DNSの不具合でインターネットに大規模なダウンが発生

木曜日(米国時間7/22)に、インターネットのかなり大きな部分がオフラインになった。一部の人気サイトやアプリ、そしてサービスがダウンし、その中にはUPSやFedEx(その後回復)、Airbnb、Fidelityなどもあり、報告ではSteamやLastPass、PlayStation Networkなどもダウンタイムを経験した。

世界中のWebサイトが被害を受け、その中にはヨーロッパのメディアアウトレットもあった。

原因と思われるのはAkamaiの停止で、ここは多くの企業にネットワーキングとコンテンツデリバリーサービス(CDS)を提供しているインターネットセキュリティの巨人だ。東部時間の午前11時ごろAkamaiは、そのEdge DNSの問題を報告した。それは、Webサイトやアプリやサービスの円滑かつ安全な運用を支えるサービスだ。

[DownDetectorの報告出力]

DNSサービスはいわばインターネットの動作原理そのもののようなサービスだが、バグの存在が知られており、悪者が容易にいたずらできる。Akamaiのような企業は自社製のDNSサービスを使っているから、顧客側に生ずる問題の一部は解決しているはずだ。しかしトラブルが起きたり停止状態になれば、同社の顧客のWebサイトと、それらに依存しているサービスのすべてに連鎖反応が及ぶ。

Akamaiは「問題を積極的に調査している」と言っていたが、同社のスポークスパーソンは、現状でオフラインになっているサイトやサービスの障害について、同社の停止が原因であるとは明言しなかった。Ciscoが2020年に買収したインターネットモニタリング企業ThousandEyesのスポークスパーソンは、停止はAkamaiで起きたもの、と言った。

Akamaiは問題の原因についてまだ何も言わないが、すでに回復中である、とだけ言った。

Akamaiは本誌にこう言った: 「私たちはこの問題の修復を実装しました。これまでの観察結果によると、サービスは通常の稼働に戻りつつあります。引き続き監視を行い、問題の完全な消滅を確認いたします」。

話の続きのようなツイートで同社は、「サイバー攻撃の結果ではない」、と言っている。

インターネットの大規模なダウンが起きるのは、今回が初めてではない。昨年は同じく世界中の企業にネットワーキングサービスを提供しているCloudflareが、バグによる同様の停止を経験し、ShopifyやDiscord、Politicoなどのメジャーなサイトがロードできなくなった。11月には、Amazonのクラウドサービスが同じくコケた。そのときは、そのインシデントの間同社自身のステータスページをアップデートできなくなった。オンラインのワークスペースを提供しているNotionも、今年重症のダウンを経験し、Twitterに助けを求めた。

関連記事: To guard against data loss and misuse, the cybersecurity conversation must evolve(未訳、有料記事)

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Joe Raedle/Getty Images

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回線混雑緩和のためゲームのダウンロードに速度制限

新型コロナ感染抑制の世界的取り組みのために自宅で釘付けにされている数十億の人々にとって、ゲームはうってつけの逃避方法だ。しかしゲームは巨大だ。Microsoft(マイクロソフト)、Sony(ソニー)をはじめとするゲーム各社は、巨大なゲームをダウンロードする何百万人もの人たちが帯域幅を独占しないよう対策を始めている。でも心配無用、あなたのゲームプレイには影響しない。

コンテンツ配信ネットワークのAkamai(アカマイ)のブログ記事で、インターネットのインフラが直面している津波のようなトラフィックを軽減するために同社が行っていることをいくつか説明している。もちろんビデオストリーミングは最大要因の1つだが、ゲームも連続的ではないもののネットワークにとって大きな負担だ。

Akamaiは「主要ソフトウェア配信業者、特にゲーム業界についてはマイクロソフトやソニーと協力して、ピーク利用時の混雑緩和に取り組んでいる。アップデートが公開された時に大量のトラフィックを生むゲームソフトのダウンロードは非常に重要だ」と記事は書いている。

例えば最新のバトルロイヤルゲーム 「Call of Duty: Warzone」が先週無料で公開され、大きな人気を呼んでいる。ご存じない方のために書くと、Call of Dutyシリーズの最新タイトルであるWarzoneは80GB以上のダウンロードサイズでNetflixの映画数十本分に相当する。さらにいうと、その80GBは自宅のネット接続の最大帯域幅でダウンロードされる可能性が高い。ストリーミングビデオは、数Mbに抑えられているので、接続を独占する心配はない。

