Android 9を紹介する――Googleはニックネームを「パイ」に決定

 

Android 9の愛称はPie(パイ)に決まった。歴代Androidのニックネームの中で特にセンスの良さを感じさせるような名前ではないが、まあいいだろう。問題は機能そのものだ。実際Androi Pieには数々の重要な新機能が盛り込まれている。

Google Pixelを持っている幸運なユーザーは今日(米国時間8/6)からOTA(無線ネットワーク経由) でPieにアップデートできる。これまで端末でAndroidベータを使ってきた場合((Sony Mobile、Xiaomi、HMD Global、Oppo、Vivo、OnePlus、Essentialなどのデバイスですでにベータをインストールしている場合)、またGoogleが途上国市場で展開しているAndroid Oneを持っている場合も同様に今日からPieが利用できる。

それ以外のユーザーは、これまでと同様、製品のメーカーがアップデートを提供するまで待たねばならない。一部のメーカーでは年内にアップデートを出すだろうが、永久に出さないメーカーもあるだろう。

全体としてPieは健全なアップデートだといえる。唯一の不満はデフォールトでデジタル・ウェルビーイング機能がオンになっていないことだ。これは「スマートフォン中毒」を防止するためにGoogleが推進している努力の一環だが、Pieで利用するためにはベータテストに登録しなければならず、当面Pixel端末でのみ使える。Googleのハードウェア発表の時期は10月上旬が多い。そのあたりでデジタル・ウェルビーイングも正式にリリースされるのではないか?

ではAndroid 9 Pieにアップデートするとどういうことが起きるか説明しよう。 いちばん目立つのは新しいナビゲーション・システムだろう。ここ何代かのAndroidで標準だった3アイコンのナビゲーション(戻る、ホーム、オーバービュー)に代わって採用された新しいナビゲーションはほぼ常に表示され、もっと柔軟性が高い。ホームバーを押すとアプリをスワイプで切り替えることができる。オーバービューボタンを押してアプリをサムネール表示にする必要がない。ホームバーを上にスワイプすると最近使ったアプリがフルスクリーンでプレビューできる。またGooglはユーザーが使うかもしれないアプリの候補も表示する。もう一度上にスワイプするとインストールずみアプリの一覧画面になる。

このところPieを毎日使っているが、UIが従来のシステムより改善されたかどうか、まだ完全に納得するところまでいっていない。単に私が保守的で変化を嫌う性質なのかもしれないが、新しいスワイプ重視の方式がそれほど効率的だとは思えない。またホームバーをGoogleが期待するより何分の1秒か長く押しているとアプリの切り替える画面ではなくアシスタントが立ち上がってしまう。このあたりは慣れの問題だろうが、以前のシステムに戻すこともできる。

スワイプアップしたときのGoogleによる「おすすめアプリ」の表示はテクノロジーのデモとしては面白いが、実際に毎日使う上でさほど便利ではない。Googleはアプリの推薦にあたって機械学習を使っているのだろうが、「おすすめ」を表示する場所にユーザーが好みのアプリをピン留めできるようにしたほうがいいと感じた。Androidの「おすすめ」が見当外れということではないが、ベータ版を2世代にわたって使った結果、ここからアプリを起動したことはない。それと「おすすめ」アプリの大半はどのみちホーム画面に登録ずみだ。

ただし個人的な不平はその程度で、Android 9 Pieではほぼあらゆる部分が改良されている。だいなみなバッテリー管理システムもその一つでユーザーが頻繁に使うアプリを記憶し、バッテリーを長持ちさせることができる。面白いと思ったのは新しいバッテリー残量警告のポップアップだ。これにはたとえば「現在の残量は20%。充電は9:20pmごろ終了」などと表示される。これは実際に役立っている。

Googleは輝度調整も改良しており、ある環境におけるユーザーの輝度の好みを記憶して再現しようとする。Pie OSではデバイスの設定がひとまとめにされており、何をどう変えたかひと目で分かるようになったのは便利だ。音量ボタンの横にボリューム調整スライダーがポップアップするようになったのもナイスだ。

音といえば、コネクターを接続してバッテリーの充電を始めると小さい音がするようになった。使い勝手というのはこういう細部のデザインによるところが大きい。

テキスト選択ツールにも機械学習が利用されている。選択した内容によってユーザーが取る行動を予測しており、それが住所であればアプリの候補としてGoogleマップや情報共有のダイアログが示される。これの推薦には例によって当たり外れがあるが、私にとって役立つ改良は、テキスト選択ツールにズーム機能が付加され、自分が何を選択しているか拡大して確認できるところだ(もちろんiOSには以前から同様の機能がある)。

今回のアップデートの目玉に一つであるデジタル・ウェルネス機能、GoogleのDigital Wellbeingについて詳しく解説したいところだが、これは数日待っていただく必要がある。Googleの発表を紹介すると、ダッシュボードにデバイスを利用した時間が示される。App Timerでは、たとえばInsgramを指定して利用時間の上限を設定できる。設定時間を超えるとアプリはグレー表示となって起動できなくなる。Wind Down機能は「おやすみモード」で、就寝時間になるとDo Not Disturb状態になり、 デバイス自体がグレー表示となる。

PieにアップデートしてあればこのDo Not Disturbツールはすぐ使える。他のデジタル・ウェルネス機能はまずベータ登録をする必要がある。

現在はまだリリースされていない機能にSlicesがある。パイだからスライス(一切れ)になったのだろう)。これは秋に公開されるというので私も期待している。デベロッパー向けハイライト紹介によれば、Andoroidの検索バーから承認を受けたアプリ(楽曲再生や配車など)を起動できるというものだ。Googleないしアプリのパートナー側でまだ公開の準備が整っていないらしい。

と、こんなところがAndroid 9 Pieで目につく部分だ。ナイスなアップデートであることは間違いない。ただGoogleでは機械学習やAIをAndroidに組み込んだことを自慢していいるが、私にとってはさまざまな細部の改良が大いに役立っており、
快適さを増す最大の要因になっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Android P、最終ベータ発表――製品版公開は「夏の終わり頃」

グッドニュースだ。GoogleはAndroid Pのベータ4を公開した。これは先月のベータ3の発表に続くもので、正式発表を控えた最終ベータとなる。つまり(依然正式名称は不明だが)新しいAndroid OSが近く公開されることを意味する。Googleでは「夏の終わり頃」と約束している。

現在入手できる情報を総合すると、今回のビルドは一般公開版とほぼ同じで、これに含まれる機能をすべて備えているとみてよさそうだ。ベータ4は主としてデベロッパーを対象としており、製品版の出荷前にアプリの対応を確実にすることを狙っている。

Android Pには複数カメラやディスプレイの切り欠きのサポート、 通知の強化、ビットマップとドローアブルを生成できるImageDecoderの採用などOS新機能が多数含まれる。これらはアプリの作動の全ての局面に影響を与えることになる。Google I/OでAndroid Pが発表されたときのわれわれのの記事はこちら

ベータ4はAndroid Beta Programに登録していればデベロッパーに限らず、誰でもダウンロードして利用できる。互換性のあるデバイスを持っているなら、プログラムへのサインアップはこちらからできる。以前のベータ版をテスト中のユーザーにはこの後自動アップデートでベータ4が配布される予定だ。

最終ビルドが公開される日時については「近々」というだけでまだ正確な情報はない。Pが何を表すのかについても同様だ。Pで始まるお菓子やデザートの名前は無数にあるが、最近私はPop Rocksに傾いている。というか私は昔からPop Rocksキャンデーの大ファンだった。このあたりで Pop Rocksが買えるのはどこだろう?

ともあれ、詳しい情報ならこちら

画像:Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Android Pの最終バージョン直前のベータ、Beta 3がリリース

Popsicleか? Peppermintか? まだ公式の名前がないけど、Googleは今日(米国時間7/2)、Android Pの最終バージョンに近いと自称するBeta 3をリリースした。Beta 2の1か月後となるそれは、バグフィックスと安定性対策が主な内容だ。

これは、この夏の終わりごろと予定されている本番リリース直前の、最後の大型ベータだ。というわけなので今回は、大きな目立つ新機軸はない。それは、Beta 2で出尽くしてしまった。

Androidのエンジニアリング担当VP Dave Burkeが、関連のブログ記事で述べている: “デベロッパーのためのAPIはこの前のアップデートで確定した。今回のBeta 3では、Android Pの最終バージョンにきわめて近いものをお見せできる”。

APIが最終アップデート、ということはデベロッパーが自分のアプリを本格的にテストできる、という意味だ。システムツールとしては、マルチカメラや通知機能の強化、ディスプレイのカットアウト(切り抜き、長らくノッチと呼ばれた)、そしてImageDecoderなどがある。

このアップデートは今日から、Pixelを使えるデベロッパーに提供される。Beta 2がすでに動いているなら、アップデートは自動的に行われる。さらに7月19日のRedditのAMAでは、Android Pについて聞きたいことなら何でも答えてくれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Android PのBeta 2ではシステムイメージが更新され157の新しい絵文字を提供

Android Pは1か月前のI/Oカンファレンスで最初のベータをリリースし、今度はAppleのデベロッパーカンファレンスの最中の今日(米国時間6/6)、Beta 2を出してきた。このアップデートには、Googleのデベロッパープログラムに登録しているデベロッパーでPixelデバイスが使える人ならアクセスできる。すでにBeta 1をダウンロードしている人は、自動的にバージョンアップされる。

この最新のビルドではシステムイメージが新しくなり、デベロッパーツールもOSのアップデートに合わせて新しくなった。Adaptive Batteryが標準装備となり、システムリソースを濫費するアプリをDeepMindが教えてくれる。App Actionsでデベロッパーは自分のアプリを検索やGoogle AssistantやGoogle Launcherなどで目立たせることができる。そしてSlicesは、アプリの成分/要素をアプリを開かずにチェックできる。

157の新しい絵文字が加わったことも、特記すべきだろう。その中には性別を特定しない絵文字が2つ、ファミリーと、カップルをハートがつなぐ絵文字などがある(上図)。性別を特定しないAdult絵文字は、昨年初登場した。

またRed Hair(赤毛)とSuperhero(スーパーヒーロー)の絵文字(上図左2)は両性が用意され、肌の色が5種ある。クリームチーズをはさんだベーグル、ラマ、ロブスターもある(上図)。楽しそう。

改良された絵文字もある(上図)。それらはベーコン、亀、バッタ、サラダなどだが、サラダからは卵が消えて完全なヴィーガンになった。絵文字は、Android Pの最終リリースまでにさらにアップデートされるそうだ。

このアップデートの、デベロッパーのための詳しい情報はここにある

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Android PのBeta 2ではシステムイメージが更新され157の新しい絵文字を提供

Android Pは1か月前のI/Oカンファレンスで最初のベータをリリースし、今度はAppleのデベロッパーカンファレンスの最中の今日(米国時間6/6)、Beta 2を出してきた。このアップデートには、Googleのデベロッパープログラムに登録しているデベロッパーでPixelデバイスが使える人ならアクセスできる。すでにBeta 1をダウンロードしている人は、自動的にバージョンアップされる。

この最新のビルドではシステムイメージが新しくなり、デベロッパーツールもOSのアップデートに合わせて新しくなった。Adaptive Batteryが標準装備となり、システムリソースを濫費するアプリをDeepMindが教えてくれる。App Actionsでデベロッパーは自分のアプリを検索やGoogle AssistantやGoogle Launcherなどで目立たせることができる。そしてSlicesは、アプリの成分/要素をアプリを開かずにチェックできる。

157の新しい絵文字が加わったことも、特記すべきだろう。その中には性別を特定しない絵文字が2つ、ファミリーと、カップルをハートがつなぐ絵文字などがある(上図)。性別を特定しないAdult絵文字は、昨年初登場した。

またRed Hair(赤毛)とSuperhero(スーパーヒーロー)の絵文字(上図左2)は両性が用意され、肌の色が5種ある。クリームチーズをはさんだベーグル、ラマ、ロブスターもある(上図)。楽しそう。

改良された絵文字もある(上図)。それらはベーコン、亀、バッタ、サラダなどだが、サラダからは卵が消えて完全なヴィーガンになった。絵文字は、Android Pの最終リリースまでにさらにアップデートされるそうだ。

このアップデートの、デベロッパーのための詳しい情報はここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Androidの新しいジェスチャーはiPhone Xそっくり

Googleは、Android次期バージョンの新機能の一部をデベロッパー会議で披露した。その中にとりわけ馴染みのある機能があった。Android Pにはアプリ間を行き来するナビゲーションに新しいジェスチャーが加わる。その動きはiPhone Xそっくりだ。

Android Pには、われわれが1年以上前から研究してきた新しいナビゲーション方式を導入する」とAndroidのエンジニアリング担当副社長、Dave Burkeが言った。「新デザインによってAndroidのマルチタスキングは、これまでより使いやすく理解しやすくなるだろう」

おそらくGoogleは新しいマルチタスキング画面を1年間検討してきたのだろうが、Appleをコピーしなかったとは信じ難い。iPhone Xは2017年9月に発表された。

Android Pでは、従来のホーム、戻る、およびマルチタスクのボタンがなくなっている。画面下端の中央には薄い横長のボタンが1つだけある。このボタンを上向きにスワイプすると、マルチタスク画面になって最近使ったアプリの一覧が表示される。画面を左右にスワイプすれば目的のアプリを選ぶことができる

もう一度上にスワイプすると、推奨アプリの並んだアプリドロワーが画面上端に表示される。いつでもボタンをタップすればホーム画面に戻れる。これらのジェスチャーはアプリを使っているときにも機能する。アプリの中では左下隅に戻るボタンが追加される。

薄いボタンを左右にスワイプすると隣のアプリに切り換えられる。これはiPhone Xと全く同じだ。複数のアプリをめくっていくこともできる。指を離すと選んだアプリに移動する。

Android Pベータは何種類かのデバイス向きに今日から入手できる。エンドユーザーには今後数カ月のうちにこの新バージョンがやってくる。

iPhone Xのジェスチャーは驚くほどエレガントで効率的なのでGoogleの選択を責めることはできない —— そしてもちろん、あのPalm Preによく似ていることもわかっている。iPhone Xを使ったあと現行バージョンの動くAndroid機を使うと、最近使ったアプリに移動するのに複数回のタップが必要なためずっと遅く感じる。

変化をもたらしたのはAppleであり、どのスマートフォンもiPhone Xのように動作すべきことは明らかだ。それでもGoogleが何か言われるのは仕方のないことだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook