YouTube、動画に挿入するカードを導入―関連サイト表示、商品宣伝、資金調達などが可能に

YouTubeは何年も前から、投稿者がビデオ上にクリック可能なテキストを挿入するためにアノテーションという機能を提供してきた。これは動画に情報を補足し、視聴者の関与を促進させるのに役立っている。YouTubeは今日(米国時間3/16)、新たにカードと呼ばれる新機能をローンチした。この機能はモバイルを含めた多くのデバイスをサポートしており、最終的にはアノテーションを置き換えることになるようだ。

YouTubeのブログによれば、カードは「アノテーションの進化形態」だという。アノテーションと同様、補足情報や関連する外部コンテンツへのジャンプ手段を与えるものだが、カードはその名前のとおりカード式インターフェイスを利用する。小さい長方形のカードにコンパクトに情報を詰め込むのは最近GoogleがGoogle+やGoogle Nowで多用している手法だ。YouTubeのカードではクリック対して多様な動作を設定できる。

現在すでに提供されているカードは6種類〔日本版説明〕ある。カードを設定するには 「動画の管理」から「編集」、「カード」を選択する。カードの種類として Merchandise(商品紹介)Fundraising(資金調達)Video(動画)Playlist(再生リスト)Associated Website(関連ウェブサイト)Fan Funding(視聴者ファンディング)が用意されている。これらのカードはデスクトップでもモバイルでも表示されるという(ただしプラットフォームによって見え方が異なる可能性がある)。ビデオ制作者はカードの種類ごとに許されたジャンプ先URLを入力し、テキストや画像などを付加してカスタマイズできる。

制作者が指定したタイミングで、カードはまず小さなカードティーザーとして数秒表示される。視聴者がティーザーをクリックするとカード本体が表示される仕組みだ。またデスクトップの場合は画面にマウスを載せたとき、モバイルの場合にはビデオ再生コントロールが表示されたとき、画面に小さいアイコンが現れ、クリックするとビデオ内に設定されたすべてのカードをスクロールして閲覧できる。

視聴者がティーザーを無視するとカードは表示されず、再生は続行される。

YouTubeでは「将来はシステムが視聴者の行動に関する情報をベースにしてもっと有効なカードを選び、効果的なタイミングでティーザーを表示できるようになるだろう」と述べている。

カードに対する視聴者の反応はYouTubeアナリティクスを通じてリアルタイム・ストリーミングで報告される。

現行のアノテーションも当面は継続されるが、YouTubeは最終的にはアノテーションを完全にカードで置き換える計画だ。ただしそのためには最低限、現在アノテーションでできることがすべてカードでできるようにならなければならない。YouTubeでは今後カードに必要とされる機能についてユーザーからのフィードバックを求めている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


どのWebページにも注釈や付箋紙, 強調表示のできるDiigoがデザインを一新

【抄訳】

ソーシャルブックマーキングとWebアノテーションとリサーチツールを提供しているDiigoが今日(米国時間8/19)、そのデザインを一新した。このサイトは登録ユーザが700万おり、これまでずっと自己資金だけでやっってきたが、そろそろ利益を出したいと考えている。同社のファウンダは本誌TechCrunchに、Diigoはまだ健在である、という単純な事実を告げた。この分野は、やめてしまったサイトが圧倒的に多いが、Diigoの健在ぶりには、何か学ぶべきものがあるはずだ。

Diigo(Dee’go, ディーゴゥと発音する) は2005年にオンラインブックマーキングサイトとしてローンチしたが、すぐにWebページのハイライト機能(カラーマーキングによる強調表示)や付箋紙をつける機能を加えて、アノテーション(annotation, 注釈付け)の能力も持った。当時本誌TechCrunchのファウンダMichael Arringtonは、Diigoは好きだけど、類似サイトが多い中で“予選を通過する”のが難しいだろう、と書いた

それから8年後の今日を見ると、たしかに、予選通過者は少ない。Hypothes.isの調査によると、アノテーションツールを作ろうとした56社のほとんどが、閉鎖、休眠、あるいは伸び悩んでいる。わりと好調なのは、Diigo、MendeleyDocumentCloudRapGeniusGoodreaderの計5社だ。ただしMendeleyとGoodreaderは、アノテーションがメインではない。Rapgeniusは自分のサイトにアノテーションできるだけだが、DiigoはWeb全体に対してできる。

Diigoの会長でファウンダのWade Renによると、Diigoと、VCが投資しているRapgeniusだけがアノテーションの分野で生き残った理由は、両者とも、アノテーションがメインのビジネスの一部にすぎないからだ。Rapgeniusはアノテーションを使ってデスティネーションサイトを作っている。Diigoではアノテーションが、パーソナルナレッジ管理のためのリッチなツールの一部だ。Renによると、彼は、アノテーションだけではうまく行かないことを学んだ。だから今ではDiigoには、ソーシャルブックマーキングやコラボレーションによるリサーチ、スクリーンショット、画像の保存、ページのキャッシング、などなどいろんな情報管理ツールがある。

知っている人は少ないが、Webをアノテーションするという考えが、Googleをその後の成功に導いた。2003年にGoogleのファウンダLarry Pageは、こんなことを喋っている(Diigoのページ上でハイライト化…これがDiigoの共有機能の例だ):

“そもそもわれわれは、検索エンジンを作ろう、と思ったわけではない。最初に作ったのは、アノテーションのためのランク付けシステムだった。Webをアノテーションしたい、と思ったのだ。ユーザがどこかのページを見てアノテーションボタンをクリックすると、ほかの人たちがそのページについて言っている優れたコメント*が見られるようにしたかった”。

〔*: 今のようなそのページの正規のコメントではなくて、多くのビジターによるアノテーション。いわば、“分散外付けコメント”。〕

そのランク付けシステムはPageRankとよばれ、Pageによると、“PageRankはアノテーションよりも検索に便利だ、と気づいたのは、ずいぶん後のことだ”。

Diigoの一新されたサイトは、すっきりとして使いやすくなった。検索が大幅に改良され、ブックマークしたページの全文検索もできる。ロゴも変わり、ChromeブラウザのエクステンションDiigo Web Collectorもデザインを変えた。

このツールを使ってユーザは、Webページ上に付箋紙を付けたり、ページの一部をハイライトできる。将来そのページを訪れたときも、それらのノートやハイライトは生きている。それらのDiigoでブックマークしたページは、再度訪れると赤いマークが付いており、スクロールバーの横の黄色いドットをクリックすると、ハイライトした箇所へジャンプする。EvernoteのようにGoogle検索との連動機能もあるので、Google検索からDiigoしたページを見つけることも容易だ。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))