ酸が軸の「おいしさ設計技術」活用し協業

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発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップ「DAIZ」は12月14日、味の素と資本業務提携を行ったと発表した。

タンパク質危機と「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)を背景に、植物肉の需要拡大が見込まれている。植物肉のさらなる市場拡大に向けて、DAIZの生産技術を駆使した植物肉原料「ミラクルミート」に、味の素の「おいしさ設計技術」を用いたソリューションによる次世代植物肉原料の実現に向けて協業する。国内外の植物肉開発企業に対する植物肉原料の供給を通じて、一般消費者へ植物肉を食す文化の浸透を目指す。

味の素は、DAIZの発芽丸大豆を使用した独自の素材に、同社の「おいしさ設計技術」を活用してソリューション提案を行うことで、さらなる市場拡大とプラントベースドミート(Plant Based Meat。代替肉・植物肉)の普及を目指す。「おいしさと健康価値を両立したPBM」をより多くの加工食品メーカーや外食店のメニューを通して生活者に届けることで、食資源代替による地球環境保護と、おいしくて健康的な食生活に貢献する。

味の素は業務用顧客と一緒に、生活者の「健康な食生活」を支えると同時に、地球環境に配慮した「食資源有効活用」に取り組んでいます。取り組みの一環として味の素のスペシャリティ技術を活用したソリューション提案を行い、PBMの普及に努めるとした。

DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉の開発に成功した。

植物肉「ミラクルミート」のDAIZが味の素と資本業務提携、アミノ酸が軸の「おいしさ設計技術」活用し協業

また、味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号)で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大。発芽大豆は、水を加えながら高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌などを行うエクストルーダー(押出成形機)にかけ、膨化成形技術により肉のような弾力・食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉(ミラクルミート)を製造しているという。

発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があるとしている。

植物肉「ミラクルミート」のDAIZが味の素と資本業務提携、アミノ酸が軸の「おいしさ設計技術」活用し協業

またDAIZは、植物肉は畜産に代わる「次世代のお肉」にあたり、温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品と位置付け。地球温暖化を防ぐため今からでもできることは、なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れることとしている。牛・豚・鶏に次ぐ、「植物肉」の普及を通じて、DAIZはサスティナブルな世界を目指すという。

国連で採択されたSDGsに対し、DAIZは地球温暖化の解決に寄与する植物肉を普及させることで、目標達成に向けて貢献する。

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