DevOpsのためのモニタリングと試験プラットフォームのChecklyがシードで2.4億円相当を調達

DevOpsチームのためのモニタリングと試験のプラットホームを開発しているベルリンのChecklyが米国時間4月28日、Accelがリードしたシードラウンドで225万ドル(約2億4000万円)を調達したことを発表した。エンジェル投資家でInstanaのCEOであるMirko Novakovic(ミルコ・ノバコビッチ)氏やZeitのCEOであるGuillermo Rauch(ギジェルモ・ラウフ)氏、Twilioの元CTOであるOtt Kaukver(オット・カウクバー)氏らも、この投資に参加した。

同社のSaaSプラットホームを利用することでデベロッパーは、彼らのAPIエンドポイントとウェブアプリケーションをモニタし、異変の警告を受けることができる。そのトランザクションモニタリングツールを使えば、フロントエンドのウェブサイトの試験を定期的に繰り返し行うことが容易になり、コードは一行も書く必要がない。この試験ソフトウェアはGoogleのオープンソースのPuppeteerフレームワークを使っており、そしてその商用のプラットフォームを開発するためにChecklyはさらに、Puppeteer Recorderというものを開発して、エンドツーエンドの試験スクリプトをローコードツールの中に作り込んでいる。デベロッパーはそれに、Chromeのエクステンションからアクセスする。

モニタリングツールの市場は混み合っているが、Checklyのチームはエンドツーエンドの試験とアクティブモニタリングの組み合わせ、およびモダンなDevOpsチームへのフォーカスが自分たちの強みだと考えている。

創業者のTim Nolet(ティム・ノレット)氏は 「モニタリングの市場の1人の顧客として、それらのツールは90年代にずっと行き詰まりになっていて、チームをJavaScriptでサポートし、DevOpsのチームの中のいろんな役割で使えるツールが必要だと感じていた。自分で作り始めてみてすぐに気づいたのは、モニタリングと同様に試験も重要だということだ。Checklyで開発したのは、顧客が以前からずっと求めていたような新しいタイプのツールだ。評価は口コミですでに相当広がっている。DevOpsのチームに信頼されるプラットフォームというビジョンの今後の構築に向けて、Accelをパートナーにできたことは非常にうれしい」と語っている。

Noletの共同創業者は、TestObject(後にSauce Labsが買収)を創ったHannes Lenke(ハネス・レンケ)氏と、Saucd LabsのEMEA担当営業部長だったTimo Euteneuer(ティモ・オイチューニア)氏だ。

同社によると現在の顧客は約125社で、同社のプラットフォーム上で1日に100万回のチェックを行なっているとのこと。料金は個人デベロッパーなら月額7ドル(約750円)から、小さなチームのためのプランは月額29ドル(約3090円)となっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

CircleCIの継続的統合とデリバリーサービスがAWSのサポートを拡充

継続的インテグレーションとデリバリーのサービスを提供するCircleCIは1年ほど前から、そのコマンドやインテグレーションをサードパーティのサービスで容易に再利用するための方法としてOrbsを提供してきた。当然ながら、Orbsが最も多く使われるサービスといえばAWSであり、同社のデベロッパーもコードのテストやデプロイをAWSで行っている。米国時間12月2日、ラスベガスで行われているAWSの例年のデベロッパーカンファレンスre:Inventと日を合わせたかのように、同社はOrbsにAWSのServerless Application Model(SAM)のサポートを加えたことを発表した。これにより、AWS Lambdaのテストとデプロイを行う自動化CI/CDプラットホームのセットアップがとても容易になる。

同社によると、1年前にローンチしたOrbsを今では1万1000社あまりが利用している。OrbsのAWS用の利用の中で特に多いのは、例えばAmazon Elastic Container ServicesとElastic Container Service for Kubernetes(EKS)のイメージの構築とアップデートや、AWS CodeDeployのサポート、AWSのコマンドラインインタフェイスをインストールし構成するためのOrbs、S3ストレージサービスで利用するOrbsなどだ。

CircleCIの事業開発担当副社長Tom Trahan(トム・トラハン)氏は「最近ではますます多くの企業がLambdaやECS、EKSなどのマネージドサービスを使うようになっている。サーバーレスのエコシステムを管理しているAWSのプロダクトチームと協力して、LambdaにCI/CDのワークフローを加えたいユーザーのための出来合いのサービスを作ることはタイミングとしても理想的だ。Lambdaも最初の頃は、従来のソフトウェアのパターンとデリバリーのフローに従わないデベロッパーが多かった。しかしその後は徐々にLambdaの利用機会が増えて、それを最も有効利用するためには、プロダクション品質のコードを作るべきという風潮になってきた。そしてLambdaでも同じソフトウェアデリバリーの能力と規律を持つべきという理解が定着してきた」と語る。

トラハン氏が強調するのは、今はまだアーリーアダプターが多いし、最初からクラウドネイティブでやってるような企業が顧客として多いことだ。しかし最近では、そういう顧客の中にも従来型の企業が多くなっており、彼ら独自のデジタル革命が急速に進行しているという。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ZenHubのWorkspacesはGitHubのリポジトリに複数のチーム別ワークスペースを作れる

