2019年のスマートスピーカー出荷量は70%アップの1億4690万台で新記録

2019年の世界のスマートスピーカー市場は対前年比70%拡大し、1億4690万台の出荷だったとStrategy Analyticsが発表した。アメリカでは依然Amazonが大きくリードしているものの、世界では中国メーカーの進出が目立った。

もちろん世界市場でもトップはAmazon Echoであり、2019年のシェアは26.2%だった。ただしこれは2018年の33.7%というシェアからはダウンしている。Amazonがダウンした分をGoogleが奪ったというわけではなく、Googleも2018年の25.9%というシェアを2019年には20.3%に落としていた。

このようなトレンドはあるものの、AmazonとGoogleが北米、ヨーロッパ市場のリーダーである状況は変わっておらず、合計シェアは4分の3を超えている。

3位から5位は中国のBaidu、Alibaba、Xiaomiで、それぞれシェアを拡大している。Appleは 4.7%という低いシェアで引き続き6位にとどまった。

統計数値を眺めるとやはり第4四半期の成績が良かったが、これはクリスマス商戦でメーカーが入門機の価格を大きく引き下げたためだ。首位のAmazonは1580万台、2位のGoogleが1390万台を出荷している。中国のBaiduが590万台で3位だった。

第4四半期におけるスマートスピーカーの出荷は合計5570万台と過去最高を記録した。この好調さはアメリカとヨーロッパのクリスマス商戦が追い風となっている。またレポートによれば、Googleは新製品の投入、部品供給が軌道に乘ったこと、マーケティングの成功などによりスマートスピーカービジネスが大きく改善されたという。

Strategy Analyticsのディレクター、David Watkins(デビッド・ワトキンス)氏はレポートを発表した際の声明で「スマートスピーカーに対する消費者の需要は2019年第4四半期でもまったく減少を見せず、クリスマス商戦に新たに投入された新機種も好調だった。新機能が追加され、音質も改善されたことと合わせ、出荷は新記録を達成した。世界中の消費者はGoogle、Amazon、Baidu、Alibabaなどの主要ブランドが競って提供した『お得なセールス』に魅了された。中でもGoogleはYouTubeやSpotifyなどのサービスと提携してデバイスを無料配布するという大胆なプロモーションを展開した」と述べている。

現在、新型コロナウィルス感染症が需要、供給の双方に陰を落としているものの、Strategy Analyticsは2020年も通年でスマートスピーカーが記録を更新するだろうとみている。

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滑川海彦@Facebook

米国のスマートスピーカー利用者の約7割がAmazon Echoを使っている

アナリスト会社eMarketer(イーマーケター)が2月11日に発表によると、米国のスマートスピーカー市場は、Amazon Echoのシェアに対してライバルのGoogleとAppleは伸び悩み、2020年、2021年もAmazonが独占的な地位を維持するという。eMarketerは、Amazonは2021年末までそのトップの座を悠々と維持し、米国のスマートスピーカー・ユーザー全体の70%近い人たちが、今後もAmazon Echoを使い続けると予測している。

正確にいえば、米国のスマートスピーカー・ユーザーの69.7%が2020年を通してEchoを利用するということとなる。2019年の72.9%からわずかに減少した。2021年にはさらに微減し、その時点で米国のスマートスピーカー・ユーザーの68.2%がEchoを使っていると予測される。一方、2020年には、スマートスピーカー・ユーザーの31.7%はGoogleブランドの機器を使い、他のブランドの製品、例えばApple HomePod、Sonos One、Harman Kardonなどを使う人はわずか18.4%に留まる(合計が100%を超えるのは、別ブランドの製品を同時に所有している人も含まれるからだと報告書は説明している)。

ブランド別2017年から2021年の米国のスマートスピーカー・ユーザー数(ユーザーの割合)
赤:Amazon、黒:Google、グレー:その他
1カ月にスマートスピーカーを少なくとも1回利用したすべての年齢層の個人を対象とする。別ブランドの製品を同時に所有している場合を含む
eMarketer 2019年12月

この数字は、米国のスマートスピーカー市場で大きなシェアを狙うApple HomePodやGoogle Home、その他の製品の目前に立ちはだかる高い壁を表している。

つまり消費者は一度、機器を購入すると、次に買うときに別ブランドへの乗り換えを滅多にしないということだ。最初に買った製品は、その企業(例えばAmazon)が、スマートスピーカーの便利さを証明する足がかりとなる。ユーザーが、寝室やキッチンにもスマートスピーカーを増設したいと考えたとき、通常は、家中で整合がとれるよう同じブランドの製品を買う。

必ずとは言えないが、そうすることのほうが多い。

Amazonはこのユーザー傾向を鋭く見抜き、エントリーレベルの製品を無料に近い価格で提供した。それがEcho Dotだ。このローエンドの製品は、小売りサイトでは29.99ドル(約3300円)で販売され、さらに値引きされていることもある。Amazonのプライムデーでは、Alexa製品はさらに安く販売される。そのおかげでここ数年、Echo Dotはプライムデーのベストセラーになっている

その一方で、Amazon Echoが米国以外では同等の躍進を遂げていないこともあると報告書は述べている。

Google Homeなどの強力なライバルに比べて英語以外の言語への対応が弱いEchoは、一部の市場では競争力が低下する。

とはいえ、スマートスピーカーの普及にとって米国は依然として重要な市場であるため、米国でのAmazonの力をあなどってはいけない。

「Amazonが初めてEchoを発売したとき、米国で確実な主導権を握りました。それ以来、迫る競合他社を突き放し続けてきています」と、eMarketerの主任アナリストのVictoria Petrock(ビクトリア・ペトロック)氏は話す。「当初私たちは、GoogleとAppleがこの市場にもっと食い込んでくるだろうと予測していました。しかし、Amazonの積極性は衰えませんでした。安価な製品を提供し、大量のAlexaスキルを作り、AmazonはEchoの魅力を維持してきたのです」と彼女は言い足した。

米国のスマートスピーカー・ユーザーの数は、今後数年間は増え続けるが、その伸び率は下がるとeMarketerは予想している。現在は28.9%のインターネットユーザーがスマートスピーカーを利用しているが、2021年には、その数は30.5%に達すると見られる。

2020年に米国のスマートスピーカーのユーザー数は13.7%伸びて8310万人に達する。しかし、2021年には伸び率は一桁に落ちるとeMarketerは予測している。

