アマゾン、Echo Show 10でより自然な「会話モード」を正式提供開始

Alexa(アレクサ)は、より自然な会話ができるように学習している。Amazon(アマゾン)は米国時間11月18日、Echo Show 10(第3世代)デバイスに新機能「Conversation Mode(会話モード)」を展開することを発表した。これにより「Alexa」というウェイクワードを言わずに、バーチャルアシスタントと自由な会話をすることができる。このモードは、ユーザーが音声コマンドで有効 / 無効を切り替えることができるため、必要に応じてオンにすることが可能だ。

同社は、2020年のハードウェアイベントで、Alexa Conversations(アレクサカンバセーション)を他のA.I.と一緒に紹介した。そこでAmazonの副社長兼ヘッドサイエンティストであるRohit Prasad(ロヒト・プラサド)氏は、よりパーソナライズされた回答、明確な質問をする機能、会話の中で自然な流れを作る機能など、Alexaの新しい機能をデモした。

このようなインタラクションは、人間にとっては簡単なことだが、AIにとっては大きな課題だ。

Amazonは、そのイベントで、2人の人間がピザの注文について話しているときに、会話モードがどのように機能するかを紹介した

「Alexa、会話に参加して」と言ってこの機能を有効にした後、2人は、時にはバーチャルアシスタントと会話をしながら、ピザの注文について話し合った。Alexaが好みのトッピングを選んだところで、ひとりが「それ!」というと、Alexaは注文を調整した。また、Alexaは、例えば「Mサイズで十分だと思う?」など、2人の会話なのか、それとも自分に向けられた質問なのかを理解しているようだった。そして、ある人が、それほどお腹が空いていないので、小さいピザが欲しいというと、Alexaは自動的に注文を変更した。

同社によると、視覚的な手がかりと音響的な手がかりを組み合わせて、カスタマーの発話がデバイスに向けられているかどうか、返事が期待されているかどうかを認識しているそうだ。これはAIにとって非常に難しい問題だ。Amazonが説明したように、どの映画をみるかについての会話の中で「コメディはどう?」というように、多くの質問はデバイスと人のどちらにも向けられている可能性があるからだ。

さらに、会話モードの機能は、Alexaに向けた発話の開始をより正確に検知するために、反応が早い必要がある(普段はウェイクワードがきっかけでAlexaが話を聞くようになる)。

画像クレジット:Amazon

Amazonによると、デバイスの視界に入っている各人の頭の向きを推定することで、デバイスの指向性を把握する方法を開発したという。

「私たちは、与えられた入力画像のテンプレートの係数を推論し、画像内の頭の向きを決定するために、ディープニューラルネットワークモデルを訓練しました」と、同社は、Amazon Scienceのブログ記事の中で、高いレベルのAI技術の見解を示した。「そして、実行時間を短縮するために、モデルの重さを量子化しました。実験では、このアプローチにより、視覚デバイスの指向性検出の誤認識率(FRR)を、標準的なアプローチと比較して、約80%低減しました」。

また、Amazonは、音声ベースのデバイス音声アクティビティ検出(DVAD)モデルを使用して、Alexaが聞いている音声に反応すべきかどうかを示す音声キューを処理する。これを視覚のみのモードに追加することで、Amazonは反応にかかる時間を増やすことなく、周囲の騒音による誤作動を80%削減し、Alexa自身の応答をきっかけとした誤作動を42%削減することができたという。

会話モードを使用するには、ユーザーは「Alexa、会話に参加して」と言えば良い。有効にすると、Echo Show 10の画面の周りには青いボーダーが表示され、画面下部には水色のバーが表示され、リクエストがクラウドに送信されるタイミングを知ることができる。終了するときは「会話をやめて」と言って終了できる。

また、Alexaは、短時間に対話がなくなった場合、自動的にモードを終了する。

同社は、この会話の開発に以前から取り組んできた。

2020年7月には、人々が好みのフレーズを使って「制約の少ない方法」でAlexaに話しかけることができる、より自然な感覚の会話を可能にする音声アプリの開発を支援するためにAlexa Skillsの開発者にAlexa Conversations機能のベータ版を提示した。これに先立ち、Amazonは「毎回『Alexa』と言わずに、人々がAlexaスマートデバイスに同時に複数のコマンドを与えることができる『会話継続モード』と呼ばれる機能を開発していた

新しい会話モード技術は2020年発表されたが、AmazonはTechCrunchに本日から正式に開始され、Echo Show 10がその機能を使える最初のデバイスになると伝えている。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

アマゾンのやたらと大きいEcho Show 15は米国で12月9日出荷開始

Amazon(アマゾン)は9月後半にEcho Show 15を発表した際、発売は2021年末としていた。どうやら実際にその時期になりそうだ。あなたがどのホリデーを祝うかによるが、ホリデーに発売ともいえるだろう。この大型壁掛けスマートスクリーンは正式に事前販売が開始され、出荷開始日は12月9日となっている(訳注:日本語版記事作成時点で、日本のAmazonでは注文は後日開始と予告され、出荷開始日は記載されていない)。

Echo Show 15はその大きさで他のスマートディスプレイと差別化している。マンガっぽいほど、本当に大きい。15.6インチ、1080pのスクリーンで壁にかけられる設計になっている。大きなデジタルピクチャーフレームのようだ。価格は250ドル(日本での価格は税込2万9980円)で、新しい顔認識機能のVisual IDを搭載しデバイスの前に立ったユーザーを識別してその人に応じたコンテンツのエクスペリエンスを提供する(Visual IDはロボットのAstroにも搭載される)。

当然のことながら、スクリーンが巨大なのでたくさんの情報をいっぺんに見るのに適している。たとえば防犯カメラやインターフォンといったスマートホーム製品からの情報の他、カレンダーの予定やTo Doリストなどさまざまなウィジェットを同時に表示できる。Amazonプライム・ビデオやNetflix、Hulu、Sling TVなどのストリーミングサービスをキッチンなどで見るテレビ画面としても利用できる。

専用スタンドは別売で、壁かけ用マウントは同梱される。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)

アマゾンがAlexa用スマート空気質モニターを12月に米国で発売、約7980円

Amazon(アマゾン)は2021年9月下旬にスマートホーム機器の新製品を次々と発表したが、ホリデーシーズンを前にして、まだ製品を続々と登場させている。確かに、Smart Air Quality Monitor(スマート空気質モニター)は、巨大なEcho Showやホームロボット、あるいはサーモスタットのようにエキサイティングな製品ではないが、少なくともこのような製品に内在する価値は明らかだ。

このデバイスは、一酸化炭素を含む粒子状物質、ほこり、揮発性有機化合物(空気中の化学物質で体に害を及ぼす可能性があるもの)を測定するように設計されている。また、温度と湿度の検知機能もビルトインされている。製品ページに記載されているように、このデバイスにはマイクやスピーカーが内蔵されていない。つまり、何かがおかしい状態になったときの警告は、接続されたEchoデバイスやAlexaアプリに頼ることになる。なので、家の中のマイクの数が1つ減るわけだ。これはプラスだ。

同社によると、このデバイスはテスト期間中のユーザーのフィードバックから生まれたものだという。同社は次のように説明している。

部屋の換気を頻繁に行う、料理中に窓を開ける、空気清浄機や加湿器をつけるなど、小さな工夫をすることで、テスト参加者は空気の質が目に見えて向上したことを実感しました。また、これらの細かな調整により、家の中での呼吸が楽になり、夜もぐっすり眠れるようになったとテスト参加者は教えてくれました。

アラート機能に加えて、モニターするレベルの経時変化も測定できるので、ユーザーはさまざまな活動がこれらの問題にどのように影響するかを知ることができる。Smart Air Quality Monitorは11月3日から予約受付を開始し、12月に出荷が始まる。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

Amazon Music Unlimited会員はヘッドフォンを問わず空間オーディオをストリーミングできるように

Amazon(アマゾン)は、米国時間10月19日からAmazon Music Unlimited会員はAndroidおよびiOSアプリで、現在使用しているヘッドフォンを使って空間オーディオをストリーミングできると発表した。同社は現在、2種類の空間オーディオをサポートしている。ソニーの「Reality Audio」と「Dolby Atmos」だ。

Amazonは2019年に初めて空間オーディオを導入したが、少数のデバイスに限定されていた。今回の拡張により、ユーザーが所有するあらゆるヘッドホンで空間オーディオを楽しめるようになる。

「我々は常に、可能な限り最高品質のオーディオが音楽ストリーミングの標準であるべきだと考えてきました。だからこそ今日、特別な機器を必要とせず、またアップグレードの必要もない空間オーディオを顧客に提供します」と、Amazon Music副社長のSteve Boom(スティーブ・ブーム)氏は声明の中で述べた。

ユーザーは、Echo Studioを含む一部のデバイスで、Alexa Castを使って空間オーディオをストリーミングすることもできる。また、Alexa Castによる360 Reality Audioに対応した機器としては、ソニーのワイヤレススピーカー「SRS-RA5000」や「SRS-RA3000」、ホームシアターシステム「HT-A9」「HT-A7000」「HT-A5000」などが追加された。