関連記事:Netflixが新型コロナによる通信量増加で欧州でのストリーミング画質を30日間抑制へ

Warzoneだけではない。ほかにも山ほどの人気ゲームが、ゲーム以外することのない多くの人たちが家にいる時期にリリースされた。PCゲームプラットフォームのSteamは先日2000万同時ユーザーを記録し、あるアナリストはゲームのトラフィックが400% 増えたと言っている。つまり、ゲームはかつてないほど多くプレイされていて、ゲームのサイズはかつてないほど大きい。

そういうわけで、ゲームのダウンロードは近いうちに帯域幅を絞られる可能性がある。少なくとも一部の分野では。「プレーヤーはゲームのダウンロードが多少遅く感じるかもしれない」とSony Interactive Entertainment(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)CEOのJim Ryan(ジム・ライアン)氏はブログ記事に書いている。TechCrunchはマイクロソフトとNintendo(任天堂)、Valve(バルブ)にも各社のやり方を質問している。

重要なことだが、これはダウンロード以外のゲームプレイには影響しない。ゲームのダウンロードと異なり、ゲームプレイで使用する帯域幅はおどろくほど小さい。プレイのタイミングを維持するために、パケットを高速でやりとりすることは重要だが、データ量は低解像度のストリーミングビデオと比べても少ない。

ゲームのダウンロードは夜間に行うのがベストだ。地域のネットワークインフラは多くの人が寝ている間の方が混雑が少ないからだ。昼間にダウンロードやアップデートするときは、いつもより時間がかかったり、待たされることになっても驚かないように。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Akamaiが世界の全従業員の5%である400人を解雇

マサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とする、コンテンツデリバリーネットワーク兼ネットワークサービスプロバイダーであるAkamaiは、昨日(米国時間2月6日)開催されたアナリスト向け業績発表会で、400人を解雇したことを発表した。

発表の席で、AkamaiのCEO、Tom Leightonは、この400人という数は同社の世界中の従業員数8000人のうちの5%であることを示した。「業務効率を向上させるための取り組みの一環として、特にメディア事業に関連する分野を中心に、いくつかの事業分野の人件費を削減しました。全体として、400の職、すなわち全世界の従業員の5%を削減しました」とLeightonはアナリストたちに語った。

彼は続けて、このレイオフが実際に始まったのは昨年の終わりであり、それが今週までかかったのだと語った。同社はこれを、昨年の12月に行われた、Elliott Managementによる株式の6.5%の買収に先立つ、経営のスリム化とコストカットに向けた努力の一環としている。

Elliottは、活動的投資家の歴史を持ち、企業に大きな変革を促すことで有名である。とはいえこのケースでは、既にElliottが登場する以前に、同社はコストを削減する方法を探していたようだ。

同社の広報担当者の1人は「今回の従業員の削減は、Akamaiを長期的な成功に導くための投資を続ける過程での、コスト削減に関わる一連の決定の一部です」と付け加えた。

これは、Leightonがレイオフの衝撃を和らげるために、他の分野への投資を計画しているというニュースで語ったポイントでもある。「私たちはビジネスの一部を縮小しましたが、同時にこの先より大きな価値を得ることができる分野に、投資したということに着目していただくことが大切です」と彼は語った。そうした分野には、セキュリティやIoTなどが含まれており、それらのマーケットは今だに成長を続けていて、大いに切り込む余地があるのだ。

同社は実際にはまずまずの四半期を終えた。アナリストの予想を上回り、収益が8%増え6億6300万ドルに達したのだ。この執筆を行っている今朝(米国時間2月7日)の時点では、同社の株は4.65ドル高となり、7.30%上昇している。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: DOMINICK REUTER/GETTY IMAGES

Akamaiが世界の全従業員の5%である400人を解雇

マサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とする、コンテンツデリバリーネットワーク兼ネットワークサービスプロバイダーであるAkamaiは、昨日(米国時間2月6日)開催されたアナリスト向け業績発表会で、400人を解雇したことを発表した。

発表の席で、AkamaiのCEO、Tom Leightonは、この400人という数は同社の世界中の従業員数8000人のうちの5%であることを示した。「業務効率を向上させるための取り組みの一環として、特にメディア事業に関連する分野を中心に、いくつかの事業分野の人件費を削減しました。全体として、400の職、すなわち全世界の従業員の5%を削減しました」とLeightonはアナリストたちに語った。

