事故の根本的問題解決のため超高解像度レーダーを自動運転車に搭載、中国AutoXがArbe Roboticsと提携

テルアビブに拠点を置く超高解像度レーダーのスタートアップArbe Roboticsに、新たな顧客が加わった。中国の自動運転会社AutoXが、同社のレベル4自動運転車に搭載するArbeベースのレーダーシステムを40万台調達したのだ。

両社は声明の中で、Arbe Roboticsのプラットフォームは自転車や歩行者などの交通弱者を正確に認識したり、静止物を検出したり、レーダー画像のあいまいさによる誤警報の除去など、最近の自動運転車事故の原因となっている「根本的な問題」を解決すると述べた。

Arbe Roboticsは独自の2K解像度、毎秒30フレームの画像処理技術を用いて、現在市販されているどのレーダーよりも100倍詳細な画像を提供するとしている。

Arbe RoboticsのKobi Marenko(コビ・マレンコ)CEOは最近のウェブウェブキャストで、同社はすでにティア1の自動車サプライヤー5社と提携しており、チップメーカーのNVIDIAとも提携していると述べた。さらに著名でない配送ロボット会社と「世界最大級の自動車会社」の2社から、追加発注を受けていると付け加えている。

AutoXはAlibaba(アリババ)、Shanghai Motors(上海汽車)、MediaTek(メディアテック)などの支援を受け、中国での自動運転車展開の最前線に立ってきた。同社は本社がある中国最大の都市の1つである深圳で、安全運転手のいない公道での自動運転のテストを行った中国初の企業だ。また、上海では自動運転タクシー「RoboTaxi」のサービスを開始している。

関連記事:自動運転ユニコーンAutoXが中国初のロボタクシーのテストを深センでスタート

またAutoXはカリフォルニア州で人間のセーフティードライバーをともなわない自動運転テストを開始するための許可を得ており、これはWaymoとNurに次いで3社目の許可となった。

今回の提携はテルアビブを拠点とするArbe Roboticsが、特別目的買収会社であるIndustrial Tech Acquisitionsとの合併により、7億2200万ドル(約780億円)の株式評価額で上場すると発表した数週間後に発表された。この動きはM&G Investment Management、Varana Capital、Texas Ventures、Eyal Waldmanなどの投資家による1億ドル(約110億円)のPIPE(非公開投資)によって支えられた。

マレンコ氏はウェブキャストの中で、Arbe Roboticsの収益は2021年にはわずか700万ドル(約7億6000万円)に止まると見積もっており、投資家が同社の技術に期待をよせていることは明らかだ。さらに同氏は2025年には収益が3億ドル(約320億円)を超え、わずか4年間で4185%も増加すると予想している。

関連記事:自動運転車両開発のAutoXがカリフォルニア州で無人運転テスト許可を取得

カテゴリー:モビリティ
タグ:Arbe RoboticsAutoXレーダー

画像クレジット:AutoX

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:塚本直樹 / Twitter