グリー、女性向け動画メディアやマーケティングを手がける3ミニッツを43億円で買収

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「動画元年」という言葉はインターネット業界では過去に何度も使われていて、一体いつなんだという状態ですが、弊社にとっては2016年が間違いなく元年です——サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏は2016年初のブログでこんなことを書いていた。同社は2016年4月にAbemaTVを正式にオープンしたので、それを踏まえてのコメントであることは間違いないが、上場企業だけでなく、動画関連のスタートアップも2016年に数多く活躍したのは紛れもない事実だ。

そして今回、グリーがそんな動画関連スタートアップの1社の買収を発表した。グリーは2月2日、InstagramやYouTube向けのプロダクションや動画メディア、ECなどを展開する3ミニッツの子会社化を発表した。買収額は43億円。

3ミニッツは、ファッション動画メディアの「MINE BY 3M(マインバイスリーエム)」のほか、InstagramやYouTubeを通じた動画マーケティングやインフルエンサーマーケティングなどを手がけてきた。各メディアを合計した月間のべリーチ数は7500万、月間再生回数1億回超で、MINE BY 3Mは25歳〜34歳の女性を中心に累計利用者数200万人を突破。さらにプライベートブランド「eimy istoire」も展開しており、その初動売上は2000万円を記録したという。

ゲーム事業全体でみると縮小傾向にある同社。新たな収益の柱となる事業を求め、これまで住まいやヘルスケア、広告、動画といった領域に参入していた。グリーでは今回の買収の意図について、「この度の株式の取得により、当社グループの持つインターネット事業に精通した人材と安定した財務基盤といった経営資源を3ミニッツに投入することで、動画広告市場において更なる成長を実現できると判断し子会社化することを決議いたしました」とコメントしている。

3ミニッツが動画中心のECサイトを4月にローンチ、インスタグラマーと連携した商品も

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InstagramやYouTube向けの動画プロダクションや動画メディア「MINE」の運営を行う3ミニッツが今度はファッションECに参入する。同社は4月28日にファッション動画コマースアプリ「GINI」を4月28日より提供する。

GINIの特徴は「動画」。これまでの3ミニッツのノウハウをもとにしてファッションアイテムを動画で紹介。そこからコマースへと誘導する。同社によると動画で商品購入できるスキームについての特許も出願中だという。年内約100ブランドが参加予定。また、同社がネットワークを持つインスタグラマーなどとコラボレーションしたオリジナル商品の企画も進める予定で、「他のECサイトでは手に入らないアイテムが並ぶのがポイント」(3ミニッツ代表取締役社長CEOの宮地洋州氏)なのだそう。

動画も自社で制作する。「スタイリング動画を手軽に制作できるフォーマットを用意しているので負担はそこまでない。既に動画メディア『MINE』でもノウハウが貯まってきている」(宮地氏)

ところで3ミニッツは設立(2014年9月)から間もなく動画プロダクションを行っているのだけれど、そのトレンドはすでに変化があるという。当初YouTubeへのニーズが高かったが、この1年でInstagramへのクライアントニーズが急増しているという。「Instagramの盛り上がりに合わせて、Instagram発のインフルエンサーがどんどん登場している」(宮地氏)。先日記事で紹介したGENKINGのような存在が増えているのだそう。3ミニッツはインスタグラマー事業と動画制作事業、動画メディア事業で月額受注売上高(2016年1月)1億円を超えたという。

動画プロダクション・メディア運営の3Minuteが3億円の調達、セプテーニとは協業も

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女性特化のYouTuberプロダクションや動画メディア「MINE」を運営する3ミニッツ(3Minute)は12月16日、セプテーニと動画広告領域での資本・業務提携を締結したことを明らかにした。セプテーニのほか、複数社(社名非公開)を引受先とする第三者割当増資も実施。合計約3億円を調達している。

今回の提携を契機に、3Minuteがマネジメントするインフルエンサー(女性YouTuberなど)を素材に、両社が共同で広告クリエイティブを制作。セプテーニが広告販売していく。今後は共同での広告商品開発も進める予定だ。

このほか、動画メディア「MINE」のスマートフォンアプリ「MINE TV」もiOSおよびAndroid向けにリリース。MINEは25〜35歳の女性インスタグラマーを中心にサービスを拡大。現在MAU(月間アクティブユーザー)40万人を誇る。配信するのは自社制作のオリジナル動画が中心。月間数百本の動画を制作しており、ネイティブ広告の取り組みもスタートしているという。