Alchemist AcceleratorデモデイXXV出場19社を紹介(その2)

Alchemistは企業向けアクセラレーターとして、消費者に商品やサービスを販売する企業ではなく、主に他の企業から収益を得るシードステージの企業に焦点を当てている。25回目となる今回の最新のコホートでは、20社近くの企業がプログラムに参加した。内訳は、理学療法機器から営業担当者のためのAIコーチ、ソフトウェア開発者のための生産性向上ツールまでバラエティーに富んでいる。ここでは参加19社のうち、後半の9社を紹介する。

これらの企業が世界に進出するのを見てみたいと思わないだろうか。AlchemistはデモデーをYouTubeでストリーミング配信し、現在葉アーカイブを視聴できる。

HyPoint

航空輸送におけるCO2排出量を大幅に削減するため、航空用の高出力・高密度水素燃料電池システムの開発に取り組んでいる。

Mobiz

ブランドの既存データに基づいて、ユーザーごとに「パーソナライズされたマイクロサイト」を構築し、SMSを介して既存の顧客ベースにパーソナライズされたマーケティングメッセージを送信するためのプラットフォーム。同社によると、すでにバーガーキングやオーストラリアの小売大手Woolworths(ウールワース)などの企業と提携しており、現在は600万ドル(約6億2700万円)のARR(年間経常収益)があるという。

Nano Diamond Battery

自己充電可能で持続可能なバッテリーの開発を目指している。ここではすべてを語りきれないので、Nano Diamond Batteryに関する詳しいこちらの記事を参照してほしい。

Node App

ブランドとインフルエンサーをつなぐマーケットプレイス。Nodeは各インフルエンサーのオーディエンスを確認し、ブランドとインフルエンサーを事前に交渉した取引条件で結びつけることができるという。

Rectify

組織外でドキュメントを共有する際に、機密情報を自動的に検出して再編集するツール。最初のターゲットは保険市場で、創業者のMelissa Unsell-Smith(メリッサ・ウンセル=スミス)氏によると、Rectifyの創業チームはAT&Tの法務部門で15年間一緒に働いていたという。

RubiLabs

ドローンやバイクなどの専用車両を使って、アフリカの病院や薬局にワクチンや薬などの医薬品をオンデマンドで配送することに焦点を当てたプラットフォーム。RubiLabsによると、すでに7000人以上の命を救っているとのこと。

Seventh.ai

「知的財産のカルタ」と表現するSeventh.aiは、創業者が自分たちのビジネスのどの部分で特許を取得できるか、取得すべきかを分析する。一方で、競争相手が何の特許を取得しているのかをよりよく理解し、特許取得のプロセスを支援する。同社によると、現在は約25万ドル(約2600万円)のARR(年間経常収益)を得ているという。創業者のAlex Polyansky(アレックス・ポリアンスキー)氏は、米国特許商標庁(USPTO)で特許審査官として10年を過ごした経験があるという。

Tocca

B2B企業がブランド化されたバーチャルセールスイベントを開催するためのプラットフォームを開発。バーチャルロビー、ステージ、ブレイクアウトルーム、人と人とのネットワーキングツールなどを提供している。HubSpotやSalesforceなどのツールと統合することで、イベント後のフォローアップをより効率的に行うことができるとのこと。

Veamly

Slack、GitHub、Jiraのスレッドやメッセージを1つのビューにまとめ、これらのツールを横断して検索できる統合検索機能を備えた、開発者向けの「統合受信トレイ」フィードを開発。創業者のEmna Ghariani(エムナ・ガリアーニ)氏によると、同社の「独自の優先順位付けエンジン」は、タスクやチケットを重要度でソートし、1週間を通して各ツールに費やしている時間を分析するのに役立つという。

画像クレジット:Veamly

関連記事:Alchemist AcceleratorデモデイXXV出場19社を紹介(その1)

画像クレジット:Alchemist Accelerator

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Alchemist AcceleratorデモデイXXV出場19社を紹介(その1)

Alchemist Accelerator(アルケミスト・アクセラレーター)が今年の初めにデモディをバーチャルに移行したとき、Alchemistのディレクターであり創業者でもあるRavi Belani(Ravi Belani)氏は、それはチームがしばらくの間、続けることを期待していた動きだと私に話してくれた。それから半年近く経った今、再びデモデイを開催することになりましたが、まだ新型コロナウイルスの感染蔓延が続いているため、今回もバーチャルでの開催となった。