彼は続けて、このレイオフが実際に始まったのは昨年の終わりであり、それが今週までかかったのだと語った。同社はこれを、昨年の12月に行われた、Elliott Managementによる株式の6.5%の買収に先立つ、経営のスリム化とコストカットに向けた努力の一環としている。

Elliottは、活動的投資家の歴史を持ち、企業に大きな変革を促すことで有名である。とはいえこのケースでは、既にElliottが登場する以前に、同社はコストを削減する方法を探していたようだ。

同社の広報担当者の1人は「今回の従業員の削減は、Akamaiを長期的な成功に導くための投資を続ける過程での、コスト削減に関わる一連の決定の一部です」と付け加えた。

これは、Leightonがレイオフの衝撃を和らげるために、他の分野への投資を計画しているというニュースで語ったポイントでもある。「私たちはビジネスの一部を縮小しましたが、同時にこの先より大きな価値を得ることができる分野に、投資したということに着目していただくことが大切です」と彼は語った。そうした分野には、セキュリティやIoTなどが含まれており、それらのマーケットは今だに成長を続けていて、大いに切り込む余地があるのだ。

同社は実際にはまずまずの四半期を終えた。アナリストの予想を上回り、収益が8%増え6億6300万ドルに達したのだ。この執筆を行っている今朝(米国時間2月7日)の時点では、同社の株は4.65ドル高となり、7.30%上昇している。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: DOMINICK REUTER/GETTY IMAGES

トランプの就任式、ビデオストリーミングの新記録を達成

WASHINGTON, DC - JANUARY 20:  Supreme Court Justice John Roberts (2L) administers the oath of office to U.S. President Donald Trump (L) as his wife Melania Trump holds the Bible and son Barron Trump looks on, on the West Front of the U.S. Capitol on January 20, 2017 in Washington, DC. In today's inauguration ceremony Donald J. Trump becomes the 45th president of the United States.  (Photo by Drew Angerer/Getty Images)

泣いた人も喝采を送った人もいるだろうが、どちらの側も多くの人々がトランプ大統領の就任演説を見たようだ。事実、これまでの記録を更新した。このイベントは、コンテンツ配信ネットワークのAakamaiがこれまでに配信した単独ニュースイベントとして最大だったと、ライブビデオデータを分析した結果同社が発表した。

Akamaiによると、就任式のビデオストリーミングは、トランプ大統領の演説が始まった12:04 ETにピークとなる8.7 Tbps[テラビット毎秒]を記録し、就任宣誓開始時の7.9 Tbpsを上回った。これまでの記録は先の大統領選挙投票日(2016年11月8日)夜の7.5 Tbosだった。

もちろんこれは何ら驚きではない。トランプの就任式は昼間のイベントであり、多くの人が職場のパソコンやモバイル端末でライブストリーミングを見たに違いない。投票日のライブストリーミングのピークは夜だったが、その時多くの人が家のテレビで見ていたので、それも数字に影響を与えた可能性がある。

Akamaiはこの新記録を歴代の出来事と比較すべく、2009年の就任式の1.1 Tbpsと、ロイヤルウェディングの1.3 Tbpsとい数値を挙げた。しかし、何年も前のライブビデオデータを見ることは意味のある比較とは言えない。、

shutterstock mobileあれ以来すべてが変わった。例えばHDビデオストリーミングが普及したことで要求されるデータ転送量が増え、ライブビデオの視聴者も急増した。

後者には多くの要因がある。モバイル端末をほぼ誰もが持つようになり、ブロードバンドやモバイル通信の速度も上昇した。例えば米国の平均接続速度は2009年の就任式当時は4.1 Mbpsだった。Akamaiの2016年Q3のインターネット状況レポートでは15.2 Mbpsだった。

加えて、この種のコンテンツを見られるビデオサイトやサービスも増えた。このことは、従来のテレビ視聴を離れ、オンラインで過ごす時間が増えている「コードカッティング」と呼ばれる現象とも一致している。

それでも、今回の就任式は最近の他のイベントと比較しても抜きんでている。例えば2016年のユーロサッカー大会決勝は、ピークが7.3 Tbps、リオオリンピックの体操女子団体決勝が4.5 Tbpsだった。

