ツイキャスが1000万ユーザー突破、動画サービスからプラットフォームへ

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モイが提供する動画ストリーミングサービス「TwitCasting(ツイキャス)」が1000万ユーザーを突破した。4月8日に同社が明らかにした。

2010年2月のサービス開始から5年弱での達成となる。以下がユーザー数を示すグラフだが、サービス開始から順調にユーザー数を増やしていたが、2013年後半からはユーザーが急増。女子高生を中心にしてサービスを拡大してきた。

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また、当初はノンプロモーションながら、海外ではブラジルを中心に局地的にユーザーが増加。現在海外ユーザーの割合は全体の2割ほどだが、その半数(つまり全体の1割程度)はブラジルのユーザーなんだそうだ。そんなこともあって、現在は米国・ブラジルでもユーザーサポートを行っている。

2013年頃まではアクティブユーザー(ユーザー数400万人でMAU200万人程度だったと聞いている)を公開していたが、現在は非公開。ただし、関係者から聞く限り、いい数字を出しているようだ。

おしゃべりツールからプラットフォームに

もう10代だけのサービスではなくなってきた——モイの丸吉宏和氏は語る。海外での利用はさておき(ブラジルでは初期からアーティストが音楽ライブの配信などをしていた)、日本では「女子高生のおしゃべりツール」からスタートしたツイキャス。高画質配信にも対応してからは、政党やスポーツチーム、アーティストなど、さまざまな組織の公式配信ツールとしての役割も担いつつあるのだそう。その結果、ユーザーの属性も(詳細は非公開だったが)30、40代まで広がったという。

特に2014年10月、法人利用を前提として高画質配信に対応してからはその動きが顕著になっている。アーティストが新譜を発売する際などは、ミニライブなどをツイキャスで配信することも増えたそうだ。

すでにPC版の広告やギフト用のアイテムなどで課金をしているツイキャスだが、1000万ユーザーを迎えていよいよ本格的なマネタイズを始める。具体的な話は今後発表していくということだったが、「ライブ配信はPRには使えても、それだけでは(配信でPRする商品の)売上にはそんなに影響はない、と言われるのは苦しかった」(丸吉氏)と語っていることから、マーケティングやコマース関連の機能を実装していくことが予想される。

実際、ツイキャスで女性誌のモデルがおすすめした化粧品が翌日にはAmazonで売り切れになるといった現象も起きているらしいし、法人のキャス主(配信者)を中心に、コマース機能の連携ニーズは高いらしい。このあたりは今春中にもまた発表すると聞いている。

TwitterのPeriscope買収の影響は?

3月にはTwitterがツイキャスの競合サービスであるPeriscope買収し、さらに別の競合サービスであるMeerkatに対して、ソーシャルグラフの使用を禁止するといったことが起きている。ツイキャスには影響はないのだろうか? 丸吉氏は「(ソーシャルグラフの使用制限など)何もないとは言えないが、ツイキャスではすでに独自IDを用意しており、その数も増えている。またAPIの利用なども適切に行っている」と説明した。

DeployGateが法人向け事業を本格化——ミクシィを飛び出してでもサービスを続ける理由

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スマホゲーム「モンスターストライク」が絶好調のミクシィ。同社は1月、スマホアプリ向けのテスト配信サービス「DeployGate」の事業譲渡について発表した。事業譲渡といっても、これまでDeployGateの事業担当者らがミクシィを飛び出して新会社デプロイゲートを設立、その新会社に事業を譲渡するというものだった。

ミクシィからスピンアウトして約3カ月、AppBroadCastとの共同サービスなども発表していた同社がいよいよ本格的に法人向けビジネスを展開する。サービスの詳細、そして起業に至る経緯や想いについて、共同創業者でCEOの藤崎友樹氏と共同創業者でCOOの安田一斗氏に話を聞いた。

法人向けサービスを正式にローンチ

まずはDeployGateそのものと、3月30日に正式リリースした法人向けの「DeployGate Enterprise」について紹介したい。

DeployGateはiOSおよびAndroidアプリ向けのテスト配信サービスだ。スマートフォンアプリは通常、App StoreやGoogle Playといったアプリストアを経由しないとダウンロードできない(しかもiOSの場合、アップルの審査が入るため数週間かかる)。だがアプリをぶっつけ本番でリリースしても、問題があったり、操作感に不満があればすぐにストアで低評価をつけられてしまうし、そこからアップデートしようにも時間がかかってしまう。これでは開発者も利用者も幸せにはならない。

だがDeployGateを利用すれば、アプリのファイルをアップロードし、生成されるリンクにアクセスするだけでアプリを配布できるようになる。インストール数や利用状況のモニタリングやログの取得も可能。これによって複数人で開発中のアプリを確認したり、クローズドベータ版を配布するといった施策が非常に便利になるのだ。

今回のDeployGate Enterpriseでは、これまでにも提供していた組織・チーム向けプランの機能を大幅に強化。開発グループや開発アプリ数の制限を取り払ったほか、詳細な権限設定も用意。開発会社と外部での共同開発などでも利用できるようにしている。価格は20アカウントで月額5万円から。すでにクックパッドやはてな、リクルート、ミクシィ(もちろんモンストでもバリバリに利用されているそうだ)などがクローズドベータの段階からサービスを利用している。

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事業は黒字化するも、成長は予想を達成せず

新卒でミクシィに入社した藤﨑氏だが、2009年頃からAndroidに触れるようになり、当初は電話帳アプリなどをテスト的に開発していたそうだ。それが最終的に2010年に同社が発表した「ソーシャルフォン」として世に発表され、その後藤崎氏はAndroidの開発担当となる。そしてAndroidの開発環境の不便さを痛感し、社内向けにDeployGateの前身となるツールを開発した。

当時ミクシィでは、新規事業創出プロジェクトの「イノベーションセンター」を発足するタイミング。藤崎氏のツールが第1号案件として採択され、DeployGateのプロジェクトが始まることになった。

藤﨑友樹氏

デプロイゲートCEOの藤崎友樹氏

サービスインから約2年。個人開発者からプリインストールアプリの検証をしたい端末メーカーまで、国内外2万アカウントが利用(海外も2014年時点で90カ国以上で利用されている。先方の許可を取っていないので公開できないとのことだが、本当に著名な米国のアプリなどでも利用されているとのことだった)。実はすでに黒字化し、「ごはんは食べられるくらいには」(藤崎氏)成長していたDeployGate。しかし1月のミクシィの発表のとおり、ビジネスとしての成長スピードでは当初の予定から下振れしていたのだそうだ。

周囲を見てみると、競合サービスの「TestFlight」はアップルに買収され、2014年3月にAndroidのサポートを終了。だがDeployGateはもともとAndroidのみに対応していたものの、iOSのサポートを開始したばかり。「ミクシィという会社を考えれば(サービスを終了するという)ロジックは理解できる話。だが、開発者向けツールは浸透に時間がかかるし、(周辺環境も変わり)スタートラインに立ったところだった」(藤崎氏)「開発ツールなので『使っている』という話があまり外に出ないが、名だたるスタートアップが使ってくれていた。だから僕らとしては可能性が見えていたし、プランが徐々に見えてきていた」(安田氏)という思いから、スピンアウトを決意したのだという。

事業譲渡で「サラリーマンとして覚悟を決めた」

ミクシィは買収こそすれど、手がけてきた事業を社外に譲渡するようなことは少なくともここ数年ではなかったと記憶している。イケてないサービスは閉じて、人材を再分配していたはずだ。だからDeployGateのスピンアウトには正直驚いていた。藤崎氏には「サクッと話がまとまったのか?」と尋ねたのだけれども、同氏は「全然サクッといかなかった」と即答した。

デプロイゲートCOOの安田一斗氏

デプロイゲートCOOの安田一斗氏

ミクシィからは、DeployGateのチームに対して、サービスをピボットする、サービスを終了して別の事業にチャレンジするなど、さまざまな提案があったそうだ。そんな中で2人はスピンアウトすることを選択したという。だけどもミクシィからすれば、「社外に自社のサービスを出すのであれば、すぐに潰れてしまっても困る」と思うわけだし、簡単には譲れないだろう。

だが社内でも彼らを応援する役員・スタッフも多く、「譲歩できるモノは譲歩して、自ら持ち出しもしたが、それだけやる気を認めてもらった」(藤崎氏)のだそうだ。事業譲渡の金額についても聞いたのだけれども、具体的な額は非公開。2人は「サラリーマンとして考えるならば、覚悟を決めないといけない額だった」と語った。