加えて「Amazon Music Unlimited」の個人プラン、ファミリープラン、学生プランに加入しているユーザーは、追加料金なしで自動的にHDおよびUltra HDの音楽にアクセスできるようになる。

Amazon Music Unlimited個人プランの料金は、プライム会員が月額7.99ドル(日本では月額税込780円)、Amazonカスタマーが月額9.99ドル(月額税込980円)となっている。ファミリープランでは、月額14.99ドル(月額税込1480円)で最大6台のデバイスにAmazon Music Unlimitedをストリーミングできる。

Apple Musicが6月にiOS向け、7月にAndroid向けに空間オーディオを開始したように、空間オーディオを活用している音楽ストリーミングサービスはAmazon Musicだけではない。Apple MusicやAmazon Musicに対抗するため、Spotify(スポティファイ)は2021年初め、ロスレスオーディオを可能にするハイエンドのサブスクリプションサービス「Spotify HiFi」を展開すると発表した。

空間オーディオを活用しようとしているプラットフォームは、音楽ストリーミングサービスだけではないことも注目に値する。Clubhouse(クラブハウス)は9月、Android向けに空間オーディオを導入した。そしてNetflix(ネットフリックス)はこのほど、iPhoneとiPadのアプリで空間オーディオを提供すると発表した。

関連記事
Apple Musicが空間オーディオとロスレスオーディオの提供を開始
Apple Musicの空間オーディオとロスレスストリーミングがAndroidでも利用可能に
Spotifyが要望の多かった高品質サブスクプラン「Spotify HiFi」を提供へ
Clubhouseが後からも聞けるようになってシェアしやすく、録音、共有など4つの新機能追加
NetflixがiPhoneとiPadで空間オーディオ導入へ、同業他社に対抗

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

ディズニーとアマゾンが提携、カスタム音声アシスタント「ヘイ、ディズニー」を開発し搭載Echoをディズニーワールドリゾートのホテルに展開

Amazon(アマゾン)は、初めてEcho(エコー)デバイスで別の音声アシスタントを利用できるようにする。同社は先に開催した秋のイベントで、Disney(ディズニー)が開発し、Alexa(アレクサ)の技術をベースに作られた新しい音声アシスタント「Hey, Disney(ヘイ、ディズニー)」を発表した。このアシスタントは、独自の声を持ち、ディズニーファンが探索できる1000以上のカスタム・インタラクションを備えており、その多くは、本物のキャラクター音声やディズニーの膨大なライブラリーからのオリジナル録音を含んでいる。また、大規模なパートナーシップにより「Hey, Disney」の機能を追加したAlexaデバイスが、2022年からオーランドのDisney World Resort(ディズニー・ワールド・リゾート)ホテルに設置される予定だ。

まず最初に「Hey, Disney」は、ジョークややり取り可能なトリビア、お気に入りのディズニーキャラクターからの挨拶、ディズニー映画にインスパイアされた「soundscapes(サウンドスケープ)」と呼ばれるオーディオ環境へのアクセスなど、ディズニーファンのためのさまざまな体験を提供する。ユーザーがこれらの新機能を使うと、ディズニー、Pixar(ピクサー)、Marvel(マーベル)、Star Wars(スター・ウォーズ)などのお気に入りのキャラクターの声で応えてくれる。その間、このエクスペリエンス全体は「Disney Magical Companion(ディズニー・マジカル・コンパニオン)」と呼ばれるものによって動いている。

このコンパニオンは、基本的にはディズニー版のAlexaであり、新しい体験を通してユーザーを案内するために、ディズニー自身が開発したカスタムボイスだ。このコンパニオンの声はまだ明らかにされていないが、ディズニーは本物の声優を使って音を作っており、その声は「男性の声色」になるとのことだ(ミッキーだろうか?)。

画像クレジット:Amazon/Disney

2022年以降、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのホテルの部屋に「Echo Show 5(エコー・ショー5)」が置かれ、宿泊するゲストは、それを使って「Hey, Disney」体験にアクセスできるようになる。ここでは、パークの開園時間やパークへの最短ルート、食事できる場所など、リゾートのゲストが抱きがちな特定の質問にアシスタントが答えてくれる。また、アシスタントを使って、タオルの追加やルームサービスでの食事の注文など、特定のゲストサービスのリクエストをすることもできる。お気に入りのディズニーキャラクターが、ゲストのためにパーソナライズされたメッセージを1日中流すこともできる。

Amazonは、2021年初めに発表したAlexaカスタムアシスタント技術に続き、ディズニーと共同でこの新しい音声アシスタントを開発した。このソリューションでは、機器メーカーやサービスプロバイダーが、ブランドの個性や顧客のニーズに合わせた独自のインテリジェントアシスタントを作成することができる。自動車メーカーのFiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は、Alexaカスタムアシスタントの最初の顧客だったが、今回のディズニーのものは、アマゾン自身のEchoデバイス上で直接動作する最初のアシスタントとなる。このソリューションにより、ディズニーはアシスタントに独自のウェイクワード(「Hey, Disney」と特有の声、そして個性を与えることができた。また、顧客専用のインタラクション・ライブラリにつながり、それらのほどんとが「Hey, Disney」を最初に起動してからでないと利用できない仕様となっている。

画像クレジット:Amazon/Disney

Amazonは、あるアシスタントから別のアシスタントに引き継ぐことができるようなインタラクションがいくつかあるかもしれないとも触れている。例えば、誰かが「Hey,  Disney、アラームを止めて」と言ってアラームを止めようとした場合、アラームは通常Alexaの機能であるにもかかわらず、Echoが適切に反応してくれるだろう。しかし、いくつかの簡単なユースケースを除き、ディズニー固有のインタラクションのほとんどは、ディズニー自身のアシスタントで指示する必要がある。

Alexaの導入に関する提携も、今回の両社の新契約の大きな要素の1つだ。

Amazonは2018年に「Alexa for Hospitality(アレクサ・フォ・ホスピタリティ)」というプラットフォームを発表しており、Marriot(マリオット)だけでなく、LEGOLAND Parks(レゴランド・パークス)でも採用されていた。しかし、今回のディズニーの契約は、オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのホテルの数千室を網羅するものであり、Alexa for Hospitalityの大きな一歩となる。

関連記事:Amazon、ホテル向けAlexaシステムの提供開始

Amazonによると、リゾートで提供される「Hey,  Disney」体験は、ゲストが個人のアマゾンアカウントにログインできないことや、アマゾンが室内でのインタラクションの音声記録を保存しないことから、家庭での体験とはまた異なるものになるとのことだ。しかし、家庭用の「Hey, Disney」は、Alexa上で実行される他の子ども向け機能のガイドラインに従うこととなる。つまり、まず親の同意を得る必要があり、顧客は既存のプライバシーダッシュボードやインターフェースを使って音声記録を閲覧・管理することができる。

これに関連して、Amazonは新しいEcho Show 5スマートスクリーン用の新しいディズニースタンドも発売した。

画像クレジット:Amazon/Disney

画像クレジット:Amazon/Disney

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アマゾンはなぜ家庭用ロボット「Astro」を作ったのか

iRobotのCEOはかつて筆者にいたずらっぽくこう言った。「掃除機のセールスマンになって初めて私はロボット技術者として成功した」と。いいセリフだし、ロボット業界の根本的な真実をさらけだしてもいる。ロボットは難しく、家庭用ロボットはさまざまな意味でさらに難しいのだ。

ルンバなどのロボット掃除機が収めた大成功を超える術を誰も解き明かしていないのは、挑戦していないからではない。これまで、主にAnkiJiboなどスタートアップに分類される企業が取り組んできたし、珍しい例外としてはBoschが作ったKuriもある。ところが米国時間9月28日、Amazon(アマゾン)がこの問題に莫大なリソースを投入していることを明らかにした。

画像クレジット:Amazon

単にリソースを投入しているというだけではない。Amazonは同社初のロボット「Astro」を発表した。この製品はAmazonのDay One Editionプログラムの1つとして市場に第一歩を踏み出す。以前に同社はKickstarterやIndiegogoのように顧客が予約注文に投票できるこのプログラムを活用していた。新しいロボットには、アニメ「宇宙家族ジェットソン」の犬、The White Stripesのデビューアルバムに収録されている曲、ヒューストンのプロ野球チームと同じ名前が付けられ、2021年中に限定発売される。Day One Editionプログラムで発売された製品には小型プリンタやスマート鳩時計などがあったが、Astroはこのプログラムの中では飛び抜けて野心的なデバイスだ。999ドル(約11万円)と、このプログラムの中では最も高価でもある。

関連記事:アマゾンが予約注文で新しいAlexaデバイスの人気投票を実施、ラインナップにはスマート鳩時計も

ただしこの価格は早期購入者に限られる。Amazonの報道資料には以下のように書かれている。

Astroの価格は1,449.99ドル(約16万円)ですが、Day 1 Editionsプログラムの一環として999.99ドル(約11万円)の早期購入価格で提供します。Ring Protect Proの6カ月間無料試用が付属します。

画像クレジット:Brian Heater

発売時点のこのロボットには、主に3つの機能がある。

  1. ホームセキュリティ
  2. 大切な人の見守り
  3. 家でのAlexa体験のモバイルバージョン

Amazonはおよそ4年前からロボットに取り組み始め、社内のさまざまな部門を活用して完全に実現可能なホームロボットを開発した。

AmazonのバイスプレジデントであるCharlie Tritschler(チャーリー・トリッシュラー)氏はTechCrunchに対し「AI、コンピュータビジョン、処理能力について話し合い、そこで挙がったトピックの1つがロボットでした。消費者が利用できるようにするためにロボットはどう変化しているのでしょうか。我々にはもちろんフルフィルメントセンターでロボットを利用してきた経験は大いにありますが、家にいる消費者に利便性や安心を提供するために何ができるかを考えたのです。そこから考え始め、最終的には『ねえ、これから5年後か10年後に家にロボットがいないと思う人がいる?』ということになりました」と語った。

画像クレジット:Brian Heater

2012年にKiva Systemsを買収したことから始まったAmazon Roboticsが、コンシューマチームのアイデアに共鳴した。しかしAmazonのそれまでのロボット技術は業務用で、最短の時間で荷物を配送することに主眼が置かれている。最終的に同社はAstroのコンポーネントをゼロから作らざるを得なかった。その中には最も注目すべきものとして、家の中のマップを作り移動するために使われるSLAM(Simultaneous Localization And Mapping、自己位置推定と環境地図作成の同時実行)システムがある。

SLAMシステムは複雑な仕事を引き受けているだけでなく(これはiRobotが10年間かけて改良してきたことだ)、現在Amazonが有しているロボットテクノロジーをも考えると、筆者はこれには特に驚いた。Amazonは2019年に完全自律型倉庫用カートのスタートアップであるCanvasを買収した。しかしAmazonはこの新しいSLAMシステムはゼロから開発したもので、ロボット関連スタートアップの買収を検討したものの最終的にはAstroを作るための買収はしなかったと主張している。ただし、Ringのセキュリティ監視や、Alexaとホーム関連テクノロジーといった社内の技術は、Amazonのスマートアシスタントとなるこのロボットに組み込まれている。

画像クレジット:Brian Heater

筆者は発表の前週にAstroに触れる機会があり、このロボットはちょっと二重人格っぽいと感じた。このロボットのメインの人格は、R2-D2やBB-8、Wall-Eのようなものと表現するのが最も適切だ。顔は、実際には画面、あるいはタブレットと言えるもので、太い小文字のo(オー)が2つ並んでいるような極限までシンプルな目が表示されている。この目が時折まばたいたり動いたりするが、Ankiがピクサーやドリームワークスのアニメーターだった人材を雇って作ったCozmoほど表情豊かではない。

ときどき電子音が鳴って、前述したスター・ウォーズのR2-D2やBB-8をさらに思い起こさせる。ロボットに「Astro」と呼びかけることができるが、もっと直接的に会話をしたいときはどこかの段階で音声アシスタントでおなじみの「Alexa」と話しかける必要がある。

  1. 1Astro-Mute

    画像クレジット:Amazon
  2. 2Astro-Home-1

    画像クレジット:Amazon
  3. 3Astro-on-dock

    画像クレジット:Amazon
  4. 4Astro-Home-6

    画像クレジット:Amazon
  5. 5Astro-Home-5

    画像クレジット:Amazon
  6. 6Astro-Home-2

    画像クレジット:Amazon
  7. 7Astro-Home-3

    画像クレジット:Amazon
  8. 8Astro-Patrol

    画像クレジット:Amazon

Astroの10インチタッチスクリーンの顔はちょっとした人格を表現することに加え、標準的なEcho Showのディスプレイとしても機能するので、動画を見たりビデオ通話をしたりスマートホームのコントロールをしたりすることができる。画面は自動で動くが、見やすいように手で60度傾けられる。この画面はAmazonの新しい顔認証であるVisual IDにも対応し、Astroは相手に合わせたやりとりをする。

スピーカーも2つ搭載されている。ロボット自体は驚くほど静かだ(ロボット掃除機ではないですからね)。Amazonが筆者に語ったところによると、実は家の中を動いていることがわかるように電気自動車のような音を付ける必要があったという。ただし車輪の向きを変えて方向転換をするときにはサーボ音が鳴る。

後方のスペースには4.4ポンド(約2キロ)まで物を積むことができる(オプションのカップホルダーがある)。内部にはUSB-Cポートがあり、携帯の充電に使える。Astro自体はルンバのようなドックを使用し、バッテリーが空の状態から1時間未満でフル充電される。

画像クレジット:Brian Heater

当然のことながら、多数のセンサーが搭載されている。例えば土台部分には近接センサーがある。カメラは2つ組み込まれている。顔である画面のベゼルには5メガピクセルのRGBカメラがあり、もう1つは驚くこと間違いなしだが頭の上から飛び出してくる。飛び出してくる方の12メガピクセルのRGBと赤外線のカメラは、ライブストリーミングのためのものだ。このカメラの土台は伸縮式で4フィート(約120センチ)の高さまで伸び、ロボットが周囲をよく見るための潜望鏡のような役割を果たす。

画像クレジット:Brian Heater

筆者はロボットや制作チームと1時間ほど一緒に過ごした結果、このチームが作ったものにかなり心をひかれた。もちろんどれほどの人がこれを所有することに関心を持つかはまったく別の問題だ。AmazonはAstroを「数千の」家庭でテストし、曲がり角で止まってしまうなどの不具合を解決したという。Day Oneプログラムはパブリックベータというよりは製品に対する顧客の関心を測定する手段だ。

  1. 1astro_media_on-white_03

    画像クレジット:Amazon
  2. 2astro_media_on-white_02

    画像クレジット:Amazon
  3. 3astro_media_on-white_04

    画像クレジット:Amazon
  4. 4astro_media_on-white_01

    画像クレジット:Amazon

トリッシュラー氏は次のように述べている。「私は、これは我々が取り組んでいるロボットシリーズの第1号だと思っています。これは招待制のみのプログラムです。家庭などいろいろな場所での難しさはあると思いますが、Astroを手に入れた人々がすばらしい体験をしてくれるよう願っています。長期的に消費者向けロボットを考えると、もちろんさまざまな価格帯や機能があり、その1つとしてわかりやすく主力となる製品が欲しいところです。しかしAstroは、我々が価値を作り出そうと開発当初から取り組んできたことを再確認し、我々のしてきたことが消費者にとって意味があると確かめる出発点としては良いものだと思います。2021年中にこの製品の出荷を開始し、フィードバックが寄せられることに期待しています」。

  1. 01CMC_0230

    画像クレジット:Brian Heater
  2. 02CMC_0277

    画像クレジット:Brian Heater
  3. 03CMC_0273

    画像クレジット:Brian Heater
  4. 04CMC_0261

    画像クレジット:Brian Heater
  5. 05CMC_0259

    画像クレジット:Brian Heater
  6. 06CMC_0256

    画像クレジット:Brian Heater
  7. 07CMC_0248

    画像クレジット:Brian Heater
  8. 08CMC_0246

    画像クレジット:Brian Heater
  9. 09CMC_0240

    画像クレジット:Brian Heater
  10. 10CMC_0239

    画像クレジット:Brian Heater
  11. 11CMC_0235

    画像クレジット:Brian Heater
  12. 12CMC_0265

    画像クレジット:Brian Heater
  13. 13CMC_0270

    画像クレジット:Brian Heater
  14. 14CMC_0271

    画像クレジット:Brian Heater

画像クレジット:Brian Heater

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)

新Amazon Echoデバイスは音声をローカルで処理してプライバシーをさらに強化

これまでのAmazon Echoデバイスでは、Alexaがインターネットへの接続してリクエストを処理し、レスポンスを行ってきた。しかし、Wi-Fiに接続するスマートデバイスがいつもウェイクワードを聞いていることに不安を感じる消費者も一部存在していた。Amazonは本日のイベントで、Echo Show 10と最新のEchoをはじめとするAmazon Echoデバイスは、音声情報をクラウドへ送らずにローカルで処理できるようになったと発表した。

Amazonは、自分たちはこのようなプライバシーファーストの技術をスマートスピーカーで提供する初めての企業だと主張する。2020年、Amazonは現行のAmazon Echoデバイスを動かす「AZ1 Neural Edge」プロセッサーを発表したが、新しいEcho Show 15には「AZ2」プロセッサが搭載される。同社によると、このプロセッサーは前世代に比べて22倍のTOPS(1秒間に数兆回の演算)が可能だという。