しかしこれは、残りのインターネットユーザーが音声アシスタントを使わないことを意味するものではない。スマートスピーカーは、音声でテクノロジーを利用するための手段のひとつに過ぎない。いずれ人々は、自動車や家電製品や他のスマートホーム機器など、他のデバイスに組み込まれた音声アシスタントも使うようになる。それに、GoogleもAppleもスマートフォンで音声アシスタントを提供していることを忘れずにおくべきだ。GoogleアシスタントとSiriを使っている人の数はEchoの比ではない。

Siri対応デバイスは5億台ほど普及している。Googleアシスタントのユーザーも5億人いる。つまり今日、音声アシスタントを使っている人は、Alexaよりも、iOSやAndroidのスマートフォンに話しかけている人のほうが多い可能性があるとも言うことができる。裏を返せば、音声アシスタントでライバルに大きく差をつけられた中で、AmazonがEchoスピーカーの市場を切り拓いたことは大変な偉業だ。

Amazonがスマートスピーカー市場で70%のシェアを獲得したことを伝えたのは、eMarketerが初めてではない。2019年のCIRP(国際生産工学アカデミー)の報告書にも同様の内容が書かれていた。

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(翻訳:金井哲夫)

ハッキングコンテスト優勝者はAmazon Echo Showを攻撃して650万円超の褒賞金を獲得

今年のPwn2Ownハッキングコンテストでは、これまですでに高度なハッキングテクニックをいくつも開拓してきた二人のセキュリティ研究家が優勝した。それらの中には、Amazon Echoに対する攻撃もある。

Amat Cama(アマト・カマ)氏とRichard Zhu(リチャード・チュー)氏の2人から成るTeam Fluoroacetateは、Alexa対応のスマートディスプレーであるAmazon Echo Show 5の最新機種に対する整数オーバフロー攻撃で、6万ドル(約650万円)のバグ褒賞金を獲得した。

Pwn2Ownコンテストを主催したTrend MicroのZero Day InitiativeのディレクターであるBrian Gorenc(ブライアン・ゴレンク)氏によると「彼らは、そのデバイスがGoogleのオープンソースブラウザーであるChromiumの古いバージョンを使っていることを見つけた。それは、開発のある時点でフォークされたコードだった。しかしそのバグにより、悪質なWi-Fiホットスポットに接続するとデバイスを完全にコントロールすることができた」と語っている。

研究者たちは彼らのエクスプロイト(コンピュータやスマートフォンのOSの脆弱性を悪用して攻撃を仕掛けるプログラム)を、外部の妨害を防ぐために高周波遮断容器の中でテストした。「コンテストの間に侵害されたIoTデバイスの多くに、このパッチのバグがあった」と。ゴレンク氏。

Amat Cama(左)とRichard Zhu(右)の2人がTeam Fluoroacetate(画像提供: ZDI)

整数オーバーフローバグは、整数演算が数を作ろうとしたとき十分な大きさのメモリーがないと起きる。その数は、割り当てられたメモリーの外へオーバーフローする。そして、デバイスのセキュリティが壊される。

問い合わせに対してAmazonは「この研究を調査中であり、調査の結果に基づいて、弊社のデバイスを保護するための適切な処置を取る」と言った。それがどんな処置でいつ行われるのかについては、無言だった。

コンテストには、Echo以外にもインターネットに接続されるデバイスがいろいろ登場した。この前コンテストの主催者は、Facebook Portalをハックする機会があるだろうと述べた。それは、そのソーシャルメディア大手が提供するビデオ通話が可能なスマートディスプレイだ。しかし今回、Portalを攻撃したハッカーはいなかった。

関連記事:Security flaws in a popular smart home hub let hackers unlock front doors(人気のスマートホームハブはハッカーがドアの鍵を開けられる、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

低価格のAmazon Echo StudioがアップルのHomePodを追撃

思い起こせばAmazon(アマゾン)は、2014年の年末にオリジナルのEchoを引っさげて、スマートスピーカー市場に参入した。同社の多くのハードウェア製品と同様、かなり実利的なデバイスだった。この初代のEchoは「賢い」ことに重点が置かれ、「スピーカー」としての性能はないがしろにされていた。

Echoシリーズとしては、徐々に音質も改善されてきたが、Apple(アップル)のHomePodや、Google(グーグル)のHome Maxが登場したことで、Echoのラインアップに本当に高品質のスピーカーがないことが露呈してしまった。アマゾンでは、EchoシリーズにLink、Amp、Sub、Inputといった製品を追加することで、Alexaを既存のホームステレオに統合する戦略にも出た。しかし、このStudioが発表されるまで、アップルのHomePodに対する本当の答えは示されていなかった。

Echo Studioは、あらゆる点で、アマゾンがHomePodを意識して作ったもの。良い点も悪い点も、その他すべての特徴が必然的に含まれる。確かに、これはアマゾンが今までに発売した中で最も高級なEchoスピーカーだが、Studioはいわゆる高級スピーカーというものとはちょっと違っている。製造品質や素材の質感は、アップルのHomePodには及ばない。しかし、価格の差が100ドル(約1万900円)もあることを考えれば、納得できる範囲のものだろう。

アマゾンが、この製品をHomePodよりも低価格で提供したのは、間違いなく正しい動きと言える。さすがに、300ドル(約3万2600円)もするスピーカーは、アマゾンでも売るのがかなり難しい。しかしちょうど200ドルを切るような(日本では2万4800円)価格は、Echo Studioにとって適切な値付けだと考えられる。しかもアマゾンが、頻繁にハードウェアを割引販売することを考えればなおさらだ。

ぱっと見、StudioはHomePodにちょっと似ている。サイズもほぼ同じ。標準のEchoよりもかなり大きくはなっているものの、たいていの机や棚に無理なく収まらないほど大きくはない。上部には、特徴的な大きなライトリングがあり、それに沿ってマイクのオン/オフ(オフでリングが赤く光る)、音量を上げる/下げる、Alexaを起動するアクションボタンという4つの物理的なボタンが配置されている。

Googleのデバイスを使っていると、曲の再生や一時停止を、押して操作するのが自然に感じられることを実感させられる。ほかのEchoシリーズのデバイスでもそうだが、そのような操作はできない。

上から、全体のほぼ3分の2ほど下がった部分には、大きな切り欠きがあり本体を貫通している。これは低音用の開口部で、下向きに取り付けられたウーファの効果を最大限に引き出すもの。その狙いどおりの効果を発揮している。低音の不足はまったく感じられない。私の好みで言えば強すぎるくらいだ。ロックをかけると音が濁る傾向がある。