DeployGateで社会問題を解決したい

そんな“覚悟”を持ってスタートしたデプロイゲート。彼らのイグジット戦略はどういうモノなのだろうか。藤崎氏に「TestFlightや(Microsoftに買収された競合サービス)HockeyAppのように、買収がゴールか」と尋ねたのだけれども、同氏はそれを否定する。

「本当にいいモノが開発者に広がっていくのが重要。そして、そのモノがどこかのプラットフォームに属していないことも重要だと思っている。グーグルやアップル、いずれかのプラットフォームでないと動かないというのでは意味がない。そんな縛りがないところで、作る人と使う人を繋ぎたい。今は売り抜けるという目標はない。僕たちの顧客が抱えるのは社会問題であり、それをどんどん解決していきたい」(藤崎氏)

安田氏もこう続ける。

「スマートウォッチやスマートテレビが出てきているが、iOSとAndroidだけを考えても、デバイスはスマートフォンにとどまらない。そうするとさまざまなデバイスで(不具合など)不幸なことは起こってくる。そんなことが起こらないように、DeployGateのようなツールが当たり前に使われて好循環が生まれればいい」(安田氏)

スマートニュースが12億円を追加で資金調達、米国での人材採用を積極化

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すでに本家TechCrunchでも報道されているが、ニュースアプリ「SmartNews」を手がけるスマートニュースが1000万ドル(約12億円)の資金調達を実施したことが明らかになった。評価額はプレ(調達前)で3億2000万ドル(約384億円)、出資したのは既存投資家のグリー、グロービス・キャピタル・パートナーズ、Atomico、ミクシィ、Social Venture Partnersとなっている。

スマートニュース ヴァイス・プレジデント 財務担当の堅田航平氏曰く、今回の調達はいわゆるブリッジファイナンス(独立した資金調達ラウンドではなく、次のラウンドまでのつなぎの資金調達)で、2014年10月にリリースしたSmartNews米国版や2015年2月にリリースしたインターナショナル版の順調な成長を受けたもの。この資金をもとに米国拠点の人材を強化。米国サンフランシスコの拠点において、マシンラーニングや自然言語処理に長けたエンジニアを積極採用していく。日本のスタッフや役員も出張ベースで積極的に米国とコミュニケーションを取るとしている。

スマートニュース代表取締役の鈴木健氏によると、SmartNewsのMAU(月間アクティブユーザー)は日本で400万人、米国では100万人。提携メディア数も当初の10社から75社まで拡大。日米ともに「数字は順調に伸びている」(鈴木氏)のだそうだ。米国でニュースアグリケーションアプリと言えば、Flipboardが圧倒的なダウンロード数を誇っているようだが(直近の数字は公開していないが、Google Playでは世界で1〜5億ダウンロードとなっている)、スマートニュース代表取締役の浜本階生氏曰く、「ランキングに基づいて言えば、あまり突き抜けている(競合)アプリはない」とのこと。

また米国のアプリストアについて、「CNNやBuzzFeedなど1媒体を閲覧するアプリがランキングの上位を占めている。日本でも3年ほど前はそんな状況だったが、今ではアグリゲーターが上位を占めている。今後はそういった傾向が出てくるのではないか」と語った。

2014年12月に国内で本格的に広告ビジネスをスタートしたスマートニュースだが、米国でのマネタイズはまだまだこれからのようだ。「国内でもMAUが400万人を超えてやっと広告を始めた。米国でも同じように成長していく必要がある」(浜本氏)

日本を見てみれば、競合サービス「Gunosy」を手がけるGunosyに上場承認が下りたばかり。鈴木氏にイグジット戦略について聞いたところ「今のところ時期などは考えていない。まずは米国を頑張るというところ」ということだった。

SwingmailはメールもFacebookメッセージも一緒に扱えて、最小限の情報だけに絞るiOSアプリ

今日、日本のスタートアップであるBHIがローンチした「Swingmail」は、メールとFacebookメッセージ、TwitterのDM、アプリ経由でFaceTimeなどでかけた電話履歴を、全部まとめて見れるiOSアプリだ。コミュニケーションする相手単位でアプリ横断的に見ることができ、「メールしといたから!」とメッセするような矛盾と混乱から、われわれを救ってくれるかもしれない。

Swingmailはこれまで2013年12月に実験的バージョンをリリースし、その後もオーストラリア、北欧、英国、カナダ、そして2015年1月には北米市場向けとしてテストローンチをしてきたが、今回新バージョンとなる3.0で日本での提供を開始してマスターローンチをした形という。

最近、GoogleがGmailのモバイル向け再発明としてInboxをリリースしたり、Dropboxが買収したことで話題となったMailboxなど、メールのユーザー体験を再発明しようという動きが出てきている。背景にはプッシュ通知によるノーティフィケーションであれ、メールの新着であれ、われわれはもはや洪水のようなメッセージにさらされていることがある。これを解決しようというのがSwingmailだ。

従来のアプリとの違いは、すでに書いたように同一人物である限り、アプリを問わずに1つのスレッドにまとめてくれることが1つ。これについてはYahoo.comのメールやLinkedInのメッセージなど、APIで利用可能なところは今後も対応していくといい、こういうクロスプラットフォーム対応ができるのが、Googleのような大手企業との違いだという。GoogleのInboxがGoogle+に対応しても驚かないけど、LinkedInやFaceTimeに対応したら、だいぶ驚くよね、ということだ。Swingmailではメッセージに対する返事も、右や左にスワイプすることで、電話(音声)による返信なのかテキストなのかを選ぶことができる。

BHIを創業し、2013年4月には大和企業投資株式会社に対して第三者割当を実施(金額は非公開)するなど着々と準備を進めてきた日昔靖裕さんによれば、徹底したい設計哲学は「less is more」で、メッセージのインボックスに届くのは、すでにメッセージのやり取りをしたことがある知人からのものに限るという。何らかの理由でトヨタの社長からあなたのところにメールが来ても、今のところSwingmailのインボックスには届かない。「将来的には、重要人物ならばやり取りしていなくても届くように機械学習していくものを作っていきたい」(日昔氏)のだそう。Swingmailを入れてTwitterやFacebook、Gmailのノーティフィケーションをスマホでオフにしてしまえば、必要なもの以外で気が散ることがなくなる、というのが1つの運用形態だという。

BHIはSwingmailのほか、コンタクトリストの「Swingbook」、予定管理の「Swingcal」を今後1週置きにリリース予定だが、これらも less is more で設計してるのだとか。Swingbookで表示されるコンタクト先は15人だけ。その15人はコミュニケーション頻度のほかに端末の位置情報も加味していて、ニューヨークにいるときには、その周辺の人々の表示優先度が上がるといった具合だそうだ。「そのときに誰に連絡したいかを当てる」(日昔氏)というのがSwingbookの本質だという。確かに、今のコンタクトアプリは直近にアクセスしたもの順に表示するという素朴なアプローチだけとなっているが、やるべきことはもっとあるのかもしれないと個人的には思う。この時間帯に同僚に電話するわけないだろ、それぐらい分かってよ、ダム・フォン! とか、そういうことだ。

予定管理のカレンダー、Swingcalでは同じイベントに紐づくべき人を予測してグループとしてまとめるような機能を実装しているのだという。コンタクトが15人のみとミニマムにしているのと同じで、Swingcalは1週間先までしか予定を表示せず、予定に人が紐付いているのも特徴。「カレンダー形式をした連絡帳と思ってもらえれば」(日昔氏)という。

SwingmailとSwingbook、Swingcalの3つは相互に連携できるよう設計されているが、個別に利用することもできる。

どういうユーザーがターゲットかと聞いたところ、「ガチガチのスーツの仕事はイメージしてない。どちらかというとフリーランス寄りで、仕事とプライベートが混ざってカオスになっている人がターゲット」と日昔さん。

プロダクティ・ツールは結構ホットなM&A狙い市場

「もともと自主制作で映画やドキュメンタリーを撮影していた」という日昔さんは、どちらかというとITを毛嫌いしていたタイプと自らを語る。ある映画祭での受賞をキッカケに予算が付いてパリに3年住んだり、上海で一般人エキストラを集めて映画を撮ったりしていた。映像制作プロダクションの立ち上げのときは渋谷の電信柱に広告を貼って回ってインディーズのミュージック・ビデオを1本3万円という格安で作っていたりもした。

