アマゾン、Android 12端末でアプリが起動しない問題を認め同社アプリストアの不具合を修正

Amazon(アマゾン)は、同社のAmazon Appstoreにおいて、モバイル端末をAndroid 12にアップグレードした顧客のアプリ起動に問題を引き起こしていた不具合を修正したと発表した。2021年12月初め、秋にリリースされたAndroid 12において、Amazon Appstoreがまだ機能していないという報道が出始めた。ユーザーからは、AppStore自体が動作しないだけでなく、AppStoreからインストールしたアプリやゲームも動作しなくなったとの報告があった。

同社は、Amazonのデジタルデバイスフォーラムでユーザーからの苦情に対応していたが、技術チームがまだ調査中であるとだけ述べていた。しかし、この問題を詳しく紹介したLiliputing.comの記事が話題になり、より多くニュースサイトで取り上げられたことで、Amazonは不具合について公式にコメントすることを強いられた。同社はその後、「Android 12にアップグレードした少数のAmazon Appstoreユーザー」に影響を与えていた「アプリのパフォーマンスと起動」に関する問題の修正に取り組んでいると発表した。同社は当時、この問題はAmazon Fire TVデバイスやAmazon Fireタブレットには影響しないと述べていた。

米国時間12月17日にAmazonは、修正プログラムが稼動したと発表したが、何が問題だったのか、どのように問題に対処したのか、より具体的には説明しなかった。

同社の広報担当者は、メディアと共有した声明の中でこう述べた。「モバイル端末をAndroid 12にアップグレードしたAmazon Appstoreのお客様のアプリ起動に影響を与える問題の修正プログラムをリリースしました。現在、お客様にはAppStoreエクスペリエンスのアップデート手順をご案内しています。このような事態を招いたことをお詫び申し上げます」。

あるユーザーが発見した回避策は、AndroidアプリのAPKファイルを逆コンパイルし、DRMに関連する行をコメントアウトするなどの技術的な手順を踏んでいたことから、Appstoreの問題は内蔵されたDRMとAndroid 12に関連しているのではないかという憶測もあった(だが、これは明らかにメインストリームのユーザーが利用できる解決策ではなかった)。

Amazonがこの問題に何週間も取り組まなかったことは、同社のAppstoreがAndroid端末でいかに支持されていないかを浮き彫りにしている。Google Play以外でアプリを購入する必要性を感じているユーザーはほとんどおらず、それに加えてAndroidのアップグレードサイクルがいかに遅いかを示している。Amazonにとって、この問題に緊急性を持って取り組むことは単に優先事項ではなかったようだ。

最近では、AmazonのAppStoreに対する関心は、Windows 11ユーザーにアプリを配信するためにどう利用できるかということに移っている。Microsoft(マイクロソフト)とAmazonは2021年、Amazonが同社のサードパーティアプリストアをMicrosoft Storeで提供し、それを通してWindowsユーザーがAndroidアプリをPCにダウンロードできるようにするという新たな取り組みで提携することに合意した。

関連記事:AndroidアプリがAmazonアプリストア経由でWindows 11に登場、ウィンドウとして動作

画像クレジット:Dinendra Haria/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルがAndroid Enterpriseの「バグ報奨金」プログラムを実施

Android 12はGoogle(グーグル)のPixel端末向けに正式公開され、他機種にも徐々に展開される予定だ。Androidは消費者プロダクトだと思っている人が多いかもしれないが、ここ数年Googleは、これをエンタープライズツールにもするべく力を注いでいる。Android 12にはすでに多くの企業向け機能が標準搭載されているが、GoogleがAndroid Enterpriseに関連して、セキュリティに焦点を当てた新たな取り組みを複数発表したことに驚きはない。

その中には、新たなバグ発見懸賞プログラム、その名も「Android Enterprise Vulnerability Program」(Android Enterprise脆弱性プログラム)があり、Android Enterpriseが動作しているPixel端末の重大なバグを発見した場合に最大25万ドルの報奨金が支払われる。

