アップルM1チップ搭載Macで動くLinuxディストリビューション「Asahi Linux」のパブリックアルファ版が公開

アップルM1チップ搭載Macで動くLinuxディストリビューション「Asahi Linux」のパブリックアルファ版が公開

Asahi Linux

M1チップ搭載Macでの動作を目指すLinuxディストリビューション「Asahi Linux」が、初のパブリックアルファをリリースしました。アルファ版ということもあって、まだまだハードウェアの機能にすべてアクセスできるわけではありませんが、それでもまずはベータ版、そして正式リリースに向けての重要なチェックポイントに到達したと言えるでしょう。

Asahi Linuxプロジェクトはいまから約1年前、アップルが開発したM1チップシリーズを搭載したMacでの動作を目指し、Arch LinuxのARM版をベースに開発をスタートしました。ようやくのアルファ版ということで、興味のある(そして多少なりとLinuxをセットアップした経験のある)M1 Macユーザーなら誰でも(自己責任で)この新しいディストリビューション(とたくさん表示される警告メッセージ)を試すことができます。

インストールはApple SiliconとmacOS 12.3以降を搭載するMac、具体的にはMac Studioを除く、M1、M1 Pro、M1 Max搭載のMacなら、簡単なターミナルコマンドを入力するだけでインストールが可能です。インストールは管理者権限が必要ですが、デュアルブートにできるので、あくまでお試しにとどめたいニーズにも対応が可能。

現在のところはオンラインインストールのみが可能で、アンインストーラーはなく、パーティションの削除でアンインストールするとのこと。

また盛んに宣伝されているM1チップの統合GPUによる3Dアクセラレーション、Neural Engineをはじめ、DisplayPort、Thunderbolt、またはHDMIポート、カメラにタッチバーといった部分はすべて未サポート。一方USB3、スピーカーなどのサポートは間もなく追加予定とのこと。

M1 Macを手に自らすすんで人柱になりたい方は、Asahi Linuxのウェブサイトにある説明を熟読の上、自己責任でコマンドを入力、実行してみてください。

(Source:Asahi LinuxEngadget日本版より転載)

【レビュー】Mac Studio、すてきでパワフルで値段も高い、Macのデスクトップに求めるものがほとんど揃う

先週のイベントで行われた発表は、そのほとんどが事前に噂されていたものだった。しかし、多くの消費者向けハードウェアが変わりばえのしないものになったこの時代に、Apple(アップル)は驚きを与えることに成功した。イベントの発表の中で明かされたMac Studio(マック・スタジオ)は、大きな変化球ではなく、Appleがパーソナルコンピューター戦略を進化させ続けていることを示すサインだった。最初のAppleコンピューターの登場から半世紀近くが経過したが、このカテゴリーにはまだ寿命が残っている。

ほんの数年前なら、その言葉に自信を持てなかったと思う。Macはまさに「中年」の危機を迎えていたのだ。iPhoneが、Appleの象徴という意味でも売上シェアでもトップに躍り出て、iPadがその残りを吸収していたのだ。イノベーションという観点からは、macOSはモバイル版の残り物を再利用しているようにしか見えなかった。

一方、ハードウェアの面では、かつて同社の基盤の重要な部分を形成していたプロフェッショナル向けクリエイティブ分野を放棄し、MicrosoftのSurfaceシリーズのような製品が花開く余地を残したように見えていた。一時はTouch Barの追加で再び盛り上がりを見せようとしたが、結局Appleもまぼろしに見切りをつけ、その奇妙な実験を静かに終了させた。

数年前のMacは、訴訟沙汰にもなったキーボードの不良や、ポート不足に悩まされていた。後者をAppleの合理化のせいにすることは簡単だが、だからといって失望は抑えられなかった。

画像クレジット:Brian Heater

しかし、2020年に再びパラダイムシフトが起こった。この変化をもたらしたのはやはり、iPhoneの研究開発の直接的な成果だった。しかし、今回は新しいiOSアプリが追加されたわけではない。この間に、AppleはiPhoneのチップを自社開発へと移行し、Macのハードウェアを飛躍的に向上させたのだ。同社はこれまで、可能な限り単独で物事を進めたがってきたが、自社で主要な半導体(Appleシリコン)を開発したことで、その機会が大きく広がった。

Appleがその半導体をMacにも使うのは時間の問題だった。同社はM1チップを発表し、同時に、MacBook Air、MacBook Pro、Mac Miniの3つの新しいMacを発表してパンデミックの最初の年を終えた。Macは復活した──少なくとも性能の面では──というのがほぼ一致した評価だった。家のリフォームやウェブサイトのリニューアルをしたことがある人ならわかると思うが、解体には時間がかかるものだ。M1のデビュー戦は古い車体に新しいエンジンを搭載したようなものに思えた。

2021年5月、アップルは新しい24インチiMacを発表した。このときは新しい半導体(M1)を新しいデザインの筐体に搭載し、約10年半ぶりにオールインワンマシンを根本的に作り直した。こんなことは1度か2度あるかないかだ。私は、ハードウェアのデバイスを指して「cute(かわいい)」という形容詞を行うことはない。「かわいい」はウサギと赤ん坊のためにある形容詞だ。だが2021年のiMacも「かわいい」のだ。かわいくて、しかも力強い。1年以上、デスクトップを日々の手足として使っているが(以前ほど自宅から出なくなった)、M1の限界を超えたと感じた瞬間は一度もなかった。

画像クレジット:Brian Heater

24インチの画面領域で十分ならば、ほとんどのユーザーには、特に私のようにスペースに制約のあるユーザーには、iMacを心からお勧めできる。個人的な唯一の問題点は黄色にしたことだ。

しかし、あえていうなら、新しいMacの誕生は2021年10月だったのだ。私の話を聞いて欲しい。そのとき発表された最新のMacBook Proは単に新しいハードウェアだっただけではなく、ハードウェアに対する新しいアプローチを提示していた。Appleは、自社のデザイン決定に一心不乱に取り組むあまり、その過程で世論の反発を招くことがしばしばあると言っても、あまり驚かれはしないだろう。iPhone SEに関するDevin記者の熱のこもったエッセイを読めば、私が何を言いたいかわかるはずだ。愛着のある機能を失うこと、それは時には進歩の名の下に、時には美学のために行われるが、いつもおおごとなのだ。

2021年のMacBook Proは、いつもと違う感じがした。それが明らかになったとき、活気のないスタッフの間にそれなりの興奮が巻き起こった。何年も我慢を重ねてきたあとで発表された、新しいM1 ProとMaxチップを搭載したMacは妥協のないものだと感じられた。最近のMacのリリースで散見されてきたような不安要素はなく、Macユーザーにも勧めやすい製品だった。

では、Mac Studioはこの中でどこに位置するのだろうか?一見したときよりも、少々込み入った話になる。1つは、上にも書いたように、この製品の登場が意外だったことだ。先週の時点では、デスクトップは27インチiMacが確実視されていた。すなわち2021年のオールインワンをステップアップさせ、iMac Proの穴を埋めるような製品だ。今にして思えば、それはAppleがM1ロードマップを練り上げ、Mac Proのゆらぎを正している間のつなぎだ。

画像クレジット:Brian Heater

27インチiMacは出るのだろうか?おそらくはノーだ。報告によれば、それはすぐに起こりそうもなく、率直にいってMac Studioと重なる部分が多すぎるものだろう。2021年のモデルでは、iMacはAppleのエントリーレベルのデスクトップとしての正当な位置に事実上返り咲いた(非常に強力なマシンだがM1によって全体の水準が上がってしまったのだ)。そのカラーリングは、iPodやiPhone Miniのような製品の伝統を受け継ぐものであることは間違いない。

画像クレジット:Brian Heater

価格設定も、一見したところでは少々複雑だ。現在、M1 Mac Miniは699ドル(日本では税込7万9800円)から、iMac M1は1299ドル(税込15万4800円)からとなっている。一方、Mac Studioは1999ドル(税込24万9800円)からで、事実上2つの製品を合わせた価格だ。だが、もう少し複雑なのは、この中3つの中ではディスプレイを内蔵しているのはiMacだけだという点だ。要するに、お金を節約したい、あるいはすでに完璧なスクリーンを持っているのであれば、必ずしもApple製のディスプレイを使う必要はないということだ。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

もちろん、このレビューのためには、Appleから送られてきたStudio Display(スタジオ・ディスプレイ)を使っている。これでさらに1599ドル(税込19万9800円)が追加され、開始価格は約3600ドル(税込44万9600円)になる。本当のお金の話はこれからだ。テストした機種はM1 Max搭載だ。32コアのGPU、64GBのRAM、1TBのストレージを搭載し、価格は2799ドル(税込33万7800円)である。M1 Ultraが欲しい?その場合は3999ドル(税込49万9800円)からとなり、7999ドル(税込93万9800円)までとなる。しかし、このような価格帯では、議論しているのは全Macユーザーの0.1%(実際の数字ではない)以下のニーズということになる。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

予想通り、GeekBenchでは2021年のM1 Max Proと遜色ない性能を発揮している。Appleシリコン版テストでは、MacBook Proの1781/12674に対してStudioは1790/12851、Intel版テストではMacBook Proの1348/9949に対してStudioは1337/9975というスコアだった。GFXBench Metalテストでも、MacBookの279.6に対して307と差をつけている。残念ながらUltraチップは入手することができなかったが、それでも結果は非常にすばらしいものだった。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

さらに印象的だったのは、Intelモデル上では非常にリソースを消費するような作業を、Studioではファンをそれほど回すこともなく、触っても暖かくなることもなく実行できたことだ。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

先週のイベントで「最後に1つ」とMac Proを予告したAppleが、これからどこへ行こうとしているのか、気になるところだ。M2チップだろうか?おそらくは。とはいえ、ピクサー映画をフルにレンダリングしたり、本当にハイエンドなVRコンテンツを開発したりする必要のある人はあまりいないだろう。もちろん、そういう人はいるし、これからどんどん増えていくだろう。そして、ノートパソコン以上に、これらのデバイスを将来にわたって使えるようにすることが重要なのだ。3000ドル(約35万6000円)もするデスクトップなら、しばらくは使い続けたいものだ。

新しいMacBook Proと同様に、Mac miniよりもトレードオフは少ない。まず、一番大事なのはポートだ。ポートは重要だ。あなたの機器を他の機器につなげることができる。Studioは、前面にUSB-Cポートを2つとSDリーダーを備えている。特に後者は、頻繁に取り扱うものなので、前面に出しておくと便利だ。裏側には、さらにUSB-Cが4つ、USB-Aが2つ(iMacにはなくなって残念なもの)、Ethernet、ヘッドホン端子、HDMI出力(ただし、入力は不可)がある。Studio Displayを加えると、さらに4ポートのUSB-Cが手に入る。

画像クレジット:Brian Heater

Studio本体以上に、Studio DisplayはAppleのラインアップにある重要な穴を埋めるものだ。思い出して欲しいのだが、Appleは、5000ドル(約60万円)のPro Display XDRが登場するまでしばらくの間、自社製のディスプレイ提供から完全に撤退していた。Mac ProやM1 Ultraと同様、Pro Display XDRはほとんどの人が必要としているものをはるかに上回っているモニターだ。もしあなたがApple製のモニターを手に入れたいと考えているなら、27インチの5K Retina Apple Studioディスプレイはほとんどの人にとって十分なモニターだ。さらに300ドル(税込4万3000円)を足せば、反射防止コーティングとNano-textureガラスを採用し、映り込みが劇的に低減される。これはプロユーザーにもノンプロユーザーにもうれしい仕様だ。

iMac 2021のマイクテスト

Mac Studio 2022(Studio DIsplay)のマイクテスト

マイクの品質は良好で、Appleは「スタジオ品質」と位置づけているものの、ウェブ会議以上のことをするつもりなら、前述のポートのいずれかに外部マイクを接続することをお勧めする。とりわけ、よりタイトに入り込むことができる余裕が生まれるだろう。スピーカーのサウンドは最新のiMacよりも充実しているが、これは広くて厚いフレームのおかげで、下向きに音を出すグリルの表面積を広げることができるからだ。