そんな日昔さんは、海底調査を行う科学調査船「ちきゅう」でドキュメンタリーを撮影していたとき、寄港した沖縄で初めてiPhone 4Sを買った。そして情報過多と分散が起こっていてメッセージのやり取りが「壊れている」と感じたことが起業のキッカケだそう。船上で事業計画を書き、2012年にサムライインキュベートから430万円の出資を受けた。最初は自分1人だけでiOS向け開発フレームワークのTitaniumを勉強しながらiOSアプリを作り始めた。いまはエンジニアとデザイナを中心に非常勤やアルバイトも含めると、チームは13人になっている。

正直ぼくはSwingmailのデモを見た程度なので、どのくらい生産性ツールとしてイケてるのか分からない。ただ、メッセージもコンタクトも予定もミニマムに絞るというアイデアと、そのために機械学習を取り入れるというのは良い狙いに思えるし、UIと同じくらい課題はむしろサーバサイドだというのも説得力を感じる話ではある。

生産性ツールは類似のものが大量に出てきていて、メールだけでもBoxer、CloudMagic、Dispatch、Seed、Evomail、Triageなどさまざまにある。一方で、MicrosoftやAppleといったプラットフォーマーによる買収が頻々と起こっているホットな市場でもある。2014年12月のMicrosoftによるAcompliの2億ドルの買収や、同じくMicrosoftによるSunriseの1億ドルでの買収、2013年3月のDropboxによるMailboxの1億ドルの買収などが大きな成功例だ。

「プロダクティビティツールは国境ない」というBHIには、現在スウェーデン人やイギリス人が社員がいて、日本はもとよりグローバルで定番ポジションを目指すという。


偏頭痛の原因をスマホで解明する「頭痛ログ」、GREE Venturesなどから約1億円を資金調達

世界では10億人が偏頭痛持ちだと言われているが、その原因はよくわかっておらず、抑制する薬もあるが根本的な解決にはなっていない。シンガポール発のHealint社は、この原因をスマートフォンアプリで解明しようとしているスタートアップだ。患者がアプリで記録した症状を、世界中の患者の症状ビッグデータと照合することで、偏頭痛の原因を特定する。例えば、睡眠時間が短か過ぎる、 アルコールの飲み過ぎ、といったことがわかれば、生活習慣を個人個人で改善すれば偏頭痛の症状を予防することができるはずだ。

Healintは日本で「頭痛ログ」のAndroidアプリを提供していたが、本日3月27日にiOSアプリをリリースした。TechCrunch Japanはこれを機会に来日したCEOのフランソワ・カディウ(Francois Cadiou)に話を聞いた。彼によると、日本人はアプリを長期的に使ってくれると言い、膨大なデータを取得できるのではと期待しているようだ。

Healintはこの来日で、Wavemaker pacific (DFJ network)、GREE Ventures、Shinryoku、エンジェル投資家などから計110万シンガポールドル(約1億円)あまりを調達完了している。

偏頭痛が起こる原因は複合的で人それぞれ

偏頭痛は頭痛とは違うものといわれている。頭痛は何か体に疾患があって、それが原因で起こるが、偏頭痛は違う仕組みで起こる。その原因は個人個人で異なり、スポーツをしてホルモンが出過ぎて起こるとか、コーヒーとストレスでなる人もいる。ある日、花粉がトリガーとなり偏頭痛になった人もいる。また、偏頭痛を抑制する薬の飲み過ぎ、例えばイブプロフェンの飲み過ぎなどによっても起こる。

従来は患者がどんなときに頭痛が起きたかを細かく紙媒体に記入し、医師が小規模な統計データを取っていた(右の写真のような手帳)。Healintは、こうした紙媒体のやりとりをアプリで実現するものだ。解析システムと直結して、世界中から症状データを取得できるようにしている。

既に海外ではアプリがリリースされていて、米国では通院しているクリニック等で使用を勧められてアプリをダウンロードするケースが多いという。アプリ内で症状を報告する項目はかなり詳細にわたるが、むしろ患者は「これでも足りない、もっと詳細に記録すべきだ」と訴えているほどだという。Healintのアプリは現在全世界で5万ダウンロードされている。

花粉、季節、気温や大気汚染も要因

Healintによるビッグデータの解析は始まったばかりだが、それでもいくつかの事実はわかってきた。 花粉、季節、気温の変化等がファクターになっていることがわかってきている。また、大気汚染もファクターになっている可能性があり、現在解析を進めているところ。まだサンプルが少ないという。以下はこれまでに分かった日本の利用者の偏頭痛の傾向を示すインフォグラフィックだ。

Healintでは、偏頭痛の症状のビッグデータ解析により世界のどこで偏頭痛が起こっているのかをマップにできる。しかし日本ではデータがないので、今のところ真っ黒になっている。ここをもっと詳しく調べてみたいとHealintでは考えているという。 国内では「頭痛ログ」と同様なアプリがいくつかある。Pockeの「頭痛~る」は、頭痛と気圧が関係するという仮説のもと、気圧が通常より大きく下がるときにグラフ上に表示してお知らせする。スリーエースの「頭痛 web ノート」は、偏頭痛患者がスマートフォンに登録した頭痛履歴を、医師が確認できるアプリ。Plusrの「頭痛ノー ト」は突発的に起こる頭痛の頻度や程度、誘因や前触れ、服薬記録を行えるアプリ。

父親の脳卒中がキッカケで起業

フランソワが起業したのは、彼の父親が脳卒中で2度倒れたことがきっかけだった。不随になった父親を、緊急時にどうしたら助けられるか。そう考えたフランソワは、脳卒中になった瞬間でも、スマホを振るだけで緊急事態を知らせるアプリを自前で開発。それは「ShakeIt」というアプリサービスだったが、その後の偏頭痛アプリ開発につながった。

フランソワは日本に交換留学したことがあり、卒業後フランス製薬会社大手Sanofiに勤務し、新薬開発のための統計データのマネージメント等を担当した。その流れでヘルスケアにフォーカスしてきたという。

その後、Healint社を立ち上げるため、最初ベンチャーキャピタルに相談したが全く聞き入れられずに苦労した。紆余曲折を経て、ヘルスケア分野のマーケティングプロフェッショナルと機械学習プロフェッショナルを共同創業者に迎え、JFDI等から資金調達したと いう。

この事業のビジネスモデルでは、患者からでなく、製薬会社等企業から資金を得るようにしている。製薬会社からバイアスはかからないのかという質問に対しては、それは製薬会社トップの人物を見極めてやっていて、誠実な企業としか取り引きしないという。

ビッグデータによる偏頭痛の解析というビジョンのほか、今後医療方面のデータ活用はどう進展いくのだろうか? 彼によると、これからヘルスケア分野ではプレシジョン・メディスン(Precision Medicine)がもっと発展していくという。プレシジョン・メディスンとは、がんや希少疾患を対象として、「ゲノム情報・環境要因・ライフスタイル」が「健康維持・疾病発症」にどのように影響するかを調べ、個人個人にあった治療法や発症予防法を開発するものである。

(Hiroki Takeuchi / POYNTER CEO Ph.D)


LINEに脆弱性、トーク内容などを閲覧される恐れ–修正版アプリは配信済み

LINEの手がけるメッセージアプリ「LINE」に脆弱性が発見された。

LINEは3月16日にその詳細を報告しており、問題を修正した最新版のアプリをすでに配信している(iOS版は3月4日から、Android版は3月10日から)。直近アプリのアップデートをしていないという読者は、早急にアップデートして欲しい。

今回発見された脆弱性は、悪意のある第三者が設置した無線LANに接続した際、LINEアプリ内の「その他」にあるページを開いたり、メッセージ・タイムラインに記載されたURLにアクセスしたりした場合に、LINE内のトーク内容・友だち一覧などのデータが取得・改ざんされる可能性があったというもの。

脆弱性はセキュリティ会社のスプラウトが発見。2月3日にJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)および情報処理推進機構(IPA)からLINEに報告があったという。

またそのほかにも、悪意のある第三者が友だち表示名に不正なプログラムを埋め込んだ状態で友だち申請をしてコードが実行されると、LINE内の情報が閲覧・改ざんされる可能性があるという脆弱性も指摘されたとのことだが、こちらは2月3日に修正を完了しているとのこと。


