もう「変態」とは言わせない、実用性を備えた2画面ノートに進化したASUS ZenBook Duo

ASUS(エイスース)は5月7日、キーボード奥に12型ディスプレイを搭載した14型ノートPC「ASUS ZenBook Duo」を発売した。台湾最大のPC、PC周辺機器、スマートフォンメーカーである同社は、2018年6月5日に「Project Precog」と名付けられた2画面ノートPCのコンセプトモデルを発表したあと、翌2019年5月27日にデュアル4KノートPC「ASUS ZenBook Pro Duo」を発売。今回紹介するDuoは、2画面ノートPCというコンセプトはそのままに、軽量、長時間駆動、低価格化が図られている。筆者は今回本製品を個人的に購入したので、主に使い勝手にスポットを当ててレビューしていこう。

ASUS ZenBook Duoの直販価格は税別14万9819円から

CPU、メモリ、ストレージの異なる2モデルをラインアップ

Duoには、Core i5-10210U、メモリ8GB、ストレージ512GBで直販価格14万9819円のUX481FL。Core i7-10510U、メモリ16GB、ストレージ1TB、
直販価格17万9819円のUX481Fの2モデルがある。筆者が今回購入したのは後者のモデルだ。

CPUはCore i5、ストレージは512GBでも構わなかったのだが、写真の現像や動画の編集時にはメモリを16GB搭載していたほうがいいと考え、上位モデルを購入した。

Core i7版Duoはベンチマークソフト「CINEBENCH R20.060」でのスコアは1416pts。CPUに第9世代(Coffee Lake Refresh)のCore i9-9980HKを搭載しているPro Duoが3094ptsだったので、Duoはその約46%のパフォーマンスということになる

Duoは、Pro Duoの外部GPUであるNVIDIA GeForce RTX 2060より性能が低いNVIDIA GeForce MX250を搭載しているが、バトルロイヤルゲームのPUBG Liteの低負荷設定であれば快適にプレイ可能だ

処理性能とディスプレイ品質を下げてバッテリー駆動時間を大幅向上

DuoとPro Duoのもう1つの大きな違いはディスプレイ。Pro Duoは15.6型UHD(3480×2160ドット)の有機EL+14型UHD(3840×1100ドット)のTFTカラー液晶であるのに対して、Duoは14型フルHD(1920×1080ドット)のTFTカラー液晶+12型フルHD(1920×1080ドット)のTFTカラー液晶という構成になっている。解像度はもちろんのこと、輝度、色域、コントラスト比はPro Duoのほうが上だ。

しかし、CPU、外部GPU、ディスプレイのグレードを落としたおかげで、バッテリー駆動時間はPro Duoの約5.3時間(Core i9)、5.5時間(Core i7)に対して、Duoは約13.9時間(Core i7)、約14.3時間(Core i5)と大幅に延長されている。また、重さもPro Duoの約2.5kgに対してDuoは約1.66kgと大幅に軽量化。つまり、DuoはPro Duoの廉価版というよりも、モバイル特化版というほうが正確な表現だと思う。

Pro DuoとACアダプターの合計の重さは実測約3.24kg、DuoとACアダプターの合計の重さは実測約1.94kg。
DuoはACアダプターごと毎日持ち歩いても苦にならない重さだ

モバイルディスプレイの出番が激減する2画面ディスプレイ環境

Duoの2画面ディスプレイの使い勝手は個人的に非常に気に入った。筆者が記事を書くときには資料を見ながら作業することが多いが、セカンドディスプレイに表示しておけば参照しやすい。これまで外出先で長時間作業するときにはモバイルディスプレイを接続していたが、Duoならその出番をかなり減らせそうだ。

ディスプレイを開いた瞬間にデュアルディスプレイ環境を利用できるのがDuoの最大のメリットだ

また「ながらブラウジング」が非常に快適。メインディスプレイにウェブ記事、セカンドディスプレイの左にミュージックビデオ、その右に気になるSNSのタイムラインなどを表示しておけば、どの情報・コンテンツにも素早くアクセスできる。

もちろん外部ディスプレイや、スマホやタブレットを並べることで同じような環境を構築できるが、14型ノートPCの設置面積でこれだけ広大なデスクトップ環境を確保できる点に大きな価値があると思う

暗く見えるセカンドディスプレイ、USB PD非対応は残念

基本的にDuoをかなり気に入っているのだが、大きな不満が2つある。1つ目はセカンドディスプレイが暗く見えること。セカンドディスプレイは斜めから覗くので暗く見えるのは仕方がないが、それを踏まえてもっと輝度が高い液晶パネルを採用するべきだったと思う。