左上から時計回りに:iMac 2020、iMac 2021、外付けウェブカメラOpal C1、Mac Studio(Studio DIsplay)

AVの観点から見て、一番残念なのは、間違いなくウェブカメラだ。センターフレームは追従性が良いが、最近のM1搭載Macと比べると驚くほど映像画質が落ちている。ホワイトバランスが崩れ、画像ノイズが多くなっている。最初は、誤ってそのままにしてあった保護フィルムをはがせばよいかと思ったが無駄だった。その結果が上の画像だ。1599ドル(税込19万9800円)以上のモニターとしては、かなりがっかりだ。

M1のISP(画像信号プロセッサー)に注力し、カメラそのものをアップデートしたので、新しいMacでは外付けのウェブカメラは必要ないとAppleが最近主張していることが、この状況をさらに悪化させている。上の画像を見れば、その意味は明らかだろう。少なくとも今のところ、仕事のインタビューやポッドキャストでは外付けカメラを使い続けるだろう(同じような照明条件で撮影しているが、Opalはデフォルトで画像を反転させることに注意して欲しい)。修正版が出たら、喜んで再挑戦する。

画像クレジット:Apple

カメラモジュールは事実上、新しいiPadに搭載されているものと同じなので、システムアップデートで修正されるのを期待したい。このようなシステムのチューニングは、ソフトウェア側で行われる場合が多いからだ。Matthew記者もStudioをしばらく使っていて、近々公開されるハードウェアに関する大きな記事の一部として、Studioについて説明する予定だ。その一部を引用する。

私たちが行ったテストでは、Studio Displayのカメラは、ローカルでもリモートでも、粒子が粗く、コントラストが低く、全体的に貧弱な画像を生成した。目の前の画像は、現時点では、2021年型24インチiMacのカメラが出力する画像よりも悪い。

ウェブカメラを初めて起動したときに、すぐに品質の問題に気づいた。他のデバイスともつないで確認したところ、MacOS 12.2を搭載したMacBook Proで使った場合、すばらしいとまではいえないものの、若干良くなることに気がついた。こうした違いがあることから、何らかの処理ミスがあるのではと推測している。私はAppleに、この結果が典型的なものであるかどうかを尋ね、サンプル画像とビデオを送った。検討の結果、Appleの広報担当者からは、システムが期待どおりの動作をしていないことと、カメラの性能に対応するためのアップデートを行うことが伝えられた。

それらのアップデートのタイムラインや具体的な内容はわからないが、AppleはStudio Displayのカメラ画質に問題があることを認識しており、修正に取り組んでいるとのことだった。このことは、購入の判断材料として知っておいて損はないし、アップデートで品質が向上するかどうかを確認できるまで待つ理由にもなる。

現時点では、ディスプレイ本体やインモニターオーディオの新基準を打ち立てたスピーカーの優れた性能に並ぶことはできない。

画像クレジット:Apple

Appleが「修理する権利」に関心を持ち始め、サステナビリティへの関心を広げている中で、ユーザー修理性は機会を逸したように思える。ケースを持ち上げて内側からファンを掃除したり、パーツを交換したりすることができれば、多くのユーザーにとってうれしい方向に向かうと思われる。しかし、Appleはその点については、まだコミットメントの準備が整っていない。必要が生じた場合には、ユーザーはApple正規代理店に持ち込む必要がありそうだ。つまり、おそらくWWDCで登場するだろうMac Proでは、モジュール性とアップグレード性が大きな差別化要因になる可能性が高いということだ。

画像クレジット:Brian Heater

iMacと同様に、Studioもデスクトップに置いて見栄えがする。背の高いMac Miniという形容が最も近いデザインで、Mini同様に丸みを帯びたコーナーとブラッシュドアルミニウムが特徴だ。最高にデザインされたMacと同じように、それはインダストリアルでありながら、冷たくはなく、同じアルミニウム製スタンドの上に置かれたStudio Displayの隣に置けば印象的だ。高さを調節できるスタンドオプション(2299ドル、税込4万4000円)や、縦長に傾けられるVesta Mountアダプターもある。少なくとも1人のTechCrunch編集者は、2台目のTweetdeck(ツイートデック)用モニターとして、これを欲しがると思う。

また、最大5台のモニター(USB-C経由で4台、HDMI経由で1台の4K)に対応し、その点でも大いに期待できる。今、Macに5台のスクリーンを接続する習慣がなくても事態はすぐに進展するものだ。テストしているStudioは、2799ドル(税込33万7800円)の構成だ。これに1899ドル(税込24万2800円)のディスプレイ(Nano-textureガラス版)を加えると、4700ドル程度(税込58万600円)になる。これに、Touch IDと数字パッドを備えた新しい黒いキーボード(税込2万800円)に、マウス / トラックパッド(99ドル[税込1万800円] / 149ドル[税込1万5800円])を追加すると良いだろう。気の弱い人や財布の薄い人には向かないマシンだ。

前回試用したIntel搭載27インチiMacより数百ドル(数万円)高く、単体のPro Display XDRとほぼ同じ価格だ。まあすべては相対的だよね?

Appleは、在宅勤務の推進に乗り遅れたことを反省しているに違いない。もし、新しいiMacとMac Studioが2020年の初めか半ばに発売されていたら、同社は大儲けしていたことだろう。しかし、それでも多くの人がオフィスに戻る日は来ないかもしれない。多くのユーザーはやはりiMacを選ぶだろう。しかし、映像や音楽など、リソースを大量に消費するクリエイティブな編集を行い、より大きな予算を持っているなら、これはすばらしいマシンだ。Mac Proは現時点では最後のクエスチョンマークだが、新しいStudioはほとんどの購入希望者にとって十分なマシンだ。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Brian Heater

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:sako)

【レビュー】iPad Air(2022)はアップルのM1チップを入手するための最も手頃な方法

正直に言えば、このiPad Airには最初少し戸惑った。AppleのiPadのラインナップは、追加されるたびに、さらに多くの価格帯を埋め尽くし、競合他社が参入する余地を少なくしている。しかもそれだけではなく、ラインナップも複雑化させている。

適正なデバイスを買おうとしている消費者にとって、2022年のiPadは少し戸惑いを招く。もし安価なものが欲しいなら、普通のiPadを買えばよい。子ども用に買うものだ。ハイエンドならiPad Proを黙って選ぶだけだ。オフィスで使う人やクリエイティブな仕事をしている人、ノートパソコンの代わりとして使っている人などがその対象となる。

今回登場した、AppleのM1チップを搭載したiPad Airは、これまでの機種以上にパワフルなものになった。最も厳しいものを除くほぼすべての操作で、iPad Proに匹敵する性能を発揮する。ベンチマークの結果をみる限り、中間程度のグレードが欲しい人にとって、iPad Proより200ドル(約2万4000円)安い新しいiPad Air(日本では税込7万4800円から)は、最高のパフォーマンスオプションになる。では、200ドルと引き換えに何を失っているのか?(なお日本のストアでの価格差は2万円)。ディスプレイには、円滑な表示を行う120hz対応のProMotion(プロモーション)技術が搭載されていない。iPad Proの強化されたカメラアレイも搭載されていない。

また、ストレージ量もおおよそ半分だ。おそらくこれが、iPad Airをラインナップに並べる際の最大の弱点だろう。まあ次のiPadとの価格差がこれだけあれば、基本構成で64GBのストレージしか搭載していない理由も納得だ。しかし、基本構成より上を考え始めると、iPad Proに飛びつかない理由を見つけることはすぐに難しくなる。

そのことは後で少し考えることにして、まずは新しい機能と仕組みについて整理しておこう。

まず、Appleの第1世代「インハウス」シリコンであるM1が手に入る。これはすごい。2021年M1を採用したiPad Proのラインアップと基本的に同じ性能ということだ。そして従来のiPad Airと比較して、約60%のスピードアップ が果たされている。この性能は、M1版MacBook Airに匹敵するもので、それほど驚くべきことではない。だが、ミドルレンジのiPadで大きな性能ロスがないのはうれしい。

フロントカメラも12MPにアップグレードされ、以前のAirから確実に改善されている。FaceTime(フェイスタイム)には、2021年のiPad Proで採用されたセンターフレーム機能の強化が施されている。他のレビューでも書いたように、これはビデオチャットを頻繁にする人にとっては、かなりの改善につながる。iPad Airをランドスケープモードにしたときに、自動トリミング機能とトラッキング機能によって、カメラの片側が空く奇妙な配置が軽減されるからだ。全体的に角度が自然で、ぎこちない感じがしない。色合いやコントラストに関わるビデオ通話品質も向上している。

画像クレジット:Matthew Panzarino

以上のことから、iPad Airは、Appleが現在市場に出しているFaceTimeデバイスの中でも高性能で多機能なものの1つになった。

2022年のカラーも注目すべきだ。私はブルーモデルを試用したが、これまでのブルー仕上げの中でも特にきれいで良い仕上がりだった。明るく、きらびやかで、本当にきれいに仕上げられている。基調講演を見ていたときには色に少し疑問を感じたが、実際に見てみるととても良いものだ。

画像クレジット:Matthew Panzarino

Touch IDはこれまで同様に高速に動作し、起動時に2本の指を登録するよう促されるため、初めてのユーザーにとっては、縦向きでも横向きでも、腕を捻ることなしに簡単にiPadのロックを解除できるようになるはずだ。利便性やシームレスさではFace IDに勝てないが、Touch IDが電源ボタンに搭載されたことで、ほとんどのユーザーにとっては大きな違いを感じさせないものになった。

AppleのiPhone以外のポータブルラインナップでのUSB-Cへの切り替えは、2020年のiPad Airで行われた。USB-Cの普及にともない、必要ならどこでもiPadを充電することがこれまで以上に簡単にできるようになった。デスクトップとの同期・転送を試したところ、Lightning対応デバイスよりもはるかに速いことがわかった。でも、これを行うカジュアルな消費者の数は日々減っていると思う。それよりも、MDMソリューションを使用してメンテナンスと導入を行うために、ドッキングされたiPadを定期的に消去して再インストールする可能性のある法人顧客にとって、これははるかに重要な問題だ。そのような顧客は、今回のiPadがより速く、より汎用的なポートを手に入れたことを大いに喜ぶだろう。

最後のポイントは、iPad Airの位置付けに関する質問の核心を浮かび上がらせる。iPad Proを800ドル(日本では税込9万4800円)で買う代わりにiPad Airを600ドル(日本では税込7万4800円)で買う顧客は誰だろうか?

