ショートムービーのQuibiがAirPlayをサポート、iPhoneなどでのコンテンツシェアが容易に

4月にサービスを開始したとき、Quibiはすぐに視聴できるようなショートビデオを提供するという明確な使命感を持っていた。サービスの狭い焦点は多くの潜在的な加入者を誤った方向に動かし、多くの人がシリーズ動画を見るためのより伝統的な方法を要求した。

最終的にQuibiの立ち上げは残念なものとなり、創業者のJeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏はサービスの不調なスタートを新型コロナウイルスのせいにした。他のストリーミングサービスがロックダウンの中でどのように成功してきたかを考えると、それは奇妙な主張だ。インタビュー(ニューヨークタイムズ紙記事)の中で同氏は、テレビへのストリーミングのサポートの追加についても言及した。

新型コロナウイルスのパンデミックとQuibiの期待はずれのパフォーマンスが、この機能のローンチを加速させたのかもしれない。QuibiはApple(アップル)のAirPlayのサポートを追加するという約束を果たした。つまり、iOSユーザーはQuibiのイライラするほど短いコンテンツを、AirPlay対応システムに直接ストリーミングできる。

チーフプロダクトオフィサーのTom Conrad(トム・コンラッド)氏は、Twitterにて今回の機能追加に言及した。「我々はQuibiを外出先で利用するように設計したが、最近ではより屋内で使われるようになっている。そこで、Quibiのバージョン1.3にてiOS向けにAirPlayのサポートが追加された。さらに来月には、Chromecastへのストリーミングの対応が予定されている。

興味深いのは、HBOが待望のMaxサービスを開始する日にこのニュースが入ったことだ。しかし、期待外れと思われていたローンチ後もQuibiが確かに進化を続けているのは良いことだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

LGのスマートテレビが来週AirPlay 2とHomeKitに対応

サムスン、Vizio、LGは今年はじめに自社のテレビのオペレーティングシステムをアップルのエコシステムに対応させることを発表していた。LGオーストラリアのツイートによれば、HomeKitとAirPlay 2に対応したwebOSのアップデートが来週リリースされる予定だという。

iPhone、iPad、Macのいずれかを持っていれば、お気に入りのビデオ再生アプリのAirPlayアイコンからビデオコンテンツをテレビにストリーミングすることができる。ただし残念ながらAirPlayに対応していないアプリもある。例えばYouTubeやAmazonプライムビデオのコンテンツはストリーミングできるが、Netflixの番組はできない

写真を大画面で見たい場合にもAirPlayは便利だ。また、PowerPointのプレゼンテーションを会社にあるLGのテレビで再生したいなら、画面をテレビにミラーリングすることもできる。

LGのテレビはAirPlayのオーディオにも対応する予定であるため、オーディオをLGのテレビも含めて複数のAirPlay 2デバイスに同時に送り、iOSデバイスで複数のスピーカーの設定を管理することもできるはずだ。

HomeKitに対応すれば、ホームアプリにテレビを追加して電源のオン/オフができる。オートメーション化すれば、出かけるときにテレビをオフにし、iPadでHuluアプリを開いたときにテレビをオンにすることもできるようになる。

HomeKitに対応すると、カスタムアクションも作れる。例えば「Hey Siri、テレビをつけて」と言えば、SiriがテレビをオンにしPhilips Hueの照明を暗くする。アップルのデバイスからのHDMI入力をコントロールすることもできる。

残念ながら、LGはAirPlay 2とHomeKitに対応するのは2019年のスマートテレビのみとしている。ソフトウェアのアップデートでこの制限が解除されるかどうか、注目したい。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Apple、iOS 11.4をリリース――iCoudでメッセージをサポート、AirPlay 2をローンチ

今日(米国時間5/29)の午後、AppleはiOSの最新バージョン、11.4を正式にリリースした。 iPhoneおよびiPadをiOS 11.4に更新できる。新しいOSには多数のアップデートが含まれるが、特に注目されるのはiCoudでメッセージがサポートされたこと、 AirPlay 2のローンチと2台のHomePodスピーカーを連携させステレオ再生することが可能になった点だろう。

iCloudでメッセージを同期する機能については1年前のWWDC 2017カンファレンスで予告されていた。AppleはiPhone、iPad、Apple Watch、MacなどすべてのAppleデバイスですべての会話をつねに最新の状態に保つことを目指すとしている。今回の新機能はすべてのメッセージがiCoundに保存され、アクセスできることを意味する。iCoundを設定すれば新しいAppleデバイスからも過去の会話にアクセスすることが可能jだ。またひとつのデバイスでメッセージを削除すると他のすべてのデバイスでも削除される。

iCloudがメッセージをサポートしたことは、すべてのデバイスからすべての過去のメッセージにアクセスできるようになっただけでなく、空き容量の少ないデバイスを使っているユーザーに特に有用だ。

メッセージを多用し、かつすべての会話をデバイスに保存している場合、ファイルのサイズは巨大になりがちだ。メッセージに写真やビデオを添付して共有している場合、何ギガバイトものスペースを占めることがある。新しくリリースされたMessages in iCloud機能を利用すれば、サイズの大きい添付ファイルも含めて、すべてがiCloudに保管され、ローカルデバイスの記憶スペースを大幅に節約できる。その分、アプリや音楽に加えてビデオ、ポッドキャスト、電子書籍などダウンロードできる。

メッセージはセキュリティーの確保のため、エンド・ツー・エンドでは暗号化されている。暗号化キーは個別デバイスのユニーク情報とデバイスの所有者だけが知っているパスコードから生成される。正当な所有者以外はメッセージにアクセスしたりデータを読んだりできない。

iCloudでのメッセージのサポートは昨年夏にiOS 11のベータ版で一時サポートされたが、iOS 11が一般公開される前に外された。その後iOS 11.3のベータ版に再び現れたもの、このときも一般向けバージョンでは公開されなかった。

メッセージのiCloudサポートは今日のiOS 11.4でとうとう正式な機能として実現した。

またiOS 11.4ではAirPlay 2のローンチとHomePodでのステレオ再生のサポートなどメディアとエンターテイメント機能の強化も目立つ。

AirPlay 2では複数の異なるデバイスに異なる音楽やポッドキャストを配信できるようになった。どの部屋にいてもすべての部屋のAirplay対応スピーカーを鳴らすことができる。つまりどの部屋にいてもiOSデバイス、HomePod、 Apple TVで音楽やSiriの答えを聞くことができる。 たとえば、「ヘイSiri、キッチンでジャズを再生して」 と命じておいて別の部屋では別の音楽を再生するといったことが可能だ。

また個別または一斉に再生を開始したりストップしたり、音量を調整したりできるようになった(「ヘイ、Siri、全部のボリュームをアップして」など)

Bang & Olufsen、Bluesound、Bose、Bowers & Wilkins、Denon、Libratone、Marantz、Marshall、Naim、Pioneer、Sonosなど多数のオーディオ・メーカーがAirPlay 2のサポートを発表している。

またHomePodをペアで使用してステレオ再生させることできるようになった。それぞれのHomePodが右チャンネル、左チャンネルを受け持つことになる。HomePodは最適なステレオ再生を実現するため、部屋における位置を含めて他のデバイスの存在を検知し、自動的にバランス調整を行う。

AppleではSonosやBosemなどハイエンドのオーディオ・システムに対抗するためにスピーカーの音質の改良に力を入れてきた。HomePodのステレオ再生サポートもこの線に沿ったものだろう。アシスタントとしてSiriよりAmazon Alexaを好むユーザーはSonos Oneを利用するためHomePodの販売にネガティブな影響を与えていた。

HomePodは現在アメリカ、イギリス、オーストラリア市場向けに販売されているが、6月18日にはカナダ、フランス、ドイツが加わる。

iOS 11.4にはHomePodのカレンダーのサポートも来た。いつものとおり、セキュリティーのアップデート、バグフィックス、パフォーマンスの改良も含まれている。ただしカレンダーのサポートはカナダ、フランス、ドイツでは今年の後半になるもようだ。

iOSのアップデートは設定アプリから一般を開きソフトウェアアップデートから実行する。HomePodのアップデートは自動で行われるが、iOSを最新の状態にアップデートした上で、Homeホームアプリからアップデートすることも可能だ。