セカンドディスプレイに合わせてメインディスプレイの輝度を下げるという解決方法もあるが、それでは本末転倒だ

2つ目かつ最大の不満点がUSB Power Deliveryに対応していないこと。そのため長期間Duoを持ち出す際には専用ACアダプターを携帯しなければならない。ACアダプターやモバイルバッテリーはひとつに絞りたいので、次期モデルでは必ずUSB Power Deliveryに対応してほしい。

DuoのACアダプターは比較的コンパクトだが、2020年に発売されたノートPCでUSB Power Deliveryに対応していないのは残念すぎる。これを理由に買うのをやめようと思ったほどの不満点だ

もう「変態」とは言えない実用性を備えた2画面ノートPC

MacBook Proにもキーボード面にTouch Barというタッチ対応ディスプレイが搭載されているが、Duoのセカンドディスプレイはそれとは比べものにならないほど大きい。コンセプトが異なるものを比較する意味はないが、あえて実用性、応用範囲で比べるとDuoのほうが上だろう。

タッチパッドをキーボードの右に配置している点が変則的だが、メインのモバイルノートPCとして使い始めて数日が経過したいま、まったく違和感なく利用できている。もう「変態」とは言えない実用性を備えたDuoは、モバイル用途に特化した2画面ノートPCとして現時点で唯一無二の存在だ。

4Kタッチスクリーンを2台搭載したASUSのZenBook Pro Duo

昨年のComputexで、ASUS(エイスース)はタッチパッドの場所にタッチスクリーンが搭載されたZenBook Pro 14Zen Book Pro 15を発表した。そして今年の台北では、セカンドスクリーンを内蔵するというコンセプトをずっと発展させ、ずっと大きなセカンドスクリーンを搭載した新しいZenBookを発表した。

ZenBook Pro Duoではタッチパッドを置き換えるだけでなく、キーボード上にてデバイスいっぱいに広がる14インチのセカンドスクリーンを搭載し、メインの15.6インチ/4K解像度有機ELディスプレイを拡張、あるいは共に動作する。

昨年のZenBook Proに搭載されたタッチパッドは、メッセージや動画、電卓のようなユーティリティアプリを表示する、目新しい追加ディスプレイのようなものだった。しかしZenBook Pro Duoのずっと大きなセカンドスクリーンは、さまざまな潜在能力を秘めている。どちらのスクリーンもタッチ操作ができ、指によってウィンドウ間でアプリを移動させる操作に慣れるのには少し時間がかかるが、シンプルで直感的だ(頻繁に使うアプリは固定することもできる)。

デモにおいて、ASUSの担当者はマップにてどのようにデュアルディスプレイがサポートされるのかを示した。大型のスクーリンでは、鳥瞰するように地形が眺められる。またZenBook Pro Duoの売りはマルチタスキングで、メインスクリーンにてOffice 365やビデオカンファレンスをしながら、メールを見たりメッセージを送ったり、動画を見たり、ニュースヘッドラインをやタスクをチェックできるのだ。

基本的に、ASUS ZenBook Pro Duo 14はセカンドモニタが好きな人(あるいはスマートフォンやタブレットを簡易的なセカンドスクリーンとして使う人)向けに設計されているが、ポータビリティを重視する人にも向いている。重量は2.5kgで軽量ラップトップというわけではないが、スペックと2つのスクリーンを考えれば十分に軽量だ。

本体にはIntel Core i9HKプロセッサとNVIDIA RTX20シリーズを搭載している。

ASUS ZenBook Pro Duoでは、複数タブやアプリを開いてもどちらのスクリーンもスムーズに動作する。スピーカーではHarman/Kardon(ハーマン・カードン)と提携し、上等な音質が期待できる。また、小型バージョンのZenBook Duoも同時発表されており、Core i7プロセッサとGeForce MX 250を搭載。ディスプレイはどちらもHD解像度となっている。

ASUSは現時点では製品の価格や発売日を明かしていない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ASUSのZenFone 6はフリップカメラと大容量バッテリーを搭載

ますます価格の上昇するプレミアムスマートフォン市場だが、2019年は普及価格帯モデルの年となるかもしれない。そんな購入しやすい価格で登場したのが、499ドル(約5万5000円)で販売される台湾ASUS(エイスース)の「ZenFone 6」だ。

中国OnePlusの「OnePlus 7 Pro」と同じくZenFone 6には、ノッチやパンチホールは搭載されておらず、フリップ式のポップアップカメラが背面に搭載されている。つまり画面上のボタンを押すことで、カメラが背面カメラとしても、あるいは前面カメラとしても利用できるのだ。またOnePlusと同じく、端末が落ちていることを落下検知センサーが動作すると、カメラが収納される。

カメラ機構だけでも注目に値するが、ZenFoneは普及価格帯のスマートフォンとしても魅力的だ。プロセッサはSnapdragon 855で、5000mAhのバッテリーが組み合わされている。また、ヘッドホンジャックが搭載されている点も評価できる。

