AT&T、Crunchyrollを約1200億円でソニーに売却へ

AT&Tは米国時間12月9日、アニメストリーミングサービスのCrunchyrollをソニーのファニメーションに11億8000万ドル(約1200億円)で売却すると発表した。

発表によると、Crunchyrollは9000万人の登録ユーザーと300万人の有料会員を抱えているという。このサービスは2006年にファンが字幕をつけたコンテンツ(海賊版も多い)のサイトとしてスタートしたが、ゲーム、マンガ、グッズに加えて、公式ライセンスのアニメも配信するようになっている。

しかし、親会社であるAT&T/WarnerMediaのストリーミング戦略は現在、新サービス「HBO Max」だけに集中しているようだ。また同社はFilmStruckのようなスタンドアローンのストリーミングサービスを停止し、DC Universeをストリーミングからデジタルコミックに移行した。

そのような流れから、ファニメーションの方がCrunchyrollにフィットする可能性が高い。ファニメーションはアニメ配信にも特化しており、2017年にはソニーが過半数の株式を取得している。現在はソニー・ピクチャーズエンタテインメントとソニー・ミュージックエンタテインメントの子会社であるアニプレックスの合弁会社として運営されている。

ソニー・ピクチャーズ会長兼CEOのTony Vinciquerra(トニー・ヴィンチケラ)氏は声明の中で、「Crunchyrollをソニーファミリーに迎え入れることを誇りに思います」と述べた。「Funimation、そしてアニプレックスとソニー・ミュージックエンタテインメントジャパンの素晴らしいパートナーを通じて、私たちはこのグローバルなアートフォームを深く理解しており、世界中のオーディエンスに優れたコンテンツをお届けできる体制を整えています。Crunchyrollと一緒に、ファンの皆様に最高の体験を提供し、日本やその他の地域のクリエイター、プロデューサー、パブリッシャーの皆様に大きな機会を提供していきます」。

今回の発表には、Warner Mediaの最高収益責任者であるTony Goncalves(トニー・ゴンカルブス)氏の声明も含まれており、同氏は「Crunchyrollのチームが短期間でデジタルメディア分野にて成し遂げたことを大変誇りに思っています」と述べている。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)

AT&Tの電話回線利用者はAlexaで通話が可能に

Amazon(アマゾン)は、米国時間9月9日、AT&Tと提携し、AT&Tの電話回線利用者がAmazon EchoスマートスピーカーなどのAlexa(アレクサ)対応デバイスを通じて電話の発信と受信ができるようにする新機能を発表した。これが可能になると、Alexa対応デバイスを持つ利用者は、音声アシスタントのAlexaに電話をかけるよう、またはかかってきた電話に出るよう声で命じることができるようになる。電話機が手の届かないところにあっても、携帯電話のバッテリーが切れていても電話ができる。

「AT&T calling with Alexa」(AlexaでAT&T通話)と呼ばれるこの機能は、まずAlexaのユーザーアカウントでの設定が必要となる。

利用したい人は、Alexaアプリの「Settings」(設定)から「Communication」(コミュニケーション)を開き、「AT&T」を選択してから、画面に表示される指示に従い携帯番号をリンクさせる。

リンクが完了すれば、AT&Tの利用者は例えば「Alexa、ジェシカに電話して」または「Alexa、XXX-XXX-XXXXにかけて」(Xには実際の番号を入れる)のように言うだけで電話がかけられる。

電話がかかってきたときは、Alexaは「ジェームズから電話です」のように知らせてくれる。電話を取りたいときは「Alexa、出て」と言えば、Alexa対応機器で相手と通話ができる。

かかってきた電話に出る方法はいくつかある。

Alexaで受ける電話は朝の9時から夕方5時までの仕事時間内のみというように、定型アクションで設定できる。また、「Alexa、出かけるね」などのフレーズを言うことで、そのデバイスでのAT&Tからの電話にを受けないようにする定型アクションを作ることも可能だ。さらに、Alexaアプリでアウェイモードをオンにすれば、家を離れるときに手動でこの機能を無効にできる。

この新機能は、AT&Tの「NumberSync」(番号同期)サービスを使うことで、スマートウォッチ、タブレット、コンピューター、そして今後はAlexa対応デバイスでも利用できる。これは対象となるAT&Tモバイルプランに含まれているため、別途料金はかからない。

Amazonによれば、「AT&T calling with Alexa」は、iPhoneやSamsung Galaxyをはじめとする、AT&T対応の数々のHD Voice携帯電話でも、AT&Tの料金後払い契約の利用者なら使えるという。

この機能を享受できるのは米国のAT&T利用者のみだが、発信だけなら、米国内に留まらず、メキシコ、カナダ、英国への通話でも利用できる。

ほかのキャリアに同様の機能を広げる可能性について、アマゾンは何も語らなかったが、利用者の意見を受けて、将来的にこの機能を発展させてゆくとのことだ。

Alexaをコミュニケーションツールとして利用する機能は以前にもあった。

同社はすでに、Alexa対応デバイスを、家庭内のインターホンと電話を掛け合わせたような存在にする試みを行っている。Drop-In(ドロップイン)という機能では、家の中の別の場所にいる家族の様子を確かめることができる。また、Announcements(アナウンスメント)を使えば、「ご飯が用意できたよ!」のようなメッセージを配信できる。これらに対して、Alexa-to-Alexa Calling(Alexa対Alexa通話)やAlexa Outbound Calling(Alexa外部通話)などは、他のAlexaユーザーや、米国、英国、カナダ、メキシコのほとんどの固定電話および携帯電話の番号に、Alexa対応デバイスまたはAlexaアプリを使って無料通話ができるというものだ。