Echo Budsと同様、アマゾンのアプリを使ってイコライザーのレベルを変更できるので、思いどおりに調整できる。Studioにも、音質のキャリブレーション機能が組み込まれている。競合する他社のシステムと同様、周囲の音を聴き取って自動調整するもの。音質を最適化するには、少なくとも壁から6インチ(約15cm)離して設置するようAmazonは勧めている。私もリビングルーム内で、何カ所かの場所に置いて試してみた。音質はなかなかいいが、他社の高級スマートスピーカーにはちょっと及ばないと感じた。

Studioの音質は、例えばBill Evans(ビル・エヴァンス)のジャズピアノのような、シンプルなサウンドの再生に適している。一方、The Hold Steadyのようなロックや、Run the Jewelsのようなヒップホップを再生すると、明瞭さが若干損なわれる感じだ。とはいえ、アパートの部屋など、狭めの部屋で使う分には音量的にも申しぶんなく十二分に機能する。ホームシアター用のオプションを追加すれば、Fire TVのユーザーにとって効果的なアップグレードとなるはずだ。

Studioは疑いの余地なく、これまでで最も優れた最も豊かな音質を実現したEchoだ。音質に限って言えば、アップルHomePodや、Sonos(ソノス)のMove、あるいはグーグルのHome Maxより優れているということはできないが、199ドル(日本では2万4800円)という価格設定は、アマゾンが考える、より低予算のスマートホームへのアプローチにも適合するものだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

世界のスマートスピーカー市場でグーグルはバイドゥに抜かれて3位に後退

Canalysの最新の調査報告書によると、世界のスマートスピーカーの市場は今年の第2四半期に55.4%成長し、2610万台が出荷された。トップは変わらずAmazon(アマゾン)で、この四半期に660万台を出荷した。しかしGoogle(グーグル)は、中国のBaidu(バイドゥ)に抜かれて3位に後退した。BaiduのQ2の成長率は3700%と大きく、450万台を出荷してGoogleの430万台を抜いた。

中国の市場は全体として倍増し、同四半期に1260万台が出荷され、アメリカの合計610万台の2倍になった。米国市場は全体として前四半期よりも2.4%とわずかに減少した。

Baiduの同四半期の成長は、積極的なマーケティングと売出しキャンペーンに依るところが大きい。中でもとくにスマートディスプレイの人気が高く、全売上の45%を占めた。

CanalysのリサーチアナリストCynthia Chen(シンシア・チェン)氏はこう述べている。「ローカルネットワークのオペレーターたちが最近この種のデバイスに強い関心を持つようになっている。スマートディスプレイで競合他社の少ないBaiduにとってこのことが大きく幸いし、オペレーターたちの市場をほぼ独占した」。

一方、GoogleはQ2にNestのブランド変更をしたことがマイナス要因になった、とCanalysは言っている。

Googleが消費者の関心を再燃させるためにはスマートスピーカー製品群の刷新が必要、とこの調査報告書は示唆している。そういえばGoogle Homeデバイスはローンチ以来一度もアップデートされず、2016年当時の空気清浄機のようなスタイルに今でも満足している。そしてGoogle Home miniは、色が変わったことが話題になった程度だ。

むしろGoogleの最近の関心は、デバイスのメーカーによるGoogle Assistantの技術の統合より容易にすることに向けられ、またスマートディスプレイへのフォーカスが増していた。

対してAmazonはEcho系列のスピーカーをこれまで何度もアップデートし、Alexa対応デバイスをEcho SpotやEcho Showなど画面のあるデバイスにも拡張し、また従来からの声だけの製品もEcho Plus、Echo Dot、Echo Autoなどと多様化してきた。時計や電子レンジにもEchoが載った。まるでそれは、音声コンピューティングの公開実験みたいだ。

それでもAmazonとGoogleはどちらも、Q2には焦点を米国以外の市場に移してきた、と報告書は言っている。たしかに、Amazonのスマートスピーカーの出荷は50%がアメリカ以外であり、それは前年同期に比べて32%増えている。Googleはアメリカ以外への出荷が全体の55%で、前年同期比42%の増だ。

table ifnal final

3位までを占めるAmazonとBaiduとGoogle以外でトップ5に残るのは、Alibabaの410万台とXiaomiの280万台だ。そしてApple(アップル)のHomePodを含むその他大勢は計370万台だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AmazonがAlexaのスキルを作れるデベロッパーの資格証明制度を立ち上げ、企業ニーズに応える

Amazon EchoなどのAlexaデバイスを作っているデベロッパーに、自分の能力を証明する新しい資格証明制度として、AWS Certified Alexa Skill Builder – Specialtyというものが立ち上げられた。Amazonによると、同社がAlexaデベロッパーのための資格証明を提供するのは、これが初めてである。

資格証明はテクノロジー業界ではよくあり、AmazonのAWSもすでに教育訓練事業とともに独自の資格証明を提供して、企業がAWSの知識とクラウドの専門的技能を持った技術者を確実に雇用できるようにしている。

今回のAlexa技術の資格証明はAWSの資格認証事業の一環となり、その人がAlexaの音声アプリ開発のすべての側面を正しく理解していることを確認する。

検証されるのはアプリケーションの開発や試験の仕方、スキルの検査とトラブルシューティング、Alexa Developer Consoleの使い方、Alexaのスキルのオペレーションとライフサイクルの管理など、実践的な要素が多い。また、声の価値や、音声のユーザー体験のあるべきフロー、など、今多くのAlexaデベロッパーが悩んでいるような高レベルのコンセプトの知識も試される。

試験のガイドがあるので、これを見ると、スキル習得のために勉強すべきチュートリアルや技術的ドキュメンテーションなどがわかる。またオンラインのトレーニングコースもある。

準備万端でこれから試験を受けようというデベロッパーは、AWS Trainingのアカウントを取得して、試験のスケジュールを決める。

Amazonが主張する目標は、今日市場に存在する1億以上のAlexa対応デバイスの顧客の心をつかむような、魅力的な音声アプリ体験を作る機会を、もっと多くのデベロッパーに提供することだ。

つまりAmazonが求めるのは、デベロッパーがAlexaのスキル開発をちょっと浅く体験するだけでなく、そのベストプラクティスも身につけて、顧客に対し強い訴求力を持つアプリケーションを作ってもらうことだ。

この資格証明事業はスマートスピーカーがここ米国でクリティカル・マスに達したそのほぼ同じタイミングで展開される。でもサードパーティのスキルはまだ、大ヒットに乏しくスマホのアプリストアほどの人気を獲得していない。それはBloombergが最近報じたとおりだ。

音楽やタイマー、スマートホームのコントロールなどはスマートスピーカーのヒットと言えるかもしれないが、でもそれらは、ネイティブの(最初からある)ファンクションだ。消費者の採用が今後伸びないなら、今80万以上あるサードパーティのAlexaスキルの将来性も危うい。

しかしそれでも、企業は今でもこのプラットホームに強い関心を持っている。なんといっても、Alexaの大きなインストールベースは魅力だ。今でも毎日、1日に1つは、どこかの企業がスキルを発表している。今日のそれは、赤十字だった。

AWSで資格証明と教育訓練事業を担当しているディレクターKevin Kelly氏が、声明の中でこう言っている。「音声アプリ(Alexa用語では“スキル”)を作れる有能なプロフェッショナルは、最近ますます多くの企業から求められている。この新たな資格証明はAlexaにフォーカスした唯一の認証制度として、そういうプロフェッショナルなスキルを検定できる」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アメリカでは成人の1/4以上がスマートスピーカーを所有、日本では?

