体の動きで充電するウェアラブル用小型電池Ampyがシード資金を獲得

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人間の動きによって充電されるウェアラブル用の小型電池、運動充電電池(kinetic charging battery)を作っているAmpyが、87万5000ドルのシード資金を調達した。筆頭投資家はClean Energy TrustとNewGen Ventures、これにエンジェル投資家Howard Tullman(1871のCEO)、Steve Olechowski(FeedBurnerの協同ファウンダ)、John DiNardi(Norluxの協同ファウンダ)らが参加した。

シカゴに本社を置く同社は、今回得られた資金を、電池のさらなる小型化薄型化のための研究開発に充てる。それにより同社は、単なる補助電池(スペアバッテリー)から、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどの製品に最初から採用されることを、目指している。そうなると、ユーザがこれらのウェアラブルをアクティブに使っているかぎり、補助電池というものは要らなくなる。

“製品への最初からの組み込みは、プロトタイプによる概念実証を終えている。今後は顧客企業(ウェアラブルのメーカー)が、製品のサイズやパワーだけでなく、その持久力や快適性にも関心を向けるよう、働きかけていきたい”、と協同ファウンダでCEOのTejas Shastryは語っている。

同社の磁気充電技術を今後の超小型ウェアラブルデバイスにも対応させることが、重要な課題だが、Shastryは、“フォームファクタには柔軟性があるので”、デバイス埋め込みタイプの実装にも十分耐えうる、という。すでに、どこかのメーカーと商談中のようだ。

新たなシード資金は、現在の消費者製品(補助電池用)の製造能力の拡大にも充てられる。スタッフも、現在の6名から増員する。

Ampyは1年前に、その人間発電機の本格生産のためにクラウドファンディングを行い、Kickstarterで30万ドルあまりを集めた。

そのときの支援者たちへの製品の発送はすでに始まっており、11月中には終わるという。最初の約束では発送は6月だったが、ハードウェアのクラウドファンディングは遅れることが日常茶飯事だ。

Ampyによると、その遅れの原因は製品の仕様を一部変えたことだ。それらは、充電状態を示すLEDをつけろなど、支援者からの要望によるもので、ほかに、サプライチェーンの安定化や高品質な部品の確保でもやや手間取った。

電池の容量も上がり、クラウドファンディング時の1000mAhから今では1800mAhだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

モバイルデバイス充電用の「自動巻き発電機」AmpyがKickstarterで出資募集中

外出先での電源の必要性がこれだけ感じられるようになれば、着用者の運動を利用して発電し、バッテリーを充電する装置が現れるのは時間の問題だった。それが現在Kickstarterで出資募集中のウァラブル・バッテリー充電器のAmpyだ。これを体に装着すると、歩いたり走ったりする動作によって内蔵バッテリーが充電され、USB経由で各種デバイスに充電できる。

理論的には理にかなったアイディアだが消費者が喜んで身に付けるようなデザインと効率性を備えたデバイスを開発することは難しい。

Ampyは現在はまだプロトタイプの段階だが、シカゴに本拠を置くスタートアップは量産に向けて10万ドルを目標にクラウドファンディングを行っている。募集期間はあと10日残っているが、すでに24万5000ドルのプレッジ(出資応募)があったので製造開始は可能になった。ただし出荷予定時期はだいぶ先で、2015年の6月だ。

Ampyのバッテリー容量は1000mAhだが、これはたいていのスマートフォンのバッテリーの容量より少ない。空になったバッテリーを完全充電するのは無理で、あくまで補助的なものになる。

共同ファウンダーのTejas ShastryはAmpyの仕組みを「ユーザーの動作が内部の誘導子の磁石を回転させ電流が生まれる。これがリチウム電池を充電する。Ampyの出力は数百ミリワットに上る。1万歩でスマートフォン 3時間分の発電量となる」と説明する。

Kickstarterのキャンペーン・ページにはまだAmpyが装着者の運動で充電されているところが紹介されていないが、出資者へのフォローアップのメールでは手やランニングによって発電している様子が報告されている。

Ampyではハードウェアに加えて専用アプリも開発しており、これには発電量の他に運動によって消費されたカロリーも表示される。

Ampyの説明に信用が置けると考えるならまだKickstarterで85ドル投じれば予約できる(バッテリーのみで装着用のストラップはつかない)。

いずれにせよモバイル化が進展するにつれてバッテリーの電源がますます重要になってくることは非常に明白だ。われわれは常にデバイスに内蔵されているバッテリーの容量以上の電力を求める。現時点ではAmpyが成功するかどうか保証の限りではないが、このようなバッテリー充電補助デバイスへのニーズは大きい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+