ロゴなどのデザイナーとデザインをDIYで選べるDesignCrowdとBrandCrowdがIPO目前

DesignCrowdが今日(米国時間2/1)、IPO前の資金調達として1000万豪ドル(米ドルで約760万ドル)を獲得した。この資金は新規雇用と製品開発に使われ、同社のDIYプラットホームBrandCrowdの成長加速を目標とする。

この新たな投資は、DesignCrowdがオーストラリア証券取引所における近い将来のIPOを準備しているときに訪れた。主な投資家はPerennial Value Management、Alium Capital、Ellerston Capital、Regal Funds Management、およびCVCで、以前からの投資家であるStarfish VenturesとAirTree Venturesも参加した。これでDesignCrowdの調達総額は2200万豪ドルあまりとなる(約1700万USD)。

2007年にオーストラリアのシドニーで創業したDesignCrowdは、デザインをクラウドソーシングするプラットホームとして評判になった。ユーザーは、世界中のデザイナーからデザインの案をもらえる。BrandCrowdはDesignCrowdのクラウドソーシングでマーケットプレースのようなモデルを補完するもので、ユーザーベースを広げ、99designsやFiverrのようなデザイナーを見つけるための他のサイトとの差別化を狙っている。

大小さまざまな企業がデザイナーを見つけて、ロゴなどを作ってもらえるサイトには、Design HillやCanva、Tailor Brandsなどいろいろあるが、BrandCrowdにはDesignCrowd傘下の80万以上のデザイナーにアクセスできる有利性がある。そのライブラリから好きなものを選んでもよい、と共同創業者でCEOのAlec Lynch氏は言っている。BrandCrowdで好きなデザインを見つけたら、使用料を払う。そうすると、そのデザインはライブラリから削除される。

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BrandCrowdでは、ロゴなどのデザインをダウンロードするのに一回かぎりの料金を払うだけでなく、月額ないし年額の料金でサブスクライブもできる。Lynch氏によると、両方のプラットホーム(DesignCrowdとBrandCrowd)を使っているユーザーが多いそうだ。

Lynch氏はこう語る: 「たとえば、小企業がDesignCrowdのデザイナーにロゴのデザインをもらったら、そのロゴをBrandCrowdのDIYツールを使って、名刺やInstagramのポスト、メールのシグネチャなど、いろんなものに応用できる。ロゴのエディターツールもあるから、デザインに変更を加えることもできる」。

企業としてのDesignCrowdの年商は2020年に前年比で54%伸びたが、それは主にBrandCrowdのおかげだ。同社によると、BrandCrowdの登録ユーザー数は過去12か月で500万を超えた。その売上の半分以上は米国からだ。

新型コロナウイルスで2020年の3月と4月には逆風を経験したが、しかしLynch氏によると、オンラインデザインに対するグローバルな需要はその後回復して増加傾向に転じた。

それについて、氏は次のように述べている: 「あくまでも仮説だが、パンデミックによって2020年の後半には起業する人が増えて、その結果、ロゴなどのデザインの需要も増えたのだろう。また、起業ブームと並ぶもう一つのブームは、デザインをデザイナーに実際に会ってオフラインで依頼する人が減り、オンラインで探す人や企業が増えたことだろう」。

(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

画像クレジット: DesignCrowd

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

印刷大手のVistaprintが99designsを買収、スモールビジネスのデザイン・印刷ニーズを一手に引き受ける

Vistaprintは米国時間10月5日、同社の親会社であるCimpressがフリーランスデザイナーのデザインマーケットプレイスである99designsを買収したと発表した(Yahoo!Finance記事)。

VistaprintとCimpressによれば、99designsはVistaprintの一部となるが別のブランドとして運営される。99designsのCEOであるPatrick Llewellyn(パトリック・ルウェリン)氏が引き続きチームの指揮をとり、CimpressとVistaprintのCEOであるRobert Keane(ロバート・キーン)氏の直属となる。

買収の発表では、99designsのフリーランスデザイナーと、Vistaprintを使って看板やバナー、名刺、マーケティング資料を印刷している2000万社のスモールビジネスを結びつけるチャンスだと強調している。これによりデザインと印刷のニーズを1カ所で扱うことができる。

Vistaprintはすでにデザインのサービスに手を広げているようで、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大にともない企業のオリジナルのマスクを作るサービスなどを提供している。

キーン氏は発表の中で次のように述べている。「Vistaprintが99designsとともに未来へ進む原動力は、スモールビジネスを支援したいという我々の情熱です。我々は起業家にとって優れたデザインがどれだけ重要なものであるか認識しています。99designsとVistaprintはビジネスオーナーとクリエイターにとって信頼できるパートナーになるという価値とビジョンを共有し、このことが我々が別々に活動するよりも大きく価値のあるものを作る基盤となっています」。

買収の金銭的条件は明らかにされていない。Cimpressは株式を公開している。一方の99designsは非公開だが、ルウェリン氏は2018年に公開の計画について語っていた(未訳記事)。99designsは2008年に創業し、Accel PartnersとRecruit Strategic Partnersから合計4500万ドル(約47億5000万円)を調達している

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:VistaprintCimpress99designs、買収

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)