Alexaの音声が改善され、サミュエル・L・ジャクソン風に喋ることも可能に

シアトルで開催中のイベントにてAmazon(アマゾン)は米国時間9月25日、パーソナルアシスタントのAlexaの新しいニューラルテキストのスピーチモデルを発表した。この新しいモデルは、AmazonのライバルことGoogle(グーグル)やMicrosoft(マイクロソフト)が過去にローンチしたものとは似ていないが、最新のマシンラーニング技術を利用して「より感情的で表現力豊か」な新しいモデルを構築している。

さらにAmazonは、Echoがまもなく俳優のSamuel L. Jackson(サミュエル・L・ジャクソン)のように喋るようになると発表した。また同じ技術(あらかじめ録音されたフレーズではなく)を利用し、Alexaは有名人の声を真似ることもできる。サミュエル・L・ジャクソンモードには、エクスプリシット(ありのまま)版も用意される。

追加音声は来年公開される予定だが無料ではない。価格はそれぞれ0.99ドルだ(少なくとも最初は)。これは面白いギミックだが、実際にはそれ以上のものではない。まるで有名人の声でしゃべるカーナビのようだ。

「革新のペースは信じられないほどで、マシンラーニングにできることにはいつも驚かされる」と、AmazonのDave Limp(デイブ・リンプ)氏はキーノートで語った。「しかし、このニューラルネットワーク技術はさらなる柔軟性と、Alexaの音声の可能性を与えてくれる」。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

アマゾンがAlexaを同時に多言語で使うためのマルチリンガルモードをローンチ

Amazon(アマゾン)はシアトルで開催中のDevicesイベントにて、Alexa対応デバイス向けに多言語モードをローンチすると発表した。新しい多言語モードはまず米国向けに導入され、英語とスペイン語に対応する。カナダではフランス語と英語、インドではヒンディー語と英語がサポートされる。

これらのマルチリンガルモードでは、家族が両方の言語でAlexa対応機器を同時に使用でき、複数の言語を話す家庭にとって非常に便利な機能だ。Alexaは言語を切り替え、よりリアルで表現豊かな返答をするために、ニューラルネットワーク処理によってモデル化された新しい自然音声を利用する。

Amazonのデバイス担当シニアバイスプレジデントのDave Limp(デイ・ブリンプ)氏はイベントにて「マルチリンガルモードは始まりにすぎない。世界中の何十億という家庭で、2つや3つの言語が話されている」と述べた。そのようなケースで、マルチリンガルオプションは役立つことだろう。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

アマゾンのエントリー向けスマートスピーカーEcho Dotに時計内蔵モデルが加わる

米国時間8月25日のAmazon(アマゾン)のハードウェアの波は、Echo DotシリーズにEcho Dot with Clockが加わることから始まった。その名のとおり、これは前面スピーカーグリルの横にデジタル目覚まし時計が組み込まれたEcho Dotだ。

Amazonの人気高いエントリーレベルのスマートスピーカーの新バージョンは、現在のEcho Dotに取って代わるものではなく、現在のEcho Dotのラインアップに追加される。価格は59ドル(約6400円)と通常のEcho Dotより10ドル高い。

Echo SpotやEcho Show 5と同様に、Echo Dot With Clockはベッドサイドの目覚まし時計に適しているようだ。また正直なところ、ディスプレイとカメラがないことは、Amazonがイベントで提示したプライバシーへの関心を考えると、さらに魅力的に映るかもしれない。

内蔵時計の追加は、スマートスピーカーを超えた利便性を提供する。Amazonの販売台数の拡大にとっては、気の利いたやり方だ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

フィットネストラッキング搭載のAlexa対応ワイヤレスイヤフォンや高音質版Echoが今週登場か

CNBC報道によると、Amazon(アマゾン)Alexa(アレクサ)のボイスアシスタントへのアクセスと、アクティビティ中のフィットネストラッキングを提供するワイヤレスイヤフォンを開発中だ。このイヤフォンは、より上質なサウンドを再生できる新しい大型のEchoデバイスと組み合わされて、米国時間9月25日にシアトルで開催される同社のハードウェアイベントで発表される可能性がある。

このイヤフォンはAmazonにとって重要な新製品となり、また同社の個人向けのヘルスケア/フィットネス機器への最初の進出となるだろう。同社はスマートホーム製品やスマートスピーカーをはじめとする、幅広いコネクテッドデバイスのカテゴリーで製品を開発したり購入したりしているが、Apple(アップル)Samsung(サムスン)などがこの分野に多額の投資をしているにもかかわらず、個人のヘルスケアに関してはそれほど積極的ではなかったようだ。

CNBCの記事によると、Alexa搭載イヤフォンの新製品には加速度センサーが搭載され、距離や消費カロリー、ペースなど、Apple WatchFitbitのようなフィットネス系ウェアラブルに期待される機能をすべて提供するという。

フィットネス機能以外にも、この新製品はAlexaを家の外に持ち出すためのポータブルな手段を提供する。Amazonは他のヘッドフォンメーカーと提携してサードパーティー製品へのAlexaの統合をすすめており、さらにはAlexaを自動車に搭載する実験もおこなっているが、その成功の大部分は家庭用のアシスタントだ。

さらに、この新型イヤフォンは100ドル(約1万1000円)以下で販売されていると伝えられており、オーディオブランドやヘッドフォンメーカー、そしてAppleAirPodsのような潜在的なライバルと比較しても、大きな価格的優位をもたらすだろう。記事によると、新型イヤフォンは独自のデータ接続機能を持たず、iPhoneAndroidデバイスとの接続を利用するという。

またCNBCによると、Amazonは既存製品よりも大型のEchoデバイスを用意しており、これにはウーファーが内蔵され音質が改善されているという。これは、Amazonがハイエンド版のEchoデバイスを来年発売するという、7月のBloombergの報道とも合致する部分がある。これらの新製品の一部、あるいは全部が水曜日のイベントでデビューするかもしれないが、あるいはサプライズの発表があるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

手持ちのステレオをSonosとAirPlay 2対応にするSonos Port

Sonos(ソノス)は、ユーザーの手持ちのステレオやAV機器に接続して使える新製品を発表した。アップルのAirPlay 2の機能を、アンプを通して既存のスピーカーシステムで利用できる。それが399ドル(約4万2700円)のSonos Portだ。これまでにもSonosシリーズにあったSonos Connectと同様の機能だが、仕様を一新し、かなり小さなボディで実現した。

Sonos Portの本体は、つや消し黒の小さな箱だ。出力ポートとしては、アナログRCAと同軸デジタルを備える。それらを家庭にあるステレオやホームシアターに接続して、音を鳴らすことができる。また音声入力ポートとしては、アナログRCAを用意する。これにより、レコードプレーヤー、プロジェクター、あるいは一般的なAVデバイスから音声を入力できる。たとえば、デジタル入力しかないSonos Beamのような製品には接続しにくいものにも対応できる。

Sonos Portは、デジタルからアナログに変換するコンバーター(DAC)を内蔵している。インターネット経由で流れてくるメディアを、既存のシステムに接続したいと考えている人で、特に音質にこだわるマニアックな人にも魅力的な製品と言える。そして、Sonos Portをアンプに接続すれば、どんなスピーカーでも自動的にAirPlay 2対応となる。さらに、AlexaやGoogle Assistantに対応したこれまでのSonos製品と組み合わせて使うこともできる。つまり、マイク内蔵のSonosやAlexaを持っていれば、ボイスコマンドによってSonos Portの再生をコントロールできるのだ。

さらにSonos Portは、10/100Mbps対応の2つのイーサネットポートも装備している。ルーターに直接接続することで、より信頼性の高い通信が確保できる。12Vの電源トリガー出力も備えているので、スタンバイモードから復帰した際などに、接続したステレオやレシーバーの電源を自動的にオンにすることも可能だ。

Sonos Portの仕様の多くは、現行の同Connectと類似している。それが、よりコンパクトな、つや消し黒のパッケージに収められたというもの。その結果、既存のシステムに、目立つことなく組み込むことが可能となった。基本的には接続性を向上させるためのアクセサリなので、定価は少し高く感じられるかもしれない。しかしSonos Connectを導入すれば、基本的にDACというものが不要となる。DACは、単体では、かなり値が張る製品だ。もちろん、Sonosならではの接続性とストリーミング機能も実現できる。

Sonos Portの予約注文は、米国では9月5日から開始され、9月12日から出荷される。世界的な展開は、来年初めからとなりそうだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

AmazonがスマートテレビコントローラーFire TV Cubeの第2世代を発表

9月6日にドイツ・ベルリンで開幕したヨーロッパ版CESともいえるコンシューマーエレクトロニクス展であるIFA 2019で、Amazon(アマゾン)はFire TV関連プロダクトを20種類以上発表した。最大の注目は第2世代のFire TV Cubeだろう。これはAlexa搭載のスマートテレビコントローラーで、米国、英国、日本ではすでに予約注文受け付け中だ。

一方、Fire TV EditionをOSとして搭載したプロダクトも15種類発表された。なかでもAnkerのFire TV Editionサウンドバーが注目を集めている。Editionを搭載した製品にはOLEDスクリーンのスマートテレビも含まれる。

今回の発表は、AmazonがFire TVのハードを大幅に強化するものだが、この背景にはアメリカのスマートテレビ市場ではAmazonを抑えてRokuがマーケットリーダーとなっているという事情がある。

ただしAmazonの発表によれば、 各種Fire TVデバイスには世界で3700万人の月間アクティブユーザーがいるという。これはRokuが第2四半期の決算で発表した3050万人より多い。スマートテレビは家族で利用することが多いが、ストリーミングのためには両社とも1家族は1アカウントしか取得できないので比較的正確な比較になっているはずだ。

本日ベルリンで発表されたFire TV Cubeは、現行製品に比べて大幅なアップデートとなっており、Alexaを搭載リモコンが付属することで初のハンズフリーFire TVを実現している。

All new Fire TV Cube side

Amazonによれば、新世代Fire TV Cubeは6コアのCPUを搭載しており、パフォーマンスは現行モデルの2倍で、Dolby Visionと4K Ultra HDコンテンツをレイテンシーなしに最高60fpsの速度で再生できる。またLocal Voice Controlを搭載し、「Alexa、右にスクロール」といった日常よく使われる音声コマンドの実行速度が最高4倍にスピードアップしている。新しいCubeには遠隔音声認識機能が搭載され、部屋に大勢の人がいて騒がしい場合でもユーザーの声を正しく聞き分けられるという。

今回、Cube互換プロダクトとして、スマートテレビ、サウンドバー、動画・音声のレシーバー、衛星放送チューナーなど関連製品多数が披露された。【中略】

Fire TV Cube Couch

Amazonはサードパーティのプロダクトに搭載するOS、Fire TV Editionの拡大にも力を入れており、Skyworth、Arcelik、TPV、CompalなどがEdition搭載の製品15種類を発表した。中でも注目はJVCのUltra HD、HDR対応のFire TV Edition搭載4Kスマートテレビだろう。英国では349ポンドで発売されることになっているが米国など他の市場での扱いについては情報がない。

Grundig OLED Fire TV Edition display

スマートテレビ以外での注目Edition搭載プロダクトはAnkerから発表されたNebulaサウンドバーだ。これはFire TV EditionをOSとして組み込んだスマートスピーカーで、スマートテレビのインターフェイス、4K Ultra HD、NFCによるAlexa音声コマンド、Dolby Visionなどをサポートする。