Copyfeedはコピー&ペーストを時系列ですべて記録するiOS版便利アプリ

iOS 8でAppleは写真、テキストその他のデータをアプリ間でやりとりするのを簡単にする機能を付け加えた。

Copyfeedは、この機能を利用してユーザーがコピー&ペーストしたデータを記録するiOSアプリだ。ユーザーがコピーしたリンクやテキストの一部などを時系列で保存し、後で利用できるようにしてくれる。またオプションのウィジェットを使えば、iOSの通知センターに表示させることもできる。

多くの場合、コピー&ペーストというのは一回きりの作業だ。しかし、例えばアドレス帳からコピーした多数のアドレス宛に会議開催のメッセージを送った後で、同僚がそれらのメールアドレスを欲しがるなどという場合があり得る。メッセージ・アプリから送り先を調べていちいちコピーし直すというのは非常に苛立たしい作業だ。

Copyfeedを使っていれば即座にメールアドレスの一覧が手に入る。タップしてクリップボードにコピーするだけでよい。もし部外秘のデータをコピーした場合は、アプリを開いてそのデータを削除することができる。

このアプリは広告入りで無料だ。アプリ内購入で0.99ドルを支払うと広告が消え、画像が記録できるようになる。後で使う写真ならデバイス内に保存すればいいかもしれないが、広告が表示されなくなるなら1ドル払う価値はあるだろう。

コピー内容を記録するというニッチ・アプリは他にもいろいろ出ている。これまで私が愛用していたのはHeapoだ。このアプリ/ウィジェットも機能は似たようなものだが、エクステンションを通じてコピー内容をChromeに送信できる。私はあまり利用しない機能だが、モバイルとパソコンのデータをできるかぎり同期させておこうとするユーザーも多い。そういうユーザーにはHeapoは便利だろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


対戦型脳トレアプリのBrainWarsが1000万ダウンロード達成――Supercell、Kingを目指す

トランスリミットの対戦型脳トレアプリ「BrainWars」が、全世界1000万ダウンロードを達成した。同社の設立は2014年1月14日。ちょうど創業1周年での達成となった。

日本はたった4.3%――高い海外ユーザー比率

BrainWarsはトランスリミットが2014年5月にリリースしたスマートフォンアプリだ。穴あきの計算式に、正しい式になるよう計算記号を入れる「四則演算」、指示された方向に画面をフリックしていく「フリックマスター」など、直感的な操作で楽しめる約20種類の脳トレゲームで世界各国のユーザーと対戦できる。対戦はリアルタイムだが、相手のユーザーが応じられない場合、そのユーザーの過去の実績をもとに非同期での対戦が行われる。

僕はリリースの1カ月ほど前にアプリのデモを見せてもらったのだが、その頃からトランスリミット代表取締役社長の高場大樹氏は「ノンバーバル、言語に依存しないサービス設計をしている」と語っていた。実際のところ、ユーザーが最も多いのは米国(25.4%)で、日本は4.3%と少ない。

2014年5月にiOS版をリリースしたBrainWarsだが、ノンプロモーションながらサービス開始から2カ月で2万ダウンロードを達成。そこから国内のIT系のメディアやブログなどで取り上げられ、さらに7月にApp Storeの「注目アプリ」として日米で紹介されるようになってから急激にダウンロード数を増やしたそうだ。9月にAndroid版をリリースするとダウンロードは更に増加。10月に300万、11月に700万を達成し、今回の1000万ダウンロードに至った。

高場氏は海外でのダウンロードについて、「特に米国ではApp Storeでの紹介がきっかけだが、それと同時に(対戦結果をシェアした)Twitter経由でのダウンロードが多い。ユーザーインターフェースもフラットデザインを意識したし、ノンバーバルでシンプルなゲーム性を追求している。そのあたりが海外でも受けたのではないか」と分析する。ダウンロード数だけでなくアクティブユーザーも気になるところだが、具体的な数字は非公開だという。ただし「一般のソーシャルゲームのアクティブ率は7日間で20%程度だと考えている。それよりかは大きい数字だ」(高場氏)とのこと。

ユーザーの「真剣さ」ゆえに読み違えたマネタイズ

BrainWarsは1プレイごとにハートを1つ消費していき、そのハートは時間経過によって回復するというソーシャルゲームなどでよくある仕組みを導入している。時間経過を待たずにプレイする場合は課金、もしくは成績上位で得られるコインを使ってハートを購入する必要がある。またコインは、対戦時に自分の得意なゲームを選択する際や過去の成績を閲覧する際にも使用できる。このコインの課金と広告によって、「すごく小さい額ではあるが黒字で運営している」(高場氏)というBrainWars。だが課金に関しては誤算もあったのだそうだ。

BrainWarsは「ガチャでレアキャラを引き当てればゲームを有利に進められる」というものではなく、地道にミニゲームに慣れていかなければいい結果を出せない。そんなこともあってか、前述の「得意なゲームを選択する」という機能を使わずにランダムに選ばれるゲームで正々堂々と戦いたいというユーザーが多いのだそうだ。高場氏もこれについては「鍛錬を積んで勝負をするという競技的な側面があり、ユーザーは(課金して自分に有利なゲームを選ぶことなく)真剣に勝負する。ここが課金のポイントだと思っていただけに誤算だった」と振り返る。また、具体的な数字は教えてもらえなかったが、課金率の低さも今後の課題なのだそうだ。そういった背景もあって、2月にも予定するメジャーアップデートでは、1人向けの新たなゲームモードを用意。ここでコイン消費を促すという。

LINEとの協業、2015年中にゲームを提供

トランスリミットは創業期にMOVIDA JAPANやSkyland Venturesなどから資金を調達。その後2014年10月にLINE傘下のベンチャー投資ファンドであるLINE Game Global Gatewayのほか、ユナイテッド、East Ventures、Skyland Ventures、Genuine Startupsから総額3億円の資金調達を実施している。同社はこの調達と合わせてLINEとの業務提携を発表。LINEのユーザー基盤を活用した新たなゲームコンテンツを開発するとしていた。

このLINE向けゲームの進捗については、「今はBrainWarsに注力しているところ。だが年内にはLINE向けの新規タイトルを1本リリースする予定だ」(高場氏)とした。またそのテーマについては、「『LINEに乗せて成果の出るもの』を考えているが、BrainWarsがベースになるか、まったくの新規タイトルになるか未定」(高場氏)なのだそうだ。

高場氏はこのほか、現状10人(インターン含む)の組織を年内に30人程度まで拡大する予定だとした。年内にはBrainWars、LINE向けタイトルに加えて、自社の新作タイトルも提供するという。「BrainWarsは1年で1000万ダウンロードを達成したので、2015年内に3000万を目指したい。また同時に年内に3ラインまで拡大して、1つ1つのアプリで売上を作って自走しつつ勝負をする。目標は世界で名前が通るデベロッパー。SupercellやKingと肩を並べたい」(高場氏)

トランスリミットのスタッフら。前列中央が代表取締役の高場大樹氏

 


アプリでソーシャルな共有などいろいろできるスマートヘッドフォーンMuzikが$10Mを調達

オーディオアクセサリのMuzikが、設計に2年を要したという新製品を今日(米国時間11/25)発売する。その、Muzikの耳かけ式スマート(smart, 電脳)ヘッドフォーンは、定価が299ドルで、年末クリスマス商戦を待たずして発売され、しかも同社は営業マーケティングを強化するための資金として1000万ドルの資金を調達した。

何がどこがスマートかというと、ホットキーがいくつかあって、その機能をユーザが指定できる。モーションセンサがあるので、頭の動きを入力として利用できる。製品の初期設定では、今聞いている曲をツイートする、Facebookで共有する、付属アプリのお気に入りリストに曲を保存する、友だちにテキスティングやメールができる。…これらの制御はすべて、右の耳カップにあるボタンで行う。

AndroidとiOS用の同梱アプリMuzik Connectが上記のソフトウェア機能をすべて担当し、またオープンソースで提供しているデベロッパプラットホームもある。ということは、Muzikの公式アプリではなく、デベロッパが勝手に作ったアプリがMuzikのAPIを呼び出して、いろんなことができる。お気に入りへの登録、Rdioでオフラインで再生、などなど。モーションセンサは、ユーザの動きでヘッドフォーンを制御できるので、たとえば、外してどこかに置いたら電源を切って電池を節約、といったこともできる。