近年は存在感を低下させていたASUSのスマートフォンだが、ZenFone 6のような魅力的な端末が、魅力的な価格で登場するのは喜ばしい。米国での発売情報なども、近いうちに発表されるはずだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ASUSが暗号通貨マイニング専用のマザーボードを発表…自己診断機能を充実

マイニング用のハードウェアは、おかしなものだ。日用品のような安いハードウェアを使って複雑な計算を…効率悪く…やらせたり、あるいは特別設計の高価なボードにBitcoinを稼ぐ仕事しかやらせなかったり。そこで、マザーボードのメーカーとしても有名なASUSは、この両極端のギャップを埋めようとしている。

H370 Mining Masterは、20のグラフィクスカードをサポートするベーシックなマザーボードで、Ethereumなどのあまりリソース集約的でないスクリプトで使われる。カードはPCIe-over-USBで接続し、各ポートは、オンボードの診断機能により個別にコントロールされ管理される。それにより、個々のグラフィクスカードがどれも正しく動き、接続が完全であるようにする。

プレスリリースから引用しよう:

マシンのメンテナンスに割く時間が少なければ、それだけマイニングの時間が多くなる。そこでH370 Mining Masterには一連の自己診断機能があって、プラットホームの管理を容易にしている。中でも重要なのがGPU State Detectionで、ブート時にシステムをスキャンして各ライザーポートの状態を調べ、空か、機能するグラフィクスカードが接続されているか、あるいは問題が起きているかを点検する。State DetectionのアップデートされたGUIにより、各ポートの位置とステータスを英数字のコードで確認できる。オンボードの診断機能は、個別のデバッグ用LEDも利用する。それらは、CPUやメモリなど、特定のシステム部位に問題があれば点灯する。

ボード自身がさまざまな暗号通貨の機能を持ち、それらは、最初に電源を入れたときから完動する。

このボードの発売は2018年第三四半期で、価格は数百ドルだ。マイニング用のカスタムハードウェアに比べると、馬鹿安い。ただし、大量のグラフィクスカードがせっせと採掘を続けられるためには、それなりの電気料金を覚悟しなければならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

今年のMWCはiPhone Xのそっくりさんだらけ、最優秀賞をAsusのZenfone 5に進呈しよう

たしかにAppleは今年のMWCでどんな種類のプレゼンスもなかったけど、今週はまさにiPhone Xの週でもあった。同社のその最高級旗艦機(iPhone X)はMWCの会場で、あらゆる競合機のデザインに影響を与えていた。単にノッチの味方に加わっただけのもあれば、もっと露骨なモノマネもあった。

HuaweiのP20がまだ出てない今は、AsusのZenfone 5がこのショウにおける最大かつ、おそらく最良のPhone Xそっくりさんだ。近年スマートフォンは、どれもこれも同じに見えてきたから、互いに似ることも否定できないが、でも多くのユーザーにとって、それはどうでもいいことだ。

Android世界で、昨年もっともホットだった安価なスマートフォンはなんだろう(ヘッドホーンジャックのことはこの際忘れて)? それがZ5だ。主にSnapdragon 845を使っていることが理由で、それはハイエンドバージョンのハンドセットであり、お値段は499ドルからだ。すごく安いとは言えないが、そのインスピレーションの元となった機種〔iPhone X〕の半額だし、標準仕様のGalaxy S9より100ドル安い。

“ノッチが市民権を得た”と言えるのか、それは分からないが、会場ではそんな声が多く聞かれた。でも誰かが、スクリーンとカメラの同居という難問を解決するまでは、それで我慢するしかない。フロントカメラをやめて自撮りができないようにする、という案もある。

ぼくは、それでもよい。完全に正直に言えば、フロントカメラなしで一向に構わない。

でもそれは、ありえないだろう。似たような名前のZenfone 5 Lite(アメリカ市場では5Q) は前面カメラが二つもあり、ひとつは広角だ。上部ベゼルはしっかりとある。

Z5のもうひとつの大きなセールスポイントが、言うまでもなく、AIだ。それはLG V30S ThinQのようなAIで、これから撮る被写体の状態に応じて撮影条件を自動調節する。

これがアメリカでも発売されるのか、それはまだ分からない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Asus、超薄型ノート2機種発表―台北のショーに今年はロボットの姿なし

Zenboという家庭用ロボットを覚えているだろうか? 昨年、台湾のコンピューター・メーカー、ASUSが台北で開催したComputexプレスイベントに登場して話題をさらった。しかし今年のCumputexにはZenboの姿は見えず、ZenFonesスマートフォンとZenBookシリーズの新しいノートパソコンが発表された。その中でもスポットライトを浴びたのはZenBook Flip S、 ZenBook Pro UX550という超薄型のノート2機種だ。

