プログラマブルな猫ロボ「Meet MarsCat」は飼い主と一緒に成長・進化する

CES 2020で、製品の見せ方の完成度が高かったジャンルといえば断然、家庭向けロボットだ。そして中でも最もかわいらしいのが、工業用ロボットメーカーのElephant Robotics(エレファント・ロボティクス)が出展したロボペット「MarsCat」だろう。このロボットペットは完全に自律的なコンパニオンで、接触や音声に反応するだけでなく、おもちゃで遊ぶこともできる。ほんの数分間遊んだだけで、誰もが好きになってしまいそうだ。

MarsCatの出自は一風変わっている。なぜならElephant Roboticsは、Cobots(コボット)と呼ばれる、工場や組み立てプラントで人間と一緒に仕事をする工業用ロボットのメーカーだからだ。Elephantは2016年の創業で、今では協働ロボットの製造ラインが3つもあり、韓国、米国、ドイツなど世界中の企業に販売網を広げている。

MarsCatは、そんな同社の初めての家庭用製品で、もちろん工場や研究所ではなく家庭で使用する。初めてのとは言っても、これまでに蓄積されたロボット製造技術が至るところで生かされているはずだ。たとえば脚や尻尾や頭部の関節の動きがとても滑らかで、座る、立つ、歩く、遊ぶ、人の動きを注視するなどの動作を完全に自律で実現する。

しかもMarsCatは、そんな機能性が最初からあるだけでなく、ユーザーがプログラミングしてカスタマイズできる。全体をRaspberry Piが動かしていて、プログラミングする人のためのオープンなライブラリとしてMarsCat SDKが同梱される。そのAPIを使えば、ロボットの動きや機能を完全にコントロールしプログラミングできる。だから、STEM教育の教材にもなるし、ロボティクス(ロボット工学)の勉強もできる。

MarsCatは今、Kickstarterでクラウドファンディングを実施しているが、目標額の2万ドル(約220万円)はとっくに超えて、10万ドル(約1100万円)以上には達しそうだ。Elephant RoboticsのCEOで共同創業者のJoey Song(ジョーイ・ソング)氏によると発売は3月の予定なので、そんなに長く待たされることはない。

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ロボットペットは現在さまざまな製品が市場に出ているが、ソング氏によるとMarsCatのように高度な機能がたくさんあってしかもそのわりには安いという製品はほかにない。例えば、現状でいろんな音声コマンドに応答できるし、ユーザーとのコミュニケーションを通じて進化できる。ユーザーがたくさん話せばお喋りになるし、たくさん遊んでやれば遊びが大好きな子猫みたいになる。しかもプログラミングができるオープンなプラットホームだ。支援者価格699ドル(約7万6600円)はお買い得だろう。

ソニーのAibo(アイボ)はMarsCatの犬バージョンだが、米国の小売価格が2899ドル(約31万7600円)なので、MarsCatはお買い得だ。しかも、本物の猫と違ってMarsCatには排泄も抜け毛もない。それも魅力の1つだろう。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソニーの「aibo」、アップデートで賢くなったが値段の割にはイマイチ

新型のaiboは素晴らしい。だが、機能が少ない割には非常に高価な“おもちゃ”だ。ロボット犬が本物の犬と比較して優れているところは、「老いたる犬に新しい芸を教えることはできない」というが、それをソフトウェアのアップデートで可能としているところ。まあ、企業がアップデートを続けるのであれば、の話だが。

ソニーは3月18日、「aiboシステムソフトウェア バージョン2.01」のアップデートを順次開始すると発表した。スマホ版の「My aibo(Ver2.0.0)も」同日に併せて公開。上記のアップデートにより、1月に発表されたaiboの新機能「aiboのおまわりさん」が各家庭で利用できるようになった。

同アップデートにより、aiboはルンバのように家の地図を作り、各部屋の名前を付けれるように。そして設定された時間に「犬のおまわりさん」のメロディーとともに指定された場所をパトロールする。

新型aiboの主な機能は「見つけてほしい人」の顔と名前を10人まで登録できたり、パトロールの状況や毎日の暮らしの中での触れ合いの様子のレポートを作成したりできるところ。このような機能では、スマートホームセキュリティを代替するのは現段階では難しいだろう。

