リサイクルロボット企業AMP Roboticsが最大73.2億円を調達か

Sequoia CapitalやSidewalk Infrastructure Partners(AMP Roboticsリリース)などの投資家たちが支援する、リサイクルロボット技術の開発企業AMP Robotics(AMPロボティクス)が、最大7000万ドル(約73億2000万円)規模の新しい資金調達を行おうとしているようだ。この情報は同社の計画を知る複数の情報源からもたらされた。

この新しい資金調達は、AMP Roboticsのパイロットプロジェクトや、同社の展開を飛躍的に拡大できる新しいパートナーシップが、継続的に成功していることを証明している。

11月初めに、同社はごみの仕分けロボットならびにリサイクルロボットに対する過去最大規模の新規注文を受けたことを発表した。

廃棄物処理会社Waste Connections(ウエイスト・コネクションズ)に対して、機械学習式リサイクルロボットシステムを24セット納品したこの注文は、同社のリサイクル技術の有効性のショーケースである。

これは、2020年初めにトロントのアパート複合施設で行われたパイロットプログラムに続けてやってきた取引だ。このパイロットプログラムでは、アパートの借り手たちが、自らのリサイクル活動の改善のために、AMP Roboticsによってモニターされているリサイクル活動を、ビルの貸し手と共有することができるようになっていた。

AMP Roboticの機械学習式ロボットが持つであろう可能性は否定できない。同社の技術は、従来のシステムでは決して行えなかったやり方で、そしてほとんどの廃棄物処理施設よりもはるかに低いコストで、連続的に廃棄物を分類することができる。

TechCrunchが以前にもレポートしたように、この技術は高密度ポリエチレンとポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンを区別することができる。またロボットは色、透明度、不透明度、そして蓋、容器、折り畳み構造、カップなどの形状を分類することもできる。さらにはパッケージ上のブランドを識別することさえできるのだ。

AMPのロボットはすでに北米、アジア、ヨーロッパで配備されていて、最近ではスペインやカリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州、ミネソタ州、ミシガン州、ニューヨーク、テキサス州、バージニア州、ウィスコンシン州などの米国全土でも導入されている。

今年の初めAMP Roboticsは、投資家のSidewalk Labsと協力し、トロントにある250ユニットを収容する1棟のアパートの入居者たちに、リサイクル習慣に関する詳細な情報を提供するパイロットプログラムを開始した。Sidewark Labsは、その廃棄物をCanada Fibers(カナダ・ファイバーズ)の材料回収施設に輸送している。この施設では、Canada Fibersの従業員とAMP Roboticsの両社がゴミを分類している。

廃棄物が分類され、整理され、記録されると、Sidewark は建物の住民に対して。彼らのリサイクル活動の結果がどのようなものであったかを報告する。

デンバーに拠点を置くAMP Roboticsが、その技術の早期商業化の資金を手にするために、Sequoia Capitalなどから1600万ドル(約16億7000万円)を調達したのは、ついこの間である2019年11月だ。

このときTechCrunchが報告したように、当時のリサイクル事業は(材料の品質に関わりなく)、一連の廃棄物を中国による買い上げに頼ることができていた。しかし約2年前、中国はもはや世界のゴミ捨て場として機能することをやめることを決定し(Yale大学リリース)、他の国から受け取ることができる原材料の種類に厳しい基準を定めた。

その結果、リサイクル施設での処理コストが高くなり、実際にゴミをより効率的に分別する必要が生じている。また当時は、失業率がゴミ仕分け施設での労働力を圧迫していた。この1年では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが、リサイクル施設と廃棄物処理施設に「エッセンシャルワーカー」に分類されているにも関わらずさらなる圧力をかけている。

経済的現実を考慮した結果、リサイクル業者たちはAMPの技術に目を向けている。コンピュータビジョン、機械学習、ロボット自動化の組み合わせにより、施設での効率を向上させるのだ。

そして、ストリーム中の廃棄物を特定するAMPの技術力には、他の利点がある。最高経営責任者のMatanya Horowitz(マターニャ・ホロウィッツ)氏は2019年、TechCrunchに対して次のように語った。

「私たちの技術は、コーラ缶かペプシ缶か、スターバックスのカップなのかを識別することができます。それはリサイクル性を考慮した製品デザインを助けることができます。【略】私たちはそうしたデザインを行うひとたちからの関心が高い、レポート機能を構築しています」。

AMP Roboticsはこの記事へのコメントを拒否した。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:AMP Robotics資金調達リサイクル

画像クレジット:Alashi / Getty Images(画像修正済)

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(翻訳:sako)

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リサイクルロボットシステムのメーカーAMP Robotics(アンプ・ロボティクス)は、北米の廃棄物処理を行う上場企業Waste Connections(ウェイスト・コネクションズ)から最大規模の発注を受けた。

今回受注した機械学習に対応したロボットリサイクルシステム24基は、いくつもの資源回収施設で、容器、繊維、残留物の処理工程で使用されると同社は話している。

AMPのテクノロジーは、原材料処理用に再生されたプラスティック、ダンボール、紙、缶、紙パックなど、さまざまな容器やパッケージの回収に役立つ。

同社の技術は、高密度ポリエチレンとテレフタル酸ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの違いを区別できる。またそのロボットは色、透明度、不透明度、さらに蓋、タブ、クラムシェルパック、カップといった形状による分類ができる。パッケージに記されたブランドの判別も可能だ。

現在、AMPのロボットは北米、アジア、ヨーロッパで展開され、最近になってスペインにも導入された。米国内ではカリフォルニア、コロラド、フロリダ、ミネソタ、ミシガン、ニューヨーク、テキサス、バージニア、ウィスコンシンで使われている。

パンデミック前の2020年1月、AMP Roboticsは同社に投資を行なっている都市開発企業Sidewalk Labs(サイドウォーク・ラブズ)と協力して、トロントの250世帯が暮らすアパート1棟の住民に、そのリサイクル行動に関する詳細な情報を提示する実験を計画した。

対象となったアパートと廃品回収業社の協力を得て、Sidewalk Labsは、廃棄物をCanada Fibers(カナダ・ファイバーズ)の資源回収施設に送り、Canada Fibersの従業員とAMP Roboticsとでゴミの分別を行なう。分類、仕分け、記録を終えると、Sidewalk Labsはアパートの住民に連絡をとり、リサイクルがどれほどできているかを伝えることにしている。

Sidewalkによると、電子メール、オンライン・ポータル、建物の掲示板を使って、3カ月間にわたり2週間に1度、住民にその情報を知らせるという。

住民からすれば、リサイクルできるものとできないものの理解を深めるよい機会であり、Sidewalk Labsはその情報が住民のリサイクル習慣を向上させると期待している。ゴミの中身を見られたり分類されたくない人は、実験に参加しなくてもよい。

Waste Connectionsのようなリサイクル業社には、業界の問題に対処してくれるロボットの商品化は大歓迎だろう。一時は安定していたこの業界も、貿易戦争と失業率の低下で状況が逆転してしまった。2年ほど前、中国は世界のゴミ捨て場としての役割を終わらせ(Yale Environment 360記事)、外国から受け入れる資源の種類に関して、厳しい基準を設けるようになった。その結果、リサイクル施設の経費は増大し、廃棄物分別のさらなる効率化が迫られることとなった。

同時に、失業率の低下により、リサイクル可能な資源とゴミとの分別を基本的に人の手で行わなければならない施設は、作業員不足に苦しんでいる。

AMP RoboticsはSequoia Capital、BV、Closed Loop Partners、Congruent Ventures、そしてAlphabet(アルファベット)のスピンオフであり、テクノロジーと新しい基盤整備計画に投資するSidewalk Infrastructure Partnersの支援を受けている。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:AMP Roboticsリサイクル

画像クレジット:Abdulla Al Muhairi Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(翻訳:金井哲夫)