Appleは、もう自動車を作るつもりがない(Bloomberg報道)

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Appleは、秘密とはいえない自動車プロジェクトに何年も前から取り組んでいる。内部でTitanと内部で呼ばれているそのプロジェクトでは、リーダーやロードマップが度々変わった。Bloombergの最新記事によると、同社は電気自動車の製造計画を中止するらしい。代わりに自動車チームは、自動運転技術に焦点を絞る。

さらに興味深いのは、Appleが自動車会社になることに二の足を踏んでいたらしく、明確な期限を設定していたことだ。もしAppleの自動車チームが2017年末までに有望なデモを見せられなけれは、会社はプロジェクトを中止するという。

当初Appleは、伝統的Apple製品を作ろうとしていた。ハードウェアとソフトウェアの両方をコントロールするという意味だ。Appleは自動運転テクノロジーを塔載した電気自動車を2020年以降に出荷する計画だった。

しかしAppleはそうした野望を縮小した。Bloombergによると、何百人もの技術者が会社を去ったり辞めさせられたりした。もはやAppleには電気自動車を作るつもりがないからだ。代わりにAppleは既存の自動車メーカーと提携する計画だ ― iPhoneよりもAndroid的だと考えればよい。そしてもちろん、Appleが最終的に車を製造決断を下す可能性はある ― 今ではないというだけだ。

長年Appleの幹部を務めるBob Mansfieldが、現在プロジェクトを率いている。Boombergは、彼こそAppleが自動車戦略をシフトしている理由だと言っている。8月と9月に大量の従業員がやめた理由でもある。

自動運転技術についてはかなり誇大宣伝されているが、われわれが完全自動運転車を買えるようになるのは、まだかなり先のことだ。それは複数年にわたる大きな資本を要するプロジェクトであり障壁も多い。もし、テクノロジーとエンジニアと戦略が適切でなければ、非常に高価な失敗を招くことになる。Appleが慎重に歩んでいる理由はそこにある。

しかし、自動運転技術に焦点を絞ることが正しい戦略であるとも容易には言えない。Teslaのように完全自動運転車を作ろうとしている会社もある。一方、Uberのように、自動車メーカーと組んで自動運転キットを作ろうとしている会社もある。Renault-Nissanのような既存自動車メーカーは、IT企業と提携することによって車の製造に集中しようとしている。

どの戦略が勝利を得るかまだ誰も知らない。しかし確かなことが一つある。熾烈な競争の中、企業は数年先に自動運転車で好位置に立つために、今投資する必要がある。Appleの自動車プロジェクトへの投資は多すぎるのか、それとも少なすぎるのか?今は誰にもわからない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook