Amazonのダッシュボタンにドイツの裁判所が消費者保護に違反と判決

【抄訳】
洗剤やトイレットペーパーなど、日用品の補充的購入に便利なAmazonのダッシュボタンに、ドイツの裁判所が消費者保護法に違反との裁定を下(くだ)した。

昨日(米国時間1/11)、バイエルン州高裁は、ダッシュボタンのシステムが、購入に関する十分な情報を消費者に提供していない、と判決した。

原告の消費者団体Verbraucherzentrale NRWは、次のように主張していた:

・Amazonの現在のユーザー規約では、製品が最初よりも高価格になったり、消費者が最初に指定した商品以外の商品を買わされることが、消費者に無断で行われる。

・消費者がボタンを押したとき、そのとき行われる購買行為に関する十分な情報がその時点で提供されない。情報の提供が、購入決定から数か月後になることもある。〔注文のキャンセルは、通常の注文キャンセルと同じ方法で(できる場合は)できる。〕

・ボタン上に、押すと有価購入が行われる、という警告の明記がない。

判決は、裁判所がこれらの主張を認めた結果である。同団体は、裁判所がAmazonの控訴を棄却することを求めている。

Amazonは、本誌TechCrunch宛てのメールで、次のように反論している:

・イノベーションを損ない、消費者の利便性を奪う判決だ。違法性はないと確信しているので、控訴する。

“The decision is not only against innovation, it also prevents customers from making an informed choice for themselves about whether a service like Dash Button is a convenient way for them to shop. We are convinced the Dash Button and the corresponding app are in line with German legislation. Therefore, we’re going to appeal.”

画像クレジット: Amazon

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AWSがIoTデバイスのワンクリックでLambdaファンクションを実行するアプリを発表

Amazonが2015年にAWS Lambdaを導入したときには、サーバーレスコンピューティングという概念がまだよく知られていなかった。デベロッパーはそれによってソフトウェアを、それを実行するサーバーの管理等をせずに配布できる。サーバーはAmazonが管理し、そのインフラストラクチャは何かのイベントが要求をトリガしたときだけ動く。今日同社は、AWS IoT 1-Clickと呼ばれるアプリをiOS App Storeにリリースして、サーバーレスコンピューティングの概念をさらにまた一歩、前進させた。

その名前の“1-Click”の部分はちょっと大げさだが、とにかくこのアプリは、ラムダのイベントトリガーへのさらに素早いアクセスをデベロッパーに提供する。それらは、バッジを読むとか、ボタンを押すといった単純な目的のデバイスに向いている。たとえばそのボタンを押したらカスタマサービスやメンテナンスにつながるなど、そういった単純なシナリオだ。

そもそもAmazonにその好例といえるダッシュボタンがある。それは(Wi-Fiなどインターネットのある環境で)、ワンプッシュで特定のもの(洗剤、トイレットペーパーなど)を一定量注文できるボタンで、AWS IoT 1-Clickでデベロッパーは、自分のデバイス*にそんなシンプルな機能を持たせることができる。〔*: ローンチ直後の現状でサポートされているデバイスはボタン2種のみ、今後増える予定。〕

この機能を利用するためには、最初に自分のアカウント情報を入力する。利用するWi-Fiを指定し、デバイスとそのデバイスのLambdaファンクションを選ぶ。今サポートされているデバイスは、汎用ダッシュボタンとも言えるAWS IoT Enterprise Buttonと、AT&T LTE-M Buttonだ。

デバイスを選んだら、Lambdaファンクションをトリガーするプロジェクトを定義する。単純に、メールやSMSを送らせてもよい。イベントをトリガーするLambdaファンクションを選びNextをタッチすると、構成画面になるのでトリガーアクションを構成する。たとえば、会議室にいるときそのボタンを押したらIT部門を呼び出し、IT部門は送られてきたページから、どの会議室からヘルプの要請があったか分かる、など。

そして、適切なLambdaファンクションを選ぶ。それは、あなたの構成情報どおりに動くはずだ。

これらの指定、選択、構成などのプロセスはもちろんワンクリックでは済まないし、テストや構成変えも必要になるだろう。でも、シンプルなLambdaファンクションを作るアプリ、というものがあれば、プログラミングのできない人でもボタンを単純なファンクションで構成できるだろう。ちょっとした学習は必要だが。