「今回の大統領就任式は、昨年来当社が配信するオンラインビデオストリーミングが記録更新を続ける中でも最高の記録だった」とAkamaiの執行副社長・メディア担当ジェネラルマネージャー、Bill Wheatonが声明で述べた。「オンラインでビデオを見る人が今までになく多くなり、使われるデバイスの質も向上している」。

世界最大級のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスプロバイダーとして、Akamaiにはこの種のライブビデオトレンドの先を見る目がある。同社の顧客には世界トップクラスの放送局15社がいて、ライブストリーミングにAkamaiのサービスを使っている。言い換えれば、このネットワークで新記録を出したということは、重要なイベントだったと言ってよい。

またAkamaiによると、大統領就任式の間、米国ユーザーへのメディア、エンターテイメントのトラフィックは、直前の2日間に比べて6.4倍にも増えた。

しかし、Wheatonが声明でも指摘しているように、トランプ就任演説の数字は、ビデオ消費の成長トレンドによるところが大きく、他の大統領と比べた人気を表わすものではない。それでもこの記録的な視聴者数は、トランプ支持者だけでなく、両方の側の人たちがライブストリーミングしたことを意味しており、このイベント自身のニュース価値を表している。

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インターネットの接続スピードはグローバル平均で前年より23%増、使用プロトコルはIPv4からv6への移行が進む…Akamaiの調査報告書より

akamai

[筆者: Lucia Maffei]
CDNのAkamaiが今日、2016年の最初の四半期の“State of the Internet”(インターネットの情勢)報告書を発表した。その中で報告されているインターネットのグローバルなスピードは、夏のリオ・オリンピックに向けて、ライブスポーツのファンたちに、これまで以上に喜ばれそうだ。

平均スピードは6.3Mbpsとなり、前四半期から12%の増、前年同期比では23%の増となった。

平均スピードの国別トップは今回も韓国で、その29.0Mbpsは前四半期比で8.6%の増となった。二位と三位はともに北欧の国で、ノルウエーとスウェーデンだった。一方ピークスピードではシンガポールがトップを維持し、146.9Mbps、前四半期比8.3%の増加となった。

Average Connection Speed (IPv4) by Country/Region (Source: Akamai)

報告書は64ページからなり、ネットワークへの接続性や、固定およびモバイルにおけるブロードバンドの普及率、IP(Internet Protocol)のバージョン4(IPv4)に対するバージョン6(IPv6)の採用率、などを取り上げている。

平均接続速度で10位以内に入らないアメリカは、IPv6のトラフィックでは6位となり、フランスや日本に先行している。IPv4のアドレスは8億800万強となり、前四半期比で0.2%(約180万)減少した。

IPv6 Traffic Percentage, Top Countries/Regions (Source: Akamai)

IPv6採用率のトップは依然ベルギーで、Akamaiへの接続の36%がv6だが、前四半期比では3.1%ダウンした。

4Mbpsブロードバンドのグローバルな普及率は73%で前四半期より5.4%アップした。普及率のトップは韓国で、97%である。10Mbps, 15Mbpsおよび25Mbpsの帯域でも、トップはやはり韓国だ。

モバイルの接続性に関しては、Akamaiおよび同社パートナーのEricssonによると、スピードの最高はイギリスの27.9Mbps、最低はアルジェリアの2.2Mbpsだった。モバイルのピーク時接続スピードは、ドイツの171.6Mbpsがトップ、最低はガーナの11.7Mbpsである。

またAkamaiによると、モバイルデバイスからのトラフィックの58%をAndroid(Android WebKitとChrome Mobile)が占め、AppleのMobile Safariはほぼ33%だった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleはインフラストラクチャ多様化の一環としてGoogleのCloud Platformを使用か

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今日(米国時間3/16)飛び交っている噂によると、Appleは同社のクラウド事業の一部をAWSからGoogleのCloud Platformに移しつつある。本誌も独自に調べてみたが、確かにAppleはiCloudのストレージの多様化に努めているようで、その事業用としてGoogleも利用するようだ。

これは、いちばん控えめに言っても、Googleにとってはまた一つの大勝利で、AWSにとっては敗北だ。これまでも、Dropboxは合衆国におけるストレージ事業の相当量をAWSから自社内へ移したし、Spotifyはそのビジネスの少なくとも一部をAWSからGoogleへ移した。