スマートスピーカーやAIに特化したメディアのVoicebotは3月7日、「Voicebot Smart Speaker Consumer Adoption Report Jan 2019」と題された、アメリカにおけるスマートスピーカーの普及率などに関する調査の結果をリリースした。

VoicebotとVoicifyが共同で行なった同調査によると、アメリカの成人6640万人ほどがスマートスピーカーを所有している。成人における普及率は同国の成人人口の1/4強に値する26.2パーセントまで成長し、所有者数は前年同時期に発表された前回調査と比較すると約40パーセント増加した。

アマゾンとグーグルのシェア争い

そしてこの調査によるとアマゾンが市場をリードしていることは鮮明だ。アマゾンの「Amazon Echo」のシェアは61.1%、 グーグルの「Google Home」は23.9%となっている。だが昨年の調査結果ではアマゾン71.9%に対しグーグルは18.4%。グーグルが徐々に差を縮めてきているのがわかる。

アップルの「HomePod」や「Sonos One」を含む「その他」のブランドに関しても9.7%から15%に伸びたが、Sonos OneはAlexa搭載だ。

同調査はアメリカの成人1038人を対象に2019年1月に行われた。

なおStrategy Analyticsが2018年10月に発表したレポートによると、アメリカで使われているスマートスピーカーのブランド別シェアは、アマゾン63%、グーグル17%、アップル4%。その他の同類の調査においても、やはりアマゾンのブランド別シェアの高さが目立つ。

スマートスピーカーの普及率、日本では?

電通デジタルが2月に発表した調査によると、スマートスピーカーの認知率は約76%だが、普及率は約6%に止まっている。「スマートスピーカーの所有状況」はGoogle Homeが2.9%、Amazon Echoは2.4%、そして94.1%は所有していなかった。

所有者の約4割が「音楽スピーカーの代わりになる」ことをスマートスピーカーの購入理由として挙げており、実際に74.5%以上の所有者が音楽聴取のために利用している。あとは天気予報を聞いたり、アラームをセットしたり、といった使い方が多い。

電通デジタルは「音楽以外のさらなる機能の拡張や、サードパーティー・アプリケーションの拡大が普及のカギとなる」「サードパーティー・アプリケーションの利用者は一部を除きまだ多くはないが、利用している場合はエンゲージメント形成に役立っていることが伺える」と説明している。

同インターネット調査は2018年12月、全国の15から69歳の男女1万人を対象に実施された。

MMD研究所が2018年10月に発表した「スマートホーム関連製品に関する調査」においても、スマートスピーカーの利用経験者が4.2%と低いのが目立つ。利用したことがある製品の順は、AmazonEchoがトップで56.3%、Google Homeが47.2%、LINE Clovaが14.1%だった。

この調査は15歳から69歳の男女5000人を対象に、2018年7月31日から8月1日の期間、インターネット上で行われた。

看護師を雑用から解放するAmazon AlexaとGoogleアシスタント

ロサンゼルスの総合病院であるCedars-Sinai(シダーズ・サイナイ)は今、100の病室にAmazon Echoを置くパイロット事業を行っている。そのスートスピーカーたちはヘルスケア用の音声アシスタントプラットホームAivaを使って、患者と看護者のコミュニケーションを助ける。たとえば、テレビのチャンネルを変えるなどの単純な用事を患者がAlexaに頼めるなら、看護師は医療的看護に割く時間が増える。

AmazonのAlexa FundとGoogle Assistant Investment Programの支援によりAivaは、ヘルスケアスタートアップのための同病院のアクセラレーター事業にも参加している。Aivaのプラットホームは、Google Homeでも使える。

患者がAlexaに何かを頼むと、Aivaはそれをその用事の担当者のスマートフォンへ送る。たとえば患者が薬を頼んだら、そのリクエストは担当の正看護師へ行く。応答がとても遅いときは、Aivaはそのリクエストを「コマンドチェーンの上の方」(上司など)へ送る。

音声アシスタントは現在、いくつかの医療機関で試されている。例えば、Boston ChildrenのICUでは看護師たちが、今の時間帯の担当看護師は誰か、ベッドはいくつ空いているかなどの管理情報を尋ねている。また移植用臓器が使用を認められるためのチェックリストを音声化して間違いを減らす、というパイロット事業も行っている。さらにAlexaのスキルKidsMDは、家にいる親が使って、子どもを医者に連れて行くべきかを判断する。

スマートスピーカーの市場ではAmazonが依然としてトップであり、病院でもAlexaが最も多く使われている、とHealthcare IT Newsは伝えている。その記事によると、現在Alexaデバイスを使っている病院は、ボストンではBeth Israel Deaconess Medical CenterとCommonwealth Care Alliance、ニューヨークのNorthwell Health、そしてロサンゼルスではCedars-SinaiのほかにLibertana Home Healthだ。

画像クレジット: Cedars-Sinai

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アメリカのスマートスピーカーの採用台数は6600万、Amazonが大差でリード

スマートスピーカーにとって、良いホリデーシーズンだった。Amazonによると、Echo Dotは同社の全商品の中で最高の売上を記録した。そのことは、音声で命令するスピーカーの市場全体が大きく成長したことを意味するのだろう。今日(米国時間2/5)は、調査会社CIRPが、それらのスピーカーのアメリカにおける導入台数が2018年9月四半期の5300万台から2018年12月には6600万台に増加した、と報告した。そしてそれは、1年前の2017年12月にはわずか3700万台だった。

しかしその調査報告書によると、ホリデーシーズンの売上が、スマートスピーカーのメーカー各社のマーケットシェアを変えることはなかった。

報告書によると、AmazonのEchoデバイスが依然としてアメリカの市場を支配し、据え付け台数ベースで70%のシェアを握っている。次いでGoogle Homeが24%、Apple HomePodが6%だ。

CIRPのパートナーで協同ファウンダーのJosh Lowitzが、声明の中でこう述べている: “ホリデーの買い物客によって、スマートスピーカー市場は再度離陸した。しかし相対的なマーケットシェアは旧状を維持し、ここ数四半期にかけてAmazon EchoとGoogle Home、そしてApple HomePodが一定のシェアを維持している。AmazonとGoogleは共に、ベーシックからハイエンドまでの豊富な機種を揃えているが、Amazonの方が機種は多様である。言うまでもなくAppleは、高価格製品HomePodのみであり、Echo DotやHome miniのようなエントリーレベルの製品を出さないかぎり、大きなシェアを獲得することはないだろう”。

さらに興味深いのは、スマートスピーカーの購入者の一部が、自宅にすでに1台持っていることだ。CIRPによると、スマートスピーカーの所有者の35%が、2018年12月の時点で複数のデバイスを持っている。それは2017年12月の18%からの大きな増加だ(下図)。

この数字は、デバイスメーカーの今後の戦略にとって重要だ。つまり、最初の1台を売ることができたら、消費者が同じベンダーから再度買うこともありえるからだ。

Amazonはここでも初期的有利性を獲得し、Google Homeのユーザーに比べてより多くの消費者の複数台購入に成功している。1年前には、デバイスを複数持つユーザーの比率はEchoのユーザーがGoogle Homeユーザーのほぼ倍だった。しかしその後Googleは健闘し、2018年末ではEchoユーザーもGoogle Homeユーザーもどちらも、そのほぼ1/3が複数のデバイスを持っている。

しかし、市場調査会社の調査報告の数字は、各社横並びでほぼ同じ、ということはありえない。標本も、調査手法も、各社それぞれに異なる。

たとえばこの秋のStrategy Analyticsの調査報告では、アメリカにおけるAmazon Echoのマーケットシェアが63%、Googleが17%、Apple HomePodが4%だった。

またeMarketerの2019年予測は、Amazon Echoがアメリカ市場の63.3%を獲得し、Google Homeは31%、HomePodやSonosなど‘その他’が12%、としている。

とはいえ、すべての報告書に大書共通する所見は、Amazonの大差でのアメリカ市場の支配だ。差は縮まっているのかもしれないが、なくなる兆しはない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon Echoスピーカー、Apple Musicをサポート開始

Amazonは先日、近々Apple MusicがAmazon Echoデバイスで使えるようになると発言した。そして今、たしかに公開されたようだ。

AlexaでAppleのストリーミングサービスを使えるようにするには、最新のiOS/Android Alexaアプリでアカウントをリンクすればよい。Settings > Musicで選べる。

設定が終わったら、”Alexa, play music by Halsey on Apple Music” のようなコマンドが使えるようになる。 “on Apple Music” の部分を毎回言いたくなければ、Apple Musicをデフォルトサービスに設定すればよい。特定のアーティストを思いつかないときはプレイリストやジャンルをリクエストすることもできる

注意点が一つ:9to5macによると、現在この機能はAmazon Echoスピーカーでのみ利用可能で、サードパーティー製スピーカー(Sonos ONEやPolkのAudio Command sounderなど)でAlexaをサポートしているものではまだ動作しないようだ。

Appleのサービスは好きじゃないって? AlexaはSpotify、Pandora、Tidal、Deezer、そしてAmazon自身のAmazon Musicに対応している。

AmazonではなくGoogle製スピーカーを使ってるって? Apple MusicがGoogle Homeにいつやって来るのかまだ何もわかっていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple MusicがAmazon Echoにやってくる

12月中旬、Amazon EchoスピーカーでApple Musicの 曲を流せるようになる。たぶん、ちょっとした驚きだろう。2017年にHomePodを発売して以来、Appleはこの分野のライバルだ。

Amazonも独自の音楽サービスをしばらく提供してきているが、この分野で本格的に戦うことは諦めたように見える——少なくとも今のところは。代わりにEchoスマートスピーカーは、Pandora、Spotify、iHeartRadio、TuneInなどの幅広い実績あるストリーミングサービスにネイティブ対応している。

新しいスキルを使うと、ユーザーは特定の楽曲、ジャンル、プレイリスト、およびBeats 1ステーションをスマートスピーカーで聞くことができる。Apple Musicに対応することで、人気のスマートホーム製品はをまたひとつ急成長のサービス利用できるようになる。

Apple Musicは、今年定期購読者数5000万人を突破した。これでもまだ、7月に有料購読者数8300万人超えを発表したSpotifyには遠く及ばないが、AmazonにとってGoogle Home製品に対する強みが増えた。特にここ米国には大量のApple Musicの定期購読者がいる。

Appleにとっても、この提携によってApple Musicを利用できるデバイスが一気に増える。HomePodは現在349ドルで売られており、入門モデルのEcho Dotと比べて数倍高い。新しいスキルは、12月7日の週にEchoスピーカーにやってくる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Alexa for Businessをサードパーティのデバイスメーカーが自社製品に利用できる

昨年Amazonは、‘企業用のAlexa’、Alexa for Businessを発表した。Amazonの音声アシスタントの技術を、企業がEchoなどのデバイスで利用できるためのシステムだ。そして今日(米国時間10/24)同社は、そのプラットホームを大きくアップグレードして、デバイスのメーカーが独自の企業用Alexaデバイスを作れるようにした。

Amazonによるとそれは、Alexa for Businessをすでに利用している企業からのフィードバックに応えての変化だ。同社によると、今すでに数千もの企業がAmazon Echoをオフィス器具の仲間に加えている。有名企業としては、Express Trucking, Fender, Propel Insuranceなどが挙げられる。

でも彼らによると、既存のデバイスにAlexaを組み込めた方が、管理すべき備品が増えなくてよい、ということだ。

これからは、デバイスメーカーが自由に、Alexa for Businessに登録でき、全社的に共有できるデバイスを作れる。そのためには、Alexa Voice Service(AVS) SDKを使用する。

デバイスの管理機能としては、各種の構成(使用する部屋、場所、デバイスの健康監視など)のほかに、スキルをパブリックかプライベートかのどちらかに指定できる。

もちろん企業が独自のスキルを作ることもできる。たとえば、社員名簿やSalesforceのデータを音声で検索する、企業独自のカレンダー情報を作る、など。

Amazonが最近Alexa for Businessに加えた機能としては、会議室の予約がある。

Amazonは現在すでにPlantronics, iHome, BlackBerryなどと協働して彼らのデバイスにAlexaを組み込もうとしている。また、LinkplayやExtronのようなソリューションプロバイダーとも協働している。Citrixも、AfBの統合に着手した。

