Android 4.3に隠し機能を発見。アプリケーション毎に細かなパーミッション設定が可能

大方の予想通り、Googleは水曜日に行われたイベントにて、AndroidのチーフであるSundar PichaiよりAndroid 4.3の発表を行った。カメラインタフェースの改善、Bluetooth Low Energyのサポート、アニメーションの円滑化などのパフォーマンス改善、制限付きマルチユーザーアカウントの導入などが行われた。ただ、そうしたものがアップデートの全てではなかった。Googleは公にしていなかったが、Android Policeが隠し機能をスクープした。その隠し機能とは、アプリケーション毎に特定パーミッションをオン・オフする設定機能だ。

この機能はApp Opsと呼ばれる。アプリケーション毎に、位置情報や通知機能の利用といったパーミッション設定を細かく行うことができるようになっている。Android Policeでも報じているように、このApp Opsのフロントエンドとして利用できるアプリケーションも既にGoogle Playに登録されている(Android 4.3が必要となる)。

App Opsの目的は、Android利用者に、アプリケーション毎のパーミッション設定を柔軟に行なってもらえるようにすることだ。バッテリーの浪費をやめさせたり、あるいは絶え間ない通知をオフにするような機能を提供する。App Opsにわかりやすいインタフェースを与えるなら、セキュリティないしプライバシーの面から言っても非常に便利なものとなるに違いない。利用者は細かなところまで意識しつつ、細かくセキュリティ設定を行うことができるようになるのだ。

インストールするのを躊躇していたようなアプリケーションについても、利用者のこだわりに応じて設定することができるようになれば、インストールしてみようと考えるようになるかもしれない。そうなれば開発者にとっても良い話となり得る。

但し、Android Policeの言うように、App Opsは確かに目的に応じた動作はするものの、まだ完璧というわけにはいかないようだ。たとえばFacebookアプリケーションを対象にテストしてみると、アプリケーションが特定の動作をした後にのみ、当該動作を許可するかどうかが表示されるようになるらしい。こうした混乱要素があるがゆえに、GoogleはこのApp Ops機能を公式にアナウンスしていないのだろう。機能をいつ頃までにチューニングして正式リリースする予定なのかについて、Googleに問い合わせているところだ。新しいことがわかったらぜひお伝えしようと思っている。

尚、利用者側から見ると、アプリケーションの一部機能が動作しないのが、設定をいじったからなのかどうかがわかりにくいという面もあるだろう。同様の問題は、通知トレイ内での設定が、着信音をならすかどうかなどのメイン設定を上書きしてしまう機種があることで既に顕在化している。アプリケーション毎の設定ができるようになれば、利用者側の混乱はきっと大きくなることだろう。Android Policeは、App Opsの設定によってアプリケーションの正常動作が妨げられている際には、システムレベルで通知できるようにすべきであるとしている。但し、パーミッションを厳しく設定すれば、そうした通知が溢れ出すことも想定される。するとせっかく通知機能を導入しても、利用者がオフにしてしまうということになるかもしれない。

あるいはこのApp Opsというのは、そもそも一般利用者に公開するために導入したものではなく、とりあえず制限付きマルチユーザーアカウントを導入するためのものとして作成されたものなのかもしれない。

モバイルプラットフォームでのマルウェアは、Android環境上に蔓延しているという話もある。Androidのセキュリティ機能に対する不安も広がりつつあり、GoogleとしてはApp Opsのような機能を導入しなければならない状況にあるとも言える。App Opsのようなものがあれば、勝手に音声通話を利用されたり、SMSマルウェアをインストールされてしまったりということが減るものと思われる。もし完全には防げないにしても、どのアプリケーションがあやしげな動作をしているのかを確認する手段ともなり得ると思われる。

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(翻訳:Maeda, H)