〔日本版〕日本版デバイスでもiOS 11.4は公開ずみ。設定アプリからアップデートできる。HomePodの日本発売に関して日本のAppleサイトには公式情報は見当たらない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleがApple TVからiOSデバイスへの逆AirPlayストリーミングの特許を取得

今日(米国時間12/23)、Appleは米国特許商標局から新しい特許を承認された(AppleInsider)。これは一種の逆AirPlayで、コンテンツをApple TVから各種のiOSデバイスにストリーミングするものだ。

特許概要によれば、「コンテンツを固定デバイスとポータブル・デバイスの双方に同期してストリーミングするシステム」で、これにより、Apple TVが受け取ったインターネット上のコンテンツを、iOSデバイスで同時に表示することが可能となる。またApple TVのユーザー・インタフェースをiOSデバイスに表示することもできる。最近Apple TVのインタフェースが大幅にアップデートされたのはiPhoneなどのiOSデバイスで表示されることを考えた対策だったようだ。

Appleの特許は、パーティーなどでApple TVまたはそれに類する据置型のメイン・デバイスを中心にして多人数が同一のコンテンツを視聴する場合を例にこのシステムのユースケースを説明している。ここで一人のユーザーがその場を離れた場合、メインのストリーミングを停止してそのユーザーが帰ってくるのを待つのではなく、そのユーザーのモバイル・デバイスに同期ストリーミングして、他の場所で続きが見られるようにできるという。

Apple TVがストリーミングするコンテンツをiOSデバイスで表示する場合、パスワードの入力などは特に必要なく、ゲストとして参加できる。

この特許はApple TVに便利な機能を追加するものであることは間違いないが、実装に当たってはコンテンツ所有者から承認を得る必要があるだろう。単一のユーザーによる視聴を前提としているのに、限定的とはいえ、他のユーザーのデバイスでも視聴できるというのは著作権や広告の面で問題が生じる。

Appleはもちろん知財上の問題は認識しているだろう。Apple TVからiOSデバイスの逆ストリーミングはあるいはより広範囲に影響を及ぼす次世代ストリーミング・システムへの準備の一環なのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


GoogleのCopresenceは、クロスプラットフォーム版AirDropらしい

Googleは、Android端末のユーザーが、近くにいる別のユーザーとメディアを共有できる新サービスを開発している。相手は、GoogleのモバイルOSでないiPhoneやiPadなどのiOS端末を使っているユーザーでもよい。Copresenceと呼ばれるこの機能は、最新のGoolge PlayサービスAPKを探索するAndroid Policeが暴露したもので、位置情報またはBluetoothを使って距離に応じた認証を行い、Android Beamのように連絡先リストを必要としない。

Copresence機能は、Wi-FiまたはWi-Fi Directを使ってデータの受け渡しを行い、マップ、音楽、写真、ウェブサイト、その他の共有が可能になる。チャットアプリのHangoutsとも密に統合することが、APKで発見された画像から推測される。これはHangoutsアプリにも内蔵されてしかるべき機能だが、以前に報告されたChromeのAPIもあることから、これはChromecastのCast機能と同様、デベロッパーが個々のアプリに内蔵できるようになるものかもしれない。

Apple iOSのAirDropは、近くのiOS端末同士がネットワークを通じて共有することが可能で、連絡先にない相手とも共有出来るが、 エコシステムを越えることはできない。iOS 8アップデートとYosemiteがあれば、モバイルとデスクトップの間を行き来できるが、参加するためにはやはりAppleデバイスユーザーでなくてはならない。GoogleのCopresence機能は、そんな制限の先を行くものであり、AirPlayが今もAppleのみの出来事であるのに対して、Chromecastの機能がiOSエコシステムにも拡張されているのとも似ている。

Android Policeによると、Google Presenceは「今後数週間」のうちにデビューするようなので、この非常に便利そうな機能を使えるまでそれほど待たずに済みそうだ。Google の次世代モバイルOS Android 5.0 Lollipopがすごそこまで来ている今、Copresenceがデビューを飾るには相応しいタイミングだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