Creative Strategies(クリエイティブ・ストラテジーズ)のCEOで主席アナリストのBen Bajarin(ベン・バジャリン)氏は、iPad Airの市場について「iPad Airは、高等教育機関や最前線で働く人々や高度なモバイルワーク環境で働く人々が有能なタブレットを必要とする一部の企業で、良い市場を見つけたと思います」と語る。

「M1を搭載した新しいiPad Airは、性能の向上と優れたバッテリーライフによって、さらに多くの法人購入者にアピールするでしょう」。

画像クレジット:Matthew Panzarino

さて、200ドル(約2万4000円)が200ドルであるということも重要なポイントだと思う。これは決して少なくない金額だ。また、バジャリン氏が指摘するように、このデバイスの顧客の多くが大規模なデプロイメントのために購入するのであれば、その差額の累積はすぐに大きなものとなる。

また個人で購入する場合、予算が限られていて、Proとの価格差にどうしても抵抗がある場合には、これとキーボードがあれば、Proが提供する機能の9割は手に入れることができる。これまでProMotionを使ったことがなければ、おそらく物足りなく思うことはないだろう。しかし、もし使ったことがあるなら、大きな喪失を感じることになる。iPad Proと並べてテストしたところ、ProMotionは、特に長時間のブラウジングやゲーム、ドローイングなどを行う際の使い勝手で、明らかに優位であることがわかった。高級なディスプレイほど高価で、実現が難しいのには理由があるのだ。とにかく優れている。しかし、AppleのLiquid Retina(リキッドレティナ)ディスプレイの色再現性などは、ここでもしっかりと発揮されている。

iPad Airと11インチのiPad Proは価格も性能も近く、iPad Miniも価格的にはそれに続いているため、400ドル(約4万7000円)を超えるあたりから、ラインナップが少し混み合ってくる感じがする。しかし、価格的な位置付けはさておき、iPad Airは非常に高機能で、しっかりした感触があり、使い心地の良いデバイスだ。繰り返しになるが、ProMotionを搭載したスクリーン、特に10インチ以上のスクリーンを使う機会がない方は、ここでは違いを感じないかもしれない。

画像クレジット:Matthew Panzarino

現在、iPadのラインナップが少し混雑していると感じる理由の1つは、AppleのiPad Proの2022年版モデルがどのようなものかまだ見えていないことだ。第3四半期になったら、新しいモデルが登場し、機能強化が図られ、小型のiPad ProとiPad Airの価格差が少し広がる可能性は十分にある。

2021年登場したiPad miniに、ヒントを見ることができるかもしれない。もちろんマジックキーボードはないが、主に本を読んだり、ビデオを見たり、メディア消費のための携行デバイスとして使ったりしている人にとっては、miniはすばらしい選択肢だ。iPad miniは最安のモデルではないので、低価格のiPadとまったく競合することなく、高価で高機能なものにすることができる境界に居るという点で興味深い。しかしiPad Airは、上のProと下のminiに同時に競合している。

そして2022年も、毎年と同じように、Appleのタブレット端末のラインナップは、市場で購入する価値のある唯一の製品であるという事実に立ち返ることになる。たとえ日頃はAndroidを中心とした携帯電話を使っていたとしても、他のプラットフォームを試してみたいと思っても、iPadのような機能、使い方、信頼性を提供するタブレット端末の選択肢は他にない。

そのためAirは、価格は似ているものの、(依然として売れ筋の)エントリーレベルの第9世代iPadを除けば、Appleのベストセラーの1つになる可能性があるので興味深い。とはいうものの、11インチiPad Proは、ストレージ容量とより良い画面を考えると、予算に敏感なユーザーの一部を誘惑するのに十分な価格に近い存在だ。

関連記事:【レビュー】iPhone SE(第3世代)は観念的なスマートフォンの理想像

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:FMatthew Panzarino

原文へ

(文:Matthew Panzarino、翻訳:sako)

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

第5世代のiPad Airは、最新のApple製品に取り入れられているカラーを踏襲しつつ、独自のブルーを加えた5色の展開。中核モデルであるiPad Airはカラーバリエーションが最も多く、プロのクリエイターに特化した機能と性能を重視したiPad Proとは異なるテイストの製品だ。

特に先代モデルからはiPad Proのエッセンスを取り入れ、同等スペックならドルベースで150ドル安価という「手を伸ばしやすい、しかしフル機能に近いiPad」という性格を備える。MacBookがそうであるように、Proはプロフェッショナルクリエイター、Airは洗練された使い方を求めるプレミアムな一般ユーザーという位置付けが明確化されている。

そのiPad AirにとうとうApple M1チップが搭載された。登場して1年半が経過しているM1だが、いまだにモバイルコンピュータ向けとしてはパフォーマンスと省電力性の両方で圧倒的。それが中核機に降りてきたというのが、第5世代の一番の注目点ということになるのだ。

M1搭載による利点は”爆速”ではなく”創造的”なこと

M1が搭載されたことで、単にCPUが高速になるだけではなくGPUやNeural Engineが強化され、機械学習処理を取り入れた写真修正、動画編集、3Dモデリングなど、さまざまなクリエイター向けアプリの応答性と処理の正確性が高まる。機械学習の最適動作が進めば、タッチ操作やApple Pencilで自動処理できる範囲も広がり、クリエイティブな作業へのハードルが下がる。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

結論から言えば、iPadシリーズの中でもっとも費用対効果が高い中核モデルという性格はそのままに、最高の性能を得た本機は引き続きiPadシリーズの中でも、注釈なしに薦められる製品だ。

第4世代からの変化では、超広角のインカメラに「センターフレーム」という最新の機能が取り入れられ、5Gモデムも内蔵するなど時代に合わせたリフレッシュも行われている。たとえ第4世代モデルを安価に入手できることがあったとしても、永く使いたいならばあえて旧モデルを選ぶ理由もない。

ただし、これまであったコストパフォーマンスの高さは、Appleの戦略とは関係ないものの、円安に振れた為替トレンドにより(日本の顧客にとっては)少々、微妙な価格設定になっていることは否めない。

同じストレージ容量の11インチiPad Proと第5世代iPad Airの価格差は、米ドルベースでは150ドルなのに対し、日本円では1万4000円に過ぎない。このことでどちらを選ぶのか、悩んでいる方は多いのではないだろうか。

その答えは人それぞれだろうが、言い換えるなら為替の影響で価格が近づいた11インチiPad Proとの間で選択を悩む以外に、本機についての懸念点はほとんどない。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

ではiPad Airと11インチiPad Proはどのような点が異なるのだろうか。わずかにiPad Airの画面が小さい一方、カラーバリエーションが多いことは承知しているだろうが、それ以外にも以下の点が異なる。

  • Face ID(TrueDepthカメラ)ではなくTouch IDで個人認証
  • ディスプレイの最大輝度が600nitsに対して500nits
  • 超広角含めた二眼カメラ+LiDARに対しLiDAR非搭載の広角一眼のアウトカメラ
  • 縦横自在の4スピーカーに対し横画面のみでステレオとなる2スピーカー
  • 5個のマルチマイクによる指向性制御に対しデュアルマイク構成
  • Pro Motion対応120Hz表示・タッチパネルスキャンに対し60Hz
  • 外部接続端子がThunderbolt 4(40Gbps)に対しUSB 3.0(10Gbps)

このように並べてみると意外に大きな違いだ。

150ドルの価格差ならば、この違いがあったとしても、多くの人にとってiPad Airの方が適切な選択肢だと明言できたが、1万4000円の違いとなれば迷うのも無理はない。

中でも体験レベルが大きく異なってくるのは、

  • 縦横自在の4スピーカーに対し横画面のみでステレオとなる2スピーカー
  • 5個のマルチマイクによる指向性制御に対しデュアルマイク構成
  • Pro Motion対応120Hz表示・タッチパネルスキャンに対し60Hz

の3点だろうか。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

縦横どちらでも使うiPadの場合、どの方向でもステレオ効果が得られる点は、2世代前のiPad Proが発表された時、随分と感心したポイントだった。その後、空間オーディオ再生に対応し、なおさら4スピーカーの良さが際立つようになったと思う。

マイクに関しては高音質の録音を求めない場合でも、ビームフォーミングに役立つ。オンライン会議時に生活音や背景ノイズを遮断するキーテクノロジでもあるだけに、iPadでオンライン会議をこなしたい人にとっては悩ましい違いだろう。

ProMotionに関しては、スクロール時などの”ヌルヌル感”や指にピッタリと吸い付いたようにドラッグする対象が動く感触的な違いはあるが、一般的な利用では大きな違いは出ない。しかし、絵を描くのであればApple Pencilの追従性向上は体感できるレベルにあると思う。

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル個人認証に関しては、Face IDが良いのかTouch IDが良いのかは好みや使い方もある。iPhoneではマスクありの認証に対応したFace IDだが、iPadでは引き続きマスクありでのロック解除はできない。

またディスプレイの表示品質に関しても、スペック上の違いはあるものの、通常、その差を感じることはほとんどない。どちらを選んでも色再現範囲が広く、ホワイトバランスや諧調表現も的確。業界水準を大きく超える美しいディスプレイだ。

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデルなお、ベンチマーク結果などは誤差程度であり、両者の性能は”同じ”と思って差し支えないと思う。すなわち、タブレットとしても、モバイルパソコンと比較したとしても、ポータブルなコンピュータとしてはほかに比較対象のない、高性能で省電力な端末だ。

iPad Airを検討する際はこれらの違い、カラーバリエーションなどをどう考えるかだ。一方でiPad Pro以外にはライバル不在とも言い換えることができるだろう。

(本田雅一。Engadget日本版より転載)

新たなSoC「M1 Ultra」から垣間見えるApple製半導体の優位性と凄み

新たなSoC「M1 Ultra」から垣間見えるApple製半導体の優位性と凄み

Appleが毎年、この時期に新製品を発売することは周知である。それ故に数か月前から噂されてきたiPhone SEとiPad AirのプロセッサがそれぞれA15 BionicとM1に更新されたことに大きな驚きはなかった。iPhone 13とiPhone 13 Proに緑系の新色が加えられたことも過去の戦略を踏襲したもので、カラーそのものの好みを脇に置いても順当な発表だろう。

“すべてのユーザーに対するAppleの優位性”を体現したM1 Ultraの凄み

新たなSoC「M1 Ultra」から垣間見えるApple製半導体の優位性と凄みしかし、Macの新製品にM1 Ultraと名付けられた新しいSoCを搭載したことには驚きがあった。Mac Studioと名付けられた新しい筐体デザインのMacが追加され、ここに2つのM1 Maxを連結してひとつのパッケージに封入したM1 Ultraが搭載されたのだ。

そのパフォーマンス強化の手法は王道とも言えるものだが、現実には使わないような手段である。M1 Maxの時も同様のやり方で驚かせたが、今回の驚きも背景はほとんど同じ。

“まさかここまでやるとは”と、想像を超えたやり方を採用したが、その根幹にあるのはAppleというメーカーの立ち位置。つまり半導体設計、OS開発、ソフトウェア開発ツール、アプリケーションソフト、ネットワークサービス、ハードウェア製品開発と生産、流通。その全てを垂直統合した他のメーカーにはない特徴を持っているからである。

新たなSoC「M1 Ultra」から垣間見えるApple製半導体の優位性と凄みAppleは、PC産業の中におけるIntel、AMDであり、NVIDIAであり、Microsoftでもあり、Google的な要素も兼ね備え、LenovoやHP、Huaweiなどの役割も担える。そしてその品質や品質の基準管理は、クリエイター向けの一流ブランド製品に匹敵している。

このようなビジネスモデルをパーソナルコンピュータ産業で構築した企業は他にないだろうが、さらに言えば単一メーカーでは最も大きなスマートフォンメーカーでもあり、そのスケールメリットをMacというパーソナルコンピュータのジャンルで活かせるようになった。

今回発表されたMac Studioはクリエイターが欲するであろう高性能なデスクトップ製品だが、スマートフォンに比べれば決して大量に販売されるわけではない。そのジャンルへ完全にカスタマイズされたクリエイター向けの圧倒的性能の半導体を投入できることこそがAppleの強みなのだ。

“隠していた”チップ間インターコネクトI/F

新たなSoC「M1 Ultra」から垣間見えるApple製半導体の優位性と凄みM1 Ultraは”凄み”を感じるSoCだが、一方でシンプルな作りでもある。驚きはあったが、そのやり方はM1ファミリーの中で一貫したものであり、変化球はない。そうした意味では実に理解しやすい新SoCだ。

AppleはMacBook Pro向けにM1 Pro/M1 Maxを投入。M1 ProはM1のCPUコア数を増やすとともに構成を見直し、GPUコア数を増やし、動画処理を大幅に向上させるMedia Engineを内蔵したものだ。同時に処理能力に見合うだけのメモリ帯域を追加するため、メモリチャネルが2倍になっている(それに伴い最大の接続DRAM量も2倍になった)。

一方のM1 Maxは概ね、2つのM1 Proを1つのSoCにまとめたものと言える。よってほとんどの場面において2倍の最大性能が得られる。共有メモリアーキテクチャで超広帯域のメモリアクセスが保証されてる上、メモリチャネルもさらに2倍になっているため、最大のDRAM容量はさらに2倍、帯域も3倍となるから内包する処理回路が2倍になってもプログラムがストールして性能を落とすことなく高性能を得られる。

M1 Ultraの登場に対して「Max(最大)ではなかったのか」という声もあるだろうが、ひとつのチップで言えばMaxである。予想外というよりも「ここまでやるのか」と嘆息したのは、このMaxなダイサイズのSoCを2個、同じパッケージの中で並べて接続したことだ。

これは接着剤で2つのパーツをくっつけるのとは訳が違う。Appleはこのためにあらかじめ、2つのSoCを近接で接続するための仕掛けをM1 Maxに”仕込んで”いた。もちろん秘密裏に。その秘密の仕掛けがUltra Fusionである。

2つの半導体が1つのSoCとして動作

ダイサイズはこれ以上を望めないため、まさにMaxなSoCである。M1 Ultraとは、2つのM1 Maxを接続し、同じパッケージに封入したチップだ。

M1 Maxには公開されていなかった機能があった。それはSoCダイを2個接続するためのインターコネクト(内部接続)で、広帯域、低遅延。接続のための微細な端子のようなものをダイの片辺に配置し、二つのM1 Maxを接続する。新たなSoC「M1 Ultra」から垣間見えるApple製半導体の優位性と凄み

ではどのように接続しているのかだが、Ultra Fusionで接続された2つのダイは、毎秒2.5TBの帯域で相互アクセスできるようになる。接続の仕組みは比較的シンプルで、インターポーザー(貫通電極)とマイクロボンディング(極近接の配線処理)を組み合わせ、極めて低い遅延を実現している。

その上で片方のM1 Maxに内蔵された命令スケジューラが、2倍に増える処理コアなどに命令を割り振り、まるでひとつのSoCのように動作する。メモリコントローラも統合されたように動作するため、まるまるメモリチャネルは2倍となり毎秒800GBのメモリ帯域まで増加している。

こうした相互接続のための仕掛けや、あらかじめ命令スケジューラなどが2つのM1 Maxを制御するため、M1 Proとは異なる設計がなされていた。

詳細な性能は実機で判断したいが、Appleの公開するベンチマークなどを見る限り、2倍のリソースを注ぎ込むことで、きちんと2倍近い結果を引き出せているようだ。共有メモリアーキテクチャだからこそのリニアな性能向上と言える。

Mac Studioの位置付けと”残された領域”

新たなSoC「M1 Ultra」から垣間見えるApple製半導体の優位性と凄みAppleはM1 Ultraと、それを搭載するMac Studioによって、2年前から取り組んでいたIntelからAppleシリコンへの移行を”ほぼ”完了したと発表イベントで話した。

ベンチマークなどは実機で試すとして、少なくともMac同士の比較であれば、M1 Ultraは27インチiMac、Mac Proそれぞれの最上位よりもCPU、GPU共に圧倒的に速い。

動画処理に関してもMac ProにAfterburnerを搭載した時よりもM1 Maxの時点ですでに高性能だった。さらにM1 Ultraでその性能は2倍になっている。8KのProResデータを15ストリーム同時にハンドリングできるというのだから、圧倒的と言っていいだろう。

このSoCを搭載するMac Studioは、27インチiMacをはるかに超え、Mac Proをも上回る高性能をコンパクトかつ省電力な筐体で実現する。なお、Mac Studioは必要なパフォーマンスに合わせ、M1 Maxを選択することも可能だ。

新たなSoC「M1 Ultra」から垣間見えるApple製半導体の優位性と凄みMac Studioと27インチのStudio Displayの組み合わせは、27インチiMacの置き換えとなり得る選択肢となる。ディスプレイのスペック、表面仕上げの選択肢ともに27インチiMacをほぼ踏襲しており、ディスプレイ内にA13 Bionicを内蔵することでiPhone 11世代のカメラ画質や音声処理をデイスプレイ内蔵のカメラ、スピーカー、3アレイマイクから得られる(27インチiMacではA10 Fusion相当の機能を持つT2チップが処理していた)。

性能を大幅に高めながら、一体型ではないもののより柔軟なシステム構成が選べるようになったのは歓迎すべき点だろう。もちろん、PRO Display XDRを所有しているならば、Mac Studioを接続するだけでM1 Ultraの性能を活かせる。

元々Mac ProのPCI Expressスロットに使われる拡張ボードがAfterburnerなどのグラフィクス系処理ボードだったことを考えれば、M1 Max、M1 UItraが選べるMac Studioならばボート拡張性は不要であり、そもそもの性能が高いためMac Proの置き換えも可能だろう。

ただし、ひとつだけMac Studioではカバーできないのが、メモリ容量への依存性が高いアプリケーション領域だ。Mac Proでは最大1.5TBまでのDRAMを搭載可能だったが、Mac Studioは最大128GBが上限となる。

多くの場合はこれで十分だと思われるが、これ以上のメモリ容量は共有メモリアーキテクチャを採用する限り搭載が難しい。とはいえ、Appleは何らかの驚くような秘策を持っているに違いない。

年内には”自社製SoCへの移行を完了”するというApple。残された領域はあとわずかになった。

(本田雅一。Engadget日本版より転載)

アップルが「Peek Performance」で発表した最大のニュースまとめ

Apple(アップル)イベントの日がやってきた!Appleが(再びリモート / バーチャル)ステージに立ち、最近舞台裏で取り組んでいたことのすべてを明らかにする日だ。

ライブ配信を見る時間がなかった?大丈夫、我々がいる。今日の最大のニュースをすべて取り上げ、サラッと流し読みできるよう1つのパッケージにまとめた。気になる話題があればリンクをたどってさらに深く掘り下げ、それ以外は読み飛ばせばいい。エンジョイ!

新型iPhoneSE(第3世代)

画像クレジット:Apple

Appleのお財布に優しいiPhone、iPhone SEがアップグレードされた。A15 Bionic(iPhone13と同じチップ)を搭載し、ライブテキスト(カメラの画像から現実世界の文字をコピーする機能)のような処理ができるようになるとのこと。5Gに対応し、バッテリーの持ちも「向上」した。主に昔のiPhoneが懐かしいと思う人たちのために、4.7インチのディスプレイで(iPhone 13と同じ、より耐久性の高いガラスにアップグレードされた)、まだホームボタンがある(指紋リーダー付き)。

価格は429ドル(日本での価格は税込5万7800円)からで、3月18日に発売予定。

画像クレジット:Apple

関連記事:iPhone SEが税込5万7800円で再登場、クラシックなデザインはそのままTouch ID搭載

新型iPad Air

画像クレジット:Apple

Appleがノートパソコン製品ラインに最初に搭載した特注チップがこの最新世代に採用され、iPad AirがM1になる。また、広角の前面カメラが部屋の中をパンして、ビデオ通話中に自動的にユーザーの顔をフレームの中心に保つセンターフレーム機能もAirに搭載されている。

この最新世代のiPad Airは599ドル(日本での価格は税込7万4800円)からで、3月18日に出荷開始される予定だ。新しいiPad Airに関する詳しい記事はこちら

関連記事:アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに

M1 Ultra

画像クレジット:Apple

Appleがまた新しいシリコンを手に入れた!ただしM1からM2へのジャンプではなく「M1 Ultra」でM1ラインを拡張した。つまり現在、M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultraがある。基本的には2つのM1 Maxをブリッジして、OSからは1つのチップに見えるようにしたもので、超高効率でとんでもないパフォーマンスをもたらす。

M1 Ultraについての詳しい記事はこちら。しかし、Appleはこれをどこに入れるのだろうか?まず、M1 Ultraは新型の……..

関連記事:アップルがM1シリーズ最上位版「M1 Ultra」を発表

Mac Studio

画像クレジット:Apple

7.7×7.7×3.7インチ(19.7×19.7×9.4cm)という大きさのMac Studioは、まるでMac Miniが……そんなにMiniでなくなったようなデザインだ。Appleによれば、この新しいマシンはM1 Ultraのおかげで、CPUの処理速度が最速の27インチiMacの2.5倍、16コアXeonプロセッサを搭載したMac Proよりも50%速くなっているとのこと。

背面には、4つのThunderbolt 4 / USB-Cポート、10Gbイーサネットポート、HDMIポート、2つのUSB-Aポート、オーディオジャックを備えている。前面にはさらに2つのUSB-Cポート、SDスロットがある。

M1 Max搭載のMac Studioは1999ドル(日本での価格は税込24万9800円)から、ピカピカの新しいM1 Ultra搭載の場合は3999ドル(日本での価格は税込49万9800円)から。3月18日に出荷を開始する。詳しい記事はこちら

画像クレジット:Apple

関連記事:アップル、まったく新しいMac「Mac Studio」を発表

Studio Display

画像クレジット:Apple

新しいAppleディスプレイを待っていた方には朗報。Studio Displayと名付けられた最新モデルは、27インチの5Kディスプレイだ。12MP超広角カメラ(センターフレーム対応)内蔵、3マイクアレイ、空間オーディオに対応した6スピーカーサウンドシステムを搭載している。背面には3つのUSB-Cポートに加え、Thunderboltポートを1つ搭載している。Appleによると、傾斜スタンド、傾斜 / 高さ調整可能なスタンド、VESAマウントオプションと、複数の異なるマウントオプションが用意されるとのこと。

Studio Displayの価格は1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)から。他の製品同様、3月18日に出荷開始予定だ。Studio Displayの詳細については、こちらの記事で読んでいただける。

画像クレジット:Apple

関連記事:アップルの新27インチStudio Displayはほぼ本体のないiMac

その他の発表

画像クレジット:Apple

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Den Nakano

原文へ

(文:Greg Kumparak、翻訳:Den Nakano)

アップル、まったく新しいMac「Mac Studio」を発表

Apple(アップル)は米国時間3月8日の録画オンラインイベントで、いくつかの新製品を発表した。そして同社は、Mac Studioと呼ばれるまったく新しいデスクトップコンピューターを発表した。Mac Studioは、Mac Miniを2台重ねたような小型のタワー型コンピューターだ。

前面にはSDカードスロットと2つのThunderbolt 4ポートを備えており、内部の半分は、高負荷時にシステムを冷却するためのサーマルシステムで占められている。

デバイス背面には、さらに4つのThunderbolt 4ポート、10Gbpsイーサネットポート、2つのUSB Type-Aポート、HDMIポート、そして「プロ」オーディオジャックポートを搭載している。Wi-Fi 6とBluetooth 5に対応している。

Mac Studioは、新たに発表されたチップ「M1 Ultra」を含むApple独自のシステムオンチップ(SoC)を搭載している。M1 UltraはM1チップをさらに高速化したもので、M1、M1 Pro、M1 Maxよりもパワフルだ。そして、この新チップによって、さまざまなことができるようになる。例えば最大4台のPro XDRディスプレイと4Kテレビを接続することが可能になる。

画像クレジット:Apple

Mac Studioには、M1 MaxまたはM1 Ultra SoCが付属しており、AppleはM1 Ultraを搭載したMac Studioのパフォーマンスチャートを公開した。M1 Maxでは、Mac Proに搭載されているRadeon Pro W5700Xと比較して、3.4倍のGPUパフォーマンスが期待できる。16コアのMac Proと比較すると、90%の演算性能の飛躍が期待できるという。

既存のMac Proのスペックを最大限にした場合でも、M1 Ultraは最速のMac Proよりも80%高速になるとされている。しかも、最大で128GBのメモリに対応。M1 Maxは64GBのメモリに限られる。

​​M1 Maxチップ、32GBユニファイドメモリ、512GBのストレージを搭載したMac Studioは、1999ドル(日本での価格は税込24万9800円)。M1 Ultraチップ、64GBユニファイドメモリ、1TBのストレージを搭載したMac Studioは3999ドル(日本での価格は税込49万9800円)。3月18日から順次発売予定。

画像クレジット:Apple

画像クレジット:Apple

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Den Nakano)

アップルがM1シリーズ最上位版「M1 Ultra」を発表

Apple(アップル)は米国時間3月8日、同社の「Peek Performance」イベントにおいて、新しいM1チップ「M1 Ultra」の発売を発表した。このチップは、これまでM1、M1 Pro、M1 MaxがあったM1ファミリーの最終バージョンであるとAppleは述べている。

Ultraは2つのM1 Maxダイをベースに、既存のM1 Maxチップに存在する、しかし休止状態だったらしい接続を使用する。この相互接続により、2つのチップ間で2.5TB/sの帯域幅が実現されている。Appleはこれを(同社らしいネーミングで)「Ultra Fusion」と呼んでいる。