Nebula Soundbar – Fire TV Edition 4

Ankerのサウンドバーは米国では229.99で予約を開始している。その他カナダ、英国、ドイツでも販売されるが、他地域でどうなるかはまだ情報がない。

米国市場におけるスマートテレビへの組み込みOSのシェアでは、Roku OSがトップだ。米国のスマートテレビの3台に1台以上はRoku OSを採用している。今回、IFA 2019でAmazonがEdition OSの普及に力を入れてきたのは、Rokuに対抗する意味合いが強い。Amazonの国際市場におけるネットワークはRokuよりはるかに強力だ。Amazonは今後、Fire TV Editionの国際展開に全力を挙げるものと予想される。

【Japan編集部追記】日本での発売は2019年11月5日から、価格は1万4980円で予約受け付けはこちら。ページ左上に「互換性確認」のポップアップがある。テレビ、A/Vレシーバー、サウンドバーについてブランド別に互換性の有無を確認できる。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

SonosのBluetooth対応バッテリー駆動スピーカーが公式発表前にリーク

Sonos(ソノス)は今月末に、何らかの新製品を発表するイベントを開催することになっている。しかし、そのイベントのハイライトだと思われるものが、リークによって暴露されてしまった。Bluetoothスピーカーの新製品だ。ポータブルとしても使えるよう、バッテリーも内蔵している。

そのスピーカーについて最初にリークされたのは、今月初めだった。デイブ・ザッツ(Dave Zatz)氏が、いかにも公式っぽく見える写真を公開したのに加え、The Vergeは、BluetoothとWi-Fiモードを切り替えるためのトグルスイッチ、充電用のUSB-Cポートなどの写真や、だいたいの寸法を示す数字をレポートした。それによると、現在のSonos Oneよりも、若干大きめとなるようだ。

画像ソース:WinFuture

そして、WinFutureからの新たなリークにより、公式っぽく見える別の写真も公開されている。充電用のスタンドともなるドックと思われるものに接続した写真も含まれる。そのサイトは、新しいスピーカーはSonos Moveという名前になるだろうとも表明している。あちこち持ち運んで使っても、すべての機能を維持できるポータブル型であることを考えると、十分うなずける話だ。

画像ソース:WinFuture

これまでのリークによって明らかになったことをまとめると、以下のようになる。

  • Wi-Fi(他のSonosスピーカーと同様、Sonosネットワークで動作する)またはBluetooth(デバイスとの直接ペアリングが可能)経由でストリーミング再生が可能。Bluetooth LEによってセットアップも容易
  • 電源用のUSB-Cポートと通信用のイーサネットポートを備える
  • Sonos Oneにも似たデザインだが、角はより丸まっていて、幅は広く、背も高い(内蔵バッテリーの容積確保のためか)
  • 背面にハンドルを内蔵して持ち運びがしやすい
  • ドッキングして充電するため底部に電極がある(USB-C接続でも充電可)
  • AlexaとGoogle Assistantをサポートしマイクも内蔵(Bluetoothモードではどちらも利用不可)
  • AirPlay 2もサポート
  • 内蔵マイクを利用してユーザーの居場所に合わせたスピーカー音声の自動調整を実現するAuto Trueplay機能をサポート

公式には、発売時期や価格などは、まだ何も発表されていない。しかし、8月末に公式発表があれば、この秋ごろには市場に登場することが期待できそうだ。

画像クレジット:WinFuture

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

次世代のFitbit VersaはAlexaに対応する

Versa(バーサ)はまさに、不調だったFitbit(フィットビット)が必要としていたヒット商品だった。VersaはApple Watchに対抗する、シンプルで手頃な価格のデバイスだ。この製品のおかげで同社は、ついにウェアラブル分野の中の明るい場所に参入することができた。米国時間8月1日の決算報告によると、Versa Liteは機能を削って廉価にしたことで失敗し、Versaの成功の再現とはならなかった。

しかし、いいニュースがある。Fitbitはすでに新しいVersaを開発している。さまざまなリーク情報の発信で知られるEvan Blass(エバン・ブラス)氏によると、2018年モデルに対し一部のハードウェアがアップグレードされるという。画面はLCDからAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)になり、ケースも新しくなる。Vergeが指摘しているように、これまでよりもApple Watchに似た、角丸四角形のデザインになるようだ。

そして最大のニュースは、スマートアシスタントを利用できるようになりそうだということだ。ウェアラブルと音声操作は重要な関係にあるので、当然だろう。しかしウェアラブルデバイスのライバルはSiriやGoogleアシスタントを搭載している。開発費用が限られているウェアラブルメーカーはどうすればいいのか。答えは簡単。Amazonと組む。

Alexaがどのように使われるかは不明だが、Fitbitは考えるまでもなくAlexaの採用を決めたと思われる。Ionic(アイオニック)とVersaを作るための買収に多額の費用をつぎこんだので、プロプライエタリーのスマートアシスタントは現時点ではおそらく無理だ(サムスンのAIアシスタントであるBixbyの費用は、成長が難しいことを示している)。そこでFitbitは、すでに大変人気があるがウェアラブル市場ではほとんど使われていないアシスタントを採用することにしたのだろう。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Alexaが複雑な質問に答えるための新しい方法をAmazonが開発

AmazonのAlexa AIチームは、ややこしい質問の扱いを大幅に向上させる新しいトレーニング方法を開発した。チームリーダーのAbdalghani Abujabal氏は、ブログでこの新しい方法を詳しく紹介している。通常は競合する2つの方法、テキストベースの検索とカスタムで構築されるナレッジグラフを組み合わせたものだという。

Abujabal氏は「ノーランの映画でオスカーはとったがゴールデングローブを逃がしたものは?」という質問を例として挙げている。この質問に答えるには多くのことが必要だ。「ノーラン」が映画監督のクリストファー・ノーランだと特定し、彼が監督した映画を見つけた上で(結果のリストを作るにはノーランが「監督」という役割であることも推測する必要がある)、オスカーを獲得した作品リストAとゴールデングローブを獲得した作品リストBをクロスリファレンスで調べて、リストAにあってリストBにない作品をつきとめる。

このような難しい質問に適切に答えるために、この方法ではまずできるだけ網羅的なデータセットを集める。最初はノイズの多い(すなわち、不要なデータばかりの)大量のデータセットだが、そこからアルゴリズムを使って自動でナレッジグラフを構築する。このアルゴリズムは研究チームが作ったオリジナルのもので、ゴミを取り除いて有力と考えられる結果にたどり着くためのものだ。

Amazonが考え出したシステムは、表面上はわりあいにシンプルだ。というのも、2つのわりあいにシンプルな方法を組み合わせている。まず基本的なウェブ検索で、例えばGoogleに「ノーランの映画でオスカーはとったがゴールデングローブを逃がしたものは?」と入力したのと同様に、質問の全文を使ってウェブをクロールし結果を見つける(実際の研究では複数のウェブエンジンが使われている)。次にランク付けされた上位10ぺージを調べ、識別された名前と文法ユニットに分解する。

こうして得られた結果のデータセットに加え、Alexa AIは文の構造の中で手がかりを探してフラグを立て、上位のテキストのうち「ノーランが監督したインセプション」というような重要な文に重みづけをし、それ以外の文は軽くする。こうしてアドホックのナレッジグラフが構築され、この中を評価して「コーナーストーン」(よりどころ)が特定される。コーナーストーンは基本的には、検索されたもともとの文字列に含まれるいくつかの語とよく似ている。これを取り出し、質問に対する実際の答えの出典として中間にある情報を見るのではなく、コーナーストーンにフォーカスする。

アルゴリズムは、残ったデータを最終的に重みづけしてソートし「インセプション」と正しい答えを返す。Amazonのチームは、テキスト検索だけにフォーカスする、あるいはカスタムのナレッジグラフを単独で構築する複雑な最先端のアプローチよりも、実はこの方法は優れていることを発見した。チームはこのアプローチをさらに改良できると考えている。難しいトリビアで議論が白熱したときに、スマートスピーカーに聞けば解決できようになるかもしれない。Alexaユーザーにとっては楽しみだ。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

AmazonのAlexaスキル開発キットがヒンズー語をサポート

Amazonの音声アシスタントのユーザーは、もうすぐヒンズー語でAlexaに話できるようになる。Amazonの米国時間7月16日の発表によると、デベロッパーのためのAlexa Skills Kitにヒンズー語の音声モデルを加えた。またAlexaのデベロッパーはこれまでインドで発表した自分のスキルを、ヒンズー語対応にアップデートできる。

Amazonは先月の機械学習と人工知能のカンファレンス「re: MARS」で、「流暢なヒンズー語をAlexaに加える」と発表した。それまでAlexaが理解できたのは、ヒンズー語混じりの英語、ヒングリッシュのコマンド少々だけだった。Alexa担当のヴァイスプレジデントでトップのサイエンティストであるRohit Prasad(ロヒャット・プラサド)氏はインドの通信社IANSに、Alexaにヒンズー語を加えることは「コンテキスト的にも文化的にもそしてコンテンツの面でも難題だった」と言っている。なぜなら、インドで使われている方言やアクセントやスラングがあまりにも多様だからだ。

英語とともに、ヒンズー語はインドの公用語のひとつだ。Googleの音声アシスタントもヒンズー語をサポートしている。Citi Researchによると、Amazonのマーケットシェアは約30%で、メインのコンペティターであるウォルマート支援のFlipkartと同じぐらいだ。

画像クレジット: Amazon

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Alexaの音声記録は無期限に保存するとアマゾンが米議員に回答

Amazonは、Alexaユーザーがバーチャルアシスタントに話しかけた後のAlexa音声記録とデータがどうなるのかという、民主党でデラウェア州選出の米上院議員であるChris Coons氏(クリス・クーンズ)からの質問状に答えた。議員の質問状は、5月のCNETの調査報道を受けてのものだ。CNETは、ユーザーが音声記録をマニュアルで削除しない限りAmazonはそれらを保存し、音声録音のトランスクリプションを無期限に保存するかもしれない、と報道していた。

クーンズ氏のウェブサイトで今日公開されたAmazonからの返答で、同社はCNETの指摘を認め、ユーザーが削除を選択するまでユーザーの音声記録を保存すると説明した。言い換えれば、録音はどの時点においても自動削除されない。

しかし、最初のCNETの報道は、音声記録のテキストトランスクリプトについては「ユーザーには削除するという選択肢はない」として、ユーザーが録音を削除した後もAmazonのサーバーに保持される、としていた。CNETが説明したように、AmazonはAlexaのメーンシステムからテキストログを削除しても、他のサブシステムからは削除しない。議員の質問への回答の中で、Amazonは何を保存し、何を保存していないのか詳細を明らかにした。

トランスクリプトそのものは、ユーザーがAlexaのプライバシーハブダッシュボードを使って音声記録の削除を選んだときに削除される、とAmazonは明確にした。しかしCNETが報じたように、トランスクリプトはAlexaの主要ストレージシステムから削除される。Amazonは、トランスクリプトが他のAlexaストレージシステムに保存されていないことを確かめるための“現在進行形の努力”をしているとだけ言い、トランスクリプトが他でも保存されているかどうかについては明らかにしていない。

音声記録の削除後に他のデータもまた保存されるかもしれないが、これはさほど懸念されることではない。

Amazonはまた「我々はAlexaのレスポンスのオーディオを保存しない」と明らかにした。「しかしユーザーのリクエストへのレスポンスとしてAlexaがとったアクションの記録を含め、顧客のAlexaとのやり取りの記録を我々は保持している」ともしている。

こうしたアクションの記録は、Alexaスキル(音声アプリ)がかかわる場合にはAmazon、またはサードパーティーのデベロッパーにより保持されるかもしれない。

「たとえば、顧客がAmazon Music Unlimitedを購読しているとき、Amazon Freshで注文するとき、UberやLyftに配車を依頼するとき、Dominoにピザを注文するとき、プレミアムなデジタルコンテンツをスキルで購入するときなど、Alexaにリクエストする多くのタイプでは、Amazonそして(または)当てはまるスキルのデベロッパーは明らかに取引の記録を保有しなければならない」。

これは実用的だろう。結局、あなたがUberやピザを頼んだり、購読を始めたりしたとき、受注した企業との間で記録があるはずだとあなたは思うだろう。そして誰もピザ注文の履歴の削除をピザ屋に依頼したりはしない。

Amazonはまた、アラームのリピート設定、Alexaへのリマインド依頼、カレンダーへのミーティングの入力、友達へのメッセージといった種類のリクエストで、音声記録またはデータの削除はされず、もし削除を望めば、Alexaがタスクを実行できないかもしれない、とした。

Amazonはなぜトランスクリプトを使うかについて、Alexaの機械学習システムを訓練・改善するのに役立ち、ユーザーが言ったことやAlexaが聞いたこと、バーチャルアシスタントがどう応じたかについてユーザーに直接ログを提供するため、と説明した。加えて、Amazonはユーザーが話すのをやめるとシステムも録音をやめることを明らかにした。

そしてAmazonはデバイスの短いバッファーについてのテクニカル的詳細に言及した。これは繰り返し書かれていることだが、Alexaは録音して処理するユーザーのオーディオを可能な限り少なくするようにデザインされていて、Alexaに向けられていないオーディオの処理は高くつき、Amazonにとっては価値がない、としている。

議員がAmazonにあてた質問の回答期限は6月30日で、返事の手紙は6月28日付だった。クーンズ氏は期限内に返事があったことを讃えたが、「まだ疑問が残る」と語った。

「Amazonが私の懸念に対してすぐさま応えてくれたことに対し感謝する。彼らの返答はユーザーの個人情報を保護することの重要性とコミットメントへの理解を示すものと確信している」と自身のウェブサイトで述べた。

「しかしながらAmazonの返答では、Alexaとのやり取りでのユーザー音声のトランスクリプトが、ユーザーが音声の録音を消去した後でもAmazonの全てのサーバーから削除されていない可能性を残している。さらに、このデータがどれくらいの範囲でサードパーティと共有され、そうしたサードパーティが情報をどのように使用し、コントロールしているかは不明だ。人々は自分たちの個人情報がテック企業にどのように使用されているか知る権利がある。私は米国民の個人情報を保護する最善の策を模索すべく、引き続き消費者、そして企業と協力して取り組んでいく」とも述べている。

多くの企業がユーザーのデータを無期限に保存している一方で、テック大企業を調査する議員にみられるように消費者のプライバシーへの関心の高まりは変化を生み出している。例えば、先週GoogleはiOSとAndroidで位置情報履歴が自動的に削除されるように消費者が自分たちのアカウントを設定できる新しい機能の提供を開始した。しかしこの措置は、Googleが何年もユーザーのデータを取り込んだ後のものであり、設定はまだマニュアルで操作しなければならない。

多くの人は、音声アシスタントが少なくとも同様のセッティングを提供すべきと主張するだろう。マニュアルでやることを覚えていなければならない代わりに、音声データを自動消去するようセットする方法の提供だ。

ユーザーの音声データを溜め込んでいるのはAmazonだけではない、と指摘しておくのは意義あることだろう。Googleはまた、音声とオーディオのクリップを、記録のレビューや削除というオプション付きでユーザーのアカウントに保存する。データの保存はデフォルトである一方で、ユーザーが望めば音声とオーディオのアクティビティをオフにできる。一方、AppleはSiriの音声記録を6カ月間保存する。その後、データのコピーを匿名化して最長2年間保存する。

しかし広く言えば、Amazonのレビュープロセスそのものと、ユーザーのプライバシーへの配慮の欠如が問題となっている。

Bloomberg(ブルームバーグ)が最近報じたように、Amazonの社員や契約労働者はレビュー中に記録やアカウント番号、ユーザーの名前、デバイスのシリアル番号にアクセスできる状態にあった。そして彼らは社内チャットルームで、トランスクリプトを作成するのを手伝ってもらったり、面白い録音を一緒に笑ったりするのにオーディオクリップを共有していたことも明らかになった。

言い換えれば、Amazonがいかに消費者のプライベートなデータを尊重すべきかという点において、Amazonにはプライバシー文化はない。これは、Appleの最近のスタンスとは異なる点だ。Appleは部分的なデータの保持の必要性と、高まる消費者のプライバシーへの関心との間のバランスをとることに注力している。

テック大企業がきちんと自らを律することができないという観点から、ゆくゆくは規則が適用されることになるだろう。今や、彼らは私たちがキーボードにタイプしたり、スマホを持って世界中を移動したりするときにデータを集めるだけでなく、彼らは私たちの家の中に存在し、私たちがシステムに直接話すときに私たちや子供たちの話を聞いているのだ。

TechCrunchはクーンズ氏の意見についてAmazonにコメントを求めている。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

Alexaの子供向け音声アプリで両親の承認付き購買が可能に

Amazonは、開発者に対して、子供向けのAlexaスキルの中でプレミアムコンテンツの購入が可能になるようにした。6月14日に同社は、アプリ内購入機能を開発するための新しいツールを発表した。このアプリ内購入は、Amazonアカウント所有者(典型的には母親か父親)が、SMSやメールで送られてくる購入要求を、承認したり拒否したりすることができるというものだ。

スキル内の購入機能が、全米のAlexa開発者に最初に開放されたのは昨年のことだったが、最近世界中の開発者たちも利用可能となった。しかし、他の子供向けアプリと同様に、キッズカテゴリの中にあるAlexaのスキルには購入承認ワークフローを提供することが求められていた。さもなければ、子どもたちによって、親の立場からは承認できない購入が行われてしまう危険性があるからだ。

それこそが、新しい開発者ツールが使われる場所となる。

現在開発者は、 Alexa Skills Kit Command-Line Interface(ASK CLI)、またはAlexa Developer Consoleを使って、子供用プレミアムスキルを開発することができる。 新しいツールを使うことで、スキルからの購入要求を、SMSもしくは電子メール経由でアカウント保有者に送信することができる。その後アカウント保有者が24時間以内に要求を承認しなければ、その購入要求は自動的に取り消される。

プレミアムコンテンツは、ワンタイム購入またはサブスクリプションのいずれかの形式で提供される可能性があるとAmazonは述べている。

一部の開発者たちは既にツールへの早期アクセスを用いて、自身の子供向けスキルにプレミアムコンテンツを追加済みだ。そうした開発者に含まれるのは、Amazonの開発者コンテストの優勝者や、Kids CourtYou Choose Superman AdventuresTravel QuestAnimal Sounds、そしてMaster Swordsなどのスキル開発者たちである。

自分の子供が何かを買うことを望んでいない親たちには、これらすべてからオプトアウトするための2つの選択肢がある。

1つは、Alexaアプリの設定→Alexaアカウント→Voice Purchasing(音声購入)→Kid Skills Purchasing(子供スキル購入)から機能を無効化する方法だ。一方、Echo Dot Kids Editionに付属しているFreeTime on Alexaの顧客の場合は、プレミアムコンテンツの購入機能は提供されない。そして、FreeTime Unlimitedにアップグレードした場合には、サブスクリプションに含まれる多くのプレミアムコンテンツを手に入れることができるようになる。

この子供向けスキルのプレミアム購入オプションの追加は、Amazonにとって難しい時期に行われようとしている。

Amazonは、 Alexaの子供のプライバシー侵害に関する新たな訴訟が起こされたことを受けて、今週新しいデザインと内部機能と共にEcho Dot for kidsをアップデートした。訴状によれば、Amazonは同意なしに子供の声を録音したのだという。

最新のEcho Dot for kidsエクスペリエンスの一環として、Amazonは、Family Online Safety Institute(FOSI、オンライン家庭安全研究所)およびさまざまな業界団体と協力し、米国の子供のプライバシー保護法であるCOPPA(Children’s Online Privacy Protection Act、子供のオンラインプライバシー保護法)を遵守するために、FreeTime on Alexaを再構築した。

Amazonは現在、Alexaのスキルによる子供の個人情報へのアクセスや収集を制限しており、両親が子供の音声録音を削除する方法を提供している、と述べている。

しかし、Kids Edition Echoスマートスピーカーとそれに関連する機能セットへの変更は、原告の申し立てに対して完全な解を与えるものではない。

今週行われたAmazonの発表によれば、親たちはAlexaアプリもしくはAlexa Privacy Hubを介して録音をレビューしたり削除することが可能になった。そしてカスタマーサービスに対して自分の子供のプロフィールを削除するように要求できるようになっている。しかし、訴訟では、Amazonが録音を管理する方法(両親に行動を取るよう促す方法)は理想的ではないと述べられている。原告らは、例えばAppleのSiriは記録を短期間だけ保存するだけで、自動的にそれらを削除することを指摘している。

さらにCNETは、たとえ利用者が自身で録音を削除したとしても、Amazonが文字起こしされたテキストを保持し続ける可能性があることを発見した

プライバシー規制が、技術のペースに追いつくには時間がかかる。子供がいる家庭でスマートスピーカーをどのように運用するべきかに関する現在の課題は、そうした問題の1つの例なのだ。親たちはこれらのデバイスを購入してインストールする一方で、Alexaの知性がアルゴリズムとAIだけで支えられているのではなく、人間によっても支えられているということはあまり意識していない。すなわちそこでは人間が録音を聞き、エラーをチェックし、そのデータを使ってAlexaの動作を改善しているのだ。

もちろん、この種のことをあまり気にせず、その侵害の可能性に関係なく、単にデバイスを使用することを楽しむ人びともいる。そうした人びとは、特に家族がそのスキルを一緒に楽しんでいたり、価値を付け加えていると感じられる場合には、使っているスキルをアップグレードできることや、お気に入りの開発者を支援できることを高く評価するかもしれない。

Amazonは現在、子供向けスキルを通じて販売する機能を、すべての開発者に提供しているわけではない。購入機能付きの子供向けスキルを開発することに興味のある開発者は、アマゾンに対して自分たちの計画を伝えるためのフォームを記入して提出することができる。そのアプリケーションが選ばれた場合には、Amazonが連絡してくることになる。

[原文へ]

(翻訳:sako)

アマゾンのAlexaは地域による違いに機械学習で対応

アマゾンの音声アシスタントのAlexaは大きな課題に挑んでいる。多言語対応の製品として動作するだけでなく、対応している各言語の地域による違いもAlexaが認識できるようにすることだ。

これを実現するためにAlexaはあらゆるバリエーションを完全に学習しなおした。これにはたいへんな時間とリソースを要する。しかしAlexaのAIチームは、音声認識をトレーニングする新しい機械学習ベースの方法を開発した。これにより、既存の言語の新しいバリエーションのモデルを構築しなおす作業は大幅に減る。

