IoTのベースOSとなるAndroid Things、ベータを脱して1.0をローンチ、I/O前日に発表

今日(米国時間5/7)Googleは、同社のIoT開発プラットホームAndroid Thingsがベータを終えた、と発表した。8つのリリース候補のうち、最後のは1か月足らず前にローンチし、そして今やAndroid Thingsは完熟のようだ。ベータのときから何社かが実際に製品を作り始め、またGoogleのAndroidスマートディスプレイのローンチパートナーたちも、このプラットホームがベースだ。

Android Thingsはハードウェアとソフトウェアのデベロッパーに、さまざまなIoTデバイスを作るためのSDKを提供する。またGoogleは、Raspberry Piなどハードウェアメーカー数社とパートナーしてデベロッパーキットを提供しており、さらに、デバイスを管理したり、プロトタイプや本番製品をネット経由でアップデートするためのデベロッパーコンソールも提供している。

つまりハードウェアのメーカーにIoT用のオペレーティングシステムを提供するんだけど、その管理はGoogleがやるので、デベロッパーは自分の製品づくりに専念できる。システムやそのメンテナンスを、気にせずにすむ。Googleは安定性向上のためのフィックスとセキュリティパッチを3年間提供するが、その延長契約も可能だ。

Googleによると、プレビューの段階でSDKは10万以上ダウンロードされた。そしてベータの間には、デベロッパーからのフィードバックが1万あまり得られた。

非商用のユーザーは最大100までのデバイスをAndroid Things Consoleで管理し、製品の市場展開ができる。デバイスが100を超えたり、商用製品を展開することになったら、Googleとの正式な契約が必要だ。

今日のローンチの一環としてGoogleは、二つのSystem-on-Modules for Thingsのサポートを発表した。それらのベースは、NXP i.MX8M, Qualcomm SDA212, Qualcomm SDA624, MediaTek MT8516だ。これらよりも前に、Raspberry Pi 3 Model BとNXP i.MX7Dデバイスはすでにサポートされている。ただし、NXP i.MX6ULのサポートは終了した。

GoogleのデベロッパーカンファレンスI/Oが明日から、というその一日前にAndroid Things 1.0の発表をするのは、なんか変だが、今日から行われるMicrosoftのカンファレンスBuildでもIoTが強調されるらしいから、Googleも発表をできるだけ早めたかったのだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

QualcommのLTE統合Snapdragon 210がGoogleのIoT OS、Android Thingsをサポートへ

0iizdu3

12月にAndroid Thingsを立ち上げたときGoogleは、そのAndroidベースのIoTオペレーティングシステムのための、ハードウェアパートナーをいくつか発表した。それらは、Intel Edison, NXP Pico, Raspberry Pi 3などだ。当然仲間に加わりたいQualcommは、Googleの発表に対し独自の、率直だけれどちょいと曖昧な応答をリリースした: 題して、“QualcommはAndroid Things OSに関しGoogleと協力して、迅速でスケーラブルでセキュリティにフォーカスしたIoT開発を推進して参りたい”。

と、いうわけでした。

さて、Mobile World Congressが間近に迫った今日このごろ、同社は、やや具体的な意図を明らかにして、そのSnapdragon 210チップが生まれたばかりのIoT OSをサポートし、このプロセッサーに統合されているLTEのサポートにより、ビデオカメラや決済システム、電子看板などのデバイスを動かす力になりたい、と発表した。

このサンディエゴのコンポーネントメーカーは、IoTの消費者的側面をとくに意識しているようで、Google Cast Audioのサポートや家庭用の器具類、スマートアシスタントなどに210チップを持ち込もうとしている。関連して言語処理や画像分析、データ処理などの機能もクラウドではなく、ハードウェア上でサポートする意向だ。

これらのサポートが具体化する今年後半にはこれが、LTE内蔵のプロセッサーが新しいIoT OSをサポートする最初の例になる、とQualcommは考えている。なお、来週のMobile World Congressでは、早くもこれらの技術のデモを行う。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、新IoTプラットフォーム、Android Thingsをデベロッパー向けにプレビュー公開

2016-12-14-google-iot-hero

今日(米国時間12/13)、Googleは新しい総合的IoT〔モノのインターネット〕のプラットフォーム、 Android Things発表した。デベロッパーはこのプラットフォームとAndroid APIその他の Googleのサービスを利用することで各種のスマートデバイスを開発できる。Android Thingsはデベロッパー・プレビューとして現在利用可能だ。

要するにAndroid版のIoTで、Googleが以前に発表したBrillo(これもAndroidベースだがデベロッパーからはまったく支持されなかった)を中心にして、Android Studio、Android SDK、Google Playのサービス、Googleクラウドなどが統合されている。Googleの IoTコミュニケーション・プラットフォームであるWeaveのサポートもロードマップに入っており、近くデベロッパー・プレビューが公開されるはずだ。Weaveは(Brilloと共に)AppleのHomeKitに対するGoogleの回答だ。

Googleの広報担当者が私に話したところによると、Android ThingsはBrilloの進歩形であり、GoogleがBrilloの開発で学んだことが生かされているという。GoogleはBrilloのユーザーすべてを把握しており、新しいAndroid Thingsへの移行を手助けするという。

android-things-logo

Googleは多数のハードウェア・メーカーと提携しており、 Intel Edison、NXP Pico、Raspberry Pi 3などをベースにしたデバイスがサポートされる。これらのデバイスに対するOSのアップデートとセキュリティー・パッチの配布に必要なインフラも近く整備するというのは興味ある点だ。

これに加えてGoogleは多数のスマートデバイス・メーカーが Weaveを支持していることを明らかにした。Belkin WeMo、LiFX、Honeywell、Wink、TP-Link、First AlertがGoogleのIoTプロトコルを採用し、デバイスがGoogle Assistantなどのサービスを利用することができるようになる。またWeaveプラットフォームはアップデートを受け、SDKはト照明器具、スイッチ、プラグ、サーモスタットなどのスマート化のサポートを含むようになった。これ以外にも多数のデバイスのサポートが近々追加されるという。Weaveには管理コンソールの追加やGoogle Assistantへのアクセスの改善なども行われるされる予定だ。

Googleの IoTプラットフォームはこれまで異なった考え方やプロトコルのごたまぜ状態でデベロッパーにとって好ましい環境とは言えなかった(2011年のAndroid@Homeを覚えているだろうか?)。Googleはやっと統一的、総合的なアプローチに戻ってきたようだ。Nest WeaveというNestがNestのために開発したサービスもWeaveプラットフォームの中に位置づけられた。GoogleのIoTから重複が多い複雑なサービス体系が追放され、しっかりしたプラットフォームが登場したの―すくなくとも当面―朗報だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+