アクセス許可APIサービス開発のAuthzedが4.2億円のシード資金を調達

開発者がアプリケーションにパーミッション(アクセス許可)を組み込むことを容易にすることを狙うアーリーステージのスタートアップAuthzed(オースゼッド)は、米国時間4月21日、390万ドル(約4億2000万円)のシードラウンドを発表した。今回のラウンドは、Work-Benchが主導し、Y CombinatorとAmplify Partnersが参加している。

CEOで共同創業者のJake Moshenko(ジェイク・モシェンコ)氏によれば、同社のサービスは、開発者がアプリケーションにパーミッションをすばやく追加できるように設計されたAPIだという。モシェンコ氏は「Authzed はアプリケーションのパーミッションを登録、計算、検証するためのプラットフォームです。私たちはGoogle(グーグル)、Red Hat(レッドハット)、Amazon(アマゾン)での経験から、このやり方が、企業がアプリケーションパーミッションを行う際の適切な方法だと考えています」と語る。

サービスの仕組みは、まずユーザーのグループを定義し、そのグループのメンバー資格に基いて、どのようなデータを見ることができるか、どのような機能にアクセスする権限があるかを定義することだ。パーミッショングループの基盤としてActive Directory(アクティブ・ディレクトリ)やLDAPに依存する場合もあるが、モシェンコ氏によれば、実際のパーミッションの実装をシンプルにすることができるのだという。

「Active Directory単体では、実は問題を完全に解決できません。また、そのグループのメンバーシップに、それが意味する一連のパーミッションを結びつける必要があるからです。私たちのシステムを使えば、権限とグループメンバーの両方について考える方法を統一することができます」とモシェンコ氏はいう。

同社はこのサービスのフレームワークを構築したところだが、モシェンコ氏はActive Directoryやその他のディレクトリサービスとの連携はロードマップ上にあるという。これまで、設計パートナーと協力して製品の基本を固めてきたが、米国時間4月21日以降、同社はこのサービスを利用したいと考える開発者に向けて公開を行う。

当初は無料だが、将来的には有料プランの導入を考えている。モシェンコ氏はこのサービスを、コミュニケーションのTwilioや、決済のStripeのような、API企業に例えている。つまりアプリケーションの運用を始めたばかりの頃はコストが低く、時間が経ち、人気が出てきてパーミッションをより定期的にチェックする必要が出てくるに従って、コストが上がっていくと予想している。

会社は設立されたばかりで、共同創業者の3人以外の社員は1人だけだ。今回のラウンドで得た資金を使って、エンジニアを増員するとともに、開発者コミュニティ内でのプロダクトの人気を高めることを目指していく予定だ。モシェンコ氏は新しく雇用する従業員の数は、プロダクトがどれくらい市場に受け入れられるかによるという。

創業者たちは以前、Docker(ドッカー)コンテナのプライベートレジストリであるQuay(クエイ)を創業し、それを2014年にCoreOS(コアOS)に売却した。そのCoreOSをRed Hat(レッドハット)が2018年1月に2億5000万ドル(約270億3000万円)で買収した。そして同年末にはRed HatをIBMが340億ドル(約3兆7000億円)で買収している

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Authzed資金調達API
画像クレジット:Yagi Studio / Getty Images
原文へ
(文:Ron Miller、翻訳:sako)