AllCastはAndroidデバイスからApple TVその他にAirPlayができる優れものストリーミング・アプリ

AndroidアプリのAllCastがベータテストを終え、正式公開された。フル機能の有料版の他に無料版があるので、このスイスアーミーナイフ的な万能ストリーミング・ツールが読者のAndroidデバイスで作動するか試すことができる。このアプリはAndroid搭載のスマートフォンやタブレットからApple TV始めAirPlayに対応するすべてのデバイスにビデオをストリーミングできるという優れものだ。

Apple TVなどAppleのアクセサリ・エコシステムに頼っているがAndroidも使っている、あるいはAndroidに乗り換えようと思っているユーザーには大きな朗報だ。現行バージョンはビデオと静止画だけのサポートだが、広告どおりちゃんと作動するし、デベロッパーは音楽のストリーミング機能も近く追加すると約束している。

Apple TVだけでなく私の手持ちのAirPlayスピーカーも全部対応機種のようだ。UIもシンプルで、ストリーミング先デバイスとストリーミングしたいメディア(このアプリはデバイスをスキャンしてストリーミング可能なファイルを自動的に抽出する)を選択するだけでよい。

ネーティブなAirPlayと違い、コンテンツはAllCastアプリ自体で再生できる必要があるが、DLNAストリーミングをサポートしているので、Roku、Xbox One(Xbox 360)、SamsungとPanasonicのSmart TV、Googleの全TVデバイスが対象となる。Chromecast(Googleの小型のストリーミング・ドングル)はサポートされていないが、AllCastによるとこれはGoogle側が現在問題に対処中だという。

ベータを脱したといってもAllCastはまだ初期バージョンなので、正しく作動させるために何回か再起動する必要があるかもしれない。再生中に縦位置、横位置の切り替えをすると再生・一時停止機能がフリーズすることがある。しかし一度正しく設定されれば、実に快適だ。MiracastデバイスやChromecast(わずか30ドルだが)を買ったりせず、手持ちのAndroidデバイスで大型スクリーンを楽しめるのはすばらしい。

〔日本版〕Google PlayからアプリをGlaxy S4にインストールしてみたが、Apple TVに正常にストリーミングできた。Apple TVのメニュー画面でAllCastから再生を開始すると自動的にストリーミング画面が表示される。コンテンツの分類、選択などの機能が今後拡充されるのを期待。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Android用Remote Application Framework(RAF)はモバイルに本物のマルチスクリーン体験をもたらす

Androidには実はAirPlayのようなものがない。MiracastやMirrorlinkはやや似ているが、でも、Appleのそれのように第一画面にあるものとは無関係に第二画面の体験を作り出すことはできない。そこでデンマークのSolution57はRemote Application Framework(略称RAF)を作ったのだが、こいつはAppleより上で、Androidデバイスにくっつけたディスプレイが従来のデスクトップPCに接続したディスプレイのように使える。

RAFを使うと、Androidデバイスは、リモートのディスプレイ上にアプリが動いている体験を作りだし、同時にホスト側のデバイス上では別のソフトを動かせる。ホストデバイスがすべてのアプリを動かし、受信側はそのコンテンツを表示する。アプリが違えば当然UIも違う…たとえば手元のデバイスでゲームを楽しみながら接続した第二のディスプレイ上ではGPSソフトを動かせる。一つのシステムが、二つのディスプレイ上の二つのアプリを動かす。それはたとえばMacBook Proに第二のモニタをつないだときなどと同じだ。

ただし、それと完全に同じではない。RAFの場合は、つながれた側のディスプレイは何らかのOSを必要とする。だからRAFははじめ、車載用に最適のインフォテイメント(infotainment, information+entertainment)システムだ、ともてはやされた。たとえばGMやNissanの車載システムが、QNXなど、ノンAndroidのOSを使っていてもよい。ユーザは、その車載システム本来のツールを使ってもよいし、あるいは自分のAndroid携帯がそれを完全に乗っ取った状態で使ってもよい。それはちょうど、AppleがiOS 7で提案した車載機能と同じだ。

RAFを使うためにAndroidもその上のアプリも何ら変更の必要はないが、Solution57のディレクターRafal Malewskiがぼくに語ったところによると、RAFがMirrorlinkの正式仕様の一部になれば、たいへんありがたいそうだ。

“自動車業界がモバイルと車載系の統合を本格的に採用して正規に普及していく場合に、これがMirrorlinkの拡張スペックとして採用される必要がある”、と彼は説明する。“今はCar Connectivity Consortiumと接触して、彼らの関心のほどを探っているところだ”。