しかし、これらのサービスでは、かかってくる電話を受けることができず、911などの緊急通報用電話はかけられないため、既存の電話と完全に置き換えるのは不可能だった。

Alexa対応デバイスに合わせて、これまでの携帯電話の使用習慣を変えるというのは、ちょっと難しいように思える。大抵の人は、家の中でさえ、携帯電話を肌身離さず持ち歩いているからだ。

だが、Alexaを実際の電話番号と結び付ける手段を提供することで、Alexaから電話をかけてみようと思う人は増えるかも知れない。

またこの機能は、すぐに電話に出られない高齢者や、緊急事態、歩いて電話を取り入って出ることが困難な要支援者や障害者には有用に思える。

残念ながら、このサービスの利用には、まだ大きな問題点が残されている。迷惑電話だ。現代は、不快なロボットコールやスパムが
大変に多い。高度な迷惑電話ブロックサービスなどで自衛していない限り、これらにいちいちAlexaで対応する手間は、その利便性を台無しにしてしまう。

Amazonは、この新機能は本日よりアメリカ国内で利用可能になると話している。

画像クレジットAmazon

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(翻訳:金井哲夫)

マイクロソフトがEdge Zones for Azureを発表

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月31日、Azure Edge Zonesのローンチを発表した。Azure Edge Zonesは、Azureユーザーがアプリケーションを同社のEdgeロケーションに持ってくることができるというサービスで、主な狙いはリアルタイムで低レイテンシーの5Gアプリケーションを可能にすることにある。同社はまた、AT&Tをはじめとするキャリア向けのEdge Zonesをプレビューで発表したが、これらのゾーンをキャリアのデータセンター内の5Gネットワークに直接接続するためのものだ。そしてまたAzureは、Azure Stack Edgeと組み合わせてプライベートな5G/LTEネットワークを展開している顧客向けに、Private Edge Zonesも取得している。

最初のパートナーとなるキャリアはAT&Tだが、今後はRogers、SK Telecom、Telstra、Vodafoneなども加わる。そして2020年夏の終わりにLA、マイアミ、ニューヨークを、2021年に向けて10以上の都市でスタンドアローンのAzure Edge Zonesを立ち上げる。

発表声明では次のように述べられている。「これまでの数十年間は主にキャリアと通信事業者は、互いに接続する方法を開拓し、電話や携帯電話の基盤を築いてきた。しかしクラウドと5Gの登場によって、コンピュート(計算機処理)のようなクラウドサービスとAIを高帯域幅と超低レイテンシーを組み合わせることで新たな可能性が生まれてきた。マイクロソトフは企業やデベロッパーが構築する没入型アプリケーションに5Gをもたらすために活性化する彼らをパートナーする」。

この聞いたことがあるように感じられるは、数週間前にGoogleがAnthos for TelecomとGlobal Mobile Edge Cloudをローンチしたときにも述べた構想だからだ。アプリケーションをクラウドのEdgeに持ち込んで5Gと通信事業者に供するという形は、両社ともに似ているようだが、マイクロソフトは、パートナーのエコシステムと提供域の地理的大きさの両方で自分の方がより包括的だと主張している。しかしいずれにしても5Gはすべての大手クラウドプロバイダーにとってトレンドであり、乗り遅れたくないバスだ。マイクロソフトが5Gクラウドの専門企業Affirmed Networksを買収したのも、その市場参入努力の一環となる。

各種バージョンの詳細についていうなら、Edge ZoneはもっぱらIoTとAIのワークロードに焦点を当てているが、マイクロソフトによればその中においてEdge Zones with Carriersは低レイテンシーのオンラインゲームやリモートミーティング、イベントそしてスマートインフラに重きを置いているという。キャリアのプライベートネットワークとAzure Stack Edgeを組み合わせたPrivate Edge Zonesは、少数の巨大エンタープライズ企業だけが関心を向ける、高価格で複雑なシステムだろう。

関連記事: Google Cloud goes after the telco business with Anthos for Telecom and its Global Mobile Edge Cloud…Google Cloudが通信事業者にもクラウドサービスを売り込む(未訳)
マイクロソフトが5Gの専門企業Affirmed Networksを買収

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米通信キャリアは新型コロナを考慮し契約者のつなぎ止めプランを次々に導入 

米連邦通信委員会(FCC)は2020年3月、COVID-19こと新型コロナウイルス感染症が生活のあらゆる側面に深刻な影響を与え続けていることから、消費者の負担の一部を軽減することを目的とした新たな措置を発表した。

米国のほとんど、またはすべての主要なインターネット/ワイヤレスプロバイダーがこの誓約に署名し、延滞料の免除やサービスの解約を行わないなどの措置を取ることに同意した。そして現在、このパンデミックが収束するまでの間、資金不足の消費者を支援することを目的とした具体的な計画が、通信キャリアから出始めている。

T-Mobile(Tモバイル)は米国時間3月23日の朝、月額15ドル(約1670円)のMetroプランを発表した。これは、現在の最低価格プランの半額となる。この価格は60日間有効で、無制限の通話と2GBのデータ通信が利用できる。T-Mobileはまた、無料の8インチタブレット(リベートや細かい規約付き)を投入し、今後2カ月の間で他のデータプランも調整する予定だ。

Verizon(ベライゾン)は、必要に応じて携帯電話をモバイルホットスポットとして使用できるように、現在の消費者向けおよび中小企業向けのプランの15GBに4GBのデータ通信を追加すると発表した。また、同社は選択したFiOSプランから20ドル(約2230円)を割り引き、ルーターのレンタル料金も60日間免除する。

