ナイキやエクスペディアも顧客、好調のSEOサービスBotifyが2000万ドル調達

SEOをサービスとして企業化したBotifyは、ナイキやエクスペディアなどを顧客として抱えている。同社は米国時間2月26日、シリーズBで2000万ドルを調達したことを発表した。

共同ファウンダーでCEOのAdrien Menard氏によると、SEOというサービスの商機は「昔に比べるとむしろ今の方が大きい」。そしてSEOという問題は、多くの人が理解しているよりもずっと幅広い問題だそうだ。

彼曰く、「SEOというとキーワードの最適化ぐらいしか考えない人が多いけど、でも大きなWebサイトのページの50%以上はインデクスされていないのだ」。そこでBotifyは、Googleがどのページをクロールしているかを特定し、コンテンツのもっと良い構成の仕方を顧客に勧奨する。

最近Botifyは、JavaScriptで書いたクローラーやモバイルとデスクトップを比較するツールなどのほかに、キーワードプロダクトというものを立ち上げた。それにより同社は今や、“検索というプロセスのすべてのステージを最適化”できるプラットホームを提供している、という。

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今回の投資はフランスのIdinvest Partnersがリードし、Ventechが参加した。これでBotifyの調達総額は2700万ドルになる。

フランス生まれの同社は、2016年のDisrupt NYに出たことを契機に米国でもローンチし、近くシアトルに第2のアメリカ本社を開く。それは、ウェストコーストの市場開拓と顧客サポートのためだ。第1本社はニューヨークである。

オフィスの拡張と並んで同社は、Christophe Frenet氏をプロダクト担当SVP、Rachel Meranus氏をCMO(Chief Marketing Officer)として招聘するなど、経営陣の充実にも努めている。最近ではNeolaneの共同ファウンダーStephane Dehoche氏とBuzzFeedの元社長Greg Coleman市を取締役会に迎えた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

BotifyはGoogleの検索クローラーGooglebotがあなたのページを訪れるようにしてくれる新種のSEOサービス

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Google検索のランクが、企業の浮沈を決める。検索結果の上の方に出ないと、あなたのサイトは訪れる人も途絶え、閑古鳥が鳴く。

では、Googleはどうやって、検索結果の登場順位を決めているのだろう? それを決めているのは、インターネット上のあらゆるサイトを這いまわって、検索結果の元となるインデックスを作っている、GooglebotというGoogle独自の自動運転ソフト、というかスクリプトだ。このスクリプトは仕様等が公開されていないので、Webサイトの作者が検索エンジンのクローラー(crawler, 這いまわり屋)の特性に合わせたSEOをやるのは、ほぼ不可能だ。

そこで、クラウドサービスとして提供されるBotifyは、あなたのWebサイトを調べて詳細なSEO分析を行い、何をすべきかを指南する。今日のDisrupt NYでデビューしたこのフランスの企業は、すでに720万ドルを調達しており、顧客の中にはeBay, BlaBlaCar, Expediaなどの大物の名も見える。

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Botifyは、いくつかの点でこれまでのSEO屋さんとは違っている。

第一に、あなたのサイトのどのページをGoogleがクロールしたかを検出できる。GoogleがWebサイトをクロールすると、そのサイトのサーバーのログに痕跡が残る。Botifyがそのログを見ることができれば、Googleのクローラーがどのページを訪れたかが分かる。

ユーザーはBotifyをクローラーとして利用することもできるが、そのクローラーの能力、一つのWebサイトから訪れる他のWebサイトの数1億5000万は、同社に言わせると世界記録だそうだ。なおユーザーは、自分のサイトのサーバーの能力に合わせって、このクローラーの速度(毎秒10〜200サイト)を指定できる。

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CEOのAdrien Menardによると、“Googleがクロールしないページは検索からのトラフィックが生じないので、サイトの売上に貢献しない。Googleのクローラーがそのページを訪れるようにすることが、そのWebサイトの必須の経営課題だ”。

そのためにBotifyが勧める策は、多くのSEOコンサルタントが言うように、そのページのコンテンツを増やすことではなく、“サイト全体の構成を改善して、効率を高める”ことだ。

たとえばそれは、内部的リンクの構造を、Googleのクローラが各ページを訪れやすいように組み替えること。また、各ページをロード時間の短い軽いページにすることも、重要だ。

こういう、密度の濃いSEOは、大きなWebサイトに合っているだろう。Botifyの料金体系もそのことを示唆していて、最低料金が対象URL数500万、月額500ドルだ。エンタープライズプランでは月額1万ドル以上になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))