M1 Maxを2つ組み合わせたチップなのだから、Ultra版ではCPUとGPUのコアが2倍になっているのは当然のことだ。つまり、高性能コア16個と高効率コア4個の計20CPUコアと64GPUコアを搭載している。このチップは最大で128GBのユニファイドメモリに対応する。また、機械学習(ML)ワークロードのための32コアのNeural Engine(ニューラルエンジン)も搭載している。これらすべてを合わせると、1140億個のトランジスタになる。

Appleによれば、これらすべてによってUltraはM1の8倍速くなり、一方でこのチップは、CPUとGPUの両方において、ワットあたりのCPU性能で10コアのデスクトップチップをも凌駕しているとのこと。ただしAppleは、M1 Ultraをどのデスクトップチップと比較しているのかは明言しなかった。

Appleは2020年11月に初代M1チップを発売し、同社の製品ポートフォリオ全体でIntelのチップから脱却する第一歩を踏み出した。

2020年の発売当時、8コアのM1はMac mini、Macbook Air、MacBook Proに搭載されてデビューした。その後Appleは、最大10コアのCPU、32コアのGPU、(16GBが上限だった初代M1と異なり)64GBのユニファイドメモリをサポートする、大幅にパワフルなM1 ProおよびM1 Maxチップを発表した。これらのチップは、14インチと16インチのMacBook Proでデビューした。

M1 Ultraは、新しいMac Studioでデビューする予定だ。

もしAppleが今後もこの命名スキームを踏襲するなら、私たちは後のイベントでM2 ProsとMaxチップを紹介するのを見ることができるかもしれない。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Den Nakano)

アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに

米国時間3月8日開催されたイベントで、Apple(アップル)はピカピカの新しいiPad Airを発表した。M1 Appleシリコンチップが、私たちがよく知るiPad Airのボディに収められている。

A15チップではなくM1チップを採用したことは、iPadが単に大きくなったiPhoneではなく、ノートパソコンの代替品としての志を持っていることを示している。これは、iPad Proに搭載されているのと同じ種類のチップだ。iPad Air 5には12メガピクセルの超広角カメラが搭載され、iPadの全ラインナップが、ビデオ通話にカメラオペレーターを加えるセンターフレームをサポートするようになったことを意味している。

iPadのエンジニアリングプログラムマネージャーであるAngelina Kyazike(アンジェリーナ・カイザイク)氏は「これはiPad Proに搭載したのと同じM1チップで、8コア設計のCPUは前世代のiPad AirのA14に比べて最大60%高速のパフォーマンスを実現します」と発表した。「8コアのGPUは驚くべきグラフィックス性能を発揮し、実際、最大2倍の速さを実現します。新しいiPad Airに搭載されたM1は、最も速い競合タブレットよりも速く、同価格帯のベストセラーWindowsノートパソコンよりも最大2倍速くなっています」。

新しいiPad Air 5を紹介するiPadのエンジニアリングプログラムマネージャー、アンジェリーナ・カイザイク氏

新しいiPadは5Gチップを搭載し、従来よりも高速なUSB-Cポートを備え、Apple Pencilをサポートする。より優れたマルチタスクを可能にするiOSのiPadOSバージョンを搭載し、驚くような価格のデバイスに、率直にいってとんでもないパワーを詰め込まれている。

IPad AirはSmart Keyboard FolioとMagic Keyboardをサポートしており、ユーザーがiPad Airを機能的なノートパソコンにするために必要な追加機能が追加されている。

気候変動に敏感な筆者としては、Appleが持続可能性に向けた取り組みを続けていることに勇気づけられる。新しいAirは、筐体に100%リサイクルされたアルミニウムを採用し、ロジックボードのはんだなどにも多くのリサイクル素材を使用している。どれも小さなことだが、違いを生む。

スペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーと虹のようなカラーバリエーションが用意されている。価格は従来のiPad Airと同じ599ドル(日本での価格は税込7万4800円)を維持し、3月11日から注文を受け付け、3月18日に出荷を開始する。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

macOSのChromeがSafariより高速に、グーグルが発表

Google Chrome(グーグル・クローム)のバージョン100が数週間以内にローンチされるが、いまだにブラウザを高速化する余地はまだ残されている。Google(グーグル)が米国時間3月7日に発表したように、macOS上のChromeのバージョン99は、Apple(アップル)のWebKitチームが独自に開発したSpeedometerベンチマークで300点を獲得することに成功した。これは、これまでのブラウザの中で最速のパフォーマンスだと、Googleは指摘している。

Speedometer 2.0は応答性をテストするため、ユーザーエクスペリエンスの良い尺度となる。Mozilla(モジラ)のFirefox(ファイヤーフォックス)とAppleのWebKitベースのSafari(サファリ)を例外として、ほとんどのベンダーが同じChromiumコードベースでブラウザを構築している現在、ブラウザ市場の競争が速度に焦点を当ててからしばらく経つ。しかし、だからといって、さまざまな開発チームがユーザーエクスペリエンスを高速化する方法を考えるのをやめたわけではない。多くの成熟したテクノロジーと同様に、最近は大きなブレークスルーが見られないだけだ。Interop 2022の一環として、各社のブラウザをウェブ標準により適合させるために集まっていても、各ベンダーの競争がなくなったわけではない。

新しいチップが登場すれば、常に最適化の余地がある。元々、AppleのM1チップ上のChromeのパフォーマンスは合格点だったが、このArmベースのチップの発売から15カ月後、Chromeはこのチップ上で43%速く動作するようになったとGoogleは指摘し、さらにこの分野でのいくつかの新しい技術のおかげで、ブラウザのグラフィックパフォーマンスがSafariを15%上回ったと強調している。これは、Googleが2021年すでに発表した数多くの一般的なJavaScriptの最適化に加えて行われたものだ。

Windowsユーザーのためのニュースはないが、GoogleはAndroid上のChromeもまた、いくつかの改善がみられると述べている。同社は「ブラウザのユーザーインターフェイスのスレッドで重要なナビゲーションの瞬間」を優先するいくつかのナビゲーション最適化のおかげで、ページの読み込みが15%速くなるはずだと述べている。

このような変化に気づくだろうか?高速接続の最新ブラウザは、事実上どんなページでも瞬きする間にレンダリングする。しかし、ソフトウェアの応答性を感じるには、それほど多くの時間は必要ない。M1 Macの43%は、TikTok(ティックトック)の閲覧(あるいはJiraチケットの管理など、さまざまな場面)において、より生産的な感覚を覚えるだろう。

画像クレジット:Halil Sagirkaya / Anadolu Agency / Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Yuta Kaminishi)

Mac版OneDrive同期アプリがついにAppleシリコンにネイティブ対応、一般公開開始

Mac版OneDrive同期アプリがついにAppleシリコンにネイティブ対応、一般公開開始

Microsoft

マイクロソフトは昨年末、macOS版クラウドストレージOneDrive同期アプリがM1 Mac向けにパブリックプレビューとして利用可能になったと発表していました。それから約3ヶ月を経て、ついにM1、M1 ProおよびM1 MaxといったAppleシリコン(アップル独自開発プロセッサ)上でネイティブ動作する一般公開版がリリースしたと明らかにされています。

説明では、Appleシリコン用のOneDrive同期アプリが「GA(Generally Available)」版として利用できるようになったとのこと。MS的に「GA」とは、ベータテスター以外の誰でも利用できる一般公開版のこと。具体的にはバージョン22.022であり、最新版がインストールされているかどうかはアプリの環境設定で確認できます。

MSいわく、ネイティブ対応版は「OneDriveがAppleシリコンのパフォーマンス向上をフルに活用できる」とのことです。これまでも非ネイティブ対応版、すなわちインテル製チップ向けアプリもAppleシリコンMac上で動かせましたが、あくまでRosetta2経由であり、電力やRAM消費が最適化されていませんでした。

一般にM1ほかAppleシリコンは「消費電力が控えめのわりに高パフォーマンス」の傾向があることが好評です。ネイティブ対応したOneDriveアプリ最新版では、その恩恵が十分に受けられることになりそうです。

最初のM1チップ搭載Macが2020年末に登場してから、はや1年以上も経ちました。OneDriveアプリのネイティブ対応はようやくの感もありますが、他のクラウドストレージアプリも対応が遅れぎみです。Googleドライブの正式対応も昨年10月のことであり、Dropboxも今年はじめにベータテストを始めたものの、まだ一般公開には至っていません。

ともあれ各社クラウドストレージアプリのネイティブ対応が進めば、Appleシリコン搭載のMacBook各種が内蔵バッテリーだけで稼働できる時間も長くなるはず。今月のイベントで登場すると噂の「M2」搭載13インチMacBook Proは現行モデルよりバッテリー持ちが良くなるとの予想もあり、出先での作業がいっそうはかどるかもしれません。

(Source:Microsoft OneDrive Blog。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

アップルでM1チップなどAppleシリコンの開発を主導したジェフ・ウィルコックス氏、古巣のインテルへの移籍を明かす

アップルでM1チップなどAppleシリコンの開発を主導したジェフ・ウィルコックス氏、古巣のインテルへの復帰を明かす

Apple

アップルが「Macのプロセッサを2年かけてインテル製から自社開発のAppleシリコンに移行する」との約束を今年(2022年)6月には果たすと予想されるなか、M1チップをはじめとするAppleシリコンの開発を主導してきた人物がインテルに移籍したことが明らかとなりました。

Macシステムアーキテクチャ担当ディレクターだったジェフ・ウィルコックス(Jeff Wilcox)氏はLinkedInにて、インテルでの新たな職に就くためにアップルを去ったと述べています。ウィルコックス氏はインテルのフェロー兼デザイン・エンジニアリング・グループのCTOとして、クライアントSoCアーキテクチャ設計を担当するとのことです。

ウィルコックス氏は今月退社するまでの8年間、アップルのMacシステムアーキテクチャーチームに所属していた人物です。この期間はちょうどAppleシリコン開発が始まってから発表されるまでの時期と思われますが、実際LinkedInのプロフィールでもM1チップやT2セキュリティチップなど「すべてのMacのAppleシリコンへの移行を主導した」とアピールされています。

またウィルコックス氏はアップルでの仕事を「M1、M1 Pro、M1 MaxのSoCおよびシステムでのAppleシリコンへの移行をはじめ、私が在籍していた間に達成した全てのことを、この上なく誇りに思っています」と振り返り。そう述べつつ「アップルの同僚や友人たちと離れるのはとても寂しいですが、年明けに始まる次の旅を楽しみにしています。 これからもよろしくお願いします」とあいさつを語っています。

もともとウィルコックス氏は2010年~2013年にインテルにてPCチップセットの上級エンジニアを務めていたことがあり、今回の移籍は新天地というよりも古巣への復帰となります。そして「インテルの素晴らしいチームと一緒に、画期的なSoCの開発に携わることができ、これ以上の喜びはありません。素晴らしいことが待っています」という言葉は、Appleシリコン対抗SoC開発をリードすることを示唆しているとも憶測できます。

Mac搭載プロセッサがAppleシリコンに移行することで、最もダメージを受けると予想される企業はプロセッサの発注が大幅に減らされるインテルでした。

そのため最近のインテルはAppleシリコンを強烈に意識した行いが目立っており、「インテル製チップ採用のノートPCがM1 Macよりも優れている」というキャンペーンを展開したり、ノートPC向け第12世代Core i9がM1 Maxよりも優れた史上最速モバイルCPUだとアピールしたり、その一方でパット・ゲルシンガーCEOは「Appleシリコン製造を請け負いたい」と発言していたこともあります。ウィルコックス氏のインテル移籍も、その文脈を考えれば頷けるところではあります。

ここ2年ほど、アップルのチップ開発チームの主要エンジニアが離職することは珍しくはありませんでした。最も注目されたのはiPhoneのAシリーズチップ(A7~A12X)開発を主導した人物らがNuviaという半導体スタートアップを立ち上げたことです。Nuviaは最終的にクアルコムに買収され、そのチームがPC向けArmベースチップの開発を進めていることも発表されています