本体はアルミ製で、耳カップには形状記憶素材を使っている。お値段はほかのヘッドフォーン並だが、ソーシャル機能というおまけが付く。昨年のCESで発表されたが、すぐには発売せず、1年間磨いてから、次のCES(来年1月)の直前に発売されたのだ。

MuzikのファウンダでCEOのJason Hardiはこう語る: “音楽は大好きだ。人と人を結びつけるし、ストーリーがあるし、逃げる場所にもなるし、貴重な時間を作ることもある。うちのビジョンは、ヘッドフォーンのインテリジェントな設計を通じて音楽体験をより豊かにすること。これまでの1年は、そのことに集中していた”。

ヘッドフォーンとしての機能に不満がなければ、Muzikの持つスマート機能は顧客が手を出す強力な差別化要因になるだろう。Beatsはスタイルで評判になり、セレブが使っているというブランドイメージを作った。若者市場をねらう新人ブランドは、ドラゴンを何頭も倒してからでないと、なかなか注目されない。でもアプリの、デベロッパが自由に利用できるプラットホームがあるMuzikは、今後のアプリ次第で大化けする可能性もある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Skypeがついに完全なWebアプリケーションに、ただし今のベータでは小さなプラグインが必要

Skypeのインスタントメッセージングと、音声やビデオによるチャットが、ブラウザから使えるWebアプリケーションになり、そのベータが今利用できる。ということは、どこのどんなコンピュータを使っているときでも、アプリ/アプリケーションをインストールする必要なく、ブラウザを立ち上げ、自分のアカウントでSkypeできるのだ。

SkypeのWebアプリケーションは今後完全にプラグイン不要になるというが、今のところは小さなプラグインをインストールしないと音声とビデオの通話はできない。またInternet ExplorerはReal-Time Communications(RTC)を実装していることが必要だ。それはユーザのさまざまな会話やメッセージのステータスを正しくシンクし、素早くチャットを開始でき、ボタンを一つ押すだけで友だちを呼び出せる。そのプラグインは今、Chrome for WindowsとIEとFirefoxとSafari用が提供されている。

Windows上のChromeだけがサポートされているということは、Chromebookではだめ、ということだ。でも現状はベータだから、今後もっとサポートされるデバイスとオペレーティングシステムは増えるだろう。当面は、Windows以外のChromeはノー、なのだ。

〔ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。〕

今年の初めにOutlook.com用にローンチされたプラグインを使うと、すでにWebからSkypeを使えた。ただしそのためにはOutlookのWebメールを使う必要があった。だから今回は初めての、Skypeの完全なWeb化だが、それならプラグイン不要で使えるはずなのに、まだプラグインをインストールしなければならないのは残念だ。

Skype for Webのベータは、今日から限られた数のユーザに対し徐々に展開されていく。だから誰もがいきなりサイトにサインインしてWebクライアントを使えるわけではない。でもすでに選ばれている人には、ベータをお試しくださいというメッセージが出る。

今、なぜChromeはWindowsだけなのか、そしてそのほかのプラットホームのサポートについて、Skypeの問い合わせ中だ。情報が得られ次第、この記事をアップデートしよう。

アップデート: Skypeによると、インスタントメッセージングはWindows以外のChromeでもサポートされるが、音声とビデオは、そのほかのプラットホームではプラグインがそれら用に構成されていないからだめ、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Inboxを使いたい人は、今朝の「ハッピーアワー」に申し込めば確実に招待される


Googleは、Inbox招待プログラムを拡大して新たな「ハッピーアワー」を提供する。今日(米国時間11/5)西海岸時刻 3 pm~4 pm[日本時間11/6 木 8 am~9 am]の間に、inbox@google.com にメールで申し込めば、今日の5 pm[同10 am]までにアクセスが保証される。

まだアクセスの順番を待っていた人にとって、これは最も確実に招待状を確保できるチャンスだ。なお、現在Inboxを利用できるのはGmailの個人アカウントのみなので、Google Apps経由でメールを利用している人は、少なくとも今はサインアップできないことに注意されたい。

GoogleのInboxは私に最も興味を抱かせた非伝統的メールアプリであり、Mailboxを含む他の新種メールアプリには惹かれなかった私も魅了された。アプリは、Googleが通常のGmailの自動カテゴリー分け機能や、モバイル用アシスタントアプリGoogle Nowで培った機械学習知能を有効活用している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


左右スワイプで高速暗記、1日1000語覚える英単語アプリ「mikan」が、いよいよリリース

「圧倒的にいちばん速く覚えられる英単語アプリ」を目指すという、今までありそうでなかった打ち出しアングルで英語産業にチャレンジしようするスタートアップ企業、mikan(ミカン)が、社名と同名のアプリ「mikan」のiOS版を今日リリースした。AppStoreから無料でダウンロードできる。Android版は2015年春リリース予定。

 

TechCrunch Japanでは、7月29日にmikanのことを詳しく報じているけれど、このときの反響はすごかった。TechCrunch Japanの7年にわたる歴史の中で3位となるはてブ数1500、Twitterで1400ツイート、Facebookで2300いいねが付くなど注目度はきわめて高い。「これならオレ(ワタシ)でも!」という万年挫折組の期待感と、「でも、ホントに効果なんてあんの?」、「ていうか、これ、結局なにが新しいの?」という英語学習中上級者の懐疑の目とが一気に集まったような感じだろうか。

改めて簡単にmikanの紹介をすると、これはスマフォネイティブの英単語帳だ。あらかじめ用意されている「TOEFL3000」「TOEIC2500」「センター試験・大学受験2500」「GRE1500」という4つの試験の学習者向けのカテゴリを選択して、合計9500語の学習ができる。次々に表示されるカード上の単語について、「意味が分かる」(右)、「分からない」(左)と指でスワイプしていくのだが、テンポよく高速にカードがめくれるのが特徴だ。左にスワイプした覚えていない単語のみ、何度も繰り返し復習できるのがポイント。ネイティブスピーカーの発音も収録されているので、「英単語=訳語=音」というセットを高速にグルグルとカードを眺めて学習できる。学習後に出てくる4択テストで、定着度を測ることができる。

以下はプロトタイプの動画でリリース版はもっと洗練されているが、mikanがどういうものかは分かると思うので再掲載しておこう。

で、mikanの何が新しいのか? ということだけど、英単語学習アプリを自作して3年間も使い続けてるほどの学習アプリオタクのぼくに言わせると、mikanがうたう個々の機能は世界初とかそういうものじゃないと思う。覚えていない単語だけを復習するアプローチは長らく存在している手法だし、定着度に応じて復習間隔を徐々に広げていくSRS学習法と呼ばれるようなアプリのモバイル版もたくさんある。

ただ、「スワイプUIで徹底して英単語の学習時間を短くする」ということを目標に全体を最適化しているアプリは、今のところmikan以外にないように思う。やってみれば分かるけど、単語カードや4択のタイマーのリミットがかなり短時間に設定されている。グングンと残時間表示バーが減っていく。知っている単語でもスピードを要求されるゲームのような感じだ。そして反応時間をベースにした統計情報もグラフで表示されるので、同じ「知っている」でも習熟度が上がっていく様子が分かったりするようになっている。隠れている訳語を表示するインターフェイスも、指を載せてスワイプする動作と一体化している。たとえばi暗記+のモバイル版だと、訳語はカードを裏返すアクションの後に表示されるようになっていて、かすかに時間がかかる。別の比較例としてAnkiAppは復習戦略の最適化のために、習熟度の自己申告を促す仕組みを採用しているというのがある。ユーザーは各アイテムごとに「無理、むずい、分かる、余裕」の4つから選んでボタンを選ぶ。やはり左右スワイプに比べると、1アイテムごとの滞留時間が長い想定だ。ぼくが作ったReijiroという単語帳アプリは「用例と例文を読むこと」を重視しているからアイテムごとの滞留時間は、たぶん1〜3分程度とむちゃくちゃ長い。そもそも日々のオンラインでの辞書引きが起点なので開発の背景や目的が全く違う。

こうした違いはmikanだけが「学習時間を徹底して短く」ということを掲げているから出てくるものだと思うし、この軸のために出てくる小さな違いの積み重ねこそがプロダクトの差別化になり、特定の問題への向き不向きを分けるのだとぼくは思う。今までの暗記系アプリは時間的な焦りを感じている英語学習者にとっては「(化学や歴史、資格試験など)ジャンルで欲張りすぎ」、「記憶効率の話はしても、徹底した高速学習を目指してはいなかった」ということで潜在ユーザー層に響いていなかった可能性があるのではないかと思う。もし単位時間あたりの接触回数が記憶効率にとって決定的要因だった可能性があるとすれば、mikanのアプローチは新しいし、興味深いと思うのだ。

