アップルが米ABCと提携、「News」アプリ内で米大統領選挙ニュースを提供

Apple(アップル)は12月16日、2020年米大統領選挙のニュースをApple Newsアプリ内で提供することについて米ABCと提携すると発表した。このコラボは2020年2月7日にニューハンプシャーで開催される民主党の候補者討論会を皮切りに始まる。そして2020年米大統領選挙期間中、Newsアプリ内でABC Newsのビデオ、ライブストリーミング、FiveThirtyEight投票データ、インフォグラフィック、分析などを展開する。

「スーパー・チューズデー、共和党と民主党の全国大会、選挙討論会、投票日、そして2021年大統領就任式もカバーする」とアップルは表明している。ABC News、Apple News、そしてWMUR-TVはまた予備選挙開始後に最初に開催される2月の討論会でも提携する。

アップルがNewsアプリの中で米国の選挙に関する特集を組むのはこれが初めてではない。同社は2016年の物議を醸した選挙の後に選挙ニュースの提供を始めた。その選挙では、GoogleTwitter、そしてFacebookなどを含むテック大企業が自社のネットワーク上で展開されたロシアによる選挙介入で議会での尋問や調査に直面した。

ほどなくしてApple Newsは米中間選挙のセクションの展開を開始し、その後、2018年11月6日にリアルタイムでの選挙結果ハブを展開した。直近では、2020年民主党候補と討論のガイドを加えた。

信頼できるニュースプラットフォームに対する需要は、Newsアプリにおけるアップルの最優先事項だ。そしてアップルはABCが今年4つのエドワード・R・マロー賞を受賞したことにも言及している。ABCはまた、2020年大統領選に関するものとしてはこれまでで最も視聴された討論会を主催した。この討論会は今年9月に開かれ、ABCとUnivisionで1400万ビュー、オンラインビデオで1100万ビューがあった。

一方、FiveThirtyEightは統計分析、データ可視化、それから最新の投票追跡や候補の推薦、資金調達といった政治と選挙に関するレポートで知られている。「質の高いニュースや信頼できる情報へのアクセスはいつのときでも重要だが、特に選挙の年はそうだ」とApple Newsの編集長であるLauren Kern(ローレン・カーン)氏はコラボレーションに関する声明文で述べた。「毎日Apple Newsを利用している数百万のユーザーに、2020年の選挙という大きなニュースについての幅広い報道、そして信頼できる分析を提供するためにABC Newsと提携できることを誇りに思う」。

「今度の選挙は近代史の中で最も重大なものの1つだ。Apple Newsとの新たな提携では、我々のワールドクラスの政治ジャーナリズムをこれまでよりもさらに多くの人に届けることになる」とABC News会長のJames Goldston(ジェームズ・ゴールドストン)氏は話す。「2020年を通して率直な情報や知見、コンテクストを提供することで、より多くの人に主要な問題や候補者、イベントをより深く理解してもらうことができるはずだ」。

選挙ニュースでの提携に先立ち、Apple NewsはAxios、Politico、The Washington Post、Fox News、CNN、The New York Times、CBSなどさまざまなメディアと手を組んでいる。

今回アップルが報道パートナーとしてABCを選んだのは注目に値する。アップルはこれまで、ABCを所有するDisney(ディズニー)と近しい関係にあった。これはひとえにDisneyのCEO、Bob Iger(ボブ・アイガー)氏がアップルの共同創業者Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏と親しく、ディズニーがジョブズ氏の会社Pixarを2006年に買収したことによるところが大きい。しかしDisney+のライバルであるApple TV+をアップルが立ち上げたことで、2社が競合関係にあるとしてアイガー氏はアップルの役員を辞任した。ただ、2020年の選挙報道での提携が示すように、2社は今後もときどきは協業できる。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

今夜のオスカーをストリーミングで見る方法はこれだ

5490663341_49d1396ab8_b

いよいよオスカーがやってくる。果たして、レオナルド・デカプリオはついにオスカーを獲得するのか? エレン[デジェネレス]はまたセレブ満載の自撮り作品を披露するのか?

