Android Autoの新バージョンは使いやすさと安全性を強化

Googleは車載用プラットフォーム、Android Autoのアップデートの配信を開始している。今回のバージョンはドライバーにとっての使いやすさと安全の向上を目指している。

このバージョンは2019年のGoogle I/Oで紹介されていた。ダークテーマ、新しいフォントと強調色、Googleのバーチャルアシスタントのさらなる活用といった新機能があり、車載用として増えつつある横長のディスプレイに対応している。

2015年にリリースされたAndroid Autoはオペレーティングシステムではない。オペレーティングシステムの上に重なっている二次的なインターフェイス、あるいはHMIレイヤーと言えるもので、スマートフォンのルック&フィールを車内の画面に対応させたものだ。

自動車メーカーは、かつてはAndroid AutoやアップルのCarPlayを車に取り入れることには慎重だった。しかしAndroid AutoのプロダクトマネージャーのRod Lopez(ロッド・ロペス)氏によれば、現在、Android Autoは50ブランド、500種類以上のモデルで利用できるという。

Android Auto対応の車のオーナーは、今後数週間以内に新しいデザインを目にすることになる。ただし、Android Autoと互換性のある車を所有していなくてもこのプラットフォームを利用できるスマートフォンアプリのAndroid Autoは、アップデートされない。Googleは、将来的にはスマートフォンアプリをAndroid AutoからGoogle Assistantの新しい運転モードへと「進化」させる計画であるとしている。

車載用バージョンには重要な変更がある。特に重要なのは、これまで以上に指先ではなく声でAndroid Autoを操作できるようになったことだ。また、Android AutoにはGoogle Assistantのバッジが表示され、これをタップするとカレンダーの情報を確認したり、天気予報やニュースを聞くことができる。

ほかには、何度もタップしなくてもよく使うアプリにアクセスできるアプリランチャーが登場する。画面左下のボタンからこの機能を利用できる。アプリランチャーの画面にはアプリのアイコンが表示され、よく使うものが上の行に並ぶ。

Android Autoでおそらく最もよく使われているカーナビ機能も改良されている。ナビゲーションバーが画面の下部に表示され、ほかのアプリを同時に使える。このため、Spotifyを聞いていても道を間違えることはなくなるだろう。

ナビゲーション機能は、ドライバーがAndroid Autoを接続するとすぐに表示される。スマートフォンでルートを調べてあれば、Android Autoは自動でルートを設定する。

この最新バージョンでは、右下に新しい通知ボタンもあり、電話の着信、メッセージ、アラートが記録される。ドライバーはマイクのボタンをタップするか「Hey Google」と話しかけてGoogle Assistantを呼び出し、電話の発信、メッセージの送信、通知の読み上げをさせることができる。

Googleは、Android Automotive OSというオペレーティングシステムも開発している。これはLinux上で動作する同社のオープンソースのモバイルオペレーティングシステムをモデルにしている。スマートフォンやタブレットではなく、車で使えるようにGoogleが手を加えた。ボルボ傘下のパフォーマンスブランドであるポールスターは新たに電気自動車のPolestar 2を生産するが、これにはAndroid Automotive OSを利用したインフォテインメントシステムが搭載される。

画像:Google

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(翻訳:Kaori Koyama)