さらにAT&TはTechCrunchにあてたメッセージで、支払いができないことを理由に契約を解除することはないと伝えている。また3月13日までさかのぼってデータと通話、テキストの国内超過料金と遅延料金を免除する。

一方、Sprint(スプリント)は、3月18日から従量制プランの顧客に60日間無制限のデータ通信と、20GBのモバイルホットスポットデータを無料で提供する。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:塚本直樹Twitter

元HBOのリチャード・プレプラー氏がApple TV+と独占番組制作契約

HBOの最高経営責任者を退いてからほぼ1年、Richard Plepler(リチャード・プレプラー)氏と、同氏の制作会社Eden Productionsは、Apple TV+と5年間の契約を締結した。

画像クレジット:Bennett Raglin/Getty Images

プレプラー氏は、1993年にHBOで仕事を始め、2013年にCEOに就任した。その間、HBOは新たな番組「True Detective」(トゥルー・ディテクティブ)や「Big Little Lies」(ビッグ・リトル・ライズ)、従来からの「Game of Thrones」(ゲーム・オブ・スローンズ)で成功を収め続けた。また、直接消費者に届けるサブスク方式のストリーミングサービス、HBO Nowも立ち上げた。これが結局、AT&TとWarnerMediaが、HBOを取り込んで大体的に提供することになっているHBO Maxの前身となったのだ。

プレプラー氏は、AT&TがHBOの親会社、Time Warnerを買収した余波の中、HBOを去った。AT&Tは、加入者数と、サービス視聴時間の増加に期待して、HBOのコンテンツ制作にテコ入れしたかったのだと報じられている。

The New York Times紙によると、プレプラー氏との契約により、Eden ProductionsはApple TV+に対して独占的に、テレビ番組、ドキュメンタリー、さらに長編映画を制作することになるという。

今回の動きについてプレプラー氏は、The Times紙に、HBOでやったことを「再現」しようとは考えていないと説明している。そうではなく、「独自のことをやる」点に意味があったのだと。また、真剣に交渉したのはApple(アップル)だけだったとも明かしている。「アップルと組むのが正しいことだと、すぐにわかりました。というのも、まだ十分に初期段階だったからです。つまり、そこなら何らかの貢献ができると思ったわけです」。

関連記事:Apple TV+がスタート、iOSやApple TV、Macを購入すれば1年間無料

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AT&Tが限定的5Gサービスをニューヨーク市の一部で提供

Verizon(ベライゾン)とSprint(スプリント)は、米国最大の都市での5Gサービスを提供すると約束している。しかしAT&Tは今朝、ちょうどそれを始めたと発表した。加入者数で米国最大となる同キャリアは、ニューヨーク市での限定的な5Gサービスを開始したのである。

このサービスはローンチ時点ではビジネスユーザーに限定されており、さらに地域を限定したものとなる。もしあなたがニューヨークの五区に住んでいなければ、5Gスマートフォンを購入してはいけない。

ポジティブな面として、5G+は本物のサービスで、その前に登場した5GEとは異なる。そしてAT&Tは、サービス展開の制限に関する性質について、それなりの透明性を維持している。

AT&Tのニューヨーク担当社長のAmy Kramer(アーミー・カラマー)氏はプレスリリースにて、「ニューヨーク市は人口密度が高く、世界的ビジネスとエンターテイメントのハブで、5Gへのアクセスを持つことで大きな利益を得ることになり、サービス開始を長らく待っていた」と述べている。「当初のニューヨークでのサービスは限定的なものだが、今後はニューヨーク市と密接に連携して5区のより多くの市民にサービスを拡大していく」

CNETによると、このサービスは当面はマンハッタンの小さな一部地域に限定され、「イーストビレッジ、グリニッジビレッジ、グラマシーパーク」が含まれる。ビジネスユーザーはSamsung(サムスン)のGalaxy S10 5GとAT&TのBusiness Unlimited Preferredプランで5Gサービスを利用できる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

マイクロソフトがOffice 365とAzureでAT&Tと2000億円超の契約

クラウドインフラ業界はAWSが大きくリードしているが、第2位のMicrosoft(マイクロソフト)も健闘していて、シェアが2桁なのはAWSの他にはMicrosoftだけだ。そして今日、MicrosoftはAT&Tとの大きな契約を発表した。ここにはAzureクラウドインフラサービスとOffice 365が含まれる。

契約に詳しいとある人は、契約額は20億ドル(約2160億円)とみている。Microsoftのクラウドにとってなかなかの額だ。契約を発表したMicrosoftのブログ投稿によると、AT&Tは情報管理の大半を2024年までにクラウドに移行するという目標を持っていて、Microsoftはそのかなりの割合を手にした。もちろんこの契約はライバルのAWS、Google、そして先週340億ドル(約3.7兆円)ものRed HatのディールをクローズさせたIBMも喉から手が出るほど欲しかっただろう。

ご想像のとおり、MicrosoftのCEOであるSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は高尚な言葉でこのディールについて述べた。「AT&Tの従業員がコラボする方法を変え、また万人のためにメディアやコミュニケーションの未来を形成できるよう、我々は手を携えてAzureとMicrosoft 365の力を活用していく」との声明文をブログに投稿した。

そのためにも彼らは5Gのような最新技術での提携を模索する。そしてAzureとAT&Tの5Gネットワークを組み合わせることで、顧客が新たなアプリケーションやソリューションをつくれるようサポートできると確信している。ブログでは例として、5GネットワークのスピードとAzureのAIを活用したライブ音声通訳を組み合わせることでファーストレスポンダー(消防や救急などの隊員)が異なる言語の人と即座にコミュニケーションがとれるというケースを示した。

