蟻のコロニーを研究するともっと良いネットワーク分析ができる…MITの研究より

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蟻は、多くのことが上手だ。物を持ち上げる、コミュニケーションする、ピクニックを台無しにする。彼らが彼らの科学に基づいた投票を行うことも、明らかになっている。巣を移動する時が来ると、この小さくて勇敢な昆虫は、選ばれた議員たちによる投票をする。その民主的な過程は、すくなくともある部分、お互いがぶつかり合うことによって決められる。

(人間の)科学者たちは、蟻が自分たちの環境を探検するとき、どれだけ他の集団にぶつかるかによって、自分たちの人口密度を決める技(わざ)を持っている、と信じている。そのランダムな探検が結果的には、一定のスペースにどれだけ多く存在しているかを知るための、最良の方法なのだ。

“今われわれは、その直観の背後にあるものを厳密に分析しようとしている。彼らが行う推計は、ちょっとした雑な推計ではなくて、きわめて良質な推計なのだ”、とMITの電気工学とコンピューターサイエンスの院生Cameron Muscoは説明する。今彼は、この主題に関する新しいペーパーを査読中だ。“時間の関数として、それはだんだん正確になる。そして最後には、これ以上は無理と思われるほど速くなる”。

彼のペーパーは、このような“ランダムウォーク”による探検が、ネットワーク通信のアルゴリズムの基盤を提供し、ソーシャルネットワークやアドホックなデバイスによるネットワークなど、いろいろなネットワークの推計に利用できる、と主張している。とくに、さまざまな理由でランダムな標本(サンプリング)が得られないような場合のデータの決定に役に立つ、という。ランダムウォークのシナリオでは、蟻などの“探検者”が、グラフ上の任意の隣接セルを訪れる確率が、どのセルに関しても等しい。しかもこの方法は、人口密度の決定が、サンプリングによる方法と変わらないぐらい速いから、研究者たちは驚いている。

Muscoは曰く、“グリッドのまわりをランダムに歩いて行くと、グリッドを斜めに横切らないから、すべての人とぶつかることはない。だからグリッドの遠い端の方にいる誰かは、ぼくとぶつかる確率がゼロに近い。でも、そんな連中とぶつかる確率は低くても、ローカルな連中とぶつかる確率は高い。ローカルな連中との遭遇をすべて数えることによって、自分が決してぶつかることのない遠方の連中がいることを、判定する必要があるのだ”。

画像提供: MIT

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))