これまでの試合経過を見ると、今月はGoogleにとってとくに良い月だった…とりわけ、同社のクラウドビジネスの新しいトップDiane Greeneにとっては。SpotifyやAppleのような有名企業が顧客なら、そのほかのエンタープライズ顧客もますますGoogleに魅(ひ)かれるだろう。GoogleのCloud PlatformはGoogle自身のデータセンターの技術がベースだが、しかしそのことはこれまで、AWSやMicrosoftのAzureに対する有利な競合要因になっていない。AWSには古顔の有利性があり、Azureの背後にはMicrosoftの強力な営業力とハイブリッドクラウド技術への特化がある。ただしAzureは、バックにいくら強力なMicrosoftがいても、クラウドビジネスではずーっと後方の二位だ。

まだ、プラットホームの移行に関するApple自身の意思決定の内容は不明だ。AWSやGoogleも、この件に関しては口をつぐんでいる。

某匿名情報筋によると、Appleは今確かに、複数のパブリッククラウドベンダ、中でもとくにMicrosoft AzureとGoogleを、自社のオプションとして検討している。しかしまだ、最終的な意思決定は行われていない。、なおAppleはすでにiCloudサービスやメディアのサービングにおいて、AzureとAWSを使っている。

要するに事態が本当に(今日の噂どおりに)‘AWSからの離脱’なのか、その辺も明確でない。ただしAppleが、クラウドのサプライヤーのポートフォリオの中身を多様化しようとしていることは、確かなようだ。

状況のもうひとつの側面として、今Appleはオレゴン州プラインビルのデータセンターを拡張中であり、合衆国とヨーロッパで新しいデータセンターも作るらしい。そして、これに今回の話が絡むのなら、AWSからGoogleへ、Googleからさらにプラインビルへ、という線はないだろう。新しいデータセンターの竣工を、単純に待つだろうから。

もしもAppleが、単純にインフラストラクチャの多様化を目指して、これまでのAzure、AWS、および自社データセンターに加えてGoogleも使う、ということなら、無理のない線だ。また、AppleがGoogleのクラウド上の特定のサービスを使うつもりなら、データ分析プラットホームBigQueryあたりが、ねらい目だろう。

われわれにとって既知の事項のひとつは、Akamaiの最近の決算報告だ。Akamaiはその中で、同社の最大のクライアントのうちの2社が、多様化しつつある、と言っている。“過去数年間にわたり、中でもとくに弊社の最大の二つの顧客 が、Akamaiの全体的な売上の約13%を占めてきた”、とAkamaiのCEO Tom Leightonが述べている。“2016年を展望するならば、これら二つのアカウントが依然として弊社の最大のメディア顧客であり続け、弊社の総売上の約6%に貢献するだろう。貢献率のこの7ポイントの変化は、彼らのDIY努力の増加がその原因であり、それは、今後の2四半期における、低い前年比売上増加率が予想される主な理由でもある”。

Akamaiの最大のクライアントがAppleであることは衆智だから、上の言葉は、AppleがCDN(Content Delivery Network)事業の一部も自社化しようとしていることを、意味している。

Googleは来週サンフランシスコで、大規模なクラウドイベントGoogle Nextを開催する。もしも(←これは確かにビッグな“もしも”だが)同社が、同社の新しい顧客について何かを発表するつもりなら、それはたぶん、このイベントにおいてだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

全世界のIPアドレスは7億あまり, インターネットのユーザ数は10億超で前年より10%増–AkamaiのQ1レポートより

CDN大手Akamaiが今日(米国時間7/23)発表した2013Q1のState of the Internet report(インターネットの現状報告)によると、全世界のIPアドレスの数は7億3400万近くである。そしてAkamaiの推計によると、複数のデバイスによる共有を考慮するとインターネットのユーザ数は10億を超える。それは前年同期比でおよそ10%の増となり、IPv4のアドレスはそろそろ尽きようとしているにもかかわらず、増加は衰えない。7億3400万のうちおよそ7億が、IPv4のアドレスである。

40ページから成る報告書の原文を、下に埋め込んだ。以下に、いくつかの
重要な数字を拾ってみよう。

インターネットはどこが高速か? Akamaiの報告書では、上位は依然としてアジアだ。トップは韓国で14.2mbps、二位は日本で11.7mbps、三位は香港の10.9mbpsだ。合衆国がトップテンリストの下の方にいることも、前からと変わらない(9位で8.6mbps)。しかしなぜか韓国は、前年同期比で10%落ち込んでいる。対して9位の合衆国は27%の増、世界全体では17%増の3.1mbpsとなった。〔以上すべて、Akamaiが測定したサンプルの平均値。〕

