APIの共有に伴う権利問題をクリエイティブ・コモンズ方式で解決するAPI Commons

3ScaleのファウンダSteven WillmottとAPIエヴァンジェリストKin Laneが今日(米国時間11/5)、API Commonsという名前の非商業的サービスをローンチした。それは、APIの仕様やインタフェイスやデータモデルを著作権なしで共有し、協働的に設計するための仕組みだ。

DefragカンファレンスでローンチしたAPI Commonsは、デベロッパたちがAPIをCreative Commonsライセンス条件で共有できるようにする。API CommonsのAPIはGitHubで入手できる。API Commonsのねらいは、APIをもっとアクセスしやすいものにすること、そのためにデベロッパがAPIの定義を設定し、それをユーザが利用できるようにすることだ。そうすると、たとえば企業がAPIを利用するときも、事前にその動作を明確に知ることができる。さらに、デベロッパはGitHub上でAPIをフォークでき、新しいバージョンを作れる。新バージョンが人気者になって、広く使われていくこともありえる。

WillmottとLaneがAPI Commonsを作ったのは、最近のAPIの激しい増殖ブームに対応して、デベロッパを著作権関連の問題から守るためだ。APIに関するWeb上の専門誌Programmable Webの目録には、すでに10000あまりのAPIが載っているが、そのほかにも、ここに載ってないAPIが何千もあり、それらがさまざまな使われ方をしている。

APIを作る人は、よその既存のAPIを参考にすることが多い。でもAPIの構造や設計はどれも微妙に違う、とWillmottは言う。そのため、同じような機能性のために、APIが違えばまったく違うコードを書かなければならない。しかも、APIをめぐる著作権関連の問題は、未解決のままだ。

昨日(米国時間11/4)Defragで会ったLaneは、“APIの増殖はインタフェイスの増殖を意味する”、と言った。“そしてそこには、著作権の問題がある。ほかのAPIのデザイン/設計を参考にしただけでも、グレーゾーンに入ってしまうのだ”。

API Commonsは、非営利組織/活動や政府/行政、それにオープンデータのAPIのために役立つと期待されるが、しかし長期的には商用のAPIに対しても有益な役割を発揮するものと思われる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))