Echo Show 15は、ローカルでの音声処理に加えて「ビジュアルID」と呼ばれる新機能をサポートする。これによりAlexaは、1つのビューフレームに複数の人がいるとき、各人を認識できる。個人化されたコンテンツを送ることができるので、たとえばカレンダーの内容を尋ねたら、その日のその人の予定を教えてくれる。他の家族のスケジュールを教えることはない。

Amazonによると、このビジュアルIDもプライバシーがを基本に作られているという。この機能はオプションであるため、使用したい場合は登録が必要だ。また、すべての処理がローカルで行われ、自分のビジュアルIDはいつでも削除することができる。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ユーザーがニーズに合わせてAIを訓練、パーソナライズできるAlexaの3つの新機能

Amazon(アマゾン)は、消費者がAlexa体験をさらにパーソナライズできる3つの新機能の展開を準備している。簡単なツールを使ってAlexa(アレクサ) AIのトレーニングを行えるようにするのだ。数カ月後には、家庭内で鳴っているドアベルやインスタントポットのチャイム音などの特定の音を識別するといった仕事を、消費者がAlexaに教えることができるようになる。また、Ring(リング)ユーザーの場合は、閉まっているはずのドアが開いているといった、何かが視覚的に変化したことをAIが気づくことができるようになる。さらに、好きなスポーツチームや好みの天気予報アプリ、食べ物の好みなどを、自分の好みに合わせてAlexaにはっきり指示を出すことができるようになる。

この機能は、アマゾンが最新のEchoデバイスやその他の新しいハードウェアを発表する秋のイベントで、米国時間9月28日紹介された。

この新しい音識別機能は、Alexaがすでに提供しているAlexa Guard(アレクサガード)という機能をベースにしている。この機能は、ガラスが割れる音や、火災や、一酸化炭素の警報音など、特定の音を識別することができるため、外出中の人や耳の不自由な人にとっては、緊急事態が発生しているかもしれないことを知ることができて便利だ。さらにサブスクリプションをアップグレードすると、スマートカメラが家の外の動きを検知したときに、犬の鳴き声を再生することもできる。

このAlexaの音検知機能を、今回アマゾンは、必ずしも緊急事態ではないものへどのように利用できるかを考えている。

画像クレジット:Amazon

新機能によって、消費者は自分にとって重要な特定のタイプの音を聞き分けるようにAlexaを訓練することができるようになる。例えば、鍋のビープ音、オーブンのタイマー、開けっ放しにしておくとビープ音が鳴る冷蔵庫、ガレージのドアが開く音、ドアベルの音、水の流れる音など、繰り返し同じような音が鳴り特定しやすいものがある。

6個から10個のサンプルをAlexaに与えることで、Alexaはこの音が何であるかを「学習」する。これは、アマゾンがAlexaに他の音を学習させるためにかつては数千個のサンプルを必要としたことに比べれば大幅に削減されている。ユーザーは、Echo(エコー)デバイスやAlexaモバイルアプリから直接、Alexaに新しいカスタムサウンドを教えることができる。

ただし、登録やトレーニングのプロセスはクラウド上で行われる。とはいえ、実際の利用時の音の検出はデバイス自体で行われ、登録が終わった後にアマゾンが音声をクラウドに送ることはない。

一度学習させれば、ユーザーはAlexaがその音を聞いたときに、自分で設定した通知やルーティンを起動するように選択することができる。たとえばAlexaがドアベルの通知をFire(ファイア)TV上に表示することで、アクセシビリティの観点や高齢者介護にも役立つ可能性がある。その他にも、たとえばガレージのドアの音がしたら、Alexaが「おかえりなさい手続き」を起動して、照明をつけたり、好きな音楽をかけたりするといった日常生活を支援することができるようになるかもしれない。

アマゾンによると、Custom Sound Event Detection(カスタムサウンド・イベント検知)機能は2022年にはローンチされるという。

同様に、消費者はRingカメラに搭載されたAIを訓練して、カメラの視野上で関心のある領域を特定し、その領域が変化したかどうかを判断することができるようになる。この「変化」は今のところ、2つの状態に区別できるものでなければならない。例えば、物置の扉が開いているか閉じているかといった状態だ。バリエーションの多い、より特殊なものには対応できないかもしれない。

Custom Event Alerts(カスタムイベント通知)と呼ばれるこの機能は、数カ月以内にRing Spotlight Cam Battery(リング・スポットライト・カム・バッテリー)の利用者が使えるようになる。

Alexaの最後の新機能は、食べ物やスポーツ、スキルプロバイダーに関するユーザーの好みを、スマートアシスタントが学習できるようになるというものだ(これらのスキルはAlexaデバイス上で実行されるサードパーティの音声アプリだ)。利用者は「アレクサ、私の好みを覚えて」などということで、Alexaを教え始めることができるようになる。しかし、この学習はもっと繊細な方法でも行うことができる。例えば、Alexaに近くのレストランを尋ねた際に、続けて「アレクサ、私たちの中にはベジタリアンの人がいます」などということで、ステーキハウスを候補から外させることができる。

一方、Alexaがあなたのお気に入りのスポーツチームを学習した後は、スポーツハイライトを質問した際に、あなたのお気に入りのチームのハイライトをAIがより多く盛り込んでくれるようになる。

また、Alexaにどのサードパーティ製スキルを使用したいかを伝えれば、AIアシスタントは以降、自身のネイティブな応答ではなく、そのスキルを使用することをデフォルトとする。

とはいえ、今のところ、対応しているサードパーティスキルは天気予報だけだ。それをアマゾンは時間をかけてより多くのスキルへと拡大したいと考えている。このことは、ユーザーが起動したいスキルを覚えられないことに起因する、スキルの利用率の低さを解消することができるだろう。この機能によって「一度設定したら忘れてしまって良い」式のカスタマイズが可能になる。つまり良いスキルを見つけたら、それをデフォルトに設定することで、あとは自然な言葉で(たとえば「お天気は?」など)話すことができるようになる。

アマゾンによると、この嗜好データは匿名化された顧客IDにのみ関連付けられていて、調整も可能だという。例えばベジタリアンの人が肉も食べるように戻った場合には、次にAlexaにレストランの候補をたずねる際に「アレクサ、私はベジタリアンじゃない」ということができる。このデータは、Amazonサイトでのショッピングのお勧めをカスタマイズするためには使用されないとアマゾンはいう。

この「嗜好ティーチング機能」は、年内に利用できるようになる。

アマゾンはこれらの機能を、アマゾンが「アンビエント・インテリジェンス」(環境知性)と呼ぶものをより多くの人々に提供するという目標に向けた、さらなるステップであるとしている。

AlexaのSVPで主任サイエンティストであるRohit Prasad(ローヒット・プラサド)氏は、アンビエントAIについて「あなたのことを学び、あなたがそれに合わせるのではなく、あなたのニーズに合わせることができるものなのです」と指摘している。

「Alexaは、私にとって単なる音声言語サービスではありません。むしろ、自分の周りの多くのデバイスで利用できるアンビエント・インテリジェンス・サービスであり、環境の状態を理解し、さらには自分に代わって積極的に行動することができるものなのです」と述べている。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

アマゾンが室温調整機器スマートサーモスタットを発表、グーグルより安い約6700円

Amazon(アマゾン)は米国時間9月28日、新しいスマートサーモスタットの発表でハードウェアに関するビッグイベントを開始した。同社はこのデバイス製造でHoneywell(そしてResideo)と協業したが、製品はAmazonブランドを冠している(Ring、Blink、そしてAmazonが所有するその他のスマートホーム企業とは異なる)。スマートサーモスタットは60ドル(約6700円)だが、多くの家庭は参加リベートでかなりの割引を受けられる、と同社は話す。

既存のAmazon / Alexaホームエコシステムを利用することでユーザーがプログラミングを可能な限りしなくてもいいようにする、というのがこのデバイスの概念だ。つまり、Energy Starの省エネ電化製品のラベルが貼られたこのデバイスは、あなたが家を出るときやベッドに向かうときを把握して、「Hunch」機能を使って適切に室温を調整することができる。もしそれ以上にコントロールしたいのなら、ユーザーはコネクテッドAmazonデバイスから直接調整できる。

このスマートサーモスタットは大半の24V HVACシステムで利用できる、とAmazonはいう。Google(グーグル)のNestサーモスタットに挑戦しているようだ。しかし60ドルという価格はNestの提示価格200ドル(約2万2000円)よりもずいぶん安い。もちろん、外観はGoogleの製品には及ばないが、サーモスタット購入を検討している、機能するデバイスが欲しいだけの人は注目するだろう。

大きくてはっきりとした温度の数字、矢印のボタン以外にはほとんど何もなく、Amazonがシンプルさにフォーカスしていることがわかる。その他の部分はコネクテッドEchoデバイスが引き受ける。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アマゾンが壁に取りつけられる15インチEchoを近々発表か