またGoogleは、広くパートナー・エコシステムと協力してAndroidのZero Trust(ゼロトラスト)セキュリティ・モデルのサポートを拡張する取り組みも行っている。これは、たとえばOkta、Ping、ForgeRockなどのパートナーと組むことで、Android上の認証ワークフローを、WebViewからChromeのCustom Tabsに移行することを意味している。以前からGoogleは、デベロッパーは自社ドメイン以外のコンテンツをレンダリングする際には必ずCustom Tabsを使うべきであると主張してきた。これは性能面だけでなく、Chromeのセーフブラウジング機能がセキュリティを強化するためだ。

「WebViewはウェブコンテンツのレンダリングにおける柔軟で強力なツールですが、Custom Tabsは最新のフル機能を備えているので、アイデンティティープロバイダーは端末のトラストシグナルを集め、従業員の安全を改善し、複数のアプリとウェブを通じてシングルサインオンを行うことが可能になります」、とGoogleのシニアプロダクトマネージャーであるRajeev Pathak(ラジーブ・パサック)氏が米国時間10月21日の発表で説明した。

さらにGoogleは、Android Management APIを拡張して、Microsoft、Citrix、あるいはGoogle自身の提供するEnterprise Mobility Solutionsを使っている企業が「すべてのエンタープライズ機能を、ベストプラクティスとAndroid Enterprise Recommendedの必要要件とともに、いちはやく利用できる」ようにする。

画像クレジット:Steven Puetzer / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルが新OS「Android 12」配信開始、セキュリティを改良しよりパーソナルに

世界で最も使用されているモバイルOSであるAndroidは、独自のセールスポイントを確立し、AppleのiOSとの差別化を図るべく、着実な歩みを続けている。Pixel 3以降で利用可能なこの新OSのAndroid 12は、同OSの長所をさらに強化するとともに、いくつかの新機能も追加されている。

誰もが、これまでに製造された他のすべてのデバイスと基本的に同じに見えるスマートフォンを持つようになると、パーソナライゼーションがより重要になる。Google(グーグル)はMaterial You(マテリアルユー)機能をOSに導入し、壁紙を変更すると、Android 12エクスペリエンス全体がその色に合わせて変化するようになった。OSには色抽出アルゴリズムが搭載されているため、すべてが統合され、洗練されて見える。ロックスクリーン、通知、設定、ウィジェット、そしてアプリまで、すべてがパーソナライズ可能だ。Material YouはPixelに先行して搭載され、他のデバイスメーカーの端末にも順次搭載されていく予定だ。

完全にカスタマイズ可能なOSで、あなたのスマホともっとあなたらしく(画像クレジット:Google)

セキュリティとプライバシーは、このOSのもう1つのテーマだ。例えば、Android 12では、スムーズに機能するためにおおよその位置情報しか必要としないアプリから、正確な位置情報をプライベートにしておくことができる。また、アプリがマイクやカメラ機能を使用しているかどうか、ステータスバーに表示される新しいインジケーターで確認できる。さらに、OS全体でカメラとマイクをオフにしたい場合は、クイック設定で新しいトグルスイッチを使ってオフにすることができる。また、忘れていたアプリをロックダウンする機能も追加され、数カ月間使用しなかったアプリの許可を自動的に取り消すことができる。

またこのOSでは、位置情報とBluetoothの関係がようやく切り離された。Googleは次のように述べている。「ワイヤレスヘッドフォンは携帯電話に接続する必要があるが、あなたがどこにいるかを知る必要はありません」。Android 12では、それがようやく可能になった。

Googleは、以前のOSリリースで、Googleレンズのための大量の新しいAndroid機能を導入した。例えば、任意のスクリーンショットで光学式文字認識(OCR)を行うことができるようになった。Android 12では、その機能に加えて「スクロールスクリーンショット 」などの拡張機能が追加されている。画面の端に到達したからといって、スクリーンショットの端に到達する必要はない。新しいスクロールスクリーンショットを使えば、ページ上のすべてのコンテンツを1枚の画像に収めることができる。これは賢い。

