ウォルマートが(誤って予定より早く)低価格FHDストリーミングスティックと4Kプレイヤーを公開

Walmart(ウォルマート)は、自社ブランドの低価格なAndroid TVストリーミングスティックの商品リストを発売前に誤ってウェブサイトに掲載してしまい、併せて近日発売予定の4Kストリーミングデバイスも見つかってしまうというアクシデントに見舞われた。TechCrunchがウォルマートに確認したところ、これらの製品は来週、店舗とオンラインで正式に発売されるとのことだが、ウェブサイトでは予定よりも少し早く公開されてしまったようだ。

この低価格ストリーミングスティックは、米連邦通信委員会(FCC)の認証リストに記載されていたことから、その存在が2021年初めにリークされていたものの、ウォルマートのオンラインストアに掲載されていた価格が、24.88ドル(約2740円)という驚異的な安さだったために人々の注目を集めた。これは、ウォルマートのパートナーであるRoku(ロク)の製品を含め、他のストリーミングスティックに匹敵する、あるいはそれらを下回る低価格だ。

Rokuは現在、ウォルマート専売の製品ラインを製造しており、その中で最も安いプレイヤー「Roku Express 4K(ロク・エクスプレス4K)」は34.99ドル(約3860円)という価格で販売されている。一方、Google(グーグル)のエントリーモデルであるChromecast(クロームキャスト)は29.99ドル(約3300円)、Amazon(アマゾン)のFire TV Stick(ファイヤーTVスティック)で最も安いFire TV Stick Lite(ファイヤーTVスティック・ライト)は24.99ドル(約2750円)となっている。

ウォルマートのストリーミングスティックは、同社の電子機器ブランド「onn.」から発売されるもので、この種の低価格デバイスに期待される仕様に沿った製品になっている。FHD(フルHDという意味、つまり1080p)、Dolby Audio(ドルビーオーディオ)に対応し、Android TVスタイルのリモコン(電池付属)、HDMI延長ケーブル×1、ACアダプター×1、USB-マイクロUSBケーブル×1が同梱される。

画像クレジット:Walmart

オペレーティングシステムとして搭載されているAndroid TVは、一般的なテレビを簡単にスマートテレビに変身させることができ、動画配信サービス各社のストリーミングアプリを利用したり、Googleアシスタントを使って声でテレビを操作することが可能になる。スマートフォンなどから写真やビデオ、音楽などのコンテンツをテレビに「キャスト」する機能も備えている。ユーザーはAndroid TVのインターフェースから70万本以上の映画やテレビ番組にアクセスできる。

付属のリモコンには「Googleアシスタント」ボタンの他「YouTube(ユーチューブ)」「Netflix(ネットフリックス)」「Disney+(ディズニープラス)」「HBO Max(HBOマックス)」の専用ボタンが用意されている。

ウォルマートのスティックは、リビングルームの大画面に使うようなものではないかもしれないが、子ども部屋やゲストルームにあるような(つまり最高のスペックがそれほど必要ではない)重要度の低いテレビに付加するのに適していると言えるだろう。

一方、ウォルマートは4K Android TVストリーマーの「onn. UHD Streaming Device(オンUHHDストリーミング・デバイス)」という製品で、ストリーミング市場のハイエンドにも対応する。こちらも予定より早く発表されてしまった。価格は29.88ドル(約3290円)となっている。

画像クレジット:Walmart

全体的なコンセプトは変わらないが、4Kストリーミングへのアップグレードを手頃な価格で提供する製品と言える。

ウォルマートのonn.ブランドでは現在、テレビ、ヘッドフォン、ポータブルスピーカー、タブレット、その他のアクセサリーなど、さまざまなデバイスを取り扱っている。Rokuもこのonn.ブランド向けとして、Smart Soundbar(スマート・サウンドバー)とWireless Subwoofer(ワイヤレス・サブウーハー)の低価格版を製造している。

ウォルマートは、この新しいストリーミング機器を、来週から店舗およびオンラインで販売開始するための準備中であることを認めた。ウェブサイトでは現在、在庫切れまたは一部のデバイスのみ在庫ありとなっているが、実際には十分な在庫が用意されていることを同社は保証している。なお、これらの製品は「テスト」販売ではない。

ウォルマートによる新デバイスの公式スペックは以下の通り。

onn. FHD Streaming Stick

  • Android TV OS
  • 内蔵のChromecast機能を使用して、Chromecast対応アプリをテレビにキャスト可能
  • 最大でフルHDの解像度でストリーミング再生が可能、ドルビーオーディオ対応
  • Googleアシスタントを搭載し、テレビの操作やコンテンツの検索が可能
  • Netflix、Youtube、Disney+、HBO Max、Hulu、Prime Videoなど、お気に入りのストリーミングアプリにアクセス可能
  • WiFi:2.4 GHz/5 Ghz 802.11 a/b/g/n/ac
  • 入力:AC 100-240V 50/60Hz
  • 出力:DC 5V/1A