Alchemistは企業向けアクセラレーターとして、消費者に商品やサービスを販売する企業ではなく、主に他の企業から収益を得るシードステージの企業に焦点を当てている。25回目となる今回の最新のコホートでは、20社近くの企業がプログラムに参加した。内訳は、理学療法機器から営業担当者のためのAIコーチ、ソフトウェア開発者のための生産性向上ツールまでバラエティーに富んでいる。

米国時間9月17日の午後には、ボルボ(Volvo Cars Tech Fund経由)がAlchemistに投資家として参加したことも発表された。両社はボルボの投資額を明らかにしなかったが、これまでの同様のパートナーシップでは、GE(ゼネラル・エレクトリック)やJuniper Networks(ジュニパーネットワークス)のような企業が200万~300万ドル(約2億1000万円〜3億1300万円)程度を投資していた。

これらの企業が世界に進出するのを見てみたいと思わないだろうか。AlchemistはデモデーをYouTubeでストリーミング配信し、現在葉アーカイブを視聴できる。

この記事では、全企業のアルファベット順のリストと、各社が取り組んでいることを簡単に紹介していく。

Anda Technologies

GPS、通話、クイックシンボルベースのメッセージングシステムを内蔵したシンプルなスマートウォッチ。親や介護者がスマートフォンを使いこなせない状況でも連絡を取り合えるようにすることのが目的だ。同社は最初にラテンアメリカに焦点を当て、現在は米国とヨーロッパへのサポートを拡大している。

画像クレジット:Anda Technologies

Botco.ai

会話型マーケティングプラットフォームを開発。具体的には、売上とコンバージョンを増加させるためのマーケティング用のAIチャットボットだ。見込み客は、SMSやメッセージングアプリを使ってボットとチャットすることができ、AIがあなたのビジネスについて知っていることへの理解を深め、それに応えてくれる。

BreachRX

セキュリティ侵害が発生した際の企業の対応を合理化するためのプラットフォーム。対応のプレイブック(セキュリティの手順書)を提供し、適切なチームメンバーにタスクを割り当て、いつ、どのように対応したかを記録するのに役立てる。

ClearQuote

コンピュータビジョンベースの車検システムを開発。ClearQuoteによると、スマートフォンのカメラを使って車両全体を約60 秒でスキャンして損傷の有無を確認し、その場で修理費用を計算することができるという。まずはリース終了検査、中古車検査、レンタカーの返却検査に注力する。

Copilot

AIを搭載した営業マンのための「コーチ」システムを開発。営業マンが電話もしくはビデオ通話をすると、Copilotが会話を分析し、関連情報を含む「キューカード」を生成する。

Evolution Devices

ウェアラブル電気刺激デバイスを開発。脳卒中の生存者や多発性硬化症の人を含む、下肢に力のない人のリハビリテーションプロセスを支援することを目的する。このデバイスは、各ユーザーの歩行パターンに適応し、患者のセラピストにデータ(歩数など)を報告することで遠隔ケアを支援する。

Faucetworks

「人工神経科医」は、患者が救急車で病院に運ばれている間や、神経科医がいない病院で神経学的な緊急事態をより迅速に特定するのを助けることを目的としている。このハードウェアシステムは、患者に一連の質問をしてから、身体検査を行う。

HR Messenger

WhatsAppもしくはFacebook Messenger上で動作するように構築されたHR・オンボーディングチャットボット。スクリーニング前の質問、面接のスケジューリング、紹介依頼などを自動化するのに役立つ。同社によると、KFC(ケンタッキーフライドチキン)やH&Mなどのクライアントと連携しているという。

Hopthru

公共交通機関向けのデータ分析プラットフォーム。公共交通機関がすでに収集しているデータを分析してダッシュボードに接続にすることで、交通機関が路線や乗降客数を改善する方法を見つけるのを支援する。