このサービスはまだプレビューなので、アプリは今日ダウンロードできても、現時点では参加を申し込む必要がある。

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このAmazonダッシュボタンはトランプに腹を立てるたびに人権団体に5ドル寄付する

Amazonのダッシュボタンは消費者のビヘイビアをとことんまで利用する、狂気か天才の発明だと思うが、あるプログラマーが、それの、人間がいとも簡単に金を払ってしまう機能の、もっと良い使い方を発想した: ACLUに寄付をするのだ。そのヒントになった彼のある友人はあるとき、怒り狂って、トランプが人間性に悖(もと)るひどいことを言うたびに、それに対する怒りのはけ口が欲しいから、ダッシュボタンで簡単に寄付ができるようにしてほしい、と言った。そこでプログラマーのNathan Pryorは、ボタンの改造に取り組んだ

Pryorが注文したのは、IoT的にカスタマイズできるバージョンのダッシュボタンだ。それが届くのを待つ間彼は、ボタンを押すたびにACLUに5ドルの寄付が行くコードを書いた。寄付をするAPIは既存のAPIの中にないから、そのコードも自分で書き、そして到着したダッシュボタンに実装した。そして最終的に、ねらいどおりに動くようになった。ボタンのグラフィクスのデザインも自分で考えて、洗剤のTide用などと同じく、公式のダッシュボタンに見えるようにした。

そしてこれからは、トランプがツイートするたびに、そのボタンを叩けばやや怒りが和らぎ、しかもちょっとした善行ができる。彼はコードを公開しているから、誰もが同じことをできる。あなたが怒りを我慢できない人で、多少技術力があり、そしてトランプの言うことがいつも頭にきている人ならね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

物理的なボタンでインターネット上のサービスを呼び出すbttn、小型版を市場投入(長押しもサポート)

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インターネットに繋がる「ボタン」を作っているbttnが、「デジタルサービス用プッシュボタン」(push-to-activate-a-digital service)の小型版をリリースした。

btnのコンセプトはシンプルだ。ボタンデバイスを家庭や職場の好きな場所に置き、何らかのデジタルアクションを始動するようにしておくのだ。たとえばタクシーを呼び出したり、「家に帰り着いたよ」など事前に用意しておいたメッセージを発信するようなこともできる。

何のトリガーにするのかは自在に決めることができる。これにより利用者はアプリケーションを操作することなく、ボタン一発で目的の操作を行うことができるようになるのだ。

新しいデバイスはbttn Miniと名付けられている。サイズが最初のもの(2014年5月にプレオーダーの受付を開始した)の半分ほどとなっている。またボタンを単純に押すだけでなく、長押しもサポートするようになった。これによりプッシュ操作の確認ないしキャンセルを行うことができるようになっている。

フィンランドに拠点をおくbttnは、クラウドファンディング・キャンペーンにも成功している。小規模ビジネスの現場で大いに受け入れられることとなり、利用する顧客の間からキャンセルないし確認の意味を持つ長押しをサポートして欲しいという声が上がってきたのだそうだ。

新たにサポートされるようになった長押しだが、ファームウェアのアップデートを行えば、以前のbttnでも動作するようになる。

これまでに出荷した細かな台数についての情報はもらえなかった。「1万台以上で10万台未満」だそうだ(販売開始から2年たち、顧客が世界中100カ国以上にいるわりにはあまり売れていないと見ることもできるのかもしれない)。

一般消費者向けのbttnは€69となっている。特定ブランド向けに用意するbttnは€99だ。またビジネス用に台数およびサービスの利用期間に応じて価格が決まるメニューも用意している。

フランスの最大手タクシー運行サービス会社であるLes Taxis Bleusもbttnを利用しているのだとのこと。レストランやホテル、ブティックなどに配備してタクシーの呼び出しを行えるようにしているそうだ。顧客の集まるところにサービスを持ち込むスタイルで運営しているわけだ(こうしたアイデアの中にUberなどと戦うアイデアが眠っているのかもしれない)。

また不動産関連管理サービスを提供するSamsicも導入しているそうで、オフィスやビルなどからオンサイトサービスやサポートをリクエストするのにbttnを使っているのだとのこと。

また、オンラインセールスを行うサービスでは「再オーダー」用のボタンとして活用する例もあるそうだ。言うまでもなく、これはAmazonのDashボタンと同様に動作する(もしかすると、このあたりに小さなEコマースサービスがアマゾンという巨人に対抗するヒントがあるかもしれない…)。

bttn Miniのインターネット接続オプションは3種類が用意されている。すなわちモバイル通信(2G GPRS2G GPRS)、SIGFOX、およびWi-Fiだ。まずはモバイル版を先行させ、Wi-Fi版を6月中に、そしてSIGFOX版をQ3にリリースしたい考えだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

Amazon Primeのユーザはトイレットペーパーをたくさん買うために4ドル99セントを余計に払うのだ!