25万人ものAT&T従業員にOffice 365を提供する今回の契約は素晴らしいものだが、ディールの一部はSaaSの範疇にある。そのため、Microsoftのクラウドインフラ業界におけるシェア拡大には貢献しないだろう。それでもやはり、今回の契約は大きなものだ。

イメージクレジット: Stephen Brashear

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(翻訳:Mizoguchi)

AT&Tの新配信サービス「HBO Max」は2020年ローンチ、Friendsを独占配信

AT&TによるHBOの買収は、単にプレミアムTV番組を提供するのにとどまらない。同社は米国時間7月9日、新しいWarnerMediaのストリーミングサービスをHBO Maxと名付け、来年春にローンチし、購読者に1万時間以上のコンテンツを提供すると明かした。

さらに、大ヒットドラマのFriends(フレンズ)も登場する。この90年代にNBCにより制作されたドラマは、英ドラマのThe Officeとともに、長らく番組の支配権を巡って企業が争ってきた。

HBO MaxがHBOのコンテンツだけを提供するわけではないのは、Friendsの存在からも想像できるだろう。またThe Wall Street Journalの記事によると、この名称はTVブランドのHBOが消費者にとっていかに重要なのかを示している。言い換えれば、たとえその過程でHBOブランドが希釈化されたとしても、彼らはその多くを購入するだろう。HBOでCEOを努めていたRichard Plepler(リチャード・プレプラー)氏が2月に辞任した理由は明らかだ。

この新サービスはAmazonプライムビデオやHulu、Netflixなど、数多くの競合サービスに割って入ることになる。また、Apple(アップル)もApple TV+の開始を予定しており、さらにDisney+も11月にスタートする。The Wall Street Journalによれば、HBO MaxはHBO Go単体の月額14.99ドルよりも少し高くなるという。

AT&TはFriendsの権利の高い購入価格や、Reese Witherspoon(リース・ウィザースプーンさん)やGreg Berlanti(グレッグ・バーランティ)など映画、テレビ業界のトップタレントとの契約など、コンテンツに投資している。今後のCWテレビジョンネットワークの番組もNetflixではなくHBO Maxで放送されるだろうが、これはArrowやThe FlashなどDCのスーパーヒーローの番組を楽しみにしている私のような人にとっては悪いニュースだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

AWSのマネージドブロックチェーンサービスが一般に公開

昨年マネージドブロックチェーンサービスの立ち上げを発表したAmazon Web Servicesが今日(米国時間4/30)、そのサービスの一般供用を開始した

AWSのCEO Andy Jassy氏が、これまでの同社の、ブロックチェーンの技術を無視する姿勢を改め、Hyperledger FabricやEthereumのようなオープンソースのフレームワークをベースに新しいサービスを展開する、と述べたのはわずか5か月前だ。

関連記事: AWS launches a managed blockchain service…AWSがマネージドブロックチェーンサービスを立ち上げる(未訳)

AWSでAmazon Managed Blockchainを担当することになったゼネラルマネージャーRahul Pathak氏は、声明でこう述べている。「顧客はHyperledger FabricやEthereumなどのブロックチェーンフレームワークを使ってブロックチェーンネットワークを作り、トランザクションのイミュータブルな記録を作りながら事業を迅速に運びたい、ただし管理権限は一点に集中したい、と考えている。しかしながら彼らにとっては、そういうフレームワークのインストールも構成も管理も難しい。Amazon Managed Blockchainは、ノードのプロビジョニングや証明の管理とセキュリティ、そしてネットワークのスケーリングのお世話をする。顧客はすぐ使えるブロックチェーンネットワークを迅速かつ容易にセットアップでき、ブロックチェーンネットワークの運用に時間を取られずにアプリケーション開発に専念できる」。

すでにAT&T BusinessやNestlé、シンガポール証券取引所などが同社のサービスの登録ユーザーになっている。

この発表でAWSは、マイクロソフトのAzureやIBMなどのエンタープライズ大手と共に、BaaS(Blockchain as a Service)のゲーム仲間になる。

関連記事: Microsoft wants to make blockchain networks enterprise-ready with its new Coco Framework…マイクロソフトのエンタープライズ向けブロックチェーンネットワークを作るCoco Framework(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

謎のVR企業、Magic LeapのヘッドセットがAT&Tストアの一部で売り出される

Magicfirst(マジックファースト)の最初の一般向けVR(仮想現実)ヘッドセットは、同社がこれまで宣伝してきたような画期的なものではなかった。それでも同社はデバイスがさらに広くコンシューマーの目に触れるようにするため大企業との提携を勝ち取った。来週、2295ドル(約25万円)のヘッドセットがボストン、サンフランシスコ、シカゴのAT&Tのフラグシップ店舗にお目見えする。

これまで通販だけに限定されていた販売チャンネルを広げることができたのはMagic Leapにとってひとつの成果であることは間違いない。AT&Tにとっても最新のテクノロジーの普及に力を入れている企業というイメージを作るのに役立つだろう。しかしMagic Leap Oneはデベロッパー向けの初期モデルであり、それ以外の消費者でこの高価なプロダクトに関心を持つ人間がどれだけいるかは疑問だ。

最新のテクノロジーを実地に試すという興味はあるだろうが、それ以外に消費者がこの製品を買う理由は考えにくい。

VRプラットフォームについて、OculusとValveはすでに店舗における販売チャンネルを確立しており、後発のMagic Leapが独力で戦うのは厳しくなっていた。Magic Leapは短いデモ映像こそ多数公開していたものの、実際にプレイできる有力なゲームはほとんどない。Magic Leap One以外に同社からコンシューマー向けの画期的製品が出るというのも望み薄だった。AT&Tのストアにおけるデモでは大ヒット中のHBOのドラマ、「ゲーム・オブ・スローンズ」のVRが体験できるという。

