360度閲覧可能な3D写真を写す、3DAroundが間もなく登場

Eコマースサイトや、あるいは映画マトリックスなどでみた、ぐるぐると回転させて見ることのできる写真をスマートフォンで簡単に撮れたら楽しそうだと感じる人は多いだろう。そうした人に朗報だ。1ヶ月ほどの後、Dacudaより3DAroundカメラというアプリケーションが登場するらしいのだ。使い方は簡単で、スマートフォンないしタブレットで、撮影対象の周りを移動しながら撮影するだけで良い。アプリケーションにて、撮影した写真をまとめて3Dイメージを生成し、そして念願のぐるぐる回しができるようになる。

ちなみにDacudaについては、Kickstarterにて展開したPocketScanキャンペーンを覚えている人も多いかもしれない(TC日本語版の記事はこちら)。持ち運び可能で、かつ高機能であるスキャナを提供したいとするプロジェクトだった。今やDacudaは25人の従業員と5年の経験を誇る企業に成長している。そして360度展開可能な写真を撮影することで、どのアングルから写すべきかという悩みを消し去るプロダクトをリリースしようとしているのだ。これが普及すれば、(退屈な?)フード写真が魅力的になることもあるかもしれない。

「AppleがカメラAPIをオープンにしたことも、私たちにとっては追い風なのです」とDacudaのファウンダー兼CTOであるDr. Alexander Ilicは言っている。「私たちのプロダクトを実現するには、露出時間、フォーカスなどについて、ローレベルなところにアクセスする必要があります。まさにiOS 8にて可能となった機能をフルに使っているのです」とのことだ。


 

プロダクトを思いついたのは、フードブロガーの振る舞いを見ているときなのだそうだ。何枚を写真を撮って、そのうちのどれが良いかを悩んでいる姿に疑問を感じたらしい。そのときに「すべての角度から撮影してみれば良いのに」と考えたのだそうだ。アイデアを実現しようとすれば、3Dセンサーを搭載したカメラが必要であろうと考えた。しかし新しいiPhoneのスペックをみるにつけ、ソフトウェアでなんとかなるのではないかと考えたのだそうだ。そして実現してみたのが3DAroundであるというわけだ。

3DAroundはそもそもMIT卒業生たちを巻き込んで、ETH Zurichからのスピンオフとして始めたプロジェクトだった。Wellington Partners、Swiss銀行系Schwyzer KantonalbankおよびオーストリアのアントレプレナーであるHans-Peter Metzlerなどが出資している。

3DAroundは連写することにより360度ビューで利用できる画像を取捨選択するしくみとなっている。生成された写真はアプリケーション内から確認することもできるし、ChromeなどのWebGL対応のブラウザで見てみることもできる。出力した写真はFacebookやTwitter、あるいはPinterestなどでシェアすることもできる。

アプリケーションは、iPhone 5以上対応として来月リリース予定になっている。HTC EVOは3D写真用の2連カメラを搭載していたりもするが、3DAroundはハードウェア的な拡張をせずとも3Dを楽しめるようになっている。正式リリースとなった暁には、改めてレビューしたいと考えている。

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(翻訳:Maeda, H


役者の動きをリアルタイムに3Dアニメ化、MUGENUPは「和製Pixarを目指す」

ゲームイラストのクラウドソーシングを手がけるMUGENUP。2013年3月にクラウドソーシングの受託者(クリエーター)と社内ディレクター間でのチャットやファイル、工程などを一元管理するツール「MUGENUP WORK STATION」を開発することで、約1万7000人のクリエーターで数多くの案件を管理できる体制を整えている同社だが、2014年はそのクラウドソーシングのノウハウをイラスト以外の分野に横展開をすると語っていた。

その第1弾として同社は、クラウドソーシングを使ったゲーム攻略サイト「みなゲー」を1月に公開している。こちらに関してはまだ状況は伝わってこないが、第2弾の事業が展開されている。

MUGENUPは3月24日より、ディー・エヌ・エー(DeNA)が提供するライブキャスティングサービス「Showroom」にて、ライブコミュニケーティングアニメーション 「こちら娘島高等学校ほーそお部」を開始する。配信時間は毎週月曜の午後9時から9時30分まで。

ライブコミュニケーティングアニメーションと聞くと何のことか? と思うかもしれない。これは、モーションキャプチャーや画像解析技術を組み合わせることで、役者の動きをリアルタイムに3Dアニメ化するというもの。リアルタイムにアニメ化されるので、ユーザーとのインタラクティブな会話も実現する。言葉で説明するよりも、MUGENUPが提供するイメージビデオを見てもらう方が早いだろう。なおアニメのキャラクターや3Dモデルもクラウドソーシングを使って作成しており、キャラクターの衣装変更なども素早く対応できるのだという。

「日本はクリエイティブを発信することについて力があるのに、みんなテクノロジーに目を向けない。手書きには手書きの良さがあるがそれだけではないのではないか」——MUGENUP代表取締役社長の一岡亮大氏はこう語る。

クラウドソーシングで2Dのイラストに加えて3Dデータの取り扱いもはじめていたMUGENUP。3Dデータを使ったサービスの可能性を考えている中でShowroomのリリースを知り、すぐにDeNAにコンタクトをとったのだという。「ソーシャルゲームの次の“波”は動画しかないと思っていた。今がその潮目。動画で、課金の機能を持っているプラットフォームでコンテンツプロバイダーになろうと思った。テクノロジーで和製Pixarを目指す」(一岡氏)

システムに関しては詳細は公開されていないが、ゲームエンジンのUnityを利用し、モーションセンサーなどもバルク品などを組み合わせているとのことで、「制作期間は企画から2カ月ほど。スピードは通常のアニメーションの3分の1、費用は10分の1程度になる」(MUGENUP執行役員CCO エンターテイメント事業部部長の西山理彦氏)だという。

最近では、YouTubeで自ら企画、出演した動画を配信する「YouTuber」と呼ばれる人たちも登場しており、uuumのように、そのマネジメントを手がけるスタートアップも登場している。一岡氏はライブコミュニケーティングアニメーションがYouTuberらと本質的には同じとしながらも、「属人的ではなく、企画からコンテンツを作れるので広がりがある。さらに言えばキャラクターなのでリスクコントロールもしやすいと考えている」と強みを語る。すでにタイアップやOEMの打診などもあるという。

マネタイズについては未定だが、3Dデータをフィギュア化することなども含めて「ファンの数に応じた回収方法はあると思っている」(一岡氏)という。制作を手がける西山氏も「艦これ(艦隊これくしょん〜艦これ〜:DMM.comとKADOKAWA GAMESのブラウザゲーム)のようにネット発のIPが出てきた。まずはやってみる、やり続ける」と語っている。

実は僕は、この取材にあわせて少しだけではあるが、テスト配信を見る機会を得た。3Dアニメの動きと、役者の会話は見事に一致して配信されている様には大いに驚いた。時間のある方は、まず今夜その配信を見てみてはいかがだろうか。

左からMUGENUP代表取締役社長の一岡亮大氏と執行役員CCO エンターテイメント事業部部長の西山理彦氏