遺伝子検査の23andMeがVirgin GroupのSPACとの合併を通じて公開へ

遺伝子検査とゲノム研究の23andMeは、Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏と同氏の会社Virgin Group(ヴァージン・グループ)のビークルである特別買収目的会社(SPAC)のVG Acquisition Corpとの合併を通じて上場する。この取引で23andMeはクローズ時にキャッシュ約9億8400万ドル(約1040億円)を手にすると予想される。同社はこの資金をプロダクト開発、人材採用、 他の成長戦略に使う。そして同社の評価額は約35億ドル(約3700億円)になり、この合併についての話し合いを詳細に報じた先の記事にあった額に近いものになる。

CEOのAnne Wojcicki(アン・ウォシッキー)氏、Linda Avey(リンダ・ エイヴィ)氏、Paul Cusenza(ポール・カセンザ)氏が2006年に創業した23andMeは、2020年12月に発表した8500万ドル(約90億円)のシリーズFラウンドを含め、これまでに9億ドル(約950億円)を調達した。同社は個人消費者向けの在宅遺伝子テストを最初に開始した企業の1社で、個人が自身のDNAについて、そして潜在的な健康問題や先祖などについて情報を得るのに使えるキットを提供している。

直近では、同社は膨大なゲノムデータをオプトイン式の遺伝子研究リソースに保存している。将来の治療の発見に使うためだ。同社はまた、研究と事業の目的でサードパーティとともに収集するデータの統合と匿名化された共有を通じて収益を上げている。

取引には、ウォシッキー氏とリチャード・ブランソン氏の会社の合併に付随するPIPEへの各2500万ドル(約26億円)の投資も含まれる。合併は2021年第2四半期にクローズする予定で、NYSEにティッカーシンボル「ME」で上場する。

このところのSPAC旋風は、多くのスタートアップ、そしてエグジットイベントがないためにテクニカル的にまだ非公開企業だが、手元資金を確保するのにプライベート投資家に頼る要素を持っている23andMeのような非公開企業がエグジットする手法となっている。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

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米証券取引委員会に提出された書類によると、DNAテストを行うテック企業23andMeが総株式額8500万ドル(約88億円)で新たに8250万ドル(約85億円)弱を調達した。Wall Street Journalが確認して報じた(Bloomberg記事)今回の資金調達にはSequoia CapitalやNewView Capitalといった投資家が参加した。23andMeがこれまでに調達した資金は累計8億5000万ドル(約880億円)となる。

Wall Street Journalに宛てた23andMeの声明によると、シリーズFラウンドに特定の意図はなく調達した資金は事業拡大に充てる。23andMeの事業は個人向けの在宅遺伝子テストキットの提供がメインで、このテストで個人は自身の健康について、そしてDNAに基づく家系図について知見を得ることができる。

健康増進と先祖や家系図についての情報獲得を個人向けに宣伝する一方で、同社は収集したデータに基づく研究にも注力してきた。自社による最近のデータ活用例としては遺伝子マーカーがいかに新型コロナウイルス(COVID-19)への感受性に影響を及ぼすか、というものがある。またサードパーティーの研究を支援するためにデータを使うこともある。ただし、データはそうした目的に限定し、集合・匿名化されたフォーマットで共有される、と同社は強調している。

23andMeは1月に従業員全体のおおよそ14%をレイオフしたことを認めた。ただしパンデミック、そして同様のグローバルな健康危機が将来起こりうるという可能性に直面する中で、新型コロナに関する2020年の取り組みで同社のプラッットフォームに新たな価値が見出された。

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タグ:23andMe遺伝子資金調達

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(翻訳:Mizoguchi