Magic Leapにとっては今のところ企業ユースが現実的なターゲットだろう。「ゲーム・オブ・スローンズ」のVRでMagic Leap Oneを消費者に広く体験してもらい理解を得ることができれば将来の販売にも追い風になるかもしれない。

画像:agsandrew (opens in a new window) / Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ディズニーがAT&TからHulu株を買い取り、70%所有を目指す

ディズニーはAT&Tが保有するHuluの株式の10%を買い取る交渉をしていると、米国時間2月18日にVarietyが報じた。

AT&Tがワーナーメディアを買収したことによりAT&TはHuluの少数株式となっていた。このニュースは予期されたものであり、AT&Tはすでに株式売却の意向があることを発表していた。ディズニーはHuluの持ち分を拡張しようとしており、21世紀フォックスから株式を買い取る取り決めをしている。ディズニーの持ち分は現在30%だが、契約が実行されればフォックスの持ち分30%がディズニーに移転する。

つまりFoxの株式買取後はHuluの60%をディズニーが所有することになる。AT&Tの持ち分の買い取りに成功すればディズニーの所有権は70%という圧倒的な割合になる。

Varietyによれば、Huluの他の大株主、Comcast/NBCUには現在Hulu株式を手放す考えはないという。

2018年9月にAT&Tはストリーミング・サービスの計画を説明する投資家資料でHulu株式の売却に触れていた。これは独自のストリーミング・サービスの構築に不可欠ではない資産を売却し、債務の圧縮と資金調達を図る計画の一環だった。この場合、Huluの持ち分は9億3000万ドルの価値だとされた。

AT&TはHuluの運営には強い関心を抱いていない。AT&TはDirecTV Nowのようなライブ放映を含むインターネットをベースにした独自のストリーミングサービスを構築しようとしている。傘下のワーナーメディアはHBO NOW、Boomerang、DC Universeなどの資産を保有しており、 軽さを特徴とするWatchTVなどと合わせて自社ブランドの新しいストリーミングサービスを年内にスタートさせる計画だ。

一方、ディズニーはNetflixのライバル、Disney+を立ち上げようとしてるが、こちらが伝統的にディズニーらしい家族向けのコンテンツを中心とするのに対し、Huluはもっと大人向けの作品のプラットフォームにする考えだ。

現在、Huluには2500万人の契約者がいるが、まだ世界展開が遅れていることもあり、Netflixに比べればはるかに少ない。またオリジナル・プログラムについてもNetflixほどの巨額投資をするまでになっていない。ディズニーが持ち分を増加させれば状況は大きく変わるかもしれない。そうなればHuluはNetflix、AT&T/ワーナーメディア、そして参入計画が報じられているアップルなどのサービスに対抗できる大型サービスに成長する可能性がある。

画像:Dan Goodman / AP

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AT&Tが5Gのマーケティングで嘘をついている

最近アップデートしたAT&Tのスマートフォンは、一部に5G Eのアイコンがある。このアイコンは、現在4Gで動いていることを示すアイコンをリプレースして(なくして)いる。しかし、問題はそこだ: そのスマートフォンはまだ4Gのネットワーク上にある。AT&Tは、前にも同じことをした。

このナンセンスはAT&Tのマーケティングの策略だ。その5G Eなるものは5G Evolutionと呼ばれ、改良版の4Gネットワークであって本物の5Gではない。5Gが一般消費者の手に届くのは、もっと先の話だ。以前はLTEに関しても、AT&Tは同じ欺瞞を使った。

このマーケティング的嘘があるのは、限られた市場の限られた機種だけだ。でも同社は今年、この愚行をもっと多くの機種と市場で展開する気だろう。

情報開示: 本誌TechCrunchはVerizon Mediaの企業である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

携帯電話の全世界的サービス停止を起こしたのはEricssonの機器のソフトウェアだった

今朝(米国時間12/6)のFinancial Timesの報道によると、Ericssonの通信機器のソフトウェアの問題で、世界中にサービス停止が起きている。その中にはイギリスの携帯電話企業O2や、日本のSoftBankも含まれる。

Ericssonは、プレスリリースで非を認めた。被害が生じた企業のモバイルネットワークで使われているEricssonの機器の一部のソフトウェアに、欠陥があったようだ。Ericssonは、複数の国で被害があったことを示唆したが、次のような言い方で影響を最小化しようとした: “限られた数の顧客へのネットワーク障害”。FTの記事は、限られた数どころか世界中で数百万のモバイル顧客が被害に遭った、と報じている。

いずれにせよ同社は、最初の分析では、被害が生じた機器の、証明の期限が切れているソフトウェアに問題の原因がある、と言っている。Ericssonの社長でCEOのBörje Ekholmによると、現在早急のサービス回復に努めているが、現時点で使える携帯電話を持っていない人びとに対しては処置が遅れる、という。

Ekholmは声明でこう言っている: “問題を起こした欠陥ソフトウェアは不使用にされた。私共は弊社の顧客だけでなく、彼らの顧客にも謝罪する。今は、被害が最小に抑えられ、サービスの回復ができるかぎり早くなるよう、懸命の努力をしている”。

同社のプレスリリースは、サービスの回復に終日努めている、とあるが、O2のサービス供給停止マップを見ると、ロンドン圏域とイギリス全体でまだ問題がある。

同じくAT&TVerizonのサービス停止ページは、アメリカでも問題が続いていることを示している。しかしEricssonの説では、機器のソフトウェアに問題があったのはアメリカ以外の国々なので、アメリカは無関係だそうだ。

(なお、Verizonは本誌のオーナー企業だ。)