これら離職者の影響が、今後のAppleシリコンの進歩にどのような影を落とすかは不明です。ともあれ、インテルの次世代CoreプロセッサやクアルコムのArmベースSoCがAppleシリコンのように「省電力性能と処理速度の両立」を備えることになれば、WindowsノートPCでもバッテリーが長持ちして快速で動く新モデルが続々と出ると期待できるかもしれません。

(Source:LinkedIn。Via Toms’ HardwareEngadget日本版より転載)

AWSが新たにM1搭載Mac miniをクラウド化

米国時間12月2日に行われた「AWS re:Invent」カンファレンスの基調講演で、アマゾンのWerner Vogels(ワーナー・ヴォゲルス)CTO兼副社長は、AWSがEC2コンピュートサービスの一部としてM1 Mac miniを提供することを発表した。

AWSが初めてMac miniを同社のクラウドに導入したのは、2020年のことだった。これらのminiは、Thunderboltポートを使ってAWS Nitro Systemに接続され、他のインスタンスと同様にEC2クラウドで利用できるようになる。ここで使用されているミニは、標準的なM1チップ8コアマシンで、16GiBのメモリを搭載している。

新しいインスタンスは、2つのリージョン(米国西部のオレゴン州、米国東部のバージニア州北部)で、1時間あたり0.6498ドル(約73.51円)で提供され、AWSのSavings Planによる割引もサポートされる。AWSは、これらの新しいマシンが「iPhoneおよびMacアプリ構築のワークロードにおいて、x86ベースのEC2 Macインスタンスと比較して、価格パフォーマンスが60%向上している」と約束している。

画像クレジット:AWS

これらのマシンのユースケースは、今回のローンチでも変わらない。初代のMacインスタンスと同様に、ここでのアイデアは、デベロッパーがMac OSやiOS用アプリケーションをビルドしてテストするためのハードウェアを提供することだ。

最初のMacインスタンスが発売されたときには、すでにM1 Mac miniが展開されていたことを考えると、今回の発表はほとんどの人にとって驚きではないだろう。当時、AWSはM1マシンが「2021年初頭」に登場すると述べていたが、展開するには少し時間がかかったようだ。

画像クレジット:AWS

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

クアルコムがApple M1対抗うたうPC向けArmベース次世代SoCの開発計画、1月買収の半導体開発スタートアップNUVIAを起用

クアルコムがアップルM1対抗うたうArmベース次世代SoCの開発計画、1月買収の半導体スタートアップNuviaを起用

Qualcomm

米半導体大手クアルコムは投資家向けイベント「Invest Day」にて、アップルのMシリーズチップに対抗しうる性能を備えた、PC向けとなるArmベースの次世代SoCを開発する計画を発表しました。

クアルコムの最高技術責任者ジェームス・トンプソン氏いわく、新世代チップは「Windows PCのパフォーマンスベンチマークを設定するために設計された」ものであり、NUVIA(ヌヴィア)チームが開発を進めているとのことです。

このNUVIAチームとは、今年初めにクアルコムが14億ドルで買収した半導体スタートアップであり、元アップルのAシリーズチップ(A7~A12X)開発を主導した人物を中心とするグループです。クアルコムのCEOは今年7月、このチップ設計チームの力を借りることでM1チップを上回るプロセッサを開発できるとの趣旨を述べていましたが、ようやく実現の目処が立ったのかもしれません。

ちなみにアップルは、NUVIA設立者らが在職中に会社設立の計画を隠してiPhoneプロセッサの設計を操作し、自らの会社をアップルに買収させようと企んでいたとして裁判に訴えていた経緯もあります。

クアルコムはこの次世代SoCを、アップルのMシリーズ(M1および新型MacBook Proに搭載されたM1 ProやM1 Maxを含む)に直接対抗すると位置づけ、その上で「持続的なパフォーマンスとバッテリー持続時間」の分野でリードしたいとしています。

さらにグラフィックスに関しても、Adreno GPU(現行のSnapdragonに搭載されたGPU)をスケールアップして、将来のPC(Armベースチップ搭載のノートPC)でデスクトップクラスのゲーム機能を提供することも約束しています。

また投入時期に関しては、最初の搭載製品の発売は2023年で、それに先立ちSoCのサンプルを約9か月のうちに顧客に提供できるようにしたい、とも述べています。

今回のクアルコムの新SoCは、目標までの道のりがそう容易いとも思われませんが、もしも実現すればArm WindowsノートPCのパフォーマンスや省電力性能も底上げされ、結果としてM1シリーズチップ搭載MacBookを含めてモバイルユーザーの選択肢が広がるはず。

NUVIAチームの健闘を祈りたいところです。

(Source:The Verge。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)

M1 Pro / M1 Max搭載MacBook Proを使った暗号資産イーサリアムのマイニングは効率的!? ただし元を取るまで17年かかる

M1 Pro / M1 Max搭載MacBook Proを使った暗号資産イーサリアムのマイニングは効率的!? ただし元を取るまで17年かかる

UFD Tech

新型MacBook Proに採用されたM1 ProおよびM1 Maxは大幅な性能アップを実現していることから、暗号資産のマイニング(採掘)に使えないかと脳裏をよぎった人も少なくはないはず。それを実際に試してみた結果が報告されています。

海外掲示板Redditにも、同じ疑問を抱いた人たちがスレッドに集まっています。最初の「M1 Maxは55MH/sでETH(イーサリアム)を採掘できる?メモリの帯域幅はRX 6700 XTとRTX 3060 Tiの間だ」というお題をきっかけに「M1 Maxが40以上のMH/sを出せるなら、M1 ProではなくM1 Max MacBook Proを注文するよ」などの話題が盛り上がっています。

ちなみに「MH/s」とは暗号資産を採掘する速度であるハッシュレートの単位であり、1秒間の計算が100万回ということです。

さらに「考慮すべき事実は、最も効率的なSoCであり、専用GPUよりも電力消費がずっとずっと少ない。MacBookのリセールバリュー(買取や下取り価格)は基本的に市場で最も優れています(中略) SoCには、画面出力、超高速ビデオエンコーディング、暗号化、非常に強力なニューラルエンジンなど、特定の処理に特化した複数の専用プロセッサが搭載されています(中略)基本的には最も効率的な汎用CPUであると同時に、最も効率的なプログラマブルASICでもあるんだ」といったレスポンスもあり。

また「私は64GBのM1 Max 16(インチ)を持っていますが、ハイパワーモードで動作させたところ、ストックのethminer-m1バイナリで約10.25MH/が出ています。決して高速ではありませんが、非常に効率的で、1Wあたりのハッシュレートはおそらくとても良いでしょう」との声もあります。

そして実際にテストをして、数字を出している人もいます。YouTuberのUFD Tech氏はM1 Pro搭載Macで採掘をして、その電力効率の良さに驚いています。すでにM1 Mac向けに暗号採掘用のコンパイル済みバイナリソースコード)が配布されており、本動画ではそのインストール方法と使い方(今回はイーサリアム)が説明されています。

まず注意すべきは、バックグラウンドでのマイニングはしない方がいいということ。ちょっとしたWebブラウズでもマシンのパフォーマンスを落としてしまうので、Macを使わないときのみ実行したほうがよさそうです。

そうした注意を払った結果、M1 Proでは5MH/s以上の速度が出ており、総消費電力はわずか17W。Windows PCで同じ結果を出すためにははるかに多くの消費電力を必要とすることからも、十分にいい結果と言えそうです。

ただし電気代を差し引いた後の利益は、1か月あたりわずか12.82ドル、1日あたり約42セントにすぎません。もしも暗号資産マイニングのためだけにMacBook Proを買うとすれば、元を取るのに17年はかかる計算となります。購入から4~5年で下取りに出すとすれば利益はもう少し改善しそうですが、いずれにせよ小遣い稼ぎの域を出ることはなさそうです。

すでに購入している人は、Macを使っていないときにマイニングをしても害はなさそうではありますが、一攫千金は望むべくもないと思われます。4Kや8K動画編集などでM1 Max MacBook Proを24時間フル操業させている人は、今まで通り本来の業務に専念させておくのが賢明かもしれません。

(Source:RedditUFD Tech。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

Ubuntu開発元Canonicalが仮想マシン管理ツールMultipassのM1 Macサポート発表、20秒でLinux環境起動

Raspberry Piで簡単に3Dポイントクラウドが作れる3Dセンシングシステム「ILT開発キット」発表
Ubuntu開発元Canonicalが仮想マシン管理ツール「Multipass」のM1 Macサポート発表、20秒でLinux環境を起動

Canonical

Linuxで最大のシェアを持つUbuntuの開発元Canonical社は9日(英現地時間)、M1チップ(系列)を搭載したMac上でクロスプラットフォームのLinuxを動作させる「最も迅速な方法」を発表しました。具体的には仮想マシン管理ツール「Multipass」(GitHub)がサポートされたということであり、これによりユーザーは1つのコマンドでM1 Mac上で仮想マシンイメージを起動し、わずか20秒でLinuxを実行できるとのことです。

アップル初のMac向け自社開発チップ「M1」は高性能かつ低消費電力が魅力ながらも、独自仕様のためmacOS以外のOSを動かすことが困難であり、Linux Kernelについても一応の動作が確認されてから、Linux Kernel 5.13 RCで正式サポートされるまで半年近くかかっていました。ついに10月には「基本的なデスクトップとして使える(GPUアクセラレーションはまだ使えず)」と宣言されながらも、今なおM1 Mac上で動かすまでは簡単な作業とは言えません。

そんななか、Canonical社はUbuntuこそが「M1 MacをLinuxコンピュータに変身させる最初のプラットフォーム」だと主張。今回のMultipassサポートに当たっても、プロダクトマネージャーのNathan Hart氏も自社が「開発者が市場にある他の選択肢よりも早くLinuxを使えるようにしたいと考えており、Multipassチームはその実現に貢献しています」と述べています。

Multipassの何が優れているかといえば、仮想マシン(VM)内のアプリを動かすにあたってコンテキスト(動作状態を保持する機構)を切り替える必要がなく、VM内のアプリをホスト端末(M1 Mac)から直接実行できるということです。

公式ブログによれば、Multipassの最新版1.8.0ではVM内のコマンドとホストOS上のコマンドを結びつけられる新機能「エイリアス」が利用でき、それにより「ユーザーはあらゆるLinuxプログラムをネイティブに近い状態で使えます」とのこと。例えばWindowsやMac上でDocker(仮想環境の構築ツール)を実行したい開発者にとって、エイリアスはその代わりになり得ると謳われています。

アプリやシステム開発から縁遠い一般人にとっては難解な話にも思えますが、要は「M1(あるいはM1 ProやM1 Max)搭載MacでLinuxの仮想マシン(サーバーなど)を構築してコマンド実行しやすくなった」ということです。

M1 Macの発売から約1年が経過し、アップルが全く仕様を明らかにしていないM1チップの分析がここまで進んだことは驚きとも思えます。が、上記のLinux KernelはGPUアクセラレーションはまだ使えず、今回のMultipassはそもそもグラフィック機能はサポートしておらず、いずれもM1チップを攻略しきっているとは言えません。

とはいえ、MacにゲーミングPC的なグラフィック機能を求めるのはコストパフォーマンスと見合っていない事実は、価格が数倍違うM1 Max MacBook ProとPS5のGPU性能が大差ないことでも再確認された感はあります。クリエイティブやソフト開発のプロ向け製品として、M1 Macは着実にシェアを伸ばしていくのかもしれません。

(Source:Ubuntu Blog。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

インテルの第12世代CoreプロセッサーはアップルM1 Maxより性能も消費電力も高いと明らかに

インテルの第12世代Coreプロセッサー「Alder Lake」はアップルM1 Maxより性能も消費電力も高いと明らかに

Intel

今年10月、アップルは新型14インチとおよび16インチMacBook Proとともに、最新AppleシリコンのM1 ProとM1 Maxを発表しました。ほどなくインテルが第12世代Coreプロセッサ「Alder Lake」を正式発表しましたが、その性能がM1 ProとM1 Maxをはるかに凌駕しながらも、代償として消費電力が高くなっているとのベンチマーク結果が公開されています。

第12世代Coreプロセッサの中で注目が集まっているのは、最上位モデルのCore i9-12900Kです。これには8基のPコア(高性能コア)と8基のEコア(省電力コア)が搭載され、高いパフォーマンスと電力効率の両立がうたわれています。