そしてその一方でSolution57は、すでに二社のOEMに売り込んで、車載系以外のリモート技術を実現しようとしている。消費者向けのVNCクライアントもあり、それはAndroid、iOS、QNX、Windows、Linuxなどで使える。Malewskiは、今後はもっと、ありとあらゆる種類のアプリケーションがありえる、と言う。たとえばウェアラブル製品のセカンドスクリーンとか、Androidゲーム機用のスマートコントローラ。スマートテレビなどだ。

Solution57が究極的に望んでいるのは、GoogleがこれをAndroid本体に採用することだ。つまり、Solution57の買収である。今はOEMへのライセンス提供というビジネスモデルだが、RAFを統合した最初のデバイスの発売は、予定どおりいけば来年の半ばだそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


居間の大画面に動画をストリーミングできるGoogle Chromecast―試用してみたが、圧倒的にオススメだ

「十分に進歩したテクノロジーは魔法と見分けがつかない」というアーサー・C・クラークの名言を思い出した。

GoogleのChromecastの使い方はこの上なんく簡単だ。テレビのHDMI端子に挿しこむだけでよい。すると手持ちの各種スマートフォン、タブレット、パソコンからビデオや音楽をストリーミング再生できる。Chromecastには専用リモコンはない。何であれストリーミングできるデバイスならすべてリモコンとしても利用できる。Chromecastには独自のユーザー・インタフェースさえない。ユーザー・インタフェースもストリーミングを開始したデバイスに任されている。ChromecastはテレビをWiFi経由でクラウドのコンテンツに接続させるポータルに過ぎない。

驚きが詰まった小さなデバイス:

これほどいろいろな意味で驚かされたデバイスは最近記憶にない。

値段が驚きだ。わずか35ドルである。冗談だろう? Googleによれば、これでも赤字販売ではないという。 WiFiチップ、CPU、2GBのフラッシュメモリ、RAM、HDMIライセンス料、組立て、包装、送料等々を支払ってもまだ利益が出るのだそうだ。もちろん利益といっての4セントかそこらだろうが、ともかく35ドルでも赤字ではないそうだ。

設定? HDMI端子に挿す。あとはパソコン、スマートフォンのChromecastアプリからWiFiに接続させるだけ。 以上で終了。これも驚きのシンプルさだ。

アプリがサポートするコンテンツの幅も驚くほど広い。YouTubeやNetflixがすでにサポートされている。しかもいちいち個別のアプリを起動したり、設定したりする必要がない。スマートフォンでYouTubeを訪問するとすでにChromecastボタンが表示されているので、押すだけだ。

Chromecastの発表自体、なかなか驚きの演出だった。Googleは発表のまさにその瞬間までほぼ完全にChromecastの秘密を守ることに成功した。Googleの開発チームに加えてNetflix、Pandora、OEMメーカーなど数多くのサードパーティが加わっているのに見事な情報管理だ。

もちろんChromecastはまだ完全な製品ではない。しかしほとんどは容易に修正可能だろう。それに35ドルでは機能に多少の限定があっても強い批判の対象にはなるまい。

良い点、悪い点:

ストリーミングの画質は良い。少なくともXbox 360やApple TVに劣ることはない。Chromecastに最適化されているNetflix、Youtube、GooglePlayのコンテンツについては非常に良い。再生、停止などはストリーミングを開始したデバイスだけでなくChromecastアプリをインストールしたあらゆるデバイスから自由にできる。

ただし、パソコンのChromeブラウザにChromecastエクステンションをインストールしてHuluやHBOGOのようなChromecastに最適化されていないチャンネルを再生すると画質はかなり落ちる。これはYoutubeなどの場合、サイト側でChromecast向けに直接ストリーミングを行うのに対して、Huluなどの場合、パソコンでChromecast向けにエンコードし直してストリーミングを行わねばならないためだ。パソコンが間に入るため、その能力によって画質に大きな差が出ることなる。

Chromeエクステンションの話が出たついでに紹介しておくと、 パソコンにローカルに保存されたコンテンツをこのエクステンションを通じてChromecastにストリーミングすることもできる。AVI、MOV、MKVなどのフォーマットを試してみたがうまくいった(ただし2012年のMac Book Airと802.11nではかなりフレームレートが落ちた)。

さらに改善されるはず:

AppleTV、正確にいえばAppleTVのAirPlayストリーミング機能と比較してChromecastの最大のセールスポイントはクロスプラットフォームの互換性だ。AirPlayが基本的にiOS、Mac、WindowsのiTunesに限定されるのに対してChromecastアプリはiOS、Android、Mac、Windowsのすべてで作動する。いまのところChromecastのCastプロトコルはAirPlayほどサードパーティのメーカーに広まっていない(なにしろ今登場したばかりだ)が、状況はすぐに変わるだろう。スマートテレビへの内蔵、スピーカーその他のガジェットのサポートなどが近く実現しそうだ。そうなればAirPlayの有力なライバルとなる。

結論:

これほど自信をもって推薦できるデバイスも珍しい。多少でも興味を持ったらともかく買ってみるようお勧めする。35ドル以上の価値があることは保証する。またその機能は近いうちに大きく改良、拡張されるはずだ。多少のバグもすぐに修正されるだろう。

[情報開示:GoogleはChomecastを1台評価用に貸してくれた。この記事を書き終わったら返却しなければならない。大いに気に入ったので私は1台注文ずみだ。]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Chromecastを35ドルで今日から発売―居間のテレビに取り付けるとビデオコンテンツをストリーミング受信できる

GoogleからChromecastが登場した。名前でも推測できるとおり、GoogleのChromeブラウザ/OSをベースにして家庭の大型テレビにクラウドからコンテンツをストリーミングするデバイスだ。

Googleによれば「ChromecastはYouTube、Google Play、Netflix、Pandora、クラウド上の写真をHDTVにストリーミングするもっとも簡単な方法だ」という。コンセプトはApple TVに近い。Google TVと呼ばれなかったのは、残念ながらGoogleはすでにそういう製品を作ってしまったからだ。.

ChromecastはChrome OSが通常のコンピュータ以外の消費者向けデバイスに利用された最初の例となる。これまでChrome OSはデスクトップ、ノートなどのデバイスでのみ作動していた。今回Googleは居間のテレビに取り付けて、コンピュータだけでなくモバイル・デバイスからもストリーミングを受け取れるデバイスをChrome OSベースで開発した。

ChromecastはストリーミングにAirPlayタイプの方式を採用している。たとえばYouTubeの場合、AndroidないしiOSでサイトを訪問し、「他のスクリーンにキャストする」ボタンを押すだけでよい。とても簡単だ。

Chromecastは要するにAirPlayに対するGoogleの回答だ。ただしマルチプラットフォームをサポートしているところが違う。またいったんストリーミングを開始すればスマートフォンなどのデバイスは別の作業に移ることができる。それどこころかデバイスはスリープモードになっていてもかまわない〔注〕。これに対して欠点は(少なくとも現在のところ)、ChromecastデバイスはAirPlayほど多様なコンテンツをサポートしていないことだろう。

一方、良い点はどんなデバイスでもリモコンに使えることだ。あるデバイスでビデオのストリーミングをスタートし、そのデバイスをシャットダウンし、別のデバイスでコントロールを引き継ぐことがシームレスにできる。

同一のLANに接続しているデスクトップ・コンピュータもコントローラーに使える。キャスト・ボタンをクリックすればビデオのストリーミングが始まる。コンピュータはすぐに別の作業を始めてよい。

ChromecastデバイスそのものはテレビのHDMI端子に取り付ける小型のスティックでRoku Steaming Stickに似ている。Google TV担当副社長Mario Queirozは「セットアップがまったく簡単なことが特長だ」と述べた。

Chromecastは35ドルでアメリカで本日から発売されている。

〔日本版注:Apple TVの場合、iTunesをインストールしたデバイスからストリーミングされるコンテンツを受信してテレビに出力するのに対して、 Chromecastは無線LAN経由で自らウェブに接続し、コンテンツのストリーミングを受信してテレビに出力する。スマートフォンやコンピュータはどのコンテンツをストリーミングするかChromecastに指示するリモコンの役割だけを受け持つ。〕

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