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両機種とも非常に薄く、非常に軽い。AsusによればZenBook Flip Sは「コンバーティブル・タイプのノートパソコンとして世界最軽量」だという。重量は1.1kgで厚さは10.9mmしかない。Asusのプレス資料ではHP Spectre x360の重量1.29kg、厚さ13.8mm、またMacBook Airの重量1.35kg、厚さ17mmという数字と比較されていた。

ZenBook Flip Sは13.3インチのタッチスクリーン4K液晶ディスプレイを備え 360°回転できる。CPUはIntel Core i7-7500U、RAMは最大16GB、SSDは最大1TBだ。このスペックであれば高いパフォーマンスが期待できそうだ。

Asusはこの機種のバッテリーは最大11.5時間駆動可能であり、49分の充電で60%までチャージできるしている。周辺機器の接続にはUSB-Cが1個用意されている。ZenBook Flip Sの出荷は9月、価格は1099ドルが予定されている。

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新しいZenBook Pro UX550は前モデル同様、15.6インチの4Kタッチスクリーンを備えるが、新しい機種はIntelの第7世代のCPU、Core i7-7700HQ クオドコアを装備する。最大16GBのDDR4 RAM、専用グラフィックカードとしてNvidia GTX 1050 Tiを備える。特にこの最後のグラフィックカード装備はゲーマーにとって魅力的だろう。

ZenBook Pro UX550もスリムなノートで、重量1.8kg、厚さ18.9mmだ。来月、6月には1299ドルで出荷が開始されるという。

この他、ZenBook 3 Deluxe(1月のCESで発表ずみ)、499ドルのVivoBook S(CPUにCore i7、Nvidia GTX 940MX GPUを装備可能)、VivoBook(799ドルでCore i7 CPU、Nvidia GTX 1050 GPU装備)もデモされた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ナノルクスがASUSらから1.3億円調達、真っ暗闇でカラー撮影ができるスマホ発売へ

いっさい光が入らない真っ暗闇の暗室でもカラー撮影が可能な「赤外線カラー暗視技術」を持つ、つくば発のスタートアップ企業「ナノルクス」が今日、台湾に本社を置くスマホ・PCメーカーであるASUSおよび筑波銀行グループから合計約1.3億円の資金を調達したと発表した。

ナノルクスの暗視技術は産業技術総合研究所(産総研)が発明したもの。この特許を技術移転によって製品に活用することを目指して2010年に設立されたベンチャー企業がナノルクスだ。これまでにもシャープとの協業で産業用途で監視用カメラを2014年に発売したことがあるものの、結果は芳しくなかった。

創業7年目にして資金調達による「再起動」をかけた形だが、その立役者である祖父江基史氏は2015年末にナノルクスにジョインしている。祖父江氏は日銀からキャリアをスタートし、これまでインテルやデルなど外資系企業でファイナンスや戦略の役員を務め、直近ではベンチャー支援機関TEPの副代表を務めていた人物だ。米デューク大学で経済学修士号を、早稲田大学では工学修士号を取得して商学の博士後期課程修了と、スタートアップの第二創業に参画する以外にも、いくらでも選択肢があったはず。祖父江氏はTechCrunch Japanの取材に対して、スタートアップ支援を続ける中で「技術とか(日本の)強みでできることがあると感じていた。最大の問題は経営者だという思いが常にあった。自分がやらなければと考えていた」と語る。「そういうときに出会ったのがナノルクス。技術が世の中で使えて役立つというのを見せたい」(祖父江氏)

ナノルクス代表取締役社長の祖父江基史氏

祖父江氏は今回、新たにグローバル市場でスマホ、PCともに有力な製品を持つASUSから1億円の直接投資を受けて共同開発する道筋をつけた。うまく行けばZenFoneなどコンシューマー向け製品にナノルクスを搭載して広く世に問うことになる。

ナノルクスの技術は「すごく暗い場所で撮れる」ということとは違う。全く光のない場所で普通に写真や動画が撮れるのだ。これは消費者の誰も体験したことがないものだし、そんなことが可能だと知っているのはごく一部の技術者だけだろう。「真っ暗闇でも撮影できるスマホ」に市場があるかどうかは分からないが、ナノルクスが挑戦するのはそういう未知の市場だ。

モノクロでは分からない立体感を伝えるという意味でもカラー化の意義があるという

3種の赤外線からRGB成分を推定

赤外線を照射して反射光からカラー画像を再現する技術は、もともと産総研が開発したものだ。2015年に特許が成立した赤外線カラー暗視技術は、(少なくともぼくにとっては)にわかに信じがたい原理の発見に基づく。

以下の説明図にあるとおり、ナノルクスのカラー暗視技術では3種類の異なる周波数の赤外線を被写体に照射し、その反射光から、可視光のある環境でのRGB成分を再現する。このとき、図中にあるIR1〜3の反射光と、可視光の場合の反射光のRGB成分とが緩やかに対応しているのだという。

ナノルクスの技術は、経験的に発見した「3種の赤外光←→RGB」という対応原理を理論的に解き明かして、それを実装したものだという。

実際にぼくは取材の席でプロトタイプ実装のデモを見せてもらった。若干、目で見た色より淡い色に再現されるものの、ほぼ完全な暗室の中を30フレームの動画でも遅延なくカラー撮影が可能であるのには驚いた。以下はデモそのものではないが「十分な光→暗室での赤外線カメラ→ナノルクスによるカラー撮影→暗室での通常撮影(真っ暗)」を順に示した比較動画だ。

いわゆる超高感度カメラと違って、比較的安価な既存の画像センサーがそのまま使えるのがメリットだ。また、暗いところで撮影できるというのとは違い、光がなくても撮影ができる。言い方を変えると、光を出してはいけない状況でフラッシュや補助光などを使わずに暗いまま撮影したり、モノを見たりすることができるということだ(逆に、まぶしすぎる環境でも撮影ができるそうだ)。

従来モノクロだった映像がカラーになるというと、最近話題のニューラルネットワークによる着色技術を思い出す人もいるかもしれない。しかし、例えば折り紙やマグカップの色なんかはモノクロ画像から元の色を推定しようがないし、リアルタイムでの処理は現実的ではないので、これも全く違う話。

ナノルクスの技術が活用できる領域として祖父江氏は、以下の3つの市場を挙げる。

社会インフラ(トンネル、高速道路、鉄道、警察など):1000億円(ナノルクスによる2020年予想)
産業用途(警備、自動運転やアシストビュー、医療用カメラなど):2000億円(同)
消費者(シニア・子ども・ペットの見守り、スマホなど):2000億円(同)

単に映像を記録するだけでなく、何が映っているかを判別するコンピュータービジョンの適用領域拡大の流れの中で、モノクロよりもカラーのほうが精度が良いということはあるだろう。防犯カメラで窃盗犯の着ていたジャケットの色、海外であれば肌の色が分かるといったこともある。社会インフラや産業用途での利用は想像が付きやすい。赤外線を照射するための技術も同時に開発を進めていて、500メートル程度の距離まで撮影可能だという。

シャープに技術共用した際に監視用暗視カメラが売れなかったのは、市場ニーズから逆算するマーケティングをせずに、作れるものを作って出したプロダクトアウト型のアプローチだったことにある、というのが祖父江氏の見立てだ。

ミーティング後10分で出資決定のスピード感

今回ナノルクスに出資したASUSは、年間売上高が1.58兆円(2016年)のスマホ・PCの一大メーカーだ。PCでは5位の出荷数実績(IDC調査、2016年第4四半期)、スマホでもグローバルでは5位圏内にこそ入っていないものの2016年には2000〜2500万台の出荷実績を持つ。IDC Japanによれば2016年の日本国内スマホ出荷台数は2923万台だから、日本のスタートアップ企業からみればASUSのプレゼンスは巨大といっていいだろう。

PC市場の急速な縮小と、スマホ市場シェアでHuaweiやOPPO、Vivoといった中国勢に押され気味のASUSにとっては「世界初」をうたえること自体が十分な魅力なのかもしれない。実際、GoogleのAR(Tango)とVR(Daydream)の両方を搭載した世界初の端末「ZenFone AR」も今夏発売ということで、TechCrunch Japan読者にも待ちわびている人が少なくないだろうし、ASUS製品は話題には事欠かない。

今回のナノルクスへの投資について、祖父江氏が口にするのはASUSのスピード感だ。知人のVC経由で紹介され、日本から台湾に飛んで朝10時から11時半までASUS役員と技術者らへプレゼンと質疑。終了後に10分ほど席を外しただけで、彼らは会議室に戻って投資の意思決定を祖父江氏に伝えたそうだ。

ナノルクスにとってASUSと協業できることは、イメージセンサーなど部材の仕入れの面でも、カメラモジュール納品先の大口顧客という面でも魅力という。ただ、ナノルクスとしてはASUSとは排他的契約をしておらず、他社との協業も進めていくとしている。

VRヘッドセットに世界標準誕生か?HP, Dell, Lenovo, Asus, AcerがMicrosoftと提携で共通規格製品を作る

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Microsoftは今(米国時間10/26)、ニューヨークで報道陣向けのカンファレンスをやっている。そこで発表されるものには、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)など、3Dと、ありとあらゆる‘現実’(realities)ものが多い。同社はその積極姿勢の一環として、PCメーカー5社とのパートナーシップにより、Windows 10の次のアップデートに間に合うべく、各社にVRヘッドセットを新発売してもらうことになった。