第12世代Coreプロセッサはデスクトップ向けですが、アップルのM1 ProおよびM1 Maxも今後27インチの新型iMacへの採用が噂されており、これらの性能を比較するのは興味深いことと言えます。

さて最初に登場したCore i9-12900Kのベンチマーク結果は、定番テストアプリGeekbenchの公式集計サイトGeekbench Browserに投稿されたものです。それによると同プロセッサの平均マルチコアスコアは約1万8500に対して、M1 ProおよびM1 Maxの平均マルチコアスコアは約1万2500であり、約1.5倍の数値となっています。

これだけ見ればCore i9-12900Kの性能は圧倒的ですが、ハードウェア情報サイトAnandTechは追加のベンチマークを公開しています。そちらでもCore i9プロセッサがM1 ProおよびM1 Maxよりもかなり高速であるには違いありませんが、同時にはるかに多くの電力を消費していると確認できます。インテルはこのチップにつきベース周波数で最大125W、Turbo Boost時には最大241Wの電力を使用すると記載しています。

また下位モデルの第12世代Core i7-12700Kも、Geekbench 5の結果ではM1 ProおよびM1 Maxよりも高速ではあるものの、やはり電力を多く消費しています。

デスクトップならば無制限に電力を使っても問題がなさそうではありますが、より小さな電力かつ発熱の低さ(およびファンが回らないこと)や、モバイルで使うときのバッテリー駆動での効率を重視する人には、M1 ProおよびM1 Maxが用途に合っていると言えそうです。

アップルは2020年6月にMacをAppleシリコンに移行すると発表したさい、自社のチップが市場で最も高速になるとは言わず「ワット当たりのパフォーマンス」が業界最高になると約束していました。最新のM1 ProとM1 Maxも確かに公約を達成しており、デスクトップ向けとしても性能のために電力消費を(ある程度は)度外視するインテル製チップとは上手く棲み分けできるかもしれません。

(Source:Geekbench BrowserAnandTech。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)

【レビュー】Appleの14インチMacBook Pro(2021)、新・旧機能の融合

TechCrunchスタッフのリアクションはすばやく、私の知る限り、全員共通だった。特定の新機能についてこれほど多くの同僚たちが心から興奮したところを見たことがかつてあっただろうか。MagSafeが帰ってきた。iPhoneバージョンではないオリジナル(あちらにも魅力がないわけではないが)。MacBookバージョンだ。2017年にApple(アップル)が、オールUSB-C / ThunderboltのMacBook到来とともにあっさりと見捨てたあのバージョンだ。

これが、新しいプロ向けノートパソコンの長文レビューの始まりとして奇妙であることはよくわかっている。MagSafeが、2021 MacBook Proの最重要ポイントではない。最大の特徴はほぼ間違いなく、新しいチップ「M1 Pro」と「M1 Max」だ。しかし、この独自コネクターは重要な縮図である。ポートに喜び、ポートに悲しみながらこのシリーズにこだわってきた長年の信奉者にとっては魅力的な目玉となる。

新モデルは全部のせノートパソコンではない。実際Appleはそういう製品を出さない。しかし、同社はいくつかの新機能を追加するとともに、多くのユーザーが消えてしまうことを恐れていたに違いないかつての大好物を復活させた。MacBookが進化する過程において、さまざまな機能がやってきてはいなくなった。去る2016年にヘッドフォンジャックが廃されたとき、Appleはそれを「勇気」と呼び不評を買った。あれはAppleが明確に時代の先頭にいた数多くの場面の1つだった。ただし、それは勇気の話だ。ものごとはいつも予定どおりに運ぶわけではない。

画像クレジット:Brian Heater

我々消費者は、変化を要求し、一方でそれについて不満をいう。我々を満足させるのは大変だ。中には、ヘッドフォンジャックやその前のディスクドライブのケースのように、メインストリームの消費者の利用形態が追いつき、多くの人にとってその機能がほとんど惜しまれないこともある。メーカーの勇み足だったこともある。USB-AからUSB-Cへの転換についていえば、あれは明らかに不可避な進化の兆候だった。しかしMagSafeを失ったのは痛かった。

そのコネクターは、幸いにも帰ってきた。改良された形状で。他にSDXCカードスロット(SD 4.0規格、UHS-I、UHS-II SDXCカード対応)、HDMIポート、そして現在のMacラインナップから消えていたファンクションキーの隊列(窮地にたたされたTouch Barを置き換えた)も。USB-Cポートは3つで、13インチモデルの4つから減った。ポートを失いたい人などいないが、HDMIとMagSafeの復活は多くの人が正当なトレードオフだと感じているに違いない。個人の意見だが。

Appleは、同社のパソコン製品ラインナップにとって長年基盤となっているクリエイティブのプロたちを奪還しようと組織的な努力を行った。そして、多くの意味で、新しいProモデルはその最も純粋な意思表示だ。それはパワフルで図体の大きいMacの未来を示唆するマシンであるとともに、過去のヒットをいくつか再現している。

1年経ってみると、2020年の13インチMacBook Proは一種の珍しい存在になるのだろう、2016年のMacBookと同じように。現在も14インチ、16インチモデルの13インチの姉妹として製品ラインナップに残っている。奇妙な位置づけだ。実際のところ13インチMacBookのDNAは、同時に発売されたAirとの共通点の方が多く、たぶんMacBook Pro LiteかMacBook Air+ のようなものだ。当時、2つのモデルに我々が期待したような違いは見られなかったが、2021年のProモデルは「差」をはっきりさせた。

新モデルの中心は、もちろん、Appleの最新シリコンだ。我々は2021年10月の「Unleashed(パワー全開)」イベントで新チップが登場することを予測していたが、Appleは2種類のチップで我々を驚かすことに成功した。M1 ProとM1 Maxだ。いずれもM1(同じ5nmアーキテクチャーで作られている)のパワーアップ版だが、ほとんどのユーザーのほとんどのシナリオでは、2つのチップの違いは取るに足らない。そもそもほとんどのユーザーのほとんどのシナリオでは普通の古いM1が十分仕事をこなす。しかし、Appleのデモがターゲットにしているのはほとんどのユーザーではない。それはクリエイター層という、3Dレンダリング、8Kビデオ編集をはじめとする10年前のノートパソコンでは不可能に近かった作業でシステムを限界まで押し広げる人たちだ。

画像クレジット:Apple

要約すると。

  • M1:160億トランジスタ、8 CPUコア、7/8 GPUコア、メモリ帯域幅68.25 GBps、最大メモリ16 GB
  • M1 Pro:337億トランジスタ、8/10CPUコア、14/16 GPUコア、メモリ帯域幅200 GBps、最大メモリ32GB
  • M1 Max:570億トランジスタ、10CPUコア、24/32 GPUコア、メモリ帯域幅400 GBps、最大メモリ64GB

AppleがProとMaxを発表した後、すぐに湧いた疑問はAppleが2つのチップをどう使い分けるかだった。結局、同社は正しい選択をしたと私は思う。Maxを両方のシステムのアップグレードとして提供した200ドル(日本では2万2000円)で。もちろん金額はすぐにかさむが、Apple.comのショッピングカートにとっては歓迎だ。AppleはM1 Max、10コアCPU、32コアGPU、64GB RAM、2TBストレージという構成のシステムを編集部に送ってくれた。


メモリのオプションは16~64GB(後者はMaxでのみ使用可)、ストレージは512GBから最大8TBまで選択可能。この構成のシステムは4100ドル(日本では税込47万5800円)。ストレージを8TBに増やすと5899ドル(税込67万3800円)になる(ちなみに16インチにすると約68万円を超える)。これはエントリー構成の1999ドル(税込23万9800円)より3900ドル(約43万円以上)高い。



このベンチマークはスペックの違いを裏づけている。GeekBenchのAppleシリコン向けシングルコア・テストは大きな違いを見せておらず、2020年MacBook Proの1711に対して1781だが、マルチコアのスコアは7549から1万2674と飛躍的に向上している。



このGFXBench Metalグラフィックテストでは、新しいGPUがAztecデモで3490フレーム(54.3fps)から7717.5(120fps)へ、オフスクリーン版で4981フレーム(77.4fps)から1万7981(279.6fps)へと急上昇している。前者では一部のNVIDIA GPUより劣っているが、後者では他を圧倒している。中でも特に注目すべきなのは、Appleが高い性能数値をほとんどのライバルより著しく少ない電力消費で実現していることだ。

画像クレジット:Brian Heater

本機が熱を持たないという表現は行き過ぎだ。アルミニウム筐体の底部は快適な温かさになるが、真実はといえば内蔵ファンを働かせるためにはシステムにかなりの負荷をかける必要がある。バッテリー持続時間も長い。1回の充電でApple TV+を17時間29分見ることができた(新作のドキュメンタリー、Velvet Undergroundはいい。なぜわかるかというと「何度も」見たから)。ちなみに復活したMagSafeによる充電は高速で、0から50%まで30分で充電できた(96または140Wの電源アダプター使用)。3つあるUSB-Cポートでも充電が可能(専用プラグを家に忘れた時に重要)だが、速度は落ちる。

MagSafeプラグにはすてきなブレイデッドケーブルが付いてくるが、外見を除けばみんなが知っていてほとんどの人が愛する簡単着脱プラグと驚くほどよく似ている。

新しいMacBookは新しい内部に合わせてデザイン変更もなされている。たとえば16インチモデルは先行機よりも厚く、重くなり、4.3から4.7ポンド(2.1、2.2kg)に、高さ0.64(1.62cm)から0.66インチ(1.68cm)に増えている。14インチは13インチの3ポンド(1.4kg)対して3.5ポンド(1.6kg)だが高さは小さな姉妹と変わらない。

2020年版Airを持ち歩いている1人(時々アパートを離れるとき)として、これは無視できる違いではない。私の大胆な憶測は(少なくとも今のかたちの)13インチMacBookの将来を危ぶんでいるが、薄くて軽いAirがいなくなることは想像できない。

画像クレジット:Brian Heater

14.2インチのディスプレイは大きくて明るい3024×1964画素。13インチの227ppiに対して254ppiだ。2020年の輝度500nitは、持続時1000ニト、ピーク時1600ニトへと上昇した。これはミニLEDアレイと120Hzのリフレッシュレートのおかげだ(ProMotionテクノロジーによって作業に適応する)。支えているテクノロジーは最新のiPad Proや多くのノートパソコンに見られるものと類似している。

MacBook Air 2020(左)、:MacBookPro 2021(右)

このリモートワーク時代にはありがたいことに、FaceTimeカメラがアップデートされ、2021年の新iMacと同じ1080pカメラになった。これは2020年のProとAirに搭載されていた720pカメラからのうれしいアップグレードで、これまでは画像処理技術とM1の性能に頼ってホワイトバランスの改善や画像ノイズを減らしていた。上の画像でわかるように、最新のAirと比べてかなり劇的な向上だ。

画像クレジット:Brian Heater

ベゼル(前面カバー)は前モデルより24%減少した。エッジ・トゥー・エッジまではいかないが、近づきつつある。この変更にともない、おそらく最も賛否を呼ぶ変更が、恐ろしいノッチ(切り欠き)の追加だ。このノッチの活発な評価についてはDevin(デビン・コールドウェイ)の記事を読んで欲しい。私は概してノッチにとらわれない立場で、つまり当然フルスクリーンがベストだが、ノッチが存在する理由も理解している。これは、Appleが4年前のiPhone X発売以来iPhoneで採用し続けているものだ。

関連記事:【コラム】アップルがMacBook Proにノッチを付けてしまった

先のイベントで会社がいうには「これはコンテンツに余分なスペースを与える実にスマートな方法であり、フルスクリーンモードでは16対10のウィンドウが得られ、見た目もすばらしい。これはシームレスです」。慣れるまでに少し時間が必要であることは間違いないと私はいっておく。

