超音速航空機のアエリオンが高速2点間飛行の技術研究でNASAと提携

Aerion(アエリオン)は約10年前から商業超音速飛行の新時代を切り開くために取り組んできたが、その知識を超音速2点間飛行の追求に生かすため、NASAと新たなパートナーシップを締結したことを発表した。これはつまり、地球上のある場所から別の場所へ非常に迅速に移動する人々のために、一般的に宇宙への打ち上げに関連づけられている高速飛行を利用するということだ。

この新たな提携は、基本的にNASAがさまざまな目標を達成するために民間企業の援助を求めることを認める(宇宙法協定)に基づくものだ。

NASAはこれまで長い間、高マッハ、超音速の航空機技術を開発してきた。特にLockheed Martin(ロッキード・マーチン)社と製造・飛行の契約を結んだ「X-59 QueSST」は、超音速機が比較的静かに飛行することができることを示す実証機で、音の壁を破ったときにほとんどの超音速機が発する衝撃波による轟音を回避する、いわゆる「低ソニックブーム」性能を備えている。

NASAは2020年、Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)社と宇宙法協定に基づく同様の提携を発表したが、その目的は持続可能な超音速商業飛行の最終的な実現に向けた技術開発を支援することだった。

AerionとNASAとの提携は、特にマッハ3からマッハ5の速度における商業飛行技術を研究することに重点を置き、推進力や熱管理システム、発電、乗客と乗務員がキャビンで使用する技術に焦点を当てることになる。

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Aerion独自の民間超音速航空に対する取り組みとしては、ビジネス顧客向けのプライベートジェット機「AS2」が2023年に生産を開始する予定で、その後に商業用の超音速大型旅客機「AS3」が続くことになっている。

AerionとNASAとの提携は今回が初めてではない。両社は過去に2度、同様のプロジェクトで協力したことがあり、最初の協業は2012年に始まった。Aerionの航空機が生産段階に近づいた現在、米国の商業的に実行可能で持続可能な超音速旅客機技術の開発を支援するというお互いの目標に向けて、双方のパートナーが多くのものを得ることになりそうだ。

カテゴリー:宇宙
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画像クレジット:Aerion

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)