参考記事

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Verizonと並びAT&TもSamsungの5G機を来年前半にリリース、もうひとつ別の5G機も

Samsungは昨日(米国時間12/3)、来年の前半に5Gの携帯を市場に投入すると発表し、キャリアとしてVerizonの名を挙げていた。しかし今朝はAT&Tが慌(あわ)ただしく、まだ名前のないそのスマートフォンを2019年の前半に提供開始する、と声明した

翌日版となったそのプレスリリースでAT&Tは、Verizonと同じく、ハンドセットに関する情報よりも、二社が関与したことに関する自画自賛を強調している。AT&Tは5Gの、“まだ誰も見たことのないような技術”を訴え、“顧客には最良のテクノロジーとイノベーションを提供する”と誓っている。

同社はまた、Samsungの無名機は同社が最初に計画していた5Gデバイスではない、と急いで加筆している。その名前は同社が10月に発表したモバイルのホットスポットの名前でもあるらしい。そのリリースの日程は発表されていないが、それもまた2019年の前半と見るのが、妥当なところだろう。

昨日も書いたように、OnePlusやMotorolaも来年の同じ時期に5Gハンドセットをリリースする、とすでに約束している。一方AppleのiPhoneが5Gに対応するのは、2020年だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

米司法省、AT&TとTime Warnerの合併阻止をあきらめず上訴

米司法省は、米連邦地裁が出したAT&TによるTime Warnerの買収を認める決定を不服として上訴した。

ドナルド・トランプが大統領選のキャンペーンを行なっていたとき、政権をとったらこの買収計画は阻止すると言っていたが、実際に司法省はこの買収が競争を阻害すると主張し、買収阻止を求めて提訴した。

しかしながら先月、米連邦地裁のRichard J. Leon 判事はこの買収計画を条件なしに進めることを認める決定を下した。 Leon 判事は判事席からこう述べた。「言い渡す。被告人の勝訴」。この判決により、買収はその週の後半に完了した。

実際、我々はその買収の結果を目のあたりにしつつある。Time Warner傘下のHBOについてのAT&Tの計画がここ数日間、報道のヘッドラインを飾っている。

今回の買収は、通信とメディアのさらなる統合を促す素地をつくったようだ。Comcastは、Foxの映画とテレビ事業の買収の件でDisneyに対抗している。(TechCrunchもこうした流れのごく一部に取り込まれている。というのも TechCrunchはVerizon傘下にある)。

「連邦地裁の判決は、事実に基づき、証拠が判然としていて、これ以上ないほど完全なものだった」とAT&Tの法務責任者David McAteeは声明で述べた。「敗訴側は望むなら上訴する権利を有するが、こうした環境下で司法省が実際に上訴を選択したことに驚いている。我々はワシントンの連邦裁判所で闘う準備はできている」。

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(翻訳:Mizoguchi)

Magic Leap Oneがこの夏やってくる――謎のスタートアップのARヘッドセットはNvidia Tegra X2で動く

何年も待たされたが、いよいよこの夏、Magic Leapが実際にハードウェア製品を出荷する。同社は以前にMagic Leap Oneの概要を発表し2018年中に出荷されるとしていたが、その後の情報はほとんどなかった。このため本当にこのスケジュールを守って製品を出すことができるのかと疑う声も少なくなかった。

Magic Leapはこれまでに23億ドルのベンチャー資金を調達しているが、Crunchbaseによれば出資者のリストにはGoogle、Alibaba、Andreessen Horowitz他、オールスターメンバーが並ぶ。同社は今日(米国時間7/11)、AT&Tが63億ドルを投じて独占販売権を得たと発表して大きな反響を呼んでいる。

そのARヘッドセットだが、Twitchのデベロッパー向けストリームにいくつかの解説が上がっている。最初にビデオではMagic Leapを作動させるハードウェアはNvidia
Tegra X2になるという。おそらく強力なバージョンが用いられるはずだが、モバイルデバイスに用いるにはサイズが大きすぎるのでMagic Leapでは腰に下げる専用のパックを製作している。

価格などの詳細は依然不明だ。

同社の以前の説明ではMagic Leap Oneはモバイルではあるが、ホームユースを主として考えているということだった。

疑問は多数残っている。たとえば、デバイスに用いられているディスプレイのテクノロジー、デバイスが実際に用いられたときの視野角など核心的な部分はまだ明らかにされていない。ヘッドセットはハンドトラッキング、アイトラッキングに加えて物理的なコントローラーを用いる。こうした複数のトラッキング方式がどのように相互作用するのか、デベロッパーが制御できる部分はどの程度かなども大きなクエスチェンマークのままだ。またバッテリー駆動時間についても知りたい。

Magic Leapは自社の技術がいかに革命的なものであるか十分に鼓吹してきたが、製品を宣伝するビデオに登場するデモ自体はごく短く、ARを実現する際のソフトウェア上の大きなハードルがどう解決されたのか、ヘッドセットはサングラス式に着用できる洗練されたデザインだが、このハードウェアを十分なスケールで量産できるのかなどわれわれが知りたいことは多い。

CEOのRony Abovitzは「今週中にさらにアップデートがある」とTwitterで予告している。これにはMagic Leap Nextという次世代製品(Oneもまだリリースされていないわけだが)についての情報も含まれるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AT&TがTime Warnerの買収を完了…メディア買収が通信大手の生き残る道?

AT&TがTime Warnerの買収手続きをを完了し、ここにメディアとテクノロジーの大型統合がまたひとつ実現した。

その額は854億ドルで債務負担を入れると1080億ドルになるが、最初に発表されたのは2016年の10月で、今週初めに裁判所が認可し、木曜日(米国時間6/14)に完了した

完了まで長くかかったが内容は複雑で、AT&TはTime WarnerだけでなくケーブルテレビのHBPとWarner Brother’sの映画スタジオ、そしてテレビ局Turnerのチャンネルも支配下に置く。これだけあれば複雑な衝突が起きるのも当然で、なにしろこれにより、メディアの配信とコンテンツの制作が同じ親会社の傘下になるのだ。

AT&Tの会長兼CEOのRandall Stephensonは声明でこう述べている: “Warner Bros., HBO, そしてTurnerのコンテンツとクリエイティブの陣容は第一級だ。そのすべてがAT&Tの消費者に直接届く強力な配信網と合体すれば、他に類のない高品質なモバイルファーストのエンターテインメント体験を提供できる。われわれは、メディアとエンターテインメント産業が消費者とコンテンツクリエイターとディストリビューターとアドバタイザーズのために仕事をしていくやり方に、新しいフレッシュなアプローチを導入したい。”。

買収は、AT&Tという企業の生死にかかわっていた。同社によると、“シナジー効果”により25億ドルの費用節約が見込まれ、4年後には売上が成長に転ずると期待される。Time WarnerとTurnerを含むAT&Tの新事業は、昨年の年商が310億ドルだった。

今週の裁判所の決定の前には、政府が反トラスト法により買収をブロックしようとしていた。いわゆる垂直的合併…上流と下流が一体になること…により、価格操作が可能になり、消費者を害する、とされた。この買収は10年前の反トラスト訴訟の亡霊と揶揄され、初めて裁判所が、垂直的合併を単純に悪とする議論に断を下(くだ)した。携帯電話やスマートフォンが発明されたことにより、メディアと配信の業界構造が変わったことを、裁判所は指摘した。

一件落着したことによってAT&T-Time Warnerは、そのほかの大メディア買収に道を拓(ひら)いた。今週はComcastがFoxを650ドルで買収すると名乗りを上げ、12月に524億ドルを提示していたDisney(ディズニー)と戦うことになった。

情報開示: TechCrunchのオーナーであるOath〔旧AOL〕はVerizonのデジタルメディア分野の子会社であり、この親会社は〔通信大手として〕ComcastやAT&Tと競合している。

画像クレジット: KENA BETANCUR/AFP/Getty Images / Getty Images(画像は加工した)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

連邦地裁、AT&TとTime Warnerの合併を承認――政府の差止決定を覆す

反トラスト法に基づいてAT&TとTime Warnerの合併を差し止めたアメリカ政府の決定を連邦地裁のRichard J. Leon判事は覆した。この数週間、こうした決定が下されると予想されていた。当初からこの合併に反対してきたトランプ政権には打撃となるはずだ。決定はニューヨーク証券取引所の取引終了後に発表された。時間外取引への影響は軽微だった。

独自のコンテンツ製作者の立場を確立しようとしてComcastは21st Century Fox(21世紀フォックス)の買収を狙っていた。今日の決定を受けて、Comcastは早ければ明日にも正式な買収提案に動くと予想されている。

2016年10月に AT&TはTime Warnerを854億ドル(純負債を含めて1080億ドル)で買収する計画を発表した。 これに対し、政府は3月に「競争を阻害し、消費者の選択を狭める」として合併を差し止める決定を行った。

今回の連邦地裁の決定が持つ意味は重要だ。AT&TとTime Warnerの合併という個別案件にとどまらずメディアの再編というさらに大きな問題に影響を及ぼすはずだ。

まず第一に、反トラスト法の目的は経済力が1社に過度に集することによってもたらされる不公正なビジネス慣行から消費者を保護することだ。こうした案件では常に合併の結果生じる会社の規模が問題にされる。しかし反トラスト法の目的は規模を制限することではない。垂直統合においては新たな企業が競争を阻害せず、むしろ消費者の選択を増やす場合が往々にしてみられる。

垂直統合というのは、異なった、ないし相補的な関係にあるビジネス分野の2社が合併するような場合だ。新会社が適切な利益を上げつつつ、消費者は同一あるいはより低い料金で以前より広い範囲のサービスを選択することでできる結果となることが珍しくない。もちろんだからといって垂直統合が無条件に承認されるわけではない。FTC(連邦取引委員会)は2000年以来22件の垂直統合を差し止めている。しかし概して水平統合よりも審査は厳しくない。

AT&T/Time Warnerの件は垂直統合の例と考えられる。AT&Tはキャリヤであり、コンテンツの配給者であるのに対してTime Warnerはコンテンツの製作者だ。しかし他の要素が問題を複雑化していた。

まずこの分野で活動するプレイヤーの数がきわめて少なく、それぞれが強い影響力を持つ世界的企業だ。AT&T自体、世界最大のテレコム企業であるし、傘下のDirecTVを通じてアメリカ最大の多チャンネル配信者でもある。一方Time WarnerはHBO、TBS、TNT、ワーナー・ブラザース・エンタテインメント、NBA、MLB、NCAA March Madness、 PGAなどのスポーツ試合を中継する有力メディア・コングロマリットだ。

そこで司法省は「AT&T-Time Warnerの合併が行われれば、新会社は競争相手に料金引き上げることを余儀なくさせ、競争力を失わせるために通信料金の引き上げを行うことができる」と主張した。政府はまたネット中立性を担保する規則が廃止されるため、たとえばAT&TはNetflixがTime Warnerのコンテンツを配信しない場合、通信料金を引き上げるのを防ぐことができないと論じた。