Plantronicsの提携マーケティング担当VP Laura Marxが、同社のAlexa内蔵製品に関する声明の中でこう述べている: “Alexa for Businessはそのローンチの時点から利用しており、既存のビデオ会議デバイスPolycomとEchoデバイスをペアにしている。そういう体験をEchoデバイスを使わずにPolycom Trioなどの製品に組み込めれば、ユーザーにとってとても便利で使いやすい製品になるだろう”。

Plantronicsは今年の初めにAlexa体験を顧客に提供し、iHomeは既存のデバイスiAVS16にAlexaを内蔵させた。しかし両社とも、これまではAlexa for Businessを組み込んだ製品の発表はなかった。

Alexaの企業分野への進出が吉か凶か、まだそれを言うのは早すぎる。Echoデバイスは確かに、音楽をかける、ニュースや情報を知る、キッチンタイマーをセットする、ショッピングリストを作る、などなど消費者指向の目的で多く使われるようになっている。しかしAmazonがEchoスピーカーやそのほかのAlexa内蔵ビジネス器具で企業にも浸透できたら、同社の音声製品の市場は一挙に拡大し、スマートホームよりも大きな利益を得ることができるだろう。

Alexaを職場に持ち込むのはだめだ、という意見もある。某ハッカーの説では、デバイスが産業スパイに利用される、という。また、企業秘密のある企業は“聴く能力のあるデバイス”をオフィスに置くべきではない、とも。

それでもAmazonは前進する。この前はMicrosoftのCortanaさえも統合して、Cortanaが持つMicrosoft Office的な機能…カレンダーの管理、その日の予定、顧客からのメール通知…などをAlexaから利用できるようにした。

Alexa for BusinessはAVS Device SDKのエクステンションとして提供され、バージョン1.10をGitHubからダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon Echoをハックして盗聴できることをセキュリティ研究者たちが発見

DefConでハッカーたちが、スマートスピーカーの新たなセキュリティ問題を公表した。このセキュリティカンファレンスでスピーチしたTencentのWu HuiYuとQian WenxiangはBreaking Smart Speakers: We are Listening to You(スマートスピーカーを破る: あなたを盗聴できる)と題するプレゼンを行い、彼らがAmazonのEchoスピーカーをハックして、それにスパイ役をやらせた方法を説明した。

このハックは、まずAmazon Echoのハンダ付けされている部品を交換するなどして、それを改造する。そしてハックの被害者となる正常なEchoは、改造Echoと同じネットワーク(同じLAN上)に接続していなければならない。

この設定で改造Echoは盗聴者になり、他のEchoスピーカーからの音声をリレーする。他のスピーカーたちは、何かを‘送信’をしてるわけではない。

この方法はとても難しいが、Amazonの人気増大中のスマートスピーカーを悪用するための第一歩だ。

研究者たちは、プレゼンの前にそのエクスプロイトをAmazonに通知した。そしてWired誌によると、Amazonはすでにパッチをプッシュしたそうだ。

しかしそれでもそのプレゼンテーションは、悪質なファームウェアを搭載した一台のEchoが、同じネットワークに接続している一群のスピーカーを変えてしまうことを示している。たとえばホテルの各室にEchoがある場合など、危ないだろう。

Wiredは、Echoのネットワーキング機能がハックを可能にした仕組みを説明している:

手術をされたEchoをターゲットデバイスと同じWi-Fiネットワークに接続できたら、ハッカーはAmazonのスピーカーのソフトウェアのWhole Home Audio Daemon呼ばれる部位を利用できる。同じネットワーク上のEchoは、この部位を使って互いにコミュニケートする。このデーモンに脆弱性があることをハッカーは発見し、それを、ハックしたEchoから悪用して、ターゲットのスピーカーの完全なコントロールを取得した。たとえばそのEchoに勝手な音を出させたり、もっと困るのは、オーディオを黙って録音したり、遠くのスパイに送ったりできる。

AmazonはWiredに、“セキュリティフィックスによるアップデートが自動的に行われたので顧客は自分のデバイスに何もする必要がない。この問題は、犯人がデバイスに物理的にアクセスできて、デバイスのハードウェアを変える能力を持っていることを必要とする”、と述べている。

ただしハックを実行するために犯人がアクセスできなければならないのは、犯人自身のEchoのみである。

Amazonは、その音声デバイスが顧客をモニタしているという懸念を一蹴したが、今年のDefConでハッカーたちは、それができることを証明した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Echo Showの画面をタップ、Alexaがテキスト表示で応答するなど、アクセシビリティ機能が充実

Amazonが今朝(米国時間7/23)、Echo系列のアクセシビリティを強化するための新しい機能をいくつか発表した。そのリストの最上位にあるTap to Alexa(Amazon Tapと混同しないように)は、音声を使わずにEcho Showと対話できる。

その新しい機能を設定のときクリックしておくと、音声デバイスをタッチスクリーンタブレットとして使えるようになる。ホーム画面に、いくつかのショートカットを加えることもできる。「ニュースと天気予報」や、何かのスマートホームデバイスをon/offする、テキスト入力を使用する、などなどだ。

音声でパソコンを操作できることは、昔の、いや今でも、アクセシビリティ機能の上位にあるが、Echoのような音声操作デバイスでは、音声が使えない人を考慮しなければならない。Echoにディスプレイ付きのバージョンが登場したからには、アクセシビリティとしてタップを実装するのも当然だよね。

Tapの次は、Alexa Captioning(字幕機能)だ。数か月前にアメリカのユーザーには導入されたが、これからはイギリス、ドイツ、日本、インド、フランス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのユーザーも利用できる。この機能では、Echo ShowとSpotでAlexaの応答が画面のテキストで出るようになる。

「タッチ入力」と「テキスト表示」…Amazonの音声アシスタントがついに音声を超えて、ユーザー層を拡大しようとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Alexaに音声によるイコライザーが登場、オーディオ機能の高級化に一歩前進

AlexaがEchoのイコライザーを設定できるようになり、たとえば“アレクサ、高音を下げて”(Alexa, decrease the treble)で高音が下がる。この便利な機能は、もっと前からあってもよかった、と思うが、とにかく二日後には展開を終了し、Echoに“アレクサ、低音を上げて”(Alexa, turn up the bass)と言えるようになる。

当面アメリカだけだけど、EchoとDot, Plus, Show, Echo Spotで帯域を-6dbから+6dbの範囲で増減できる。

デベロッパーのスキルAPIも同時に提供するので、Polk Command BarやSonos Beamなどのスピーカーのメーカーも、この“音声によるイコライザー”を実装できる。Echo以外のデバイスでも利用できることは、ライバルのApple HomePodやGoogle Home Maxに勝つための重要な戦略だ。

昨年Amazonは、HomePodの対抗機を作っている、と噂された。結果的にそれは、Echoの次世代機として実現した。より高度な設計になり、オーディオも良くなったが、でもそれは、一部で期待されたハイエンドのスピーカーではなかった。今度のイコライザーではオーディオのカスタマイゼーションが増え、高級オーディオ製品としてのEchoの準備が始まったのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ご用心! Echoが勝手に会話を録音して知人に送信した――Amazonから説明あり

オレゴン州ポートランドの一家がKIROニュースで語ったところによれば、一家のAmazon Echoがプライベートな会話を録音し、登録されていた連絡相手に勝手に送信していたという。 Amazonでは「きわめてまれなケース」だとした(Amazonからのさらに詳しい説明を下にエンベッドしてある)。

ポートランド在住の女性、Danielleは夫の会社の社員から「Alexaのプラグを今すぐ抜いた方がいい。ハックされているかもしれない」という電話を受けた。電話してきた社員はAlexaから夫妻が木のフローリングについて会話している録音を受け取ったという。夫妻は事実そういう会話をしていた。

女性はなんとかAmazonの担当者を捕まえることに成功し、問題を報告した。Amazonのエンジニアが問題のAlexaのログをチェックすると報告のとおりの事態が起きていたと判明した。Amazonは声明を発表し、「問題を精査した結果、きわめてまれなケースだと結論した。われわれは将来同様の事態が再発することを防ぐために対策を準備している」と述べた。

いったい何が起きたのか? 私の推測ではEchoデバイスの音声認識システムが何かを聞き違え、会話を録音するよう命じられたと解釈したのだろう。さらに続けて録音したノートないしメッセージをある宛先に向けて送信するよう命じられたという聞き違いが起きたに違いない。しかもこうした一連の動作をユーザーに報告しなかったことになる。

この家庭には複数のAlexaデバイスがあったという。そこでAlaxaは間違ったデバイスで命令の確認を試みたかもしれない。Alexaは「私はスティーブにメッセージを送りました」とリビングのEchoデバイスに発声させたが、スティーブはそのときキッチンに移動していた。…なにかそんなことが起きていたかもしれない。

もちろんAlexaが勝手に会話の録音を知人に送信するなどとは誰も予期していなかったはずだが、EchoAlexaは電源が入っているかぎりいつも聞き耳をたてており、会話を録音してデータをインターネットにアップし続けていることが確認されたのは重要なポイントだろう。Alexaはますます賢くなっている。つまり「会話を録音して知人に送る」程度ではすまない被害をもたらす可能性があるということだ。

アップデート:私はAmazonに何が起きたのかもっと詳細な情報を明かすよう要請した。するとこの稿を公開した後、Amazonは以下のような説明を行った。内容はおおむね私の推測に近かった。

バックグラウンドにAlexaに似た発声があってEchoが起動されたものと思われる。Echoは会話の続きをメッセージ送信の命令と解釈した。Alexaは十分な音量で「誰に?」と尋ねた。その後の背景の会話の一部がAlexaに登録された連絡相手の名前と解釈され、Alexaは「[人名]ですね?」と確認の発声をしたが、それに続く背景の会話を「はい」の意味に取った。ミスがこのように連続することはきわめてまれなケースと考えられるが、われわわれはこうしたミスが再発する可能性をさらに下げるための方策を検討中だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon Echo一般発売、もう招待なしで買えます

eng-logo-2015Amazon.co.jpは、音声アシスタント「Alexa」を搭載したスマートスピーカー「Echo」シリーズの一般販売を本日(3月30日)開始しました。本日より予約販売を受け付け、出荷は4月3日を予定します。もう招待メールなしで購入できるようになります。

Echoシリーズは、2017年11月に招待者限定で国内発売。招待メールを受け取るには、amazon.co.jpの製品ページからメールをリクエストする必要がありました。しかし、リクエストから何か月が経っても招待が届かないというユーザーが続出。『買いたくても買えない』というユーザーが存在していた経緯があります。

一般販売開始にあわせ、3モデルのうちメイン機の「Echo」と廉価機の「Echo Dot」は、エディオン、ケーズデンキ、ジョーシンなど、全国の家電量販店1000店舗以上でも購入可能に。(上位機の「Echo Plus」はAmazon.co.jpのみ)4月3日以降はPrime Nowでの取り扱いも開始します。

Echoシリーズの本体価格は下記の通りです(いずれも税込)

・Echo Dot:5980円
・Echo :1万1980円
・Echo Plus:1万7980円

今回の一般販売開始を記念して、割引キャンペーンも実施します。「Echo Dot」は期間限定で1500円割り引くほか、「Echo Plus」は「Philips Hue」のスマート電球1個とのセット商品として、割引価格で販売します。

また、二子玉川 蔦屋家電(東京都世田谷区)では、Echoシリーズのタッチアンドトライコーナーを本日(3月30日)より設置するということです。

Engadget 日本版からの転載。

アメリカでは成人5人に1人がスマートスピーカーを利用中――Voicebot.aiの調査によればユーザー数は4730万人

Voicebot.aiが発表した最新のレポートによれば、現在、アメリカの成人4730万人が音声認識可能なスマートスピーカーにアクセスできるという。発売後わずか2年で成人における普及率は20%に達した。

ここで「スマートスピーカーにアクセスできる」というのは、その家庭に少なくとも1台のスマートスピーカーがあるという意味だ。必ずしもスマートスピーカーを所有している、あるいは主たるユーザーであるということは意味しない。つまり同居する家族全員、ルームメイトなどもユーザー数にカウントされている。

この点は他の情報機器と普及率を比較する場合に念頭に置く必要があるだろう。スマートフォンやウェアラブル・デバイスなどは基本的に所有者が同時に唯一のユーザーだ。スマートスピーカーの普及率を考える場合は、固定電話やテレビなど 複数で使用することが可能なプロダクトと比較する方が正しいだろう。【略】そうではあってもスマートスピーカーの普及速度が非常に速い点は興味がある。

発表されたレポートはアメリカの成人2018年1月に1057人をオンラインで調査したものだ。ただしオンラインを利用できる成人は全人口の88.5%なのでこれを考慮して数字は調整してある。

