国際送金決済サービスのAirwallexが約170億円を調達

昨年「ユニコーン」の仲間入りを果たしたオーストラリア・メルボルン拠点のクロスボーダー金融サービススタートアップであるAirwallex(エアーウォレックス)は4月15日、シリーズDで1億6000万ドル(約170億円)を調達したと発表した。このラウンドにはANZi Ventures、ANZ Bankの投資部門、Salesforce Venturesが参加したほか、既存投資家からDST Global、Tencent、Sequoia Capital China、Hillhouse Capital、Horizons Venturesが参加した。

2015年に創業した同社の金融サービスには、企業が世界のあらゆる国から入金できる外貨口座が含まれている。Airwallexのシステムはインターバンク市場を利用してミッドマーケットレートで外貨を取引し、複数の国で事業を行う企業をターゲットにしている。新たに得た資金は、将来の買収、米国・欧州・中東市場での拡大、入金ツールなどの新しいプロダクトの立ち上げに使う予定だ。

Airwallexのバリュエーションは昨年のシリーズCの資金調達完了時点で10億ドル(約1080億円)を超えていた。これまでに総額で3億6000万ドル(約390億円)を調達している。シリーズCの後、東京、バンガロール、ドバイで拠点を立ち上げ、Visaとの提携によるAirwallex Borderless Cardsや、会計プラットフォームXeroと統合したプロダクトを発表した。同社は現在、企業が独自の仮想カードを発行できるAPIも提供している。

Salesforce Venturesのオーストラリア責任者であるRobert Keith(ロバート・キース)氏は声明で次のように述べた。「世界中の顧客と取引したり事業が行えたりすることは、デジタルトランスフォーメーションの時代を生き抜く企業にとって重要な要件だ。Airwallexが拠点を世界中に広げ製品機能を拡張するこの重要な成長の時期に同社と提携できることを嬉しく思う」。

中小企業が多通貨で取引を行う際の課題に対処するスタートアップで、最近資金調達を行った企業として、これもユニコーンであるBrex(ブレックス)や香港拠点のNeat(ニート)などがある。

画像クレジット:Airwallex

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(翻訳:Mizoguchi

Amazonはフィンテックでも強大な勢力になるだろうか?、答はイエスだ

月曜日(米国時間6/19)に中国の深圳で行われたTechCrunchとTechNodeのイベイトで、Ernst & YoungのフィンテックリーダーJames Lloydが、Amazonは巨大テクノロジー企業だが、今後はフィンテックでもトップに立つだろう、と予言した。

Lloydによると、彼は、Amazonは今後ますます、決済と貸付とクレジットスコアの分野への進出を大きくしていく。“彼らは自分たちのエコシステムの便宜に寄与するものなら何でも手を出す”、と彼は語る。Loydは、Amazonと、Alibabaの系列企業Ant Financial(元Alipay)は立ち位置として似ている、と言う。

Amazonの最近の発表では、同社は昨年、小額貸付で10億ドルを貸し付けた。Lloydは、Amazonがこの分野に今後一層注力する、と予想している。“彼らは大量のデータを利用できる立場にいる。どこの誰が向こう3か月の在庫準備資金としてどれだけ必要としているか、彼らには分かるのだ”。

彼が訝(いぶか)るのは、Amazonの東南アジア進出の遅れだ。“彼らの中核ビジネスであるeコマースに大きな疑問が一つあるとするなら、それは、Amazonはアジアで何をしようとしているのか、だ”。

企業向けの振替決済サービスAirwallexの協同ファウンダーでCEO Jack Zhangは深圳のステージで、ビットコインは国際的な商取引における長期的な決済手段にならないだろう、と述べた。

彼は、ビッドコイン市場に十分な流動性がある、と信じていないし、また、その不安定性にも懸念している。“それが国境を越えた決済の未来の姿だとは、思われない”、と彼は語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))