これに対してAT&TとTime Warner側は(事実巨大企業ではあるが)激しい競争にさらされており、ライバルとなる有力デジタル企業、FAANG(Facebook、Apple、Amazon、Netflix、Google)はすべてビデオ配信を最優先事項のひとつしていると反論した。CNNMoneyが報じたところによれば、AT&T-Time Warnerの弁護士、Daniel Petrocelliは「〔Time-Warneのような〕伝統的形態のメデイア企業はデジタル革命にすでに大きく遅れを取っている」と述べている。

CNNMoneyによれば、こうだ。

PetrocelliはLeon判事に「推算によればFAANG企業の時価総額合計は3兆ドルにもなる。これに対してAT&T-Time Warnerの合併後の時価総額は3000億ドルにしかならない。われわれは彼らの後ろを懸命に追いかけているところだ」と述べた。

一方、トランプ大統領は選挙キャンペーン中から合併に強く反対してきた。Time WarnerはCNNを所有しており、トランプ大統領が目のかたきにしているメディアだ。2016年の選挙戦の演説でトランプ候補は「私が大統領になればこの合併は断固阻止する」と述べ、メディア事業への政治の介入の懸念を高めていた。ただしトランプ大統領は反トラスト担当者にこの件で連絡は取っておらず、合併を承認しないという決定はホワイトハウスからの指示ではないという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】

REDのクレイジーなホログラフ・スマートフォンを大手キャリアAT&TとVerizonが採用

REDのHydrogen Oneは、実際に見るまでは信じられないデバイスのひとつだ。同社はこの1200ドルのスマートフォンをかなり前に発表したが、その後何度も遅れて、ついに平然と“今何をしているか言うことはできない”、と言い放った。

でもこれは、自信の表れなのだ。AT&Tは今日(米国時間5/17)、その5.7インチの“ホログラフディスプレイのデバイス”を扱う、と発表した。しかしもちろんこれは、そのデバイスを暗黙に承認した、という意味ではない。そもそも、暗黙の承認なるものがある、という意味でもない。

しかし発表に伴うプレスリリースでは、マーケティング担当のSVP曰く、“この革命的なスマートフォンは、市場で上位に位置するエンターテインメントネットワークにおける、コンテンツの制作と享受をより高度な体験にレベルアップする”。どういう意味だろう? ぼくは個人的には、ブツが自分の手の上に乗るまでは、いっさいの判断を差し控えたいと思う。

キャリア(AT&T)は、“この夏晩(おそ)く”、と言っている。そういえばREDも最近、8月のローンチと言っていた。価格は今のところ、誰が言っても推定でしかない。AT&Tが下支えをするのか、それとも正味1200ドルで売るのか、AT&Tからの答はないが、お値段から考えて長期の助成が妥当な線だろう。

Hydrogen Oneは、誰が見ても主流的モバイルハードウェアからはほど遠い。現時点ではそれは、おもしろい消費者電子製品の思考実験みたいだが、ただしすでに実物がある。しかも、アメリカのメジャー系のモバイルキャリアからこの夏提供される。

アップデート:Verizonもこのスマートフォンを採用するらしい。このキャリアは本誌TechCrunchのオーナー企業のオーナー企業だが、“今年晩(おそ)く”というさらに漠然としたタイムラインを示している。やはりお値段等の情報はない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Huaweiがアメリカのキャリアと契約できなくなったのは議員からの圧力のため、という説

Huaweiの長引いているアメリカ進出のトラブルは、その最新の状況が、先週のCESにおける予期せざる、そして人びとの興味をそそる、記事ネタにもなった。しかしこの玉ねぎには、まだ剥くべき層がたくさんある。今朝(米国時間1/16)Reuters(ロイター通信)は、AT&Tがこの中国のスマートフォンメーカーとの契約を土壇場で破談にしたのは、このキャリアに対するアメリカの議員からの圧力があったからだ、とする憶測を確認している

この通信社の情報筋によると、AT&Tが同社のキャリア援助事業によりHuaweiのハンドセットを提供する、という計画に数名の議員が反対したため、AT&Tの手は塞(ふさ)がれた。議員たちはさらに、このアメリカ第二のキャリアに、Huaweiとの関係を断つよう強制することすらしたらしい。

関係というのは、5Gの規格策定や実装で協調することと、AT&Tが2013年に買収したプリペイドのワイヤレスプロバイダーCricketとの契約だ。上述の議員たちは、Huaweiおよび国営通信企業China Mobileとの関係は、同社の今後のアメリカ政府との契約の可能性を損なうかもしれない、とAT&Tに警告したそうだ。

その記事の内容は確かに、HuaweiとZTEの両社をセキュリティリスクと位置づけた2012年の下院諜報委員会の報告に沿っている。そのときの報告は、“アメリカの民間部門は、装置やサービスに関してZTEまたはHuaweiのどちらかと事業を行うことに結びついている長期的なセキュリティリスクに配慮することを、強力に奨励されている”、と言っている。〔両社とビジネス関係を持つな、ということ。〕

金曜日(米国時間1/12)には、テキサス州選出下院議員Michael Conawayが、アメリカ政府がHuaweiまたはZTEのハンドセットを使っているキャリアと仕事をすることを禁ずる法案を提出した。それは、HuaweiのCEO Richard Yu(上図)が、たぶんスピーチの草稿にはなかった部分として、同社との協働を拒否するアメリカのキャリアを酷評してから、数日後のことだ。そのときYuは、“それは消費者にとって大きな損失である。なぜなら彼らは、最良の製品を選べないからだ”、と述べた。

Huaweiは明らかに、今年はアメリカに進出するという大きな計画を持っていた。Wonder Womanの主演女優Gal Gadotをコマーシャルに起用して、大規模な広告キャンペーンを打った。しかしスマートフォンの購入の多くがキャリア経由である国でそのサポートが得られないなら、どんな積極姿勢もその一歩を踏み出せないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa