酔っ払いたくないミレニアル世代は仕事の飲み会で何を飲む?

Z世代は酔っ払いたくない。ミレニアル世代は仕事の後の半ば強制的な飲み会にうんざり。

インターネットで食前酒を販売する新しいスタートアップであるHausは、その解決策を握っている。同社が提供する飲み物は、市場で販売されている標準的な蒸留酒よりもアルコール分が少ない。ということは、数杯飲んでも嫌な気分にならずに済む。ブドウと生のハーブなどの植物を蒸留して作られたこの飲み物は、天然材料と最上級ブランドにより若い購買層にアピールすること間違いない。

ベンチャー投資企業Combine、Haystack、Partners Resoluteからプレシード投資を受けて今日(米国時間6月27日)からインターネット上で発売されるのは、Hausの最初の製品、シトラス&フラワー・フレーバーの食前酒(アルコール度数15%)だ。価格は1本70ドル。共同創設者であるHelena Price Hambrecht氏によると、同社の目標は、デジタルにうとい既存の酒造メーカーや流通業者に独占されているこの業界で初めての、完全な直販企業になることだ。

Hausは、ちょうどいい時期にこの市場に参入してきた。ベンチャー投資家は、これまでになく革新的な飲料水プロジェクトに投資金を集中させようとしているからだ。今年、缶入りワインのメーカーBevは、Founders Fundから700万ドル(約7億5400万円)のシード投資を受けた。パンクロックのライブ会場に集まるファンに向けた缶入りの水を販売するLiquid Deathは、Awayの共同創設者Jen Rubio氏とTwitterの共同創設者Biz Stone氏といったエンジェル投資家から200万ドル(約2億1550万円)近い投資を受けている。なかでもLiquid Focusの販売準備を進めているMore Labsは、ベンチャー投資家から800万ドル(約8億6200万円)の投資を獲得した。

Hausは、Helena Price Hambrecht氏とWoody Hambrecht氏の夫婦コンビで運営されている。Helena氏はシリコンバレーで身を立て、Airbnb、Dropbox、Facebook、Fitbit、Instagramといった消費者と直接向き合う企業のブランド開発を行ってきた。一方Woody氏は、若いころから正真正銘の「大酒飲み」で、ワインを醸造し、夫婦が暮らすカリフォルニア州ソノマ郡の農場で約27ヘクタールのワイン用ブドウの畑を管理している。Hausの本社もそこに置かれている。

Hausの共同創設者のWoody Hambrecht(左)とHelena Price Hambrecht(右)の夫妻

「こんなこと、誰もやったことがないので、それにはシリコンバレー的な人間と、酒作り野郎と結婚させる必要があるって、いつも冗談を言ってます。クレイジーな話よ」とHelena Price HambrechtはTechCrunchに話した。「私は、めちゃくちゃたくさんのユーザーを獲得するものを作って、寝てる間にアイロンをかけて、コンプライアンスとフルフィルメントと法律と経理のことを理解している酒作り野郎と結婚生活を送っています。2人で熟す仕事量は尋常ではありません」。

彼女が言う「こんなこと」とは、食前酒の消費者向け直販ブランドを立ち上げることだ。インターネットでの蒸留酒の消費者向け直販は基本的には違法だが、アルコール度数の低いごく一部の酒類はその限りではない。この抜け穴を利用して、全米の数多くのレストランが、そのごく一部に該当するカクテルを作り始めている(それにより、酒類販売許可証を取得するための大きな出費を回避できる)。しかしHelena氏によると、酒類市場の昔ながらの障壁に立ち向かうことを恐れて、食前酒のオンラインストアを立ち上げようと考える人間はいなかったという。

Hausは、そのプロセスのすべての工程を自分たちで賄っている。彼らには特許出願中の生産モデルもある。古い障壁など問題ではない。それをよじ登ろうともしていない。現在、彼らは、食前酒の醸造と瓶詰めを、夫妻の農場のすぐ北にある約84坪の倉庫で行っている。注文が増えたときのために、約78坪の倉庫の購入も考えている。出荷までに何年も熟成させなければならないワインやウィスキーと異なり、食前酒はほんの数時間で作れる。ワインと蒸留酒の醸造事業におけるひとつの難問を単純化した。

今年の後半には、Hausは追加のシード投資で資金調達を行い、2020年から製品の定期購買を開始する予定だ。また、ミレニアル世代とZ世代の同輩たちのために、食前酒を売る実店舗を展開し、第2第3の製品ラインを発売する計画もある。最終的にHausは、酒類業界の破壊のみならず、よりよい選択肢を求める若者のための新しい飲み物を提供したいと考えている。

「私は、自分自身のお酒に関するジレンマと闘ってきました」とHelena氏は言う。「出世を目指す人なら、週のうち4日以上はお酒に付き合うことになります。人を集めるお酒は大好きです。それは社会の基盤でもあります。しかし、それにはどうしても副作用がついて回ります。悪酔いや二日酔いは二度とごめんです」

「これは、私たちが解決を目指す社会問題なのです」。

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(翻訳:金井哲夫)