Microsoftの発表によると、HP, Dell, Lenovo, Asus, Acerの5社が全員、有線方式で6軸方向(前、後、上、下、左、右)の自由度センサーのある、PC用VRヘッドセットを作る。外付けセンサーが要らないし、HTC Viveのように大きな部屋も要らない。そしてお値段は、299ドルからだ。

これで、この規格のVRヘッドセットがたちまち市場でコモディティーになりそうだから、OculusやHTCなども急いでOEMの一員になるだろう。仮想現実の市場全体に、やっと、大きな突破口が見えてきた、とも言える。

Windows 10のCreators Updateはリリースが来春だから、ヘッドセットは年初から出回るだろう。Windows 10のアプリケーションのVR化デモも、今日行われた。仮想空間の中の壁にアプリケーションが投射され、それと対話できる。

しかもMicrosoftにはHoloLensという3D ARの伝家の宝刀があるから、VRが作る仮想の3Dオブジェクトやアニメーションなどを、現実世界の上にARすることもできるのだ。同社は、HoloLensの中でMicrosoft Edgeを動かす、というデモをやった。

このヘッドセットがあれば、たとえばHouzzの3Dオブジェクトを自分のリビングルームで見ることができる。自分の部屋にARで家具などを置いてみる、というやり方はすでにスマートフォンではふつうだが、そのARがHoloLensになれば、もっとすてきだろう(下図)。

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Microsoftが今日紹介したHoloTourアプリケーションは、名前はダサいけど、VRヘッドセットを有効に使える例だ。Google Cardboardのアプリケーションにも似たようなのがあったと思うが、世界中を旅して、有名なモニュメント(自由の女神、モアイ像、奈良の大仏、…)をその真ん前で見られる、という仮想体験だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ASUSがラップトップのユーザーのためのポータブルな大型ディスプレイをデビュー

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AsusのZenScreen(上図)は、へんだけれどなぜか魅(ひ)かれるアヒルちゃんだ。タブレットでもないし、ノートブック兼用機でもない、15.6インチのポータブルスクリーンだ。つまり単独のデバイスというより、外出時のラップトップユーザーが使う予備のディスプレイだ。本機には、USB-AまたはCで接続する。

ASUSはポータブル(持ち運び)という特性を重視し、厚さ8ミリ、重さ1.8ポンドを実現している。ラップトップと一緒に持ち歩くのは重すぎる、と言う人もいると思うけど、長期出張の多いパワーユーザーは重宝するだろう。

ご覧のようにケースがキックスタンドになるが、それが嫌な人は、下部の切り込みにペンや鉛筆を挿入すると、それだけでも立つ(上図左)。ポートレートモード(縦型)でも立つから、仕事の性質によっては便利だろう。お値段はヨーロッパで269ユーロ(300ドル弱)だ。発売日は、発表されていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ASUSの599ドルのロボットは、あらゆる家事を手伝おうとしている

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ASUSは、今年のComputexでZenbook、Transformer、およびZenFoneの新しい商品ラインを発表する。しかし、同社のネーミングが残念な “Zenvolution” パズル、最後のピースはWall-E(ウォーリー)と、映画『ロッキー4』でエイドリアンの兄、ポーリーとかなり不安な関係だったお手伝いロボットのSicoとを掛け合わせたような、輝く目をした小さなロボットだった。

もちろん、何ら不建全なところはない。Zenbo(”ZenBook”、と似ているがもっといただけない名前)は、台湾で行われた記者発表のステージに、ASUSのJonney Shih会長と共に登場した。この不気味な小さくて可愛いいET頭のロボットは、不気味の谷に住む家庭でロボットが見せる様々なスキルを紹介する11分にわたる長編CMで何度も顔を見ることができる。

Zenboはカメラと顔認識機能を持ち、ビデオ通話や室内の遠隔監視が可能で、音声コマンドや音声応答もこなす。音楽や映画の再生もして、薬をむ時間や約束に出かける時間を教えたり、オンラインの様々な仕事もや、ベルト選びも手伝ってくれる。小さなロボットには教育的機能も組み合まれており、人間に代って子供たちを楽しませることもできる。

いずれも、ごく初期段階にある。Zenboの発売日は決まっていないが、Shihは599ドルで売り出すと言った。子供の最高の友と、理想的なベルトを見つけてくれる無二の親友を兼ねるわが家の一員しては、驚くほど手頃な価格だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleの“VRを学校の教材に”運動が合衆国でさらに広域展開へ、近くシンガポールなどでも

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この前Googleは、Expeditions Pioneer Program(未来の探検を率先する挑戦)、という企画を発表した。それはGoogleのボール紙製VRビューワを使って、学校の児童生徒たちに仮想現実を体験してもらうための、キットだ。