North American Chapter of the Association for Computational Linguisticsに提出された論文によると、アマゾンのAlexa Alの上級応用サイエンスマネージャー、Young-Bum Kim氏のチームは、テストに使用した米国、英語、インド、カナダの4種類の英語について、正確さがそれぞれ18%、43%、115%、57%向上する新しいシステムを設計したという。

チームは、ユーザ一がどこでリクエストしたかにかかわらず答えがあまり変わらない場合よりも、あるドメインのユーザーからのリクエストに対する答えが地域に固有のものであることが前もってわかっている場合(近くのレストランを教えて、と聞かれたときなど)に重みをつけて学習アルゴリズムを調整する方法を実装した。

次にAlexaのチームは、地域に固有のモデルを1つに統合し、その言語で場所の影響を受けないモデルも追加した。その結果、前述の向上が見られた。

基本的には、共通の基盤を活用し、答えが大きく変化することについて差異を追加するだけにすれば、あまり手間をかけずに地域によって違う答えを返すようになる。時間をかけてAlexaはもっと賢く、速く、言語面で柔軟になるはずだ。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

AmazonはAlexaとの会話をもっと自然にする

米国時間6月5日、Amazonは同社主催のre:MARSカンファレンスで、パーソナルアシスタントAlexaがスムーズに話題を切り替えることで、会話をより自然にするための開発を進めていると発表した。さらにユーザーは頻繁に「Alexa」と言わなくてすむようになる。

re:MARSで同社は、映画のチケットを買う例を使ってこの仕組みを簡単に紹介した。例えば、「Alexa、近くでやっている映画は何?」と聞くところから、実際に見たい映画を選び、チケットを購入し、近くのレストランを予約するところまで誘導し、さらに予告編を見てUberを呼ぶ。

いろいろな意味で、これはGoogleがGoogle I/Oで見せることを期待していたデモだった。ここ数カ月でAmazonは、Alexaの能力を明らかにステップアップさせている。

Amzonが活用する新しい会話システムは、次のアクションを予測することで異なるAlexaスキルとの切り替えを容易にしている。「機械学習能力を強化した結果、Alexaは会話の内容から利用者の最終目的を予測し、スキル間をスムーズに移動できるようになった」と同社は説明した。

AmazonがAlexaショウでデモしたこの新しい経験は、数カ月のうちにユーザーも利用できるようになる。過去数カ月の間に、Alexaはユーザーのリクエストを理解する精度が20%高くなったことも同社は発表した。

さらに、開発者はAmazonが新しい会話ツールで使っているさまざまな技術の一部を利用できるようになる。Alexa Conversationsと呼ばれるこの新ツールを使うと、サードパーティー開発者も同じようなフローを作ることができる。

かつてはそのために多くのコードを書いていたが、Alexa Conversationsはコードの量を3分の1まで減らすことができる。開発者はアクション一式といくつかの会話サンプルを宣言するだけでいい。するとサービスが自動会話シミュレーターを実行するので開発者は自分の作ったスキルに対して顧客が返す反応を全部考えなくてよい。時間とともに、実世界のユーザーがシステムと対話した結果からも学習していく。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「Alexa、今日話しかけた言葉を消去して」機能が追加

Amazon(アマゾン)は米国時間5月29日にスマートディスプレイ「Echo Show 5」を発表したが、その影でいくつかのセキュティ機能も追加された。Alexaのコマンドで、ユーザーが喋った言葉を消去できるのだ。

「Alexa、今日話しかけた言葉を消去して」という機能が、本日から配信される。また、「Alexa、今話しかけたことばを消去して」という機能も、アメリカでは数週間中に、そして他国では来月に配信される。アマゾンは録音を消す機能をアプリにて提供していたが、今後はボイスコマンドでも同じ操作ができるのだ。

同社は以前から、デバイスが積極的に録音することはなく、暗号化されたサーバーに録音が保護されていると主張してきたが、セキュリティアナリストやユーザーからは、Echoや同様のスマートホーム製品が常時動作していることへの懸念が増していた。

今回の機能の追加は、明らかにこのような懸念に応えたもので、また会話をどのようにコントロールするのかをユーザーがもう少し積極的にコントロールできるようにする、アマゾンの試みでもある。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Amazonが感情を認識するAlexaウェアラブルを開発中

Amazonは、おそらく現時点でユーザーのあらゆることを知っているので、感情を監視しない理由はない。同社が開発中と言われているウェアラブル・ウェルネス・デバイスは、ユーザーの心の状態を認識できるらしい。Bloombergの記事が「内部資料」に基づいて伝えている。

この少し前、同社はAlexaが話者の心的状態を読み取り、感情に応じて返答する仕組みの特許を取得した。この特許は「幸福、喜び、怒り、悲しみ、悲哀、恐怖、嫌悪、退屈、ストレス」などの感情に注目する。スマートアシスタントにとってずいぶん幅広い種類のリアクションだ。

このスマートフォン接続の腕時計型デバイスは、AlexaチームとLab126が開発していると言われている。現在内部でテスト中でコード名は「Dylan」。ちなみに最近Amazonは、社内のハードウェアチームに多くの実験をするよう推奨しており、Alexa製品は特にそうだ。たとえばEcho Buttonsはそんな実験から生まれた。しかし、殆どは実験段階を超えることがない。

Amazonはこの件に関して口が堅く、デバイスに関わっていた匿名の人物も発売時期について一切情報を漏らさなかった。確実にわかっているのは、AmazonがAlexaを出来るだけ広範囲の製品に搭載しようとしていることであり、本製品には間違いなくその資格がある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AmazonのAlexaに全世界的なトラブルが発生、現在は復旧

Alexaに何かをリクエストしたら、「I’m having some trouble, please try again later」(今問題がありますので後でもう一度お試しください)という答をもらった人、それはあなただけじゃないわよ。複数のユーザーが。Amazonの音声アシスタントに接続の問題があることを報告している。Down Detectorのサービス停止追跡ページによると、問題は世界中で起こっていて、ユーザーからの報告は(米国東部時間5月15日19時(日本時間5月16日午前8時)ごろから始まった。

Jordan McCrea:Alexaが落ちてるよ。どうしたんだ?
Jordan McCrea:Alexaが落ちてるよ。どうしたんだ?
Amazon Help:詳しく教えていただけますか?Alexaが落ちてるとは、接続しないのか、それとも答がないのか?よく調べてからもう一度ご連絡ください。
Jefferson James:ここでも落ちてるよ。うちにある複数のデバイスがどれも「I’m having some trouble, please try again later」と言うだけさ。

本誌は今Amazonに問い合わせているので、情報が得られ次第この記事をアップデートしたい。

アップデート:Amazonのスポークスパーソンは本誌TechCrunchに「今日の午後起きた問題でAlexaの顧客の一部がサービスと対話できなくなった。現在ではAlexaのサービスは正常に稼働している」と語った。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonが外出時の自宅見守り機能「Alexa Guard」をロールアウト

Amazon(アマゾン)は米国時間5月14日、米国のEchoユーザーに対して「Alexa Guard」をロールアウトすると発表した。外出時に「Alexa、外出するよ」と伝えれば、Echoデバイスが録音を開始する。

その重要な機能として「Smart Alerts」があり、これは鍵の音やガラスが割れる音、煙や一酸化探知機のアラームを監視する。そしてEchoがノイズを聞くと、その録音とともにアラートが発信される。

これは興味深い新機能だ。なぜなら、デバイスのマイクが常時録音するように設計されているという、時に議論を醸すであろう事実を利用しているからだ。Amazonによれば、ライセンスを受けた契約者と協力し、何百ものガラス窓をさまざまな道具で壊し、Alexaのために異なるバリエーションの音を制作したという。

この新機能は、その他のスマートホームデバイスでも利用できる。RingやADTといったモニタリングツールは、アラートをそれらのプロバイダーに発信することができる。また「Away Lighting」機能なら、ライトを点灯させて自分が部屋にいるように見せかけることができる。

この機能は米国のEchoユーザーに無料でロールアウトされることとなる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

AlexaのWindows 10版にハンズフリー機能が追加

昨年11月、Amazon(アマゾン)はWindows 10向けにAlexaアプリをリリースした。これによりPCユーザーはAlexaを利用し、リマインダーやタイマー、アラーム、To-Doリストの作成、カレンダーの確認、スマートホームによるニュースや情報などの取得、音楽の再生ができるようになった。そしてMicrosoft(マイクロソフト)のBuildに合わせ、Amazonはハンズフリー体験をもたらすAlexaアプリの新バージョンをリリースした。

Amazonによれば、今後はAlexaをバックグラウンドからでもフォアグラウンドからでも呼び出せる。またウェイクワード機能のおかげで、ユーザーは「Alexa」と語りかけるだけでいい。

このハンズフリーオプションは、以前のプッシュによる会話機能を置き換えるものではない。ユーザーは好きなほうを選択できる。

さらにハンズフリーオプションに加え、アプリではPandoraの音楽ストリーミングをサポート。Windows PCでAlexaを利用し、好きなPandoraのステーションを聴くことができる。

Amazonによれば、Windows 10用のアプリは準備ができ次第自動でアップデートされる。アプリ自体は、Windowsストアから無料でダウンロードできる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

デベロッパーの収益源になるAlexaのスキル内購入機能が国際展開へ

1年前にAmazonがアメリカのAlexaデベロッパーのために設けたスキル内購入の機能が、今日からはグローバルに提供される。最初はイギリスとドイツと日本だけだが、その後、そのほかの国でもできるようになる。デベロッパーはスキル内購入を利用して、Alexaの音声アプリからさまざまな方法で収益を得ることができる。それは、デジタルグッズでもいいし、何かのサブスクリプションや消耗品でもよい。

デジタルグッズには、クイズなどの拡張パックがあってもいいが、消耗品(consumables)はゲームのヒントなど一回かぎりの購入だ。一方サブスクリプションはデベロッパーに継続的な収益機会を与える。それらは、会員特典やアプリのアップグレード、コンテンツの定期的な更新などだ。

コンスタントな収益があれば、その音声アプリを今後継続的に開発していくこともできる。音声アプリケーションはまだ日が浅いから、デベロッパーはまだいろんな試行錯誤をしている。どんなユーザー特典が喜ばれるかも、長期間やってみないと分からない。だから開発を続けられることは、とても重要だ。

Alexaのスキルは、すでに80000を超えている。あまり人気のないアプリのロングテールがあって、ごく一部だけがヒットしている、という状況だ。

Amazonは今日、スキルのヒット作を二つ紹介している。ひとつはGal Shenar作のゲームスキルEscape the Airplaneで、彼によるとコンバージョンレートが34%だそうだ。

もうひとつの、Nick Schwab作の環境音スキルは200万近いアクティブユーザーがいる。彼は無料のトライアルと月額のサブスクリプションを提供し、一度聴いた人はその30%がトライアルに申し込む。そして無料トライアルユーザーの90%が有料のサブスクリプションに換わる。

上の二つのケースでは、どちらも有料サブスクリプションがオプションであり、ハードセルではない。そして彼らは、自分のスキルを、はまりやすくて、くせになりそうな仕上がりにしている。

そのほかの上位スキルは、Jeopardy!Escape the RoomBeat the IntroBig SkyWould You Rather for FamilyQuestion of the Day、そしてYes Sireなどだ。

スキル内購入が国際展開になったから、デベロッパーは自分のスキルをローカライズして、いろんな国で稼げる。そのためには、Alexa Command-Line InterfaceやAlexa Developer Consoleを使える。

関心のあるデベロッパーは、このフォームで申し込み、自分のアイデアをAlexaのチームに説明しよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa