チョコレートのトップメーカーHersheyがお客がデザインしたチョコレートキャンディを3Dプリントしてネットと実店で販売

Hersheyのチョコレート科学者たちは今、ユニークなデザインのチョコレートキャンディを3Dプリントしている。この製菓企業は、3D Systems製の3DプリンタCocoJetを使って、合衆国各地でチョコレート愛好家たちに、この未来的なキャンディマシンで作ったユニークに美味(おい)しいデザインを提供しようとしている。

消費者はiPadの上で3Dグラフィクスのライブラリと対話をし、チョコレートのさまざまなデザインを作ってもらえる。複雑な六辺形でもよいし、細かいレース状のパターンでもよい。CocoJetはオープンソースのパターンにも対応するので、ユーザは自分のデザインをCocoJetにアップロードしてもよい。Hersheyでテクノロジマーケティングを担当しているJeff Mundtによると、フィギュアのようなものはプリントが難しいが、理論的にはチョコレートで自分自身の(または好きな人友だちの)レプリカを作ることもできる。

unnamed-1

 

チョコレート専用の3Dプリンタは実はほかにもある。Choc Edgeも、チョコレートのデザインをカスタマイズできる。そのほかの食品用3Dプリンタの中にも、チョコレートの絹のようにスムーズなテクスチャを扱えるものがある。しかしHersheyは、今実用されているものの中ではCocoJetがいちばん技術的に高度なチョコレート用3Dプリンタだ、と信じている。

“うちでは、ふつうのプラスチック用の3Dプリンタでプリントできる形状なら何でもチョコレートでプリントできる。だから3D Systemsのふつうのプリンタとほとんど同じに見えるけれど、実は大幅に変えられている”、Mundtはそう語った。

本誌はMundtとCocoJetを、女の子のためのDIY/eコマースサービスBrit + CoのカンファレンスRe:Make 2015で取材した。みなさんはとりあえず上のビデオをご覧いただき、Hersheyの、口の中が唾液でいっぱいになりそうな楽しい3Dプリントを、ご自分の目で味わってほしい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Autodesk、オープンソースの3Dプリンティング規格、Sparkを発表―3DプリンターのAndroidを狙う

Autodeskが個人向け3Dプリンティングの分野に本格的に参入する戦略だということは3Dモデリング・ソフトウェアのTinkercadを買収し、アマチュア・モデラーがスマートフォン上で3D作品を作れるアプリをリリースしたことでも明らかになっていた。Autodeskは、こうしたソフトで作った作品を出力できるエコシステムを作ろうと、Sparkと呼ばれる3Dプリンティング・プラットフォームを発表した。

このプロジェクトには2本の柱がある。まず第一にプラットフォームとしてのSparkはユーザーが3Dオブジェクトをデザインし、3Dプリンタに送信するレンダリングのためのデータを準備する。Autodeskは多くのサードパーティーの3Dプリンター・メーカーがSpark標準の3Dプリンタを開発することを狙っている。次の柱として、AutodeskはSparkプラットフォームの参照機となる3Dプリンタを開発中だ。価格は5000ドル程度になるという。Sparkはオープンソースで、すべての技術的詳細が無償公開される。

Autodeskのブログ記事によれば、

Sparkは3Dプリンティングのプラットフォームだ。これによってハード、ソフト、素材のメーカー、製品デザイナーが利益を受ける。Sparkは新しい効率的な方法で3D作品をビジュアル化し、3Dプリンタのためにレンダリング・データを準備する。これによって無駄な試行錯誤が避けられ、3Dプリンティングに用いられる素材も大幅に拡大する。Sparkプラットフォームはオープン・プロジェクトであり、そのテクノロジーはすべての部分が誰でも無償で利用できる。

Autodeskはデスクトップ3Dプリンター分野に参入する必要に迫られていた。3Dプリンタの2大トップメーカーの一つ、StratasysはMakerBotの買収によって順調に売上を伸ばしている。もう一方の3D Systemsもホーム分野への参入に熱心だ。その理由は、産業用3Dプリンタはきわめて高価な装置であり、販売にもサポートにも多大なコストがかかるからだ。個人向けのデスクトップ3Dプリンターは、インクジェット・プリンターと同様のコモデティーであり、スケールさせることさえできれば有利なビジネスになる。

AutodeskはSpark規格が事実上の標準として普及し、いわば3Dプリンティング版のAndroidとなることを望んでいるようだ。実際、現在の3Dプリンティングには標準がまったく欠けている。互換性、安定性をもたらす試みはユーザーに歓迎されるだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


3D Systems、プロの菓子シェフが3Dの砂糖オブジェクトを出力できるプリンタを発表

砂糖を材料に既存の3Dプリンタで出力させようとする試みはこれまでも行われてきた。しかしその結果は、なんというか、甘いものではなかった。

そこで3D SystemsがChefJetシリーズを発表した。このプリンタはモノクロまたはフルカラーで砂糖でできた3Dオブジェクトを出力できる。

モノクロ版のChefJet 3Dの出力サイズは8x8x6インチ、5000ドル以下で2014年中に出荷可能だという。ChefJet Pro 3Dはフルカラーで出力サイズは10x14x8インチとかなり大きい。

これらのプリンタにはデジタル・レシピ集が付属するので、シェフはCAD/CAMで学位を取っていなくてもさまざまな砂糖の3Dオブジェクトを出力できる。3D Systemsは昨年8月に3Dシュガー・プリンティングを専門とするSugar Labsを買収している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


MotorolaがあのクレイジーなProject Araで3D Systemsと提携–モジュールを3Dプリントで量産へ

Motorolaがモジュラースマートフォン(モジュール構造のスマートフォン)に本格的に取り組んでいることが知れ渡ったとき、その技術の詳細はほとんど闇の中だったが、その後、このGoogleの子会社は徐々に、このクレイジーな製品の実装方式を明かし始めた。

その基本は、3Dプリントだ。しかもそれを多用する。Motorolaが今日発表したところによると、同社は3D Systemsと独占的な提携関係を結び、Project Ara(Araプロジェクト)のスマートフォン用の基本筐体やコンポーネントなど、各モジュールを作らせる。

Project Araとは、Motorolaのモジュラースマートフォンプロジェクトの名称だ。Motorolaの連中は、これまでの、完全ブラックボックス型のスマートフォンのデザインに疑問を感じていた。ユーザに構造の細部が分かり、構成をカスタマイズできる、ブロック玩具方式、組み立て方式のスマートフォンを作ろう、というアイデアからProject Ara、すなわちモジュラースマートフォンのプロジェクトが生まれた。たぶんGoogleの傘下に入ってからのMotorolaには、奇矯なアイデアを好むGoogleの企業文化が徐々に感染したのだろう。今同社はディスプレイのある電話機本体(”endoskeleton”と呼んでいる)を作っており、これに後からユーザがいろんなものをくっつけて、自分好みのスマートフォンを‘構成’するのだ。たとえば、最新のカメラコンポーネントをつける、プロセッサコンポーネントも最新最速のものに交換する、などなど、カスタマイズの可能性は無限にある。〔サードパーティが特殊なコンポーネントを開発提供することもありえる。〕

ここで、3D Systemsの立場がなかなかおもしろい。同社は今では消費者向けの低価格3Dプリンタやスキャナにも力を入れているが、事業の本体は大きくて重い業務用製品だ。それらは、値段が高いだけでなく、仕事もはやいし、精度も高い。つまりProject Araのような仕事に向いている、ということ。おそらく同社はMotorolaからハイスピードの量産体制を求められただろう。今はまだベータテスター、いわゆる”Ara Scouts”たちからのフィードバックを集めている段階で、一般市販の日程などは発表されていないが、そのSDKであるModule Development Kitは、アルファバージョンがこの冬、ハッカーたちの手に渡る、と言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))