Amazon、数百万ドルの絵画を販売するArt Storeを開設。ウォーホルもショッピングカートに乗る時代?

Amazon.comが、新たに「アートストア」(fine art store)を開設している。マーケットプレイス・パートナーたちが利用する方式だ。既に作品は4万点以上が登録され、扱っているアーティストは4,500人以上で、参加ギャラリーないしディーラーの数も150以上となっているのだそうだ。145万ドルで販売されるモネの「L’Enfant a la tasse, portait de Jean Monet」や、485万ドルの値段がついているノーマン・ロックウェルの「Willie Gillis: Package from Home」等、数百万ドルもする超有名作品も登録されている。

「アートストア」の登場により、従来はあちこちを見て回らないと探せなかったアート作品群をまとめて閲覧したり、簡単に検索することができるようになった。検索はタイトル、作品タイプ、サイズ、カラー、あるいは販売者などで絞り込むことができるようになっている。

このアートストアに参加しているのは、美術品作品の取り扱いを現代化しようと試みているUGalleryなどだ。同社は2006年からサービスを開始しており、こちらでもさまざまなギャラリーが収蔵する作品を一箇所で検索・購入することのできるマーケットプレイスを構築しようとしていた。Amazon Artの一員となることで、自社プラットフォームからの提供も続けながら、より広い顧客層を開拓できると考えているようだ。

ちなみにUgalleryは、オンラインアートに関する興味深いデータを掲載している。すなわち2013 Hiscox Online Art Trade Reportによると、コレクターの71%がインターネット売買を利用しているのだそうだ。少し前までは、2ドルほどのプラスチックアクセサリーやケーブル、犬のためのおもちゃなどを扱うAmazonが、値段のかけ離れたアート作品などを扱うのはフィットしないようにも思われた。しかしついにアート作品売買の分野にもオンライン取引の波がおとずれ、Eコマース帝国を構築しつつあるAmazonにとっても見込みのある市場と映るようになったようだ。

そうは言っても、数千ドルもするウォーホルのリトグラフをAmazonで買うというのに違和感を感じる人もいることだろう。こうしたものは、もう少し専門的なオークションハウスなどで購入するものだと考える人もいると思う(少なくとも個人的にはそんな印象だ)。ただ、Amazonを動かしているのは、あのWashington Postまで買収してしまうJeff Bezosだ。何百万ドルのプロダクトを通販サイトで取り扱おうとしていることも、何も驚くには値しないことなのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)