GitHub用のプロジェクト管理ツールZenHubは、米国時間5月21日、そのサービスをチームで使いやすくするための機能としてWorkspacesのローンチを発表した。それはZenHubのサービスをチームのニーズに合わせてカスタマイズでき、それでも仕事の基盤としてはGitHubを使用するというものだ。

Workspacesはその名のように、チームがGitHubのリポジトリの中に複数のワークスペースを作れる(ZenHubはそのためにChromeのエクステンションを使う)。それによって、あるデベロッパーチームは、すべての問題の詳細なビューを得られ、そのほかのチームは自分たちに関係のあるものだけが見える。このことによってさまざまなチームが、ScrumやKanbanなどなど、それぞれ独自のワークスタイルを採用できる。

ZenHubのファウンダーでCEOのAaron Upright氏はこう語る。「この機能によって各チームが独自の方法で仕事ができ、そのやり方に応じた独自のユニークなワークフローを作れる。例えば、フロントエンドのチームはGitHubの彼ら独自の問題を抱えていて、それらはKanbanスタイルのワークフローになるだろう。またバックエンドのチームなら、独自のScrumスタイルのワークフローになるかもしれない」。

問題は全チームで共有され、どのチームが今何をやってるかもわかる。つまり、社内の透明性が確保される。

画像クレジット: masahiro Makino/Getty Images

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Walmartがオープンソースのクラウド&アプリケーション管理プラットホームOneOpsをローンチ

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Walmart(そう、あのWalmart)が、クラウドとアプリケーションのライフサイクル管理のためのDevOpsプラットホームOneOpsを、オープンソースでローンチする。Walmart Labsが開発したそれは、アプリケーションをよりはやく書いてローンチし、それらのメンテナンスをより容易にすることがねらいだ。

そのサービスをオープンソースにすることは、昨年発表されていた。

“われわれのミッションは、顧客に、もっともアジャイルでコスト効果が高く柔軟性に富むアプリケーションライフサイクル管理のソリューションを、クラウド上のエンタープライズクラスのワークロードに対して提供することだ”、とチームは語っている。

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Walmartのような企業がこんなツールをローンチするのは奇妙とも思えるが、しかしむしろ、レガシーのリテイラー(小売企業)においては、テクノロジの有効利用が今のWalmartほどには進んでいない、と言えるのかもしれない。ただし同社が今日(米国時間1/26)述べたように、同社はクラウドのユーザであり、クラウドのプロバイダではない。

今日の発表声明の中でWalmartのCTO Jeremy KingとWalmartLabsのプラットホーム担当VP Tim Kimmetはこう述べている; “WalmartがOneOpsをオープンソースでリリースすることは、理にかなっている。オープンソースにすれば、コミュニティがそれを改良したり、既存のテクノロジに適応させるための方法を築いたりできるからだ。われわれはオープンソースの門外漢ではない。これまでもずっと、積極的なコントリビューターであり、Mupd8やhapiのような技術をコミュニティにリリースしてきた”。

実際にはOneOpsは2011年に企業として創業され、Walmartが2013年に買収した。今日では同社の約3000名のエンジニアが、新しいプロダクトの構築や管理に利用している。walmart.comやSam’s Clubなどの、同社のeコマースサイトは、OneOpsで管理されている。同社によると、同社のエンジニアたちは、このプラットホームを使って毎月3万あまりの変更をコミットしている。

それでは、OneOpsは一体何をするのか? Walmartによると、このプラットホームの重要な利点のひとつは、そのままで複数のパブリックおよびプライベートなクラウドプラットホームに使えることだ。それらのクラウドプラットホームは、Microsoft Azure, Rackspace, AWSおよびCenturyLink Cloud, そしてOpenStackのクラウドだ。OpenStackはWalmartがそのアーリーアダプターであり、今でも最大のユーザの一つだ。

“クラウド環境はコントロール性が優れているから、クラウドのプロバイダがプロプライエタリなツールや技術の使用をユーザに指定したり、使える帯域を制限したりするのではなくて、OneOpsを使えば、デベロッパがコントロールを自分の手中に取り戻すことができる”、とチームは書いている。

Walmartのチームによると、NoSQLデータベースのCouchbaseとも協働して、自分たちのプロダクトを統合してもらっている。OneOpsはそのほか、Node.jsやDocker, ElasticSearchなどなどさまざまな技術と一緒に使えるようセットアップされている。

OneOpsにはさらに、モニタリングツールや、不具合時の自動治癒/自動リプレース機能、クラスタのサイズを管理する自動スケーリングツールなどが含まれている。アドミン向けには、企業向けのアイデンティティサービスやクォータ管理、構成管理などとの統合もできる。

プロジェクトのコードはGitHubにある。GitHubのプロダクト管理担当VP Kakul Srivastavaは、こう言っている: “Walmartはオープンソースへの重要な貢献を続けている。これからGitHubのコミュニティがOneOpsとどうエンゲージしていくか、楽しみに見守りたい。小売企業の大物がソフトウェアの大物にもなるところを目撃するなんて、すごいことだよ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。