同梱品

  • FHD TV Streaming Stick ×1
  • リモコン(電池含む)×1
  • HDMI延長ケーブル ×1
  • ACアダプター ×1
  • USB-マイクロUSBケーブル(1.5m) ×1
  • クイックスタートガイド ×1

onn. UHD Streaming Device

  • Android TV OS
  • 内蔵のChromecast機能を使用して、Chromecast対応アプリをテレビにキャスト可能
  • 最大4K超高精細解像度のストリーミングが可能、ドルビーオーディオ対応
  • Googleアシスタントを搭載し、テレビの操作やコンテンツの検索が可能
  • Netflix、Youtube、Disney+、HBO Max、Hulu、Prime Videoなど、お気に入りのストリーミングアプリにアクセス可能
  • WiFi:2.4GHz/5GHz 802.11 a/b/g/n/ac MIMO
  • 入力:AC 100-240V 50/60Hz 250mA
  • 出力:DC 5V/1A

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Android TV OSの月間アクティブデバイスが8000万台に到達、新機能も発表

米国時間5月18日、Googleは開発者会議「I/O」でTVプラットフォームの最新情報を公表した。同社によると、2020年後半に登場したChromecastのGoogle TVやスマートテレビなどのプラットフォームを含めて、Android TV OSの月間アクティブデバイスは8000万台を超えた。また同社は、利用者向けのリモコン機能の他、キャスティングやエミュレータなどの開発者向けアップデートといったAndroid TV OSにこれから登場する新機能も紹介している。

Googleは2021年秋にGoogle TVエクスペリエンスを発表してAndroid TV OSの位置づけを変更した。新しいGoogle TVは裏側ではAndroid TVが動作するもので、Chromecast with Google TVやソニーのスマートテレビ、そして近々一部のTCLのテレビに搭載される。GoogleはI/Oイベントで月間アクティブデバイス数が8000万台に達したと発表した際に、Android TV OSの成長の80%以上は米国からのものだと述べた。

関連記事:新Google TVが登場、ストリーミング、ライブテレビ、検索などを単一のUIに統合してChromecastに搭載

Googleが発表した節目の数字では、Android TV OSがRokuやAmazon Fire TVといったライバルより先行しているように見えるかもしれない。月間アクティブアカウント数はRokuが5360万、Amazon Fire TVが5000万以上だ。しかしこれは数え方が違う。

Android TV OSの数字は、月内に利用されたデバイスの数をカウントして計算されている。つまり1人のユーザーが複数のデバイスを持っていれば別のデバイスとしてカウントされ、複数の家族が1台のデバイスで見ていれば1台とカウントされる。

RokuとAmazonは月間アクティブユーザーを、月内に利用された「アカウント」と定義している。つまり、あるアカウントが複数のデバイスにストリーミングしても、1つとカウントされる。もしRokuやAmazonがGoogleと同じ方法でアクティブなデバイスを計算すれば、数字はもっと増えるだろう。

さらに、RokuとAmazon Fire TVはそれぞれの企業が提供しているデバイスのラインナップとパートナーが提供する一部のテレビで利用でき、一方でGoogleのAndroid TV OSのデバイスやサービスはテレビやストリーミングデバイスのブランドパートナーとテレビサービスプロバイダでも利用できる。つまり全体の数字にAndroid TV OSが動作する事業者の分やセットトップボックスも含まれるということだ。これは市場の種類が異なる。

同日にGoogleはAndroidにリモコン機能を追加することも発表した。このためユーザーはリモコンが見当たらなくなってもテレビを操作できるようになる。この機能が登場するのは2021年後半の予定で、ユーザー名やパスワードを入力したり長いタイトルを検索したりするのが楽になるとGoogleは説明している。Google TVを含めAndroid TV OSの全ユーザーがこの機能を利用できるようになる。

画像クレジット:Google

一方、GoogleはAndroid TVエクスペリエンスの開発者向けにも今後登場する新機能をいくつか発表した。Cast Connectは、ユーザーがスマートフォンやタブレットのChromeブラウザからAndroid TVアプリにキャストできる機能だ。Stream Transferはユーザーがメディアを別のデバイスに転送する機能、Stream Expansionは複数のデバイスでオーディオを再生する機能だ。

画像クレジット:Google

GoogleはAndroid 11で動作する初のGoogle TVエミュレータと従来のAndroid TVエクスペリエンスを備えたAndroid 11のイメージも提供する。開発者はエミュレータ内で直接、テレビのリモコンにもっと近いリモコンを使うこともできる。

開発者からの要望に応えて、Firebase Test LabにAndroid TVのサポートも追加する。提供開始当初はFirebase Test Lab Virtual Devicesとしてクラウド内の開発者のアプリをAndroid TVエミュレータ上で実行し、数百台、あるいは数千台のバーチャルデバイスでテストをスケールすることができる。物理的なデバイスのサポートは近日中に開始される。

画像クレジット:Google

最後に、米国時間5月18日からAndroid 12ベータ1がADT-3 Developer Kitでテレビ用として利用できるようになる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)