今回のソフトウェアでは、上記に加えて、頭部の動き、姿勢、写真のクオリティなどがアップデートされ、尻尾を触られていることを感じられるようになった。良いんじゃないかとは思うが、結局、3000ドルは高すぎる。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

[米国版TechCrunchの記事はこちら]

ソニーのロボット犬、Aiboがアップデートで賢くなった

Aiboが出たときは大いに期待した。犬もロボットも大好きなのだ。しかし実際にテストしてみると、3000ドルもするわりに機能は限定的だった。ロボット犬が本当に家族の一員になるのはだいぶ遠いようだとため息をついたものだ。

それから数ヶ月、ソニーはいくつかのアップデートを実施した。これでまた私の関心が呼び覚まされた。われわれの姉妹メディア、engadgetによればAiboの「チョコ・エディション」は焦げ茶と茶色の塗装のおかげで見ためが今までより犬らしくなった。現行の白バージョンと価格は変わらない。

しかしもっと重要なのはAiboに新しい芸が用意されたことだろう。当面一番役に立ちそうな芸のパッケージは内蔵センサーを利用した見守り機能だ。「aiboのおまわりさん」はソニーが以前から準備していたものだが、ロボット犬の顔認識と3Dマッピング・テクノロジーをセキュリティー監視に利用している。
日本では大手警備保障会社のSecomと提携したパッケージの提供も検討しているという。「おまわりさん」その他のaiboの新しい芸の利用は有料で、月額1480円のプレミアムプランのサブスクリプションが必要だ。またサードパーティーが利用できる開発プラットフォームも夏までに公開されるという。

本体価格を考えると、これで購入者が殺到するようになるかどうかわからないが、少なくともソニーがロボット犬のサポートに力を入れていく姿勢がはっきりしたのはグッド・ニュースだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

aiboが「操作できるロボット」に、ソフトウェアAPI公開へ

eng-logo-2015ソニーは、ペットロボット「aibo」の開発環境を2019年夏を目処に公開すると発表しました。

aiboの開発環境は、Web APIとして公開され、開発者やユーザー(aiboオーナー)が無償で利用できるようになる予定。開発環境を通して、aiboをロボットとして操作できます。23日に実施された発表会では、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」と連携してアイボにティッシュペーパーを引き抜かせるデモンストレーションが披露されました。

aiboは犬のように自由に動き回って、触れ合いによって性格が変わっていくペットロボット。今回のAPI公開はそのコンセプトに反しているようにも思えますが、たとえば「玄関ベルの音を効くと玄関に駆けていく」といった動きはオーナーがプログラミングした方が手っ取り早く実現できるかもしれません。

なお、aiboはユーザーの顔を撮影したり、家の間取りを地図化したりする機能を備えていますが、Web APIではそのデータそのものにはアクセスできないようにするとしています。

ソニーでは今後、企業や団体、教育機関向けに連携機能のライセンス提供を行うとしています。

Engadget 日本版からの転載。

ニューヨークでAiboお披露目(ビデオ)――ソニーのかわいいロボットドッグがアメリカにやってくる

ソニーは先週ニューヨークで復活した新しいAiboを紹介するプレスイベントを開催した。ソニーのアメリカ法人、Sony Electronicsの新事業担当副社長、Michiko Arakiはビデオで次のように述べた。

ソニーが初代のAiboを発表してから20年近くになる。この間、ソフトウェアはもちろんセンサー、アクチュエータなどテクノロジーはあらゆる面で大きく進歩した。さらに現在ではWiFiを通じてインターネットのクラウドにアクセスすることができるようになった。

これにより新しいAiboはオーナーと本当の絆を育てることができる。それぞれのオーナーとの交流を通じて学び続け、独自のパソナリティーを育てていく。交流を深めるほど独自の性格が生まれ、友情も深まる。Aiboは伴侶を求める人なら誰にでも勧められるすばらしいロボットだ。これはソニーがAIとロボティクスの分野で何ができるかを実証するショーケースといえる。

アメリカ向けAiboの価格は2899ドルでAibo本体の他にクラウドAIとの接続契約3年分、Aiboが好きなピンクのボールといったおもちゃ、特製のドッグタグなどが付属する。9月から販売が開始され、出荷はおそらくホリデーシーズンとなるだろう。

TechcrunchのAibo記事はこちら

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滑川海彦@Facebook Google+

ソニーのAiboがアメリカで販売開始へ――高価だがソニーのAIとロボティクスのショーケースに

ペットはお金がかかる。手数料、予防注射、食べ物、医療費…それでも結局は惜しみなく愛情を注いでくれる無二の伴侶を得ることができる。

もしそういうコストを少しばかり節約しようと考えているならロボット・ドッグ、すくなくともソニーのAiboはお勧めできない。ソニーが復活させたAiboは賢くてかわいいが決して安くはない。今日(米国時間8/23)、ニューヨーク市で開催されたイベントでソニーはAiboについてさらに詳しい情報を発表したが、値札は2899ドルだった。

Aiboの魅力(実際多数ある)にもかかわらず、ニッチなプロダクトに留まるだろうと予測せざるを得ない。Sony North Americaのプレジデント、COOのMike Fasuloが私に語ったところによれば、ソニーはホームロボティクスの分野で主要なプレイヤーになることを目指しているという。しかし何年も前からソニーが約束していたものの、この価格ではAiboがメインストリームのプロダクトになることはないだろう。

むしろAiboはソニーがホームロボティクスに力を入れることを象徴する製品だ。現在のソニーの消費者向けロボティクスとAIのショーケースとして機能することは間違いない。ともあれ、かなりかわいい製品に仕上がっている。私はソニーのCESのプレス・カンファレンスに出席してAiboがアメリカに初めて登場したのを見た。すると部屋中に驚きの声が上がった。つわもの揃いのテクノロジー・ジャーナリストたちの心を一瞬で溶かすのは容易なことではない。その点Aiboは大成功だった。

Fasuloは私のインタビューに答えて次のように述べた。

この製品はソニーのイノベーションの能力を示すものだ。このロボットには4000のパーツが組み込まれている。目はOLEパネルを内蔵しており、かわいい表情を作り出す大きな要素となっている。同時に写真撮影の能力も優れている。Aiboは全体としてソニーのイメージ・センサー・テクノロジーをベースにしている。このロボットは22軸の自由度を持ち、きわめて柔軟、多様な動作が可能だ。これは私が見てきた他のロボットのどれよりも優れている。Aiboはソニーがイノベーションにコミットすることを証明し、おそらくはブランディングにも良い影響を与えるだろう。

第1世代のAiboはあらゆる意味で時代に先駆けていいた。しかしその後、コンシューマー向けAI、クラウド・テクノロジーなどすべては当時では考えられなかったほど進歩し、広く普及した。19年のブランクを経て再登場したAiboはどんな性格のペットロボットになったのだろうか?

ソニーはAiboである種のリスクヘッジを図っている。2899ドルという価格は熱心なアーリーアダプター以外にはアピールしそうにない。ではあるが、このロボットは日本では驚くほどの売れ行きを示している。2万台前後が売れたというが、これはソニーの当初の期待以上の数字だろう。Fasuloによれば、アメリカ市場での販売目標は「数千台」だという。

現在Aiboはメインストリーム向けプロダクトではないし、複雑なメカニズムを考えれば将来も大幅に価格が下がることもなさそうだ。しかしソニーは今度こそ(すくなくとも当分の間)ロボティクスに注力するだろう。ソニーの「最初の子犬たち」は3年間のAI Cloudサービスがサポートされる。つまりロボット犬は3年間は健在で跳ね回ることができるわけだ。

驚くほど高価なクリスマスプレゼントを探しているむきは9月から購入できる。またニューヨークのソニースクエアで10月下旬まで実物を見ることができる。

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滑川海彦@Facebook Google+

新型aiboをソニーが発表。自ら好奇心を持った、生活のパートナーとなる犬型ロボット

eng-logo-20152017年11月1日、ソニーが新製品発表会を開催。噂通り、新型のaibo(シリーズ名や発音も『あいぼ』です)を発表しました。形状も、前シリーズを継承した犬型です(ただし「犬」と明言するのは今回が初めて。とのこと)。
モデル名は『ERS-1000』。プレフィックスのERSも、前シリーズを継承したものです。本体カラーはソニー流の洒落か(?)『アイボリーホワイト』。