調査にはユーザーの人口動態的内訳も含まれており、57.8%が男性、42.2%が女性と回答した。多くの(約3分の2)場合、アクセスするスマートスピーカーの数は1台だ。つまりユーザーは家中に多数のスマートスピーカーを置く必要を認めていない(若年層が都市に移動する傾向が見られるため、アパートの部屋が狭く1台で足りるというのも原因の一つかもしれない)。

Amazon、Google、それに最近Appleも加わったが、これらのスマートスピーカーのメーカーはこのゲームがゼロサムに近いことを認めている。消費者が複数のスマートスピーカー・システムを家に設置することはない。つまりこの市場は潜在的に勝者一人勝ちの性質を持っている。

しかも67.5%の人々は1台のスマートスピーカーしか持っていない。19.3%が2台持っており、3台以上持っているケースは少ない。1人あたりに換算すると1.8台となる。もちろん現在の普及率からいえば今後の想定される市場は大きい。

消費者の多く(45.9%)はスマートスピーカーをリビングに置いている。次がキッチン((41.4%)、寝室(36.8%)、ホームオフィス(10.9%)の順となる。

スマートスピーカー向けソフトウェア・デベロッパーとしては当面、音楽その他のエンタテインメントに重点を置くのが賢明だろう。将来はホームオフィス関連の生産性ツールにも可能性がある。この分野での普及率はまだ低いが、今後成長の余地が大きい。特にAmazonが力を入れれば一気にブレークするかもしれない。

この調査ではAmazonが市場をリードしていることが鮮明になった。台数ベースでは、Amazonが71.9%、 Googleが18.4%、9.7が「その他」となっている。その他にはAlexaやGoogle Assistantのソフトウェアを搭載した他メーカーのデバイスやMicrosoftのCortana搭載デバイスだ。

いずれにしてもこの数字はアメリカ市場のもので、iPhone対Androidの競争と同様、Googleはアメリカ以外の地域で強さを発揮している。たとえば2017ではカナダ、フランス、オーストラリアでGoogleがリードしており、イギリス、ドイツでもAmazonとの差を縮めている。

アメリカではAmazon EchoとEcho Dotが市場の3分の2近くを占めているが、これはAmazonがスマートスピーカーのパイオニアでいちばん長期間売られているという要素が大きい。最近の販売傾向からはEcho DotやGoogle Home Miniのような,小型で低価格のモデルが好まれていることが分かる。Home Miniは3ヶ月連続してGoogle Homeの売れ行きを上回っている。

Amazonデバイスの方がGoogleデバイスより家庭の平均収入が高い。

iPhoneユーザーはスマートスピーカーを持つ可能性が平均より22%高く、それがGoogleデバイスである可能性は30%低いという。

ここからレポート全文がダウンロードできる。

アップデート:当初のインフォグラフィックでは20%の母数がわかりにくかったので、われわれはvoicebot.aiにアップデートを求めた。上にエンベッドされたグラフはアップデート後のもの。 (2/7/18, 3:40 PM ET)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

音声ショッピングは2022年に米英で400億ドルになるとの予測

Amazon EchoやGoogle Homeを始めとするスマートスピーカーの人気が高まるにつれ、音声を使ったショッピングが急速に伸びている、とOC&C Strategy Consultantsが報じた。同社は米国と英国のボイスショッピングは現在の20億ドルから2022年までに400億ドル以上の市場になると強気の予想している。

この著しい増加を強く後押しするのは、Amazonのスマートスピーカーだろうとレポートは書いている。

この予測は以前のボイスショッピング売り上げの予測を大きく上回っている。直接の比較はできないが、昨年12月にRBC Capital Marketsは、AmazonはAlexaのデバイス自身の販売とボイスショッピングを合わせて、2020年までに100~110億ドルの売り上げになるだろうと予測した

しかし今回の新しいレポートは、スマートスピーカーの急速な普及がボイスショッピングの膨大な増加につながると確信している。

今日、米国世帯の13%がスマートスピーカーを保有し、そのうちの36%がスピーカーを使って定期的に買い物をしている、とレポートは言う。

しかし、定期的な利用者でなくてもスマートスピーカーで一度でも買い物をしたことのあの人は、米国ではスマートスピーカー所有者の62%、英国でも44%に上る。

さらに同レポートは、一般にスマートスピーカーの所有者は、若く、裕福で、子供のいる「ファミリー」世帯に住んでいる傾向があると報じている。いずれの要素もボイスショッピングを促進する要因になる。すなわち、若い人々は新しい技術を取り込むのが早く、裕福な人は値段が高くても利便性を買い、家族の長は忙しいので買い物に行く代わりにAlexaやGoogle Homeに頼むことが多い。

しかし、音声を介して購入した商品は概して低価格で、一回限りのものが多い。食料品・日用品(20%)、エンターテイメント(19%)、エレクトロニクス(17%)、衣類(8%)が購入カテゴリーの上位だ。一方、スマートスピーカーによる個人に特化した商品の推奨を信用すると答えた消費者はわずか39%で、ほとんどの利用者はすでに知っている商品を購入していた。

スマートスピーカーの利用者が、商品の発見に音声を使っていないという事実は、各メーカー、特に日用品の定期購入を音声で行うことを推進しているAmazonにとっては問題になりうる。このことは、400億ドルという現時点では少々楽観的と思われる推測にも影響を与えるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「アレクサ、本を読んで」Kindle本の読み上げにAmazon Echoが対応

eng-logo-2015「Amazon Echo」などのAlexa対応スマートスピーカーが、Kindle本の音声読み上げに対応しました。

『アレクサ、本を読んで』と呼びかけるだけで、Kindleライブラリにある中から直近にダウンロードした書籍を読み上げてくれます。また、一度終了しても、次回以降は一番最近読み上げた書籍の続きから読み上げるレジューム機能にも対応します。

また『アレクサ、’本のタイトル名’を読んで』と読み上げると、指定した書籍を読み上げることも可能です。

さらに、スマートフォンのAlexaアプリでKindleの書籍を検索・選択し、読み上げさせることも可能。この場合の手順は次の通りです

1. Alexa アプリのメニューから「ミュージック&本」を選択
2.「本」のセクションから Kindle を選択
3. ドロップダウンメニューから端末を選択した後、Alexa で読み上げ可能な本の中から希望の書籍を選択

今回の対応で、Alexaの利便性がより高まった形。アマゾンは「Alexa の日本語の TTS(テキスト・トゥ・スピーチ) 機能を一層向上させ、没入感のある読み上げ体験の実現を図っていきます」とコメントしています。

Engadget 日本版からの転載。