Amazon(アマゾン)は壁に取りつけられる15インチディスプレイのEcho、サウンドバー、新しいEcho Autoテクノロジー、ウェアラブルなど新しいデバイスをたくさん開発している。Bloombergが報じたところによると、そのうちの一部は同社が米国時間9月28日に開催するハードウェアイベントで発表されるようだ。

最も派手な製品は約15インチのディスプレイを備えたAlexa対応のEchoだろう。Hoyaというコードネームのこの製品は、通常のEchoデバイスのように立てて置くだけでなく、ウォールマウントにもできるようだ。スマートホームの中心として照明やカメラ、鍵などのデバイスを制御したり、天気やタイマー、予定、写真などを表示するのに使えるだろう。特にキッチンで使うと便利なように設計されていて、レシピやYouTubeの料理動画を表示できるし、Netflixなどのアプリでストリーミングも楽しめる。

発売が噂されているAmazonブランドのテレビと組み合わせて使う、Harmonyというコードネームの独自のサウンドバーも発表されるかもしれない。他社製のAlexa対応サウンドバーとは異なり、Amazonのサウンドバーは前面カメラを備え、FacebookのPortal TVと同様にテレビからビデオ通話をすることができる模様だ。

そしてEcho Autoの新バージョン(コードネームはMarion)も開発中のようだ。新しいバージョンではおそらくデザインが刷新され、電磁誘導でデバイスを充電できる。Amazonは現在、Ford(フォード)との提携でAlexaを70万台の自動車に搭載しているが、他の自動車メーカーとの提携も目指しているようだ。

開発中のアイテムは他に2022年に登場する新しいEchoスピーカー、キッズやシニア向けのウェアラブルがある(ウェアラブルには転倒検知機能が搭載される)。AIを向上させる専用プロセッサや、Fire TVやEchoなどのデバイスの連携を強化する新しいテクノロジーを開発中であるとも言われている。

Bloombergの記事によると、Amazonは他にちょっと風変わりな製品もいくつか開発しているらしい。Alexaのインターフェイスを使用するVestaというコードネームのホームロボットを手がけているようだ。Alexa搭載のカラオケマイクも開発していたが、このプロジェクトに関わっていたチームはすでに解散したと報じられている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のSteve DentはEngadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Steve Dent、翻訳:Kaori Koyama)

ダイアン・フォン・ファステンバーグデザインのEcho Dotだって?もちろん、いいんじゃない?

2021年初めに、Amazon(アマゾン)はBuild It(ビルドイット)プログラムを開始した。これは、顧客がコンセプトデバイスを予約注文できる、楽しくささやかなプログラムだ。これはIndiegogo(インディゴーゴー)やKickstarter(キックスターター)のようなものと考えると良いだろう。つまりプレオーダーで十分な数の人々が購入予約した場合にのみ、Amazonが実際に製品を作ることになるのだ。もちろんAmazonは、初めてハードウェアを作る平均的なスタートアップ企業よりも、間違った方向に行かないようにする能力ははるかに高いが、私は脱線した話をしたい。

今回のラウンドは、この手のものとしては特に実験的なものではない。Amazonは、ファッション界の巨匠であるダイアン・フォン・ファステンバーグ氏と提携し、人気がある入門レベルスマートスピーカーのために新しいカバーを制作した。この「Echo Dot × Diane von Furstenberg」は、3つのラインナップで展開する。Midnight Kiss(ミッドナイト・キス)、Ikat(イカット)、そしてTwigs(トゥイグス)の3種類だ。これは、付箋紙プリンター、スマート体重計、Alexa(アレクサ)鳩時計などの、初めて目にしたような新製品のエントリーとは異なる。

画像クレジット:Amazon

それぞれの価格は59ドル(約6500円)だ。これは時計付きのEcho Dot(エコー・ドット)の価格と同じで、標準のDot(ドット)よりも10ドル(約1100円)高い。その他の点は、最新のEcho Dotと同じように見える。同社によると、デザイナーが選んだ慈善団体Vital Voices(バイタル・ボイス)に寄付が行われるとのことだが、その金額については明らかにされていない。

関連記事:Amazon Echo Dot with Clockはベットサイドでの音声操作に最適、360度スピーカーでない点に注意

プレオーダーの期間は本日から米国時間8月13日までだ。デザインが注文数目標を達成できなかった場合、顧客には課金されない。Amazonによれば「キャンペーン終了後、目標達成した一部のプリント柄のものは、在庫がある限り正規の価格で販売される可能性があります」とのことだ。

  1. Midnight-Kiss-2

  2. Midnight-Kiss

  3. Ikat-2

  4. Ikat-3

  5. Ikat

  6. Twigs-2

  7. Twigs-3

  8. Twigs

関連記事
アマゾンが予約注文で新しいAlexaデバイスの人気投票を実施、ラインナップにはスマート鳩時計も
アマゾンが車やアプリ、ゲーム向けAlexaアシスタントを企業が独自開発するためのプロダクトを新たに提供

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AmazonAmazon AlexaスマートスピーカーAmazon Echo

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:sako)

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

「自然との共生をテクノロジーでドライブする」というミッションのもと、IoT製品を活用したクリーンエネルギーへのシフトを目指すNature(ネイチャー)は、スマートリモコンシリーズ「Nature Remo」(ネイチャーリモ)の最新機種「Nature Remo mini 2 Premium」(Remo-2B2)を7月7日より発売すると発表。直販サイトでの先行予約の受付を開始した。直販価格は6980円(税込)。

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

「Nature Remo」は2017年から発売されているスマートリモコンのシリーズ。2020年9月のユーザーアンケート調査によると、NPS(顧客推奨度)は30ポイント、2020年10月の同社調べではユーザー満足度95%となっている。

その最新機種Nature Remo mini 2 Premiumは、赤外線リモコン付きの家電全般に対応し、スマートフォンによる操作を可能にする。同機種は温度センサーを備えており、スマートフォンで設置場所の気温がわかるようになっている(上位機種「Nature Remo 3」は温度・湿度・照度・人感センサーを搭載)。また、GPS・曜日・時間・温度による家電の自動制御も可能。「Google Home」「Amazon Echo」「Apple HomePod」といったスマートスピーカーと組み合わせれば、声で家電を操作できるようにもなる。

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

ツヤ消しの黒いボディーは、黒いテレビ台の上に置くユーザーが多いことから、色合わせがしやすいという配慮によるものだが、赤外線を透過する特殊な塗料インクが使用されている。試行錯誤の上に実現したこの塗料により、赤外線の飛距離が従来製品「Nature Remo mini 2」(Remo-2W2)およびNature Remo 3(Remo-1W3)の1.5倍に伸びた。

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

創設者の塩出晴海氏は、2011年に東南アジアの石炭鉱山を訪れてその光景に衝撃を受け、同時に福島の原発事故を知り、分散化したクリーンな電力を普及させたいと思い、この事業を立ち上げる決心をした。2021年3月には、「Natureスマート電気」として電気小売事業に参入。「Nature Remo」と連携させることで、そのときどきの電気料金単価に応じて家電をコントロールするという省エネの取り組みも行っている。

Nature Remo mini 2 Premiumにおいても、Natureスマート電気の利用者は、電気代が高くなる時間帯にエアコンの温度を自動調節するなどの機能が使える。

「今後は次世代の電力インフラの構築により、ホームオートメーションからデジタル電力革命への発展を遂げ、電力の新しい未来を創造してまいります」とNatureは話している。

関連記事
電力小売「Natureスマート電気」と「Nature Remo」連携、電気代が高くなる時間に自動節電する新機能が登場
6980円のスマートリモコン「Nature Remo mini 2」実機レビュー
スマートリモコン「Nature Remo 3」とスマートロック「Qrio Lock」が連携可能に

カテゴリー:IoT
タグ:Apple HomePod(製品・サービス)Amazon Echo(製品・サービス)ガジェット(用語)Google Nest(製品・サービス)スマートリモコン(用語)Nature(企業)Nature Remo日本(国・地域)

6980円のスマートリモコン「Nature Remo mini 2」実機レビュー

Natureの「Nature Remo」(ネイチャーリモ)はスマートリモコンにカテゴライズされる定番ガジェットだ。念のためおさらいしておくと、Wi-Fiと赤外線通信機能が搭載されており、スマートフォンから「Nature Remo」経由で、赤外線リモコンに対応したエアコン、テレビ、照明などの電子機器をコントロールできる。

初代のNature Remoが発売されたのが2017年10月16日。それからソフトウェア、ハードウェアがアップグレードされ、現在では4機種が現行モデルとしてラインナップ。また、Amazon Echo、Google Nest(旧Google Home)、Apple HomePodといったスマートスピーカーとの連携に対応している。

プログラミングの知識がある方なら、Nature Remoシリーズに対応する「Nature Remo API」が公開されている点も興味深いだろう(個人利用は無償で利用可。なおNatureは、FAQにおいてAPIの使用方法や組み込み方などは個別に案内しないとしている点に注意)。

2020年12月24日、シリーズ最新モデルとして「Nature Remote mini 2」が発売された。他モデルと比較しつつ、どのような点が進化したのかレビューしていこう。

Nature「Nature Remo mini 2」。価格は税込6980円

Nature「Nature Remo mini 2」。価格は税込6980円

対応家電、搭載センサーの異なる4モデルを用意

現在シリーズでは、「Nature Remo 3」「Nature Remo mini 2」「Nature Remo 2」「Nature Remo mini」の4製品が現行モデルとして販売されている。

Nature Remo mini 2の進化点は、まずBluetooth Low Energyに対応し、セットアップが簡略化されたこと。ただし、Nature Remo 3のようにスマートロック「Qrio Lock」、めざましカーテン「mornin’ plus」との連携機能は利用できない。

ふたつ目の進化点はNature Remoシリーズのデザイン上のアイデンティティーだったボディー天面の丸いLEDライトを廃し、側面に小さなLEDライトを配置したこと。Natureによれば「寝室でも光を気にせずに使いたい」というユーザーの声に応えた変更とのことだが、側面のLEDは直接覗き込まないと点灯しているのかわからない。詳しくは後述するが、この仕様変更については評価が分かれると思う。

3つ目の変更点はNature Remo miniと比較して、赤外線の飛距離が約2倍に強化されたこと。広い部屋でも確実に家電をコントロールできるようになったわけだ。

Nature Remo mini 2の付属品は、取り扱い説明書とUSBケーブル(1.5m)のみ

Nature Remo mini 2の付属品は、取り扱い説明書とUSBケーブル(1.5m)のみ

本体天面。丸いマークは存在するが、従来モデルのようにLEDライトは天面に内蔵されていない

本体天面。丸いマークは存在するが、従来モデルのようにLEDライトは天面に内蔵されていない

本体底面。上にあるのは壁掛け穴、左下にあるのはリセットボタン

本体底面。上にあるのは壁掛け穴、左下にあるのはリセットボタン

端子はmicroUSB。右にあるのはステータスランプ

端子はmicroUSB。右にあるのはステータスランプ

  1. 6980円のスマートリモコン「Nature Remo mini 2」実機レビュー

SSID選択・パスワード入力を省略したことで、セットアップが快適化

Nature Remo mini 2自体のセットアップの流れは下記の通り。

モデルの選択→USBケーブルを挿す→Bluetooth使用を許可→セットアップの実行→Wi-Fiパスワードの入力→設定完了

従来モデルではセットアップ時にNature Remo自体のSSIDを選択して、パスワードを入力しなければならなかった。一方Nature Remo mini 2では、多くのWi-Fiネットワークの候補から接続先を選ぶ必要がなくなり、パスワードを入力する手間をひとつ省けたのは、ネットワーク機器の設定に慣れていない方にとって大きな進化だ。

「Nature Remo」アプリでアカウントを作成したあとに、「Remoをセットアップする」を実行すると、Bluetoothの使用許可を求められる。ここで「OK」を押せば、Nature Remo mini 2とNature Remo 3はデバイス一覧に自動的に表示される。旧モデルのようにSSIDを選び、パスワードを入力する必要はない

「Nature Remo」アプリでアカウントを作成したあとに、「Remoをセットアップする」を実行すると、Bluetoothの使用許可を求められる。ここで「OK」を押せば、Nature Remo mini 2とNature Remo 3はデバイス一覧に自動的に表示される。旧モデルのようにSSIDを選び、パスワードを入力する必要はない

LEDライトはやはり天面にあってほしい

LEDライトの変更は、個人的には使い勝手が悪くなっていると感じた。従来モデルのLEDライトが明るすぎるという意見があること自体は理解できる。しかしネットワークや、Nature Remoのサービスのトラブルが発生した際にすぐ気づけるように、LEDライトはある程度目立ったほうがいい。

もし寝室で光を気にせず使えるようにするのであれば、正常に動作しているときはLEDライトを減光する、もしくは消灯するなどの設定を用意してもよかったと思う。側面のLEDライトはNature Remo mini 2だけの仕様であってほしいというのが率直な感想だ。

これは初代のNature Remo。部屋を暗くしていると、LEDライトが点灯したときに煩わしく感じることはある

これは初代のNature Remo。部屋を暗くしていると、LEDライトが点灯したときに煩わしく感じることはある

Nature Remo mini 2のLEDライトは小さく、側面に配置されている。なんらかのトラブルが起きているときにすぐ気づけず、ストレスがたまりそうだ

Nature Remo mini 2のLEDライトは小さく、側面に配置されている。なんらかのトラブルが起きているときにすぐ気付けず、ストレスがたまりそうだ

赤外線は壁に反射させても軽く7m(実測)まで到達

Nature Remo mini 2の進化点で個人的に最も気に入ったのが、赤外線の飛距離が約2倍に強化されたこと。Nature Remo mini 2の赤外線の飛距離について、スペック表に具体的な記載はないが、筆者が実際に試したところ壁に反射させても軽く7mは到達していた。反射による減衰がなければ、もっと遠くまで到達しているはず。部屋の中央のテーブルや壁などに設置しておけば、よほどの大豪邸でなければ部屋全体の家電をカバーできるはずだ。

仕事部屋から出ても4m強の距離しか確保できないので……

仕事部屋から出ても4m強の距離しか確保できないので……

壁の反射を利用して7m強の距離をとってリモコン操作してみたが、まったく問題なくディスプレーをオンオフできた

壁の反射を利用して7m強の距離をとってリモコン操作してみたが、まったく問題なくディスプレーをオンオフできた

Bluetoothを搭載しているのにQrio Lock、mornin’ plusと連携できないのは残念

Nature Remo mini 2は赤外線通信を利用するスマートリモコンとしては上位モデルと遜色ない。ただ、湿度・照度・人感センサーを利用する機能はともかく、せっかくBluetoothを搭載しているのにスマートロック「Qrio Lock」、めざましカーテン「mornin’ plus」と連携できないのは残念だ。ハードウェア的に可能であるなら、ぜひともBluetooth機能をNature Remo 3と同等にアップグレードされることを期待したい。

関連記事
Natureが次世代型HEMS「Nature Remo E」の法人向けAPIを有償提供開始
Natureが価格6980円のスマートリモコン「Nature Remo mini 第2世代」発表
スマートリモコン「Nature Remo 3」とスマートロック「Qrio Lock」が連携可能に
Natureが最新スマートリモコンNature Remo 3を発売開始、現行モデル「Nature Remo」を価格改定
家庭内の消費電力量をいつでもスマホで確認できるIoT機器「Nature Remo E lite」が登場、関連APIも公開

カテゴリー:IoT
タグ:Apple HomePod mini(製品・サービス)Amazon Echo(製品・サービス)ガジェット(用語)Google Nest(製品・サービス)スマートリモコン(用語)Nature(企業)Nature Remoレビュー(用語)日本(国・地域)

アマゾンがスーパーボウルCMで人間型アレクサとの暮らしを映像化

アマゾンがスーパーボウルCMで人間型アレクサとの暮らしを映像化

米国では国民的スポーツイベントのスーパーボウルにあわせて、大企業が凝った特別なコマーシャルを放映するのが恒例となっています。

今年のアマゾンが公開したのは、もしデジタルアシスタントのアレクサの「ボディ」がスマートスピーカー Echo ではなく人間型だったら?という妄想をショートフィルム仕立てで映像化した「Alexa’s Body」。まずは映像をどうぞ。

「アレクサ」の新しい筐体?を演じるのは、若手俳優マイケル・B・ジョーダン。映画『クリード チャンプを継ぐ男』ではかつてロッキーのライバルだったアポロの遺児アドニス・クリード役を、映画『ブラックパンサー』ではメインの強敵キルモンガー役を演じました。

Twitterのほうが若干長い90秒バージョン、YouTubeバージョンは60秒。

アマゾンがスーパーボウルCMで人間型アレクサとの暮らしを映像化

お風呂で本を音読してくれるアレクサ。

アマゾンがスーパーボウルCMで人間型アレクサとの暮らしを映像化

明かりを暗くして、と言われればおもむろに服を脱ぎランプにかけて暗くするアレクサ。瞳の周りが青く、Echoのリングライトを再現しているのが芸が細かいところ。

映画俳優型ボディは妄想としても、アマゾンが開発する Echo スマートスピーカーの発想は初代から、マイクアレイと高度な信号処理で部屋中どこにいても声を聴き取ってくれること、ユーザーがPCに向かったりスマホ画面を注視やタップする必要なく、人間に話しかけるように自然な会話で使えること。

アマゾンがスーパーボウルCMで人間型アレクサとの暮らしを映像化

実際、最上位モデルの Echo Show 10 はカメラがAI 画像処理でユーザーの姿を追い、首振り追従してどこにいても画面を正面に見せ、ビデオ通話ではカメラの中心に捉えズームまでしてくれます。

人間型はそれはそれで問題がありそうですが、部屋ごとに置かなくても追従してくれる、置き忘れたらついてきてくれるデジタルアシスタントは意外と理想の姿かもしれません。

Engadget日本版より転載)