発売日2018年1月11日、価格は19万8000円(税別)。ただし使用には別途「aiboベーシックプラン」への加入が必要。こちらは3年契約で、一括では9万円、分割では1月あたり2980円となります。
先行予約は専用サイトより、本日(11月1日)午後11時1分から開始されます。

もちろん、中身は昨今のスマートデバイスとして大きく進化。眼は有機ELディスプレイとなり、可動は22軸。腰を振る、顔を震わせる動きも可能とアピールします。そしてLTEモデムを標準で搭載。心臓部となるSoCはクアルコムのSnapdragon 820を採用します。

発表会には同社CEOの平井一夫氏が登壇。新型AIBOを抱きかかえる演出なども行なわれました。

aiboシリーズの新モデルだけあり、ソニー側のアピールする特徴は「親近感のあるルックス、視線を惹きつける瞳など愛らしい姿や、躍動感のある多彩な動きと小気味良い反応」。技術的な観点よりも、従来のシリーズと比較しても進歩した、外観や動きのかわいらしさを前面に打ち出しています。

実際にその動きは、スムーズかつ妙に、と表現したくなるまでにリアリティのこもった印象。
以前のAIBOは犬型と銘打っていなかったこともあってか、ある程度以上は犬に近づけるモーションをあえて避けていた感もありました。
対して今回の子は、犬っぽい動きの再現にかなりの力が注がれていると感じます。

動画:1分でわかる新aibo、ソニー「aiboは挑戦のスタートに過ぎない」

【編集中】

Engadget 日本版からの転載。

ソニー、人工知能を搭載したAibo復活へ――Amazon Echo風AIロボット犬になる?

エレクトロニクスの巨人は引退したプロダクトを復活させて新たな仕事をさせる。Nikkei Asian Reviewなどの報道によれば、ソニーは愛され、惜しまれていたロボット犬の開発を再開するという。新しいAiboは時代に合わせて人工知能アシスタントを搭載することになる見込みだ。

スマートAiboはソニーの消費者向けスマート製品の最初の一つとなる。ソニーはAIプロダクト市場でAmazon、Google、Appleなどの先行組に追いつく努力を本格化させるようだ。

ソニーの人工知能搭載ロボットがAibo製品になるかどうかは発表されていないが、Aiboは時代に大きく先駆け、広く知られたブランドだ。しかし7年間の歴史でメインストリームの消費者製品となることはなかった。

Aiboが再開されるという噂ははるか以前にも出ていたが実現はしなかった。しかしその後10年もたち、Aiboブランドはノスタルジーの中からフルに復活することになる。

ソニーはロボット・テクノロジーを主として産業用分野で追求していたが、今回の動きは消費者向けロボット製品に戻ってくることを意味する。また消費者向け製品で再び大ヒットを狙うのだろう。Amazon Echoや Google Homeの急成長を見れば、スマート・アシスタント製品が有望分野であることはあまりにも明らかだ。

情報によれば新しいプロダクトはAiboのハードにAmazon Echoのようなスマート・ホーム機器の能力を組み込んだものになるようだ。本物の犬のように歩き回って家の中を監視し、音声でコントロールできるという。

過去のソニーのスマート・アシスタントに関する取り組みは中途半端なものだった。ソニーはAssistantと名付けたスマート機能を開発しXperia Ear Bluetoothなどのウェアラブル製品に 組み込んだものの欠点が多く、今年の1月のIFAでデモされたHome Podのライバルを目指す製品などでAlexaやGoogle Assistantと連係していた。

今回の報道によれば、Aibo風のロボット犬はソニー独自のAIを搭載することになり、サードパーティーも機能を追加できるという。このAIがAssistantの改良版になるのか、まったく新しいプロダクトとなるのかは不明だ。いずれにせよソニーは人工知能分野でGoogleやAmazonにキャッチアップすべく大規模な研究を開始しているという。

われわれはソニーにコメントを求めている。

画像: Getty Images

〔日本版〕先月、ソニーは傘下のベンチャーキャピタル、Sony Innovation Fundを通じてロボティクスのスタートアップ、Acutronic Roboticsに出資している。TechCrunch記事によれば、ソニーはロボット事業にAcutronicのプラットフォームを採用するという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+