新フィーチャーは機能性にとどまらず、Android 12では省電力機能やアクセシビリティの向上も実現している。また、ホットアップデートの導入により、同じアプリのアップデートがバックグラウンドでダウンロード、インストールされていても、そのアプリを使い続けることができる。ポケモンGOを数分間中断しなければいけないことなど、あってはならない。

GoogleのAndroid 12 OSは、米国時間10月19日より対応機種に順次導入される。

画像クレジット:Google

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Aya Nakazato)

「Android 12 Beta 4」最終ベータ版が配信開始、プラットフォーム安定性のマイルストーンに到達

Google(グーグル)は、Android OSの最新バージョンとなる「Android 12」のリリースに向けて、さらに一歩前進した。同社は米国時間8月11日、Android 12の第4ベータ版「Beta 4」を公開した。このベータ版で最も注目すべき点は、「プラットフォーム安定性(Platform Stability)」のマイルストーンに到達したことだ。これは、Androidアプリの開発者に影響を与える変更が最終的に完了したことを意味しており、開発者は後続リリースでの互換性を損なう変更を心配することなくアプリをテストすることができる。

今回アップデートされたAndroidバージョンでは開発者は多くの新機能を利用できるが、Googleは開発者たちに、まずはAndroid 12に対応するアップデートのリリースに注力するよう促している。Androidの新バージョンにアップグレードした際にアプリが正常に動作しないことが判明した場合、ユーザーはアプリの使用を完全に止めたり、あるいはアンインストールする可能性もあると同社は警告している。

​​Android 12に搭載されたコンシューマー向けの主な機能としては、「Material You」と呼ばれる、よりアダプティブな新しいデザインシステムが挙げられる。これにより、ユーザーはOS全体にテーマを適用して、Android体験をパーソナライズすることができる。また、アプリがマイクやカメラ機能を使用しているかどうかを示すインジケーターや、iOSと同様にユーザーのクリップボード履歴を読み取ったアプリに関してアラートを発する「クリップボード読み取り通知」など、新しいプライバシーツールも搭載されている。また、Android 12では、Google Play Instant(グーグル・プレイ・インスタント)機能により、ゲームをダウンロードしたら(インストールするステップなしに)すぐにプレイすることができる。その他、クイック設定、Google Pay、ホームコントロール、Androidウィジェットなど、Androidの主要な機能やツールも改善されている。

Googleはこれまでの「Android 12」ベータリリースにおいて、消費者向けのマイナーなアップデートを継続的にロールアウトしてきたが、Beta 4は、2021年秋に予定されているAndroidの一般公開に向けて開発者がアプリを準備することに重点を置いている。

画像クレジット:Google

同社は開発者に対し、設定の中の「プライバシーダッシュボード」でどのアプリがいつどのような種類のデータにアクセスしているかを確認できるようになったほか、マイクやカメラのインジケータライト、クリップボード読み取りツール、すべてのアプリでマイクやカメラへのアクセスをオフにできる新しいトグルスイッチなどのプライバシー機能の変更に注目するよう提案している。

また、従来の「グロー」オーバースクロール効果に代わる新しい「ストレッチ」オーバースクロール効果や、アプリの新しいスプラッシュ画面アニメーションkeygenの変更などにも留意しなければならない。また、開発者が使用するSDKやライブラリの中には、Googleやサードパーティ製のものを含め、互換性のテストが必要なものが数多くある。

新しいAndroid 12 Beta 4のリリースは、サポートされているPixelデバイス、およびASUS、OnePlus、Oppo、Realme、シャープ、ZTEなどの一部のパートナーのデバイスで利用できる。また、Android TVの開発者であれば、ADT-3開発キットを通じてBeta 4にアクセスできる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Android 12AndroidGoogleスマートフォンベータ版OS

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

Android 12ではゲームのダウンロード完了前にプレイ開始が可能に

Google(グーグル)は米国時間7月12日、Game Developer Summit(ゲーム開発者会議)で、Android(アンドロイド)ゲーム開発者向けの新機能を発表した。これは、Google Play(グーグル・プレイ)ストアでダウンロードを開始してからゲームが起動するまでの時間を、少なくともAndroid 12搭載端末では、約2倍に短縮する。この新機能は「Play as you download(ダウンロードしながらプレイ)」という名前からもわかるように、ゲームのアセットがすべてダウンロードされる前に、プレイヤーはゲームをプレイ開始することができるというものだ。

最近の平均的なゲームは、ダウンロードするアプリの中で最も容量が大きい。ダウンロードに数分かかると、ゲームがプレイできるようになる前に、次のTikTok(ティックトック)セッションが始まってしまうかもしれない。Googleはこの新機能によって、400MB程度のゲームであればプレイを開始するまでにかかる時間を半分に短縮すると約束している。家庭用ゲーム機で遊んでいる人なら、Sony(ソニー)が「PlayStation(プレイステーション)」のゲームで同様のことを行っているので、このコンセプトには馴染みがあるだろう。

もっとも、ゲームのロード時間を短縮する試みは、Googleにとって初めてのことではない。Google Play Instant(グーグル・プレイ・インスタント)は、Playストアからゲームをすぐに始められる機能だが、これはインストールのプロセスを完全に排除し、潜在的なプレイヤーに新しいゲームをすぐに試す機会を提供することを目的としている。

Play Instantと同様に、この新しい「Play as you download」機能は、従来のAPK規格に代わるAndroid App Bundle(アンドロイド・アップ・バンドル)フォーマットで可能となるものだ。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:GoogleAndroidAndroid 12

画像クレジット:juniorbeep / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルが「Android 12」ベータ版第2弾リリース、シャープなどが対象端末リストに追加

Google(グーグル)は米国時間6月9日、Androidの次期メジャーバージョン「Android 12」のベータ版第2弾をリリースした。2021年5月に開催されたGoogle I/O開発者会議で公開された最初のベータ版では、Googleの新しいデザインシステム「Material You」を垣間見ることができたが、約束された新機能やデザイン微調整の多くは、第1弾ベータにはまだ含まれていなかった。今回の新しいベータ版では、Googleはこれらの機能をテスターに提供する(ベータ版への登録はこちらから)。その中には、携帯電話のマイク、カメラ、位置情報を最近使用したアプリをユーザーが簡単に確認できる、新しいプライバシーダッシュボードも含まれている。

その他の新機能として、アプリがマイクやカメラを使用しているかどうかを表示するマイク・カメラインジケーターや、アプリによるこれらのアクセスを無効にするクイック設定トグルも追加された。アクセスをオフにすると、アプリは空白のオーディオとカメラフィードを受け取ることになる。これに関連してGoogleは、アプリがクリップボードの内容を読み取っているときに読者に表示するクリップボード読み取り通知もAndroidに導入する。

画像クレジット:Google

また、第2弾ベータでは新たにインターネットパネルが追加され、ISPやWi-Fiネットワークなどを簡単に切り替えることができるようになった。

画像クレジット:Google

今回のリリースにより、Googleは8月のプラットフォーム安定化までにあと1回のベータリリースを残すところとなった。開発者にとっては今が、互換性テストを完了し、アプリ、SDK、ライブラリの互換性を確保したバージョンをリリースするのに適した時期であると同社は指摘している。現在の毎月のリリースサイクルを考えると、Android 12の最終リリースは9月になると思われる。

これまでと同様、ベータ版を導入するには互換性のあるデバイスが必要だ。以前のいくつかのプレビューリリースとは異なり、今回のリストには多くのGoogle以外のデバイスが含まれており、例えばシャープも6月9日よりベータプログラムに参加している。対応機器の全リストと、Google以外のデバイスでベータ版を導入する方法は、こちらからご覧いただける。

画像クレジット:Google

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAndroidAndroid 12ベータ版シャープOS

画像クレジット:SpVVK / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)