Hubly Surgical

脳神経外科医が「頭蓋骨穿刺」手術を行うためのスマートなドリルを開発。同社によると、多くの外科医がいまだに基本的な標準的な手回しドリルを使用しており、これが高い合併症率につながる可能性があるという。Hublyのドリルは、ドリルを正確に角度をつけるのに役立ち、外科医がドリルを深く掘りすぎないように作られている。2021年に米食品医薬品局(FDA)の認可を受け、2022年に米国の病院で発売される見込みだ。

画像クレジット:Hubly Surgical

関連記事:Alchemist AcceleratorデモディXXV出場19社を紹介(その2)

画像クレジット:Alchemist Accelerator

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(翻訳:TechCrunch Japan)

AIでソフトウェアテストを自動化する「Autify」が約2.6億円の資金調達、公式グローバルローンチへ

中央がAutifyのCEO、近澤良氏

AIを用いてソフトウェアテストを自動化するプラットフォーム「Autify(オーティファイ)」を提供するAutifyは10月2日、グローバル・ブレイン、Salesforce Ventures、Archetype Ventures、そして複数名の匿名の個人投資家から約250万ドル(約2.6億円)をシードラウンドで調達したことを明かした。

同社はプレシードラウンドでは、East Ventures、KVP、ジェネシア・ベンチャーズ、GW Ventures、そして、柴田陽氏、丹羽健二氏、山田進太郎氏、吉田浩一郎氏より、約51万ドルを調達している。

CEOの近澤良氏が率いるAutifyは2019年2月、日本人を含むチームとしては初めてB2B領域に特化したアクセラレーターのAlchemist Acceleratorを卒業。(先日紹介したLEADは2組目の卒業生としてAutifyに続いた)。

Autifyは3月にクローズドベータ版が公開されている。以後、上場企業、スタートアップを含む150社以上がデモをリクエストしたそうだ。そして10月、Autifyはグローバルローンチされる運びとなった。日本だけに留まらず、国外企業へのサービス提供を本格的に開始する。

前述の通り、AutifyはAIを用いることでソフトウェアテストを自動化するプラットフォームだ。近年、市場の急速な変化に対応すべく、「アジャイル開発」という開発サイクルを素早く回す手法が一般的となってきた。Autifyによると「既に92%がアジャイル開発を採用。そのうち71%が週1回以上のリリースを希望。だが、そのようなサイクルでは、ソフトウェアの検証作業(QA)を人手に頼ると時間が掛かりすぎ、早期リリースのボトルネックとなってしまう。そのため、アジャイル開発を推進する企業では検証作業の自動化が急務となっている」。

 

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同社によると、検証作業の自動化においてソフトウェア企業が抱えている問題は大きく2つ。1、エンジニア人材の圧倒的な不足。2、自動化コードの高いメンテナンスコスト。エンジニアが自動化コードを構築することで検証作業を自動化したとしても、アジャイル開発ではUIや仕様が素早く変化していく。そのため、自動化コードがすぐに動かなくなり、継続的なメンテナンスが必須となってしまうそうだ。

「世界的に見ても、アジャイル開発化の大きな波が来ている。ソフトウェア開発の高速化がビジネスの競争力の源泉になってきている。というのも、市場の変化が激しい時代になってきているので、例えばiPhoneが登場してから10年くらいしか経っていないのに業界が様変わりしている。今までみたいにウォーターフォール型の開発で、1年などの期間をかけて設計、開発、テスト、そしてリリースをしても、『出したらユーザーは使いませんでした』となるリスクが高くなっている。細かく区切ってどんどんリリースして試していくというアジャイル開発に、スタートアップだけではなくSIerや大手企業も移行してきている。そんな中、よく聞くのが、QAに時間が掛かりすぎるということ。週1などの頻度でデプロイするとなると、毎回、全てを網羅的に検証することはできない。そうすると、切り捨てなければならない部分が出てきてしまい、バグが残ってしまう」(近澤氏)。

このような課題に目を付け開発されたのがAutifyだ。非エンジニアでも簡単にウェブアプリの検証作業を自動化でき、また、AIがアプリケーションコードの変更を監視し、検証シナリオの修正を自動で行うため、メンテナンスコストを大幅にカットすることができたという。従来のテスト自動化サービスでは困難だったJavaScriptを多用した複雑なアプリケーションの検証自動化も可能で、Slack、Circle CI、TestRailなどとの連携も可。今後は連携可能なサービスを増やしていく予定だ。そして「自動化範囲の拡張、テスト実行環境の内製化、Chrome Extensionの機能改善、AIでの要素の発見ロジックなどを中心に、ユーザーのテスト体験を充実させていく」(Autify)。他社にはない強みに関して、近澤氏は「非エンジニアでも使いやす設計に徹底的にこだわった」と話していた。

AI活用し従業員体験の向上を目指す「LEAD」がAlchemistを卒業、日本展開を本格化

LEADのCo-founder木村祐美氏

AI技術を活用したエンプロイーエンゲージメントプラットフォームを提供するスタートアップの「LEAD」は米時間9月20日にB2B領域に特化したアクセラレーターAlchemist Acceleratorを卒業。LEADのCo-founder、木村祐美氏はソフトウェアテストの自動化AIサービスAutifyの近澤良氏に続き、日本人起業家としては2人目のAlchemist卒業生となった。

LEADのミッションは「社員に心理的な安心感を与える企業文化作りの手助け」。同プラットフォームは従業員を興味や職歴などの情報をベースにマッチングし、コーヒーやランチ、ないしはオンラインなどで定期的に「会って話すきっかけ」を作るプラットフォーム。また「内定者を社員に」「新人を先輩やメンターに」紹介する際にも活用できる。Slack、Google Suiteなどと連携させ、使用する。

LEADが目指すのは、従業員同士の交流を活性化することで、孤独感をなくし、従業員体験を向上させること。木村氏によると、職場での孤独は離職に繋がりやすい。そして、ミレ二アル世代の多くはメンターや相談相手を必要としているという。

LEADではマッチング以外にも従業員満足度などを分析する機能も兼ね備えている。木村氏いわく、エンプロイーエンゲージメントの計測で実施される従来の従業員アンケートは手入力であるなどゆえにバイアスが掛かりやすかった。LEADでは行動傾向をデータ化し、手動入力データと合わせて従業員満足度などを分析する。パーソナライズされたパルスサーベイでは、人事担当者による「従業員の幸福度と全体的な従業員体験を向上」に向けたプランニングをサポートする。また、マッチングのアルゴリズムも従業員満足度の分析内容も、従業員のニーズや行動パターンに応じて変化する。

木村氏は「Beauty Plus」を開発したMeituの日本法人代表を務めていた人物だ。Meitu日本代表を務めていた際には、従業員体験向上の重要性を痛感した。「社員同士の信頼関係や友情、メンターシップ」が固かったからこそ、個々のモチベーションが上がりハードなKPIを達成することができたと木村氏は言う。また、日米で働く数千人をインタビューした結果、まだ市場に、特に日本においてはLEADのようなプロダクトが無く、強いニーズを感じ、既存課題の解決のため、プラットフォームを開発するに至った。

競合には、エンゲージメント分析のCulture AmpLattice、社員のオンボーディング支援のdonut、社内のメンターとマッチングするプラットフォームのMentorCloudMentorloop、社外メンターとのマッチングを実現するPLATOEverwiseが存在する。だが、木村氏いわく、マッチングからAIによる分析まで広く対応できるプラットフォームだという点がLEADの強みだ。

LEADはiSGSインベストメントワークス、BRDのCEOのAdam Traidman氏、Oculus共同創業者のMichael Antonov氏、Alchemist Acceleratorなどからの出資を受けている。現在は日本語版のボットが提供されているが、同社は日本を今後注力していくべき市場だと捉えている。

Alchemist Acceleratorのデモデーに登場した22社のスタートアップを紹介

企業を対象としたスタートアップ・インキューベーターAlchemist Accelerator(アルケミスト・アクセラレーター)は、米国時間9月21日に22回目のバッチを紹介するデモデーを開催した。

参加企業には5分間が与えられ、自分たちは何者か、何を作っているのか、なぜ自分たちがそれに誰よりも長けているのかを、満場の投資家たちを前に売り込む。今回は、業務用ロボット掃除機から医療機関のためのプラットフォーム、AI駆動の資金融資プラットフォームまで、さまざまな事業を行う企業が登場していた。

早速どんな企業がデビューしたかを紹介しよう。参加した22社すべての概要を登壇順に列記する。

1.Cresance(クレサンス)
AIを使い、独自のアルゴリズムで無駄を検出し、クラウドの運用コストを削減する。2019年に企業がクラウドのために消費した金額は2000億ドル(約21兆5000億円)に上る。Cresanceは、3~5年後には5000億ドル(約53兆8400億円)にまで膨れ上がると見込んでいる。


2.Bridgefy(ブリッジファイ)
ユーザーが気に入っているインターネット接続が切れたときでも、接続が継続できるモバイルアプリを開発中。彼らのフレームワークは、近くにいる他のユーザーを通じてBluetoothのメッシュネットワークを利用するというもの。創設者Jorge Riso(ホーヘ・リソ)氏によれば、この4カ月間で1万2700件のライセンス契約を交わしたとのこと。また、Bridgefy独自のメッセージアプリは、4週間で14万ダウンロードを記録した(香港の抗議活動の間に利用者が急増)。リソ氏は、Twitter(ツイッター)の共同創設者とブリッジファイの投資企業であるBiz Stone(ビズ・ストーン)からステージに招かれた。

3.Synapbox(シナップボックス)
企業の画像や動画コンテンツにどれだけの効果があるかを調査し、パフォーマンスを高める方法を提供する。創設者Cristina De la Peña(クリスティーナ・ダ・ラ・ペーナ)氏によると、同社の月間経常収益は100万ドル(約1億800万円)を超えると見積もられ、8月の収益は6万ドル(約650万円)、9月は8万5000ドル(約916万円)に上るという。

4.Teleon Health(テレオン・ヘルス)
高齢者介護施設のためのソフトウェアプラットフォーム。同社の最初の製品はHIPAA(米国医療保険の総合運用性と責任に関する法律)に準拠したスタッフ間の通信プラットフォームだ。スタッフ同士が簡単につながり、利用者のデータの交換やそれに関する相談、更新スケジュールの送信などが行える。

5.Particle(パーティクル)
転向、災害、地域紛争など「1日あたり100万件を超える影響力の強いデータポイント」をAIで常に監視し、商品相場(コバルト、プラチナなど)を予測する。2019年には100万ドル(約1億800万円)の収益があり、2020年には3倍に伸びると同社は見込んでいる。

6.Pristēm(プリスティーム)
ポータブルな装置でスチームクリーニングができる。オフィス、ホテル、アパートなどで、ドライクリーニングの代わりに使用されることを想定している。ハードウェアのライセンス料と月間のサブスクリプション料で収益を得る。同社の共同創設者によると、マリオットやハイアットを始めとするホテルチェーンから基本合意をもらっているという。Pristēmという名称はスチームに掛けてある。

7.EveraLabs</span>(エベララブズ)
尿から幹細胞を収集すると同社が主張する在宅の郵送キットだ。若いときの幹細胞を保管しておき、後に健康上の問題が発生したときに役立てるというアイデアだ。

8. testRigor(テストリガー)
開発中のソフトウェアを「人間レベル」で自動テストする。現在は年間経常収益が20万ドル(約2150万円)と推測されるが、今後30日で30万ドル(約3230万円)になると予測している。共同創設者のArtem Golubev(アーテム・ゴリュベフ)氏によれば、testRigorはすでに、GrubHub(グラブハブ)、stockX(ストックエックス)、Genentech(ジェネンテック)など26社と商談を進めているという。

9.Spectrum CannaLabs(スペクトラム・カナラブズ)
合法的な大麻(カナビス)製品のための、速くて正確な専門の検査を提供する。合法カナビス製品は、多くの州で、残留農薬、菌類、重金属、異物の出荷前の検査が義務づけられているが、同社によればそのための研究室の費用は高額になるという。

10.Gritwell(グリットウェル)
栄養士や栄養士、自然療法士と、持病を抱える患者とのマッチングプラットフォームを運営。同社は当初、ループス(全身性エリテマトーデス、全身性紅斑性狼瘡)の患者を対象としていたが、現在は自己免疫疾患の患者にサービスを拡大している。

11.Green Light Labs(グリーン・ライト・ラブズ)
電気自動車への乗り換えを後押しするマーケティングプラットフォーム。MyGreenCar(マイグリーンカー)とMyFleetBuy(マイフリートバイ)という2つのアプリは、車の走行状況を分析して、別の車ならどれぐらいのコストになるかを、個人向けまたは企業向けに分析する。現在、契約で生じた収益は130万ドル(約1億4000万円)。

12.Friendly Robots(フレンドリー・ロボッツ)
業務用のロボット掃除機。ルンバのようなものだが、大型で、広く入り組んだ業務用スペースを掃除する。自律度も劇的に高められている。CEOのXiao Xiao(シャオ・シャオ)氏は以前Apple(アップル)で、おもにApple Watch用の距離計やモーションセンシングのアルゴリズムのデザインと開発を行っていた。

13.Bludot(ブルドット)
地方自治体が、地元の産業の成長を監視し分析できるようにするクラウドベースのプラットフォーム。そのデータを許認可に結びつけ、自治体がビジネスオーナーたちとつながれる場所を提供する。現在、中規模の都市での試験プログラムを完了したところだ。

14.Coolso(クールソー)
手首に装着して筋肉の動きを感知することで、ジェスチャーでデバイスの操作ができるようにする装置。共同創設者のJack Wo(ジャック・ウー)氏によると、同社のソリューションは、Thalmic Labs(サルミック・ラブズ)のMyo(マイオ)やLeap Motion(リープモーション)などのアプローチと違い。安価に製造でき、しかも安定しているという。

15.Crelytics(クレリティクス)
金融業者のためのAIを使ったリスク評価と不正検出のためのソフトウェア・プラットフォーム。カスタマイズ可能な意志決定エンジンでもある。現在の年間経常収益は10万ドル(約1080万円)以上とされている。

16.LEAD(リード)
企業内に「素晴らしい職場文化を築く」ことを目的としたプラットフォーム。従業員を、興味や職歴をもとにマッチングし、1~4週間ごとにお茶やランチや仮想訪問で会合させる。SlackGoogle Suiteなどの既存のソフトウェアと連動させて使用する。

17.Celly.ai(セリー・エーアイ)
AIを使った顕微鏡検査による診断を行う。光学式アダプターで顕微鏡のレンズにiPhoneを接続すると、Celly.aiのニューラル・ネットワークが、まずは血球数をカウントし、血液塗抹標本の分析を行う。

18.Blushup(ブラシュアップ)
美容製品の小売業者(ロレアルやランコムなど)向けのマーケットプレイスであり予約ソリューション。創設者Monique Salvador(モニク・サルバドール)氏によると、オンライン予約ソリューションを利用している美容小売業者ではわずか37%だという。

19.Modality.ai(モダリティ・エーアイ)
ユーザーの動画(アバターで通信している間に録画)で、表情の動きや話のパターンなどから神経疾患の変化を評価する。神経疾患のための薬の試用を、標準化された客観的なデータによってより効率的に行うことを目的としている。

20.Chowmill(チャウミル)
企業の会議やイベントのための食事の注文を、早く簡単にできるシステム。食事の好み、好きなレストラン、予算などを入力すると、Chowmillが残りの作業を自動的に処理する。創設者Mubeen Arbab(ミュービーン・アーバブ)氏によれば、同社の売上総利率は40%とのこと。1月には収益が2万5000ドル(約270万円)だったが、8月には11万8000ドル(約1270万円)に増加した。

21.Yaydoo(イェイドゥー)
値段交渉や再注文など、企業の調達業務を自動化する。年間経常利益は120万ドル(約1億3000万円)と予測されている。

22. SmartBins(スマートビンズ)
食料品店の量り売りのためのスマート・ディスペンサー。既存の容器で使用できる。客は、ディスペンサーを普通に使うだけで、SmartBinsのシステムが自動的に分量を計測し、その近くに置かれてる発券機からラベルが印刷されて出てくる。共同創設者のDavid Conway(デイビッド・コンウェイ)氏によると、すでに市場占有率100%の量り売り用ディスペンサーのメーカーと販売契約を交わしたという。食品メーカーと小売店は、商品ごとの売り上げの分析結果をダッシュボードで見られるようになる。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

スマホのカメラで心拍数を計測、呼吸訓練アプリ「Resilio」でストレス耐性を強化

「Resilience(レジリエンス)とはストレスを予防し生産性を向上させるということだ」

5月16日にカリフォルニアのメンローパークで開催されたAlchemist Acceleratorの21期生デモデイにて、ResilioのCEO、Anders Søndergaard氏はそう話した。

Resilienceをもう少しわかりやすく説明すると、身体的または精神的な苦境からの「回復力」のこと。

「この単語を覚えておいて欲しい、数年後には誰もがResilienceについて話しているはずだ」(Søndergaard氏)

Resilioは従業員のストレス軽減、モチベーション向上のための「Resilience-As-A-Service」プラットフォーム「Resilio」を開発し提供するヘルステック領域のスタートアップ。

ストレス耐性を強くするには瞑想が効果的だが 、Resilioはそれをアプリで誰でも簡単にできるようにした。

Resilioアプリを使い、ユーザーはスマホのカメラに人差し指をかざし心拍数を計測。そして画面に表示されている心拍数を見ながら呼吸訓練をする。ゲーミフィキケーション要素として、画面の右上にはシンクロ率のスコアが表示される。

呼吸訓練のほかにも、「睡眠の改善」や「緊張状態の緩和」などに関するオーディオベースのレッスンも用意されている。また、ウェブセミナーや社内キャンペーン向けのマーケティングパッケージも提供される。

Resilioは法人向けに提供されており、料金は従業員1人あたり5ドル。Søndergaard氏いわく、Resilioユーザーの実に96パーセントが「ストレスが軽減された」と感じており、86パーセントが「仕事に対するモチベーションが上がった」という。

APIの提供企業がAPIの使われ方を知るツールMoesifがシードで$3.5Mを調達

今日のデベロッパーは、各社が提供しているAPIを呼び出して自分のアプリからいろんなサービスを利用できる。しかしAPIを提供する側は、自分のAPIがどんな使われ方をしているか、知りたいだろう。そこでサンフランシスコのMoesifは、APIの提供企業がAPIの使われ方を知るためのサービスを提供する。本日(米国時間1/4)同社は、350万ドルのシードラウンドを発表した。

この投資をリードしたのはMerus Capitalで、これにHeavybit, Fresco Capital, そしてZach Coeliusらが参加した。なおCoeliusは、2016年にGMが10億ドルで買収したCruise Automationにも投資していた。

Moesifの協同ファウンダーでCEOのDerric Gillingによると、MoesifはMixpanelやGoogle Analyticsに近いが、WebやモバイルのアナリティクスではなくAPIの使われ方を見る。“APIを作って提供する企業や、それらを利用する企業がますます増えているから、API利用の顧客であるデベロッパーがどんな使い方をしているのか、彼らは何かの問題に遭遇していないか、デベロッパーチャーン(developer churn, 他社API利用への移行…浮気)をどうやって減らせばよいか、等々を知る必要性が生じている”。

APIを使った地域別ヒートマップ。スクリーンショット提供: Moesif

同社が対象とするのは、二つのタイプのユーザーだ。まず、APIに問題があったらAPIのモニタリング機能を利用できるデベロッパー。彼らは主に、Moesifの無料ティアにアクセスしている。

一方企業ユーザーの場合は、企業の各部門、プロダクト管理や営業、マーケティングなどが、Moesifのツールを使ってAPIの利用者や利用頻度などを知り、また使い方のパターンから、機械学習により、どこがプロダクトの使用をやめそうか、などを知ることができる。そのツールはMailchimpやCRMツールなどそのほかのビジネスシステムと統合できるので、自分たちのAPIの使われ方に関する、より完全な知見が得られる。

Moesifのツールがリリースされたのは昨年だが、Gillingによると、すでに2000社/名のユーザーがいて、無料または有料のティアを使っている。とくにうまくいっているのが、SaaS企業とフィンテック企業だ。どちらもAPIを多用しており、Moesifの顧客にはPowerSchoolやSchwab、DHLなどもいる。

同社は今、二人のファウンダーと社員一人だが、今度のシード資金で半年以内に約10名を雇う予定だ。エンジニアリング担当VPやデベロッパーの増員、そして営業とマーケティングも必要だ。

Moesifは2016年の晩くに創業され、ファウンダーたちは昨年Alchemist Acceleratorを卒業した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa