電動キックボードシェア「mobby」が神戸メリケンパークで実証実験

電動キックボードのシェアリングサービス「mobby」(モビー)を展開するmobby rideは7月9日、神戸市が主催するスタートアップ提案型実証実験事業「Urban Innovation KOBE+P」に採択されたことを発表した。8月9日に市内のメリケンパークにて体験会を開催する。Urban Innovation KOBE+Pは、起業やスタートアップを支援することによって神戸経済の活性化、社会・行政課題の解決を目指す神戸市の事業だ。

mobbyは、国内外でペイメントやカーシェアリングの事業を展開しているAnyPayの新規事業として立ち上がり、6月1日にmobby rideとして分社化。日本国内でのシェアモビリティ事業の拡大を目指す。昨年12月にはAnyPayとして、福岡市が主催する「実証実験フルサポート事業」に採択されており、同市での実証実験も進めている。

電動キックボードは欧米では手軽な移動手段としてさまざまな地域でサービスが展開されているが、日本国内では道路交通法の規定により公道の走行には一定の制約がある。神戸市ではmobbyの実証実験によって、電動キックボードも含めた次世代のモビリティ導入による回遊性や経済波及などの効果検証を進めていく。

体験会の詳細は以下のとおり。

場所:メリケンパーク(兵庫県神戸市中央区波止場町2−2)
日時:8月9日(雨天の場合は日8月10日)
開催時間:10時〜16時の間
料金::無料
身長制限:20cm~200cm
体重制限::25~100kg
年齢制限:16歳以上~60歳未満推奨
服装:キックボードに乗るうえで安定性が保たれるもの(ヒール、サンダル等は禁止)

AnyPayのわりかんアプリ「paymo」がサービス終了、わりかん代金の請求は12月13日まで

決済領域やブロックチェーン領域で複数のビジネスを展開するAnyPayは11月29日、同社が2017年1月より提供していた、わりかんアプリ「paymo」のサービス提供を終了すると発表した。本日より段階的に各機能が停止し、2019年5月30日に正式終了となる見通し。

paymoは、居酒屋やレストランでの食事などを参加メンバーで“わりかん”するときに便利なわりかんアプリ。ユーザーはアプリをダウンロードしてユーザー登録を済ませれば、本人確認なしでサービスを利用できることが特徴だ。paymoについての詳しい説明はサービスリリース時に僕たちが公開したこちらの記事を参考にしてほしい。

AnyPayはこれまでに、決済事業やブロックチェーンをはじめ、2017年に立ち上げた投資事業を通してモビリティ領域を中心とする国内外のシェアリング市場への投資を行ってきた。同社は今後、決済事業のリソースを法人向けURL・QRコード決済サービスの「paymo biz」に集約し、投資事業や新規事業創出へのコミットメントを増やす構えだ。

paymoは本日15時より新規会員登録を停止。続いて12月6日に他のユーザーにわりかん代金を請求する新規取引を停止し、12月13日には全取引を停止して請求・支払いリクエストの作成ができなくなる。この日までに割り勘代金を回収できていないリクエストはキャンセルされるので注意が必要だ。アプリに溜まったお金を引き出しできるのは2019年4月25日までとなっており、5月30日には正式にサービスが終了する。

AnyPayの新会社、110億円の投資対象はインドの“自動車”ーーシェアされるあらゆるモノに投資

わりかんアプリ「paymo」などを提供し、連続起業家・投資家の木村新司氏が会長を務めるAnyPay。同社は11月22日、2017年より開始した投資事業を切り離し、新しく投資会社を設立すると発表した。Habourfront Capital(以下、ハーバーフロント)と名付けられたこの新会社は、ちょっと変わった存在だ。投資対象は、Airbnbなどシェアリングエコノミー関連のスタートアップ。でも、彼らはその企業の株式ではなく、そのサービス上でシェアされる“モノ”に投資をする。

ハーバーフロントにとって初めての投資案件となったのは、インドで“クルマ版Airbnb”を提供するDrivezyだ。同サービスは、ユーザーが自身の保有する車両(クルマやバイク)をプラットフォームに掲載し、他のユーザーに貸し出すことで収益を得ることができるシェアリングエコノミー型のサービスだ。Airbnbは不動産を貸し出せるプラットフォームだが、その代わりにクルマを貸し出すと考えれば分かりやすいだろう。

Drivezyの特徴は、貸し出す車両にGPSなどを搭載した専用モジュール積むことで貸し出し中のクルマのデータを細かく取得しているという点。車両保有率が約7%と低いインドではクルマは高価な資産であり、ゆえに盗難などのリスクが付きまとう。GPSなどでそのようなリスクを軽減するとともに、ガソリンの残量など車両状態のデータも取得している。そのため、ユーザーはアプリを開くだけでどこにどんな状態のクルマがあり、それをいくらで借りれるのかが一目瞭然で分かるというわけだ。

このような特徴からDrivezyは順調に成長を続けている。2015年の創業以来、サービス利用可能都市はインド国内11箇所に拡大。累計で30万人のユーザーが同サービスを利用した。投資家からの注目も熱い。Drivezyは2018年8月にシリーズBで1430万ドルを調達。この調達ラウンドをリードしたのは韓国の自動車メーカーHyundaiだ。そのほか、Y CombinatorやGoogleなどからも資金を調達。AnyPay会長の木村新司氏の投資会社Das Capitalもシードラウンドからすべてのラウンドに参加している。

しかし一方で、プラットフォームに掲載されている車両台数はいまだ1000台程度(米国TechCrunch取材時)と、十分な水準ではないのも確かだ。車両を供給するのは一部の富裕層や元Uberドライバーなどに限られ、供給が不足している状態だという。Drivezyもそれを把握しており、Hyundaiなどと手を組むことで車両数を今後約1年間で1万〜1万2000台までに増やす計画を明かしていた。そこで登場するのが、今回の主役であるハーバーフロントというわけだ。

シェアされるあらゆるものに投資

ハーバーフロントはDrivezyに供給する車両それ自体を「投資性資産」とみなし、今後3年間で110億円を投入して車両自体を購入。それをDrivezyのプラットフォーム上に掲載する。通常のフローと同じく、Drivezyユーザーがその車両をレンタルすればハーバーフロントに収益が入る。ハーバーフロントはTechCrunch Japanの取材に対し、この投資によってどれほどの収益率を見込んでいるのかは明かさなかったが、「新しいサービスであること、インドというカントリーリスクがあることなどを考えれば、既存の国内不動産ファンドが投資可否の判断をするIRRよりも高い水準であることは間違いない」(ハーバーフロント代表の中川渉氏)と話す。

ハーバーフロントを率いる中川氏は、コールマン・サックス証券の投資銀行部門でM&A業務や資金調達業務などに携わり、不動産のシェアリングサービスなどを手がけるSQUEEZEの創業メンバーとして取締役COOを勤めたあと、AnyPayの投資部門に転籍した。そして今回、そのAnyPayの投資部門を丸ごと新会社として切り出す形でハーバーフロントが生まれた。

ハーバフロントの投資対象は技術的な強みをもつシェアリングエコノミー関連企業だということだが、今後もエクイティを通した出資は行なわず、シェアされるアセットそのものへの投資に特化していくという。これは個人的に、シェアリングエコノミーの新時代が始まったと感じる話だった。

シェアリングエコノミーはそのサービスの性質上、世界中のすべてのものを投資性資産に変える力をもつ。シェアリングエコノミー型サービスの誕生により、時計やパソコン、机、服、クルマなどの有形資産だけでなく、時間やスキルなど無形のものまでありとあらゆるものがシェア可能になった。そして、それを他人にシェアして収益を得られるのであれば、それは立派な「投資対象」となる。

これまで不動産ファンドなどが所有する物件をAirbnbなどのプラットフォームに載せて収益化するという事例があったが、僕が知る限り、あらゆるシェアリングエコノミー型サービスを横断的に投資対象とする「シェアアセット特化型ファンド」はハーバーフロントが初めてだ。彼らのような投資企業が生まれたのも、それだけシェアリングエコノミーが成熟し、人々の生活のなかに「シェアする」という概念が根付いた証拠だと言える。

シェアリングエコノミー型サービスは、ユーザーと並行して、シェアされる資産を早急に集める必要がある。登録したはいいが、利用できるケースが限られていればユーザーから見放されてしまう。「ユーザー」と「シェアアセットの供給者」は、サービスにとって欠かせない両輪なのだ。シェアリングエコノミーの世界市場規模は2025年までに約41兆円にまで膨らむという試算もあり、今後もこの分野へ大量の投資マネーが流れ込む。しかし、従来のエクイティ投資に加え、ハーバーフロントのように、さまざまなプラットフォームにアセットを直接供給するというプレイヤーが増えれば、早期に持続可能となるプラットフォームも増える。そうなれば、シェアリングエコノミー型サービスの数が増加し、さらに普及が進むという循環が生まれるのだろう。

ブロックチェーンを活用した空間サービスのマーケットプレイス「Cryptorealty」にLayerX・ツクルバが参画

左から、LayerX代表取締役社長 福島良典氏、Property Access CEO風戸裕樹氏、ツクルバ代表取締役CEO村上浩輝氏

シンガポールを拠点とし日本と世界の不動産取引支援プラットフォームを構築するProperty Access Assetは8月30日、ブロックチェーンを活用したマーケットプレイスを創造するプロジェクト「Cryptorealty」を発表した。マーケットプレイスの対象となるのは、主に東南アジアの空間・サービスだ。

同プロジェクトにはGunosyとAnyPayの合弁会社として8月1日に設立されたばかりのブロックチェーン関連事業を行うLayerX、ならびにリノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」の運営などを手がけるツクルバがパートナーとして参画。LayerX代表取締役社長 福島良典氏はテクニカル・アドバイザー、ツクルバ代表取締役CEO村上浩輝氏はストラテジック・アドバイザーとして関与している。

以前にもお伝えしたとおり、Gunosyとツクルバは2018年5月よりブロックチェーン技術の不動産領域への活用にむけた共同研究を開始しており、LayerX設立以降、Gunosyのブロックチェーンチームは同社へ移行している。

Cryptorealtyへの関与はその共同研究の第一弾の成果になるのだと福島氏・村上氏は意気込んでいる。

Cryptorealtyは商業空間や空間を活用したサービスの創出・利用を、誰もが見える形で取引できるよう促すマーケットプレイス。空間・サービスを提供するオペレーターとプロジェクトを支援する支援者、そしてユーザーが空間およびサービスの利用権を販売や購入、レンタルをすることができる。

従来のREIT(不動産投資信託)やクラウドファンディングでは成しえなかった不動産領域での資金調達の課題の解決を目指す。

「REITでは非常に大規模なプロジェクトしかリスティングされず、かつ、例えば日本のJREITだと国内の投資家など限られた人しか買えなかったので、中小規模のデベロッパーにとってはファンディングの機会が非常に限られていた。クラウドファンディングでは、モノづくりのプロジェクトは相性が良いが、不動産のプロジェクトだと相性が非常に良くなかった。また、銀行からも資金を借りづらい。Cryptorealtyはそこを解決するようなプロジェクトだ」(村上氏)

Cryptorealty上ではオペレーターが自分たちの利用権をデジタルアセットとしてトークン化し、プラットフォームに登録する。サポーターやユーザーは利用権を買い、貸し出すことでリターンを得られたり低価格で高品質なサービスを利用できる。

Cryptorealtyの特徴は、ファンや応援者以外に、投資家の性質を持った支援者も集まりやすい点だ。福島氏は「従来のクラウドファンディングは基本的にファンが参加するもの、利用者が参加するものだったが、レンタルがあることによってユーザー以外のファンが参加できる」と説明する。

また、ブロックチェーンによる「トラストレス」な環境を整備することで、グローバルなオファーも期待できる。「ブロックチェーンを活用することで、利用権や所有権の移転や、それを“この時間で貸します”といったことが簡単にできる。ブロックチェーンは不動産領域と非常に相性が良い」(村上氏)

福島氏は「従来のプロジェクトは単純に仮想通貨で不動産が買える、というものが多かった。僕たちはもう少し踏み込み、トークンを絡めて今の世の中の不動産の課題を解決するものが作れないかと考えていた」と今回の参画について話していた。

AnyPay、株式配当のように“収益を分配するトークン”の発行システムを開発中

割り勘アプリ「paymo」などを提供するAnyPayは8月10日、グループ会社でシンガポールに籍をおくAnyPay Pte.Ltd.にて収益分配型のトークン発行システムを開発中であることを発表した。2018年中にもシンガポールと日本でリリースされる予定だ。

株式ではなく、仮想通貨を発行することによって資金を調達するICOは、新しい資金調達手法として徐々に市民権を獲得しつつある。coindeskによる統計を見ると、2018年7月末時点におけるICOによる累計資金調達額は世界全体で200億ドル(約2兆2000億円)を超え、特に2017年から急速に普及してきたことが分かる。

写真: coindesk

しかし、その一方で、日本を含む各国ではこの新しい資金調達手法に適用する法律や規制が十分に整備されていないのも事実だ。そのために、ICOによる資金調達を断念する企業も多い。

そんななか、仮想通貨を利用した新しい資金調達手法として近年注目を浴びているのが、金融商品関連法令にもとづく金融商品としてトークンを発行して資金調達を行うSTO(Security Token Offering)だ。通常、ICOでは仮想通貨を発行する企業のサービスなどで利用できるトークンを発行することが一般的。これらのトークンは「ユーティリティトークン」と呼ばれる一方で、STOによって発行するトークンは、企業の所有権や配当など取引可能な資産によって裏付けられた「セキュリティトークン」と呼ばれる。

金融商品関連法令に則ったかたちでトークンを発行するためには、発行するトークンが金融商品であると認められなければならない。規制が不十分という環境のなか、仮想通貨による資金調達を実現するためには、株式などの金融商品に近い性質をもつセキュリティトークンはこの点で有利となる。

そのような背景もあり、STOによる資金調達を計画する企業が増えてきてはいるものの、実施に先立って調査すべき法的要件や必要書類は多岐に渡り、経験がない企業がイチからSTOを実施するのは非常に困難であることも事実だ。

そこでAnyPayは、これまで展開してきたICOコンサルティング事業で培った知見を利用し、企業がより簡単にSTOを実施できるようなシステムを開発中だ。AnyPayはコンサルティング事業を通して、これまでに「数社」の企業を相手にICO実施のサポートを行ってきた。そのなかには、STOによって合計約1800万ドルを調達した企業もあるという(ただし、この例はインド企業)。

開発中のトークン発行システムの詳細はまだ明らかにはなっていないものの、同システムでは「トークン発行機能、STOを実施したあとの配当配布やIRを円滑に進めるためのツール」が利用可能になるという。

なお、AnyPayは同システムの運営において、Gunosyやインキュベイトファンドなど事業会社やVCとの協業パートナーシップを交わしたことも併せて発表している。これらのパートナーが担う役割について、ICOコンサルティング事業の責任者である山田悠太郎氏は、「事業会社のパートナーとは、ブロックチェーンの仕組みを活かしていかにセキュアで透明性のある全体の仕組みを作っていくかなど(システムの開発面で)協業を進める。パートナーシップに参加する各ファンドとは、彼らの投資先企業のバリューアップをSTOによってお手伝いすることで、ファンドとAnyPayの両社にメリットのある協業ができると考えている」と話した。

GunosyとAnyPayがブロックチェーン関連事業を行う合弁会社「LayerX」の設立へ

写真左がLayerX代表取締役社長となるGunosy代表取締役 最高経営責任者の福島良典氏、右が代表取締役副社長となるAnyPay取締役の日向諒氏

GunosyAnyPayは本日7月12日、ブロックチェーン関連事業を行う合弁会社「LayerX(レイヤーエックス)」の設立について合意したと発表した。

同社の代表取締役社長はGunosy代表取締役 最高経営責任者の福島良典氏、代表取締役副社長はAnyPay取締役の日向諒氏、資本金は5000万円(株主構成はGunosy:50%、AnyPay:50%)となっており、設立は2018年8月1日を予定しているという。

新会社LayerXではブロックチェーン技術に特化したコンサルティングや開発、自社サービスの運営を軸に展開する方針。具体的にはトークンの設計コンサルティングや開発、ハッキングを防ぐコード監査、そして仮想通貨マイニングに関する事業などを検討しているそうだ。

これまでAnyPayではICOコンサルティング事業を展開。一方のGunosyでも2018年5月よりシェアオフィスなどの運営を手がけるツクルバと、ブロックチェーン技術の不動産領域への活用にむけた共同研究を開始している。

日向氏はTechCrunch Japanの取材に対し、「AnyPayがビジネス面、Gunosyが開発面でのサポート。合弁にして一緒にやっていくことで相乗効果が出てくる」と意気込んだ。

IDC Japanは2017年6月に発表した調査で「国内ブロックチェーン関連ソリューション市場の市場規模は今後急速に拡大し、2021年には298億円、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は133.0%になる」と予測している。

そのような状況が背景にある中、福島氏は「おそらくこのブロックチェーンによる変化は数十年に一回あるか無いかの変化。ここに専念するというのが会社としての流れだ」と語った。

Gunosyは役割の明確化のために、代表取締役を2名体制から1名に変更。代表取締役 最高経営責任者は⽵⾕祐哉氏が勤め、福島氏はGunosy取締役 ファウンダー、そしてLayerX 代表取締役を兼任することになる。この異動は2018年8月24日に正式に決定される予定だ。

「代表である僕が新会社に専念する形になる。それだけ本気でこの領域を立ち上げる」(福島氏)

新会社LayerXはICO市場で技術的に⾼度で専⾨的なサポートへの需要が⾼まっていくと予測し、設立される。

コード監査事業に関しては、福島氏の話だと「スマートコントラクトでは一度コードをすると契約が自動的に執行されるため、性質上バグが入り込んでしまっても容易に修正できない。海外の大きなプロジェクトではプロフェッショナルに事前のコードチェックが当然のようにやられている」そう。今後日本でもブロックチェーンのアプリケーションが増えていく中で、同じような需要が増えていくことを見据えた事業になるという。

また、マイニングに関する事業に関して、「課題としては今、中国がマイニングのシェアの7割以上に到達している。この状態は仮想通貨・ブロックチェーンの未来を考えると良い状況ではない」と説明した上で、「日本の電気代とかだとなかなかマイニングするのが難しく、そもそもマイニング自体の専門的な知識も必要だ。たとえば僕たちが海外の良い場所を探してきてお客さんに提供できないか、といったことを検討している」と語った。

福島氏はGunosyの今後の方針に関して、「Gunosyはニュースアプリや、”LUCRA”のような女性向けメディアなどの”メディアの会社”としてやってきたが、本当の強みは裏側のアルゴリズムなどのテクノロジーの部分だ。メディアカンパニーというところから、テクノロジーの総合カンパニーに移行していく」と語った。

なお、Gunosyは同日、技術革新や規制緩和が期待できる領域のスタートアップに対する投資育成を行うコーポレートベンチャーキャピタル「Gunosy Capital」を設立することを発表した。「主にブロックチェーン/シェアリングエコノミー/AI 等のデジタル領域等、今 後規制緩和や技術革新が期待できる領域に対する投資育成」を目的としているという。設立は2018年9月1日を予定している。

「十分まわる組織になった」ーーAnyPayが新体制を発表、木村氏は取締役会長として投資事業に専念

わりかんアプリの「paymo」などを提供するAnyPayは6月1日、経営体制の変更を発表した。現代表取締役社長の木村新司氏は新たに取締役会長に就任し、現取締役COOの大野紗和子氏(写真右)とペイメント事業責任者の井上貴文氏(写真左)の2名がともに代表取締役へと就任する。

「既存事業は安定し、十分まわる組織になった」と話す木村氏は今後、シンガポールを拠点として投資事業に注力するという。一方で、大野氏はブロックチェーン領域と新規事業の創出を、井上氏は既存のペイメント事業をそれぞれ管轄するという。

木村氏は、「投資も事業もできる会社が理想。純粋な投資家はPLを見て投資をするしかないが、事業会社は既存事業がもつケーパビリティを生かして投資することができる」と語り、この新体制により彼が理想とする企業のかたちへと進化することができると説明した。

これまでにも投資会社のDas Capitalを通して投資事業を行なってきた木村氏。現在、同社は累計で約40億円もの出資を実施済みで、そのポートフォリオには2017年に上場したWantedlyや2018年上場のSpotifyも含まれるなど順調にエグジットを重ねている。木村氏は今後もブロックチェーンやシェアリングエコノミー、フィンテックなどの分野をテーマに投資を続けていくという。

「シェアリングエコノミーを例にとっても、先進国と新興国ではその広がり方はまったく異なる。先進国ではあまった時間やモノをシェアするという意味でのサービスが生まれているが、もともとモノが足りない新興国では、サービス提供者がモノを提供し、ユーザーがそれを複数人でシェアするというかたち。そういったトレンドを掴むためにも、シンガポールを拠点として投資を行うことが重要だと考えた」(木村氏)

2017年9月よりICOコンサルティング事業を開始し、大野氏の管轄分野も「ブロックチェーンや新規事業」と説明するなど、これまでもブロックチェーン領域へ熱い視線を向けてきたAnyPay。同社は現在、ペイメントを軸にした新規事業開発を複数件進めていて、その中には「仮想通貨系のもの」(木村氏)も含まれているという。その新サービスは、早ければ今年7月のローンチを目指しているという。

わりかんアプリ提供「paymo」のAnyPay、9月からICOコンサルティング事業に参入

わりかんアプリの「paymo」やオンライン決済サービス「AnyPay」を提供するAnyPay。同社は8月28日、ICO(Initial Coin Offering:仮想通貨による資金調達)のコンサルティング事業へ参入することを明らかにした。9月にも事業を開始する。

最近テック系メディアを中心に、その名前を聞くことが増えたICO。海外では、2017年に入って調達額が急増、200億円近くを調達する企業も出ているという。直近ではエストニアが政府主導でのICOを計画しているということでも話題になったばかり。

一方で日本の状況を見てみると、テックビューロが日本の仮想通貨法をベースにしたICOプラットフォーム「COMSA」を発表するなどしているが、ICOを実施している、もしくは実施予定の企業はまだまだ少ない。米国のThe DAOの事例などもあり、法規制などを考慮した設計も必要になる。

AnyPayは、日本は既存の金融システムが優秀であり、また新しいモノについて懐疑的なところがある。さらに過去にマウントゴックス社の事件などもあって投機目的以外でまだまだ仮想通貨に対してネガティブな考えもあると分析。その上でICOは実施企業にとって資金調達のコストが低く、調達規模の自由度が高く、グローバルである。また投資家にとっては、高いキャピタルゲインを得られる可能性があるとメリットを説明する。

今回のICOコンサルティング事業では、通常の資金調達に必要な検討事項に加えて、ICOで必要な法律や会計観点でのサポート、トークン発行・組成、国内外へのPRなどをAnyPayが国内外の有識者や取引所と組んで行う。これに先駆けて、仮想通貨発行事業者と連携して、仮想通貨の発行システムも開発しているという。料金についてはプランにより異なるが、「ICOでの調達額の何パーセント」といった設計もあり得るとしている。

ICO実施の支援を行う対象は、スタートアップや未上場の中小企業など、資金調達需要の高い企業を優先する。また将来的には著名人などのプロジェクトについても対応していくことを検討中だ。ターゲットとするエリアは設定せず、グローバルに展開するという。

AnyPay代表取締役社長の木村新司氏

AnyPayでは今回の事業を展開する理由として、これまでFinTech領域の事業を展開してきたこと、またAnyPay、代表取締役社長の木村新司氏個人それぞれでFinTechや仮想通貨領域への投資を行ってきたこと、またそこで培ったリレーションがあるからだと説明する。

実際にICOを実施してトークンを発行しても、それが流通する取引所がないと流動性が生まれず、トークンの価値にならない。そういった点についてパートナーと協力することで補完できる、ということも強みだと木村氏は語る。例えば日本の取引所であるbitFlyerも木村氏の投資先の1社だ。

また仮想通貨では、詐欺の可能性が疑われる、いわゆる「詐欺コイン」の存在もあるが、社内のコンサルタントチームで(ICOする)事業内容を精査することで、これを防ぐとしている。

案件についての詳細は非公開だったが、すでに計画中の企業もいるとのこと。AnyPayではこの事業を通じて、年内にも2社程度のICOを支援する予定だ。なお、自社のICOについては、現状予定がないとしている。

割り勘もお店の支払いも1つのアプリで、AnyPayが店舗で使える「ペイモ QR 支払い」を発表

最近、店舗で使える決済サービスや個人間送金ができるアプリがいくつも出てきているが、支払う相手が店舗か個人かによって使うサービスを変えるのは不便だろう。割り勘や個人間送金のためのアプリ「paymo(ペイモ)」を提供するAnyPayは、個人間の送金に限らず、店舗でもアプリを使って支払いができるようにしたい考えだ。

AnyPayは本日、QRコードを使って店舗での支払いができる「ペイモ QR 支払い」を発表した。7月より順次対応店舗を増やし、7月下旬より正式リリースする予定だ。

ペイモの機能についてはローンチ時にお伝えしたが、簡単に説明すると、レシートの写真を添付して飲み会の会費などを相手に請求することができ、請求を受け取った人はクレジットカードで代金を支払うことができるアプリだ。

相手から受け取ったお金は銀行口座に引き出すか、別の割り勘が発生した時に使うことができる。ただ、そんなに頻繁に割り勘する場面がやって来るとは限らないし、残高が少額の場合、その使い道に困ってしまうこともあるだろう。

AnyPayは、ペイモ QR 支払いにより、お店でもペイモを使えるようにすることでペイモの利用シーンを広げたい考えだ。

店舗はウェブ上で商品を登録して専用のQRコードを発行し、メニューなどにQRコードを印刷しておく。ペイモ払いを希望する人にそのQRコードを提示し、ペイモで読み込んでもらうだけでいい。

ペイモではPOSレジを設置する必要もなく、ウェブから登録するだけですぐに導入できる。また現時点では、店舗がペイモ払いを導入するのに料金はかからない。将来的には決済手数料を導入する可能性もあるとAnyPayの広報担当者は説明する。

ペイモのユーザーは、通常の個人間送金の場合と同じようにペイモに残っている残高、あるいは登録しているクレジットカードで支払いができる。

AnyPayは、すでに都内数店舗のカフェや飲食店での導入が決まっていると説明している。今後、野外でのイベントなど、現金での支払いが多い場所でペイモ QR 支払いの導入を進めていくという。

今後の展開として、店舗側に顧客の属性や購買データを可視化する機能、DM配信やCRM機能なども提供する予定とAnyPayの広報担当者は説明している。

個人間送金に加え店舗での支払いができるサービスには他にもLINE PayOrigamiなどがある。また、2017年6月上旬、Appleが開催したWWDCで、AppleはiMessageでの個人間送金とApple Payが連携できるようになると発表している。Appleの機能はまだ日本では利用できないが、こうした決済サービスが普及すれば、いよいよ日本でもキャッシュレス化が進むかもしれない。

 

 

 

相手の口座を知らなくても使える割り勘アプリ「paymo」、木村新司氏率いるAnyPayが公開

AnyPay取締役の日向諒氏(左)と代表取締役の木村新司氏(右)

AnyPay取締役の日向諒氏(左)と代表取締役の木村新司氏(右)

2016年11月に開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2016」のセッション内で発表されたAnyPayの新サービス「paymo(ペイモ)」がいよいよ1月19日にローンチした。アプリはApp Storeより無料でダウンロードできる。

AnyPayは連続起業家でシリウステクノロジー、アトランティス、Gunosyなどに関わってきた木村新司氏が2016年6月に立ち上げた新会社だ。すでに決済サービスの「AnyPay」(詳細はこちら)をスタートしていたが、冒頭の通り2016年11月にpaymoを発表。ティザーサイトを公開していた。

AnyPayはサイト上でアカウントを作成し、販売したいアイテムを登録すれば自らの「ショップ」で商品の販売、決済が可能なサービスだった。それに対してpaymoは、“割り勘アプリ”と銘打ったサービスで、飲食店などで知人や友人と割り勘をする際の、個人間での支払いに利用する前提のサービスだという。

アプリをダウンロードしてユーザー登録を済ませれば、本人確認なしでサービスを利用できる。レシートを撮影して金額を入力すれば、あとは銀行口座などの情報を共有せずにユーザー間で支払い(入金はVisaおよびMasterのクレジットカード)、請求が可能。支払われたお金はpaymo内にチャージされるので、銀行口座に振り込みするかたちで受け取りが可能だ。1回の送金限度額は10万円、1カ月合計30万円。手数料は無料となっている。当初は20〜30代のクレジットカードユーザーを対象にするが、将来的には10代の学生から50代の社会人まで広くユーザーを広げる狙い。1年間で700万ダウンロードを目指す。

paymoの請求フロー

paymoの請求フロー

同日開催された記者会見で木村氏はまず、日本のキャッシュレス決済比率が19%で、米国(48%)、韓国(62%)などと比較しても低い数字であること、PayPal傘下の個人間送金サービス「venmo」の月間流通金額が1000億〜2000億円を超えるといった、モバイル送金、決済領域の成長を説明。日本でも同様にモバイル送金、決済が成長すると考えてpaymoの提供に至ったと説明した。

以前、TechCrunch Tokyoでも僕が質問したことなのだが、会見でpaymoは資金移動業者による「送金」サービスではないと木村氏は強調した。サービスは「割り勘」という債務に対する支払いであり、それを実現するために、レシートのアップロードを必須としているという。

日本の法律上、個人間送金を行う場合は送り手、受け手ともに身分証の提出などが必須となる。もちろんこれはユーザーを守るためのルールではあるが、海外を見ると、シチズンIDと口座番号だけで送金可能なサービスが出ているのが現状。日本の法律上可能なかたちでサービスを提供したのがpaymoだという。また、サービスの提供に当たっては「確固たる弁護士事務所と相談して、問題ないと確認している」(木村氏)とのことだが、監督省庁の確認はとっていないとしている。

AnyPay、ウォレットアプリ「ペイモ」を発表──割り勘など友人間の支払いを想定

paymo

TechCrunch Tokyo 2016にも登壇した連続起業家・木村新司氏。木村氏が立ち上げた決済サービスのスタートアップAnyPayでは、11月17日、割り勘など、友人間のお金のやり取りに利用できる決済スマホアプリ「ペイモ(paymo)」を発表、事前登録サイトでの申し込み受付を開始した。サービスの提供開始は12月中旬を予定している。初期費用や月額費用は無料で、キャンペーン中は利用手数料も基本無料となる。

AnyPay社では、URLをメールなどで送ることで個人間で商品・サービス購入の決済ができるサービス「AnyPay」を9月1日にローンチ済み。木村氏は「サービスは順調に伸びている。今までの決済サービスと違うところは、友だち間での支払いに使われているところ。我々はそこを追求していきたい」と言う。

ペイモではスマホアプリ上で友だちを選んでお金を払える。SNSのような友人管理や、メッセンジャーもあり、海外で先行する決済アプリ「Venmo」に似た機能を備えているようだ。ユーザーは支払いの場面では登録したクレジットカードを利用し、受け取ったお金は別の支払いに利用するか、登録した銀行口座へ振り込むことができる(振込手数料は必要)。「飲み会の割り勘など、スマホで友だちと現金いらずでお金のやり取りをしたい、というニーズを解決したい。(URLを作成して送る、というAnyPayの仕組みから)もっと簡単にしていきたい、というのがペイモの大きなコンセプト」と語る木村氏は、「ペイモでは、通販などの決済によくある“遠く対遠く”の支払いだけでなく、近くの人との間でスマホ決済ができることを目指している」という。

「メルカリなどでも単に品物とお金のやり取りで終わらず、お金とコミュニケーションが近づいてきている。我々が対象とするのはお金がコミュニケーションとともにある世界。それをスマホで完結できるようにしたのが今回のペイモ。友だち機能やコミュニケーション機能は大切にしたい」(木村氏)

スマホ決済サービスは、海外でVenmoやWeChat Payなどが既に展開されているが、日本で同様のサービスを行うには大きく二つの課題がある。一つ目は、送金サービスとして決済機能を提供する場合、事業者は資金移動業者としての登録が必要で、またユーザーも本人確認が可能な個人情報を提出する必要がある点。これについて、木村氏はこう説明する。「(個人が)決済サービスを使うときに、単に送金するシーンというのはなくて、何らかの対価があるはず。となるとそれは“送金”ではなく、通常の通信販売と同じ“支払い”を扱う決済だ。お金だけが動く場面は(我々のサービスでは)想定していない」(木村氏)

もう一つの課題は、日本ではアメリカや中国と異なり、預金口座と紐付いて現金決済ができるデビットカードがまだ普及しておらず、銀行からスマホアプリに“お金”を移す手段がクレジットカード中心であることだ。こちらについては、「ウォレットとしてできるところから始めていきたい」と木村氏は話す。「クレジットカードで完結する決済は、カード手数料がネックとなって広がりがなくなってしまう。飲み会の割り勘代を受け取るのにいちいちカード手数料を払わなければならなかったら、誰も使わなくなる。受け取ったお金は別の支払いに使ったり、現金として受け取れるようにして、そこはクリアする」(木村氏)

サービス発表と同時に開始された事前登録では、総登録者数に応じて、ローンチ後に実施される友だち招待キャンペーンで受け取れる「ペイモポイント」の数が変動する、事前登録キャンペーンも実施している。ペイモポイントは支払いに使えるほか、指定した口座で現金としても受け取れるという(この場合も振込手数料は必要)。「とにかくサービスを使ってもらって、スマホに“お金”が貯まる状態をまずは作る。貯まってきたら、今度はそのお金を店やサービスで支払いに使いたくなるはず」(木村氏)paymo_cp

ペイモについては「各国の環境に合わせて調整は必要だが」と断った上で、海外展開も考えているという木村氏。一方、AnyPayの正式ローンチ時のインタビューでは、フリマアプリ進出にも言及していた木村氏だが、今回のインタビューでは「物販では決済より、個人がトラフィックを集めたい、というマッチングのニーズの方が高い。だがAnyPayの“支払い”という場面で見ると、フリマや通販のような“遠く対遠く”より“近く対近く”で使われていることが多い。フリマについてはメルカリラクマに任せて、近くと近くで使われる支払い機能の便利さを追求する」と話している。

「AnyPay」を立ち上げた連続起業家・木村新司氏がTC Tokyoに登壇、スマホ時代の決済サービスとは

AnyPay代表取締役の木村新司氏

今、決済サービスに携わるスタートアップの動きが活発になっている。スマートフォン時代の“新しい決済”を実現すべく、さまざまなプレーヤーがしのぎを削っている状況だ。11月17〜18日開催のTechCrunch Tokyo 2016では、そんな決済の領域に挑戦する連続起業家であり、AnyPay代表取締役の木村新司氏が登壇することが決定した。

木村氏はドリームインキュベーター、シリウステクノロジーズを経て、広告配信事業を手がけるアトランティスを創業。同社をグリーに売却したのちにエンジェル投資家としてスタートアップを支援。投資先のGunosy(のちに共同経営者となり、退任)は2015年にマザーズに上場。またその他にも多くのスタートアップを支援してきた。AnyPayはそんな木村氏が新しく立ち上げたスタートアップだ。

ここであらためて決済領域のスタートアップの直近の動きを振り返ってみると、まずスマホ向けのカード決済からスタートしたコイニーが、オンライン決済ページ作成サービスの「Coineyペイジ」を発表。また、フリマアプリ「フリル」運営のFablicは楽天傘下に入ったが、今後は決済領域に進出する予定だという。さらに買収元であるスタートトゥデイからMBOしたブラケットも、「STORES.jp」に関連して決済サービスを強化するとしている。さらにBASEも15億円の大型調達を実施し、決済事業「PAY.JP」を推し進めていくことを発表した。

こういった各社の動きがある中、木村氏率いるAnyPayは果たしてどのようにしてサービスを拡大していくのだろうか。AnyPayの正式ローンチ時、木村氏はTechCrunchに対して、個人間送金やデビットカードについて興味を持っている旨を語っていた。つまり単純にスマートフォン向けの決済サービスを提供するだけでなく、その先に“新しいお金のやり取り”そのものを考えているということだろう。

木村氏が登壇するのは11月18日午後の予定。ステージでは、AnyPayのこれから、そして決済サービスのこれからについて聞いてみたいと思う。

決済サービス「AnyPay」が正式ローンチ、木村新司氏が狙うのはスマホ時代の“ウォレット”か

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ドリームインキュベーターでコンサルタントとして活躍した後にシリウステクノロジーズ取締役を務め、広告配信を手がけるアトランティスを立ち上げてグリーに売却。その後はエンジェル投資家としてGunosy(のちに共同経営者となり、退任。同社はマザーズに上場)を始めとしたスタートアップの成長を支援してきた木村新司氏。

2014年には拠点をシンガポールに移して、投資家としての活動に注力していた木村氏だったが、再び自身で事業を開始した。6月末に新会社AnyPayを設立(資本金は5000万円)。8月に入って新サービス「AnyPay」ベータ版を公開していたが、9月1日、いよいよ正式にサービスをローンチした。

新事業は決済サービス

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AnyPayは、個人でも手軽に利用できる決済サービス。サイト上では「AnyPayは誰でも、どこでも、簡単にリンク作成でき、リンクを相手に送るだけで決済ができるサービス」とうたっているとおりで、アカウントを作成した後、管理画面上で自分の売りたいアイテムを登録すれば、すぐさま自らの「ショップ」の商品として販売できるようになる。物販やサービスチケット、月額課金、ダウンロード販売などに利用できる機能を提供する。決済に利用できるのはVISAおよびMasterブランドのクレジットカード。

初期費用および月会費は無料で、登録時の審査も必要ない。決済手数料については、キャンペーン期間中として無料で提供している。ただし1アカウントあたりの月額売上が5000万円を超える場合、5000万円を超過した売上の2.8%の手数料が発生する。また口座への振り込みは1件あたり200円の手数料がかかる。AnyPayでは、3年以内に月額流通額500億円を目指すとしている。

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スマートフォンで使える「ウォレット」を作る

PayPalやその傘下のBraintree、StripeにSquare、さらに国内でもコイニー(昨日リリースしたばかりのCoineyペイジもかなり似たサービスだ)やWebPay、BASEの手がけるPAY.JPなどなど、手軽に使えるオンライン決済サービスは数多く登場している。やはり一番気になるのは、数多くの決済サービスがある中で、どうしてこの領域でのチャレンジを選んだのか、ということだ。サービスの正式ローンチに先駆けて木村氏に尋ねたところ、次の様な答えが返ってきた。

「(ビットコイン取引所の)bitFlyerなどに投資したこともあり、決済まわりのことは調べていた。(ビットコインの)ウォレットで送金をしてみるとその便利さを感じる。だがそれがスマートフォンでできないのはおかしい。例えば送金サービスをやりたくても送金業の縛りもあって日本では簡単に立ち上げられず、いろんな工夫をしないといけない。とは言え誰かがやらないといけないと思っていた」(木村氏)

日本で送金サービスをするために資金移動業者としての登録が必要になるし、供託金をつまないといけない。またKYC(顧客の本人確認)を行う手間でユーザーのドロップ率は高まってしまう。そうそう簡単にスマートフォンで完結するサービスを成長させるのは難しい。では前述の決済サービスのように、個人であってもクレジットカードを使ってお金をやり取りすることもできるが、決済手数料を取られてまでユーザーはやりとりをするのだろうか。こういった課題を解決するべく、木村氏はAnyPayを立ち上げたと語る。

「シンガポールだとPayPalとApple Payを使っているので、そこはすごく意識した。日本はまだまだ不便だと思う」(木村氏)

競合についてはあまり考えていないという。「決済ビジネスはぶっちゃけて言えば誰でも作れると思う。ただ問題なのはどこにポジショニングするか」(木村氏)。加えて、PayPalなどよりはVenmo(Paypal傘下の個人間送金サービス)のほうが気になっているとも語った。

仕組み上は「決済サービス」だが、木村氏が本当に狙っているのはデビットカードの置き換え——つまりリアルタイムに送金、決済でき、手数料の安い(もしくはゼロの)、スマホ時代の新しい「ウォレット」を作るということではないだろうか。

“フリマ”で個人のニーズを喚起

木村氏は「最初はAnyPayをツールとして提供していく」と語る一方で、「今は個人とスモールBに注力しているが、個人の場合、目的があるわけでもないのでそこまで使われない」と分析。今後はそんな個人の利用を喚起するための施策を打っていくという。

「個人の場合、決済のタイミング——CtoCの売買であればチケットや本など、目的をはっきりさせないといけない。今後は目的があるプロダクトを『AnyPay』のアカウントで出していく」(木村氏)。その言葉を聞いて僕の頭に浮かぶの「カテゴリ特化型のフリマアプリ」だったが、木村氏の回答はそのとおりで、今後、領域特化型のフリマアプリをいくつか提供していく予定だという。特化型のフリマという具体的な目的を用意することで、アカウントの拡大を狙う。

BASEがネットショップの構築サービスから決済領域のPAY.JPを提供するに至った。AnyPayは順序こそ逆(決済からショップ(というかフリマ))ではあるが、少し似たアプローチにも感じる。フリマアプリは、年内にもリリースする予定だという。

今後は国内にとどまらず、アジア圏でもサービスを展開していく予定だ。「アジア各国はそれぞれ(決済まわりの)特性が違う。国によってはフリマサービスは提供できても決済はライセンスが必要だったりする。そういった環境に合わせつつ動く。サービスのベースは作ったし、FinTech関連の状況も分かってきたので、M&Aすることも考えていく」(木村氏)