他のモバイル機器メーカーには、ピンホールあるいはスクリーン下カメラを採用しているところもある。後者は大部分が失敗で、画質が著しく損われる。Zoom会議の時代のウェブカムには決してあってほしくない事態だ。ノッチの採用は実質的にこれまでベゼルがあった上部にスクリーン財産が追加されたことを意味している。ほとんどの場合、適切な暗い背景や、フルスクリーン動画ならレターボックスの黒いバーが隠せないものではない。

しかし、フルスクリーンモードで、特にメニューシステムに依存の強いアプリにとっては厄介だ。メニューバーは自動的にノッチを回り込む。デベロッパーは何もする必要がなく、メニュー項目が隠されないうようにシステムがメニューバー移動する。これはノッチ対応はもちろんまだでAppleシリコンバージョンをまだ出していないAudacityの場合だ。ちなみにマウスポインターは、実質的にノッチの下を通過して動く。

14インチ画面以上のものが必要になった時(そういうときもあるだろう?)、ProチップはPro Display XDRを2台同時にサポートできる。Maxなら、Pro Display XDRと4K TVを動かせる。復活したHDMIポートは4K60およびHDRビデオに対応している。

画像クレジット:Brian Heater

キーボードはここ何年かMacBookラインナップにとって一種の弱点だった。うれしいことに、2020年同社はようやく実績ある機構に戻した。キーの固着や最終的にキーボード交換プログラムに至った惨劇を受けてのことだ。現在の構成は、ノートパソコンのキーボードではソフトな側に寄っているが、数年前の頑強な過ちより何光年も前進している。

Touch Bar(タッチバー)がそれ自身「頑強な過ち」に当たるかかどうかは視点の問題だが、Appleの予想に達しなかったことはかなりはっきりしている。キーボード上部に超薄型タッチディスプレイを置くことは理論上は興味深いアイデアだったが、定常的に触れ合った人が多くいたとは思えない。これは、好きになりたいけれども、最終的に存続する理由を正当化できずに提案を断念する類いのものだった。つまり、私は、それが消えゆくことを悲しまない1人だ。

画像クレジット:Brian Heater

完全な死を悼むにはまだ早い、なぜなら13インチMacBookにはまだ必死でしがみついていくのだから。しかし、まあ、その入力デバイスの未来は決して明るいとはいえない。代わりに、フルハイトのファンクションキーが戻り、Appleはその復活をすばらしい新機能として位置づけた。会社はこう書いている。

このたび、Magic Keyboardがフルハイトのファンクションキーを初めてMacBook Proにもたらしました。プロの愛するメカニカルキーの感触とともに。

キーには、明るさ、音声入力、音量、Spotlight、Siri、おやすみモード、音楽再生などが割り当てられている。さらに、常にTouch Barの最高の部分であったものを維持している。Touch IDだ。今度は2020年のAirに付いていた小さな突起ではなくフルサイズのキーだ。

画像クレジット:Brian Heater

MagSafeの復活と同じく、Touch Barの放棄は、新しいMacBookが数年来で最高と言われる主要な理由だ。彼らはいくつかの重要な ブレイクスルーを成し遂げてきた過去の世代のテクノロジーと学習に基づき、何よりもユーザーのフィードバックに耳を傾けて開発してきた。それは、うまくいかないものから離れ、うまくいくものを強化することを意味し、とりわけ重要なのは消費者にとって何がベストであるかを自分が知っていると思わないこと、非常に特化したクリエイティブのプロが相手となればなおさらだ。

税込23万9800〜67万3800円という価格は、みんなのためのMacBookという感じではない。ほとんどの消費者にとってはMacBook Airが役割を果たすかそれ以上だろう。しかし、マシンの限界を求めるような使い方をする人には、新しいProはMacBookライン最高の要素の集大成だろう。

画像クレジット:Brian Heater

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルのデスクトップOS「macOS Monterey」公開、リモートワーク向け機能満載

この1年半で、さまざまな業界で大きな変革がもたらされた。ホワイトカラー社員の多くがオフィスからリモートワークへ移行したことで、自宅という環境が何時間ものZoom会議に対応できないことが浮き彫りになった。

2020年にパソコンやタブレットの販売台数が大きく伸びたときも、家電メーカーの対応は鈍かった。開発に着手してからプロダクトが市場に投入されるまでの期間は長いものであり、多くの未発表製品がまだ開発中だ。

米国時間10月25日、互換性のあるシステムに無料アップデートとして提供されたmacOS 12 Montereyは、リモートワークの時代にふさわしい重要な機能を(ある程度)有している。また、MacBook ProやM1搭載iMacなどのApple製ハードウェアがカメラとマイクのセットアップで長く待ち望まれていたアップグレードをようやく実現した中で、この新しいオペレーティングシステムが登場したことは、偶然ではないだろう。

Appleにとってそれは「FaceTime」のことだ。同社は、MicrosoftやGoogleなどと違い、ビデオ会議プラットフォームを持っていないという点で、独自の立ち位置にある。2020年、Appleは最大32名の会議を可能にしてその機能を拡大したが、それでも「FaceTime for Business」ではなくて、あくまでも友だちや家族のための機能だ。

しかし今回、Appleのビデオ通話アプリケーションには、重要なアップグレードが行われた。その筆頭にくるのが「SharePlay」で、残念ながらデスクトップでは今秋の終わりごろにリリースされる予定であり、iOS 15.1でも搭載されている。この機能は、2020年のパンデミック中にストリーミングサービス向けに展開された「共同視聴機能」の事実上のビルトイン版となる。

画像クレジット:画像クレジット:Apple

この機能は、Appleの自社サービスであるAppleTV+とApple Musicをサポートするためにカスタムされており、Disney+、Hulu、HBO Max、NBAアプリ、Twitch、TikTok、MasterClass、Zillow、Paramount+、ESPN+など、いくつかのローンチパートナーと連携する。しかしNetflix、Amazon、Spotifyなど、いくつかの大規模サービスが含まれていないのが気になるところだ。

この機能は、映像と音声を効果的に同期させ、グループ内のユーザーが視聴しているものをリアルタイムで反応できるようにするものだ。スピーカーの音量も調整され、ユーザーが再生 / 一時停止 / 早送りなどをすると再生が同期される。また、この機能をApple TVとセットにも拡張できる。

また、Zoomのような画面共有機能も新たに搭載され、通話中の他の視聴者にウィンドウを提示できる。FaceTimeには「空間オーディオ」も搭載されている。私は最近、最新のAirPodsを試した際にこの機能を試してみた。話者のウィンドウ位置を利用して、音声をその位置に配置するという機能なのだが、気に入った。現状はちょっとしたギミックだが良くできている。

今回追加された機能の中で最も興味深いのは、Appleのエコシステム外でもFaceTime通話に参加できる点だ。機能はまだ限定されているが、ユーザーがリンクを作成すれば、AndroidやWindowsデバイスで、ChromeまたはEdgeブラウザを使いさんかできるようになる。参加にはアカウントは必要ないが、リンクをクリックした後、誰かがそれを承認する必要がある。

画像クレジット:Brian Heater

また、ポートレートモードも新たに搭載された。これは、主要なテレビ会議サービスの「背景をぼかす」機能と同様の機能だ。Appleによると、この機能にはM1に搭載されているニューラルエンジンが使われているという。本機能と空間オーディオは、いずれもM1チップを搭載したシステムでのみ利用できるが、開発者にとっては、新しいチップが可能にする「境界線を曖昧にする力」は、macOSへのiOSの機能が採用が加速していることを感じさせるものだ。モバイルの機能がデスクトップに採用されるまでに、数回のアップデートを待たなければならなかった時代とは大きく違うものだ。

今回もSafariには、モバイル版の再考とともに大きなアップデートがいくつか行われている。デザイン面における最大の変化は、普遍的な検索バーからの決別だ。

新しい「コンパクトタブ」は、スペースを節約するために、タブを小さな独立したウィンドウに移動させる。ユーザーがこのような変更に苦しめられる場合もあるため、賢明にもAppleは設定で有効、無効を切り替えることができる。

「タブグループ」は、例えば「仕事用」や「自宅用」などユーザーがタブを束ねて共有できるようにする。使い方によっては創造性と高めることにもなるし、大量のブックマークを詰め込んでしまうということにもなるだろう。

 

ページ上のテキストをハイライトしたり、右クリックすると「クイックノート」を追加できるようになり、情報を1カ所にまとめることができる。ネットで調べものをすることが多い人にはうれしい機能だ。

iOS 15に搭載されることが発表された「集中モード」は、アクティビティや時間帯に応じて気が散るものを調整することができるというものだ。例えば、瞑想中、読書中、仕事中などに通知を制限することができる。これらの設定は、Appleデバイス間で自動的に同期される。ミュートされた通知はメッセンジャーアプリにも表示されるため、邪魔されたくないタイミングを周囲に知らせることもできる。

AirPlay to Macは、待望の新機能だ。その名のとおり、AirPlay 2を使って音楽や映画などをMacに送ることが可能だ。たとえばiMacを使っているが、スクリーンやスピーカーはもっと良いのがある、という場合に使えるだろう。

また、今回の追加機能の中でも最も期待されている機能1つである「ユニバーサルコントロール」も搭載される。この機能により、iPadOSとMacの間の境界線がさらに曖昧になり、ユーザーは2つのデバイス間でアイテムをドラッグ&ドロップして、よりシームレスなAirDrop体験ができるようになる。また、キーボード、トラックパッド、マウスなど同じ周辺機器で、2つのデバイスを同時に操作することもできる。

もう1つの大きな追加機能は、iOSから移植された最新機能「ショートカット」だ。このアプリは、長年愛用されてきたAutomatorに代わるものだ。将来的にはAutomatorも廃止される予定となっている。現状では「ショートカット」の方がシンプルだが、Automatorのような洗練された機能がないため、AppleはユーザーがAutomatorのシーケンスをショートカットに変換できるようにすることで、その影響をゆるやかにしようとしている。ただし、ユーザーからのフィードバックを募るため、しばらくはAutomatorも存続する。

macOS Montereyは、2015年以降のiMac、2017年以降のiMac Pro、2015年以降のMacBook Air / Pro Early-2015、2013年以降のMac Pro、2014年以降のMac mini、2016年以降のMacBookに対応している。

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルは新チップでテック業界を湧かせるが、ウォール街はあくびをする

Apple(アップル)がイベントで何かを発表しても、マーケットはほぼ反応しないことについてのおなじみの連載記事に、2021年もようこそ。

いやむしろ、Appleの株価は、同社自身が発表するものよりももっとずっと外部のイベントに対して敏感なようだ。同社による記者たちに愛想がいい長時間の発表の間、株価がNASDAQ総合よりも上がるとしたら、それはレアケースとなる。

そのことは今でも私たちにとってやや驚きだが、Appleのイベントは当日までに情報が十分リークしてしまうため、その日が来る前に新製品発表などは株価に織り込み済みになるのかもしれない。

そんな議論もおそらく必要なのだろうが、マーケットに関しては十分ではない。手は出すけど本格的ではない、なまぬるいというところか。本日のAppleは、PC用チップまで発表したのに、そのすごさは反映されなかった。そう、Appleは新製品M1 Proを詳しく紹介したし、M1 Maxチップだって驚異的だ。たしかに、これらの名前はいかにもベビーブーム世代らしい安っぽさだが、チップそのものは感動的な偉業ではないか。そしてAppleはその新チップを、一連の予想よりも高額なコンピューターに搭載している。

こんな考えもある。ハードウェアはすごい。しかしコンピューターの価格に対して高すぎる?この説は、どうだろう?しかもAppleの株は午後1時から2時までのイベントの間にNASDAQをかなり追っていた。下図のように。

この図における唯一の注目ポイントは、午後1時以降、Appleの最初の下降がNASDAQのもっと大きなテクノロジーコレクションの下降よりも急激であることだ。しかし、その後Appleはさらに急激に回復している。その結果、取引の全時間がまるで仮装だ。Appleも、他のテクノロジー株と同様に前進した。やれやれ。

私がAppleのエンジニアだったら、頭に来ただろう。おい、みんな見てくれ、すごいチップだぞ。長年インテルは、汚物を垂れ流して市場を食い物にしてきた。それができたからね!しかもそれなのに、ウォール街がまったく全然、感動しないなんて。

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)