起業してアプリを作ったmikanの宇佐美峻さんによれば、従来2000〜3000単語の学習に1〜3カ月かかっていた時間を、1日1000単語にまで縮めることができるという。実際、2014年7月から9月にかけて宇佐美さんら創業メンバーは、北海道から鹿児島県まで全国22都道府県28都市で、英語合宿を実施して、実地でアプリの有効性を検証。合計200名以上の参加者で、合宿終了時の4択問題による最終定着率の平均が81%となったという。合宿で学習した単語はTOEFL85点以上、TOEIC800点以上を目指す人向けの難易度が高い単語だったというから、学校の英語教育で学習するボキャブラリーに上積みする数千語という中級レベルでの結果で良好な結果が出ていると言えるのかもしれない。もっと多くのユーザーの声が聞こえてこないことにはなんとも言えない部分はあると思うけど、今度こそ英語をやるぞと思った読者は、ダウンロードして試してみてはどうだろうか。


「流出」を気にせず気軽に写真を共有できるXim、Microsoftより登場

誰かにスマートフォンの写真を見せてもらうとき、不適切なものが見えてしまわないかという確認にやけに時間がかかってしまうということを経験した人も多いだろう。あるいは気軽に見せてもらったものの、意図しなかったものが見えてしまい気まずくなってしまったりしたことがある人もいるかもしれない。Microsoftのリサーチ部門が、こうした面倒をなくそうとするアプリケーションをリリースした。名前をXimという。

アプリケーションはWindows Phone版、iOS版、そしてAndroid版があり、いずれも無料となっている(訳注:現在のところ、日本では未公開のようです)。見せてもらう側にはアプリケーションも必要なく、また何らかのサービスにログインする必要もない。アプリケーションは公開する側にのみ必要で、アドレス帳から公開相手を選んだり、あるいはメールアドレスないし電話番号などを入力して相手を追加するようになっている。そして公開開始をすれば完了だ。閲覧者側に送られるのはリンク情報で、XimをインストールしていればXim上で閲覧できるし、インストールしていない場合はブラウザで閲覧することになる。

どの写真を公開するのかについては、当然ながら公開者側が完全にコントロールすることができる。すぐ近くの人と同じ写真を見ながら会話を楽しむような場合にも利用できるし、あるいは遠く離れた人と写真を共有するのにも利用できる。閲覧者側もXimをインストールしているのなら、自分から写真を加えたりすることもできる。さらに閲覧者側のアプリケーションと画面をシンクロナイズして、同時に写真を見ていくような使い方もできる。なお、写真には短い説明などを加えることもできるようになっている。

スマートフォンで写真を撮ることが一般的となっている現在、自分の撮った写真を人に見せたくなることも多くなった。しかしいろいろな写真が入っているもので、なかなか気軽に見せるということができにくいこともあるだろう。そうした問題に対処するためのアプリケーションであるわけだ。余分な機能を削って軽量化していて、また共有した写真は一定時間の後には見えなくもなる。写真を共有するのに容量を気にする必要もなく、あるいは知らないうちに流出してしまうようなリスクも軽減されている。

Microsoftによるこの無料ツールは、日常で具体的に困っていることを解決してくれる。今後もこのジャンルでの活躍を期待したい。

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(翻訳:Maeda, H


クラウドベースのKdan Mobileはアドビのモバイル製品とEvernoteのスキマを埋める

Kdan MobileはAdobeのモバイル製品とEvernoteの「隙間」を埋める製品を開発している。クラウドで利用できるAnimation DeskNoteLedgeは、学生やアマチュアユーザー向けのiOSとAndroidアプリだ。

Kdan Creative Cloudを使えば、ユーザーは自分のコンテンツに複数のデバイスからアクセスできる。創設者で現CEOのケニー・スー氏はこう述べる。「Kdan Mobileのスタートアップは、シリーズAラウンドのクロージングにあります。近い将来、ファイル形式によるコンテンツの簡単な管理ができるように、すべての自社アプリからデータを解析します」

「現在、弊社が目指している市場ポジションは、AdobeとEvernoteのスキマにある、モバイル端末でのコンテンツ制作のユーザー体験を補完することです。Evernoteのビジネス戦略は、すべてをクラウドで保管することですが、コンテンツの作成をするツールはありません。Adobeはアマチュアのモバイルユーザーではなく、これまでずっとプロフェッショナルユーザーを対象にしてきました。」

NoteLedgeとAnimation Deskは、SamsungとMicrosoftとのパートナー契約により勢いがついている。これらのアプリは、アジアの13カ国でGalaxy 3やGalaxyタブレット等のSumsungのモバイル端末に、台湾でMicrosoftのLumiaシリーズにプリインストールされている。

現在、Kdanはより多くの企業とのパートナー契約と、パートナー契約によらない新規ユーザーの獲得、そして既存ユーザーがKdan Creative Cloudへサインアップするよう促すというチャレンジを抱えている。スー氏は、「秘密保持誓約書のため詳細は明かせないが、北米の携帯キャリアとパートナー契約を結んだ」と語る。

Kdanのスイート、Kdan Creative Cloudには、現在100,000人のとうろくユーザーがいて、毎日2,000から3,000人が新たにユーザー登録をしている。Kdan Mobileは、2015年末までにユーザー数100万人を目標としている。スー氏はプロモーションや追加機能のアンロックなどを提供することで、ユーザーにKdan Creative Cloudへの登録を促す予定だという。

現在、8つのアプリがKdan Creative Cloudと連携している:Animation Desk($4.99)、NoteLedge ($4.99)、PDF Reader ($4.99)、PDF Connoisseur ($9.99)、Pocket Scanner ($3.99)、Write-on Video ($3.99)、PazteUp ($4.99)、EleEditor ($2.99)。

これらのうち、PDF ConnoisseurとNoteLedge、Animation DeskをKdan Mobileは旗艦アプリとしている。

Animation Deskは、デッサンをアニメーションにするiPadアプリで、高額ソフトの機能すべてを必要としない、学生やアマチュア向けのAdobe Edge Animate代替品として制作されたソフトウェアだ。仕様として、フレームレート(静止画像数、コマ数)は3FPSから24FPSまで4段階をサポートし、ユーザーが手描きする必要がないように、背景として動画や静止画を搭載している。また、Animation Deskは、Adonit、Ten One Design、Hex3 stylusに最適化されている。

PDF Connoisseur は、紙の資料をPDF化するスキャナー、PDFリーダー、ファイル・コンバーター、ダウンローダー、ファイル変換ツールを内蔵している。また追加機能として、6言語(英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語)をサポートするテキスト読み上げ機能、12言語をサポートするOCR(画像からテキストを読み取り、検索可能なテキストファイルに変換する機能)とPDFエディターがある。

NoteLedgeはEvernoteの競合ソフトだが、より若い層をターゲットとし、クレヨンやスタイラスなどのスタイラスや、異なるノートのデザイン、ステッカーのアプリ内購入などのオプションを設けている。Evernoteのように、NoteLedgeはオーディオ録音、ビデオ録画もサポートしている。
Kdan Creative Cloudのサブスクリプションは、個人ユーザーは月$2.99ドルか年$9.99ドル、ビジネスユーザーは月$5.99または年$29.9 ドルだ。

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(翻訳協力:Kdan Mobile Software、早瀧)


StumbleUponのAndroidアプリがv.4.0でデザインを一新、長寿の秘訣はモバイルとソーシャルの積極推進に

健在の老舗サイトStumbleUponが、Android向けStumbleUponアプリのバージョン4.0をリリースし、ユーザインタフェイスを一新して、ナビゲーションの方法を変えるとともに、コンテンツの新しい見つけ方を導入した。

デザインはGoogleのAndroidアプリのデザインガイドラインに準拠し、ページの左右からの出し入れや、Android LのMaterialデザインふうのフラットなルックスを実装している。引き出し型のスライドメニューで、お気に入りや興味あり、フォロワーなどにアクセスでき、右の引き出しには通知が表示される。

新たに加わった”Add To List”では、右下のボタンをタップしてコンテンツをコンテンツ集に入れる。アプリのホーム画面では、右スワイプを繰り返していろんなカテゴリーへ行ける。そして気になった場所でクリックすれば、フレッシュなコンテンツが現れる。リンクを閲覧したり、また画面上のバックキー(戻るキー)で元のStumblesに戻れる。

StumbleUponのモバイルプロマネAmol Sogalによると、同社は今ソーシャルメディア上のプレゼンスを強化しようとしており、今回のアップデートで新たに加わった”Activity Center”機能が、そのために使われる。Activity Centerでユーザは、ソーシャルメディア上の友だちとコンテンツを共有したり、お互いをフォローしあえる。

“StumbleUponが本格的なソーシャル機能を導入したのはActivity Centerが初めてだ。モバイルユーザはこれをきっと好きになるだろう”、と彼は語る。

Sogalによると、昨年同社は、同社の本来のサービスであるコンテンツ発見を通じて人と人を結びつけることに力を入れ、新しいサイトに生まれ変わった。StumbleUponは今後もモバイルへの投資を重視し、この夏の終わり頃にはiOSアプリのデザイン刷新も行う。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2日で約3000語を暗記、スマフォ世代の英単語学習アプリ「mikan」はTinderライク

「2日で3800単語」とか、「2週間で8000単語」とか、いままでちょっと聞いたことがないスピード感で英単語が学習できるとするアプリ「mikan」は、これまでの単語学習アプリと毛色がだいぶ違う。6月に株式会社mikanを創業した宇佐美峻さんは、「圧倒的にいちばん速く覚えられるアプリ」を目指していて、すでに実績も出始めているという。

mikanでは左右にスワイプすることで次々とカードをめくっていくようなUIを採用している。これは、去年あたりからアメリカの若者の間で流行している出会いアプリの「Tinder」が生み出し、多くのアプリが採用しているスマフォ・ネイティブといっていいUIだ。デート候補として表示される相手を「いやー、ないわー」「会ってみたい!」に直感的に分けていくTinderに対して、「これは色がイマイチ」「このパンツいいね!」というようにファッションアイテムの好き嫌いをユーザーごとに学習するファッションアイテムのキュレーションのようなサービスでの応用がある

mikanの場合、次々に表示されるカード上の単語について、「意味が分かる」(右)、「分からない」(左)とスワイプしていくのだが、Tinder同様に、片手で手軽に、そして高速にカードがめくれるのが特徴だ。

mikanでは10単語を1セットにして、次々とスワイプする。右へスワイプした既知の英単語は消え、左へスワイプした未知の英単語は残って再び画面に現れる。10単語で1周したときに、未知語が6つあれば、2周目には6単語が表示される。2周目に覚えた単語は3周目に出てこない。というように、ただ「知ってる、知らない、知らない、知ってる。あ、さっき覚えた。さっき見たけど、やっぱりまた意味が分からない……」などと左右にスワイプしているだけで、10→6→3→1→0というように、覚えていない単語だけを高速に繰り返して復習していける。10単語1セットとして、慣れると1セットを1分程度で消化できるという。以下がデモ動画だ。

10単語が1分だとすると、3800単語なら、どのぐらいか? 答えは2日だそうだ。試験的に3800単語を2日間で覚えるというこを7人にやってもらい、2日目の最後に400単語のテストをしたところ、平均定着率は82.4%だったという。記憶というのは時間とともに薄れるので、集中的に暗記をした直後のテストの定着率をもって3000語を「マスターした」ということはできないだろうが、従来の学習法から考えると驚くようなパフォーマンスだ。単調な暗記作業とは異なる、ちょっとしたゲーム感覚で細切れ時間が活用できるのは面白い。

英語学習合宿が話題になったことがキッカケ

mikanを創業した宇佐美さんは東京大学で機械情報工学を専攻する4年生。そろそろ周囲が就職活動を始めていたとき、「このまま行くとオレも就職しちゃうという危機感」から休学を決意。いまはmikanの実証データを集めるために47都道府県を回る全国行脚の準備中だ。各都道府県で、英語学習に取り組む学生を中心に、テスト利用者を20人ほど集めて合宿形式で「1日で1000単語を覚える」というのにユーザビリティーテストを兼ねて取り組む。もし成果がでれば、この初期ユーザーがmikanのエバンジェリストになってくれるという読みもある。

宇佐美さんは、別に英語アプリで起業しようなどと思っていたのではなく、「英語を教えていたら、お金になり始めた」ことが起業のキッカケだったと話す。

もともと起業には強い関心があり、クラウドソーシングの「クラウドワークス」やアクセラレーターの「MOVIDA」でインターンを経験していて、最初からシリコンバレーを目指していたという。「スタンフォードの大学院に行きたい」ということから、まずはTOEFLに申し込んだ。ところが、試験日当日まで一切勉強せず、「申し込んだら勉強すると思ったんですけどね、4万円が無駄になりました」と笑う。そこでまず、英語の勉強をするしかない時間と場所を決めてやろうと、今年3月に2週間の合宿を実施した。友人らに声をかけると、結構みんなが来てくれた。

その合宿の様子をブログやFacebookでシェアしているうちに、学生以外の社会人からも「行きたい」と連絡が来るなど、問い合わせが10件、20件と増え、話題になりはじめたという。5月に実施したTOEFL合宿には約60人が参加するまでになった。

合宿ビジネスでは労働集約型のマンパワーがモノを言う世界になる。そうではなく「アプリとかWebサービスとか、スケールするもので実施できないか」と考えて、5月にMacを買い、iPhoneアプリを作り始めたという。

アプリのアイデアは、自身が行ったExcelを使った英単語学習法が元になっている。まず日本語と英語が対になったものをExcelに1万語分、打ち込んだリストを作る。学習済みの単語については、このExcelの表の右側に「1」を付けていって、これを並べ替え。覚えていない単語だけをプリントアウトして覚える。次に「2」を付けてプリントアウト……、というのを繰り返した。

宇佐美さんは「数が少なくなっていく喜びを感じたんですよ。それで、これをアプリにしたらいいんじゃないかと思いつきました」という。この話を聞いたぼくは、正直それは意識の高い東大生ならではなのじゃないかと問い返してしまった。1万語を用意するのも、自分で進捗管理するのも、ちょっと並じゃない。

ただ、宇佐美さんは、これまでにmikanアプリを試していて面白いパラドックスに気付いたという。自分で工夫する人は、かえって成績が悪かったのだという。愚直に右へ左へとスワイプしまくった人のほうが成績が良く、逆に自分で工夫してプラスアルファの学習をしようとした人は成績が伸びなかったのだという。つまり、愚直にやるだけで誰でもできるという可能性はある。

mikanはまだ一般公開しておらず、MVPとして宇佐美さんが実装したiOSアプリが存在するだけだ。mikanは自己資金で設立していて、チームは3人。現在は資金調達のために個人投資家を回っているが、資金目的ではなく、「内部の支援者として入って頂きたい」という。アプリの一般公開は年内を予定している。

英語学習で似た状況にある中国や韓国にも「いま直ぐにでも行きたい」(宇佐美さん)が、当初は日本に集中する。また一部、フランス語や中国語などを学習している受講者に単語帳を実験的に作ってもらうなど、多言語展開も視野には入れているという。マネタイズはフリーミアムを検討しているそうだ。


グロースハックとAndroid優先が奏功、ファッションアプリ「iQON」は登録ユーザー100万人に

ファッションアイテムの画像を組み合わせて自分好みのコーディネートを作成するVASILYのファッションアプリ「iQON」。同アプリの登録会員数(ダウンロード数やアクセスしたユニークユーザーではなく、会員登録したユーザーだ)が、6月25日付けで100万人を突破した。

グロースハックとAndroidファーストがキモ

「Androidファーストでの開発がうまくいっている」——VASILY代表取締役の金山裕樹氏はこう語る。実はVASILYは国内でもグロースハックにいち早く注目したスタートアップの1社とのことで、2013年1月からは様々な施策に取り組んでいるという。

「雄介(AppSociallyの高橋雄介氏)に概念を教えてもらったことがグロースハックを始めたきっかけ。VASILYはテクノロジーカンパニー。社員もエンジニアが多いし、アプリのユーザーレビューでも評価が高い。僕自身もUXのプロであってもマーケティングのプロではない。自社のエンジニアリング能力を生かす意味では、グロースハックでユーザーを獲得するのは『アリ』だと思った」(金山氏)

グロースハックのための施策は、ボタンの変更からチュートリアルの簡素化にはじまる「細かいことの積み重ね」だそう。その考え方や施策については、同社のブログでも一部紹介されているので参考にして欲しい。そしてその際に生きているのが、前述のAndroidファーストでの開発だという。

AndroidのアプリストアであるGoogle Playは、アプリのアップデートにアプリストア側で審査する時間がかからない(AppleのApp Storeではおおよそ1-2週間の審査時間を要する)。そのため、細かな施策をAndroidアプリで次々に実施し、効果が検証できたもののみをiOS版のアプリに反映していっているのだそうだ。その結果、リワード広告やアドネットワークなどをほとんど利用することなく会員100万人を達成したという。

特にアプリをリニューアルした2013年秋以降の成長は急激だという。「アプリのアイコンを4つに減らし、徹底的にシンプルなデザインにした。これもAndroidでうまくいったのでiOSにも反映した施策だ」(金山氏)

マネタイズの3つの柱

100万人の登録ユーザーは、もちろんファッション好きなユーザーが中心だ。iQONではコーディネート作成に利用するアイテムを直接購入できるように、ECサイトへのアフィリエイトリンクを張っているが、すでにiQON経由での売上が合計1億円を越えるサイトなども登場しているそうだ。

マネタイズについても聞いたのだが、前述のアフィリエイトのほか、タイアップを中心にした広告、4月から開始した月額300円のコンテンツ課金の3点を展開しているとのことだった。

広告に関しては、ELLEgirl前編集長の澄川恭子氏がVASILYに参画したこともあって「コンテンツの信頼感も増し、ナショナルクライアントも入ってきている」(金山氏)。一方で課金ユーザーはまだまだ少ない。だが将来的には「外部のファッション誌のコンテンツとも連携していきたい。まずはユーザーのニーズがあることを自社コンテンツで証明する」(金山氏)。

今週Gunosyの発表が続いたりしたこともあって、ニュースアプリのプラットフォーム化を意識する機会はあった。それと同じようにiQONは、ファッションECの集客を実現するプラットフォームとなりつつあるようだ。

ロゴ刷新、海外展開も視野に

VASILYでは今回の発表にあわせて、ロゴを一新する。記事冒頭にあるのが新しいロゴだ。また年内に会員数200万人を目指すほか、早ければ年内にも台湾をはじめとしてアジア、米国での展開を目指すとしている。


イラスト制作の様子を自動的にInstagram用ビデオにまとめるSketchVid

また、面白いiOSアプリケーションが登場してきた。名前をSketchVidというものだ。描いた落書きをInstagram用のアニメーションにすることができる。

手元の写真をなぞって絵にすることもできるし、もちろん普通に絵を描くこともできる。いずれにしてもスケッチの手順をすべて記録し、そしてその描画の様子を15秒間のビデオにまとめるのだ。

自分ではJotスタイラスを持ってはいるものの、絵を描くのは得意でない。しかしSketchVidにはトレース機能も用意されていて、Crispin Gloverの絵も、なんとか本人であると認識できる程度には描写することができたように思う。

上手に描くことができたなら、SketchVidから作品を共有することができるようになっている。YouTubeではイラスト作成の様子をうつしたものが人気ジャンルのひとつとなっているし、そうした流れにのってSketchVidを使ってInstagram上でマーケティングないし教育目的などの目的で作品を公開する人も増えてきているようだ。ターゲットとなる利用者の幅は広いだろうが、とくに子供などは自分の作品が動き出すのを見てとても喜ぶのではないだろうか。

SketchVidを製作したのはトロント在住のSaeed GhaferiとArfan Chaudhryだ。あるときSaeedがArfanにスケッチを送ったのだそうだ。

「Arfanは最初、本当にSaeed本人がが描いたのだとなかなか信じなかったのです」とのこと。「そのときにひらめいたのです。イラストを描く様子を記録して、それをビデオ化すれば面白いのではないだろうか、と」。

公開するプラットフォームとしてInstagramを利用することとした。「アート分野に携わる人にも、自分の写真やビデオ作品などを公開する場としてInstagramを利用している人が多かったからです」。

他にもイラストの様子を記録するアプリケーションがある中、公開場所をInstagramに特化することで、アプリケーションの特徴を出そうとも考えたのだろう。写真をトレースする際、写真は自動的に正方形に切り取られ、またイラスト作成手順がどれだけ複雑であろうとも、ちゃんと15秒に収まるように編集してくれる。

SketchVidはiOS版が提供されていて、基本機能は無料で利用することができる。またアプリケーション内販売の機能を使って、さらに便利な描画ツールを入手することもできる。今の段階でも相当に楽しいものになっていると思うが、アニメーションのクオリティを高めるために、すぐにもアップデートする予定にしているのだとのことだ。またAndroid版も現在作成中であるとのことだった。

GhaferiとChaudhryのお気に入り作品をいくつか掲載しておこう。

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(翻訳:Maeda, H


Google、専門家とビデオチャットできるHelpoutsのiPhone版を提供

Helpoutsは、昨年Googleが「困っている人を助ける(HELP PEOPLE OUT)」ために作ったサービスだ。システムはHangoutsを通じて働き、ふだんやっているように友達とダベるだけでなく、個別の問題解決のためのエキスパートと、有料または無料でビデオチャットできる。そのHelpoutsが、iOSでも使えるようになった

iOS版Helpoutsは、ウェブ版と同じように動作し、Google Hangouts上で使用できる無料ビデオチャットとつながることができる。無料のみなのは、Appleを通じて有料サービスを提供すると通常の30%手数料がかかり、Googleにとってそれは価値がないか、そもそもやりたくないことだからだろう。

Android版のHelpoutsは昨年11月から提供されてたが、Appleフレンドリーなサポートは少々出遅れていた。アプリでは、エキスパートの評価やスケジューリングが可能で、iPhoneから直接セッションに参加できる。アプリは無料で、iPhone専用に作られている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


「bizNote Expense」はスタートアップの経費精算業務を効率化する

スマートフォンで利用できるクラウド家計簿アプリは、「Zaim」「ReceReco」「マネーフォワード」「Dr.Wallet」など数多く登場している。これらはあくまで個人や家庭向けのサービスだが、スマートフォンを利用して手軽にお金の計算をするというニーズは何も家庭だけにあるわけではない。

たとえば会社員にとっては、毎月の経費精算は非常に負荷のかかる作業だ。これを手軽にしてくれるのが、クラウドキャストが提供する経費精算サービス「bizNote Expense」だ。iOSアプリを1月にリリースし、4月2日にはAndroidアプリをリリースした。

bizNote Expenseは管理者向けのツールと、従業員向けのアプリで構成された経費精算サービスだ。管理ツールでアカウントを登録すれば、従業員がアプリをダウンロードしてすぐに導入できる。

アプリでは、交通費や会議費、タクシー代などの経費入力から申請までを3ステップで実行可能。ファイル添付も可能なため、領収書をスマホのカメラで撮影したり、交通ルートのスクリーンショットを付与するといった運用も可能だ。あとは、管理者が承認をすればよい。

初期費用および従業員向けアプリは無料。管理者向けツールは3アカウント月額390円から。NPOや学生起業家には、サービスを無料で提供する。 ターゲットとするのは、10〜20人規模の中小企業やスタートアップ。クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏は「会社員をやっていれば分かるが、経費精算は提出する側もされる側も面倒なもの。だが経費管理のシステムといえば、必要のない機能までついて初期費用、月額で数万円以上といったものしかなかった」と語る。 競合を見てみると、従業員数1000人以上での利用を想定した米「コンカー」が2011年から日本に参入している。同社のサービスを利用する企業は100カ国1万8000社(国内でも180社以上)、Fortune 500の61%以上の企業が採用しているという。また、従業員数200人程度の企業をターゲットとする「経費Bank」「楽楽精算」「ビジネスナビタイム」などもあるが、スタートアップや中小企業向けのソリューションはほとんどない状況だという。「我々のミッションはスタートアップの人たちにファイナンスの“見える化”をして、活躍してもらうこと」(星川氏)。無料期間のユーザーも含めて、現在約1000社のスタートアップや小規模ビジネスの経営者、従業員が利用しているという。なお、海外を見てみると、「Expensify」「Abacus」のようなサービスも登場しているようだ。

クラウドキャストは2011年の創業。弥生が主催したアプリコンテストにてグランプリを受賞。2013年には同社との資本業務提携を実施している。今後は弥生と連携したサービスの開発や、弥生の顧客企業への営業などを進める。また将来的には、海外市場への進出を目指すとしている。