9月に一部の学校で展開したこのプログラムが、今回は合衆国のもっと多くの学校で始まり、さらにその後はほかの国も予定されている。

NextStop-blog

このキットを使って児童生徒たちは、南極や熱帯雨林など120箇所あまりを探検できる。これまで教室で使ったことのある児童生徒は、Googleの発表では10万を超えている。そしてこれからは、以下の都市の学校でも利用されることになる: Alexandria, Baltimore, Cincinnati, Detroit, Indianapolis, Las Vegas, New Orleans, Orlando, Phoenix, Portland, Salt Lake City, Washington DC。

次は、カナダとデンマークとシンガポールを予定している。パイロット事業はすでに、オーストラリアやイギリス、ブラジルなど合衆国以外でも行われている。

このVR体験学習キットには、ASUSのスマートフォンと教師用のタブレット、それにインターネットに接続するためのルータが含まれている(オフラインでの利用も可能)。VRビューワはGoogleのボール紙製(Google Cardboard)または玩具大手Mattel社のView-Masterが提供される。

自分のクラスでこのキットを使ってみたい先生は、ここで登録するとよい。

 
 

〔余計な訳注: たしかにこれまでの視聴覚教材より、ずっと良いかもしれない。ただし、コンテンツの出来ばえ次第。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

GoogleのOnHubルータに新型機が登場…手かざしで感度が上がる”Wave Control”機能つき

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このところ消費者製品でも積極的なGoogleは、8月にはWi-FiルータOnHubを発表した

それは少々意外だったが、“速くてセキュアで使いやすいWi-Fiを提供したい”という言葉はいかにもGoogle的だった。

今日(米国時間10/27)のGoogleとASUSの発表によると、彼らは今、On-Hubの別のバージョンを開発中だそうだ。それは最初のOnHub(TP-LINK)よりも20ドル高い219ドル99セントの製品だ。

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ASUSが作るとなぜ高くなるのか? ”Wave Control”と呼ばれる新しい機能を搭載しているからだ。それは、下図のようにルータの上で手を振るとWi-Fiのスピードが上がる、という。まるで、おまじないみたいだけど、どういうことだろう。

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さらにGoogleは、OnHubルータのソフトウェアの、初めてのアップデートを発表した。それは、ルータの置き方や置かれている場所によって、もっとも効率の良いアンテナをユーザに教える、という新しい機能の導入だ。

新旧どちらの機種もGoogle Playで買えるが、ASUSのは今は予約販売のみで、発売は11月の初めだ。どちらも、ごみ入れのような形をしていて、ぼくはまだ使ったことがないが、入手できたら結果をご報告しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Asusのゲーム用ノートブックRepublic Of Gamers G501は4Kディスプレイで厚さ2センチ

AsusのRepublic of Gamers G501は、ゲーム用ポータブル機の水準を一気に上げた。主要仕様を列挙すると: グラフィクスカードはNvidia GeForce GTX 960M、プロセッサはIntel Core i7、ディスプレイは15.6インチの4Kだ(画素密度は282 PPI)。これらをすべて収めたノートブックだが、重さはわずか4.54ポンド(ほぼ2kg)、閉じたときの厚さは0.81インチ(ほぼ2cm)だ。

そのIPSディスプレイはAsusのROGシリーズとしては初めてFHD(1080p)を超え、ゲーム向けPCで競合するRazer Blade(14インチ、3200 x 1800 )と肩を並べた。視野角は178度、解像度は本物の4K(3840×2160)だから、Bladeより上だ。

ゲーム向けノートブックはプラスチックケースが圧倒的に多い中で、ROG G501はアルミボディだ。キーボードの押し下げ動程1.6mmも、なかなかよろしい。キーボードにバックライトがあってWASDが高輝度なのも、ゲーマーに喜ばれそう。

超薄で超強力なラップトップがきゅうりのように冷たいのは、Asusの’Hyper Cool’技術のおかげ、2台のファンと銅製のヒートパイプ(導熱管)で熱を逃し、しかもファンのノイズはほとんどない。CPUとGPUにはそれぞれ独自の冷却機構を設けて、騒音源の大型ファンを使わずにすんでいる。

ストレージは512GBのSSDで、データ伝送速度は最大で1400MB/s、Thunderboltを使えるから、ゲームだけでなく、ビデオの編集や制作にも向いている。

お値段は1999ドルからで、合衆国では4月に発売の予定だ。現時点で最良のゲーム用ノートブックはROG G751だが、ROG G501は市場でどんな成績になるだろうか。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


AsusのAndroid WearウォッチZenWatchは中身が濃くてややお高い

Asusが同社の初のAndroid Wearスマートウォッチを披露した。6月のGoogle I/Oのときに報じたとおりだ。そのAsus ZenWatchは、Androidウェアラブルとしてはやや変わったデザインで、プレロードされたソフトウェアがいくつかと、ジェスチャーコントロールがあり、とくに後者はLG G WatchやSamsung Gear Liveなどの類似デバイスと一線を画している。

ZenWatchはサンドウィッチ的なデザインで、真ん中の具がローズゴールド色、上下のパンの部分がステンレスだ。盤面のまわりはつや消し加工である。ディスプレイは1.63インチ320×320のAMOLEDで、やや曲面になっている。プロセッサは1.2GHz Qualcomm Snapdragon 400、RAMは512MB、Bluetooth 4.0ありだ。裏側には心拍センサがあり、幅22ミリのバンドはユーザが交換できる。IP55の防水防塵性能は、急な雨や水はねのとき助かるだろう。そして9軸の運動センサがある。

ジェスチャーコントロールやプレロードの機能がいろいろあり、これまでのAndroid Wearデバイスとは毛色が違う。たとえば、ウォッチの面をタップしてスマートフォンやタブレットをアンロックしたり、自分がセットした機能をダブルタップで開いたり、ウォッチをミュートにしたり、スマートフォンを見つけたり、カメラのリモート操作、スライド映写機能、などなど。これらを有効にするためには、Asusが作ったウォッチマネージャアプリをAndroid Wearだけでなくお相手のデバイス(スマートフォンなど)にもインストールする。

ZenWatchの価格は6月のときと違っていて、199ユーロ(約260ドル)で年末近くに発売される。このお値段も、これまでのAndroid Wearスマートウォッチのレベルではなく、お高い。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Asus、9月3日IFAにてAndroid Wear搭載スマートウォッチを発表予定

今年のGoogle I/Oのにて、AsusはAndroid Wear搭載のスマートウォッチを開発中であると話していた。9月にリリース予定で、既に市場に出回っているものよりも安価なものとしたいということだった。その「9月」が目前にせまる中ASUSは、ベルリンで9月3日に開催されるIFAにて新プロダクトをリリースする予定であるとのティーザー広告を世に出した。写真をみれば、これが予定されていたスマートウォッチであることは間違いない。

入手した情報によれば、このASUSデバイスは99ドルないし149ドルであるそうだ。アクティブマトリクス式有機EL(AMOLED)を使っているとのこと。スペック的には、やはりAndroid Wearを搭載するLG G WatchおよびSamsung Gear Liveと同等のものであるようだ。

秋といえばいろいろと新しいハードウェアが登場する季節であり、とくに9月頭にはさまざまなものがリリースされる。Motorolaは9月4日に新たなハードウェアプロダクトをいろいろと発表する予定であるようだし、一番の注目を集めるに違いない新iPhoneも9月6日にリリースされる。

Asusは、丸型ボディーでなかなかの期待を集めているMoto 360と比べられることになるわけだが、もちろん相応の自信を持っているわけなのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Asusはついに頭がおかしくなったか–奇怪すぎるデュアルブートハイブリッド機Transformer V

もしもあなたが、ラップトップでもあるがタブレットでもあり携帯電話でもありWindows 8.1マシンでもあるがAndroidデバイスでもある、という機種を必要としておられるなら、そんな製品をここでご紹介できると思う。Asus Transformer Ⅴ(←ヴィーではなくファイヴ)と呼ばれるそのデバイスは、デフォルトではAndroidでブートするデュアルブート機で、スクリーンの後ろには同社のスマートフォンZenFoneが、お母さんの背中の赤ちゃんのように張りついている。これを買う人に無限の混乱と悦楽を与えることは、間違いないだろう。

“タブレット”の部分はWindows 8.1でもAndroidでもどちらでも動く。本体に寄生しているZenFoneのOSにWindowsからアクセスでき、スマホがタブレットを完全に支配できる。スマホとの接続を切ると、画面をWindowsまたはAndroidのラップトップ…キーボードあり…として使えるし、あるいはキーボードのないWin8またはAndroidのタブレットとして使える。今年のComputexで最珍のハードウェアとなるだろう。それが、この製品のすべてか。

お値段は発表されていないが、安くはないだろう。 Engadgetにこんな記事も載ってるが、この奇妙な怪物が店頭に並ぶのはもっと先のようだ。

デュアルブートのタブレットそのものは、ぜったいおもしろいと思う。Windows上のアプリケーションを使いたいときもあれば、電池節約のためにAndroidを使いたいこともある。でもぼくがいちばん知りたいのは、頭の中を疑問符だらけにして店頭で立ち尽くすであろうお客さんを、納得させて買う気にさせるだけの、説得力あるユースケースとして、Asusが何を提示するかだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))