成り行きのすべてを見たいけれでもテレビの前にいられない人のために、今日 5:30pm PT/8:30pm ETからこのイベントをストリーミングで見る方法をご紹介しよう。

番組は、ABC.comおよびWatch ABCアプリで、ABC系列局のある8都市のケーブル契約者にライブストリーム中継される ― ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、ヒューストン、サンフランシスコ、ローリー・ダーラム、およびフィラデルフィア。

ケーブル契約のない人や、上記の都市にいない人は、翌日ABC.comで公開される全編ビデオを待たなくてはならない。テレビを捨てたみなさん、残念!

ケーブルテレビを持っていて、見ながらセカンドスクリーンもフル活用したいという人には、Oscar.comの “The Oscar Backstage” がおすすめだ。サイトでは、20台以上のライブカメラでレッドカーペットとバックステージを紹介し、まるで会場にいるような雰囲気を味わえる。

真に没頭的なオスカー体験を好むなら、ロサンゼルスのABC系テレビ局、ABC7が360度VR視聴体験を提供する。

今日の2pm PSTから、VR視聴者は、レッドカーペットの歩行、ハリウッドサイン、オスカー2016 Governors Ballのプレビューを体験できる。VR体験は、ABC7.com、あるいはLittlestar VRのウェブ、モバイル、およびApple TVアプリで利用できる。

残念ながら授賞式そのものはVR中継されないが、来年には期待したい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アメリカのメジャーテレビ局が本物のスタートアップ起業家が登場する連続ドキュメンタリー番組を放送

シリコンバレーを扱ったテレビのリアリティ番組が、また一つ作られた。それはABC FamilyのStartup Uで、明日(米国時間8/11)の夜から始まる。どんなのかとゆうと…

Startup Uには10名の学生起業家が登場して7週間、Draper Universityで行われるコンペで競う。各回の番組で新たなスタートアップがローンチするが、どれも、Draper University流儀での起業スタイルが求められる。たとえば大自然の中での特訓に耐え、Draper Universityを作った億万長者VC、Tim Draperの、“ヒーローになるための誓い”を復唱する。学生起業家は数名の審査員の前で自分のアイデアを売り込むが、この部分はかつての人気リアリティ番組Shark Tank(やはり投資家の前で事業計画をプレゼンする)に似ている。

00000_synced.00_01_27_04.Still005

これはこの局の初めてのリアリティ番組だが、今一般人のあいだでも知名度が上がりつつあるサンフランシスコのテクノロジシーンは扱わない。シリコンバレーも、リアリティ番組で取り上げようとして、過去に何度も失敗している。そこで今回Draperは、リアリティ番組ではなくて一種の“連続ドキュメンタリー”だ、と番組を定義しようとしている。本物の起業家が出場するのだから、これまでの取材主体のテク番組やバレー番組とは違うのだ、と。

上のビデオではDraper自身が、番組での役柄と、若干の楽屋裏情報を語っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

わてらも投資やりまっせ―、関西の朝日放送が12億円のファンドを設立

abcdreamANN系列で関西有力放送局の朝日放送(ABC)が100%子会社となる「ABCドリームベンチャーズ」を7月10日に設立し、総額12億円のファンドの運用を開始する。大阪では先日、大阪市や阪急電鉄、みずほ銀行などが出資する48億円規模のファンドとして「ハックベンチャーズ」が立ち上がったばかりだが、地方有力企業によるCVCはまだ珍しい。同業としては、すでにフジテレビが2013年3月に15億円規模でFUJI STARTUP VENTURESを、TBSが2013年9月に18億円規模でCVCを開始させている。日本テレビもCVCこそ立ち上げていないものの、スタートアップコミュニティ運営のcrewwなどのスタートアップへ出資をしている。

CVC設立に動いたのは、もともと「探偵ナイトスクープ」や「新婚さんいらっしゃい」といったヒット番組を手がけ、現場で番組作りをやってきたプロデューサーの栗田正和氏(朝日放送株式会社ビジネス戦略局ビジネス戦略部長)らで、すでに昨年6月には新規事業創出を目的に、ビジネス戦略部を社内で立ち上げていた。投資領域は放送やコンテンツといったメディア事業でシナジーのあるスタートアップを第一に考えているという。

「朝日放送は全国にコンテンツを配信しているとはいえ、関西ベース。地元での信頼はあります。地元で視聴者とともに育ててもらってきた。だから関西に対して貢献ができればいいなと考えています。企業も頭脳も東京に流出するという流れがあるなかで、関西の中でもエコシステムができないかなと。そういう旗振り役になれないか、という気持ちもあります」(栗田氏)

開局64年、関西ローカルで2190万人、970万世帯にリーチする朝日放送は、番組自社制作比率が34%と、5大在京キー局をのぞくと比較的高く、コンテンツ制作能力が高い。財務面でも近年増収増益を続けていて2013年の連結売上高は814億円、経常利益が60億円と優良企業だ。ただ、モデルハウスやショールームといった一部の住宅関連事業をのぞくと売上のほとんどがCM収入で、若者のテレビ離れや広告出稿先としてテレビの地盤沈下(といっても直近5年は微増)に危機感を持っていることも背景にあるという。

「スマホやタブレット普及で視聴形態が変わってきています。動画配信や見逃し視聴と、定時放送だけに頼れなくなってきています。ファンドを通じて革新的な新規事業を生み出したい。シナジー分野であるメディアやコンテンツ、エンタメなどだけでなく、関西で強い、医療や教育、IoT、ロボティクスなどでも出資を考えています」

6月17日にフジテレビが初めて自社制作コンテンツの最初の出し先をNetflixとすると発表して関係者を驚かせた。これまでテレビ番組はキー局や、朝日放送のような準キー局がコンテンツを作って地方局に配信してきた。地方局は番組を買い、地元でCMスポンサーを募る営業をすることで成り立っていた。そうした日本の放送ネットワークの秩序が外圧で変わったことを示す象徴的な発表だったからだ。財力もコンテンツ制作力もある関西の準キー局がCVCを設立するというのは、こうした環境変化を捉えての面もある。

せやけど投資やれる人なんて、いますのん?

ところで、CVCや大学発ベンチャーなどでつきまとうのは目利き力や経営での支援能力が投資する側にあるのかという疑問だ。可能性を見つけ出し、ハンズオンでスタートアップ企業をエグジットさせるだけの腕が一般の事業会社の社員にあるのだろうか? 外部から経験のある人材を引っ張ってくるのかという問いに栗田氏はノーと答えた。

「いえ、最初は自分たちでやっていきます。先日ハッカソンをやりましたが、ピッチやイベントを通じて人脈ネットワークを広げつつ、目利き力を上げていきたいと考えています。いずれは専門知識をもったコンサルタントやVCとも協力していきます」

当面はABCドリームベンチャーズがリードインベスターとなるようなことは難しく、ほかのVCと協力していく考えという。今日が外部への初めての発表日で、現時点で投資検討の俎上(そじょう)に載っているスタートアップ企業などもないという。

「CVCなので事業シナジー最優先。その先に金銭的リターンを考えていきます。それは後から付いてくるものと考えています」

栗田氏は探偵ナイトスクープのプロデューサーを5年ほど務めた経験があり、テレビ局には企画力、構成力、人間を見る力があると話す。関西ローカル局制作で人気の番組は、視聴者参加型のモノが多く、これはネットのUGC型コンテンツとも似た面があるし、その制作プロセスは、起業家の人間性を見るのと似た面があるという。

「投資先を探すのは視聴者参加番組の制作と似てる面があるなと思っています。ナイトスクープだと、調査の依頼者を応募者から選ぶわけですが、「それホンマに調査できるんか?」とか、実現可能なのかとか、まずそういう目でみます。ひとりよがりだとアカンのですね。それからテレビなので、最終的にむっちゃええ顔して泣いてくれるかとか、泣きながら頑張ってくれそうかとか、そういうのも見るんです。アタック25なんかでも、そうです。ただ単にクイズが得意かどうかだけじゃなくて、どういう表情をするのかを見ています。関西の放送局なので、おもろい素人を見つけて出すというのがアイデンティティとして流れてるんですね。すごく人を見てるんです。起業家を見る時も、実現可能性や市場性、人的魅力といいますが、根っこは一緒かなと思うんです。邪道やとは思うんですけど、せっかく放送局がやるんやから、そういうことをやっていきたいです」