モバイルはどうか? 途上国のインターネット接続はモバイルが支配的だが、上の表には中国、ブラジル、インドなどが登場しない。しかし、モバイルネットワークの速度では、BRIC各国が上位に来る。ロシアのモバイル事業者が最速で8.6mbpsだから、合衆国の固定ブロードバンド回線(上表)と変わらない速さだ。

なお、ピーク速度の最速は、香港の43.7mbpsだ。

大きなセキュリティ脅威は何か? まず、攻撃の起源としては中国が最大で不正トラフィックの34%が中国からだ。しかし中国は2012Q4に比べると7%ダウンし、インドネシアが0.7%から21%へと、異様に増えている(下表)。

この報告書は攻撃の内容については触れていない(目下問い合わせ中)が、攻撃が集中しているポートは挙げている。中でも最大の攻撃対象はポート445(Microsoft-DS)で、これはTCPによるファイル共有に使われている。二位三位の被害ポートは、HTTPとHTTPS(SSL)だが、こちらはインターネットでもっとも多く使われている経路だから、上位になるのも当然か。

脆弱性という点ではエンタプライズが最大のターゲットで(下図)、これにはおそらく、金銭的な動機もある。全攻撃の35%がエンタプライズで、サンプル総数としては67社、前年同期比14%アップだ。次位のeコマースは32%、メディアが22%を占める。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Akamaiレポート:米国のインターネット接続速度は年率28%の高速化で平均7.4Mbps。韓国、日本などとは依然として大差

Akamaiが四半期毎のState of the Internetレポートをリリースしている。今回リリースされたのは2012年の第4四半期に関わるものだ。これまでと同様に全世界でのインターネット速度について検証し、セキュリティを巡る現状やIPv4資源の使用状況などについて検証している。

本レポートの中で、もっとも多くの注目を集めるのはインターネットの速度に関する部分だろう。この分野で、ここしばらくの間、世界をリードしているのは韓国だ。しかも、この状況に当分変化はないものと思われる。ただ、面白いことに韓国におけるインターネット速度は最近少々低下している様子だ。韓国における平均速度は14Mbpsとなり、これは前の四半期と比べて4.8%の低下となり、また1年前との比較では13%低下していることになる。

アメリカにおいての状況はというと、Akamaiのレポートによると平均速度は7.4Mbpsということになっているようだ。1年前との比較で28%の向上を示している。前の四半期比では2.3%の高速化を示していて、調査対象国の中で第8位となっているようだ。今日ではアメリカ国内のインターネット接続のうち19%ほどが10Mbps以上の速度を実現しているようだ。この割合も昨年比で90%の伸びとなっている。但し速度改善の達成速度は多少スローダウンしているように見える。アメリカ国内では、四半期比でみたときには僅か5.5%の伸びとなっている。

高速接続を実現している10の国々においても、この四半期で見ると速度向上の伸び率がやや低下してきているように見える。たとえばオランダは0.1%で、最も成長したスウェーデンでも7.4%に留まる。年間で見ると通信速度は平均で25%の伸びとなっているのだが、直近四半期で大きく伸びたのはグアテマラのみという結果も出ている(39%)。

モバイルからの接続状況についてみてみよう。AkamaiのレポートはEricssonのデータに基づきつつ、2012年最終四半期の全世界でのモバイルトラフィックは28%の伸びを示し、前年度比では倍になったと報告している。携帯ネットワーク上ではAndroid WebkitおよびApple Mobile Safariが同程度の割合を占めているのだとのこと(35.3%および32.6%)。但し、Wi-Fiを合わせた全体のリクエスト数割合ということになると、Appleが58.7%でAndroidが21.7%と差が開くようだ。

また今季のレポートではDDoSについての詳細も掲載されている。Akamai利用者は2012年に768回の攻撃を受けたとのことで、これは前年比で200%の増加となっている。もちろんこの数値だけでインターネット全体の動向を云々することはできないが、少なくともインターネット上の攻撃が増えているという証拠にはなるだろう。

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(翻訳:Maeda, H)