関連記事
アマゾンが車やアプリ、ゲーム向けAlexaアシスタントを企業が独自開発するためのプロダクトを新たに提供
ケンウッドがAmazon Alexa搭載完全ワイヤレスイヤフォンを1月中旬発売、Googleアシスタント版は2月上旬
2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコスパに優れた選択肢
Alexaオーナーが高齢家族の様子をモニタリングできる「Care Hub」機能登場
Amazon Alexaが会話上手に、複数ユーザーとの同時会話や質問のパーソナライズを実現
アマゾンがEchoをリニューアルして球形に、Echo Show 10は画面が自動追従、Alexaも改良
2019年のスマートスピーカー出荷量は70%アップの1億4690万台で新記録
米国のスマートスピーカー利用者の約7割がAmazon Echoを使っている
Alexaは失望を表現するようになる
8インチ画面のEcho Showが約1万4000円で登場

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Amazon / アマゾン(企業)Amazon Alexa(製品・サービス)Amazon Echo(製品・サービス)音声アシスタント / Voice Assistant(用語)コマース

2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコスパに優れた選択肢

Amazonは10月22日、スマートスピーカーの第4世代モデル「New Echo」(第4世代Echo)を発売した。価格は税込1万1980円。現在Echoシリーズには多くのラインナップが用意されているが、価格的にも、サイズ的にもNew Echoは主力製品といえるだろう。

Amazon「New Echo」(第4世代)。税込1万1980円

Amazon「New Echo」(第4世代)。税込1万1980円

「ラジカセ」世代の筆者だが、最近は基本的にサブスクリプションの音楽配信サービスを利用しており、オーディオコンポではなくスマートスピーカーで音楽を聴いている。Echoシリーズも複数機種を利用中なので、他モデルとも比較しつつレビューしていこう。

球体デザインに変更してDolbyステレオサウンドに対応

New Echoのサイズは144×144×133mm、重量は940g。第3世代までは円筒形だったが、底面を少し切り落としたような球体デザインに変更された。

上部には3.0インチのウーファー、前面やや左右の位置には0.8インチのツイーターがふたつ内蔵されており、Dolbyステレオサウンドに対応している。

本体前面。本体カラーは、グレーシャーホワイト、チャコール、トワイライトブルーの3色が用意されている

本体前面。本体カラーは、グレーシャーホワイト、チャコール、トワイライトブルーの3色が用意されている

上部の本体奥にアクションボタン、手前にマイクオフボタン、左右にボリュームボタンが配置

上部の本体奥にアクションボタン、手前にマイクオフボタン、左右にボリュームボタンが配置

本体背面下部には電源端子と3.5mmオーディオ入出力端子を用意。3.5mmオーディオ入出力端子の入出力は「Alexa」アプリから切り替える

本体背面下部には電源端子と3.5mmオーディオ入出力端子を用意。3.5mmオーディオ入出力端子の入出力は「Alexa」アプリから切り替える

同梱品は本体、電源アダプタ(30W)、クイックスタートガイドのみ

同梱品は本体、電源アダプタ(30W)、クイックスタートガイドのみ

電源アダプター(30W)の仕様は、入力100-240V~1.0A、出力18.0V/1.67A。電源ケーブルの長さは実測150cm。設置の自由度を考えると200cmはほしいところだ

電源アダプター(30W)の仕様は、入力100-240V~1.0A、出力18.0V/1.67A。電源ケーブルの長さは実測150cm。設置の自由度を考えると200cmはほしいところだ

第3世代Echoは、3.0インチのウーファーと0.8インチのツイーターを内蔵した360度全方向スピーカー(※製品公式サイトから引用)

第3世代Echoは、3.0インチのウーファーと0.8インチのツイーターを内蔵した360度全方向スピーカー(※製品公式サイトから引用)

New Echoは「マグネットビューア」で黒く模様が浮かび上がっている部分に、0.8インチのツイーターが2基内蔵されている

New Echoは「マグネットビューア」で黒く模様が浮かび上がっている部分に、0.8インチのツイーターが2基内蔵されている

底面にはネジ穴(M4)、背面には3.5mmオーディオ入出力端子が用意され、温度センサーを内蔵している点は第3世代と同様。天井やポールなどに取り付けたり、CD/レコード/カセットプレーヤーなどを接続してスピーカーとして利用したりできる以外にも、温度に合わせた定型アクションを設定できる。

またスマートフォンなどからBluetooth経由で接続してNew Echoから音楽を流したり、逆にNew EchoからBluetooth対応スピーカーに接続して音楽を鳴らすことも可能だ。

本体底面中央にはネジ穴(M4)が用意

本体底面中央にはネジ穴(M4)が用意

スチールラックに三脚用アクセサリーを使ってNew Echoを取り付けてみた。音が高い位置から聞こえてくると、商業施設にいるような新鮮な感覚だ。「ダクトレール」(ライティングレール)などがあればもっとスマートに取り付けられる

スチールラックに三脚用アクセサリーを使ってNew Echoを取り付けてみた。音が高い位置から聞こえてくると、商業施設にいるような新鮮な感覚だ。「ダクトレール」(ライティングレール)などがあればもっとスマートに取り付けられる

CDプレーヤーなどを直結してNew Echoから再生可能。オーディオケーブルの準備などの手間はかかるが、ノスタルジックな気分を味わえる

CDプレーヤーなどを直結してNew Echoから再生可能。オーディオケーブルの準備などの手間はかかるが、ノスタルジックな気分を味わえる

New Echoの大きな進化点としては、Amazonが開発した、機械学習の高速化に向けた新型シリコンモジュール「第1世代AZ1ニューラル・エッジ・プロセッサ」を採用している点が挙げられる。Amazonの推論エンジンがこのプロセッサー上で動作し音声認識機能の高速化が図られているが、現時点で対応しているのは米国のみ。日本での早期対応を楽しみに待ちたい。

また、第3世代Echoには搭載されていなかったZigbee対応スマートホームハブ機能も内蔵。第1世代/第2世代「Echo Plus」や「Echo Studio」などと同様に、「アレクサ、デバイスを探して」と話しかけるだけで、Zigbee対応デバイスを簡単に接続できる。

音質はハイレベルだがステレオ感は弱い

New Echoの音質は高いレベルだ。Echo Dotより大きいとはいっても、それでも144×144×133mmと15cmにも満たない直径なのに、高音、中音、低音がバランスよく再生される。また音の解像感も高く、ひとつひとつの音がしっかりと分離して聞き取れる。

残念なのがステレオ感の弱さ。Dolbyステレオサウンドに対応しているのが今回の売りだが、結構近くで、真正面に座らないとステレオ感は感じられない。そして、イヤフォン、ヘッドフォンで音楽を聴き慣れていると、New Echoのベストポジションに座ったとしてもステレオ感に満足できないと思う。明確なステレオ感を味わいたいのであれば、2台購入してステレオスピーカーとして運用することを強くお勧めする。

「デバイス→「+」→オーディオシステムをセットアップ→ステレオペア」と進むと、2台のEchoをステレオスピーカーとして利用できる

「デバイス→「+」→オーディオシステムをセットアップ→ステレオペア」と進むと、2台のEchoをステレオスピーカーとして利用できる

1台のEcho Studioよりも2台のNew Echoのほうがトータルバランスはいい

Amazonは多くのEchoデバイスをラインナップしているが、2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコストパフォーマンスに優れた選択肢だと思う。もちろん最上位のEcho Studioを2台でステレオスピーカー化するという組み合わせも存在するが、1台のEcho Studioの費用で2台のNew Echoを購入できるのだ。

音に対する要求は人によって異なる。しかし、1台のEcho Studioよりも、2台のNew Echoのほうが、オーディオシステムとしてのトータルバランスがいいというのが、両方を試した筆者の率直な感想だ。

音質自体はもちろんEcho Studioのほうが上だが、ステレオ感を重視するなら2台のNew Echoのサウンドを好ましく思う方も多いはずだ

音質自体はもちろんEcho Studioのほうが上だが、ステレオ感を重視するなら2台のNew Echoのサウンドを好ましく思う方も多いはずだ

関連記事
Alexaオーナーが高齢家族の様子をモニタリングできる「Care Hub」機能登場
アップルが約1万円のHomePod miniを発表
グーグルがスマートスピーカー「Google Nest Audio」発表、10月15日に日本発売
丸くなった新Amazon Echoが登場、アマゾンのホームネットワーキングシステムの新ハブに
2019年のスマートスピーカー出荷量は70%アップの1億4690万台で新記録
2021年のスマートスピーカー市場は21%成長の予想、安価なHomePod miniがアップルの市場拡大に貢献か
米国のスマートスピーカー利用者の約7割がAmazon Echoを使っている

カテゴリー: ハードウェア
タグ: Amazon / アマゾン(企業)Amazon Alexa(製品・サービス)Amazon Echo(製品・サービス)スマートスピーカー(用語)ガジェット(用語)レビュー(用語)

AmazonがEchoをリニューアルして球形に、Echo Show 10は画面が自動スイベル、Alexaも改良

Amazonは今日(9月24日)のハードウェアイベントで、多数のプロダクトを発表した。スマートスピーカーのEchoシリーズも新モデルが登場した。まずデザインが一新された。特徴的な円柱形は廃止され、市場で類を見ない球形になった。ライトは下部に配置されたが、丸いボタンは依然トップにある。

搭載されるAlexaソフトウェアもアップデートされた。 Alexaは音声コマンドが理解できない場合尋ね返し、次回からその内容を利用する。つまりユーザーごとの高度なカスタマイズが可能になった。例えばAlexaに室温を「いつものようにセットして」と命ずると、Alexaは「それはどういう設定ですか?」などと尋ねる。Alexaが「会話モード」を備えたのはブレークスルーだ。今日のデモでは、AmazonはユーザーがAlexaにピザを注文するところ見せた。人間が「あまりお腹が空いていないので小さなピザでいい」と言うと、Alexaはその意味を理解して自動的に注文を代行する。開発チームはこれを「自然な会話分析」と呼んでいる。

Echo Studio、Auto, Linkその他ウェアラブルに関してAmazon は市場に投入される時期を明らかにしていない。

第4世代Echoの価格は99ドル(日本では10,980円)で従来のEchoとEcho Plusの機能が統合されている。中・低音のスピーカーは上部にあり、2個のツィーターが下部にある。 従来のEcoh Plusと同様、ZigBeeハブとSidewalk Bridgeネットワークを介してAmazonのスマートホームデバイスに接続できる。

Echo Dotはさらにボール状に丸くなった。フルサイズのEchoの半分のサイズで価格は49ドル(5,980円)、時計つきバージョンが59ドル(6,890円)となっている。 従来のEchohも引き続き販売される。

従来のEcho Dotと同様、新バージョンでも子供向けのEcho Dot Kidsがサポートされる(日本では未確認)。今回のモデルは動物など楽しい柄がプリントされ価格は59.99ドルだ。Alexeは子供向けに設定されている。

Echo Show 10は249ドル(日本では29,980円)で、10インチの高精細度ディスプレイ、1300万画素のカメラ、2.1スピーカーシステムが搭載される。目玉機能はなんといっても「ディスプレイがユーザーを追いかける」ことだろう。カメラとAmazon独自のCPU周囲を観察して理解し、人物がいる方向にディスプレイを向ける(Facebook Portalに似ている)。現在のバージョンと同様、SkypeやZoomはじめとして多数のビデオコミュニケーションサービスをサポートする。

(Japan編集部追記)Amazonの日本サイトのEchoページで新モデルの価格、機能が詳しく紹介されている。登録しておくと予約開始時にメールで通知を受けられる。

画像:Amazon

Amazon Hardware Event

原文へ

滑川海彦@Facebook

丸くなった新Amazon Echoが登場、アマゾンのホームネットワーキングシステムの新ハブに

米国時間9月24日、Amazon(アマゾン)はシアトルで開催したバーチャルハードウェアイベントを、最新の丸いEcho(エコー)の紹介から始めた。

最も大きい変更は外見のようだ。スマートスピーカーは大きくて布張りのボールのようになった。これは音という面からは素晴らしい改善で、全方向からより豊かなサウンドを送り出す優れた仕事をしてくれる。丸形の形状はアマゾンがスピーカー製品全般に展開しているデザインで、似たような形状のDotでもそれは同じだ。

同社によれば、この新しいスマートスピーカーは、置かれた部屋のサイズとレイアウト合わせて自動調整するという。また近距離無線通信規格のZigbee(ジグビー)とBluetooth Low Energy(BLE)を内蔵することでスマートホームハブとして機能し、基本的にEcho Plusの必要性をなくしてしまう。さらに、Amazon Sidewalk(Amazonが提唱する低電力中距離の通信規格)も組み込まれた。このことによって、スピーカーはアマゾンの新しいホームネットワーキングシステムを使うことができる。

デバイスが動作していることを知らせる青色のライトリングは、デバイスの下部に移動したが、これはスピーカー全体のデザインを損なわないための現実的な選択のように思える。当初新しいスピーカーには、チャコール、グレイシャー・ホワイト、トワイライト・ブルーの3色が用意される。その淡い色合いは、Google(グーグル)のNest、Homeが提供するものと似通っている。価格は99.99ドル(約1万500円)だ。

Amazon Hardware Event

画像クレジット:Amazon

[原文へ]

(翻訳:sako)

アマゾンの新しいEcho Show 10は利用者の動きをカメラで追跡する

これはクレイジーだ。Amazon(アマゾン)の新しいスマートスクリーンであるEcho Show 10は、土台上で回転して部屋の周りをフォローしてくれる。内蔵カメラは、人を認識・フォローするために周りに回転することがだ。本質的にFacebookのPortalとGoogleのNest Hub Maxに見られる人の追跡機能のもっと不気味に進化させたものだ。

同社はプライバシーの観点から、このデバイスは人を個別に識別するものではなく、人の一般的な形状を認識して常にディスプレイを利用者に向けておく目的だと強調している。ただし、室内に複数がいた場合にどのように動作するかはわからないが、実際にどうなるか楽しみでもある。一方で率直に言って、これが最終的にどの程度有用な機能なのか、そしてそれ以上のレベルの追跡を行う価値があるのかどうか疑問に思っている。

Echo Show 10はその名前が示すように、10インチのHDタッチディスプレイを搭載し、1300万画素のカメラと2.1chのオーディオシステムを内蔵する。新しいEchoと同様にZigbee(ジグビー、近距離無線通信規格)を内蔵しているので、デバイスはまた、スマートホームのハブとして機能する。

同社はここ数カ月、このプロダクトラインにサードパーティーのソフトウェア機能を追加してきており、そのリストには、Zoom、Skype、そしてもちろんNetflixも含まれている。これらはすべて在宅勤務時代の大きな勝利だが、Google(グーグル)がYouTubeのサポートをEchoから外したことでNetflixは特に大きな打撃を受けた。

Echo Show 10の価格は250ドル(約2万6400円)で、スマートスクリーンとしてはかなり高価だ。私が思うに、あなたがここで支払っているものの多くは、あなたが移動するときにあなたを追跡するための高価なメカニズムだ。多くの人にとって、その機能はおそらくプレミアムな価値がないだろう。

Amazon Hardware Event

画像クレジット:Amazon

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾンのEcho Lookは役目を終えて2020年7月には機能停止

2017年の半ばに導入されたEcho Lookは、Echoシリーズの中でも印象の薄いものであり、はっきりいえば奇妙な感じのものだった。オーナー自身のビデオとセルフィーを撮影する小さなカメラを内蔵し、機械学習を利用して服装を選ぶアドバイスをするように設計されていた。

この製品がブームにならなかったのも、実際驚くには値しない。そして発売から3年が経過した今、使命を終えることになった。Voicebot.aiが最初に指摘したことだが、Amazon(アマゾン)は顧客への書簡で、Lookが製造中止になったこと、そしてそのためのサービスはこの2020年7月に完全に終了することを通知した。

アマゾンも正式に公表したように、この3年は機械学習アルゴリズムをトレーニングするための実験と訓練だったのだろう。同社はTechCrunchに対し、以下のように述べている。

3年前にEcho Lookを導入したときの目標は、Alexaをトレーニングして、スタイルアシスタントにすることでした。AIと機械学習をファッションに適用する、まったく新しい手法です。実際にお客様の助けを借りてサービスを進化させ、Alexaが服装についてアドバイスしたり、スタイルを提案をできるようになったのです。そこで、このStyle by Alexaの機能をAmazonショッピングアプリとAlexa対応デバイスに移植し、さらに便利なものにして、より多くのアマゾンのお客様が利用できるようにしてきました。そうした理由で、Echo Lookを収束させるときが来たと判断したのです。2020年7月24日以降は、Echo Lookと、そのアプリがいずれも機能しなくなります。Amazonショッピングアプリや、Alexa対応デバイスをご利用のお客様は、引き続きAlexaからのスタイルアドバイスをお楽しみいただけます。私たちは、Alexaを通して、お客様のスタイルに関するニーズをサポートし続けることを楽しみにしています。

やはり思った通りだ。とはいえ、この製品に実際に200ドル(約2万1600円)を払った人にとっては、まったくがっかりだろう。このLookは、そもそも見た目からして、それほど世間の注目を集めるようなものには思えなかった。現在、米国アマゾンのEcho関連製品リストの中では、51番目のベストセラーと位置づけられている。もしかすると、この記事を読んで、初めてEcho Lookの存在を知ったという人も少なくないのではないかと思う。何度も言うようだが、Echoシリーズの中でもニッチな存在にならざるを得ない製品にとって、こうした運命が待ち受けていたことに、何の驚きもない。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)