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Amazon Primeは今やAmazonの速達便のことだが、その年間速達料金は99ドルもする。荷物を早く受け取れるだけでなく、ビデオコンテンツなども普通便より早く見られる。これに慣れてしまうと、しかし、脱(ぬ)けられない。

最近のPrime特典は、会員限定Dashドングルのプロモーションだ。特定の品物の注文が簡単にできる小さなハードウェアだが、最初の一時期をのぞいては、これも4ドル99セントでユーザが買うのである。

たとえば、トイレットペーパーをいつも簡単に注文したい人は、Cottonelle Dashをトイレに常備しておく。早いとはいっても、近くのコンビニに行くほど早くはないし、昼寝しているところを配達に起こされるかもしれない。それらすべてがOKなら、良い買い物かも。おっと、トイレットペーパーのブランドは、もちろんCottonelleのみだ。

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そのほかに、上図のように、洗剤のTideとペーパータオルのBounty用のDashボタンがある。どれも4ドル99セントで買うんだよ。これらのブランドだけを買うために。

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同じ物をもっと多く買うためにAmazonに金を払うとは、なんとすばらしい企画だ。天才的な悪魔にしか発想できないよ、こんなの。これまでありえなかった、クールな技術ではあるけどね。

エイプリルフールのジョークかな? 違う、今は7月だ。

本物のフール(馬鹿者)のジョークだよ!

こんなものは、各ブランドのプロモーションとして、無料で消費者の手に渡るべきものだろう。しかも、Prime会員に限定しない方が得じゃない、ブランドにとって。それでなくても、最近はみんな、Amazonでお金を使いすぎだ。こんなくだらない物に4ドル99ドルを喜んで払う人は、トップクラスの使いすぎ人種だね。

〔訳注: これらブランド品目特定Dashボタンで買うと、ふつうにAmazonで(Primeで)買うよりさらに安いのか、そこが、よく分かりません。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、AmazonFreshで利用できるハンディ・バーコードスキャナーのDashを試験展開中

食料雑貨品の買い物リストを作るのが手間だと感じている人は、Amazonを利用すれば快適な生活が送ることができるようになるかもしれない。

Amazonが新たにリリースしたAmazon Dashというデバイスの話だ。Wi-Fiで接続するデバイスで、これでバーコードを読み込んだり、あるいは製品名を声によって伝えると、該当商品をショッピングリストに追加してくれるのだ。食料雑貨を取り扱うAmazonFreshと連動するサービスだ。買い物リストを作成すれば、スマートフォンやPCから、簡単に実際の買い物をすることができる。

Dashプロダクトを説明するサイトにはさまざまなメリットが記載されている。いつでもリストが作成できるということなどに加え、「一度頼んだものは決して忘れない」ということも書いてある。

自分自身について言えば、買い物リストにもとづいて計画的に買い物をするようなことはしていない。おかげで典型的31歳独身男性のようなやり方で買い物をしてしまう(つまり、必要なものが冷蔵庫に入っているようなことがほとんどない)。Dashの想定利用者は、もう少しきちんとした買い物習慣を持つ人なのだろう。また、Amazonが言うように「子供でも買い物リスト作成の手伝いができる」あたりにもメリットがありそうだ。

現在のところDashは限定的なメンバー内での試用期間という位置付けになっている。スポークスパーソンは次のように言っている。

ロサンゼルスおよびサンフランシスコでPrime Freshをご利用いただいている一部の方に、Dashを試用して頂いています(AmazonFreshは現在シアトル、サンフランシスコのベイエリア、南カリフォルニアでサービス展開中です)。Amazonが取り扱う50万品種以上の家電用品、おもちゃ、生鮮食料品、家庭用品などを、Dashを使って当日配送ないし翌日の午前中配送便にてお買い求め頂けます。

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(翻訳:Maeda, H